2010年6月15日 (火)

国家反逆者 竹中平蔵氏 への20の質問(「父さんの日記」さんから転載)

  (郵政民営化問題、小泉政権などを鋭く追及しておられる「父さんの日記」さんが、竹中平蔵氏に20の質問を投げかけています。実に的を射た質問ですので、全文転載します。ブログ主さんは竹中氏を国家反逆者と断じていますが、私も同感です。)

(以下転載)

2010年6月14日 (月)

国家反逆者 竹中平蔵氏 への20の質問

Photo_5 菅新政権で郵政の行方が視界不良となっています。そこで郵政米営化の主犯である反逆者 竹中平蔵氏 への質問を作成しました。郵政だけでなく、りそな銀行の問題も含め、質問します。

 これを本日後ほど(帰宅後)竹中氏のツィッターに質問として投げかけます。

① 竹中さんが主導した「りそな銀行のインサイダー」では、竹中さんは「絶対に儲かる!」と発言されました。りそな株が「絶対に儲かった仕掛け」を知りたいのですが?

② その「りそな銀行のインサイダー」では、いくら儲けたのですか?

③ 「絶対に儲かる!」発言につられ、多くの方がりそな株の取り引きをされました。外資企業以外では、何人の政府・与党議員・秘書とそのご家族が、儲けたのですか?

④ 竹中さんが日本開発銀行(現・日本政策投資銀行)の設備投資研究所に在職中、同僚の鈴木和志氏と共同研究をされました。その成果を貴殿の処女作「研究開発と設備投資の経済学-経済活力を支えるメカニズム」(東京経済新報社)に収めた際、何故、鈴木氏の名前を隠し貴殿一人の成果として掲載したのですか?

⑤ クリントン政権時の1994年以来米国が日本に突きつけてきた竹中さんの教科書(年次改革要望書)ですが、2009年版がいつまで経っても米国大使館HPに掲載されません。本来ならば、今頃は報告書が上がってくる時期です。何故政権交代した途端に公開されなくなったのですか? 要望書が来てないのですか?

⑥ 菅新政権に対しては、竹中さんの教科書(年次改革要望書)は公開される(or復活する?)のですか?

⑦ 何故、過去の規制緩和や制度改革のことごとくが、竹中さんの教科書(年次改革要望書)に書かれた通りに実現されてきたのですか? そして過去日本政府は国民にその事実を公表せず、マスコミも黙殺してきましたが、それは何故ですか?

⑧ 郵政民営化法案は、ロバートゼーリック元米通商代表部代表(現・世界銀行総裁:本年のビルダーバーグ会議出席者)が当時郵政担当大臣の竹中さんに送付した書簡(指示書)の通りになっていました。何故ですか?

⑨ 「郵政民営化法案は廃案となったが、これは手取りの時期が少し延びたにすぎない。ほんの少し待てば、われわれは3兆ドル(340兆円)を手に入れることができる」The Wall Street Journal インターネット版 2005年8月8日(参議院で郵政民営化法案が否決され衆議院解散となった日)。これの意味を教えて下さい。

⑩ 何故1990年代、保険業法改正と不況時の時価会計導入のおかげで生保が外資に買収される事態に陥ったのですか?

⑪ 竹中さんは、生保、損保、そして銀行と、日本の金融業が外資に買収された後に、民営化された郵政の株式公開という段取りを組みました。これは何故ですか?

⑫ 何故、郵政民営化について日米2国間の会合が18回(17回?どちら?)ももたれ、そのうち5回に米国生保の代表者達が同席したのですか?

⑬ そのことと先の保険業法改正とはどのような関連がありますか? また4分社化と株式公開後の簡保はどうなる手はずだったのですか?

⑭ 予定通り株式公開された場合、郵政株を外資が押さえる可能性はどうでしたか? またその後状況は変わり、米国発大不況、そして世界金融恐慌も迫るいま、菅新政権が郵政改革法案を先送りにしたその背景は何でしょうか?

⑮ 郵政私物化を進めた西川三井住友FGとゴールドマンサックスの関係は、いったいどのようなものなのですか? 何故そこに竹中さんも絡んでいるのですか? 何故郵政公社時代からの疑惑にゴールドマンサックスの名前がでてくるのですか? 

⑯ 郵政株購入で外資が郵政を支配下に置いた場合、それら外資が2兆4千億円の郵政所有不動産を手にすることを意味していました。そのことで今後何が起こりえたのでしょうか?

⑰ 何故、日本に郵政民営化を命令しておきながら、米国は自国の郵政国営化維持と市場独占を保証しているのでしょうか? 米国郵政民営化の障害は何だったのでしょうか? 日本郵政民営化と米国郵政の案件との比較をお願いします。

⑱ 小泉首相は郵政民営化に先立ち、ニュージーランドの郵政を視察に行かれ、民営化に大失敗した同国の事例を見てこられましたが、それでも日本郵政の民営化を推進された理由は何だと考えますか?

⑲ 竹中さんの実兄が社長を務めるミサワホームが郵政社宅を廉価で買収しています。何故、そのようなことができたのですか? 

⑳ 竹中さんは毎年1月に住民票を米国に移して日本での住民税を払ってませんでした。 今も継続中ですか? 日本人なのに何故ですか?

【追加】 2005年10月21日成立の「日本郵政株式会社法」附則第2条に、「かんぽの宿」売却規定法案が盛り込まれました。これは政府案決定の2日前でした。何故「かんぽの宿売却」を盛り込んだのですか? ギリギリの直前に滑り込ませる必要があったのですか?

【神州の泉から追加質問】 竹中さんは、りそなインサイダー取引疑惑を提起した植草一秀さんの失脚を謀ったのですか?

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2010年6月11日 (金)

小沢一郎氏を再浮上させるしかない

8fac91f288ea98y  日本人には信義を重視する国民性が伝統的にある。信義とは真心で相手との信頼を破らず、約束を遵守し尽くすという姿勢だと思う。幕藩体制の江戸時代、明治以降の立憲君主体制、先の戦争以前、直後も含めて日本人の道徳としてこの信義は生きていた。時代がどうであろうとも、人間個々の間、志を等しくする集団内部では、強い信義が働いていた。これは日本人に限ったことではなく、万国共通の社会原則である。

戦後のわが国は、尊皇教育と記紀神話教育が断絶したために、日本固有のアイデンティティを形成し、それを次代に継承していく力が徐々に希薄化した。アメリカの価値観を踏襲した世界観が蔓延したために、本来の道義や規範意識がおろそかになった。これは東京裁判史観を基軸とした戦後教育の悪しき成果だが、現今の民主党にもそれが露骨に出ている。今、鳩山前総理や民主党全体が真に問われているのは、小沢一郎氏に対する信義の欠如である。
 
 民由合併がなされた2003年以来、民主党は小沢一郎氏の働きで、有象無象の集合体であった党をきちんと政党として世間に認知させ、昨年はついに総選挙を制覇して政権交代を実現した。小沢一郎なくしてこのような展開は到底できなかった。小泉政権以降の自公政権は国民生活を犠牲にして、一部の富裕階層を富ませ、一方では米系国際金融資本に国富を恒常的に移転する構造を設けた。このため、生活の窮乏に直面した国民は小泉・竹中構造改革路線が志向する破壊的な本質に気付いてしまい、自公体制に代わる国民生活重視の新体制を希求した。この悲痛な国民の叫びを吸収し、応えたのが小沢一郎氏であった。

 悲願であった政権交代が小沢氏の力量と努力で成し遂げられ、民主党は政権与党の座に着いた。普通なら多少の政治信条の差異や齟齬を越え、一致団結して旧弊政治の刷新に邁進するところだが、党内で小沢氏を牽制する勢力が常に足を引っ張った。アメリカ、それに追随する「官僚国家ヤクザ」やマスコミは、強力な小沢包囲網を形成し、小沢一郎氏の完全排除を目的として弛まぬ攻撃が推進された。反小沢派は、実体なき虚妄の政治資金疑惑に相乗し、それを増幅させる計略に加担した。小沢一郎排除計画である。これは菅直人氏と鳩山由紀夫氏の謀反によって完成した。

 ただ、鳩山氏の変節はあまりにも異常であり、推測すれば、CIAか横田幕府が直接働きかけて鳩山氏を脅迫した可能性がある。そういう外力を想定しないと、鳩山前総理が行った小沢氏抱き合わせ心中は解せないものがある。中丸薫女史は、ベンジャミン・フルフォード氏との対談本『泥棒国家日本と闇の権力構造』(徳間書店)で、「横田幕府」について次のように語っている。

「いうことをきかない政治家を、たとえば竹下さん(元首相)も、お金のことでいろんなことがあったときに、MPが横田に連れていったそうです。飛行機に乗せて、太平洋の真ん中まで行って、「ここから落とす」といわれて、「イエスかノーか」と脅迫されたと聞きました。
  今だって、お金のことでいろんな問題があると、MPが連れていって、ヘリコプターで宙づりにして、顔を海に何回も浸けるそうです。」(P236より)

 自民党の竹下前総理大臣は、“横田基地のMP”に連行され、太平洋上で突き落とすと脅されたと言う。俄かには信じ難い話だが、横田基地のMPについて、私は思い当たることがあった。この本が出版されたのは、2005年の9月だが、小渕恵三前総理が亡くなった2000年当時、私は横田基地のMPと接触したある人物の体験記を偶然耳にしていた。その人物(M氏)は横田基地の或る将校と懇意にしていて、MPの話題になったそうである。その時、将校は、もし東京都内で不穏な動きがあった場合、横田のMPは日本の警察よりも素早く、機動的に現場に到達して武力制圧できると言ったそうである。それを聞いたM氏は、そんなことは嘘だろうと懐疑の念を表わした。

 それに対し将校は、今からそれを証明して見せると言って、どこかに電話をかけた。すると15分ほどして、数十名のMPを載せた軍用車両が、二人のいる場所に到着し、完全武装をしたMPが降車して勢ぞろいしたそうだ。デモンストレーションである。M氏は度肝を抜かれ、日本の首都東京は横田基地の制圧下にあることを痛感したそうである。この話の真偽を確かめる術はなかったが、私は真実であると確信した。だから中丸薫女史の上記の話は具体的な迫真性をもって訴えてきた。鳩山前総理の極端な変節は、もしかしたら彼にこの類の脅迫があったことを思わせる。

 もうひとつは田中宇氏も言っているように、韓国哨戒艇「天安」の沈没事件が、日米安全保障条約の恒久的堅持を目的として、米国がやった謀略の可能性を見る。半島有事の恐怖を醸成して在日米軍の存在価値を強調した。日米安保の存続は米国にとって重大要件である。それは駐留米軍を置いて日本を軍事的属国下にすることで、毎年数千億円もの莫大な思いやり予算や、日本国富を手中にできるからだ。小泉政権もその構造の一角であった。米国は日本に米国への富の移転が恒常的に行われるように、日本市場や社会制度の改変をやっている。

 中丸女史が言うように、日本の宰相がこれに抗った政策を強行しようとした場合、横田基地の暴力が為政者を襲う可能性は充分に考えられる。あるいは田中角栄前総理大臣のように巨大な疑獄事件に嵌められることになる。経済学者の植草一秀さんは、小泉政権という、米国が設定した売国構造改革を果敢に攻撃したために国策捜査に嵌められている。マスコミが属国日本の現状を語らないので、国民は現在のデフレ不況や国民への再配分が極小化している最大の原因がどこにあるか、実感できないでいる。それは日本の優良資産や労働成果をむしり取る目的で、アメリカの内政干渉が継続しているからだ。つまり、日本の不幸は従米被占領国家の現状から脱却しなければ、いつまで経っても終わらないのだ。誰かが米国離脱の狼煙を上げる必要がある。

 小沢一郎氏の真骨頂は脱米自主独立構想の実現であった。だからこそ、彼は執拗に集中的に叩かれ、排除されることになる。国民生活の建て直しは、米国支配に対して非軍事的に立ち向かうことである。一番理想なことは国民の総意で自主独立軍隊を持つことであるが、日本人は戦争のトラウマが強く、軍隊アレルギーがある。田中角栄氏は非軍事的な脱米を試みてアジアとの結束を志向し、中国と国交回復をした。小沢一郎氏も脱米の力学を親中国や親韓国に求めた。これについては反感も強く諸説あるとは思うが、冷静に考えてみれば、それ以外に現状における脱米の有効な打開策はない。

 私は平沼赳夫氏が亀井静香氏の呼びかけを蹴り、結果的に与謝野馨氏らと合同した時は、少なからずショックだった。小沢氏の包括的脱米志向が中国や半島の力を当てにしている以上、平沼氏らの伝統右翼勢力が中国・半島勢力の日本侵攻を牽制する力になり、外国人参政権や人権擁護法案等、日本の国体を蚕食する法案を阻止する力になるからである。日本の自主独立の原則は、東京裁判の呪縛からの解放とアメリカ支配からの脱却である。小沢氏はこれを行うために田中角栄氏と同じ轍を歩んでいる。だからこそ、平沼氏や城内実氏ら真正保守の助力が大きな意味での脱米志向を補佐し、中国や半島の日本侵略を土俵際で食い止めることが有効だ。亀井静香氏はそこまで考えて平沼氏に呼びかけたと思える。

 アメリカの収奪主義から離陸するためには、一時的に中国や半島を味方に引き入れ、その外力てアメリカを押さえる力学が必要だ。自主軍隊を作る選択肢がないなら、その方向しかないだろう。汎アジア主義、大アジア主義である。親米保守は隷属保守であり、国を潰す元凶である。郵政民営化は米国の収奪が容赦のないレベルになっていることを示す。これに反対した陣営は真の愛国者である。だからこそ、今の局面は小沢氏ら革命勢力と平沼氏ら真正保守勢力が合同して国難を排除することが重要である。これが左右を超えて難局を打開するということの真の意味だ。小沢氏にはこの大局が見えていた。だからこそ彼は国民新党の亀井氏を重用し、郵政見直し法案をここまで実現させた。あと一歩のところで、鳩山・小沢体制が崩壊させられた。

 その亀井大臣が昨夜、大臣職を辞した。今国会で郵政見直し法案が成立しないことがわかったからだ。これはこの重要な法案が廃案になることを強く示唆している。つまりアメリカは宗主国マターを発動してぎりぎりのところで郵政見直し法案を潰しにかかった。現在の急激な菅体制の閣僚布陣がそれを端的に示している。亀井大臣が排除される事態となった今、いよいよアメリカの目的が、郵政見直し法案を廃案にして、年次改革要望書の計画を強引に進めることにあることが明白になった。菅体制の売国布陣は小泉政権の悪辣さを上回るような気がする。

 冒頭の話に戻るが、政権交代という奇跡的な大事業を成し遂げたのは小沢一郎氏である。この歴史的な功労を忘れて民主党議員は小沢氏を攻撃した。これは忘恩の愚挙である。信義を忘れる政治家は亡国の方向性しか持たない。郵政見直し法案を何としても実現させなければならない。売国奴の竹中平蔵氏が菅体制を高く評価しているそうだ。信義とは対極に位置する竹中氏が喜ぶ新体制は危険である。

 小沢一郎氏を再浮上させることが重要である。

 話を元に戻すと、民主党は小沢一郎氏に対する信義が欠落している。小沢氏をむざむざ排除させたことは国家的損失である。

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2010年5月16日 (日)

小沢一郎包囲網の深層を考える

8fac91f288ea98y  長年にわたり、政治家・小沢一郎氏は、マスコミや御用評論家、あるいは特定の政治家連中から不当なイメージ毀損を受け続けている。それは昨年3月の西松建設献金問題から顕著になり、政権交代して彼が幹事長になってからも、更にそのバッシングは苛烈さを増している。その背景を自分なりに考察してみた。

 既存マスメディアや小沢氏に反感を持つ政治家たちが、これまでに執拗に垂れ流し、イメージ定着させた小沢一郎像は簡単に言えばこうである。

(1)豪腕
(2)傲慢
(3)コワモテ
(4)わがまま
(5)生意気
(6)無愛想
(7)壊し屋
(8)自分勝手
(9)金に汚い

 テレビ等で小沢包囲網が語る小沢一郎像は大方がこのどれかに当てはまっており、そうとうにネガティブな人間像がこれでもかと語られる。それらは半ば定型化していて、当たり前のように小沢批判に取り入れられている。ある闇の勢力によって、これらの小沢イメージは執拗に反復され、メディアを通して国民に強く刷り込まれているが、これらは完全に虚像である。かく言う私も、つい最近まではすっかりこれらの虚像に囚われていたが下記の四著を読んでみて、小沢氏の誤まったイメージを完全に修正した。

(1)平野貞夫「虚像に囚われた政治家 小沢一郎の真実」(講談社)
(2)平野貞夫「平成政治20年史」(幻冬舎新書)
(3)平野貞夫「我が友・小沢一郎」(幻冬舎)
(4)渡辺乾介(けんすけ)「小沢一郎 嫌われる伝説」(小学館)

 平野貞夫氏は長年、小沢氏のそばにいて、彼の人となりや政治への取り組み方を知悉しており、その実像を正確に伝えている。上の三著を読めば、いかに世間では間違った小沢イメージが流布されているかが如実にわかる。植草一秀さんが、ブログでしばしば言及している小沢包囲網の元凶である「三宝会」についても、「平成政治20年史」の173ページに、また、「我が友・小沢一郎」の87ページに語られている。

_72  三宝会とは、竹下登元首相の指令で作られた秘密組織であり、新聞、テレビ、週刊誌等や、小沢嫌いの政治家、官僚、経営者が参加して、上記のような小沢氏への悪口や欠点を書きたて、国民へ誤解を与える狙いを持っている。この会を操る闇の勢力は、小泉政権を強く支持し牽引した存在であり、植草一秀さんを二度も国策捜査に陥れた存在である。これは植草さんが悪徳ペンタゴンと称している利権複合体であり、明らかに米国の意志が強く働いている存在だ。

 検察特捜部はこの勢力と結びついており、民主党が政権交代を果たして与党になった後も、小沢氏は執拗に攻撃されている。自民党55年体制では、与党の幹事長は闇の勢力に庇護されてきた感があるが、政権交代して民主党連立政権が天下を取った後は、なぜか新政権を徹底して敵視している。その顕著な例が小沢包囲網の活発化である。小沢包囲網の中には、獅子身中の虫として、民主党の中に悪徳ペンタゴンと気脈を通じる勢力が台頭している。具体的には、仙谷、前原、枝野、岡田などの各大臣や渡部恒三氏を始めとする反小沢勢力だ。彼らは小沢幹事長や鳩山総理の影響力を消滅させ、小泉・竹中構造改革路線と同じ市場原理至上主義を復活させる目的を持つ。

 さて、小泉政権を稼動させ、植草さんを嵌めた勢力は、なぜ小沢幹事長を憎み、排除ししようとしているのだろうか。その深層を見極めることは、日本の現状を把握するために重要である。元外務官僚で戦略的情報分析の専門家、現在は執筆等で鋭い言論を展開している佐藤優氏の著書「日本国家の真髄」第二章「永遠の今」を参照すれば、「国体の本義」では、歴史は永遠の今の展開であり、歴史の根底にはいつも永遠の今が流れている。佐藤氏は言う。我々は過去のしがらみを無視して生きるわけにはいかないのだ。過去からの様々な制約の中に現在が存在することは決して否めない。その最大の制約は大東亜戦争に敗北したということである。

 この佐藤氏の断言を敷衍すれば、日本人の現在の世界観、歴史観は「東京裁判史観」に囲繞されており、日米関係やアジア関係にこの史観が重く影響しているのは歴史の宿痾(しゅくあ)となっている。ところが日本人はこの事実をタブー視して、思考停止に逃避している。沖縄の普天間基地移設問題も、根底は日本人全体がこのタブーに厳然と向き合って鳩山総理とともに真剣に考えるべき問題だ。この問題の深層には、江藤淳氏の言う「閉ざされた言語空間」が強く関係しており、日本人が対米問題に対峙する時、この閉ざされた言語空間を「開かれた言語空間」に切り替える必要がある。このことを避けたまま、鳩山総理一人にこの問題を丸投げすることは間違っているし、卑怯である。米軍基地による沖縄県民の懊悩呻吟(おうのうしんぎん)を日本人全体の問題として受け止める共感体制が必須である。

 今は詳しく言えないが、日本人が小泉政権という外道政権の出現を歓迎ムードで許容してしまった根本原因にも、同じ歴史の宿痾が作用している。日本人は米国批判を自主的にタブー視してきた半世紀以上の歴史がある。小沢一郎氏と鳩山由紀夫氏のラインは、彼らなりにこのタブーに真っ向から挑戦している。それを証明する最大の事例が、亀井静香氏に郵政民営化の見直しを全面的に任せて実行させたことにある。米国の傀儡(くぐつ)師である竹中平蔵氏が牽引し実行した郵政民営化は、わが国の国富を米国に献上する最大の売国であった。これを寸前で食い止めた小沢・鳩山ラインは戦後史の巨大なエポックである。結果として年次改革要望書の最大眼目である売国政策、郵政民営化を食い止めたことは大きなことだった。

 小沢一郎氏が矯激なバッシングを受けることは、郵政民営化の成就をアメリカが狙うことと同じ構造にあることは一目瞭然である。事実上の被占領国日本を、意のままに操れば、日本の国富をいつでも自由に移転できることがアメリカの真の狙いであり、日本人を内側から精神的に隷属させる最大の武器が東京裁判史観であることをよく知っている。従って、これに気付き、政策に反映させる可能性を持つ為政者を極度に警戒し嫌っている。小沢氏がメディアなどで、上記の誤まったイメージを流布されてしまう根本に、アメリカの陰険な占領意志が存在する。

 さて、真の小沢一郎論が書かれた上記の四冊の内、(4)の渡辺乾介(けんすけ)氏が書いた「小沢一郎 嫌われる伝説」は、平野貞夫氏とは異なった切り口で書かれているが、小沢氏が大いに誤解されているという意味では同じ視線であり、ジャーナリストらしく実に客観的に書いている。私は非常に参考になった一冊である。この中に小沢氏の共生理念による国家統治論的考え方の一端が書かれている。

「古い主権国家論を展開していたのでは、いつまでも争いはなくならない。主権国家万能的な考え方かたから脱却して、『共生』あるいは「共存」の考え方を共有し、実践しなければならない。」(278ページ)

 これは、小沢氏が理論的に詰めて国民にわかりやすくアピールする必要がある。このような短い文面だけだと、国家主権を単純に国民主権に委譲し、国家の枠を取り去ってしまえというように誤まった単純化に誘導される危険がある。このような誤解と、小沢氏が示す対中国、対韓国への親和性がリンクすれば、日本を中国に売り渡すのかという文脈で語られてしまう。平沼赳夫氏や城内実氏などはこの文脈で小沢批判を行っているようだ。小沢氏は、もっと共生理念を自立国家論とリンクさせて国民に説明すればいいと思う。そうでなければ、このような不幸な亀裂がより大きな口を開ける。

 明治以来の官僚主導体制が腐敗して国家はガタガタになったばかりか、彼らはアメリカの走狗と化している今、一旦は国家主権を国民主権に移して国家そのものを立て替えるという考え方が出てくるのは道理である。その上、権力官僚が国家ヤクザ化して無法状態を現出している今、その無血革命をしなければならない状況にある。その一環として政権交代が行われ、国民は戦後史のベクトルを選挙で変えたのだ。歴史の中に位置する現在は政権交代の現実に制約され、依拠している。これが日本の実態である。後戻りはできない。ここから未来を切り拓いていくしかない。

 小沢一郎氏は東北人であり、岩手県の水沢出身である。大昔、先祖が神武天皇に逆らった長脛彦(ながすねひこ)の系譜に当たる血族か、あるいは蝦夷の系譜か、その辺のことは知らないが、平野貞夫氏の著書を読むと、大和朝廷とは出自を異にする家系なのかもしれない。これを大きな視点で、小沢氏が縄文人のDNAを持つと仮定すれば、小泉政権の出現で疲弊した日本を修正するには、小沢氏の縄文的感性が政治に反映することを国民が求めているという捉え方もできる。縄文こそ共生理念の原点だからである。万葉の自然讃歌は日本人の縄文感性が強く顕現した時だと私は思う。

 欧米近代主義がモンスター化して金融資本主義が世界に蔓延し、実体経済が疲弊して金融博打が先進諸国を席巻した。リーマンショックを契機に金融資本主義は破綻した。小泉・竹中路線が主導した弱肉強食改革は日本人をアトム化し、社会の公共性を脆弱にした。その結果として国力の衰退を招いた。ここへ植草一秀さんのような炯眼の士を国策捜査にかける傾向が強まってくると、日本はますます弱体化するだけである。

 新自由主義の権化であった経済学者の中谷巌氏は、金融資本主義の間違いを反省した後で、その著書「資本主義はなぜ自壊したのか」で、日本のアーキタイプについて、実に重要な指摘をしている。神道と仏教を融合(本地垂迹)した独自性、弥生人は縄文人(出雲系)を結果的に殺戮せずに融和したことが、記紀神話の国譲りに象徴的に出ていることが特筆されていた。私は強い共感を覚えた。本地垂迹も国譲り神話も、日本特有の“むすび”の作用である。乱暴に言えば、日本人の精神作用を占める世界観のアーキタイプは、縄文感性と弥生感性の混淆なのであるが、これは時代によって、どちらかの傾向が突出する傾向がある。江戸時代は縄文傾向、明治以降は天皇が軍神化されたことにより、弥生傾向が出たとも言える。どちらが良いとか悪いとかではなく、日本人の自我や集団無意識の底流にこの二つの併存があるという話である。

 国民は官僚体制がすでに朽ちて機能していないことを敏感に感じ取り、小泉政権の国民生活破壊の凄まじさ、特に絶対的貧困や地方の衰亡を見て、小沢氏に縄文の共生思想を求めた。国民の集団無意識が縄文感性に舵を切ったのだ。私は政権交代の深層をそのように見ている。民主党は隠れ小泉派が猛威を奮い、国民が望まない状況が現出しているが、小沢氏を失脚させない限り、修正の可能性は残されている。と言うか、この混迷を脱却する力を有する政治家は小沢氏を除いてほかに見当たらない。


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2010年5月10日 (月)

ギリシャの財政問題は、日本の財政問題とは正反対(小野盛司)

Photo_2日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第211弾です)

 ギリシャの財政赤字からくる財政危機で、世界中の株価が急落した。ギリシャの国債は暴落し、そしてあたかも、明日は同様なことが日本に起きるかのごとくコメンテーターは解説している。しかし、これは的はずれも甚だしい。
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 この図で明らかなように、ギリシャは外国から借金をしているし、日本は逆に毎年外国に巨額の金を貸している。ギリシャにはデフォルト(借金踏み倒し)をせざるを得なくなる可能性はあっても、日本はその危険は全くない。

 ギリシャの問題は、日本で言えば夕張の財政問題に比べるとよいかもしれない。夕張は炭坑閉鎖に伴い、別な産業を育てようとテーマパークに巨額の投資をして失敗し、財政破綻した。使いすぎたのなら、それを放置すべきでなく、緊縮財政に移すのは当然だ。ギリシャは国民の3分の1が公務員だし、政府が金を使いすぎているということだ。輸出が1兆円なのに輸入が3兆円ということは、国民にお金を渡しすぎたために、国民が消費しすぎたということ。観光等でそれを補っていたが、不況でそれでは間に合わなくなったということだろう。

 それでも、ギリシャ問題によって、世界、特にヨーロッパの景気回復が遅れる可能性がある。そうであれば、財政赤字を気にせずにもっと財政出動を行い、完全に景気が回復してから財政赤字の問題を考えた方がよい。EU の財政規律を定めた安定成長協定では、加盟国は財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以下に抑える義務を負う。必ずしも厳密に守らなくてもよいとはいえ、EUは財政規律を守らせるという気運があったため、今回の世界金融危機でも十分な景気対策ができなかった。それがヨーロッパの景気回復を遅らせており、ギリシャにしわ寄せが及んでいる。不況の際に緊縮財政をやれば、逆に国の借金は増えてしまうというのが日本も経験したことだ。

 財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以下に抑える義務というもの自身が現実的でなくなっており、景気回復のためには、この制限を大幅に緩和すべきである。それによってインフレが進みすぎるというのならともかく、今はこの大不況からなんとか抜け出さねばならぬ状況にあるのである。これは国債の増発を許可することになり、増発された国債は欧州中央銀行が買い取れば、ヨーロッパ各国に更なる財政出動を可能にし、日本のような「失われた10年」に落ち込むことを防ぐことができる。これは刷ったお金で景気を回復させることに相当するのだが、ギリシャの場合は、これによって一時的にデフォルトを防ぎながら、それでもやはり財政健全化の努力は必要になる。

 世界規模で見れば、お金を刷って思い切った財政出動を行った米国や中国の経済の景気回復が鮮明であるのに比較し、財政健全化ばかり気にしているヨーロッパや日本の景気回復が思わしくなく、落ちこぼれのギリシャに足を引っ張られて再び悪化する可能性もある。ここは、経常黒字が続いている日本などのような国が、思い切って財政出動をし、世界の景気回復に貢献すべきである。それがギリシャなどの落ちこぼれを食い止めることに役立つのは間違いない。

 もちろん、夕張が勝手にお金を刷って財政出動をするわけにいかないと同様に、ギリシャもユーロに入っているのだから勝手にお金を刷れない。しかし、ギリシャ問題を放置するとスペインやポルトガルにも飛び火する可能性がある。つまりこれはマクロ(ヨーロッパ全体、あるいは世界全体)の問題であって、ギリシャだけの問題ではないのでマクロで対策を考えなければならない。

 これが日本に飛び火するかと言えば、状況は全く逆だ。ギリシャを助けるのは例えばIMFだが、IMFに2番目に多く出資しているのは日本である。出資割合に応じて投票権も増える。下の図でそれが示されている。つまり日本のように金持ちの国は、ギリシャを助ける立場にあり、やがてギリシャのようになる可能性が最も少ない国である。国には金が無いと錯覚しているが、お金は(日本円は)日銀がいくらでも作りだせる。それをやらないから果てしなく貧乏になり続けるのだが、そんな政策が誤りだと気付けば、日本は実は金持ちなんだと分かってくる。つまり日本はギリシャとは正反対の立場にあるのだと。

         出所:日経新聞
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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2010年5月 2日 (日)

デフレ脱却は大規模景気対策が無ければ不可能(小野盛司)

日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第210弾です)

Photo_7   最近は景気対策の話題は影を潜め、もっぱら財政再建のための消費税増税が語られるようになった。これは極めて危険な考えである。デフレ下での増税議論は、私に言わせれば「正気の沙汰とは思えない」のである。最新の政府発表ではGDPデフレーターは平成21年度-1.7%、平成22年度-1.0%(見通し)だからデフレ脱却の見通しは全く立っていない。日本は十数年前からデフレに陥っており、余程の規模の景気対策を行わなければデフレ脱却は無理だということは、明らかだ。次の名目GDPのグラフを見ていただきたい。

Photo_2                         

 2008年度に比べGDPは一気に8%程度下がってしまい国民は貧乏になってしまった。現在の政策を続けていたら、GDPはほとんど上昇しないし、このペースでは2007年度、2008年度のレベルにまでに回復するのに何十年もかかってしまう。これほど経済が停滞した国は、先進国では日本だけだ。

 しかも消費税増税などと言っているから、それをやれば中小企業の倒産が続出、GDPは更に下がっていく。逆に、増税でなく、年間50兆円規模の減税や日本の将来のための投資を行ったとすれば、上図の緑の線のようにGDPが急上昇する。これは日経モデルによる試算である。GDPが増えれば、国の借金のGDP比も下がってきて将来世代へのツケを減らし、税収も増えるので財政赤字も解消してくる。

 この不況に入る前は、「戦後最長の景気回復」などと言われた。景気回復など無かったのだが、それでもわずかながら「景気回復」が感じられたのは、輸出の伸びによるものだった。それが世界金融危機によって輸出入が半減し一気に景気が悪化した。新興国や米国などでは、大量のお金を刷ってこの危機を乗り越えた。そのお金のおこぼれが日本にも流れて来て、輸出入は下図のように急回復しつつある。

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 通常は、これだけ外需が伸びれば、国内の景気も急回復するはずだが、民主党政権は公共投資を大幅削減し、麻生内閣の補正予算すら執行停止することにより、景気に急ブレーキを掛けた。そのため外需の伸びを相殺してしまった。日本人は、お金を刷る政策が余程嫌いのようだが、諸外国は正当な権利と考えている。次に日経新聞の記事を引用する。

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  これは、諸外国の中央銀行がお金を刷って国債などを買いまくっているために、資産(国債など)が増えバランスシートが急拡大しているということを示している。一方日本だけは変わっていない。つまりこの大不況でもお金を刷らず、国民にじっと我慢させている。これが日本が特に不況が深刻化した一つの理由である。

 不況の深刻化のもう一つの理由は、日本はこの金融危機の前から大不況であり、金利はほぼゼロの状態であったから、更に金利を下げる余地はなかった。日本以外、ゼロ金利を長年続けているような馬鹿な国はどこにもなく、金融危機に際しては金利を大幅に下げ景気を刺激し、景気回復を助けた。これから諸外国は景気対策が終わり、金利を元に戻して、平時の経済に戻そうとしているが、日本だけは最悪の経済状態から抜けられず、再び世界で唯一のゼロ金利を続ける国になろうとしていることが下図からわかる。

 今こそ政府が国を貧乏にする馬鹿な政策を止めさせようではないか。消費税増税でなく、お金を刷って国民に渡せ!それがデフレ脱却の唯一の方法だ。
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