2009年7月 7日 (火)

植草事件は今のタイミングで、なぜ実刑判断なのか?

  植草一秀さんが、7月6日のブログ記事、「『かんぽの宿』論議を逃げたテレ朝サンプロ」で、テレ朝「サンデープロジェクト」司会者、田原総一郎氏は6月28日の放送で、「かんぽの宿」疑惑について、7月5日の放送で議論する旨を告知した。しかし、当日のサンデープロジェクトがこれを逃げたことは問題であると言っている。

 以下植草さんの記事を転載する。

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  (転載開始)
  固定資産税評価額857億円、実勢時価1000億円程度と見込まれる「かんぽの宿」79施設が、極めて不透明な選考過程を経てオリックス不動産に109億円で売却されようとした事案に関する重大な疑惑が問題の中心である。

 109億円の売却価格を正当化する根拠として、

①「かんぽの宿」事業収支の赤字
②雇用維持条件
③日本郵政の簿価が123億円であったこと

があげられているが、これらのすべてに重大な疑惑が存在する。

 最大の論点は、不動産鑑定評価の方法である。不動産鑑定評価には、①原価法、②収益還元法、③取引事例比較法、の三つがあるが、②収益還元法を利用する場合、事業収支が赤字であることを算定の根拠に用いると、鑑定評価額が著しく低くなる。

 しかし、「かんぽの宿」は容易に黒字化することが見込まれる物件であり、年間40~50億円の赤字を前提にした鑑定評価は、「かんぽの宿」を安く売るための大義名分に使われた疑いが存在するのだ。

(転載終了)
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 現与党政権が郵政民営化において、「かんぽの宿」79施設が異常に安い価格でオリックス不動産に売却される寸前までいって、鳩山邦夫前総務大臣によって止められた。それ以後、日本郵政株式会社の西川善文社長と鳩山前総務大臣の間で熾烈なバトルが繰り広げられ、当初は麻生総理も西川社長を更迭する気持を持っていたが、政府もマスコミもどういうわけか、この問題の核心的な議論を避けているうちに、いつの間にか閣内内紛という奇妙な状況になり、何と、首相が鳩山総務大臣を事実上、更迭してしまうという強引な決着劇が図られた。

 鳩山前総務大臣は、日本郵政株式会社法に則って、適切に問題処理を行おうとして調べた結果、西川善文氏の降板という結論になった。不祥事が起きたと総務大臣が真っ向から指摘しているのに、財界筋の「すでに西川氏は日本郵政の指名委員会と取締役会が経営判断で社長続投を認めており、政治的な判断で覆すべきではない」という奇妙な理由で、西川氏の続投が決定したらしい。鳩山氏の辞任に対して経済界は冷ややかだと言うが、我々庶民目線からこの問題を見ていると、肝心の「かんぽの宿」問題は、いったいどうなったんだ?という気持が強い。

 閣僚同志の内紛劇は別にして、西川善文社長の続投問題は、国民にわかりやすいように賛成派、反対派入り乱れて両論併記で充分な議論をするのが当然なのである。つまり何が問題かを徹底的に究明することが、この問題のたどる道すじである。ところが「かんぽの宿」問題を理路整然と提起して、問題究明に進んでいた鳩山前総務大臣を、ほとんど議論らしい議論もさせないままに大臣職を解いてしまったことは、多くの国民に強い違和感を覚えさせてしまっている。

 問題の起承転結、つまり①起きる、②承継する、③転ずる、④完結する、という自然にたどる物事の流れで、②と③を省略して、いきなり④という結論に持っていった感がある。つまり「かんぽの宿」問題の真相究明が抜けているのだ。問題を明るみにしないままにフタをしてしまったのだ。特にマスメディアはこの問題を議論させるどころか、人々の意識から遠ざけているような印象がある。

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 その理由は「かんぽの宿」問題は、郵政民営化法案を制度設計した段階で、デキレースだった可能性が高いからである。それを百パーセント疑わせる信じ難いできごとがあった。植草さんの別記事「菅義偉氏西川氏宮内氏牛尾氏が料亭で祝杯か?」にそれがあったので、そこから保坂展人氏の記事を孫引きする。

___これは露骨だ。先月30日の晩、都内の一流ホテルで日本郵政の西川善文社長がオリックスの宮内義彦会長らと会食した。この席には自民党の菅義偉選対副委員長、ウシオ電機会長の牛尾治朗氏も同席したというのである。_____

 (この画像はパロディスト マッド・アマノ氏の作品です)
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     (※竹中平蔵氏は出席していない)

 西川氏の続投祝いの飲み会のようだが、一堂に会した四名の面子を見ると、最大限に怪しい連中だ。本音は、郵政の資産を掠め取るゴールドマン・サックスからのリベートをもらえる喜びで集まったのだろう。「西川さん、首が繋がって何よりでした。まずは乾杯と行きましょう!!」とか言って、ほくそ笑んでいた顔が浮かんでくる。まるで悪代官と御用商人の結託みたいな感じである。

 植草さんは冒頭に転載した記事で、「最大の論点は、不動産鑑定評価の方法である」と言っているが、サンプロでも何でもいいが、メディアはこの不動産鑑定評価の方法を精査する方向で検証するべきだ。

●植草さんが政権交代の前に収監される背景を推測する

 さて、私が言いたいことはこれからだが、私なりに、どうして植草さんが今の時期に収監されねばならないのか、その理由を考えてみた。解散総選挙が近づいて、植草さんに「かんぽの宿」問題を展開して欲しくないというのも当然あるだろうが、私は権力側にもう一つの強力な理由があるかもしれないと考えた。それは小沢一郎氏の覚悟と義憤である。2月27日、小沢一郎前代表は「在日米軍(陸軍)削減論」を開陳し、「第7艦隊だけで十分じゃないのか」と語った。

 この発言は大方から失言だと受け取られ、民主党の失策だと思われた。この発言から7日後の3月3日、東京地検特捜部が動いて、小沢氏の公設第1秘書を政治資金規正法違反容疑で逮捕した。第7艦隊発言の十日前にはヒラリー・クリントン米国務長官に会っているが、小沢氏は一旦は会談を断っている。米国の国務長官の打診に用事が入っているからという理由だった。この態度は属国為政者には考えられないことだった。

 小沢氏の腹の中には、米国の操り人形としての小泉政治なるもの、小泉体制なるものを官僚ごと改造刷新するという目論見があるのではないだろうか。特に国策捜査を行った検察、警察官僚にはそうとうに含むところが大きいはずだ。民主党が政権を取った場合、小沢氏は鳩山由紀夫氏と一緒に、権力(高級)官僚の総入れ替えを考えていると思う。これに慌てた権力筋は、どんな手を打ってでも、政権交代が実現できないように足掻いているのだと思う。管理人は確信した。自民党がどんな汚い手を打とうとも、国民の気持は政権交代に向いている。この潮流は堰き止められない。

 政権交代後に小泉構造改革が徹底的に見直される方針になれば、その任務に最も相応しい人物は植草さんである。りそな銀行に絡む政府犯罪も、郵政民営化の悪の全貌も暴かれる。ここには国策捜査を行った官僚への指弾もあるだろう。だからこそ、権力官僚の自己保存本能で、今のうちに植草さんの口を塞いでおこうというのが、今のタイミングにおける実刑判断に繋がったのかもしれない。

 収監中の植草さんは、こういう理由で、命を狙われる危険をかなりの確率で抱えている。皆さんも、彼が今の時期に収監されることの真の意味を汲み取っていただき、国家権力は無辜のエコノミストの命を奪うなという表明をして欲しい。

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2009年7月 6日 (月)

川勝平太・静岡県知事は日本文明の黎明になる

Photo  川勝平太静岡県知事が誕生した。投票率が61・05%で、前回四年前の44・49%を16・56ポイント上回った。人々の投票意識がかなり高かったのは、それだけ生活の逼塞感が強いからだろう。政治的な意味で言うと、たしかに民主党、社民党、国民新党が推薦した川勝氏が勝ったことは大きいが、自民党、公明党推薦の坂本由紀子氏との得票差1万数千票は、県民人口380万人から言えば僅差ということもできる。

 川勝氏立候補のニュースを聞いたとき、私は自分の知る学者の川勝氏と同姓同名の別人だと思った。しかし、同一人物だと知ってびっくりした。斯界では知られた存在でも、一般にはほとんど無名の人だから、正直期待薄だと思ったが、私が12年前から特別な思いを寄せている学者さんだったので、是非とも勝って欲しいと祈っていた。

 私は静岡県東部在住であるから、もちろん選挙は川勝平太氏に投じたが、この辺りは主婦層などに坂本由紀子氏の人気は強かったように思う。感触として言えば、坂本氏の善戦は自公推薦の要素ではなく、老いた母を介護しているという圧倒的な生活感が本人に出ており、それが東大卒のエリート色を薄め、女性層を共感させたのだと思う。川勝氏の場合は明らかに政権交代の追い風があるが、氏自身の今まで見たことのないエネルギッシュで異質な魅力も奏功したと思う。

  私自身は政治的な願望ももちろんあったが、川勝氏を熾烈に応援した理由は、静岡県人としてよりも、氏が国政的に重要な人物であると確信しているからだ。日本は、政権交代やその他の内政的な変動を経て、新しい世界観に基づいた日本の将来モデルを築いていく必要があるが、その国政モデルをいかに構築するかで国家のグランドデザインが描けるのだ。その際、川勝平太氏は、植草一秀さんとともに、重要なキーパーソンの一人になると管理人は予想している。

   川勝氏が青いTシャツを着て遊説したのを、氏はインタビューで、これは地球の色だと言ったが、その真意は海洋の色だということに違いない。なぜなら、氏にとって海洋は特別なものだからだ。氏の著作を何冊か読んだ人なら、氏のTシャツの象徴をたちどころに理解したと思う。それは氏の斬新な視点による文明史観を指し示すからだ。氏の学問的業績である「文明の海洋史観」に、私はずいぶん新鮮な感動を受け影響を受けている。

 私はダーウィン進化論とは異なる「棲み分け理論」などを発見した今西錦司や、「文明の生態史観」を書いた梅棹忠夫ら京都学派の独自性に強い影響を受けている。まったく同様に、川勝平太氏の海洋史観には衝撃を受けて読んだ記憶がある。彼らの理論や仮説は異なるが、大きく眺めれば欧米の世界観(哲学、歴史学)とはまったく異なる独自の視点があることに気が付かされる。たとえば、今西理論の「棲み分け」は、明らかに川勝氏の文明発生史観にも見られる。

 つまり、西洋のコンドルセなどが提唱した一方向の単線的進歩史観とは根幹が異なる発想で編み出されている。欧米の文明史観を単線的なニュートン力学とすれば、今西、梅棹、川勝らの理論はアナロジー的には複雑系の科学に近いかもしれない。文明や産業の発生論において、共時性(synchronicity)の視点もあるような気がする。あるいは複雑系の科学にイリヤ・ブリゴジンの「散逸構造論」というのがあるが、私はそれもアナロジーとして連想した。

 彼らの見方は、通常のアカデミズムには異端として馴染まず、共通しているのは欧米の社会ダーウィニズム的視点とはまったく異なる東洋系視点というか、日本特有の文明観を根っこに内包した学問に思える。マルクスの単線的時間軸に対して、川勝氏は海洋の移動という空間的要素を重視した。茫洋とした東洋の包括的世界観である。老荘思想の文明史観とでも言えばいいのか。

 自分の好きな世界を自己陶酔的に語っても仕方ないので、川勝氏の政治を占うが、上述したように川勝氏の発想は既存政治家の枠を超えているから、これから何をするかとても楽しみである。彼の代表作「文明の海洋史観」は、日本の江戸時代の固有な発展を見て、イギリスの産業革命に匹敵するというよりも、質的方向性の異なる独自の発展的潜在力を有していることを考察したユニークさがある。彼は、欧米の世界観に影響されない独自の発想で既存政治の硬直性を打破し、新しい地平に進んでくれるものと確信している。もしかしたら、川勝県知事が構築する県政モデルは、近未来日本の国政グランド・デザインになるかもしれない。

 そういう意味で、管理人は川勝県知事は、政治的というよりは、戦後日本のあり方を文化レベルで質的に変えていくキーマンになるような気がしている。川勝氏の日本論には、産業革命を基本とする欧米文明が、外側から資源を収奪するスタイルを持つなら、日本文明は江戸時代に実現したリサイクル型のスタイルを持つことを強く示唆する。これは、環境負荷が極めて少なくてすむこれからの文明構築の原像となる可能性を持つ。

 この人物に私は県民の気持を超えて期待している。

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2009年7月 5日 (日)

ネオ自民党(偽装CHANGE勢力)を終わりにせよ

 自民党の偽装CHANGE勢力は、その持てる手駒をすべて使い切る覚悟で最後の足掻きをしている。高所大所に立ってものをいう気持ちはまったくないが、自民党に対して多くの人々は誤まった認識を持っている。それは政治に疎い管理人が、小泉政権の異質性に気が付き、素人なりにこの政権の本質を調べていて気が付いたことであった。小泉政権は明らかにそれまでの自民党与党政権とは、まったく別の政権に変質しており、人々がそのことを自覚できないうちに、この政権は日本国家と人々の生活空間としての社会を根底から破壊してしまったのだ。

 さて、小泉政権がどのような政権であったのか、振り返ってみた時、いくつかのアプローチの仕方は当然あるが、その一つに、自民党の歴史的な流れから見ることは重要である。もう一度言うが、小泉政権以降の自民党については、多くの人がその本質について、ある種の巨大な錯誤をおかしている。自由民主党は1955年、自由党と民主党の保守合同によって生まれた。それ以来、自民党は政権担当与党として戦後日本に君臨してきた。しかし、同一政権が権力を掌握し続けていると、そこには構造上の腐敗が多く生じ、それは政治家や官僚の悪しき慣習となって継続していた。

 小泉政権以前は田中角栄型の政治体制が続き、政官財の金権・利権構造が日本列島を蝕んだ癌細胞のように隅々に蔓延していた。平成大不況の閉塞感と相まって、人々は政治の硬直性、守旧性に強い疑念を抱き、なんとかこれを打破する政治が行われないかと、新しい型の指導者と古い体質の自民党の刷新を待望した。そこに、突然スーパーマンのように現れたのが、小泉純一郎という自民党派閥政治の歴史にはいたって稀有なタイプの宰相であった。

 彼は言った。自民党をぶっこわす、派閥政治を解消する、そのためには、「聖域なき構造改革」を不退転の覚悟で断行せねばならない。まるで能舞台で見得を切ったような斬新な物言いで人々の気持ちをつかんだ。小泉劇場の華々しい登場である。小泉純一郎新宰相は、旧田中派型政治と訣別することによって、日本を金権利権腐敗の泥沼から引きずり出し、官僚主導を是正して政治を新しい地平に誘おうとしていると誰もが思った。この時、亀井静香氏に代表される従来型の政治イメージは完全に古いものとして人々に認識されてしまった。

 小泉首相は断言した言葉どおり、旧田中派型政治の最後の流れであった、橋本龍太郎率いる経世会を攻撃し、ほぼ完全に壊滅状態にした。旧来型の派閥政治の絶滅である。ところが、皮肉にも自民党内には「小泉構造改革派」というべき新たな巨大派閥ができあがっていた。さて、管理人ごとき政治に疎い者が、場末の酒場で安酒の勢いに任せて大言壮語しているようで実に恥ずかしいのだが、正直な気持で語っているのでその辺は差し引いて聞いて欲しい。

 管理人は政治経済のシロウトながらも、小泉政治にはどことなく根本的なところで大きな胡散臭さを感じていたので、従来の自民党政治といったい何が違っているのだろうかと考え始めたのが、2002年ごろだったと思う。それまでは多くの人と同様に、もしかしたら小泉さんなら何かやってくれるかもしれないと半ば期待を込めていたと言ってもいい。ところが現実に景況感はどんどん悪くなるし、平成大不況の閉塞感は一桁増えたようなきわめて重苦しい社会になってきたなというのが、その頃の実感だった。

 翌年の4月には日経平均株価が七千円そこそこになっており、正直、なんだこりゃ?という疑念が強く起きてきていた。聖域なき構造改革というのは、いつまでこういう不安感や痛みを感じていればいいのだろう、これはいつ立ち上がって来るのだろう、何だか変だぞという疑念が起こっていた。2005年まで、管理人はそういうすっきりしない状態が続き、株価は回復基調になったことは知っていたが、庶民レベルの生活感覚がいっこうに良くならなかったばかりか、なお一層劇的に悪化しているという感じだった。

 政権発足二年目くらいから、小泉首相の構造改革そのものに違和感を持っていたが、それとは別に彼が連呼していた郵政民営化はまったくピントはずれな感じがしていた。管理人は郵便局に不満を持ったことなど一度もなかったし、悪い話も聞いたことがなかった。きちんと機能していて、あって当然の地域の建物だったからだ。銀行は金持ち優遇で我々庶民へは冷たい視線を持っているが、郵便局の職員さんたちには、オラが村の局員さんという親しみを持っていた。そこへ、何で今ここで民営化なんだ?という釈然としない気分があった。今ではよくわかるが、郵政事業の公共性は人々にとって、なくてはならないインフラだったということだ。竹中平蔵氏のように、市場原理だけで価値規定できるものではない。

 郵政民営化、これは構造改革と同様に大きなペテンではないのかという意識を強く持ち始めた時、関岡英之さんの「拒否できない日本」や関岡英之・吉川元忠氏の共著「国富消尽」を読んで、自分の小泉政治に対する疑念は正しかったことを確信した。はっきりしたことは、小泉構造改革も郵政民営化も百パーセント他生的要因から制度設計されており、小泉氏は竹中平蔵という日本人のメンタリティを持たない米国の尖兵と日本を改悪したということである。

 政治分析はいずれ別記事に書くが、冒頭の疑念を簡単に言えば、小泉政治とは従来型の田中派型政治を消滅させることによって、アメリカ及び米系国際金融資本の利益に即した市場改悪を徹底的にやった日本史上最悪の犯罪政権であったという事に尽きる。ところが多くの人々は、小泉政権が従来型自民党政治の変種というか、変わった内閣だったと言う程度の認識しか持っていない。つまり、従来型修正資本主義の失敗バージョンだったと思っている。偉そうに言って申し訳ないが、これがきわめて大きな錯誤なのである。

_72_2   声を大にして言うが、小泉政権は歴史的な歴代与党政権の展開政権ではまったくない。あれは戦後政治に突然生じたアメリカの完全なる傀儡政権である。あるいは悪く生まれ変わったネオ自民党ということもできる。これを動かす実質勢力は偽装CHANGE勢力である。従来型55年体制下の自民党とは派生淵源がまったく違うのである。55年体制の自民党が党の自己同一性だったとすれば、小泉政権は自民党ではなく、アメリカの手の平で操作された革命政権の一種であろう。

 国民が認識を改めるべきことは、小泉政権が自民党の主流でも傍流でもなく、日本とは完全に別種の内政干渉から動いた他動的な政権だったという事実だ。「年次改革要望書」の存在と、日本版エクソン・フロリオ条項の発想が、徹底して禁忌扱いになっている現状がそれを物語る。加えて国民の利益を第一に考える良心的な有識者は政権によって弾圧されている。たとえば、万民幸福の基本視線を持つエコノミスト・植草一秀さんは理不尽な罪を着せられ、良心的な評論家である森田実さんや、やはり硬派のエコノミスト・紺谷典子さんは、メジャーな言論の場から不遇の扱いを受けている。

 歴代自民党のアイデンティティ(歴史的党是)は、森喜朗政権で事実上幕を閉じている。小泉政権は、それまでの政治的要素を持たない政権であって、その内実はアメリカの意を受けたネオ自民党、すなわち偽装CHANGE勢力である。

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景気対策はもうやらないのか(小野盛司)

  (日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第177弾です)

 衆議院選挙が間近になってきて、マニュフェストが話題になっている。政権選択の選挙と言われ、政策論争がマスコミで盛んに行われるようになってきた。しかし、その政策論争が国民の目線から完全に離れてしまったものになっている。

 本日(7月5日)の日経には世論調査の結果が載っている。次期衆議院選で重視する政策のトップは景気対策である。しかし、最近では政治家もマスコミも景気対策を口にしなくなった。東国原氏の「自民党総裁候補論」が話題にされていて、東国原氏の主張する地方分権の話題ばかりになってしまった。しかし世論調査では、次期衆議院選で重視する政策として「地方分権」は上位5項目の中に出てこない。与野党共、国民不在の議論ばかり行っているのは明らかだ。

 15兆円の2009年度補正予算が成立した後は、麻生氏は消費税増税のことしか念頭にない。経済財政担当相に林芳正氏が新たに任命され、少しは日本経済の事を考えてくれる人物かと期待したが、残念ながら林氏も消費税増税論者だそうだ。景気は良くなっていない。国民は景気を何とかしてくれと悲鳴を上げている。今回の景気対策でもう十分なのか。とんでもない。この景気対策は景気の悪化の幅を3割程度減らすにすぎない。

 恐ろしい数字が内閣府から7月1日に発表されている。来年度の経済予測だ。来年度(平成22年度)の実質成長率は0.6%だという。プラスになったからそれで景気回復というのだろうか。冗談でしょう。平成19年度、20年度で6.6%下がった後のプラス0.6%ということは、日本経済は3年間で6%も収縮する(貧乏になる)ということだ。しかも来年は消費者物価マイナス0.7%、企業物価マイナス0.9%、GDPデフレーターマイナス0.9%で完全にデフレ状態だ。

 デフレになれば、給料が下がり、失業率が上がり、可処分所得が下がるから消費が落ち込み、更に景気が悪くなる。こんな時に消費税増税を言っている馬鹿な首相には、即刻退陣を要求したい。我々は国民目線の首相を選ばねばならない。デフレは株を下げる。株で運用している年金積立金は昨年1年間だけで9.6兆円もの運用損が出た。これは5%の消費税1年分に相当する額である。

 今年の2月下旬、与謝野大臣が柳沢氏に対する一言で「50兆円構想」が動き出した。ゆうちょ銀行やかんぽ生命保険の資金で株を買いまくり株価の下支えをする案だ。郵政民営化が完了していないからこそ可能となる案だ。4月27日、これを実行に移すため議員立法として「資本市場危機対応臨時措置法案」が衆議院に提案されたが、その後株価が持ち直し審議入りさえしていない。50兆円で株を買いまくれば、日経平均は2万円を突破する可能性がある。年金積立金だけで30兆円程度の運用益がでるだろう。

 日経平均はまだ1万円を割っている。この株価では、日本の株式市場は崩壊したと言ってもよい状態だ。息を吹き返すには、今からでも遅くない。与野党が協議して、直ちに法案を成立させ、株を買っていただきたい。特定の株を買わなくても、ETF(株価連動型投資信託)を買えば不平等感は無くなる。株価対策が、株式市場を混乱させるというなら、単純な景気対策でよい。私が日経新聞社の協力を得て計算した結果をお見せしよう。
Photo

右にあるのが、景気対策の額であり、毎年同額行うものとする。こんなに景気対策をやれば、国は借金だらけになると勘違いする人がいるかもしれないが、計算してみると、国の借金のGDP比でみると、景気対策をやればやるほど、借金のGDP比は減ってくるから、借金減らしには景気対策が特効薬というわけだ。50兆円の景気対策を5年間行うと株は平均株価は3万円を越えるが、何もしなければ1万円割れということになる。

 この図にあるように、景気対策をやれば株はどんどん上がる。次の図は株価を310億倍すればほぼ時価総額になると仮定して計算した株式の時価総額である。何もしないのと50兆円×5=250兆円の景気対策を行ったのでは、800兆円程度の時価総額の違いが生まれる。つまり景気対策によって株だけで800兆円も「儲かる」ということになる。それによって、年金支給額も増やせるのだ。
Photo_2

 今の与野党(清和会と国民新党を除く)は、ろくに景気対策をしようとしていない。その不作為によって、失業者の激走、そして不況が直接の原因で年間数千人の自殺者が生まれ、日本はどんどん貧乏になる。今こそきちんと計量経済学を駆使した経済予測に基づき強力な経済対策を行うべき時である。

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小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2009年7月 4日 (土)

植草さんを失うわけにはいかない!!

  「植草事件の真相掲示板」に、山下威史さんという方が、下記の投稿をされているが、植草さんの身を深く案じる真摯な心情がひしひしと伝わってきたので転載した。
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吉田松陰と植草一秀氏

投稿者:山下威史  投稿日:2009年 7月 3日(金)19時14分37秒   

  吉田松陰の句『かくすれば かくなるものと 知りながら やむにやまれぬ 大和魂』と植草氏は貴著に引用され、生命を賭する覚悟でこの闘いに挑まれていると拝察する。想えば日米修好通商条約締結より対米隷属路線が始まり今日まで永々と続いている。腰の引けた幕閣と現在の売国奴政権の有り様は百五十年時の流れを感ぜず、心ある者を憤らせる。時の為政者は大国に媚び国憂える者の口を塞ぐ。江戸に檻送される松師を御弟子らは涙なくしては見送る事はなかったであろう。

 今日に在っては植草氏の収監に憤り、氏の生命の危機を感ぜずには居られない。氏は健気にも「私は、自殺する道を選択しないことをここに明言しておく」と仰有られるが、其れだけでは担保しきれないのだ。政権交代は旦夕に迫り悪徳に跳梁跋扈する者共が奸計の限りを尽くすだろう。最高裁判決は実刑四月。残余期間二月。この二月に氏から何を奪うのだ。非礼ながら氏の名誉は既に奪われている。これ以上のものは氏の生命以外には無い。今、氏を失なう事は我が国土を失なうに均しい。今一度、貴ブログ並びにその主旨に賛同される諸兄に申し上げたい。『貴い善知識が失なわるれようとしている』危機意識を保ちこの二月を迎えて欲しい。そして一人でも多くのこころ有る方々に植草一秀『知られざる真実』様を知らせて欲しい

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 2004年の品川駅構内の事件、そして、2006年の京急電車内の事件の二回、植草さんは、それまで堅実に築き上げてきた社会的信用と名誉を剥奪された。しかし、植草さんの並外れた強靭な意志によって、二回とも不屈の復活を果たし、意気軒昂に政治の真相を浮き彫りにしている。

 私は以前の記事で、二度の事件とも、植草さんに真相を語られると困る事情が政権側に生じ、緊急に謀略事件をしつらえられたものと確信している。謀略事件に結びつく政治的背景で最も可能性のあるものは、りそな銀行破綻にまつわるインサイダー取引疑惑の糾弾と、巨大利権の私物化・米営化を画策した郵政民営化計画を、初期段階で植草さんに見抜かれ、計画が狂うことを恐れたからだと考える。

 上記の山下さんが言うように、二度の言論弾圧事件に遭っても、不死鳥のように蘇えって言論活動を再開した植草さんは、権力や政治を私物化している連中にとっては、依然として超弩級の政治的脅威なのである。だからこそ、彼らは罠に嵌める痴漢偽装事件は、もう効果がないと判断し、獄中の植草さんの命を狙う公算は高いと思われるが、これは何としてでも防ぐ必要がある。皆さんのお知恵をお借りしたい。

 二度の植草事件は国策捜査であるが、その本質は典型的な言論弾圧である。肝心なことは、今現在も植草さんは政治言論を果敢に展開中であることだ。彼の場合は一般政治ブロガーと違って傑出したエコノミストであるから、その検証性、論理構成、表現力、どれを取っても、超一流の記述になっている。このクオリティの高さに加えて、真実を見抜く慧眼が書いた文章は、読む者をとらえて離さない。

 植草一秀という人物を失うことは国家の損失であり、これからの良き時代を失うことでもある。だからこそ、彼が生還するように多くの人に叫ぼうと思う。

 真相掲示板」などに、植草さんを守る旨の書き込みをよろしくお願いします。

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