◎西村眞悟議員を擁護する
◎西村眞悟議員を擁護する
西村眞悟衆議院議員が弁護士法違反で逮捕されてしまった。こ
れは実に大きなできごとであり、暗澹たる思いを抱かせる。彼に批
判的な者や敵視している陣営にとっては好ましいことかもしれない
が、憂国心情を持った人たちにとっては大問題である。
西村眞悟氏が国家のために貢献した事跡はことのほか大きい。
まず、彼が防衛政務次官であったころに、物議をかもして結局は
辞任に追い込まれた発言がある。それは日本核武装論の提起で
ある。シナ、北朝鮮、韓国などの敵性的周辺国が、日本人の東
京裁判史観につけ込み、多額の賠償や内政干渉を慣例的に行う
という昨今の傲岸不遜な姿勢や、東シナ海の領海侵犯的天然資
源開発などの主権侵害行為が実行されてきたことを鑑みれば、
先進国として核武装論を考えるのはごく当然の話である。これを
不穏当として反射的に否定して叩く方が見識の欠落した感覚で
ある。
尖閣諸島の領土問題で、西村氏は上陸して日本国旗を掲げた。
これは、日本人として立派な行動であり、見習わなければならな
い模範である。この行為は、右翼とか愛国思想などという思弁的
範疇を越えていて、やむにやまれぬ情念の発露としての行動であ
る。政治的駆け引きや、戦略的条件の外側にある発意が為したも
のであって、まさに西村眞悟氏らしさの真骨頂というべき行動であ
った。領土や主権を主張するいかなる弁舌よりも、日の丸国旗を率
先して打ち立てるという単純で鋭利な行動こそが、日本人同胞の血
を滾らせたのである。日本人はおしとやかで静かなたたずまいが信
条の国民である。それがあるから、やるべき時には、静かな情熱が
凝集して簡潔な行動様式を迷いなく選ぶのである。これを体現した
西村氏こそ、忘れかけた原日本人と言うべきモデルなのである。
自分は最初にこの話を知ったとき、なぜかオーストラリア・シドニ
ー湾で特攻作戦に出た特殊潜行艇の乗組員であった松尾敬宇海
軍中佐の死に様を想起した。打算のない行動様式という脈絡にお
いて、西村氏の魚釣島上陸も理屈抜きに訴えるものがあった。
西村氏は、北朝鮮による拉致問題を、参議院予算委員会にて
最初に公的な場に持ち込んだ人である。拉致犯罪の元凶が何に
よるものか、わかっている人たちはいるにはいたのだが、その犯
人を北朝鮮であると公の場で言明した功績は大きい。
小泉首相の国家展望なき亡国施政をストレートに批判した。日本
に、精力的にマーケット原理至上主義を敷いている小泉純一郎を、
「狙撃されて当然の男だ」と非難したこと。狙撃という表現は、たし
かに不穏当すぎる言葉であり、勇み足だと思うが、その心情にお
いてはまったく自分も同じ気持ちである。日本国総理大臣の地位
にある者が、日本国に馴染まないどころか、国益や国家主権を著
しく毀損しかねない社会構造の変革を独断的に完遂しようとしたら
誰かが諫めなければならない。この状況が今の日本なのである。
幕藩体制の江戸時代、殿様が誤った政(まつりごと:政策)を考え
出して実行しようとする時、家臣が命を懸けてそれを諫めるという
風習があった。山本朝朝の「葉隠れ」の中に、常朝が若いとき、あ
る家臣を見て、「奉公の至極の忠節は、主(あるじ)に諫言(かんげ
ん)して、国家を治むる事也」とある。小泉内閣による施政の根本
的な誤謬によって、年間三万人を数える自殺者が出ている現実は、
「生みの苦しみ」などということとはまったく別次元の政治的失策が
原因となっていることは間違いない。
特に、中小零細企業経営者に塗炭の苦しみを嘗めさせる経済政
策は、政府系金融機関の一本化で、ますます経営者の首を絞める
ことになるだろう。これは明らかに棄民政策である。この状況に罪
責を感じない宰相は国政を預かる資格を有しない。それどころか、
この内閣を継続させたら、ますます無辜(むこ)なる人間に犠牲者
が増えることだろう。
日本の内閣制度は、アメリカの大統領制とは異なり、首相が個人
的に強権を発動することは滅多にない。法案策定も、国家的問題も、
宰相が単独で判断して政治的決断に至るということはそうそうでき
ないシステムになっている。敵対的な政策遂行よりも、親和的な遂
行を選ぶ慣習が常識化されていた。この形は、昔から地方におけ
る村落共同体の常会の習わしが示すように、基本的には合議制が
取られていた歴史に基づいている。日本の代議制は、欧米の形態
を凝らしてはいるが、その実体は昔ながらの村落共同体的空気に
よって運営されるものであった。しかし、その空気を今回の小泉首
相はことごとく消滅させ、首相の独断的専横を可能にしてしまった。
この危険な状況をもたらしたのは、彼を衆愚的に指示した国民が
無知だからである。
本来なら、参議院で否決された郵政民営化法案を白紙状態にし
て内閣が総辞職するべきところを、「郵政民営化、賛成か反対か」
という、本質からはずれた二元論で、無理やり解散総選挙に打って
出た。選挙では、テレビメディアを最大限に利用して郵政自民党を
巨大化させてしまった。小泉首相お得意のワンフレーズ・ポリティ
クスは執拗に繰り返され、まるでナチ親衛隊宣伝省のゲッペルズ
の洗脳手法を採用したかに見えた。
時の宰相が、もし、法律の不備を衝いて反日的な政策目標を密
かに立て、表面では景気浮揚や愛国姿勢を謳った場合、議会制
民主主義の中で、誰もそれを諫めたり阻止したりできない状況下
にあるとすれば、国民の誰かが超法規的な行動を起こして首相権
限を剥奪しなければ時代は暗黒政治へ向かうだろう。この場合、
それを防ぐ有効な手段とはなんだろうか。
端的に言えばクーデターか狙撃である。この場合、行為において
は当然刑法に抵触するが、国家的見地における時代の救国要請と
しては仕方のない場合もあるのではないだろうか。はっきり言って、
現代日本のように、要人の襲撃がまったく起こらない時代は近代
国家成立史の中では却って異常なのではないだろうか。日本は今、
国家が擬似的爛熟期に入っている。こういう時は国民精神が退嬰
し、外部からの侵入に無防備になるのではないだろうか。内閣の
施政に命を賭けて反対する者がいない時代とは、国家の衰退を
意味すると自分は考えている。あまたの国民は経済的不満を感
じているが、思想的に、あるいは民族自尊的に今の現状に憂いを
じる者は表面的には至って少ないと感じるのは自分だけだろうか。
このように国民が全体的に凋落し、国家意識や正統なナショナリ
ズムが低迷した時は、西村眞悟氏のように吼える政治家が必要な
のである。その意味で彼の存在は非常に貴重であり、特に危険な
内閣を抱えた今、彼のような愛国情念は国家にとって不可欠なの
である。
あと、彼の功績では、人権擁護法案反対とか、女帝問題とか、西
村氏入魂の愛国的言論活動はつとに重要である。
このように、今の日本が陥っている深刻な窮状に、まっこうから正
論を叩きつけるこの政治家は、ぜったいに健在であってほしい。これ
ほどの愛国的政治家を、なぜ今、表舞台から引きずりおろさなけれ
ばならないのか。国家の損失になるとは考えないのか。今、彼を引
きずり落とすことによって、どれほどの国家的損失を被るか考える
想像力はないのだろうか。彼の逮捕には国策捜査という真意がは
たらいていないだろうか。
日本という国柄が融けかかっている昨今、本物の愛国政治家の
存在意義はきわめて大きい。
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