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2006年4月 4日 (火)

世耕議員のトンデモ発言の背景

「日本から世襲がなくなったら、そもそも日本が成り立たない
  じゃないですかぁ」

  前の記事で、内閣中枢に居座る世耕弘成議員が、「朝まで生テレビ」で
思わず発した上の言葉に私が強く拘るのにはそれなりの理由がある。実
は、この発言が象徴することは、小泉現政権のただならぬ売国本質を良く
あらわしているからである。ただ単に世耕議員の言葉尻をつかまえて面白
おかしく書いているだけではない。この発言の裏に見える小泉内閣の本質
とは、ひと言で言うなら政策展望も、国家のグランドデザインも、何一つ持
たない、戦後史上最悪の内閣ということだけである。

 世耕弘成は自民党幹事長補佐、党改革実行本部事務局長の肩書きを持
つ小泉構造改革内閣の中枢にいる重鎮である。謂わば構造改革実行部隊
の参謀本部長に当たる役職である。この人物が、小泉構造改革の基底を
流れるアメリカ流新自由主義路線の思想を真っ向から否定する思想的言辞
が上の言葉である。すなわち、世襲肯定言辞である。

 この発言の真意とは、世耕自身が新自由主義的社会構造を、日本に敷
設することに反対だから思わず言ったのではない。事実はまったくその逆
であり、鉄の意志で新自由主義に陶酔しているからである。言葉を変えれ
ば、彼は、日本的な構造すべてを完璧に破壊し尽くすことに強い執着を持
つ小泉・竹中のパペット的な存在である。

 だとしたら、何ゆえに新自由主義への障壁である伝統や世襲という日本
的な伝統構造を強く肯定する表明をしてしまったのかということであるが、
それは間違いなく国民への偽装言辞だったのである。関連して述べるが、
去年の武部幹事長の行動の一環を思い出していただきたい。

 目立ったのは、武部幹事長がホリエモンを自民党の相談役のように持
ち上げたことは大きいが、そのことはさて置いて、二つの行動が特に年末
にあった。一つは、全国のブロガーを招いて懇親会を開いたこと、あと一つ
は、小泉チルドレンを召集して、浅香光代の公演を見学に行ったことであ
る。この二つは微妙に関連した出来事なのである。

 ブロガーを招いて意見を聞くという武部幹事長の行為は、政権存続五年
目に入る小泉政権が、政権に対する世間の思惑と評価の中で、もっとも気
になる部分を聴取する目的にあった。どういうことかと言えば、世間が小泉
政権の本当の姿をどれくらい把握しているかを調べることである。小泉政策
の真の狙いは、米国の要求にしたがって日本の伝統的構造を破壊し、アメ
リカ型の社会構造に作り変えることである。

 そのアメリカの意志による国家構造の造り替えは、実は1980年代から始
まってはいたのだが、小泉政権は、日本の国体構造転換の最後の仕上げ
として登場したのである。この事実は、関岡英之著「拒否できない日本」
や、浜田武夫著「騙すアメリカ 騙される日本」、本山美彦著「売られ続ける
日本 買い漁るアメリカ
」という著書等に端的に記されている。このブログを
見ている皆さんにも是非ご一読をお勧めする。まともな矜持をお持ちの人で
あれば、間違いなく憂国心情に駆られ、小泉売国倒国内閣への怒りで血圧
が300近くまで上昇するから、是非とも気をつけて読んでもらいたい。

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 構造改革最高、聖域なき規制緩和、と声高に叫びながら、今、行われて
いる構造改革が、いかに日本にとって「すばらしい善」であるかのように言
い続けているこの内閣は、日本からアメリカに効率よく国富を流出させるシ
ステムを造ることと、日本独自の文化伝統などを徹底破壊することに本当
の狙いがある。この現実を国民のどういう層がどれくらいの割合で気がつ
いているのかを調べるのが武部幹事長がネットブロガーを招いた真意であ
る。

 つまり、武部たちは、テレビメディアの情報操作は上手く行ったが、インタ
ーネットの中には自分たちの売国姿勢に気がついているものが多く居るこ
とに重大な関心を持っているのである。巨大なダムもアリの一穴から崩れる
ことがあるように、ネットから湧き出る真実の現政権批判から、自分たちが
総崩れになってしまう危惧を抱いているのである。余談ではあるが、人権擁
護法案の真意は、ネット情報を閉鎖する目的で発案されているような気がす
る。

 目立たなかったが、武部幹事長の暮れの行動二つめは小泉チルドレンた
ちを浅香光代の公演に連れて行ったことである。この時の武部幹事長の説
明は「新人たちに日本の良さを感じてもらうため」だと言った。これは、国民
の一部から、現政権の政策がアメリカ的な方向へ傾いてきていることを批
判されたことへの言い訳的なパフォーマンスなのである。つまり、ネットや
一部出版社から出ている「真正」の小泉批判が、テレビや新聞メディアに大
きな反小泉の流れをもたらすことを最大限に警戒しているのである。それは
とりもなおさず、日本破壊を狙う真の悪党、アメリカが日本国民の意識の覚
醒を怖れているということでもある。そのために、小泉政権は、我々は日本
の良さや日本的なるものをこんなにも大事にしています、慈しんでおります
よという見せかけを行わねばならなくなったのである。

 見せ掛けの構造改革で日本を精力的に壊している彼らが、騙しおおせな
い国民の一部を異常に気にしているのである。これが政権の戦略に大きな
修正を与えた。小泉・竹中が「年次改革要望書」の存在を認めさせる野党
議員の質問を可能な限り無視していたことは、特にネットのブロガーの一部
たちにものすごい反発と警戒心を与え、憂国情報発信のトリガーとなった。

 そこで、小泉や世耕たち、政権中枢部はマスコミ戦略の変更を余儀なくさ
れたのである。それが「日本大好きキャンペーン」なのである。その走りが
武部率いる浅香光代公演見学なのであった。そこで、例の朝生における世
耕議員の発言を目に留めて欲しい。

「日本から世襲がなくなったら、そもそも日本が成り立たない
 じゃないですかぁ」

 どうだろうか。世耕議員のこの「日本大肯定」発言は、日本破壊を旨とす
る偽りの構造改革を進める自分たちが、実はアメリカの傀儡政権であるこ
とを覆い隠す必死の作戦として出たものであることがわかる。

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