なんだかなあ、と、ため息が出る情けないニュース
さきほど、午後のニュースでこんなことが流されていた。場所
がどこなのか聞いていなかったが、67歳になる韓国籍の女性
が、路上で通りすがりの男に「ホテルに行かない?」と声をかけ
た。路上売春である。声をかけられた男が、たまたま警察官だ
ったのでその女性は逮捕された。女性は「厚化粧」をしていて
年齢よりはかなり若く見えたそうである。売春の仔細は、ホテ
ル代込みで全額一万五千円だそうである。
このニュースを聞いて二つのことを感じた。一つは女性の年
齢であり、もう一つは化粧というものの効果についてである。
古今東西、身を売る女性で67歳というのはちょっとした驚き
である。一般的に言って、60代の女性でも魅力的な人はいる
ことはいるが、それはたいがいは人格的な魅力であり、性的に
行きずりの男を魅了することは考えにくい。まあ、世の中は広
いから、実際には思った以上に魅力的な60代はいるのかもし
れないが。
夜の路上、厚化粧である程度は年齢を若く見せることは可能
だろう。私も公共的な場所でたまたま会うことがある女性と、ま
ったく関係ない深夜スーパーでばったり会い、面食らったことが
ある。彼女は子供もいる普通の奥さんであるが、店の中で彼女
に挨拶されたとき、私はその人が誰であるかすぐには「認識」出
来なかったのである。まるで別人だと思った。
あまりにも見慣れている印象と違っていたからである。なぜな
ら彼女は、夜食の食材を慌てて買いに来たという風情で、まった
く化粧っ気がなく、すっぴんに近い顔で出てきたからである。私
は面食らいながらも、なんとか無難に彼女に挨拶し、ひとことふ
たこと世間話をして別れたが、奇妙な違和感はついに取れなか
った。理性ではすぐに同一人物を理解していたが、視神経情報
から得られた感覚がそれを「拒否」していたのである。(笑)
化粧は女性の印象を大きく変えるのは間違いないが、男から
観るとけっして悪いものではない。きれいに見えるからである。
化粧の女と素顔の女、これを女の二面性などと言うつもりはま
ったくないが、もともときれいな女性が適度に化粧してよりきれ
いになることは、世の中を明るくし、男たちにロマンを与えるか
ら絶対にいいことである。
そこで、冒頭のニュースに戻るが、67歳の女性ということと、
宿泊代込みで1万5千円という情報が飛び込んだとき、私は少
し物悲しい気分になった。ホテル代がいくらなのか知らないが、
売春代金とホテル代金を合計して1万5千円ならば、どう考えて
も女性の春をひさぐ行為の値段が一万円を下回っていることに
なる。その女性が自分の値段を数千円に見積もったこと、その
事実がそこはかとなく哀しいのである。化粧を厚く塗って、なお
さら数千円の価値しか付けられなかったということが哀しいの
である。ここには売春婦の悲哀感というよりも、老いても尚、生
きて食べていくこと、すなわち人生の物悲しさがある。これも
「もののあはれ」なのであろう。
67歳という年齢の女性、この場合、「春をひさぐ」という表現が
妥当なのかどうかわからない。春は女性の性事を除けば、普通
は生命力の旺盛な若さを意味する。しかし、男女の間で、「春」
というものが、必ずしも実年齢の若いことを指す言葉ではないだ
ろうし、主観的な思いも許されるのであれば別に問題はないだ
ろう。だけれども、やっぱり少し物悲しい。(TT)
小泉純一郎が国家デザインのベクトルを変えたせいで、この
まま格差社会が進展すれば、このような貧乏くさく物悲しいニュ
ースが巷に溢れてくるのだろうか。それにしても、こんなニュー
スにニュースバリューがいったいどれほどあるというのだろうか。
国家存亡の今の時期に流すニュースなのかと思う。
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