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2006年9月18日 (月)

トンズラ小僧、竹中平蔵

 竹中平蔵総務相が15日に議員辞職表明をした。自分は小泉首相の補
佐として仕事をしたのだから、小泉純一郎の退陣と共に議員を辞職すると
いう理由を述べた。

 普通に考えて不可解なのは、郵政民営化法案の成立をあれほど矯激に
牽引した竹中が、任期四年を残して今退陣することである。一般的に考え
て、郵政民営化法案の是非を脇においてみると、竹中があれほど執心し
た郵政民営化の具現化というか、その後の推移を責任を持って見届ける
というのが普通であり、政治家の責任だと思う。たとえ、担当大臣を退い
ても政治家としてその行く末を見守る責務があるのではないだろうか。

 小泉の補佐役でしたなどと言ってあっさり辞めることは奇異な感じがす
る。あるブログで、竹中が退くことはキリスト教で言う、いわゆる良い知ら
せ、福音であると書いていた人がいた。まったくその通りである。この御
仁が重要ポストを続ければ続けるほど日本の国益が損なわれるからであ
る。竹中は、平成16年の参院選、自民党比例代表で72万票の獲得でト
ップ当選している。しかも彼は、小泉の支えで経済財政担当相、金融担
当相兼務、総務相を勤め、昨年の郵政担当大臣として総指揮的な牽引
力となっていた。

 こういう「活躍」は民間出の政治家では異例のことである。後ろ盾が、小
泉だけではなく、アメリカだからである。竹中は1998年、小渕政権の諮問
会議メンバーとして初めて政治に参加している。その後、森首相諮問機関
のメンバーとなり、IT戦略会議のブレーンを務めた。小泉は首相就任の年
(2001年)に早くも竹中を国務大臣、経済財政政策担当大臣に任命して
る。最初は学者として自民党のブレーン的な立場にあった民間学者が、こ
れだけ早期に重要な指導的ポストに就いているのは奇異である。

 小泉内閣発足当時、自民党員の竹中へのバッシングは凄まじいものが
あったのだが、小泉の異常なまでの庇護と不可解な力によって竹中は重
要な位置に就き、いつの間にか郵政民営化の強力な牽引力となっていた。
この頃は反竹中を標榜する自民党員は圧倒的に少数になっていた。小泉
がブッシュの後押しを盾にして睨みを効かせたからである。党内で竹中批
判が封じ込められたのは、反竹中の連中が竹中の背後にいるアメリカを
怖れたからである。これを見ると、郵政解散総選挙時にパージされた小林
興起議員やその他の反小泉議員が、いかに反骨精神が強いかわかるだ
ろう。彼らこそ、真に国民の期待を付託するに相応しい立派な政治家たち
である。それにしても、金融政策で、その強権を余すところなくふるった竹
中が、任期半ばで辞めていくのは通常の感覚ではいたって奇妙である。

 もし、郵政民営化が、竹中や小泉が国民に説明したように、民営化する
ことで経済の活性化を狙ったものならば、2017年の完全民営化に向け
て中心人物の竹中が、それまでの順調な郵政の民営化体制構築に目を
配っていくのが、彼の順当な政治姿勢なのである。それを小泉が辞める
から自分も出て行きますでは筋が通らないだろう。このような行動を見る
と、民営化が国益目的で行われたのではないということがわかる。要す
るに、竹中が心血を注いだ要点とは、郵政事業の民営化による経済の
賦活ではなく、国営郵政を解体して、その膨大な資金を、外資の跋扈す
る民間市場に開放するということだけであったことが見えてくる。つまり
は、関岡英之氏が憂慮し、小林興起氏が言う「郵政米営化」が真の目的
なのであった。

 小泉政権とは、小泉自身が語ったように、郵政民営化という政策実現
一本に絞られ特化された特殊な内閣であった。彼は自身の内閣を「郵政
内閣」と言った。彼らにとっては、郵政民営化法案の成立自体が悲願の
目標だったのである。もちろん、売国的民営化が目的であるから、当然
国家の計、すなわち民営化後の国家グランドデザインがあるはずもない。
デザインどころか、彼らは国家解体に尽力を傾けたのである。郵政民営
化法案が成立した今、竹中の最大の役割は終わったということである。
もちろん小泉もそうである。小泉は郵政法案に命を賭けると断言した。小
泉構造改革を頼もしく思う国民は、それを小泉の積極的なやる気だと好
意的に受け止めた。しかしその実態はこうである。小泉が年次改革要望
書の実現を、ブッシュ政権に期限付きで命令され、脅されていたのであ
る。彼は文字通り命がかかっていたのかもしれない。小泉と竹中は、マ
スコミを動員し、国民を詐術にかけて、どうにか郵政民営化法案成立に
漕ぎ着けた。それ自身が目的だったから、彼らは今後の日本には興味
がないのである。

 竹中が政治家として、今後の動向を見守ることを辞退したのは、これか
ら、郵政の膨大な国富が消尽され、日本経済が壊滅的に失速する現場
に責任者として居たくないからである。まだ国民がことの真相に気が付く
前に逃走する魂胆なのである。山崎行太郎先生も言っていたが、竹中は
国益を害する構造改革をやりたい放題やり散らかして、早々に逃げていく
やり逃げトンズラ野郎なのである。あとは野となれ山となれ、日本が瓦礫
の山となろうがどうでもいいのである。

 彼がアメリカに行こうと、どこに行こうと日本を大企業、金持ち優先の酷
薄な格差社会に切り替えた罪は重い。前時代的に大仰な言い方をすれ
ば、日本の魂をアメリカに売り渡した小泉や竹中は、畳の上で往生でき
ないばかりか、無間地獄に真っ逆さまに落ちることになる。

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» 竹中平蔵、逃げる気か? [ぴーひょろのぼやき]
筆者は以前「竹中平蔵、その政治生命の危機」と称して、ブログを書いた。竹中平蔵の [続きを読む]

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