「女性セブン」誌、過去7回報道の悪質さ
◎植草一秀氏に関する週刊誌報道のひどさ
この間、初めて女性週刊誌を買いに行った。植草氏に関する記事を直
接見るために、小学館刊行の「女性セブン」誌(10月5日号)を買ったので
ある。この週刊誌がどういう性格を持つものか、私はまったく知らなかった
が、他の記事の次のような内容から察するに、世俗的で下世話な話題を
主としている週刊誌の一種であるようだ。まあ、世俗週刊誌らしい週刊誌
である。しかし、そのことと犯罪報道の無謬性は別のことである。
下は植草氏に関する問題の記事のタイトルである。
○植草一秀容疑者(45) 「痴漢で示談七回」の過去
部屋からは四つん這いパンチラ写真509枚、教室で
女子大生に「えん罪でした」
植草氏に関する重要な続報がそれまで出ていなかったので、これが出
たときは衝撃的だった。『「痴漢で示談七回」の過去』というその記事は、
私の知る限りメディアが初めて発表したものである。この世間の意表を衝
いた週刊誌情報について見解を言う前に、それまでに世間に流布された
三度の件を整理しておく。
女性セブンによれば、一度目は、公判中に出たとされる、98年の電車内
での件である。彼は陰部を触り、自慰行為などのかどで逮捕された。二度
目は04年の品川駅での、いわゆる手鏡覗き事件である。三度目は今回、
京浜急行の電車内で起きたとされる痴漢事件である。
一度目の事件に関連して言う事がある。今日、「AAA植草一秀氏を応援
するブログAAA」に週刊現代のことが書かれていたので、早速買い求めて
該当記事を読んでみた。週刊現代10月7日号である。応援するブログの管
理者であるゆうたま氏は、記事に書かれた植草氏の学生時代からの友人
の面会事実はなかったと、自分で調べて、その友人なる者のインタビュー
記事の捏造性を喝破されている。
私は上記の女性セブンの記事を熟読していたので、週刊現代誌に書かれ
ていたある重要な説明にすぐに目が留まった。それが、植草氏の一度目の
出来事、すなわち98年の事件である。読み比べてみると、その事件の内容
が、女性セブンと週刊現代では、まったく異なっているのである。その二つ
の該当する部分の抜粋記事を次に併記する。
1)女性セブン(10月5日号)
公判が進むにつれ‘98年に電車内で自らの陰部を触る
などの自慰行為を行ったとして逮捕、罰金刑を受けた
過去も明らかに。
2)週刊現代 (10月7日号)
また、手鏡によるのぞきの前にも、電車内で、女性の
股間を触ったとして罰金を払っている(‘98年)
上の二つの記事は、‘98年にあったとされる同じ事件を扱っている。まっ
たく違う内容である。以前にも書いたが、日時の決まっているある事件に
ついて、警察から出る情報ソースは一種類であるはずである。よく注意し
て欲しい。いかに週刊誌記事とはいえども、個人や団体の犯罪を知らせ
る重要な記事が二種類あっていいはずはない。しかし、現実に二種類の
記事が書かれているのである。この事実をどう解釈したらいいのだろうか。
女性セブンでは、「陰部を触る自慰行為」になっており、週刊現代ではは
っきりと「女性の股間を触った」となっている。同じ破廉恥行為ではあって
も、一つであるべき犯罪内容が、まったく異なった形で外に流布されてい
る事実をどう説明できるのだろうか。この二誌の表現における極端な乖離
は絶対看過できないことである。なぜなら植草氏の名誉と信用の失墜とい
う、彼の人生がかかっていることだからである。そういう重大なことをこの
ようないい加減な記事で決めていいのだろうか。
それとも警察関係者が二通りの情報ソースをそれぞれの週刊誌に与え
たとでも言うのだろうか。もしそうであるなら、この‘98 年の植草氏の事件
は、警察サイドによる捏造である可能性が俄然高くなってしまうのである。
別々の犯罪内容が、植草氏の手鏡事件の前の件、すなわち‘98年の事件
として出ていること事態が、この一件の真実性を大きく欠いていることにな
る。このことは報道する側の失態で片付けられることではないし、情報源と
なる警察側のミスでも当然済まされる性質ではない。
この二つの異種報道記事が示唆することは、‘98年の植草氏の事件は
なかったということに尽きるのである。もし、あったとするなら、同じ年に二
つの事件が起きていたことになる。今のところ、そのような報道は目にして
ない。しかし、これだけ、無責任にいい加減な記事を、さも本当であるかの
ように書く週刊誌類の常態では、そのうち、二つの事件があったような記事
が出てくるかもしれない。その時は私の指摘したことを思い出してほしい。
皆さんも考えて欲しい。手鏡事件は冤罪だと思うが、今回の痴漢は三度
目だから、植草氏ももはや言い逃れはできないなと思っているのであれ
ば、手鏡事件の前の事件も、内容自体がこのような不確定性に留まって
いる事実を反芻してほしい。私が「植草氏逮捕に関するメディアの独断性
と偏頗性」でも書いているように、今回、京浜急行電車内の痴漢は、犯罪
を証明する核心的な情報が不確定のまま、逮捕事実だけがセンセーショ
ナルに先行報道されている。
だとすれば、‘98年の件も、‘04年の手鏡覗きの件も、今回の電車内痴
漢の件も大いに疑わしいことにならないだろうか。すなわち植草氏は性犯
罪を犯していないという見方のほうが、はるかに妥当であると思えるので
ある。これに異議を唱える人は、上述の二つの内容の矛盾を考えてほし
い。仮にどちらかの週刊誌が訂正をして、事件内容を一つに絞ったとして
も、情報の出所の曖昧さ、いい加減さが解消されることはない。
さて、本記事で私が最も言いたいことを最後に書く。冒頭でも書いたよう
に、女性セブンは決定的であるかのように衝撃的な記事を書いた。それ
は、植草氏には、過去三度の表に出た性犯罪のほかに、過去七度の痴
漢行為の前歴があり、それらは示談が成立したから表に出てこなかった
という内容である。この報道はテレビ報道でも便乗し、植草氏の常習性を
確定するイメージが構築される決定打となっている。この7回という数字の
魔術によって、その内容を確かめる気もなく、そのまま信じる手合いが多
いが、女性セブンには、その7回の前歴に対しても、なんら確定的な情報
を出していない。
それについて書いている箇所は下記の短い文章だけである。
捜査関係者が言う。「最初はいまから14年前の‘92年頃だった
言います。女子高生でチェック柄のスカートを狙う犯行が多かっ
たということで、警察内では要チェック人物でした。ただし、被害
者との示談という対応に応じていたので、話は明るみに出なか
ったようですが、今回で10回目の摘発なんです」(捜査関係者)
今まで秘されていたとする過去7回の摘発について書かれているのはた
ったこれだけである。妙だと思わないだろうか。過去7回の犯罪歴は、ひ
とりの容疑者の性癖を証明することに決定的な重要性を持つはずである。
ところが、その7回の事件について、女性セブンが明らかにしていること
は、第一回目、‘92年の最初の時だけである。しかもである。その情報は
「植草氏が要チェック人物であった」という、何も犯罪を確定していない出
来事のみである。この最初の事件には、被害者の年齢や起きた場所、月
日もないし、被害状況も何も書かれていない。しかも、あとの6回に関して
は情報がゼロなのである。このような無内容な記事で、7回の前歴がある
などと断言できる方がおかしい。
もう一つ気になることが女性セブンの記事にある。原文のまま転載した
上記の記事を見て欲しい。
捜査関係者が言う。「最初は・・中略・・摘発なんです」(捜査関係者)
重要な文の初めと終わりに、前後からはさむように「捜査関係者」の言葉
が置かれている。普通、これは文書ミスであり、どちらかの文は校正で削除
するはずである。ところが、わざわざ二箇所に配置した理由は何であろう
か。捜査関係者から聞いたんだぞというイメージを強調するためだろうか。
奇異な感じがする。もし、ミスであったとしたなら、校正もしない文章を載せ
たのかという疑問が湧く。それなら、この二重配置形式の文章の信憑性は
落ちると思う。植草氏の常習的性癖性を確定する重要な文章にしては、校
正ミスがそのまま記事に載ることは考えにくい。
したがって、内容の強調の意味で「捜査関係者」というのを二重配置した
のだと思う。しかし、前述したように内容はほとんどない。これらから導き出
されることは、過去7回の件に関して、女性セブンが植草氏の確定的な情
報を得ていないのではないかという疑問が残る。
もう一つ気になることがあった。それは文章内の「チェック」という言葉が
「チェック柄」と「要チェック人物」という言葉に引っ掛けて使用されているこ
とである。通常、「要チェック人物」とは言わずに「要注意人物」と言う。そ
れをわざわざ「要チェック人物」という言葉にしているのは、ふざけていると
しか思えない。先ほどの「捜査関係者」という言葉の二重配置も、もしかし
たらふざけて書いたのかもしれない。いずれにしても、植草氏の常習性を
担保する唯一の文章の中に、こういう「駄洒落」を入れていること自体が
信じがたい軽佻浮薄さだと言える。
平野貞夫氏は、表沙汰になったとされる過去三回について、一度目の件
は女性の過敏な反応の可能性を示唆しているし、二度目のJR品川駅での
手鏡事件は冤罪であり、政治的な背景があったと私は信じていると言って
いる。そのことは、本記事で私が週刊誌の記事をつぶさに見て気が付いた
ことと符合する。
最後に、女性セブンは植草氏が10回の「摘発」を受けたと書いているが、
この「摘発」という言葉は、手鏡事件と今回の痴漢事件には相応しい言葉
かもしれないが、過去8回の件についてはどうなんだろうか。「摘発」を広辞
苑で調べると、
摘発 → 悪事をあばいて公表すること
あと、あるサイトではこういう説明をしていた。
「逮捕・捜索→記者会見という一連の行為を、マスコミ用語で摘発とい
います。法律用語ではありません」
「刑事手続について時系列を示すと、告訴・告発→摘発→送検→提訴
となります」
ということは、マスコミの一種である「女性セブン」が「 今回で10回目の
摘発なんです」と書いたのは「摘発」という用語の間違った使い方なので
はないだろうか。上の説明を参考にすると、「摘発」は「逮捕・捜索→記者
会見という一連の行為」まで含む言葉に見える。また、国語辞典にも、広
辞苑にも、「摘発」の意味は「悪事を暴いて公表すること」となっている。
だとすれば、これは推測であるが、「女性セブン」が「 今回で10回目の
摘発なんです」と書いた場合、10回全部が世間に公表されていたことに
なるのではないだろうか。しかし、公表されたのは手鏡事件と今回の二
度だけである。過去の8回は公表されていないから摘発とは言えない気
がするがいかがだろうか。そうなると、過去8回の件に対して、植草氏が
性犯罪をやっていたと警察が証言することは妥当なのだろうか。摘発の
厳密な意味を知りたいと思う。
まあ、「摘発」のことはともかく、週刊誌記事は不確定な記事が多く、興
味本位のでたらめな推測や想像が、あたかも見てきたかのごとく書かれ
ていることが多い。そういうものだと思って読めば、週刊誌もそれなりの
娯楽性を大衆に与えているかもしれないが、一人の人間の社会的な生
命や全人格を否定されかねない性格の記事は、何よりも正確さ、無謬性
が要求されるのである。読者が多いほどこの前提条件は堅固としなけれ
ばならない。
私が植草氏の冤罪説を唱えることで、被害者と取り押さえた人物たち
の人権が犯されると言う者たちがいるが、彼らは実名はもちろんのこと、
人物を特定する情報は一切出されていない。それに比べ、いい加減な情
報だけで、植草氏が常習的性犯罪者に仕立て上げられているこの現実こ
そ、人々はしっかりと見つめるべきではないのか。
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