乱心か中興か。平沼赳夫氏
平沼赳夫議員が、草野仁が仕切る午後のワイドショーに生出演してい
た。
12名の復党願いを出した議員のうち、平沼氏を除いた11名は復党を認
められる公算が強くなった。しかし、平沼氏だけは中川幹事長が要求す
る誓約書の提出を頑固として拒否し、復党を断念している。11名につい
ては、毒蛇山荘日記で山崎行太郎先生が書かれていたように、私もとん
でもない奴らだと思う。彼らは、政治家である前に人間の振る舞いとして
言語道断である。
何名かの記者会見を見たが、私は嘔吐感を抑えることができなかった。
なんという醜悪なたたずまいであろうか。これを若い人や小学生が見た
と思うと暗澹たる思いを禁じえない。安倍よ、こんなことを黙認しておい
て何が教育再生だ。復党を考えた議員のひもじさはわからないでもない。
彼らが安倍総理に愛着を持つことも構わない。問題は政治思想の貫徹
性にこそある。おまえら、郵政民営化の売国政策に反対したから出た
んだろう。それを翻すのか?そんな生き方をして恥ずかしくはないのか。
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小泉・竹中が行った郵政民営化は売国所業であるというのが造反議
員たちの「造反」理由だったはずだ。それを、完全に翻し、賛意をあらわ
す屈辱的な誓約をして復党することは、悪魔に魂を売り渡すということ
である。11名は、日本人として許しがたい先祖毀損である。
平沼赳夫氏に関しては、私は山崎先生とは少しばかり見解が異なる。
平沼氏はテレビで、郵政民営化に反対した理由を次の三つに要約して
述べていた。
1)あの法案成立に向けて、党議手続きの一方的な強引さが民主政治
の枠をはみ出していること
2)小泉・竹中が主導した郵政民営化法案はアメリカの「年次改革要望
書」に従って行われたアメリカ利益のための改革であること
3)郵便サービス業務の偏在化。地域格差が助長されることは明らか
平沼氏は国会議員である。国会議員たるもの、国賊宰相が主導して決
めた法案であっても、衆参両院で結果的に可決されてしまった法案には
従わざるを得ないという苦しい胸のうちを説明した。私も含めてこう思うだ
ろう。ならば、最初から復党意志など示すなと。
ここである。私が平沼赳夫氏の腹のうちを見抜いたのは。彼はそういう
ことがわからずに行動するような愚かな男ではない。そういう行動を敢え
て起こすにはそれなりの思惑が腹にあるからである。平沼氏の不可解な
出来事を見抜くキーワードは、安倍晋三首相その人である。言い方は悪
いが、私は安倍晋三という男は、ロバの心を持った宰相であると見てい
る。つまり、実直で真面目ではあるが、透徹した強靭な意志力がないた
めに周囲の奸臣に感化され易い。国家主導者には不向きである。
それを百も承知の平沼氏は、国家のために何としても中川秀直主導を
切り崩す必要を感じた。理由は郵政民営化政策施行時の「国富流失」を
防御するためである。このまま進むと、来年から郵政資金がハゲタカの
舞う市場へ開放される。アメリカ系外資が日本国富の収奪に入るので
ある。すなわち、平沼氏も中川秀直幹事長も、ことの本質が(2)の「年
次改革要望書による郵政民営化」ということに収斂している。同じもの
を胸に置き、両者、まったく対蹠的な立場から動いているのである。そ
れが今度の復党騒動の本質である。
復党問題は、国家存亡の国益をかけた戦いの中で起きたことである。
平沼氏は他の国賊的復党派のまとめ役として、自らがリーダー役とな
り復党連中をまとめた。腐った連中のまとめ役だから、やりたくはなか
っただろう。反感を買う覚悟で臨んだ平沼氏の今回の復党行動は、明
らかに世論喚起のためであろう。それは現政権を掌握する中川秀直や
世耕弘成ら、旧売国政権の置き土産となった連中の力を殺がなけれ
ば郵政資金の流失に歯止めが利かないからである。
そのためには、中川秀直が頑強に繰り返す「筋論」の筋が、実は売
国法案実施に向けての筋であることを万人に知らせることである。最初
から無理な復党を希求し、腐った仲間には踏み絵を踏ませておいて、
自らは断固としてそれを忌避する。この一連の無意味とも言える行動
の裏に、中川筋論の本質を国民に叩きつけたのである。それが彼の
口から出た「年次改革要望書」の存在である。平沼氏が、見た目には
愚かなこの芝居を打って出たことによって、忘れかけた郵政民営化問
題が再び世間の耳目を浴びたのである。
平沼氏の性格を知り、彼を愛国者として評価する人間は、彼の本心
を見抜くべきである。彼の本心は郵政民営化の実際的な始動に対して
防御策を講じろと、自民党と国民に訴えているのである。国民も昨年と
は違って、小泉が郵政法案以外にはまったく関心のなかったことに今
は疑念を抱いている。その理由が年次改革要望書にあったことにはた
と気が付くはずである。
中川秀直の動きが、売国政策の完全実施にあることはすでに明らか
である。安倍はこれを阻止する気がない。マスコミもアメリカ隷従である。
亀井静香氏や小林興起氏が郵政法案実施の危険性を訴えたくとも、マ
スコミは絶対にそれを報道しない。窮余の策として、平沼氏は敢えて中
川秀直と対峙することによって、郵政法案の異常性を国民に提起した
のである。昔の仲間に誓約書を書かせるという意味は、安倍自民党は、
いまだに郵政民営化が最重要課題なのである。売国奴たちは郵政資
金が完全に食われてしまうまで見届ける魂胆であろう。
平沼氏の行動は私利私欲ではない。明らかに中興の計画であったと
私は思っている。愚かな方法ではあったが、これ以外に取るべき道は
なかったのだろう。それほど日本はアメリカに牛耳られているということ
である。それにしても、野田聖子らの行動様式はひどい。飯がまずくな
る。三島由紀夫が生きていたら「行動学入門」に、松尾敬宇中佐の対
極として、こいつらの醜悪な行状を書いたかもしれない。
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