(1)18.12.20第二回公判、速記録
平成18年特(わ)第4205号
迷惑防止条例違反
裁判速記録
日時・平成18年12月20日
於・東京地方裁判所第425号法廷
1.○神坂裁判長 よろしいでしょうか。それでは、開廷いたします。
本日の日程は、予定として、証人尋問ということでよろしいでしょうか。
2.○小出検察官 はい、結構ですが、その前に証拠請求があるのです。
甲24号証から甲31号証まで8点、証拠物として写真を証拠請求したいと思います。
3.○神坂裁判長 ブツとして請求するということになるのですか。
4.○小出検察官 そういうことです。
5.○神坂裁判長 証拠等関係カードはお持ちですか。
6.○小出検察官 作成しておりませんが、必要であれば、また追って提出いたします。
7.○神坂裁判長 24号証から34号証にかけての11点になるのですか。
8.○小出検察官 いえ、24から31までの8点です。
9.○神坂裁判長 この証拠についての立証趣旨は。
10.○小出検察官 立証趣旨は、○○○○が友人との間でやりとりしたメールのやりとり、その内容ということです。
11.○神坂裁判長 甲20号でしたか、これに添付されるということですね。
12.○小出検察官 添付されたもの、そのものではありませんが、内容的には同じようなも13.のが入っております。
14.○神坂裁判長 この証拠請求について弁護人のご意見はいかがですか。
15.○弁護人2 ブツとしてということですが、証拠とすることには異議があります。立証趣旨がそのメールの内容ということであれば、それはやはり供述調書として……。
16.○神坂裁判長 内容ということですか。
17.○弁護人2 検察官は、そのメールの存在及び内容ということでしたので、立証趣旨が、そういうことであれば、やはり……。
18.○神坂裁判長 請求証拠について異議があるということですか。供述調書とするには異議があるという趣旨ですね。
19.○弁護人2 はい。
20.○神坂裁判長 立証趣旨は、そのメールそのものの存在ということで間違いないですか。
21.○小出検察官 存在でも構いませんけれども、メールの内容といっても、そのメールの内容、記載している内容、そういう意味だということですので。
22.○神坂裁判長 内容の真実性というのを、メールの内容、書かれているその記載内容ということだろうと思うのですけれども、これもやはり同じでしょうか。
23.○弁護人2 そうですね。記載内容といっても、やはりそれが出てくる以上は、その内容の真実性……。
24.○神坂裁判長 弁護人のご意見としてはそういうことで、では検察官の立証趣旨は、記載内容というふうに聞いておきますが、どうですか。
25.○小出検察官 はい。
26.○神坂裁判長 それでは、この段階で、今の24から31を採用いたします。
27.○弁護人 今の証拠決定について異議があります。記載内容ということで、決定ということですけれども、通常これが証拠に出れば、その内容についても裁判官の目に触れますし、その内容の真実性についても、判断の対象になると考えますので、その点で320条の伝聞証拠禁止の原則の解釈適用を誤った違法なものがあると考えます。
28.○神坂裁判長 検察官、ご意見。
29.○小出検察官 異議は理由がないものと思料いたします。
30.○神坂裁判長 弁護人の異議の申し立ては棄却いたします。
取り調べを行いますので、24号から添付資料ということでよろしいですね。
証拠そのものの方は、弁護人の方にいっているわけですね。それでは、提出されたということでよろしいでしょうか。改めて提出……。
31.○小出検察官 はい。
32.○神坂裁判長 それでは、この段階で提出されたことにいたします。
33.○小出検察官 一応、写真なので、幾つか特定をしておきます。
34.○神坂裁判長 ちょっと待ってくださいね。証拠の番号が、写真そのものに記載されていないので。
35.○小出検察官 それは書いてないですね。
36.○神坂裁判長 書いているものがあるのですか。
37.○小出検察官 書いているものはないです。
38.○神坂裁判長 では、それを確認しながら。
39.○小出検察官 そうですね。済みません。
40.○神坂裁判長 携帯電話の全体を撮影されているものが24ということでいいですか。
41.○小出検察官 はい。
42.○神坂裁判長 これが24です。それからメールの表題部分から終わりまで、これが25です。本文の書き出しが「訴える」となっているものが26。やはり本文で「顔をした男が」で始まるのが27です。本文、「い」句読点、「なんか」で始まるのが28。次に、最上部に表題があって、括弧の134とあって、「いいな」とあるのが29。次に本文、「が次回に」で始まるのが30。やはり本文、「らとかあるしな。」、これが31。
43.○弁護人2 最後の2つが、順番が逆の方が、つながると思います。
44.○神坂裁判長 ああ、そうですか。その順番の方がつながりますか。
済みません。ちょっともう一度そこは30番と31番で、「らとかあるしな。」、これが30番、「が次回に」で始まるのが31番、それでよろしいわけですか。
45.○弁護人2 はい。
46.○神坂裁判長 失礼しました。それでは、そういう順番で提出してください。
では、裁判官用ということでお持ちいただいているということなんで。
47.○弁護人2 ああ、同じものを。
48.○神坂裁判長 それでは、提出してください。
それでは、よろしいですね。
証拠で、今振った番号でいくと、27から28にかけてですけれども、裁判所が今いただいたものは、飛んでいるようなんですが、これはこれでよろしいわけですか。
49.○小出検察官 飛んでいるといいますか、重複しているんだと思います。携帯電話をスクロールしながら撮っていまして。
50.○神坂裁判長 わかりました。
51.○小出検察官 それについては30と31にあると思います。
52.○神坂裁判長 ああ、そうですか。
では、よろしいですね。
今の新たな証拠調べの関係を終了してよろしいですね。
では、尋問に移ります。
〔証人、入廷〕
53.○神坂裁判長 どうもお忙しいところをご苦労さまですが、お名前、年齢、職業、住所は、先ほどカードに署名、記載していただきましたけれども、そのとおりで間違いないでしょうか。
54.○証人 間違いありません。
55.○神坂裁判長 それでは、この事件で証人としてお伺いすることになりましたので、お伺いする前に宣誓をしていただきますので、宣誓書を手にとって朗読してください。お願いします。
56.○証人 宣誓。良心に従って真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います。証人。
57.○小出検察官 それでは、いすがありますので、おかけになってください。
〔証人、着席〕
58.○神坂裁判長 それでは、今から順番にお話を聞いていくということになりますけれども、今宣誓していただきましたので、宣誓された証人の方がわざとうそをいうと、偽証罪ということになって処罰されるおそれがありますので、真実のみを答えてください。
それでは、検察官の方からどうぞ。
59.○小出検察官 それでは、検察官の小出の方からお尋ねしていきます。落ちついて答えていただきたいと思います。
あなたは、ことし、つまり、平成18年の9月13日の夜、電車の中で、男が女子高生に対して痴漢行為を働いているところを目撃したということがありましたか。
60.○証人 はい、ありました。
61.○小出検察官 9月13日の夜の何時ごろのことでしたか。
62.○証人 22時ちょっと過ぎのことです。
63.○小出検察官 電車の中ということですが、どういう電車の中でしたか。
64.○証人 京浜急行の快速の電車の中でした。
65.○小出検察官 その電車にはあなたはどこから乗ったのですか。
66.○証人 品川駅です。
67.○小出検察官 品川の駅を何時何分に出る電車の中だったかというのはわかりますか。
68.○証人 22時8分です。
69.○小出検察官 08分ということですね。
70.○証人 はい、そうです。
71.○小出検察官 どこ行きの快速電車でしたか。
72.○証人 京急久里浜行きです。
73.○小出検察官 その電車の何両目のどのあたりで目撃したのですか。
74.○証人 3両目の真ん中のドアです。
75.○小出検察官 前から3両目ということですか。
76.○証人 はい、そうです。
77.○小出検察官 1車両にドアが幾つあるのですか。
78.○証人 3つあります。
79.○小出検察官 そのうちの真ん中のドアの中ということになるわけですか。
80.○証人 はい、そうです。
81.○小出検察官 ドアから入ったあたり、そういうことになるわけですかね。
82.○証人 はい、そうです。
83.○小出検察官 その電車がどのあたりを走っているときにあなたは痴漢行為を発見したのですか。
84.○証人 品川から京急蒲田駅の間です。
85.○小出検察官 痴漢行為をされている人が女子高生だということはどうしてわかったんですか。
86.○証人 服装からです。
87.○小出検察官 服装というと、どういう服装からということですか。
88.○証人 制服だった。
89.○小出検察官 高校生っぽい制服を着ていたということですか。
90.○証人 はい、そうです。
91.○小出検察官 その女性の見た目の年齢とかはどうでしたか。
92.○証人 16~17ぐらいだったと思います。
93.○小出検察官 そういうことから女子高生だろうとわかったと、そういうことになりますか。
94.○証人 はい、そうです。
95.○小出検察官 一方、痴漢行為を働いていた男、この男は、どういう男でしたか。
96.○証人 40過ぎのおじさんだと思います。
97.○小出検察官 どういう格好、どういう服装をしていましたか。
98.○証人 スーツを着ていました。
99.○小出検察官 ネクタイを締めていましたか。
100.○証人 はい。
101.○小出検察官 あなたが目撃したその痴漢行為ですけれども、そのおじさんが女子高生に対してどのような痴漢行為を働いているところを目撃したのでしょうか。
102.○証人 左手で女子高生の腰からお尻にかけてをさわっているところを見ました。
103.○小出検察官 それで、どうなったんですか。
104.○証人 女子高生の方からおじさんの方に抗議の声が上がりました。
105.○小出検察官 で、結局その抗議があって、そのおじさんは痴漢行為をするのをやめた、そういうことになるのですか。
106.○証人 はい、そうです。
107.○小出検察官 で、その後、そのおじさんと女子高生はどうなったのですか。
108.○証人 京急蒲田駅でおりていきました。
109.○小出検察官 その痴漢行為を働いていたというおじさんですけれども、顔などを見ればわかりますか。
110.○証人 はい、わかると思います。
111.○小出検察官 この法廷の中にはそのおじさんはいますか。
112.○証人 はい、います。
113.○小出検察官 どこにいますか。
114.○証人 こちらです。
115.○小出検察官 あなたの右横の被告人がそのおじさんですか。
116.○証人 はい、そうです。
117.○小出検察官 それでは、あなたが痴漢行為を目撃したときのことについて、さらにもう少し詳しくお尋ねしていきますが、まず、あなたがそのとき京浜急行の電車に乗っていたのは、職場から自宅に帰るときだったのですね。
118.○証人 はい、そうです。
119.○小出検察官 あなたの職場はJR中央線 の荻窪駅 の金沢文庫駅
120.○証人 はい、そうです。
121.○小出検察官 この日、9月13日の職場からの帰宅時刻や帰宅ルートはどのようなものだったのですか。
122.○証人 帰宅時刻は21時20分ごろだったと思います。
123.○小出検察官 そのころに職場を出たと、そういうことですか。
124.○証人 はい、そうです。
125.○小出検察官 それで、あなたはどうしたのですか。
126.○証人 最寄りのJR 荻窪駅
127.○小出検察官 中央線に乗ったと、そういうことですか。
128.○証人 はい、そうです。
129.○小出検察官 新宿駅からはどうしたのですか。
130.○証人 JR山手線で品川に向かいました。
131.○小出検察官 品川駅に着いたのは何時ごろでしたか。
132.○証人 22時ちょっと過ぎだったと思います。
133.○小出検察官 そして、そこから、品川駅から京浜急行に乗って、金沢文庫駅まで行ったということになるのですか。
134.○証人 はい、そうです。
135.○小出検察官 その途中で、電車の中で、最初にお話しされた痴漢行為を目撃した、そういうことになるわけですね。
136.○証人 はい、そうです。
137.○小出検察官 ところで、そのときあなたは、先ほど京浜急行の快速電車、22時08分に品川駅を出る電車に乗ったというふうにお話しされたのですけれども、どうしてそういうふうにいえるのですか。
138.○証人 品川で見た掲示板に時間が出ていたからです。
139.○小出検察官 22時08分というふうに出ていたとはっきり見て、はっきり記憶しておったのですか。
140.○証人 08分とまでは覚えていませんが、0何分までは見えました。
141.○小出検察官 きょうの証言では、22時08分に出る電車だったというふうにおっしゃったんだけれども、それはどうしてそういうふうにおっしゃったのですか。
142.○証人 自分の帰宅時間から、後で調べてみまして、該当する時間がそれだということがわかりました。
143.○小出検察官 後日、京浜急行のダイヤを調べてみたと。
144.○証人 はい。
145.○小出検察官 それに当たるものがそれだったと、そういうことになるわけですか。
146.○証人 はい、そうです。
147.○小出検察官 それから、あなたはそのとき、前から3両目の車両に乗ったということですけれども、どうしてそのようにいえるのですか。
148.○証人 乗車した位置は覚えていましたので、これも後から調べて、正確に前から3両目ということがわかりました。
149.○小出検察官 当日、電車に乗るときに、前から何両目の車両に乗ろうとか考えて、あるいは車両を数えて乗ったというわけではなかったのですね。
150.○証人 そうです。
151.○小出検察官 ただ、乗った位置自体は覚えていたと。後日確認してみたら、3両目に間違いないということがわかったと、そういうことになるわけですか。
152.○証人 はい、そうです。
153.○小出検察官 そして、あなたは先ほどもちょっと証言がありましたけれども、ドアが3つあるうちの真ん中のドアからその電車に乗った、そういうことでよろしかったですか。
154.○証人 はい、そうです。
155.○小出検察官 品川駅を出るときのその電車の車両内の混みぐあいはどのようなものでしたか。
156.○証人 混雑はしていましたが、隣の人の肩とぶつかるようなことはないぐらいの混みぐあいでした。
157.○小出検察官 座席は全部埋まっていましたか。
158.○証人 埋まっていました。
159.○小出検察官 立っている人も大勢いましたか。
160.○証人 はい、いました。
161.○小出検察官 ただ、普通に立っていれば、隣の人と体が触れ合うようなことがなく立っていられるような状態ではあったのですか。
162.○証人 はい、そうです。
163.○小出検察官 あなたはそのとき、その電車の車両に乗って、どういう位置に立ったのですか。
164.○証人 真ん中のドアから入っての広い場所に立っていました。
165.○小出検察官 つり革につかまったりしましたか。
166.○証人 はい、つかまりました。
167.○小出検察官 どのあたりのつり革につかまったか覚えていますか。
168.○証人 はい。ドアからドアにかけての方につながっているつり革につかまりました。
169.○小出検察官 どちらの手でつかまりましたか。
170.○証人 左手です。
171.○小出検察官 あなたの顔や体はどちらの方を向いていたということになるのですか。
172.○証人 乗車したドアとは反対のドアの方向を向いていました。
173.○小出検察官 ちなみに、このときのあなたの服装はどのようなものでしたか。
174.○証人 上下、濃いグレーのスーツです。
175.○小出検察官 ネクタイも締めていましたか。
176.○証人 はい、していました。
177.○小出検察官 かばんや手荷物は持っていましたか。
178.○証人 はい、リュックを持っていました。
179.○小出検察官 手に何か持っていたということはあったのですか。
180.○証人 いえ、ありません。
181.○小出検察官 リュックを持っていたというふうにおっしゃったのですけれども、リュックを背負っていたということですか。
182.○証人 はい、そうです。
183.○小出検察官 リュックはどういう色のものですか。
184.○証人 黒いリュックです。
185.○小出検察官 真っ黒ですか。
186.○証人 オレンジのラインが幾つか入っています。
187.○小出検察官 ここで甲4号証に添付されております再現現場見取り図1の写しを作成しておりますので、これを証人に示したいと思います。
この図面は京浜急行の電車の車両の中を図面化したものですけれども、これを見て、何188.のことだかというのはおよそわかりますか。
189.○証人 はい、わかります。
190.○小出検察官 この図面にあなたが立っていた位置を示して、そこに赤ペンでマルWというふうに書いてください。
191.○証人 はい。
192.○小出検察官 そして、そのときあなたが向いていた方向がわかるように、向いていた方向に矢印を書き入れてください。
193.○証人 はい。
194.○小出検察官 さて、あなたは、この電車の車両に乗り込んですぐに、今回痴漢行為を働いたおじさんや、被害に遭った女子高生が、同じ車両に乗っていることに気づいたのですね。
195.○証人 はい、そうです。
196.○小出検察官 最初に気づいたとき、女子高生は、その車両の中で、どちらの方を向いて立っていたのですか。
197.○証人 真ん中のドアから入った広い場所の真ん中に立っていました。
198.○小出検察官 どちらの方を向いていましたか。
199.○証人 進行方向を向いていました。
200.○小出検察官 その女子高生もつり革につかまっていたのですか。
201.○証人 つかまってはいませんでした。
202.○小出検察官 女子高生は高校の制服と思われるような服を着ていたと、そういうことでしたね。
203.○証人 はい、そうです。
204.○小出検察官 覚えている限りで結構ですが、どういう服装でしたか。
205.○証人 上着については、余り記憶がありません。下についてはスカートを履いていました。
206.○小出検察官 何色のスカートでしたか。
207.○証人 紺色です。
208.○小出検察官 その女子高生の身長は、見た目で結構なんですが、どれぐらいに見えましたか。
209.○証人 158ぐらい。160いかないぐらいだったと思います。
210.○小出検察官 一方、あなたが最初に気づいたとき、おじさんの方は、その車両の中で、どのような位置に、どちらの方向を向いて立っていたのですか。
211.○証人 女子高生の真後ろに立っていました。
212.○小出検察官 どちらの方向を向いていましたか。
213.○証人 進行方向を向いていました。
214.○小出検察官 そのおじさんはつり革につかまっていましたか。
215.○証人 いえ、つかまっていませんでした。
216.○小出検察官 その女子高生とそのおじさんは、いずれも同じ方向、つまり電車の進行方向の方を向いて立っていたということになるわけですね。
217.○証人 はい、そうです。
218.○小出検察官 そして女子高生の後ろにおじさんが立っていたと、そういう位置関係にあったわけですか。
219.○証人 はい、そうです。
220.○小出検察官 その女子高生とおじさんとの距離関係はどのような感じでしたか。
221.○証人 密着していました。
222.○小出検察官 そのときの女子高生の様子はどんな感じでしたか。
223.○証人 窮屈そうな感じでした。
224.○小出検察官 そのおじさんの後ろ、後方はどんな感じでしたか。
225.○証人 1人、2人、立てるぐらいのスペースはあいていました。
226.○小出検察官 先ほどの図面をもう一度見ていただきたいと思うのですけれども、その図面に女子高生が立っていた位置を示して、そこに赤ペンでマルVというふうに書き入れてください。
227.○証人 はい。
228.○小出検察官 またその女子高生が向いていた方向がわかるように矢印を書き入れてください。
229.○証人 はい。
230.○小出検察官 それから今度はその図面におじさんが立っていた位置を示して、そこに赤ペンでマルAと書き入れてください。
231.○証人 はい。
232.○小出検察官 やはり同じように、おじさんが向いていた方向に矢印を書き入れてください。
233.○証人 はい。
234.○小出検察官 あなたは最初にその女子高生とおじさんを見たときに、その位置関係を見てどういうふうに思いましたか。
235.○証人 非常に近いなと思いました。
236.○小出検察官 非常に近いなというのはどういう意味ですか。
237.○証人 それほど密着する必要がない程度の混雑だったので。
238.○小出検察官 それにしては密着しているなということを思ったと、そういうことですか。
239.○証人 はい、そうです。
240.○小出検察官 距離に違和感を感じたと、そういうことになりますか。
241.○証人 はい、そうです。
242.○小出検察官 そのとき、女子高生の後ろに立っているおじさんはどんな体勢でいましたか。
243.○証人 右側に重心がかかっているような状態でした。
244.○小出検察官 それを見て、あなたはどう思いましたか。
245.○証人 不自然だなとは思いました。
246.○小出検察官 そのおじさんの手はどういうふうになっていましたか。
247.○証人 両手ともに自分の真横ではなく、前の方、女子高生の方にいっていました。
248.○小出検察官 その時点であなたは、そのおじさんがその女子高生に痴漢行為をしているというふうには思いませんでしたか。
249.○証人 その時点では思いませんでした。
250.○小出検察官 その時点であなたは、そのおじさんの手の先がどこにあるか、どうなっているのか確認していたというわけではなかったのですか。
251.○証人 確認していません。
252.○小出検察官 その時点では、ただ距離に違和感を覚えたり、あるいはおじさんの体勢に不自然さを感じたりした程度だったということでよろしいですか。
253.○証人 はい、そうです。
254.○小出検察官 ところで、電車が品川駅を発車してからのことですが、あなたは当初何をしていましたか。
255.○証人 電車の中づり広告を見たり、ぼうっとしたりしていました。
256.○小出検察官 電車が品川駅を発車してしばらくしてから、今回、先ほどおっしゃったような痴漢の場面を目撃したということになるのですか。
257.○証人 はい、そうです。
258.○小出検察官 先ほどと重複するかもしれませんが、どういうことがあったのか、もう一度おっしゃってください。
259.○証人 おじさんの左手が女子高生の腰からお尻にかけてのあたりに触れていました。
260.○小出検察官 女子高生の腰からお尻にかけてのあたりというふうにおっしゃったのですが、腰とかお尻といっても、それで大体はわかるのですけれども、体の部分として、例えば左側の方とか、右側の方とか、真ん中のあたりとかというふうにも分けられると思うのですけれども、そういう言い方でいうと、どのあたりをさわっていたということになるのでしょうか。
261.○証人 女子高生の左の側面です。
262.○小出検察官 左の側面ですか。
263.○証人 はい。
264.○小出検察官 それの腰からお尻にかけてのあたり、そういうことになるわけですか。
265.○証人 はい、そうです。
266.○小出検察官 あなたがそのような様子を目にしたのは、電車が品川駅を発車してどれくらいたったころでしたか。
267.○証人 正確にはわかりませんが、1、2分たったころだと思います。
268.○小出検察官 もちろん時計などで確認していたということではないわけですね。
269.○証人 はい、そうです。
270.○小出検察官 感覚としては品川駅を出て割とすぐという感じですか。
271.○証人 はい、そうです。
272.○小出検察官 ちょっとおかしな質問かもわかりませんが、なぜあなたはそのとき、そのことに気づいたんでしょうか。
273.○証人 特に見ようとして見ていたわけではないのですが、ふとした瞬間というか、そこに目がいったからです。
274.○小出検察官 あなたとしては、先ほどおじさんと女子高生との距離に違和感を感じたり、あるいはおじさんの体勢に不自然さを感じたということでしたね。
275.○証人 はい。
276.○小出検察官 だからといって、その後おじさんと女子高生のことをずっと注意して見ていたというわけではなかったのですか。
277.○証人 はい、そうです
278.○小出検察官 ただ、その後、またそちらの方に目がいったときに、先ほどのような場面が見えたと、そういうことになるわけですか。
279.○証人 はい、そうです。
280.○小出検察官 そのときおじさんの左手は、女子高生の腰からお尻にかけてのあたりに完全に触れていた、さわっていたのですか。
281.○証人 さわっていました。
282.○小出検察官 なぜ完全に触れていた、さわっていたといえるのですか。
283.○証人 さわっていたところに、スカートのしわというか、くぼみのようなものがあったからです。
284.○小出検察官 それは、さわれば、ある程度の力が加わるわけなんだけれども、それにそのスカートの生地が、体の方に押しつけられるような、そういったしわ、くぼみができていたからと、そういうことになるわけですか。
285.○証人 はい、そうです。
286.○小出検察官 あなたの視力はどれくらいですか。
287.○証人 左が1.5、右が1.2です。
288.○小出検察官 もちろんめがねをかけたり、コンタクトレンズを入れたりしなくても、日常生活に不便はないですね。
289.○証人 はい、ありません。
290.○小出検察官 このときの電車の明るさというのはどのような感じでしたか。
291.○証人 普通でした。
292.○小出検察官 ごく普通の電車の明るさということですか。
293.○証人 はい、そうです。
294.○小出検察官 新聞や雑誌などを読むこともできるくらいの明るさでしたか。
295.○証人 はい、そうです。
296.○小出検察官 そのときですけれども、あなたと女子高生との間に、あるいはあなたとおじさんとの間に、ほかの乗客は全くいなかったのですか。
297.○証人 女性が1人いました。
298.○小出検察官 どのあたりにいましたか。
299.○証人 自分の右斜め前あたりです。
300.○小出検察官 この乗客は女性ということでしたね。
301.○証人 はい。
302.○小出検察官 年齢とか身長とかわかりますか。
303.○証人 顔を見ていないので、詳しくはわかりませんが、割と若い女性だと思いました。
304.○小出検察官 身長はどれくらいに見えましたか。
305.○証人 160前後だったと思います。
306.○小出検察官 服装とか髪型などは覚えていますか。
307.○証人 余りよく覚えていません。
308.○小出検察官 その女性の乗客はどちらの方を向いて立っていたのですか。
309.○証人 進行方向に対して右斜め45度くらいの角度だったと思います。
310.○小出検察官 それでは、また先ほどの図面を見ていただきたいのですが、その図面にその女性乗客が立っていた位置を示して、そこに赤ペンでマル女というふうに書き入れてください。
311.○証人 はい。
312.○小出検察官 同じく先ほどと同じように、その女性乗客が向いていた方向がわかるように矢印を書き入れてください。
313.○証人 はい。
314.○小出検察官 ところで、あなたは、おじさんの左手が女子高生の腰からお尻にかけての部分に触れていたと、そういうふうに証言されるわけですけれども、今図面に書いてもらったように、女性の乗客が立っていたのに、それでもあなたの位置から、おじさんの左手あるいは女子高生の腰、女子高生のお尻のあたりは見えたのですか。
315.○証人 はい、見えました。
316.○小出検察官 女性の乗客がいたのに、どうして見えたんですか。
317.○証人 女性は私の真っ正面に立っていたわけではなかったので、左側に十分に見えるスペースはありました。また、左肩の上、肩越しからでも十分に見える位置でした。
318.○小出検察官 そもそもその女性の体は、あなたが女子高生の腰あるいはお尻のあたりを見るときに、完全にダブってくるような位置関係ではなかったわけですか。
319.○証人 はい、そうです。
320.○小出検察官 あなたは身長は幾つあるのですか。
321.○証人 183です。
322.○小出検察官 その女性は、先ほどあなたの見立てによれば、160センチ前後ということでしたね。
323.○証人 はい、そうです。
324.○小出検察官 その女性の肩越しからも、ある程度向こうが見通せる状況だったと、そういうことだったわけですね。
325.○証人 はい、そうです。
326.○小出検察官 あなたは、おじさんの左手が、女子高生の腰からお尻にかけてのあたりに触れているのを見たということですけれども、それを見た時点で、すぐに痴漢行為を働いているんだというふうに思いましたか。
327.○証人 可能性はあると思いましたが、確信はしていませんでした。
328.○小出検察官 なぜ確信していなかったのですか。
329.○証人 そういった体勢をとらざるを得ない事情があるかもしれないと考えたからです。
330.○小出検察官 そういった体勢をとらざるを得ないというのは、そのおじさんがということですか。
331.○証人 はい、そうです。
332.○小出検察官 例えばどういうことが考えられますか。
333.○証人 考え過ぎかもしれませんが、手が不自由な方であったりといったことです。
334.○小出検察官 例えば電車が揺れたり、あるいは電車が混雑したりしているために、たまたまおじさんの手が触れてしまっただけではないかというようなことは考えなかったのですか。
335.○証人 そういう可能性も考えました。
336.○小出検察官 なので、見た瞬間、すぐに確信できるということではなかったと、そういうことですか。
337.○証人 はい、そうです。
338.○小出検察官 それで、あなたはどうしたのですか。
339.○証人 しばらく注目する形になりました。
340.○小出検察官 それはなぜしばらく注目していたのですか。
341.○証人 怪しいなというイメージを受けたからです。
342.○小出検察官 もちろん注目というのは、おじさんの動きに注目していたと、そういうことになりますか。
343.○証人 はい、そうです。
344.○小出検察官 怪しいなというのはどういうことですか。
345.○証人 痴漢をしているのではないかといったことです。
346.○小出検察官 要するに、わざとさわっている、つまり、痴漢行為をしているんだというのか、それともたまたま何らかの事情で、おじさんの手が女子高生の体に触れてしまっているのか、それを見きわめようと思ったと、そういうことですか。
347.○証人 はい、そうです。
348.○小出検察官 それでその後、しばらくの間、あなたはおじさんの様子あるいは女子高生の様子を見ていたと、そういうことになるわけですか。
349.○証人 はい、そうです。
350.○小出検察官 しばらくそういう様子を見ていて、結局のところ、最終的にあなたとしてはどのように判断したわけですか。
351.○証人 痴漢をしていると判断しました。
352.○小出検察官 先ほどいったように、あなた自身もおっしゃったように、例えばおじさんの方に何らかの理由があって、あるいは電車が揺れたりして、たまたまそういう体勢をとらざるを得なかった、あるいは、たまたま女子高生の体に触れてしまっただけなんだというふうには思わなくなったと、そういうことですか。
353.○証人 はい、そうです。
354.○小出検察官 それはどうしてそういうふうに判断したのですか。
355.○証人 途中、電車が揺れたりしたときにも、手が離れることなくついていたからです。
356.○小出検察官 途中、電車が揺れたりして、女子高生の体が動くというようなこともあったわけですか。
357.○証人 はい、ありました。
358.○小出検察官 それでもおじさんの左手というのは、その女子高生の体についていっていたと、そういうことになりますか。
359.○証人 はい、そうです。
360.○小出検察官 そのほかにどういうことがあったのですか。
361.○証人 女子高生自身が動いたこともありましたが、同じく手がついていっていました。
362.○小出検察官 女子高生自身が動いたというのは、みずから体を動かしたということですか。
363.○証人 はい、そうです。
364.○小出検察官 そのときも同じような状況だったわけですか。
365.○証人 はい、そうです。
366.○小出検察官 あなたが見ていた限りで結構ですけれども、おじさんの左手はどれくらいの時間、女子高生の腰からお尻にかけての部分に触れたままの状態でいたのですか。
367.○証人 正確にはわかりませんが、感覚で2分ぐらいだったと思います。
368.○小出検察官 それぐらいずっとおじさんの手は、女子高生の体に触れたままだったと、そういうことになるわけですか。
369.○証人 はい、そうです。
370.○小出検察官 そうすると、そういうことも、あなたが、つまり、あなたの感覚で2分ぐらいずっと触れたままだったということも、これはたまたまではなくて、わざとなんだなと判断した理由ということになりますか。
371.○証人 はい、そうです。
372.○小出検察官 さて、おじさんの左手の方は女子高生の体に触れていたというお話なんですけれども、その間おじさんの右手の方はどうなっていたかわかりますか。
373.○証人 右の手のひらまではわかりません。
374.○小出検察官 どうしてわからないのですか。
375.○証人 女子高生とおじさんの体の陰に隠れて見えなかったからです。
376.○小出検察官 右手の動き、あるいは右手というと語弊があるかもしれませんが、右腕、右手の動きで何かわかったようなことはありましたか。
377.○証人 右腕は、おじさんの方でなく、前の方に出ていました。
378.○小出検察官 前の方ということは、女子高生の方に出ていた、そういうことになりますか。
379.○証人 はい、そうです。
380.○小出検察官 それは見えたわけですか。
381.○証人 はい、わかりました。
382.○小出検察官 手の先までは見えなかったけれども、腕がそちらの方へいっているのは見えたと、そういうことになりますか。
383.○証人 はい、そうです。
384.○小出検察官 そのときのおじさんの体勢はどんな感じでしたか。
385.○証人 右に重心がかかっているのが見えました。
386.○小出検察官 おじさんの右手が、そのとき、つり革をつかんでいたというようなことはありますか。
387.○証人 ありません。
388.○小出検察官 おじさんの右手の先については見える位置にいなかったということでしたよね。
389.○証人 はい。
390.○小出検察官 それなのに、どうしておじさんの右手がつり革をつかんでいなかったといえるのですか。
391.○証人 つり革をつかんでいれば、右手が上がっているはずなので、それはわかる位置にいました。
392.○小出検察官 右手を上に上げているような場面はなかったと、そういうことですか。
393.○証人 はい。
394.○小出検察官 あなたとしては、おじさんの右手はどうなっていると思っていましたか。
395.○証人 痴漢をしているだろうと確信した後は、右手もそういうことをしているのではないかというふうに考えました。
396.○小出検察官 つまり、右手も、左手と同じように、女子高生の体をさわっているのではないかと思った、そういうことですか。
397.○証人 はい、そうです。
398.○小出検察官 その右手については、あなたは見ていたわけではなくて、推測でそう思ったと、そういうことになるわけですね。
399.○証人 はい、そうです。
400.○小出検察官 おじさんは、少なくともあなたが見た範囲で、左手で女子高生の体をさわっていたということなんですけれども、そのとき、おじさんはどういう顔をしていましたか。
| 固定リンク









コメント