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2007年1月29日 (月)

(3)植草事件の突破口(痴漢犯罪の偽装を見破る)

 それでは9月13日、植草氏が嵌められた電車内の混雑具合を第二回
目・公判速記録から抽出してみよう。(下記は私がアップした公判速記録
の(1)から引用したものである。もう少し前後の事を知りたければ、該当
箇所をお読みいただきたい)

********************************************************
155.○小出検察官 品川駅を出るときのその電車の車両内の
    混みぐあいはどのようなものでしたか。

156.○証人 混雑はしていましたが、隣の人の肩とぶつかるような
    ことはないぐらいの混みぐあいでした。

157.○小出検察官 座席は全部埋まっていましたか。

158.○証人 埋まっていました。

159.○小出検察官 立っている人も大勢いましたか。

160.○証人 はい、いました。

161.○小出検察官 ただ、普通に立っていれば、隣の人と体が触
    れ合うようなことがなく立っていられるような状態ではあった
    のですか。

162.○証人 はい、そうです。

*********************************************************

 この質疑応答からもわかるように、当日、品川駅22:08分発の京急電車
の混み具合は、隣同士の肩と肩がぶつかり合わない程度の混雑具合であ
った。このレベルの混雑状況において、目撃証人が語るような痴漢行為が
約2分間にわたって行われたとすれば、その犯行自体が単独犯による痴
漢行為としては異常に不自然なのである。

 なぜなら、当日電車内の混み具合の状況は、明らかに痴漢という犯罪が
成立しにくい要件を完全に満たしているからである。痴漢という犯罪は、自
己の性的欲求を満たすために、相手の同意を得ずに行う性的な行為であ
る。重要なことは痴漢を行うための条件があるということである。それは犯
人の行為が秘匿されてしまう環境下で行われることにある。具体的に言う
ならば、それは、公共の場所である満員電車内や夜道など、行為そのもの
が第三者に認識されにくい場所であることが必須の要件となっている。

 電車内の痴漢が成立するための条件として、被害者も加害者も容易に身
動きが出来ない程度の混雑、すなわち「満員電車」の条件が必要なのであ
る。ところが当該電車の混み具合は上述のように、双方とも充分に移動で
きる程度の混雑具合だったのである。もしかしたら、その車両に乗り合わせ
た乗客の絶対数は「混雑」と言えるかどうかさえ疑わしいほど「疎」の状況を
思わせるのである。

 もしも、がら空きの電車内で対象女性に性的行為に及ぶ人間がいたな
ら、それは痴漢とは言わずに強制わいせつ行為なのであり、逮捕されるこ
とを厭わない確信犯である。なぜなら周囲の人間が確実にその犯罪を認
識するからである。こういう粗暴な露悪的犯罪とは異なり、痴漢は秘匿性
の中で行うから痴漢なのである。

 つまり、昨年9月、京急電車内で起きたとされる植草氏の痴漢行為は、
女子高生側から、そして痴漢常習者側から見て、二重の意味で起きる可
能性がなかったことを私は言明できる。

 その一つ目の理由とは、痴漢犯罪常習者側の立場から見て、単独犯で
はけっして行わない電車内の混み具合だったからである。立っている乗客
同士の肩が触れ合わない程度、または第二回公判に名乗り出た目撃証
人が言った、被害者と目撃者の距離が77センチも空いていたという事実を
鑑みるなら、周囲に目視されてしまうその混み具合で、敢えて痴漢を決行
する者などいないはずであろう。

 もしいたなら、それは確信犯的な強制わいせつ罪であり秘匿性は皆無で
ある。もし植草氏が酩酊して心神を喪失し、そういう行為をしたならば、強制
わいせつ罪で訴えるべき事柄である。ところが植草氏の犯罪件名は「東京
都迷惑防止条例違反」なのである。現実には植草氏はあくまでも「痴漢」と
いう嫌疑をかけられているわけである。したがって、この痴漢行為は成立し
得ない事件である。

 二つ目の理由であるが、これが最もこの事件が冤罪であることを確信さ
せることである。それは被害者と称する女子高生が、この「疎」なる乗り合
わせ状況において、2分間も植草氏に腰部や臀部をさわらせて置きなが
ら、一度も移動しなかったことにある。重要なことなので何度も言うが、当
日電車の混み具合は、乗客が移動しようと思えば簡単に移動できた「疎」
の乗りあわせ状況であった。従って、17歳の女子高生が2分間も尻をさ
わられたまま、そこから脱出しようとしなかったことの方が異常なのである。

 普通であれば、2分どころか数秒で女子高生は身体をよじって振り返る
なり、そこから離れるなりの回避行動を取って当然なのである。それが簡
単にできる混雑状況にあったはずである。ところが彼女は2分間も植草氏
に腰部と臀部を触らせたまま身動きしなかった。この状況そのものが、被
害者と称する女性の常軌を逸した行動様式を先鋭に浮かび上がらせるの
である。

 つまり、植草氏が過度のアルコール摂取による酩酊的心神耗弱で痴漢
行為に及んだと考えるよりも、女子高生が何らかの意図を有して植草氏
に密着したまま、そこを離れなかったという方が事実を端的に言い当てて
いることになる。これが犯罪偽装でなくて何であろうか。

 もし、女子高生が植草氏にさわられた途端に、恐怖で萎縮して、蛇に睨
まれたカエルのように身動きが取れなくなったと言うなら、次の事実はその
ことを根底から否定していることになる。つまり、公判における証人尋問録
を参照すれば、痴漢行為が行われたとする2分が経過した後、女子高生は
「何やっているんですか、子供の前で恥ずかしくないんですか」と毅然とし
て言っている。そして、すぐそのあとに「次でおりてください」とも言っている
のである。

 恐怖で身動きが取れなかった被害者の第一声が「子供の前で恥ずかしく
ないんですか」などという説教めいたことを、四十代半ばの人間に対して言
うだろうか。これだけ気丈夫な女性なら、充分に身動きの自由がある電車
内で痴漢行為を回避する行動を取らない方がおかしいのである。したがっ
て、2分間植草氏と密着していたとすれば、それは植草氏の意志というより
も女子高生の意志である可能性のほうがはるかに高いことになる。ここにこ
の事件を解く鍵が存在していると私は確信するのである。〔第二回公判速
記録の(440)から(447)まで参照〕
 


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