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2007年9月14日 (金)

第九回公判傍聴記とその考察(2)

 ◎Z氏による公判傍聴記―植草氏は痴漢をやっていない

植草事件の公判を傍聴して、植草氏が痴漢をやっていないことを確信した。平成18年12月20日には検察側の目撃証人(以降「検察側証人」という)、平成197月4日の第9回公判には弁護側の目撃証人(以降「弁護側証人」という)の証人尋問があった。マスコミの植草氏への誹謗中傷の報道の中での尋問であったことを考えれば、弁護側証人が証言台に立つには、大変な勇気がいったと思うし、自分には何にもメリットは無かったことを考えれば、嘘を言うために証言台に立ったとは、とても考えられない。第9回公判直後、マスコミは一斉にこの証言は役立たずだと報道した。つまり、弁護側証人が犯行時間にうとうとしていたために、犯行を目撃していなかったと勘違いをしたようだ。しかし、犯行時間は実は品川駅を出て0~2分だということが訴状にあったことで、この時間帯に植草氏が痴漢をしていなかったことを彼はしっかり確認していた。完璧なアリバイ成立だ。弁護側の証人の供述を聞いた全員が、彼が正直に話しているということは確認しており、嘘を言っていると思った人は誰もいない。

弁護側証人と検察側証人の供述は大きく異なるから、どちらかが嘘を言っていることになる。重大な第一の相違点は品川駅を出て0~2分の間の植草氏の痴漢について、弁護側の証人はやっていないと言い、検察側の証人はやっていたと言ったことだ。同一時間帯で完全に相反する事象を両者は証言した。第二の相違点は、植草氏を車内で逮捕したのが弁護側の証人では2人だったと言い、検察側の証人では1人でしかもその男が私服だったと言ったことだ。この2つの重大な相違点は、記憶違いなどでは絶対にあり得ない。

弁護側の証人が、植草氏を極めて注意深く観察しており、記憶が当時の状況を正確に矛盾なく再現できたのに反し、検察側証人は実際と相違する点が多く、しかも中には現実離れした発言も行っていて、信用性は極めて低い。例えば植草氏に関しては

①メガネをしていたのに、していなかったと言った。

②持っていたかばんも傘も見ていない。被告の左手を非常に注意深く見ていたと言っているのに、そこに掛けていたはずの傘を見ていない。

③事件当日と公判の日で植草氏の体重が10kg程度違っていたことは、身体的な印象上から言って一目瞭然だったのだが、その変化に気が付かなかった。

④植草氏は泥酔状態だったのに酔っていなかったと言った。

⑤植草氏を左から見たのに、植草氏の左肩は見なかったが右肩ははっきり見たと言った。これは致命的な発言でありあり得ないことである。

⑥植草氏が被害者に密着して前かがみだったが頭は離れていたと言った。身長差から考えて、そんなことはあり得ない。

⑦自分の40cm前に身長160cmの女性がいて、その前に植草氏がいた。自分と植草氏の距離は70cm。彼はその女性の肩越しに痴漢をしている植草氏の手が見えたとのこと。何と下に降ろした指先まで見えたのだそうだ。身長183cmの彼からは、肩越しに見るのは物理的に絶対に無理。

⑧植草氏の体が不自然に右に傾いていたと言ったが、もし右に傾いていたら、右肩に掛けていたカバンが滑り落ちたはずであり、あり得ない。通常は左側に傾く。

⑨犯行時間も品川から出発して1~2分してから始まり2分間触り続けたとのことで、被害者の主張である品川駅を出発直後からと言うのと食い違っている。

⑩彼は被害者も加害者もつり革につかまっていなかったと言った。図1で分かるようにつり革はつかまろうと思えばつかまれた。あのように激しく揺れる電車内で、両者共、つり革につかまらず2分間もじっとしていること自体、不可能だし不自然である

 このような矛盾だらけの供述をどうして信用できるだろうか。

犯行時間とされている電車が出発してから0~2分の間の車内の様子を最も正確に記述しているのが、弁護人証人による図1である。弁護人証人は「私」と書かれた位置にいた。

図1
1

このとき植草氏はつり革に捕まっていた。これは極めて重要な証言である。以下、証人の供述の枢要を書く。

『自分が座る時、はじめに見た頃は吊り革につかまっていなかった植草さんは高い方の吊り革に右手でつかまっていました。植草さんは電車の揺れにつれて身体が揺れていました。大森海岸のあたりで騒ぎがあることに気付きました。隣の年配女性の近くにいた人が反対側の座席の方に行きました。彼が誰かを押さえていました。その場で立って見ると、植草さんが押さえられていました。


 ごつい感じの男が押さえていました。運動靴とジーパンの人。そのあとから、野次馬風の男が騒ぎながら植草さんを押さえました。女性の声は覚えてないです。植草さんが揺れていたので誰かにぶつかったとかしたのだろうと思いました。その時は被害者が植草さんだと思っていました。うめき声が聞こえました。蒲田駅で彼らが降りる時は野次馬風の人はわめいていました。その時に一緒に降りた女性がいました。この人はどちらかの連れのように見えました。席では隣の年配女性が「酔っ払いにからまれたのでしょうか」と言ったので、私は「どうしたんでしょうかね」と言った覚えがあります』

植草氏も車内で2人の男に逮捕されたと言っているし、弁護側証人も同じことを言っているが、検察側証人は1人だと言っている。しかし、2人目の逮捕者の名前も住所も記録されているわけだから、その男を証人として呼び出し、逮捕した状況を説明させれば、より状況がはっきりするだろう。

弁護側の証人は事実をそのまま述べているし、何の矛盾点も不自然な点も感じられないのに反し、検察側の証人は矛盾だらけである。弁護側証人の証言は植草氏に完璧なアリバイを成立させており、これを崩すに足る証拠は何もない。

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