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2007年10月31日 (水)

日本経済復活の会に出て

  ◎積極財政論に見える日本再生への真摯な思い

 昨日は、毎月一度開催されている“日本経済復活の会”の講演会に行ってきた。私は地方にいるので毎回は出席していないのだが、ここに講師として招かれる先生の顔ぶれで、どうしても聴いてみたいと思う方の場合は、万難を排して行くことがある。毎回裏切られることはない密度の濃い講演が行なわれている。今回は新党大地の衆議院議員、鈴木宗男氏の話を拝聴した。鈴木氏はパワーのあるお人であった。彼はただパワーだけではなく、一昔前にはごく当たり前だった日本人の類型的な“情”を感じさせる人だった。強烈ではあるが、日本人らしい日本人である。この人が今ではごく稀少なまともな政治家である所以は、“政治の要諦は富の偏りをなるべく均一にして国民に享受させることだ。そのためには国にしかできないことがある”という意味のことを断言したからだ。政治にはこの姿勢が不可欠だと管理人は思っている。この感覚はけっして変わったものではなく、古くは大塩平八郎、近代では高橋是清のような経世済民思想に基づいているからだ。

 鈴木氏は2002年に“やまりん疑惑”で受託収賄罪で逮捕されたが、これは植草一秀さんと同様に間違いなく国策捜査である。鈴木氏の場合は事件そのものを徹底否定したために、437日間勾留されたのだ。今はそのことは書かないが、彼を支えたのは奥さんと娘さんの励ましであったそうだ。彼の強靭な意志力でさえ、家族の支えなしでは耐えられなかったかもしれないということを語られていた。それを思うと、植草さんもよく耐えてこられたと感じる。鈴木氏の話が非常に迫真力に満ちていて惹きつけられた。会場に来ていた人は感動していた。主に語られたことは、日本が政治にしても、社会のあり方にしても、アメリカ型にはなじまないということだった。特に政治は小泉内閣になってからがらりと変わり、それはアメリカ型の新自由主義になった。その新自由主義は、あえて鈴木氏に言わせれば“ハイエク”型であり、強いものがより強くなって弱者を牽引し、やがては社会全体の活力を底上げするという構造を持ったと言う。

 しかし、こういう形は日本にはまったく合わないと鈴木氏は言った。管理人自身はハイエクなる人の考え方は、図書館で借りた“隷従への道”しか読んでいないが、小泉政治はどちらかと言えばミルトン・フリードマンに近い感じがする。要はどちらにしても、新自由主義(新古典主義)は、日本の文化や伝統にはまったくそぐわないと鈴木氏が語ったことは大いに賛同できるのである。今の政治家は自公・民主に限らず、この新自由主義的な色合いに染まった連中が大勢いると思う。彼らが新自由主義を意識していなくても、その理想とする政治モデルが、無意識裡にアメリカ型新自由主義にあるのは明白だ。東京裁判史観の無意識なる受容のせいで、アメリカを客観的に批判する視点を持てないということである。戦前の日本人なら絶対に新自由主義の浸潤を許すことはなかったはずだ。日本人は敗戦ショックと東京裁判によって、アメリカのものの考え方をデフォルトで受け入れてしまう意識の型をもってしまった。戦後民主主義がその端的な証左である。結果的に見れば、国民が小泉政治なる非人間的な悪政を許容してしまった深層には、東京裁判史観の暗くて深い病理的な桎梏を日本人が有しているからだ。

 私(管理人)からすればフリードマンやハイエクは、わかる範囲で言うなら非常に生き生きした経済の感覚からバイアス(乖離)した、言わば狂信的カルト教義のような面持ちを持つ異常な考え方である。ここにはアナーキズムの無機的な世界しかなく、人間の生活を感じさせるリアルな息吹や、社会の多様性、伝統構造はすべて無視されているように思う。思想的に言うなら関岡英之氏の言うごとく、この世界観は明らかに極左急進的無政府主義である。ここには鈴木宗男氏の言うように“情や家族の絆”が欠落しているのだ。また、鈴木氏は今、国会で証人喚問に呼ばれた守屋元防衛事務官について、彼の味方をするわけではないが、今は一民間人となっている者を国会の証人喚問に呼ぶことには大いに疑問だと言った。国会は裁判所ではない。まさに質問者が検察官になっているようで異様であると言った。管理人もそう思う。裁判所があるわけだから、政策論議を行なう場である国会が公判法廷になってはいけないと思う。証人喚問制度は考え直した方がいい。鈴木氏はこうも言った。普通、私のような目に遭った人間はその社会的復活はおぼつかないが、私が政治家に復帰できたことは北海道の人たちの暖かい心と、全国の多くの支援者さんの力が働いたからだと言った。私はこれは政治家特有のリップサービスではなく、本当にその通りだと思った。なぜなら鈴木氏の逮捕勾留は国策捜査だからだ。国民が彼を信じている場合、いかに国策捜査であろうとも充分に名誉回復は可能だという一例だと思う。

 鈴木氏は日本人らしい政治家だと思う。彼のことを抵抗勢力だと言って、バラマキの温床的政治家だというレッテル貼りが横行しているがとんでもない話である。正統的ケインズ型政治家である鈴木氏をバラマキだと捉える感覚そのものが、明白な新自由主義の観点なのだ。小泉政治によってガタガタに傷つけられた日本の社会は、鈴木宗男氏のような政治感覚を取り戻さないと崩壊の道をたどることは必至である。小泉政治を否定するなら、新自由主義そのものを否定し、日本は家族の絆と共同体的結束の重要さを見直す時期に来ていると思う。 

 また定例会には日本経済復活の会・会長さんである小野盛司氏の積極財政論の話があり、今回は彼の新刊書“日本はここまで貧乏になった”にちなんで、小泉政治の深刻な間違いをグラフを用いて説明した。また10月26日の朝日新聞(首都圏だけ?)一面を使って、緊縮財政がいかに駄目であるか、小渕政権が行なった積極財政がいかに日本経済を盛り上げたかを的確に説明していた。管理人はもう少ししたら、小野盛司氏の“日本はここまで貧乏になった”の書評を本記事で書こうと思っている。

 日本経済復活の会の講演は、堅苦しい雰囲気はいっさいなく、端的に言って非常に面白い内容である。正直私は一度も裏切られたことがない。そのつど新しい鶏鳴的な触発を得ている。来場できる方は会場に来てもらって、積極財政論に強く内在する日本再生の心を感得していただきたい。

 日本経済復活の会
   http://www.tek.co.jp/p/index.html

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2007年10月29日 (月)

竹中氏に関する読者さん情報

 前記エントリーで、竹中平蔵氏に関してJAXVNさんからコメントをいただいたので、それを載せます。どうやら竹中氏はその時によって言を左右する人のようです。一介の民間学者である彼が、小渕政権辺りから政府の重要な政策提言に関わる位置に着き、特に小泉政権下では、総務大臣や郵政民営化担当大臣という権力中枢に君臨できたことは、考えてみると我が国の通常政治のダイナミズム(力学)を超えた力が背後に働いているんじゃないかと。小泉政治の傀儡性を最も顕著に体現していたのが竹中氏だったと思います。

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高橋様、こんにちは。
> 私は竹中氏の言葉に驚いた。彼は、今の日本は消費税増税に行くよりも”積極財政をする必要がある”と強く断言したことだ。

私は28日のこの番組は見ていなかったのですが、本当に竹中氏はこのような事を言ったのでしょうか?だとすれば、竹中氏は「あなたは記憶喪失になったのか?」と言われても文句は言えないはずです。しかしながら、竹中氏はこのようにとつぜん意見を翻し、しかもその事に対して何の説明もしない、という事は以前にもありました。米国の「年次改革『命令』書」について、一度「存じております」と発言しながら、その後「読んだ事はありません」と発言を一変させたこともありました。また、この様な事もありました。
「経済コラムマガジン02/10/28(第271号)
竹中平蔵大臣の研究
(中略)
平成11年度の当初予算は、たしかに10年度の当初予算を2兆6千億円上回っていたが、10年度の予算が緊縮予算だったことを考えると、決して積極財政とは言えない。特に10年度の補正予算の規模を考えると、11年度の予算の規模では、11年度によほど大きな補正予算を組まない限り、マイナスの乗数効果も発生することもあり得たのである。本誌がずっと、「小淵政権は、たしかに前半は積極財政であったが、後半おかしくなった」と言っているのは、このような事情である。

経済戦略会議のメンバーに選ばれた頃、竹中氏はテレビ朝日系のサンデープロジェクトに出演し、小淵政権には80点の点数を付けていた。ところが翌年同じ番組に登場し、驚くことに今度は小淵政権に10点と言う点数を付けていた。たった一年しか経っていないのにどうしてこのような評価になるのか、筆者は、本当に不思議に思った。竹中氏は「積極財政はもう良いから、そろそろ緊縮財政への転換が必要」と言って小淵政権を批難していた。しかし12年度予算規模は、11年度とほとんど変わらず、とても積極財政と呼べないものであった。

たしかにこの時分は、公明党の連立参加や自由党の連立離脱を想定した動きがあり、小淵内閣の支持率が低下していた頃である。しかし経済も少し上向き、とても80点が10点になる状況ではなかった。筆者は、この時この竹中平蔵と言う人物が実に怪しい存在に思われた。信じられないくらい言動が突飛なのである。これ以来、筆者には、この人物のバックには何かがあるとずっと感じていたのである。
(中略)
当初、この竹中氏の言う無名な学者を誰が引張って来たのか不明であるが、以前は日経新聞やテレビ東京によく登場していた。しかし政治的に注目されるようになったのは、テレビ朝日系のサンデープロジェクトに頻繁に出るようになってからと言う印象である。

不思議なことに、この番組では、竹中氏は特別の待遇を受けていると感じる。司会の田原総一郎氏は、これまで竹中氏の発言が「コロコロ」変わって来ていることに全く言及しない。それどころか毎回、まるで「先生」に教えを請う弟子のような態度である。他のパネラーも同じである。これは財部氏などが亀井前政調会長に食って掛かるのとは大違いである。(後略)」
http://adpweb.com/eco/eco271.html
経済コラムマガジンの筆者荒井氏は、竹中氏の事を「もはや学者とは呼べない」と評しておられます。私も同感です。ただ、真の問題は「このような人物がなぜ経済のスペシャリストとして大臣にまでなり、いまもなお強い影響力を保っているのか?」という事だと思います(これについては、コラムマガジンの荒井氏は「この人物の背景には、田原総一郎氏などのマスコミ人以外の人々の陰を感じるのである。」とおっしゃっておられますが)。

投稿 JAXVN | 2007年10月29日 (月) 12時48分

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2007年10月28日 (日)

竹中平蔵氏の厚顔無恥!!

 今朝、テレ朝のサンデープロジェクトを見ていたら、竹中平蔵氏が田原総一郎氏と話をしていた。田原氏から竹中氏への最初の質問で“この間の参院選の結果についてはどう思うのか。地方が困窮し疲弊したのは規制緩和と競争至上主義による小泉・竹中の構造改革が原因だという声が上がっているようだが?”と訊ねた。すると竹中氏は“地方の疲弊は世界のグローバル化に対応できていないせいであり、たとえば農協などは地方を苦しめているからです。日本は世界の中でも規制緩和がかなり遅れていて非建設的な意見にいまだに拘泥している”というようなことを言った。また、小泉・竹中構造改革のせいで地方の疲弊が起きたということに対しては、あの当時は不良債権の徹底処理は最も適切なやり方だったということを強調した。

 また、田原氏が地方の公共事業を徹底的に減らしたので、地方から怨嗟の声が上がっているという言い方をしたら、竹中氏は怒った顔で、公共事業を減らさなかったら消費税はとっくに8パーセントになっていたはずですと答えた。そして農協が地方疲弊に拍車をかけているというような言い方をした。おそらく本音は、郵政の次に農協の財産を外資に提供したいという腹積もりなんだろう。私は専門家じゃないからよくわからないのだが、政府・与党内で趨勢となってきた社会保障財源目的の消費税増税論を竹中氏は徹底的な歳出削減論で牽制している。しかし、竹中氏は現在日本がまだデフレ下にあることを認識している。これも妙な感じがする。私のような素人でも、デフレ下で下手に歳出削減をやれば、経済成長を阻害し、デフレを益々増大させると思うのだ。これは積極財政否定論ではないのか。深刻なデフレ下では消費税増税も、歳出削減もネガティブな結果しか出ないのでは。詳しい方に説明を乞いたい。

 途中で御用評論家の財部氏が“私も不良債権処理大賛成なんです”とか、合いの手を入れていた。竹中氏は世界の平均名目成長率は約5パーセントであるが、日本はわずかに2パーセントくらいだから、日本の政策は明らかに失敗である。財政当局がバイアスしているからこうなったと言った。やるべきことは、デフレ状態であるからマネーをもっと出してデフレを解消する必要があると断言した。専門家はどう捉えるかわからないが、私は竹中氏の説明に頭が痛くなってきた。小泉政権下で、物価下落と景気悪化の徹底的なデフレ・スパイラルに日本を巻き込んだ張本人は、確かお前さんではなかったのかと。日本はその後遺症があまりにもひどく、これだけのタイムラグを経てもなお、今、社会のあちこちに悲鳴と軋みを生じさせている。特に植草さんが警鐘を発していたように、緊縮財政下の加速的な不良政権処理、企業に対する過剰(異常)な自己責任原則論の適用で景気は冷えに冷えまくった。小泉前首相は青木建設が倒産を発表した時、政策路線がうまく行っているかのようにこれを歓迎する旨を発言をして市場にダメージを与えている。くわえて、竹中氏の金融再生プロジェクトチームの稼動によって日本は金融恐慌寸前まで陥った。

 私は竹中氏の言葉に驚いた。彼は、今の日本は消費税増税に行くよりも“積極財政をする必要がある”と強く断言したことだ。おそらくそれは、与謝野氏、谷垣氏など竹中構造改革路線に反旗を向けた現自民党政権へのあてつけに言ったのだと思うが、すでに2006年ごろから竹中氏は、自分が確固たる信念として強力に実行していた緊縮財政政策論を、経済成長重視の“積極財政論”に方向転換していたようである。しかし、私は、植草さんを応援する一人として、竹中氏のこの言い方を肯定するわけには行かないのだ。なぜなら竹中氏の言うように、現今日本が何をさておいても“積極財政論”を最優先にするべきなのは正論なのだが、竹中氏が政権中枢にいた時、彼がこの日本に何をしたのかを考えると、彼には今更“積極財政路線”を語る資格などまったくないことがわかる。それを語る前に贖罪意識をもって植草さんの名誉回復を計るのが人間としての筋だ。

 2002年、竹中平蔵氏が金融担当大臣に就任した直後、彼はニュヨーク・タイムズのインタビューで“日本の大銀行が大きすぎるから潰せない(トウビッグ・トウフェール)との考え方をとらない”と発言した。これが日本株式市場に強烈なショックと不安を与え、翌年2003年には日経平均株価は7000円台までに暴落した。

 竹中氏は緊縮財政下で不良債権を内包した企業処理を強行(自己責任原則の貫徹)した後、ITベンチャーなどで経済の活性化を行なうという姿勢であり、需要サイドを無視した供給サイド一点張りの硬直した方法だった。その結果、日本経済は落ちぶれる必要のなかった徒労の低落水準に陥った。竹中氏が目論んだ「金融再生」は、不良債権処理を効率的に行なうために、銀行の自己資本査定ルールの厳正化を徹底し、繰延税金資産5年の計上を恣意的に変更した。この辺は植草さんの『知られざる真実-勾留地にて-』を読んでもらうとわかるが、景気低迷、株価や地価の暴落で銀行が自己資本不足に一様に遭遇している大変な時に、金融庁による自己資本査定ルールの変更は、病気で衰弱している身体に毒を盛り込むような一撃だった。(この文脈とは別に、ここには通常の金融政策から逸脱した犯罪的意図を伏していた可能性を植草さんは果敢にも指摘していた。)これが日本を金融恐慌寸前までの崖っぷちに導いた。竹中氏にはその責任がいまだに厳然としてある。小泉純一郎氏には買弁政権を発動させたこと、そして竹中平蔵氏には日本の金融市場を恐慌寸前まで導いた原動力になった重大な責任が問われなければならない。私はこれを破防法適用事例だと思っている。国家壊滅のレベルだったと認識しているのは私だけだろうか。

 政府は大銀行の倒産を平然と容認するのかという噂がたちまち金融界に流れ、2003年の4月28日には日経平均株価が7,607円に暴落した。ターゲットにされたりそなは一兆九千六百億円の公的資金を注入されて救済された。小泉氏と竹中氏の強力な牽引によって深刻な大不況が招来された。この責任は絶対にスルーできないものだ。こういうことは今では多くのひとたちがブログなどで表明している。しかし、テレビや大新聞では決して言わないのだ。サンデープロジェクトが買弁番組であることは承知しているが、日本をここまで痛めつけた張本人がしゃあしゃあと「積極財政論」をぶち上げている姿を見たら、むらむらと強い憤怒がこみ上げてきた。しかも、国民に積極財政の有効性を語りかけるにふさわしいのは竹中氏ではなく植草さんなのだ。用法が間違っているかもしれないが“盗人猛々しい”という感じがした。あとになって積極財政論を展開するなら、デフレ下で不良債権の加速処理をした間違いを認めろと言いたい。

 小泉政権はなるべく早急に総括する必要がある。この悪政の本質を分析しない限り、日本は先へは進めないのだ。しかし、今はそれよりも早急に郵政民営化の凍結が先決事項である。特に国民新党が提出している“民営化した郵政各社の株売却の凍結を中心とする郵政民営化見直し法案を”優先するべき時局である。

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2007年10月26日 (金)

ブッシュが発表した“対テロ軍事予算22兆円”は日本の郵政資金が当て込まれている!!

 ◎対テロ戦費で22兆円要求  米大統領、過去最高額

 【ワシントン22日共同】ブッシュ米大統領は22日、イラクやアフガニスタンでの軍事作戦など「テロとの戦い」の経費として、2008会計年度(07年10月-08年9月)予算で約1960億ドル(約22兆円)を議会に要求した。単年度でのテロ戦費としては前会計年度を上回り、最高額となる。

 大統領は同日声明を発表、前線で戦う米兵を「ワシントンの党派争いに巻き込んではならない」と述べ、議会多数派の民主党に早期の予算承認を要求した。

 しかしブッシュ政権にイラク政策の抜本的な転換を求める民主党指導部は徹底抗戦の構え。リード上院院内総務は「大統領は議会のゴム印を期待すべきではない」として安易に予算を承認しない決意を強調した。

 要求額は当初から約460億ドル上積みされており、道路脇の爆弾に耐えられる装甲車両7200台の配備、イラクに増派された米軍の駐留経費に加え、来年7月までに削減する5個旅団のイラクからの撤退経費などが含まれている。

2007/10/23 08:43  【共同通信】
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 10月23日のテレビニュースで、ブッシュが来年度の対テロ軍事予算を22兆円と発表した。イラク滞在や治安維持費等の見積もりらしい。9・11以降、対テロと銘打って、米国がアフガンやイラクに侵攻したという進展を眺めると、米国は石油利権を拡大するため中東に橋頭堡を築いたとしか私には見えない。したがって、小泉政権が人道支援の嘘の標榜の下に、自衛隊をイラクに派遣したのは米国の横暴な侵略戦争に日本を加担させたことになる。この流れで米国の底意を冷静に見ると、あの9・11が本当に米国を狙ったテロなのかという疑念が湧いてくるのだ。友人から見るように進めてくれた動画がある。エディ・マーフィーの『大逆転』を監督した有名なアーロン・ルッソ氏へのインタビューである。彼はCFR(外交問題評議会会員)のニック・ロックフェラーと親交を持った時の、ロックフェラーとの会話を生々しく語っている。信じる信じないは別として、世界の動きに微妙に重なってくる内容なので非常に不気味である。この動画は日本語字幕付きで15分くらいの短いものだからご覧になるとよい。

 実はこの動画の内容(真実だと仮定した場合の話だが)と、日本の郵政民営化は強くリンクしているように思えてならない。ルッソ氏は、対テロ戦とは言うが肝心の敵は米国が虚構として作ったものであるから実際は存在していないと語っている。存在しない敵に向かって自国民や世界を詐術にかけているというようなことを、ロックフェラーから聞いた話として語っているのだ。この話を念頭に置いて、ブッシュ大統領の発表を思い出してもらいたい。22兆円に及ぶ膨大な対テロ軍事予算、9・11が米国の自作自演であり、テロリストが存在していないとすれば、この膨大な軍事予算はどうなるだろうか。もっとはっきり言うなら、このとんでもない額の金額は、“どこから入ってきて誰の手に渡る”のだろうか。

 22兆円(総額1960億ドル)、敵がいないのにそんなにかかるわけがない。アーロン・ルッソ氏の言ったことを考えると、この予算の出所が日本であることに思い至る。そう、郵政資金である。資金的余裕のない米国経済下で、こういう余裕の予算を計上するということは、あきらかに日本の郵政資金が調達できるめどがついたからだと私は睨んでいる。来年のことである。あとわずかな期間だ。つまり、すでに今、郵貯・簡保資金は我々の眼の触れないところで流動し始めているのではないのかという暗澹たる疑念が生じて仕方がない。我が国は金融工学がアメリカに比べて20年は遅れている。郵政資金の動きが関係者や国民には掴みきれないのではないだろうか。

 その具体的なからくりが見えないからと言って、それがないとは言えないのである。
なぜ9月の臨時国会がつぶされたんだろうか?郵政公社の分社化大反対の麻生太郎氏が総裁戦から恣意的に外された。私の直感であるが、買弁勢力による郵政民営化の直接の目的は、民営化というよりも、分社化そのものにあるのではないだろうか。9月の国会がおじゃんになったのは民営化凍結気運を完全に潰して分社化を最優先にしたからでは?

 この動きを冷静に見れば、国債分は除き、簡保を皮切りに郵貯の資金などを急激に流動させるなんらかの仕掛けがあると考えているが、皆さんはいかが思われるだろうか。同様に農協も、金融、共済、経済の三事業のセパレートを迫ってくるだろう。郵政にしても、農協にしても、キーポイントは相互にバンドリングしている事業体の喫緊なバラし(解体)にあると思う。つまり、外資は日本的な相互互恵の結束形態が最も強い障壁となっている。だからこそ、今年の年次改革要望書でも、日本的な横のつながりや相互扶助的慣習を徹底的に除外しようとしている。

 逆に言うと、日本がエクソンフロリオ的な経済防衛策を講じる喫緊性を感じるならば、当面は護送船団方式にもどしてまずは防衛に徹する方がいいかもしれない。同族経営による馴れ合いもたれあいは弊害を生むのは当然だが、それでも海外に資金が流出するよりはよっぽど健全である。談合も大規模に復活した方がいいかもしれない。ハガタカが獲物を丸ごとかっさらうよりは談合という協調システムを復活し、富の再分配のために広範囲のバラマキをやったほうがいい。これによる弊害は日本人自らの手で解決していけばよい。問題は資金還流が日本列島内では停滞して、それが海外に向かうことだ。体内の血液循環が停滞し、体外に一方的に血液が出たら生体の維持は無理、死ぬだけである。買弁の悪辣さはすべてここに帰するのである。

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読者さんの投稿より!!

   読者さんの投稿を紹介します

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(城内実さんから)

 いつも貴ブログを拝見させていただいております。これからも読者に真相を是非とも暴いてください。某売国新聞は「強きを助け弱きをくじく」ようなやからです。貴ブログに期待しております!城内実

投稿 城内実 | 2007年10月25日 (木) 22時11分

管理人;

 城内実様、ありがとうございます。一庶民として、まったく腹立たしい思いが尽きません。小泉・竹中ネオリベ構造改革路線が実行されてから、経済苦による自殺者は増大するばかりですし、先生がおっしゃるように「強きを助けて弱きを犠牲」にする非情な傾斜配分社会が進行中です。マスコミは強き者どもの言いなりです。国民が安易な諦念に陥らないように、微力ながら言うべきことを言い続けたいと思います。

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  (nさんから)

 私の書き込みも本記事になったりと、少しでもお役に立てて本当に嬉しい。
けど、もっと嬉しいのは、私たちの必死で本気の思いが沢山詰まった情報を踏み台にして、【諸悪の根源・年次改革要望書の実態】を拡散してもらい、真相を解ってもらえること。その上で植草先生を応援すること。だって、植草先生を応援する上で、年次改革要望書の真相理解は必要不可欠なんですから。つまり、年次改革要望書の本当の意味が解れば、植草先生を支持せざるを得ない、いえ、支持しなければいけない、ということが明らかなんですから。そんな風に考えると、植草先生が意図的に犯罪者に仕立て上げられた、という背景も見えてくると、私nは思ったのでした。私nは3年前から年次改革要望書の真相を知りながら黙っていた卑怯者でした。だから、絶対に卑怯者をなくしましょう。
【注】もし、解釈が間違っていたら御指摘願います。

投稿 | 2007年10月25日 (木) 23時43分

管理人;

nさん、いつもありがとうございます。おっしゃるように、「年次改革要望書」と、無実の植草さんが遭遇した二度の偽装事件は無関係ではありません。年次改革要望書は買弁勢力が、売国政策の指針としてバイブルとしている重要な手引書です。植草さんが批判した小泉政権の誤導政策は、竹中平蔵氏が中心となって牽引した、日本史上最悪の国政だったわけです。この中心に郵政民営化法がありました。植草さんは2003年にこのさきがけとして起きたりそな銀行の公的救済に、国家の重大な危機を読み取り、彼だけが警鐘を発していたんです。したがって、年次改革要望書という「売国バイブル」と、植草さんの偽装事件は切っても切れない強い係わり合いがあります

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( JAXVN さんから)

   高橋様、こんにちは。
森田実氏のHPに、10/22に国民新党の亀井静香氏と対談した事が掲載されていました。この中にある亀井氏のコメントをご紹介します。
「亀井静香国民新党代表代行は、10月22日、私(森田氏)に次のように語った。
「民営化した郵政各社の株売却の凍結を中心とする郵政民営化見直し法案を共同提出することで、国民新党と民主党は合意した。これに社民党と無所属議員にも働きかけ、一緒に共同提案者になってもらう。
 10月1日から郵政が民営化したが、各地で混乱が起きている。郵政関係者だけでなく全国各地で『大変なことをしでかした。これは見直さなければならない』という声が上がっている。
 われわれは、まず、郵政見直し法案を参議院で可決して、衆議院へ送る。われわれは自民党議員に郵政民営化見直し法案に賛成するよう働きかける。それでも自民党がわれわれの説得を受け入れない場合は、われわれは衆院解散を強く要求し、この問題を衆議院議員選挙の中心テーマとして国民に訴えていく。日本の郵政事業は、民営化したため大混乱に陥っている。サービスは低下しているだけではない。混乱状態が拡大している。 総選挙で勝負すれば、国民は、こんなひどい郵政民営化を行った自公連立政権を許さないと思う。われわれは総選挙でこの問題に決着をつける。」」
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C03789.HTML
このような事を、NHKを含めた大手メディアは全く報道しません。民放メディアにいたっては、今朝も相変わらずどうでもいい「亀田家問題」ばかりやっています(腹が立つので最近は朝はテレビを見ていません)。喜八様のBlogにはこうありました。
「日本の新聞テレビは『日本国民』全ての『敵』である!」
改めてこの事を痛感しています。

投稿 JAXVN | 2007年10月26日 (金)09時00分

管理人 ;

JAXVNさん、いつもありがとうございます。

>われわれは、まず、郵政見直し法案を参議院で可決して、衆議院へ送る。
>われわれは自民党議員に郵政民営化見直し法案に賛成するよう働きかける。
>それでも自民党がわれわれの説得を受け入れない場合は、われわれは衆院
>解散を強く要求し、この問題を衆議院議員選挙の中心テーマとして国民に
>訴えていく。

亀井静香さんがそこまで腹を決めて断言されたんですね。小泉前総理が行なった国政選挙の異常な“ねじり”を、逆方向にねじりなおして正道にもどすわけですね。小泉ネオリベ政権は、国民を欺いて行なった一種の革命政権と言えると思います。ただしこの革命を裏で操ったのは米国政府です。革命なんですから亀井さんが考えるように、革命の逆ベクトルの力を加えて健全な道筋にもどすという方法はうなづけるものです。

 日本の国政の基本のあり方は地方を破綻させないこと、そして弱者を破滅させないことにあります。自公連立政権がやってしまったあまりにもむごい地方切捨て政策は、必ずその反動を浴びると思います。買弁自公連立政権をこのまま存続させたら、日本という国家は自壊的消滅にいたるでしょう。植草さんが言うように、受けなくてもいい苦吟を強いられている地方は小泉ネオリベ政策に鉄槌を下さなければなりません。日本が早急に構造改革をしなければならないものがあるとすれば、それはメディアそのものにほかなりません。新政権が樹立したら、強権を発動して現大手メディアを解体し、日本の国益、国民の幸福に寄与する本来のメディアを敷設することを実行するべきです。私が嫌っている押し付け憲法でも、良い条文があります。それは思想表現の自由です。この権利を国民がまっとうに受理、行使できる社会が前提に必要です。同時にメディアはいつでも時の政権に批判的な姿勢を崩さずに、国民の幸福と国民受益に寄与する報道姿勢を保つことが肝心です。
.
 まさに、現今の新聞テレビは国民の敵です。

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2007年10月25日 (木)

郵政民営化と小泉構造改革を完全凍結に!!

 ◎左右のイデオロギーを超えて郵政民営化と小泉構造改革を完全凍結しよう!!

 “郵政民営化に関する今年の『年次改革要望書』”に、ふたたび城内実さんからコメントが寄せられていた。尊敬する人にコメントをいただくと、拙記事の未熟さに忸怩たる思いがする。城内さんは、大手メディアがコントロールされている現状では、ネットで真の情報を発信することは有効だとおっしゃっている。私が応援している植草さんも、自身のコラム国民が正しい判断力を備えるうえで、以下に示すブログなどを参照することは有益である。有益な情報は他にも多く存在すると思うので、以下のブログはほんの一例だが、マスメディアが伝えない真実の情報を市民が獲得し、共有することは極めて重要であると思う。』と、「とむ丸の夢」さん、「喜八ログ」さん、「晴天とら日和」さん、他、二十数個のブログを例としてあげている。

 城内実さんのコメントに、“今こそ右や左のつまらないイデオロギー論争を越えて日本国民の幸せのために、世界人類の平和のために団結しましょう。 城内実”とあったのを見て、まったくおっしゃるとおりだと思った。改憲問題、皇孫女系問題、従軍慰安婦問題、沖縄集団自決の軍関与問題など、左右が戦い出したら、それこそ無際限にテーマも討論も尽きないが、そんなことをしているうちに、米系国際金融資本の浸潤によって、我が国の優良資産が、急激に外国人の手に渡っているという切羽詰った状況が進行している。左右のイデオロギー対立は、思想上の生き方において重要なことであり、それはやるべき時には徹底的にやることも必要だが、国家が危殆に瀕している今、日本人として左右を超えて国家の秩序維持をはかるとともに、国民の共有財産の収奪を防衛することに専心するべきなのである。国土の共有財産が外資の手に奪われ、大事な国政的自決権をアメリカにコントロールされるような現状で、今の日本をまともな国家と言うことはできない。

 国民は誰しも幸福な生活をしたいと望んでいる。育ててくれた親を愛し、妻を愛し、子供たちを愛し、育った郷土を愛し、同じ時代を生きている同胞を愛している。これからもそのような幸せが、自分が関わるすべての人々にも同じように続くことを願うならば、我々は今陥ってる深刻な国難をしっかりと把握し、そこから這い上がって行かなければならない。たかがネットだと思っている人々も多いとは思うが、日本の巨大メディアはすでに報道媒体としては死滅しているのだ。テレビはもはや文化や倫理を破壊する有効な凶器と成り下がっている。しかも、個人や一企業を恣意的に叩きつぶす凶悪さを持ってしまった。一方、紙媒体の代表である新聞も、国民に有益な情報や確度の高い情報は一切流さず、買弁勢力を利するための虚構的な情報を臆面もなく垂れ流す。

 国民に言いたいことがある。今、有識者と言われる人たちが“しっかりとメディア・リテラシーを持って真実を読み解け!”などと言っているが、私の粗暴な言い方をすれば、テレビや新聞が大きく取り上げ、何度も執拗に流すニュースは、それ自体が嘘か、何らかの意図を持って誘導操作をしていると考えて間違いない。特に各局、各新聞が右倣(なら)えで画一的に垂れ流すものは疑ってかかって正解なのだ。最近では植草さん報道がそれを如実に示している。日本の言語空間は、戦後にGHQが施した洗脳空間がいまだに続いていると見るべきだ。我々自身のうちに潜む、アメリカの真意に対する思考停止を解かねばならない。

 我々が生活の煩雑さに目を奪われている隙に、この国の買弁的為政者や財閥たちは、メディアを恣意的に操作して、真相から国民の目を覆い隠している。要するに今の日本の権力機構は、外国に魂を売った売国勢力に牛耳られている状況なのだ。日本国民は昔から、田んぼや畑でこつこつと真面目に働き、互いにあい争わないような民族的な智慧を身につけ、それを社会規範に反映させてきた。これが日本人特有の集団無意識的“村落共同体的な「和」の無意識”だった。島国特有の生きる知恵とでも言おうか。しかし今、この民族性向が、逆にマスコミを疑わないというネガティブな方向に出ている。要するにお人よし過ぎるのだ。情報戦略を駆使する現代社会では、弱肉強食の社会ダーウィニズムが優先的な位置を占め、狡猾な奴が情報を恣意的に操作して大衆の考え方や判断を扇動、あるい誘導している。これを露骨にやり始めたのが小泉政権である。彼らはアメリカの保険会社の協力を得て日本のマスコミを掌握し、半数以上の国民が郵政民営化関連法案に疑念を持っていたにも拘らず、この売国法案を成立させてしまった。宣伝費で良心を失ったマスコミの歴史的責任は余りにも大きい。

 つまり日本のマスメディアはもはや信用できないのだ。この国は、知らずに国民が損ばかりする社会構造に改変されているし、それは今も続いている。子や孫の顔を見て、永久に健やかであれと祈る気持ちがあるなら、小泉純一郎的な方向性を完全否定して、国家の舵取りを思いっきり変える必要がある。腐った自民党はもはや再生の糸口はない。半分腐っている民主党も政権交代とは言うが、米国に対する小沢一郎氏の本当の腹を見定めたほうがいい。民主党から買弁勢力を駆逐しない限り、政権交代しても日本の隷属構造は何ら変化することはない。そろそろ気付いてほしい。国政の重要な舵取りを任せられるのは、平沼赳夫さん、亀井静香さん、綿貫民輔さん、城内実さん、等、郵政民営化の売国本質を見抜いて反対していた議員さんたちだけである。それが日本再生の鍵であることを知ってほしい。我々は個人では無力だが参政権(選挙権)という国民権利がある。選挙で議員さんを選べるのだ。個人では弱い国民のたった一つの抵抗権、たった一つの有効な武器である。今度の衆院選挙は、党やマニフェストで判断するというよりも、郵政民営化と小泉構造改革に対して、この人はどういう識見を持った候補者であるかということをしっかりと捉えた上で一票を投じて欲しい。日本の再生は小泉・竹中路線と正反対の政策を講じることになる。

 郵政民営化や小泉構造改革路線が、日本運営の基本路線だなどと、今だに吹聴する奴には絶対に入れるべきではない。郵政民営化は構造改革の本丸などではなく、国家滅亡への道標なのだ。構造改革とは日本人が日本人の経験則と自決権で考えるべきものだ。年次改革要望書などという外国からの押し付け的内政干渉は一切必要ない。そういうことを理解している候補者さんをなるべく一人でも多く国政の壇上に挙げるべきだろう。

 気が付いた国民が心を合わせて、この現状を打開する行動を起こさないと、破滅へ向かっているこの日本は二度と浮上することはないだろう。今度の選挙ではマスコミの誘導操作に神経を尖らせて、それに影響されないように心を強く保つべきである。今の日本は「月刊日本」などのミニコミ誌やネットなどでしか、有効な情報は入手できないと私は思う。

  左右のイデオロギーを超えて、共通の敵に立ち向かおうという主旨は、喜八ログの喜八さんも持っておられる。おそらく、郵政民営化に熾烈な危惧の念を抱いておられる他のブロガーさんたちも同様の思いだろう。

 最後に日本の経済政策を国益優先にもどすために絶対に不可欠な頭脳はエコノミストの植草一秀さんである。私はこのブログで何度も語っているが、植草さんは日本の受益を守ろうとした救国のエコノミストなのだ。だからこそ、国益毀損と国民を欺瞞する政権を堂々と批判した。そのために彼は国策捜査に陥れられたのである。上述の私の見解を汲んでいただければおわかりとは思うが、小泉政権に徹底的に敵視された植草さんはもっとも信用の置ける国民の味方なのだ。このお人こそ、国家回復の重要な人物なのだ。若い人が目覚めて国を引っ張っていく時が来ている。城内実さんのような国士が国政の重要な舵取りを行い、その頭脳として植草さんがその天賦の才能を祖国のために発揮する。もちろん西村眞悟さんも、邪悪な小泉政権に間違ったイメージ付与されたお人である。彼も見直されるべき重要なお人である。真の日本人の心を持った方々が立ち上がる。これが私の強い願いである。

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2007年10月24日 (水)

日本最大の売国メディア『日本経済新聞』

  ◎我が国最優先の国政的課題は『郵政民営化見直し法案』

 本日のNIKKEI NETで、日本経済新聞の売国性を如実にあらわす記事が書かれている。

国民新党、民主党、社民党の三野党が共同提出した「郵政民営化見直し法案」を、日本経済新聞の社説は真っ向から否定する論評を行なった。つまり、日経は財務省と手を結んだ日本最大の売国新聞ということである。この新聞は「日本」という名前を冠していることに相反して、日本を毀損する国賊新聞であることがこれではっきりした。植草さんの『知られざる真実-勾留地にて-』を読むと、2001年3月の「自由党定例研究会」の約一年半前に、植草さんは小泉純一郎氏に対して進講(レクチャー行なうこと)している。これを依頼したのが、日本経済新聞現社長の杉田亮毅氏だったそうである。小泉純一郎氏と杉田亮毅氏は永く親密な交友関係があるそうである。この新聞が典型的な売国性を有した背景とこの話はけっして無縁ではないはずである。

 しかし、郵政民営化法案の実行が、郵政ネットワークやユニバーサルサービスの低下という、表面的なマイナスの問題以前に、ゆうちょ銀行とかんぽ株式会社が保有する膨大な資金の健全な運用及び防御的対策が喫緊の大問題である。したがって、綿貫さんら、国民新党の方々が憂慮の念を抱き、必死にその対策を考えているように、我が国は米国の国家経済的防衛法案である『エクソンフロリオ条項』に匹敵する国家防衛策を講じる必要があるのだ。つまり、郵政資金の国外流出を喫緊に凍結することが急務なのだ。そのためには2005年に、国政選挙的に不審な過程を経て可決されたこの法案の緊急的見直しが急務なのだ。ことの本質は郵政資金の国内還流の問題ではなく、ワンウエイの国外流出防止が喫緊の課題となっている。

 郵政民営化は見直しのためになるべく早急に法案遂行を凍結する必要がある。問題は時間なのだ。今の我が国の最も優先すべき国政的課題(アジェンダ)が郵政民営化の即時凍結なのである。新聞やメディアはアメリカの意を受けて必死に隠蔽しているが、郵政民営化こそ、国家危急存亡の重大事なのだ。さらに言うなら、最大級の緊急性をもって凍結すべきものは完全分社化なのだ。すぐに郵政三事業のバンドリング(結束)を復活させなければならない。この国家的緊急性に異を唱えるメディアは売国メディアにほかならない。

 日経新聞の正体が見えた思いだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20071023AS1K2300223102007.html

社説2 郵政見直し法案を危惧する(10/24)

 民主党の小沢一郎代表と国民新党の綿貫民輔代表が参院での統一会派結成で正式に合意した。これに先立ち社民党を含めた野党3党は、郵政民営化見直し法案を参院に共同提出した。この法案は今月、株式会社として民営化のスタートを切った日本郵政の将来の経営を混乱させかねず、危惧を抱かざるを得ない。

 参院の民主会派(江田五月議長を除く)は国民新党の4議席を加えた119議席となり、過半数の122議席まであと3議席に迫った。

 3党が共同提出した見直し法案は、政府が保有する日本郵政の株式や、日本郵政が持つゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式の売却を当面凍結することが柱になっている。民営化の見直しを検討する規定も盛り込まれている。

 共同提出は国民新党が強く求めたものだ。民主党の対応が不明確だとして、今月上旬には国民新党側が次の衆院選での共闘などを当面、凍結する方針を発表した経緯がある。国民新党との統一会派結成を重視する民主党が歩み寄った。政局対応を優先した姿勢には疑問が残る。

 国民新党は民営化反対を旗印に掲げている。民主党は国民新党と同じ立場なのだろうか。郵政民営化の是非は、この問題が最大の争点になった2005年の衆院選で決着がついている。民営化への対案を示せず、郵政改革への対応が後手に回ったことが、民主党の敗因だった。

 しかも当時の岡田克也代表は選挙中に「将来の郵貯、簡保の民営化」に言及していた。党内で十分な議論もないまま、見直し法案の共同提出に応じたのは納得がいかない。

 与党が反対するので、現段階では法案が成立する見込みはない。だが次の衆院選の結果次第で民主党政権ができる可能性もあり、その時には株式売却凍結が現実味を帯びる。ゆうちょ銀はすでに民間銀行として競争を始めており、改革が逆戻りすれば金融市場にも悪影響が及ぶ。

 ゆうちょ銀やかんぽ生命は2010年度にも株式を上場し、持ち株会社は10年以内に両社株をすべて手放すことになっている。私たちは民営化の本来の趣旨にそって、早期に国の関与をなくすよう主張してきた。民主党に再考を求めたい。

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勝つことよりも真実を!!

 植草さんが遭遇した事件をシンプルに考えてみる。事件の真実は最初から一つしかないと思う。1998年1月30日の東海道線車内、女性の勘違いから植草さんは警察の取り調べを受けるはめになり、警察官の恫喝と誘導で、女性に触ったという上申書を無理やり書かされた。このできごとがあってから、2006年の9月13日の京急電車内における偽装事件発生まで、わずか8年8ヶ月の間に三度の痴漢事件に関わった人間という既成事実を作られてしまっている。もちろん、この三度とも植草さんには身に覚えのないことであった。

 私は1998年の事件は警察の人質司法で起きた冤罪の可能性が色濃いと思っている。しかし、もしかしたら、この事件でさえも国策捜査の一環として偽装されたのではないかという疑いは少し持っている。

 2004年の品川駅構内エスカレーターにおける手鏡事件は明らかに偽装事件であり、2006年の京急電車内における事件も偽装事件であることは間違いない。それは数々の公判資料、状況を考えれば素直に納得がいく。品川事件を冤罪だと考えた人は結構いたが、京急事件が発生した直後、そういう人にも不審の念がよぎったようである。しかし、公判が重ねられていくうちに、検察側証人の多数に及ぶ矛盾や不整合が目立ち、明らかにこの事件も偽装性が濃厚になっていた。つまり、状況は犯人誤認説なのか、事件そのものが存在しない偽装事件であったのか二つに一つの状況だった。植草さんと弁護団の相互信頼関係、あるいは公判に費やした弁護団と植草さん本人の膨大なエネルギーを鑑みて、あえて意見を言わせていただくが、犯人誤認説は最悪の公判戦略だった。これは事件が本当に起きていたという前提で公判戦略を組み立てているので、現場に真犯人がいて、結果的に実行犯が植草さんだということにすり代わっていたことを論証するものであった。それが最終弁論に語られたことである。

 私は弁護側の公判戦略が致命的な瑕疵を帯びたのは、当日乗り合わせた善意の第三者による目撃報告が入った後だと思う。致命的なことは、この事件の真相が「偽装工作」であり、それ以外のなにものでもないということだ。善意の目撃者は真犯人を目撃できる位置にいたという決定的事実がある。論理的に考えてもわかるが、被害者によって犯行時間とされていた時間帯に、植草さんが吊り革につかまっていただけだったという目撃報告は決定的なアリバイ証言になりうるものだった。しかし、この目撃報告が、逆に致命的な瑕疵を持つことになったのである。その理由は植草さん側の弁護方針にあった。すなわち事件が実際に起こっていて、真犯人が存在していたという前提を取ったことだ。これをやったために、善意の目撃者の語った真実の目撃談が無効化してしまったのである。植草さんが女性を触っていないことを明瞭に確認していた目撃者は、同時に目撃しているはずの真犯人の犯行も、被害を受けていたという女性の被害状況も目撃していなければつじつまが合わないのだ。目撃できるわけがない。真犯人など存在しないからだ。

 善意の目撃報告は、痴漢も生起していなかったし、真犯人も存在していなかったことを見ていただけであり、それをありのままに証言しただけである。つまり、弁護団の取った最大の誤謬は、事件性を認めたことであり、人間違い説を採用したことにある。彼らがこの説を立ち上げた瞬間に、善意の目撃者のありのままの目撃報告は無効化されたわけである。したがって、弁護団は当初からこれが偽装工作事件であることを一貫して主張し、事件そのものが発生していなかったという論点で争うべきだった。真実が一番強いということを何よりも良く知っているのは植草さんご本人であるはずだ。真実でなければ必ず不整合なことが起こるのだ。誤認逮捕説などというものは、その立案を考えた時点で、決定的な矛盾を内包しているのである。わざわざ負ける戦略を立てたという言い方はできるが、それよりも言いたいのは、痴漢事件など起きていなかったという真実を吐露していくだけでよかったと思う。きつい言い方をすれば、今回の弁護側戦略は自己欺瞞である。最大の問題点は、実際には起きていなかった事件を起きていたという前提にしてしまったら、その上にどのような綿密な論理を組み立てようとも、真犯人の不在証明ひとつで立論は崩れるからである。実際にそうなった。まったく残念なことである。

 しかし、私は植草さんの応援者である。残念で済ますわけには行かない。植草さんはエコノミストとしてその天賦の才能を発揮してきた。しかし、こういう事件に遭遇して、より人間的に深化し、「知られざる真実-勾留地にて-」という偉大な書物を著した。この本を虚心坦懐に読めば、植草さんが経済だけではなく、さまざまな分野でその才能を役立てる稀有な人間であることが見えてくるだろう。この腐った日本は回復され、再建されなければ子孫に未来を残せないのだ。だから植草さんには歴史的な使命があると思う。日本を復興して国家の刷新に役立ってもらわなければならない大切な人間である。今の日本には真のエリートがほとんど存在しない。自分をエリートだと思っている人々は例外なくアメリカを信奉しているのだ。例えば山本一太氏や片山さつき氏など、アメリカに魂を売った人間たちが擬似エリートになってこの日本を破壊しているだけである。植草さんは本物のエリートだと確信している。こういうお人の感覚や智慧を生かさずして新生日本の建国はありえないのだ。

 だからこそ植草さんには、この逆境に真正面から挑んで欲しい。私は自ら勝手に応援している一介の市井の者に過ぎない。だからこそ思ったことをストレートに言うが、今後の戦い方に弁護士の選択は最も重要な要素になる。植草さんは今までのような人権的冤罪という範囲の弁護方針では勝訴は不可能だと考える。なぜなら神坂尚裁判長の判決理由に、過去の二つの事件が習慣的連続性として使われているからだ。これを覆す方途はただ一つ、国策捜査という真相を語ることだけである。今までの文脈では名誉回復もおぼつかないと思う。これからは心機一転、国策捜査論を堂々と打ち出し、自らが偽装事件に巻き込まれたという論法を貫徹して欲しい。はっきり言って、これ以外に彼が助かる方法は存在しない。そういう理由であるから、弁護士さんの選択は国策捜査に堂々と対峙できる弁護士さんを選んで欲しい。国権の不当な濫用を心の底から憎む弁護士さんは案外いると思う。たとえば梓沢和幸氏などはそのような気骨のある弁護士さんではないかと思っている。

この際、もし国策逮捕説をとる弁護士さんを使わないのであれば、誠に残念ながら、これ以上サポートすることは我々には無理である。我々「検証する会」は事件の真相を明らかにするために擁護してきた。そのためには、どうやったら裁判に勝てるかではなく、ただシンプルに全ての真実を白日の下にさらせば良いという信念で応援を続けてきた。植草さん自身が過去の事件で学んだことは、他からいかなる誘導があっても真実を曲げてはいけないということではなかっただろうか?

 もし、植草さんが、人違いの可能性はないと本心では思っていたのであれば、相手がたとえ弁護士であろうが、誰であろうが、いかなる誘導にも乗るべきではなかった。相手が警察であろうが、弁護士であろうが、我々擁護グループであろうが、最後に信じるのは真実を知っている氏自身しかいないのである。

 前回の弁護団解任もギリギリのところで間に合った適切な判断であった。今回こそは、裁判の勝ち負けにこだわって信念を曲げるのではなく、真実を明らかにすることにのみ突き進んで欲しい。それが魂をかけた男の勝負である。せっかく公判にまで出向いていただいた勇気ある弁護側目撃者に与えていただいた恩を仇で返してはいけないと思う。ひょっとしたら、今回の判決内容は、この善意の目撃者さんにとっては、植草さん以上に落胆したのではないだろうか。この方の尊い気持ちを無にしないためにも、植草さんは国策捜査一本で突き進んで欲しい。

 目撃者の最も重要な証言の一つに、捕まえた二人の男の一方と女性は連れのようだったという発言がある。捕まえた二人と被害者とされる女性の関係を徹底的に調べなければ、社会的にも、「痴漢デッチアゲ脅迫ビジネス」が蔓延することを防ぐことはできないだろう。植草さんの場合は裁判史上でもかなり特殊な事例なのではないだろうか。つまり、国家権力が関与した国策捜査であるから、過去に類例のない裁判かもしれない。もしかしたら、我々擁護派にも、植草さんにも、論理前提に大きな錯誤があったような気がする。つまり、司法も代表的な国家権力機構であるから、国策捜査論で戦うことは最初から自爆的な作戦であり、それをやるのは何よりも自殺行為であると。

 私も当初はそういう見解を持っていた。だから、植草さんと弁護士さんたちには人権擁護的冤罪の線で頑張ってもらい、私は法廷の外側から「国策捜査論」を唱えてバックアップしていこうと考えていた。しかし、今は状況が変わり、冤罪では勝ち目がないことが露呈されている。それならば、この事件の真相を堂々と訴え続けていく以外に道はないではないか。小泉政権という買弁政権を堂々と批判したエコノミストという矜持を強く抱いて、真っ向から国策捜査論を提示していくことだと考える。たとえ、裁判官がまた有罪判決を出してもその姿勢を貫けば、歴史は植草さんを正当に評価する。やがて歴史はネオリベを否定する時が来る。その時、植草さんはすべてが回復され、小泉氏や竹中氏の国家毀損が白日の下に晒されるだろう。だからこそ、たった一つの真実を訴えていけばいいと思う。

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2007年10月23日 (火)

郵政民営化に関する今年の『年次改革要望書』

◎そのように定め、そのように行なえ!!

 最近、他ブログの転載ばかりで誠に恐縮だが、ひとりでも多くの方々に、日本が置かれている対米従属構造の真実を知ってもらいたいと思い、本年度『年次改革要望書』の和訳をここに開示する。今まで「或る浪人の手記」さんの訳文、そして読者のcameramanさんの要約和訳文を掲載した。今度はブログの『とむ丸の夢』さんの訳文、特に「郵政民営化」に関わる箇所をここに転載する。いろいろな人の訳出を読みくらべ、少しでもこの『年次改革強制指令書』の実体をつかんでいただきたい。

 とむ丸の夢さんは、原文の「要求」「要望」の箇所に、外務省訳では“urge”が使われるていることを指摘して、実際は「強制」ではないか、と遅まきながら絶句したと言っている。要望ならdemand、願いをこめた要求ならrequestが使われるのではないだろうか。私は苦手なのでわからないが、日米という同盟国同志の平和な協定、あるいは親密な協議という文脈であれば、“urge=急きたてて催促する”などという強制性の強い言葉は使わないのではないだろうか。

 まったく話は違うのだが、昔、若いころ、ハリウッド映画の『十戒』という映画を観たときの友人との思い出がある。この映画はエジプトの奴隷と化していたイスラエル民族を、指導者モーゼが立ち上がって「約束の地」に引き連れていく(エクソダス)という余りにも有名な聖書文学作品だ。物語の中では、ユル・ブリンナー扮するエジプト王ラムゼスが、即決的に法律を作って部下に命令する場面が何度か出てくる。この時の彼の言い回しがあまりにもかっこよくて強く印象に残っている。その言葉は、

そのように定め、そのように行なえ(So it was written So it will be done)

 であった。要するに『余の言葉は法律そのものである』ということだが、私も友だちも、この『そのように定め、そのように行なえ』がすっかり気に入って、何かにつけてこれをつけて遊んだことがある。たとえば、「お前悪党やれ、おれブルース・リーやる!そのように定め、そのように行なえ!」というたぐいのたわいもない戯言である。

 つまり、私が言いたいことは、この年次改革要望書の取り決めから受ける印象が、この王様の語る『So it was written So it will be done』にそっくりだということだ。これはまるで命令書ではないか。この「要望書」を読んで対等な二国間の協調的意見交換だとは到底思えないのだ。それに米国のようなプラグマティズムに徹する国が、経済問題で仲良く意見交換をしましょうなどという親和的な時間を設けるはずがない。

 とむ丸の夢さんが10/23の新記事「リフォーム詐欺」で、非常に気になることを指摘していた。

(以下引用)
    この項目「C」では、6.が今年の年次改革要望書で新たにつけ加えられた部分です。  郵便事業等に対して公開レビューを実施して、時代にあった規制をしろ、といってます。「公開レビュー」などというと、「やらせタウン・ミーティング」を連想してしまいますね 
(引用終わり)

 私はこの「公開レビューの実施」が、間違いなくタウンミーティングという偽装懇談会そのものであることを確信した。2005年6月7日の国会(衆院郵政民営化特別委員会)で、城内実さんが竹中平蔵氏に「過去一年間で日本政府が米国と何度協議したのか?」という問いを発して、17回あったという答弁を引き出している。つまり、竹中氏は米国政府筋から綿密にレクチャーを受けていたのだ。この中には明らかに、やらせのタウンミーティングという入れ知恵もあったに違いない。このレクチャーが現在途絶えているとは考えにくい。安倍政権も福田政権も一貫してこのレクチャーが続けられていると考えてまず間違いないだろう。タウンミーティングという公開レビューは偽装がばれてしまったが、今はマスコミを使ってそれに代わる新たな偽装プロパガンダが行なわれているに違いない。

 さて、国民に真相を知らせまいとする権力側が、国民を刺激しないように無難な言葉を駆使して訳出されるものよりも、まずとむ丸の夢さんの翻訳文に目を通して欲しい。

 「とむ丸の夢」さん、使わせていただきます。翻訳、本当にご苦労様でした。

 以下はとむ丸の夢さんが翻訳した郵政民営化に関する部分の年次改革要望書です。

民営化


Ⅰ.   公社・公団の民営化

  日本が公社・公団の民営化を実行するにあたり、米国は日本に対してすべての市場参加者に公平な競争環境を構築することを強く求める。さらに、市場に影響を与える事項について日本国内および外資などの民間企業体が意見を提供・表明できる有意義な機会を与えられるといった、透明性のある形でそのような措置を講じることを提言する。

Ⅱ.   日本郵政改革

 もし精力的に実施されれば、日本郵政の市場志向改革が競争を刺激し、資源のより有効的な活用につながるなど、日本経済に利益をもたらす可能性があると米国は認識している。米国系企業、日本企業およびその他の民間企業に比べて郵政制度に長期にわたり付与されてきた優遇措置を撤廃するために、また、新たな優位性を持つことがないようにするためにも、完全な市場志向型改革の実施が必要である。これらの改革を実施するにあたり、新たなJapan Postと民間企業の間に均等な競争条件を確立するという法律の原則を確実なものとするために、必要な措置がすべて講じられることが重要である。

A. 郵便貯金と郵便保険における競争条件の同一化と金融制度の安定性

 ゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険会社は2007年10月の民営化当初から、政府保証付きの商品の提供を止め、民間企業と同じ納税義務および法律上・税制上義務を満たすことが義務づけられ、郵政持ち株会社とともに民間企業と同様の監督の適用を受けることになるとの日本による確認を米国は歓迎する。さらに米国は、民営化された郵政金融制度は、実際に民間企業の金融組織と同一の認可・公開・監督の適用を公平に受けることを確実なものにするための措置が講じられることになろうという日本の約束に勇気づけられる。新しい郵政各企業間の関係が、資本関係でアームスレングスに基づいていること、そして関連法下で創設された新たな事業団体間で相互補助(ゆえに、リスクの転化)を考慮する制度が存在しないことを確認したことを米国は歓迎する。銀行法と保険業法下での日本ゆうちょ銀行と日本かんぽ生命保険会社の唯一の検査・監督官庁として金融庁は、金融制度の安定が脅かされることのないよう、有効なリスク管理を整備、実行することを担保するため、重大な役割を担っていくだろう。上記措置の完全な実施を確保することに加えて、米国は日本に対して、次の追加的手段を講じ、新たな日本郵政グループと民間企業との間の競争条件の同一化を図るという郵政民営化法案の目的を達成するよう求める。

1.  商品の流通と販売網

  郵便局株式会社を通じて金融商品を販売する競争において、民間企業に平等で透明なアクセスを提供することを確保し、業界の最良慣行に一致し、アームスレングスの規則にのっとり、 日本郵政持ち株会社のゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険会社との関係が真に市場ベースのものになることを確保する。

2.   預金と再保険の関係

 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(公社継承法人)が、ゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険会社のもとに委託する預金と再保険契約に関して、以下のとおり、必要な措置を含む。   

a.  2007年10月以前の旧勘定および契約と、2007年10月以降に結ばれた新勘定および契約とを完全に分離することで、リスクを完全に分断すること、預金保険機構と生命保険契約者保護機構が旧勘定および契約の負債を負わないようにする。

b.   預金と再保険契約が完全にアームスレングスに基づくものとし、このような取り決めにより新しい郵政金融機関同士が相互扶助することのないようにする。透明性に関しては、再保険料決定方法を公開する。

c.   黒字、赤字を含め公社継承法人の財務状況と再保険取引が一般に公開され、日本の一般会計基準にのっとり報告されるようにする。

3.   暗黙の政府保証

 日本政府が郵政金融機関の政府保有株式を完全売却するまでを含め、2007年10月以降に提供する商品に政府保証が付されないことを消費者や市場に周知させるため有効な方策を講じる。加えて、ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険の業務範囲を拡大する際はそれに先立ち、またその後は定期的に、実際の販売方法を注意深く監視し、関連法を執行して、2007年10月以降の新勘定および契約にも政府保証が付いているかのように偽って伝えることがないようにするとともに、郵政金融機関が政府との関係をてこに市場の競争相手より優位な地位を獲得するようなことがないようにする。

4.   独禁法の執行

 公正取引委員会の適切な調査とその他の措置を通じて、日本郵政株式会社の民営化と改革が自由な競争、透明性およびアームスレングス業務慣行、競争政策および規制改革の有効な実施を促進するような形で行われることを確保する。

5.   社会・地域貢献基金

 基金の透明な運用(費用配分方法やその計算に用いられる費用と収入のデータ、基金の配分の十分で定期的な開示を含む)を確保し、さらに、他に国内企業や外国企業にではなく、民営化された郵政金融サービスの提供会社に対して、不当な利益が生じることの内容に、内部統制や透明で正確な支出基準などの措置を講じる。

6.   資産評価

 独立の監査人が独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構(公社継承法人)のすべての資産、負債、準備金を評価し、この評価結果がすべて一般に公開されることを確保する。

7.   相互扶助

 日本郵政株式会社の子会社の自主経営における透明性を確保するために、日本郵政株式会社子会社の独立した監査人は、相互扶助を排除するために導入される措置について評価を報告する。それらの対策の有効性について報告するのはもちろんである。

*提案のあった訳

  日本郵政株式会社の子会社の自主経営における透明性を確保するために、各子会社の独立した監査人が、会社間のもたれ合いを排除するための措置ならびに、その有効性について報告することを求める。<!--[if !supportLineBreakNewLine]--> <!--[endif]-->

8.   金融庁職員の確保

 新たな日本郵政企業体について、関連する金融法規に対するコンプライアンスを検査する職員を金融庁FSA が確保したというニュースを歓迎し、他の市場参加者に対する内国民待遇に基づいて民間企業に適用されるすべての規制の下で金融庁が日本郵政の金融子会社を適切に規制できるよう、十分な人員その他が金融庁の正規監督職員から確実に任命されるよう、米国は日本に強く求める。

B.   競争条件と新商品導入

 郵便金融機関が新しい貸し付け業務やかんぽ生命保険による新規または変更された保険商品の引き受け、ならびにゆうちょ銀行による元金無保証型投資商品の元売りを許可される前に、郵便金融機関と民間金融機関の間に同一の競争条件を真に確立することを、米国は日本に強く求める。金融庁が、金融サービスや保険商品の販売・流通を展開する際、銀行法と保険業法に基づいて民間金融機関と同一の基準をゆうちょ銀行およびかんぽ生命保険に適用するという確認を歓迎する。米国はまた、新規または変更された製品が市場のひずみを生まないことを確実にするために、郵政民営化委員会PSPCが新製品の申請を検査することを歓迎する。同一の競争条件を確立するということは、郵便機関にも内国民待遇に基づいて公平に他の企業と同様の義務を課すことを含むが、新たな製品や特約を導入する際も含まれる。上記のように、法規によって民間金融機関と同一の方法による郵便金融機関の効果的な監視およびコンプライアンスを確実なものにすることを、また改革プロセスとその実行が日本のWTO義務、特にGATSの内国民待遇の原則と矛盾しないことを、米国は日本に強く求める。

C.   エクスプレス貨物サービスの公正な競争

  郵政民営化法第2条のもとに求められているような、新たな日本郵政株式会社と民間運送会社間の「競争に相当する状態」の確立が完全に確実となるように必要な措置をすべて講ずることを米国は引き続き日本に求める。この点で米国は、完全に公平な競争環境の構築を促進する以下の措置を取るよう、日本に強く求める。

1.   民間のエクスプレス貨物運送会社に適用されているものと同等の通関手続を、日本郵政株式会社が取り扱う郵便と小包みに適用する。特にEMS便について、米国は日本に対し、現在日本の規則により適用されている「賦課課税」方式ではなく、「申告納税」方式が確実に適用されるように強く求める。

2.   通関情報処理システム(NACCS)に係る費用や通関申告書類にかかる費用など、日本郵便会社に対しても同等の通関費用の支払い義務を課す。

3.   日本郵便株式会社が取り扱う品目についても、民間のエクスプレス貨物運送業者が運ぶ品目の場合と同じ方法で、同じ安全・保安基準が適用されること。

4.   日本郵便株式会社の事業について、日本郵政株式会社とその子会社が参加する取引を含め、民間企業に課されるものと同じ基準で事業分野ごとの開示を義務づけることを含めて、その内容を十分開示するために必要な措置をすべて取り、 同社の事業と他の日本郵政の企業体間で内部相互補助が起こらないようにする

5.   国土交通省(MLIT)による新たな日本郵政企業体とその関連事業の監督が、民間企業に適用されるものと同じ基準で行われることを確保する。

6.   日本郵便株式会社の郵便事業と物流事業に対して民間企業に適用されるものと同じ租税を適用し、航空安全や保安規定も同じく適用させる最終規則を適時発効し、規則草案については公開レビューができるようにする。また、EMSサービスは、貨物自動車運送に関する法令および政省令の下での国土交通省(MLIT)による管理を確保し、郵便事業に関するオペレーションは貨物運送に関する法令および政省令による監督をする。

D.   透明性

 これらの改革が完全に透明性をもって実施されることを確実にするため、考慮されるべき利害関係者の意見を聴く機会が十二分に提供されてからはじめて最終決定ができることを含め、米国は日本が必要な措置をすべて講じることを強く求める。最終決定が競争環境に影響を与える可能性がある、したがって日本郵政株式会社の事業が金融サービスおよびエクスプレス貨物分野の双方において民間競争相手に影響を与える可能性があるような政策決定の過程では、これはとりわけ重要である。具体的に、米国は、日本が以下の措置を取るよう強く求める。

1.   郵政民営化委員会など日本政府が開催する委員会または構成要素が、民間部門に影響を及ぼす可能性のある問題について議論する場合には、米国系企業および他の外国企業を含む民間の利害関係者が積極的に貢献する有意義な機会が提供されるよう確保する。

2.   市場への影響について、また新たな日本郵政企業体と民間企業の間の競争条件への対応度についてすべての利害関係者が意見を述べる機会を提供することを含めて、日本郵政改革の実施に関しては定期的(すなわち年1回)な公開レビューを行い、また日本郵政企業体のコンプライアンスについて透明性のある検証をするために、現在民間企業に適用されているのと同じ法規を提供する。

3.   民間企業に影響を及ぼす日本郵政株式会社の改革について、民間の利害関係者に関係職員と意見交換をする有意義で時宜を得た機会を提供する。

4.   日本郵政株式会社の改革にかかわる事項について整備される施行規則、ガイドライン、政令、実施計画およびその他の措置について、パブリックコメント手続、並びにそのほかの手段によって一般の意見を求める。また、それらが最終決定される前に、それらの意見が十分考慮され、適切であれば措置案に確かに盛り込まれるようにする。

5.   政府が開催する検討会に関連する資料や議事録など、日本郵政改革の計画と実施に関する情報を、引き続きウェブサイト、記者会見その他の手段で適時一般に公開する。

 以上

*郵政民営化第2条とは基本理念を謳った部分です。次に記しておきます。

 第二条  郵政民営化は、内外の社会経済情勢の変化に即応し、公社に代わる新たな体制の確立等により、経営の自主性、創造性及び効率性を高めるとともに公正かつ自 由な競争を促進し、多様で良質なサービスの提供を通じた国民の利便の向上及び資金のより自由な運用を通じた経済の活性化を図るため、地域社会の健全な発展 及び市場に与える影響に配慮しつつ、公社が有する機能を分割し、それぞれの機能を引き継ぐ組織を株式会社とするとともに、当該株式会社の業務と同種の業務 を営む事業者との対等な競争条件を確保するための措置を講じ、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを基本として行われるものとす る。

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2007年10月22日 (月)

2007年10月18日、年次改革要望書要約

 読者のcameramanさんより要望書要約のコメントをいただいたのでここに記す。cameramanさん、ありがとうございます。

年次改革要望書(要約)

通信技術
ワイヤレス通信分野のメーカへの減税(?)によって競争の促進。
ビデオ配信事業のルール作りを、透明、且つ最小限の規制にする。
NTT東と西に競争的値下げをさせる。助成金を出さない。他のキャリアの参入を促すようなコンサルタント、助成を行う。

情報技術
民間の参入を促し、ルール作りを透明化する。
政府のIT事業への入札を透明化する。
健康へのITの応用をプロモートする。
知的所有権をオンラインで盗まれる事を防止する。
知的所有権の防御ルールを世界レベルで作る、特にアジアで。
特にビジネスの場でのプライバシー確保に努力する。

医療器具及び薬品
先進的な器具、及び薬品に対する医療報酬の引き上げ。
器具、薬品の試験承認期間を短縮。
血漿製剤の値段を上げる。
栄養サプリメントに食品の一つとして権利を与える。
化粧品、半医薬品の承認過程を透明化。

金融サービス
規制の透明化。
貸し過ぎの防止にクレジットビューロー制度を導入する。
情報の共有化と共にファイアーウォールも整備する。

競争に関する方針
カルテルの許認可を厳しくする。
JFTC(Japan Fair Trade Commission)の手続きを公平、透明にする。
不正入札に対してペナルティーを強化する。

商法の改正、及びシステムの刷新
三角合併の成功例を再調査する。
会社乗っ取りの防衛策における、株主の保護策を図る。
コーポレートガバナンスを強化。
代理投票権を認める。
個人株主の保護。
外国企業の日本参入の障壁を下げる。
Article 821が外国企業の日本での活動に不利益を生まないようにする。
外国の弁護士を日本で活動させる。

透明性
政府御用達の弁護士による顧問グループを作る。
Public Coment Procedure(PCP)を行う機関の強化。
政府、及び省庁のコメントをより透明化して、より「普通の言葉」で表現する。
透明性の考え方をより一般化して、APECにおけるスタンダードにする。

その他の政府業務
銀行による保険販売を許す。
民間企業と共済の協業。
日本におけるビザ再発行の負担業務を軽減する。
農作物への薬物混入の許容値を、科学的に規定し、且つ検査を徹底する。
それを世界規模でスタンダード化する。
特区の推進。

民営化
郵政銀行に民間と同様の税金、規則を課す。
郵政銀行の貸し出し業務、保険業務、および元本非保証の投資業務を認可する前に、銀行と保険業界に同等の活動の場を与える。
宅急便業者に郵便局と同等の営業条件を与える。
ジャパンポストの刷新内容の透明化を強く求める。

流通
課税を下げる。
空港業務に民間企業の導入、及び透明性を高める。
配達用車両の一時的な駐車場所を確保する。
全ての流通物品への課税をすべての流通業者で同一とする。

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政権やメディアは『年次改革要望書』をなぜ覆い隠すのか?

 私が年次改革要望書という言葉を知ったのは、正確には思い出せないのだが、2005年の郵政解散総選挙の前だったと思う。知るきっかけになったものは関岡英之(せきおかひでゆき)さんの「拒否できない日本」という本だった。普段はほとんどノンポリの生き方をしていた私は、小泉政権発足から一年くらい経った頃、どうもこの政権は今までの政権が持つ政策ベクトルとはかなり異質だということに気が付いていた。

 それはエコノミストとしての植草さんが初期から指摘していたように、デフレの真っ只中、超緊縮財政政策の基本を取り、その中で加速的な不良債権処理を強行したとか、その他、この政権には初期から根本的な失政があったが、私は専門家じゃないから、当時そういうことはまったく知らなかった。しかし、小泉氏が志向する構想自体に何となく危険なものを感知していたことは確かである。旧態依然の姿勢を持った古い自民党をぶっ壊すという名目は、庶民としては一見わかりやすいものだったが、私はその底意になぜか強い胡散臭さを感じていた。その胡散臭さが数年後に決定的な形となってあらわれたのが、あの歴史的な郵政解散総選挙だった。参議院で否決された事実を無視して、国民に真意を問いかけるなどと言って、異常な総選挙に打って出た。国民に政治的意思を付託された国会議員の存在意義は消し飛んだ。国民は民営化の意味を深く考えもせず、マスコミの報道演出にすっかり幻惑され、小泉自民党を是認した。かくして郵政民営化関連法案は可決に至った。

 私は国政選挙の秩序を破壊したあの凶悪な解散総選挙前に、関岡英之さんの「拒否できない日本」を読んでいて、郵政民営化と年次改革要望書は切っても切れない関係にあることを知っていた。年次改革要望書を知って驚いたのは、それが何と1993年の宮澤-クリントン会談で合意され、翌年の1994年から日米両国における双務的な意見書の形をとって、毎年10月に提出されていたことだった。今回で14回目になる。しかし、国民はこの事実をまったくと言っていいほど知らなかったのだ。まず、建前は両国の親和的協調的な意見書の体裁をとっているから、政権中枢に近い為政者だけが了解していれば国民に知らせる必要はなかったということなのか。しかし、調べていくと、関岡さんたちが指摘するように、この要望書は双務的どころか一方的な押し付け命令書であったことがわかった。

 日本に酷薄な格差社会の到来をもたらした小泉構造改革とは、聖域なき規制改革が中心であった。その結果、日本は自由競争の名の下に弱肉強食的な経済原理が稼動し、強者が弱者を犠牲にして富の極端な偏在(傾斜配分)が現われる非情な社会に変貌した。実はこの根本原因は『年次改革要望書』という静かなる対日強硬内政干渉に起因している。政府やマスコミがこの要望書の存在を必死になって隠蔽してきたせいで、国民は今味わっている悲惨な社会の元凶がこれであることを知らないのだ。

 そしてこの年次改革要望書は、今年も日本に出された。年に一回出されるから「年次=annual」と名づけられているのだろう。初回が1994年であるから、すでに13回(13年間)出されてきたということだ。ところが私もこういうものが日米間に存在していたという伝聞さえ聞いたことがなかった。おそらく大多数の国民はみんな同じだろう。政府もマスコミも何も伝えないからだ。なぜ、伝えなかったのだろうか。なぜ今年も伝えないのだろうか。ここにこの要望書の存在目的が良く現れていると思う。つまりこの要望書は、宗主国が植民地に出す政策指令そのものだからだ。植民地である日本は、表面上は米国と対等な同盟国であると、自国民と国際社会に見せかけている。つまりは擬制国家である。日本の本質は米国の植民地にほかならない。その動かしがたい証拠は、沖縄を中心として日本中に米軍基地が散在し、肝心の日本には正式な軍隊が存在しない。

 この事実を鑑みれば『年次改革要望書』がどんな性格のものであるかよくわかる。しかし、国民は真の日米関係から目を逸らしてはならないのだ。たとえマスコミが真相を伝えなくても、政府が一言もそれに言及しなくても、日本国民は真実をきちんと見定め、そこから未来を築いていく以外にないのだ。

 nさんという読者さんが、新聞社に抗議するべきだと言っている。なぜ年次改革要望書を伝えないのかと。日米関係が重要な国際関係だということを熱心に喧伝するなら、マスコミはなおさらこの要望書の内容をなるべく早く国民に報道する義務がある。日本国民が全体的に考えるべき重要な内容が込められている。これを一部の為政者だけが、こそこそと見聞きして重要な法案を策定したりすれば、結果は明らかに国益毀損となる。だからマスコミはこれを堂々と報道しなければならない。

  nさんのコメントをここに貼り付ける。

内容:
--------
<心ある新聞読者へ>
【日本経済新聞・苦情先】
 ≪購買部にかけるのが最も効果的!≫
*年次改革要望書を全国の紙面で報道しなかったから、購読を止めると言うため。
*勿論、この新聞を購読していない人も、ジャンジャンと電話をかけましょう。
 例:『これからは、日本経済新聞は購読選択肢に入れない。』
【電話:0120-21-4946 (*フリーダイヤル)】
*20日朝刊で詳細報道していれば、余計な電話代を払わなくてすむのに…。
*だから、報道させる意味でも、ジャンジャンと電話をかけまくりましょう。
*公衆電話の場合は、10円玉を入れて、話し終われば戻ってきます。
*フリーダイヤルの前に、番号通知拒否の「184」を付けても通じます。

【営業所電話】
東京本社:03-3270-0251
大阪本社:06-6943-7111
名古屋支社:025-243-3311
西部支社:092-473-3300
札幌支社:011-281-3211

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2007年10月21日 (日)

2007年度版「年次改革要望書」(或る浪人の手記さんによる)

 ◎2007年度版「年次改革要望書」(或る浪人の手記さんによる翻訳)

『或る浪人の手記』さんが、一秒でも早く10月18日(最新)の年次改革要望書を読んでいただこうと翻訳に力を注いでくださった。この労力をなるべく多くの人に役立ってもらうために翻訳文をここに転載する。アメリカは日本の構造改変を急いでいる。その目的は日本の国富を一刻でも早く効率的に収奪することにあり、大方の日本人はこの危機的な真相に気が付いていない。郵政民営化も敢行され、郵貯、簡保の国債分を除く200兆円にあまる膨大な国民共有財産が米系国際金融資本に奪われる寸前だ。従って喫緊に郵政民営化は阻止しなければならない。年次改革要望書は日本の優良資産や国有財産をただ取りする目的で巧妙に仕掛けられた米国による究極的な内政干渉指令書なのだ。なぜ日本全体が表面的な経済成長とは別に貧乏に向かっているのか、この年次改革要望書を見れば見えてくる。

 「或る浪人の手記」さんのご努力に深い敬意を表する。



(転載開始)

******************************************************************************
文句を言われる前に言っておきますが、ウリの英語力は中学生レベルニダ。

 ま、どうせ、その内に日本語訳される訳だから、大枠の意味と感じさえ掴めれば良いくらいのノリで、多少の間違いがあっても目を瞑るようにw

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書
2007年10月18日

The U.S.-Japan Regulatory Reform and Competition Policy Initiative (Regulatory Reform Initiative) continues to contribute to growth and opportunity for the citizens of both countries by promoting reforms that open new markets, reduce burdensome regulations, increase transparency, and stimulate competition.The Regulatory Reform Initiative, now in its seventh year, also remains a key forum for deepening and broadening our bilateral economic relationship.

 「日米規制改革および競争政策イニシアティブ」(規制改革イニシアティブ)は、新しい市況を開く改革、重荷となっている規制を減らす事を促進することにより、双方の国の国民のために成長と好機に寄与し続け、透明度を上げ競争を促進させる。また、規制改革イニシアティブは7年目となり、双方の経済関係を深め、広くするための主要な役割となっている。

The Regulatory Reform Initiative was created in 2001 under the U.S.-Japan Economic Partnership for Growth to promote a pro-growth agenda of reform through sectoral and cross-sectoral reforms.As a result, this year’s recommendations by the United States focus on making continuing progress in industry sector areas such as medical devices and pharmaceuticals, communications, financial services, information technologies, and agriculture, as well as advancing progress in several cross-sectoral issue areas such as intellectual property, commercial law, competition policy, and transparency.The United States continues to look to Japan to undertake important economic reforms in these and other areas in order to achieve the aims of this Initiative.

 規制改革イニシアティブは、分野別および分野横断的改革を通して、経済成長や市場開放を促進するため、2001年、日米経済協力の下において立ち上げられた。その結果、本年は知的財産、商法、競争政策と透明度のような多区分にまたがるエリアでの前進をした。更に医療用具や、製薬品、コミュニケーション、金融サービス、情報技術、農業などの産業セクター領域での継続した進歩について、アメリカ合衆国による提案する。合衆国は、このイニシアティブの目的を達成するため、日本がこれらと他の領域で重要な経済改革を継続する事を期待する。

This year’s U.S. recommendations also place an emphasis on the United States’ desire to continue to work closely with Japan both bilaterally and in regional and other fora to promote higher standards of intellectual property protection as well as transparency across the Asia-Pacific region and beyond.

 本年の米国からの提案は、アジア太平洋地域中の透明と同様に知的所有権保護のより高い水準を促進する為、双方、地域、そして他の議場においても共にしっかり働く続ける事を、アメリカ合衆国として強く願望する。

These comprehensive U.S. recommendations serve as the basis for discussions over the coming months in the Initiative’s High-Level Officials Group as well as in four different working groups covering telecommunications, information technologies, medical devices and pharmaceuticals, and cross-sectoral issues.Progress achieved by each Government in response to the other Government’s recommendations is then documented and presented to the President and Prime Minister in the Regulatory Reform Initiative’s annual Report to the Leaders.

 テレコミュニケーション、情報技術、医療用具、製薬品分野横断的な4つの異なった作業部会について、これから数ヶ月に渡って審議する為と素地となる米国からの提案をする。それぞれの政府の提案に対し、それぞれの政府によって達成された進行状況を文書化し、年次報告書に盛り込まれ、大統領と総理大臣に報告される。

The Government of the United States continues to look forward to constructive discussions on these recommendations and welcomes receiving the Government of Japan’s recommendations under this Initiative.

合衆国政府は、本要望書の提言について建設的な協議を期待するとともに、同イニシアティブの下、日本国政府からの提言を受理することを歓迎する。

提言の要点

電気通信

The United States continues to monitor Japan’s regulatory reform efforts affecting its communications sector with a view to promoting competitive opportunities for innovative services and technologies.Key regulatory principles that enhance such opportunities include maximizing operators’ choice of technology, ensuring efficient and minimally burdensome equipment approvals, transparency and impartiality of rulemaking (particularly in the wireless area).

 合衆国は、革新的なサービスと技術の競争力がある機会を促進する為、コミュニケーションセクターに影響する日本の規制改革の努力を注視し続ける。そのような機会を高める主要な規定の原則は、オペレータの技術の選択を最大にするのを含んでおり、設備を最小限で効率的なものとし、規則策定(特に無線の領域)の透明性および中立性を確保する事である。

提言の要点

Promoting Competition and Efficiency in the Wireless Sector: Eliminate threat of fees for device manufacturers or users of license-exempt services (e.g. WiFi) to ensure robust usage of such services; expeditiously license new spectrum, or “re-farm” existing spectrum for wireless broadband systems on a technology-neutral basis; ensure new mobile entrants enjoy reasonable interconnection arrangements with other wireless operators to offer customers reasonable roaming arrangements as network build-out progresses.

ワイヤレスセクターでの競争と有効性を促進すること:ライセンス免除されているサービス(例えば、WiFi)のデバイスメーカーかユーザのための料金がそのようなサービスの強健な用法を確実にする脅威を排除する;迅速に、ワイヤレスのブロードバンド方式のために技術中立のベースで新しいスペクトル、または「再農場」既存のスペクトルを認可する; 新しいモバイル参加者が外にネットワーク建てるのが進歩するとき合理的なローミングアレンジメントを顧客に提供するために他の無線通信士による合理的なインタコネクトアレンジメントを楽しむのを確実にする。

Promoting Streamlined Regulation of Convergent Services: Ensure that efforts to
develop new rules for video offered over telecom networks are implemented in a transparent manner with a view to minimizing unnecessary regulation.

収束性のサービスの現代的な規制を促進する: 電子通信ネットワークの上に提供されたビデオのために新しい規則を開発する努力をし、不要な規則を最小にするため、透明な方法で実行されるのを確実にする。

Strengthening Competitive Safeguards on Dominant Carriers: Ensure that NTT East and West offer cost-oriented interconnection rates once current regime expires; eliminate East-West subsidies and ensure interconnection offerings for their Next Generation Network are subject to sufficient transparency and consultation with affected companies; review financial conditions imposed on competing carriers.

優性キャリヤーの上で競争保護を強化する:流動形態が期限が切れるならば、NTT東と西がコストを指向する相互接続率を提供することを確認する;東西補助金を排除し、そして、それらの次世代通信規格のためのインタコネクト提供の影響を受ける会社と共に十分に相談し、透明であることを保証する;競合するキャリヤーに課された財政状態を概説する。

情報技術

The United States’ recommendations seek to promote competition and confidence in government procurement of information technologies (IT), improve mutual understanding of e-Accessibility policy, advance the adoption of information technology to improve the quality and efficiency of Japan’s healthcare system, strengthen protections for intellectual property rights (IPR) focusing on infringement in the digital age, enhance IPR enforcement in the region and globally, and ensure any revisions in the implementation of the Privacy Act also enhance the business environment.

 合衆国の提言は、インフォメーションテクノロジー(IT)の政府調達の競争と信頼性を促進し、計数形の侵害に焦点を合わせている知的財産権利(IPR)のための強化かぶりが熟成させる e-アクセシビリティ政策、日本の品位と有効性の医療制度の改善と値上げ、情報技術の採用と相互理解、グローバルな領域でのIPRの実施、プライバシー法の実装と改訂、経営環境を上げることの保証である。

提言の要点

IT and e-Commerce Policymaking: Facilitate private-sector input and transparency in policymaking; foster technology neutrality; promote compatibility with international practice.

ITと電子商取引政策決定: 政策決定で民間部門入力と透明性を容易にする; 技術の中立性を伸ばす; 国際的な習慣との互換性を促進する。

Health IT and e-Accessibility: Promote adoption of Health IT through effective implementation of the Grand Design and increased incentives for use of Health IT; exchange information on e-accessibility policies and activities.

 健全なITと電子アクセシビリティ:健全なIT使用のためにグランドデザインと増加する誘因の有効な実現による健全なITの採用を促進する; 電子アクセシビリティの方針策定と活動時の情報交換を促進する。

IPR and Copyright Protection: Strengthen protection, including through adoption of measures to defend against online piracy and increased term of protection for sound recordings and other works.

IPRと著作権保護: IPRとオンライン著作権侵害に対して防御する測定の採用、録音と他の作品のための保護の増加する諸条件までの包含を強化する。

IPR Cooperation: Promote strong standards for IPR protection and enforcement worldwide,especially in the Asia-Pacific, through enhanced cooperation in various fora; promote information exchange on trademarks and streamline patent procedures.

IPR協力: 世界中で特にアジアパシフィックで様々なフォーラムへの高められた協力でIPR保護と実施の強い規格を促進する; 商標と流線型特許手順で情報交換を促進する。

Privacy: Ensure that any revisions of Privacy Act implementation enhance the business environment and do not restrict trans-border data flows.

プライバシー:プライバシー保護法を改正して経営環境を高め、移-境界データフローを制限しないのを確実にする。

医療機器と医薬品

The United States encourages Japan to implement rapidly many proposals in its August 2007 “Vision” report on its drug industry, including those on improved clinical trials, accelerated approval reviews, and fair value of innovation.Several of these proposals would also benefit the medical device market if applied in that sector.As Japan strives to provide excellent healthcare despite the challenges of an aging society, the United States also recommends that reimbursement pricing policies provide appropriate incentives for development of innovative medical devices and drugs and that regulatory policies help end the device and drug lag.

 合衆国は、改善された臨床の試み、革新の促進的認可観兵式と公正価値に対するそれらを含めて、日本に製薬業に対する急速な2007年8月の報告書の多くの応札を実行するよう奨励する。また、そのセクターで応用であるなら、これらの応札のいくつかが同様に医学装置販路に役立つだろう。日本が高齢化社会の挑戦にもかかわらず良好保健医療を提供しようと努力するとき、アメリカ合衆国は同様に弁償価格決定政策が革新的医療機器の開発に適切刺激を提供し、規制改革政策が薬物と装置の提供の延滞を終わらせることを勧める。

提言の要点

Pricing Reform: Ensure reimbursement pricing of medical devices and pharmaceuticals appropriately values the benefits of innovative products; increase opportunities for producers of innovative devices and pharmaceuticals to explain to reimbursement pricing authorities the benefits of their products.

価格改革:医療用具と製薬品の還付価格設定が適切に、革新的な製品の利益を評価する事を保証する;革新的な装置と製薬品のプロデューサーが、それらの製品の利益について還付価格設定当局に説明する機会を増加させる。

Regulatory Reform: End the lag in the introduction of innovative medical devices and drugs by streamlining reviews and approvals; improve the clinical-trial environment and encourage simultaneous global development of drugs; facilitate approvals of and reform regulatory requirements for minor changes in medical devices.

規制改革: レビューと承認を能率化することにより、革新的な医療用具と薬品の導入における延滞を終わらる; 臨床試験環境を改良し、薬品のグローバルな開発を奨励する;医療用具のマイナーチェンジの承認を容易にし、法的な要求事項を改革する。

Blood Products: Ensure the pricing system for plasma protein therapies is based on the unique characteristics of those products; provide industry with meaningful opportunities to discuss labeling requirements and other regulatory issues.

血液製剤: 血しょう蛋白質療法の価格決定方式がそれらの製品のユニークな特性に基づいているのを確実にする; 表示要求事項と他の調節性係争点を論じるために有意義な機会を産業に提供する。

Nutritional Supplements: Create a new category for foods that allow ingredient-specific claims; provide meaningful opportunities for industry input during the development of health food safety regulations; shorten approval times for new food additives.

栄養剤: 成分特有のクレームを許容する食物のための新しいカテゴリを作成する; 健康食品安全規則の開発の間に入力された産業に重要な機会を与える; 新しい食品添加剤のために承認の時間を短くする。

Cosmetics / Quasi-Drugs: Increase transparency and efficiency in the quasi-drug approval system; allow claims based on significant and verifiable data.

化粧品/医薬部外品: 医薬部外品認可制の透明と効率を増強する; 重要で証明可能なデータに基づくクレームを許容する。

金融サービス

The United States commends the Government of Japan for committing to develop a “Plan for Enhancing the Competitiveness of Financial and Capital Markets.”The United States believes that competitive financial and capital markets are a key element contributing to sustained economic growth, efficient capital allocation, job creation, and innovation.The United States encourages Japan to adopt measures necessary to assure global financial center status.

 合衆国は日本の政府が「金融そして金融市場のマーケットの競争力を強化する計画」を策定することを約束したことを称賛する。合衆国は金融そして市況が貢献して主軸である競合が経済成長、能率的資金配分、創造的な仕事と革新を維持したと信じる。合衆国は、日本がグローバルな金融の中心地状態を保証するのに必要な測定を採用するのを奨励する。日本人の貯蓄家と労働者に能率を増進し、より多くのオプションを提供する具体策に加え、日本が金融サービスセクターで以下の領域で行動を取ることによって規制改革での最近の進歩を著しく続けるように呼びかける。

提言の要点

Financial Regulatory Transparency: Expand the body of published written interpretations of financial laws, including by active use of no-action and interpretive letters; ensure all stakeholders to provide input on draft laws and regulations.

金融規定の透明度: 金融の法則によって発行された書かれた解釈の本論、動作がなくて公開の書面の能動的使用による包含を広げてください; すべての利害関係者を確実にして、草稿法と規則に関する入力を提供する。

Credit Bureaus: In order to promote sound credit underwriting: deter excessive lending and improve consumer welfare and competitive credit markets; create a legal and regulatory framework for a credit bureau system that facilitates more accurate risk pricing for consumers and small businesses by collecting and providing fair; open access to comprehensive full-file credit information.

信用調査所: 健全な貸し付けの引き受けを促進する: 過剰融資を思いとどまらせ、消費者福祉と競争の激しい金融市場を改良する; 公正な状態で消費者と中小企業のため、より正確なリスク価格設定を容易にする信用調査所システムのための法的で規定の枠組みを作成する; 包括的で完全な信用情報ファイルへのアクセスを開く。

Information Sharing and Firewalls: Identify and define the scope of required firewalls through written guidance and continue an active dialogue with foreign financial institutions regarding appropriate revisions to the current firewalls regime, including the Financial Instruments and Exchange Law and the Personal Information Protection Law.

 情報共有とファイアウォール:識別、そして書面の誘導を通して必要とされるファイヤ・ウォールの適用範囲を定義し、外国の金融の協会が金融の楽器と取引所法と個人情報防護法を含め、流動ファイヤ・ウォール形態に適切改訂を尊重するという状態で、アクティブな対話を続ける。

競争政策

Strong and effective Antimonopoly Act (AMA) enforcement against anticompetitive practices will provide great benefits not only to Japanese consumers, but also to the Japanese economy as a whole.At the same time, care must be given to ensure that AMA enforcement policy does not interfere with procompetitive conduct and that Japan Fair Trade Commission (JFTC) procedures are perceived to be fair and transparent.The United States welcomes the report of the Advisory Panel on Basic Issues Regarding the AMA and looks forward to the implementation of many of its recommendations.he United States urges Japan to take measures to improve further Japan’s competition environment.

 非競争的な習慣に対する強くて有効な独禁法実施は日本人の消費者だけではなく、日本経済にすばらしい利益を提供するだろう。同時に、独禁法の実施方針が競争促進的行為を妨げず、公正であって、日本公正取引委員会の手順が透明であると知覚されるのを保証するために注意しなければならない。合衆国は、基礎的問題に関する独禁法の上の諮問機関のレポートを歓迎し、推薦の多くの実現を期待している。合衆国は、さらに日本の競争環境を改良する対策を実施するように日本に促す。

提言の要点

Improving Antimonopoly Compliance and Deterrence: Strengthen administrative sanctions against cartels; promote use of JFTC’s leniency program; increase effectiveness of criminal enforcement; avoid surcharges on unilateral conduct; review AMA exemptions on international aviation and shipping; revise Distribution Guidelines; adopt pre-notification system for stock acquisitions; ensure competition during postal privatization; hire more outside legal professionals and economists.

独占禁止コンプライアンスの改良と抑止: カルテルに対して管理制裁を強化する; JFTCの寛大さプログラムの使用を促進する; 犯罪の実施の有効性を増加させる; 一方的な行為のときに課徴金を避ける; 国際航空と出荷のときにAMA控除を見直す;配分のガイドラインを改訂する; 株式取得のプレ通知システムを採用する; 郵便の民営化の間、競争を確実にする; より多く、外部から法的な専門家とエコノミストの雇う。

Improving Fairness and Transparency of JFTC Procedures: Enhance credibility of hearing procedures; clarify conditions necessary to move to a pre-order hearing procedure; improve regulations on JFTC warnings.

JFTC手順の公正を改良して透明に: 公聴会手順の真実性を高める; 事前注文公聴会手順に動くのに必要な状態をはっきりさせる; JFTC警告で規則を改良する。

Addressing Bid Rigging: Strengthen penalties against bid rigging; prevent government-assisted bid rigging and address conflicts of interest in procurement; expand administrative leniency programs; improve procurement practices.

談合入札への取り組み: 談合入札に対して刑罰を強化する; 調達で政府によって補助された談合入札と利害対立を防ぐ; 行政のプログラムを寛大に広げる; 調達に関する慣行を改良する。

商法と司法制度改革

A commercial law and legal systems regime in Japan that recognizes the realities of the global market and reflects best international practices will encourage efficient business practices and structures that will strengthen the Japanese economy. Essential aspects of a modern commercial law system include laws that will facilitate rather than impede cross-border investment and corporate governance mechanisms that promote management accountability to, and full participation by, shareholders. Japan should also ensure that international legal services can be provided in an efficient and cost-effective manner. The United States urges Japan to take measures to further improve Japan’s commercial and legal environments.

 世界市場の現実を認識し、最も良い国際的な習慣を反映する日本の商法と法的なシステム政権は日本経済を強化する効率的な商習慣と構造を奨励するだろう。現代の商法システムの不可欠の局面はそれが国境を越えた投資、それが管理責任を促進するコーポレートガバナンスメカニズム、および株主の全面参加を妨害するよりむしろ容易にする法を含んでいる。また、日本は、効率的で費用対効果に優れた方法で国際的な司法サービスを提供することができるのを確実にするべきである。合衆国は、さらに日本の商業的、そして、法的な環境を改良する対策を実施するように日本に促す。

提言の要点

Promoting Efficient Restructuring and Shareholder Value: Review the success of introducing triangular merger techniques for cross-border acquisitions; protect shareholder interests in anti-takeover measures.

効率的な企業再構築を促進して、株主の利益を確保する: 越境獲得のための三角形の合併のテクニックを導入する成功を見直す; 反の接収測定における株主の利益を保護する。

Strengthening Good Corporate Governance: Encourage active and appropriate proxy voting; protect shareholder interests through independent directors; ensure sufficient protection of minority shareholders.

コーポレートガバナンスの強化: アクティブで適切な委任投票を奨励する; 独立しているディレクターを通る株主の利益を保護する; 少数株主の十分な保護を確実にする。

Protecting Foreign Firms Legitimately Doing Business in Japan: Adopt redomestication procedures that allow a foreign company to merge or convert into a Japanese corporation; ensure that Article 821 does not have adverse effects on the legitimate operations of foreign companies.

合法的に日本のビジネスをする外資系企業を保護する: 外国会社が合併するか、または日本の会社に変えられる再家畜化手順を取り入れる;会社法821条が外国会社の正統の操作に悪影響を及ぼさないのを確実にする。

Achieving Legal System Reform: Permit professional corporations and branching by foreign lawyers (gaiben); allow Japanese lawyers to associate freely with international legal partnerships; revise minimum qualification criteria for gaiben; promote arbitration and other alternative dispute resolution.

司法制度改革: 専門家法人と外国人弁護士(ガイベン)を許容する; 国際的な法的なパートナーシップと日本人の弁護士を自由に交際させる; ガイベンの最小の資格評価基準を改訂する; 仲裁と他の裁判外論争処理を促進する。

透明度

Transparent regulatory and policy-making practices are a cornerstone of any good business environment. While a number of improvements have been made in Japan in recent years, such as the introduction of a more meaningful public comment procedure, actual experience clearly indicates that such improvements are not being uniformly implemented across the Japanese Government. The United States continues to urge Japan to further improve its business environment by taking new steps that ensure consistent application of high transparency standards, including by creating new rules as well as promoting best practices. The United States looks forward to cooperating with Japan to promote higher transparency standards in the Asia-Pacific region.

 透明な規定、方針を作る習慣は良い経営環境の礎石だ。多くの改善が成し遂げられたのに対して、いっそう有意義な公共の批評手続きの導入のような実際経験が日本で為されていないのは、日本政府がこのような改善を一様に実行していないことを明確に示している。合衆国は、新しい規則を作成し、最も良い習慣を促進することによって高い透明な規格、包含の一貫した適用業務を確実にする新しい方法を取ることにより、経営環境をさらに改良するように日本に促し続ける。

提言の要点

Advisory Groups: Implement new rules to ensure transparency and access for stakeholders to provide input into government-appointed advisory groups; develop and promote transparency best practices for such groups on a government-wide basis.

諮問団: 新しい規則を与え、透明とアクセスを確実にし、利害関係者は入力を政府が指定している諮問団に提供する; そのようなグループのため、政府全体ベースで透明最も良い習慣を開発し、促進する。

Public Comment Procedures(PCP): Ensure agencies give public comments ample consideration; take steps to lengthen the public comment period; evaluate the current effectiveness of the PCP to identify other areas to improve its implementation.

パブリックコメントの手順(PCP): 政府機関が十分な考慮をパブリックコメントに十分な考察を払うことを保証する; パブリックコメントの期間を伸ばす;その実装を改善するため、他のエリアを識別するためのPCPの流動有効性を評価する。

Regulatory Transparency: Require Ministries and Agencies to make public in writing their regulations and any statements of policy or generally applicable interpretations regarding those regulations; promote use of ‘plain language’ regulations.

規定の透明性: 内閣と政府機関が、彼らの規則と方針か一般に適切な解釈のそれらの規則に関するどんな声明も、書く際の公表するのを必要とする; 「普通語」規則の使用を促進する。

Strengthen International Cooperation: Intensify bilateral work to promote higher transparency standards in the Asia-Pacific, such as through ensuring active implementation of APEC Transparency Standards.

国際協力の強化: アジアパシフィックにおける、より高い透明規格を促進する共同作業を激化させるAPEC透明性基準の実施のための首脳声明の活発な実現を確実にする。

その他の通商に関する政府慣行

The United States urges Japan to undertake regulatory reform in a number of other areas to help create new opportunities as well as ensure efficient competition by creating a level playing field. Full liberalization of sales of insurance products through banks, for example, will help enhance competition and consumer choice. Holding insurance cooperatives to the same regulatory supervision that private insurers must meet will also help provide for a sound, competitive insurance market for Japanese consumers. In addition, the U.S. urges Japan take a number of steps to facilitate trade in agricultural products in ways that expand consumer choice while rooted in science-based international standards to ensure a safe food supply for Japanese consumers. The business environment for foreign nationals can be improved via streamlined consular requirements.

 合衆国は、平等な競争条件を作成することによって新しい機会を作成し、効率的な競争を確実にするのを助けるため、他の多くの領域で規制改革を引き受けるように日本に促す。例えば、銀行における、保険商品の販売の完全な自由化は、競争と消費者による選択を機能アップするのを助けるだろう。また、個人的な保険会社が満たさなければならないのと同じ規定の指揮に保険協同組合を保つのは、健全な日本人の消費者の競争の激しい保険市場に備えるのを助けるだろう。さらに、米国は、農産物の中で日本人の消費者のために安全な食物供給を確実にするために科学ベースの世界規格に根づく間に消費者による選択を広くする方法で、商売の便宜を図るために多くの方法を採る。領事の要件で外国人のための経営環境を改善し、合理化することができる。

提言の要点

Liberalize Bank Sales of Insurance: Ensure the bank sales channel for insurance products is fully liberalized no later than the end of 2007.

保険の銀行販売を自由化する: 保険商品のための銀行の販売チャンネルが2007年の終わりまでに完全に自由化されるのを確実にする。

Insurance Cooperatives: Build on recent progress to secure a level playing field between private companies and cooperatives (kyosai) that offer insurance by taking new steps to hold them to the same obligations as applied to private insurers.

保険協同組合: 個人的な保険会社に適用されるのと同じ義務にそれらを保つため、新しい方法を取ることによって保険を提供する民間企業と協同組合(共済)の間の平等な競争条件を保証する。

Consular Issues: Revise the re-entry permit requirements to minimize burdens on visa holders in Japan.

領事の問題: 日本のビザ所有者で重荷を最小にするという再入国許可要件を改訂する。

Practices Related to Agriculture: Facilitate trade by applying science-based standards to assess substances used on organic crops; complete the review of food additives recognized as safe by relevant international organizations and used widely throughout the world; ensure measures that enforce maximum residue levels are the least trade restrictive possible; implement international standards in animal health and related measures.

農業と関連した習慣:有機農産物で使用される物質を評価するために科学ベースの規格を適用することにより、商売の便宜を図る; 関連国際機関で安全で中古であるとして世界中で広く認識された食品添加剤のレビューを終了する; 許容残留量を実施する測定が可能な最少の貿易限定語であることを確実にする; 動物健康と関連する程度の世界規格を実行する。

Special Zones for Regulatory Reform: Strongly promote new approaches in Japan’s Special Zones program; apply more zone measures nation-wide.

規制改革のための特別なゾーン: 強く日本のスペシャルゾーンプログラムにおける新しいアプローチを促進する; より多くのゾーン測定を全国的に適用する。

民営化

The United States continues to take great interest in Japan’s effort to privatize and reform Japan Post. The United States recognizes the potential benefits for Japan’s economy if these steps are taken in a fully market-oriented manner. The United States also views it essential that these reforms are undertaken transparently and bring about a level playing field between Japan Post and private sector competitors in Japan’s banking, insurance, and express delivery markets. The United States continues to urge Japan to take necessary steps to ensure equivalent conditions of competition are achieved in these markets.

 合衆国は、日本の郵政公社を民営化し、改革するための努力に関心を持ち続ける。市場指向の完全な方法を取るなら、合衆国は日本の経済として潜在的利益を認識する。また、これらの改革が日本の銀行業、保険、および速達市場で日本郵政公社と民間部門の競争相手の間で透明に引き受けられ、平等な競争条件を引き起こすのが不可欠な状態と見る。合衆国は、競争の同等な状態がこれらの市場で獲得されるのを保証するため、必要な手段を取るように日本に促し続ける。

提言の要点

Level Playing Field - Savings and Insurance: Ensure the new postal financial institutions meet tax, legal, and regulatory obligations and are subject to the same supervisory standards as private firms; ensure these institutions do not actively leverage their Government ties to secure new advantages.

平等な競争条件--貯蓄と保険: 新しい郵便の金融機関は税金、法的で、規定の義務を満たし、民間企業と同じ管理の規格を受けることを確実にするい; これらの団体が新しい利点を保証するため、活発にそれらの政府と結びついた投機しないことを確実にする。

Competitive Conditions and New Products: Create a level playing field in Japan’s banking and insurance sectors before postal financial institutions are permitted to introduce new lending services, underwrite new or altered insurance products, and originate non-principal-guaranteed investment products.

競合条件と新製品: 郵便の金融機関が新しい貸すサービスを導入するのが許可される前に、日本の銀行業と保険部門で平等な競争条件を作成し、新しいか変えられた保険商品を署名し、非保証の投資金融商品を創作する。

Level Playing Field - Express Delivery: Apply equivalent customs clearance procedures for items handled by Japan Post Service as applied to private express carriers for similar actions, including application of the “duty declaration” system to EMS items; adequately disclose relationships and ensure cross-subsidization does not occur between competitive and non-competitive services.

平等な競争条件--速達: EMSアイテムに「任務宣言」システムのアプリケーションを含む類似した行動のために民間の明らかな航空会社に適用されるので、日本郵政公社サービスによって取り扱われるアイテムの等しい通関手続き手続きを適用する; 適切に関係を明らかにし、交差している助成金の支給が競争力があって非競争的なサービスの間に起こらないのを確実にする。

Transparency: Ensure strong transparency in the implementation of Japan Post reforms, including providing interested parties meaningful opportunities for input and exchanges of views as the process proceeds; conduct regular reviews of the impact of the reforms on markets and invite input from all parties.

透明性: プロセスが進行するので、利害関係のある党に入力の意味がある機会を提供することを含む日本郵政公社改革の実行と見解の交換の強い透明性を確実にする; 市場で改革の影響の定期的なチェックを行い、すべての党からの入力を求める。

流通

Boosting productivity, increasing efficiency, and opening new opportunities in Japan's distribution system is critically important for sustaining Japan's economic growth. The United States therefore applauds Japan’s efforts to lower fees for airport use and the results of the recent U.S.-Japan Civil Aviation agreement that provide for increased access for cargo and commercial airlines. The United States requests that Japan take further steps to lower distribution costs, increase transparency, and ensure a level playing field for all industries, including retailers, airlines, and express delivery companies.

 日本の経済成長を支えるには、日本の流通制度における生産性、増加する効率、および初めの新しい機会を上げるのは批判的に重要だ。したがって、合衆国は貨物と民間航空のために空港使用のために料金を下げるための日本の努力、増加するアクセスに備える最近の日米民間航空協定の結果を称賛する。合衆国は、日本が配布経費を下げるために更なる処置をとり、透明度を増し、小売業者、航空会社と明らかな配達会社を含むすべての産業のため、公平な競争の場を確実にするよう要求する。

提言の要点

De minimis: Streamline customs procedures by increasing the Customs Law’s de minimis level.

最小の: 税関法を最小化することにより、通関手続きを合理化する。

Airport Expansion and Operations: Ensure all airport operational changes develop with appropriate public input and transparency.

空港拡張と操作: すべての空港の操作上の変化が適切な公共の入力と透明で展開するのを確実にする。

Parking Spaces: Expand the availability of temporary parking slots in urban areas for distribution vehicles.

駐車場: 配布車両のため、市街化区域の一時的な駐車スロットの有効性を拡大する。

Customs Procedures: Standardize customs procedures for all packages to ensure a level playing field for all delivery agencies.

通関手続き:すべての配達エージェンシーのための公平な競争の場を確実にするため、すべてのパッケージのために通関手続きを標準化する。

 以上、2007年度版、アメポチどもへの指令書の要点部分。

 気が向けば、残りの部分もやるかも知れませんが、何をどう考えても、私が全て訳し終えるまでに大使館サイトに訳文がアップされそうなので、多分やりませんw

 て言うか、ここまでやれば、クソッタレのアメ公が何を望んで何を要求してきているのか、大体は分かるでしょう。

 後は、気になった部分を各自勝手に調べれば良いのではと思います。

 英文のPDF版はここです。

日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書

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2007年10月20日 (土)

年次改革要望書にぬかづく卑屈な買弁勢力!!

                           
 友人から今日メールが届いた。内容は10月18日の年次改革要望書(最新)についてであった。
**************************************************************************
 今、10月18日付 年次改革要望書を読んでいるところですが、7ページにいろいろな話がありますね。このページには食料の安全基準も国際基準に統一しろとあったり、2007年末までに銀行での保険販売の完全自由化を認めろと、よくもまあ、あと2ヶ月で決めろと言ってくるモンですねえ。共済も民間と同条件にしろって、郵政だけでは物足りないんでしょうか、国際泥棒機関、、、じゃなかった国際金融資本は。
 詳しいことは、最初のほうの7ページのところと、Annex-32からAnnex-33に書いてあります。

http://www.ustr.gov/assets/Document_Library/Reports_Publications/2007/asset_upload_file751_13383.pdf
******************************************************************************

  う~む・・、私は英語が苦手なのでうまく和訳できないが、堪能な方は英語版の該当箇所を読んでいただきたい。たとえば7ページにあるRECOMMENDATION  HIGHLIGHTS  に下記のような記述があるが、共済は民間保険業者と同様な条件に義務付けるように提案(実際は命令であるが)している。しかし、少し考えればアメリカの暴力的な押し付けが良く現れていることに気付く。共済システムというものを野蛮な国際市場原理に無理やり引きずり出し、それをパワーロジックだけの競争原理にさらすことが正義だと言っているのである。市場原理と共済システムは絶対に整合(親和)しない。なぜなら共済の概念が共生思想にもとづく相互扶助だからだ。日本人はアメリカの論理構造に飲み込まれてはならない。きちんと日本を打ち出せばいいのだ。

Insurance Cooperatives:
Build on recent progress to secure a level playing field between private companies and cooperatives (
kyosai) that offer insurance by taking new steps to hold them to the same obligations as applied to private insurers.

 ここには「共済:kyosai」とわざわざ日本読みで記載されているが、よっぽど日本型の共済システムを破壊したいらしい。共済と言えば、私も入っているのですぐに農協の共済を思い浮かべるが、彼ら(米国系国際金融資本)は日本の農業協同組合の権益を狙っているのかもしれない。ご存知のように、共済とはある地域の共同体的特異性によって築かれた相互扶助的金融機関である。おそらくこの起源は村落共同体の「助け合い講」ではないだろうか。こういう性格の組織が国際金融市場に整合するはずがないし、させる理由もない。注意した方がいい。農協が果たして農家のお役に立っているかどうかは別にして、農協が抱えている膨大な金融資産は国民の汗の結晶である。郵政資金と同様に彼らがこれに目をつけることは充分に考えられるのだ。話は少し違うが、今、連日ニュース沙汰にされている老舗の菓子「赤福」の信用失墜も裏に外資の暗躍があると私は思っている。国際金融資本(外資)が日本全域の神社仏閣の敷地や境内利権を狙っていると言ったら驚くだろうか。いわゆる神仏施設の利権も確実な有産空間であることを鑑みれば、それもあり得ない話ではない。銘菓「赤福餅」は、江戸時代のお伊勢参りの頃から知られていて、創業300年の伝統を誇る老舗中の老舗菓子だ。もしかしたら、この会社の乗っ取りをたくらんでいるおおもと(外資)がいるのではないかと私は疑っている。

 赤福餅は、大きく考えれば日本全国の神社の総本山である伊勢神宮の境内利権として考えられなくもない。外資はゴルフ場、ホテル、温泉地を含めた観光地利権のみならず、日本人の魂の故郷である神社仏閣にまで毒手を延ばそうとしているのではないのか?ところで、今、外資が急激に破壊しつくそうとしているものは、旧来の日本型システムや伝統構造なのである。その意志はすでに1980年代から熾烈になっていて、日米構造摩擦を生んだ。彼らが憎み、壊そうとしているのは、その国独自の多様な固有性や伝統文化なのだ。グローバリズムとは国家や民族の多様性をすべて悪と規定して、無国籍で単純な市場社会に世界を平滑化することである。そしてそこで行なわれることは金融資本強者による徹底した収奪と搾取なのである。ネオリベ経済体制とは、この悪魔の経済体制を敷いて、狙った国を内部から破壊する方策である。小泉政権は完全にこれに加担した買弁政権だった。つまりは国賊政権だったのである。これを経済理論的、実践的に主導した張本人が竹中平蔵氏であった。

 メールを送ってくれた友人が次のようにぼやいていた。

 「要望書で命令されるや否やこのすばやい対応!情けないですねえ。」

 金融庁、及び自民党の財務金融部会と金融調査会は、この年次改革要望書に対して、パブロフの犬のように間髪入れずに反応している。これじゃ植民地の自治部会(傀儡政権)が、宗主国の命令に慌てふためいて恭順の意を捧げていることと同じじゃないか。我が国は何と言う情けない国に成り下がっているのだろうか。

      http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071018-00000015-fsi-bus_all

    保険窓販、全面解禁へ 12月から 自民、22日にも了承
10月18日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 自民党の財務金融部会と金融調査会は17日、合同会議を開き、契約者保護の明確化を図ることなどを条件に保険商品の銀行窓口販売の全面解禁を容認する方針を固めた。22日にも最終的に了承、保険窓販は予定通り12月に全面解禁される見通しとなった。

 金融庁が、新たに契約者保護を盛り込んだ銀行、保険会社への監督指針改正案などを提示。保険商品販売後の銀行と保険会社の業務分担の明確化や必要な態勢整備、顧客情報利用の事前同意などについて適切な措置を講じることを求めるとともに、全面解禁後もモニタリングを行い、検査、監督を通じて厳正に対応するとした。1~3年程度で弊害防止措置の見直しも行う方針。

 自民党側はおおむね賛同を示したものの、日本では銀行の立場が強いことを指摘し、透明性確保のため、役割分担の内容を公表するなど具体的な規定を監督指針に盛り込むよう求めており、22日に改めて部会を開いて結論を出す。

 保険窓販は、2001年以降、段階的に解禁されており、05年12月の第3次解禁の際、移行期間中に問題がなければ今年12月22日に定期保険や自動車保険、医療保険など保障性商品を含め全保険商品に拡大する方針が決まった。

 金融庁は9月18日の金融審議会で問題は少ないとの調査結果を説明し、予定通り解禁する方針を示したが、自民党内から銀行による押しつけ販売などに懸念を示す意見が出て、契約者保護策の拡充を求めていた。

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植草事件に思う(いかりや爆さんから)

 いかりや爆さんという方から真摯なコメントが寄せられたのでここに掲載
する。いかりや爆さん、ありがとうございます。

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  ◎植草事件に思う

10月16日東京地裁における判決公判で、植草氏懲役4ヶ月が言い渡され
た。植草氏には真にお気の毒である。あらためて、検察、警察、裁判官へ
の憤りを禁じえない。

 私は昨年この事件直後の9月19日、「阿修羅」政治板で今回の有罪結果
となるだろうことを予想した投稿をした、結果はその通りとなった。以下にさ
わりの部分を紹介します。

”” 今回の事件で起訴されれば、彼は間違いなく有罪だろう。
「冤罪かどうか、公正な裁判を待つしかない」という人がいる。
前回の事件を前提に考えると、公正な裁判など期待できるわけが無い。
残念ながら彼の無罪はありえない。
最高裁まで行けばどうかわからないが、最高裁まで無罪を主張して争うなら、
前回事件で争うべきだった。前回よりも単純だが手口が巧妙化?している。
前回事件に対する疑念が晴れない限り、今回事件も操られた事件とみる
ほうが妥当だろう。””

 手鏡事件のときは、植草氏は当日横浜市での講演を終えて横浜駅構内に入った時点から
二人の警官が彼を尾行していた。
殺人事件などの、犯罪容疑で被疑者を尾行することはあり得るだろう。痴漢を微罪とまで
は言わないが、税金を使って警察が痴漢するかしないかで一般人を尾行するなんてあり
得ない。

 縄張り意識の強い警察官がわざわざ、管轄外の品川駅構内まで尾行している。何らかの
意図をもって、または使命を受けて植草氏を尾行していたと言う意外にない。

 しかも事件当日の現場の防犯カメラの提示を求めたにも拘らず、警察側は隠蔽工作する
など警察にあるまじき不正行為である。

 さらに言えば、手鏡を出して覗いた現場で身柄を確保したわけではなく、たまたま交番に
連行したら、ポケットから手鏡が出てきたので、「お前、手鏡で覗いただろう」という極めて
悪質な推定によるでっちあげ事件と言わなければならない。

 「一体、こんな判決ってありかよ!」と思わせる有罪判決なのだから、この事件は、どう
みても、「検察、警察、裁判官がぐる」でなければあり得ない事件だった。

 京浜急行電車内での件での私の第一の直感は、「畜生!またやりおった」というもので
す。普通女子高校生が午後10時過ぎの電車には、特別の理由が無い限り乗らないだろ
う。

 午後10時過ぎの電車であれば、朝のラッシュアワーのような、すし詰め状態は考えられ
ない。もしいかがわしいおじさんがいれば、普通の女性ならば、まず退避行動を起こすは
ず、それをしないで2分間も尻を触られ続けること自体あり得ない。

 これらのことを考慮すれば、当然「仕組まれた」事件であることを前提に弁護活動をすべき
だった。
 最初からすべてを疑ってから、弁護活動の方針をたてるべきだった。つまり、被害者とされ
る「高校生」、「捕まえた二人」、「植草氏に大量の酒を飲ませた人」、またその「酒宴を開
催した人」、ひょっとして弁護にあたった「弁護士」さえも・・・何故なら、今回の弁護の方針
には致命的な欠陥がある。

 弁護側が痴漢事件のあったことを否定していないことや、真犯人がいるとしながら、だけど
「植草はやっていない」という方策を立てて弁護活動をしたことです。何故敢えて検察側へ
の利敵行為をしたのか理解に苦しむ。

 痴漢行為があったことを、前提とするのであれば、控訴しても残念ながら無罪を勝ち取る
のは、難しい。さりとて今更、電車内で痴漢行為そのものがなかったことにするわけにも
いかないだろう。

 それでは防御的弁護を繰り返すしかない。何故、検察側の弱点をつく攻撃的弁護がとれ
なかったのだろうか。

 実は私は手鏡事件のとき、なんとかして世論を喚起するために、某週刊誌にこの事件へ
の疑問を投げかけ、この事件を徹底的に調査してくれるようメールを送ったが、結局「梨の
つぶて」だった。

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2007年10月19日 (金)

植草さん応援も国家回復への重要な道程!!

  今回の裁判は『国策裁判』だ!!

 今回の裁判は我が国の司法が根幹から腐蝕していることをはっきりと示した。今、弁護団と検察のやり取りを逐次例示して、裁く側の横暴性を訴えても効果はないような気がする。それはネットでも散々やってきて要点を示したからだ。それよりも今考えねばならないことがある。この事件、そしてこの裁判の本質がいったい何だったのかということを冷静に見究めることである。

 それは、植草さんが国策捜査による偽装事件に巻き込まれたということに尽きる。私が国策捜査と言う言葉を知るきっかけになったのは、外交官の佐藤優(まさる)さんが著した「国家の罠」という本だった。国家の論理に合わないものに国家が刃(やいば)を向ける。この事実は衝撃的だった。たしか植草さんが拘置所に異常に長く勾留されていた時、愛読した本がこの本だったらしい。

 国策捜査による逮捕とは、簡単に言えば、表面的には庶民的な意味における善悪の論理で逮捕されたように見えるが、その内実は時の権力者が権力遂行に邪魔な者を駆逐(排除)するために行なう政治的な姦計である。国策捜査とは、国家(時の権力中枢)が大きな国家政策(グランドデザイン)を描き、それに沿って国家の在り方を変えようとする時、その動きに邪魔な言論活動をする有識者を社会から抹殺するという目的で行なわれる逮捕である。つまり佐藤優さんの表現をお借りすれば、国家の内在的論理が変化する時、それに合わない考えを持つ影響力の大きい有識者の口を封じるために行なうのが国策逮捕だと私は受け止めている。国家の計、つまりは国家のグランドデザインを大きく変えるという国政転換は、いつの時代も起きたし、これからも起こるだろう。

 そのこと自体は歴史の必然性によっているし、結果的には為政者の方針に国民も従うから問題はない。問題は国家の姿勢が、反国益を指向し、伝統や文化の完全破壊を起こすような転換を目指した時である。つまり、国民の幸福からかけ離れたような国政デザインがひそかに描かれ、それが国民を欺く形で実行された時である。小泉政権はこれに該当する欺瞞の政権であった。国民をあざむいて密かに立案された国政デザインこそが、アメリカの年次改革要望書に盛り込まれた国益毀損のネオリベ政策であった。アメリカの飼い犬となってこれを無謀にも遂行した連中が、小泉純一郎氏や竹中平蔵氏、彼らに与した買弁連中だった。彼らは建国以来の国家破壊者として歴史に名を残すだろう。植草さんのように人間としての良心を曲げず、並外れた洞察力と観察眼を持つ者は、いち早く小泉官邸主導の国家的危険性を見抜き、随所で警告を発していた。これが売国買弁勢力の逆鱗に触れ、植草さんは国策捜査の歯牙にかけられたのである。

 国策捜査、これが通常の意味における冤罪とはまったく異なる論理構造を持っていることは、私やその他の人々が散々説明してきた。植草さんは1998年の東海道線車内の件、これは冤罪なのであるが、この一件が、その後に続く二度の『痴漢偽装事件』に徹底的に利用されたということだ。植草さんに関する国策捜査とは、そこまでの入念な計画性を持って行なわれている。そしてこの最終目標はまだ終わっていない。国策的意図における「植草さん破滅計画」は現在も続行中なのだ。マスコミも、裁判所も、無実の植草さんを病的性癖の持ち主だとして、まったくいわれのないイメージを植えつけることに奔走した。事件後に洪水のように垂れ流された初期報道は異常に偏っていた。誤まった画一的な報道が嵐のように全国を吹きまわり、植草さんのイメージを徹底的に毀損した。この報道様態の異様さにこそ、この事件に込められた大掛かりな作為性が露骨にあらわれている。

 世間では痴漢事件は推定有罪率99パーセント以上という観点でこの事件を捉えてしまいやすいが、それは一面の話であって、完全無実の植草さんが、実際に有罪判決を受けたことは、99パーセント以上の推定有罪を下す司法の悪習、慣習の埒外で起きたことだ。どういうことかと言えば、裁判所が他の権力の指図に従ったからである。つまり植草さんの有罪決定の場合は、国策捜査という小泉前政権官邸主導の内在的論理の働きによって決められていたと考えて間違いない。こう言うと、植草さんを嵌めた犯人が抽象的で漠然とした政権を指し示しているように思われるかもしれないが、計画を立案し、実行したグループとして、明らかに特定の人間集団が存在している。彼らは権力中枢に近い人間だ。彼らを明るみに引きずり出す必要がある。

 裁判を不当裁判と言うのは容易いが、私は敢えてこの裁判を「国策裁判」と言いたい。事件の偽装性を証明するこれだけ明らかな事例が挙がっているにも関わらず、裁判所はそれを採用する気は毛頭なく完全黙殺だった。言えることは、国家の腐蝕した内在的論理に裁判所も与(くみ)したということだ。

 この状況で植草さんは戦わねばならない宿命を背負った。しかし、やる気ならば私もA氏も、他の人々も一緒に戦う腹を決めている。植草さんは一人ではない。我々の対峙する相手も同じなのだ。なぜなら植草さんとともに戦うことは、ここまで疲弊した国家を再建することに直結するからだ。郵政民営化という稀代の悪法が完全実行されると、国家が危殆に瀕することを見抜いている人たちが大勢いる。彼らも、そのことと植草さんの国策逮捕は同じ原因から出ていることを感得しているはずである。そうであるならば、是非にも植草さんを応援して欲しいと思う。個人的には、このお人が女性の苦痛を考えずに痴漢行為に及ぶなどということは天地がさかさまになってもあり得ないという確信を得ている。しかし、彼がいい人です、優しい人ですというファン心理だけで応援しても効果はまったくない。植草さんが行なった痛烈な小泉政権批判に、彼が国策捜査に嵌められた主因があるのだ。もう少し大きな言い方をすれば、ここ二十年くらいでどんどん駆逐されてきた残り少ないケインズ派エコノミストの最後の良心が狙われたのである。

 つまり、日本がたどってきた戦後政治の在り方が、小泉政権樹立によって、ある大きなターニングポイントを迎えたように国民は思っているが、実はこの変換が、自生的、自立的なダイナミズムで行なわれたのではなく、百パーセント、アメリカによる日本改造指令に基づいて行なわれたのだ。従って、植草さんが指摘したように、小泉構造改革は国民総意のもとで行なわれたように見せかけられたが、その実体はアメリカによる日本改造計画の実行だったわけである。その結果として、日本は格差社会が固定化しつつあり、傾斜配分がますます顕著になってきた。国民は暮らしに不安が募るばかりであり、若者は将来への希望を喪失した。経済苦の自殺者は増大するばかりである。貧乏人はどんどん貧乏になってきた。昔、中流階級と言われていたごく普通の家庭が今や、預金を切り崩しながら生活している現状である。このどこがまともな国家だ。

 これを読まれている読者さんに声を大にして言いたいが、植草さんこそ、現状日本における救世のエコノミストであることを知ってほしい。彼が庶民の幸福を保持し、国益毀損を防ごうとしたから売国連中に嵌められたんだということをどうか冷静な眼で捉えて欲しい。今までの国政の推移を眺めれば、植草さんが巻き込まれた偽装事件の本質が見えてくる。

 我々が植草さんを救うということは、我々が植草さんに救ってもらうことになるのだ。植草さんの経世済民思想が日本に生かされれば、この国は健康を回復する。植草さんが蒙った偽装事件を、戦後史の重大な事件として捉える必要がある。植草さんを有罪として放っておいたら、我々自身が住むこの大切な日本が米国や国際金融資本の狩場と化して有益なものは根こそぎ奪い取られてしまうのだ。植草さんを助ける行為は、一般庶民が米国の収奪現状から脱出し、健康な社会を回復する糸口をつかむことにもなるのだ。そのことをわかってほしい。

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2007年10月18日 (木)

堂々と国策捜査で打って出て欲しい!!

  ある支援者の方から、私が送ったメールに対して一通の返事が届いた。この方とは何度か支援のことで話し合っているが、返事のメールに出ていた気持ちは、ほとんど今の私の気持ちと同じものなので、ご本人の了解を得てここに掲載する。

(筆者が送った16日のメール)
*******************************************************************************
○○○○ 様

 おはようございます。昨日結審公判に行ってきました。Aさんに代表して傍聴していただきました。今までのマスコミ報道や裁判官の質問の仕方などから、ある程度は今回の帰結を予想していましたが、実際にそうなってみるとやっぱり強いショックと虚無感に襲われます。私は裁判官の常識や人間性に一縷の希望を持っていたので本当に残念です。彼らはゆがんだ権力機構の走狗としかいいようがない。怒りがこみ上げて仕方ありません。

 Aさんが傍聴したのでブログに簡単に書きました。無力感があります。日本の司法はここまで堕落を極めているんですよ。無実であっても、実際に相当数の無実の証拠を突きつけても、さも当然のように支離滅裂な検察側証言を百パーセント汲み取る裁判官に熾烈な怒りを覚えます。このどこが法治国家、民主国家でしょうか。

 今の権力機構は一部の金持ち連中と国際金融資本を利して国益を毀損することにしか機能していませんよね。事実上の警察国家です。権力の恣意性によって無辜の民がどんどん毒牙に噛み砕かれます。このままじゃ北朝鮮並みになるのは時間の問題でしょう。植草さんは最初から国策捜査で突き進むべきでしたね。

 http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/10/1016_9c5e.html

                      高橋博彦

*********************************************************************
(17日に来た返事)

高橋さん、メールありがとうございました。

 判決についてはTVの報道で知りましたが、「やはり」と思いました。
無罪判決を勝ち取るにはあなたの指摘のように作戦を正面から国策逮捕の線で
戦わなければ勝ち目はないでしょうね。
前の2回の件についてもきっちり冤罪を主張すべきだったと思います。

 植草さんが控訴後、どのように戦うかそれ次第でしょうね。
とても酷な言い方ですが、
私は死ぬ覚悟で家族と自分のために、そして彼を信じている人たちのために
戦い抜くように願っています。
 限りある命、彼が現世で救われる道はそれしかありません。
今は彼にとって自分自身の生まれてきた使命をまっとうする試練の時です。
そのような前世の縁をしょってきているひとなのだと私は思っています。

 彼が真に覚醒し、果敢に挑戦していくことが道を開く事になると信じています。
まわりは所詮、まわりです。すべて本人次第です。
現行の社会システムがそうである限り、司法の内幕がいくらひどかろうと
その中で勝利を勝ち取ることしかありません。
ただ、ただ、攻撃があるのみです。
罠に落ちた自分をいくら振返り、悔やんでみても始まりません。

 もし植草さんにお会いすることが可能なら、私はこう言いたいのです。

しばし心を休ませた後、
怒りをもって立ち上がってください。それがあなたの使命です。
あなたがそうするならば、応援します。

  ○○○○より

*******************************************************************

  この支援者さんの思いはほとんど私やA氏の思いに等しい。我々に限らず、ゆうたまさん、mojoさん、その他の方々、実に多くの支援者さんが、この10ヶ月、検察側証人の数多くの矛盾点や瑕疵を発見し、そのつど、詳しく指摘しており、それはいちいち納得できることだった。しかし、結審において裁判官の判決は、決定的な目撃証人の言い分を頭ごなしに無視、徹底して検察側証言を是として採用するという結果になった。この裁判は明らかに暗黒裁判の様相を呈していると言わざるを得ない。植草さんご本人も語っているが、この裁判は法を適正に運用すれば有罪の余地はまるでないものだ。ところが裁判官の裁定は著しく法の適正さを欠いており、弁護側の言論をほとんど採用しないという異常な結果に終わった。この異常に偏った裁定基準と、事件初期からマスメディアが報道した一方的な印象操作はけっして無関係ではない。なぜならこの偽装事件の本質は、品川偽装事件及び京急偽装事件ともに、1998年の東海道線で起きた冤罪事件を徹底的に利用した国策捜査だからである。あとで展開するが、この国策捜査を実行した連中は、三度の事件の連続性を利用し、植草さんに対して虚構の性癖イメージを植えつけた。その理由は、メディアをフルに使って国民をごまかし続けた小泉政権の反国益性、そして経済犯罪の事実(りそなインサイダー疑惑)を、植草さんに暴かれて欲しくないからだ。

 私のような無名の一般人が言うのはおこがましいのだが、植草さんはしばしば「歴史に学ぶ」ということを語っている。私も上記のメールと同様にはっきりと申し上げるが、植草さんはこの第一審に用いた公判戦略、その経過、そしてその結果を深く見つめ、ご自分の命運を左右することになったこの裁判の歴史的な現実を乗り越えて欲しい。

 個人も、社会も、それぞれが実存的存在であるとともに歴史的な存在でもある。より良い未来を形成するには、この歴史の失敗から何か教訓を得ることだと私も思う。本当に私も酷な言い方をするが、植草さんには第一審で用いた公判戦略の完全な失敗をとことん突き詰めて欲しい。二度にわたる弁護団の皆さんがどのような思想で弁護方針を定めたのか知る由もないが、裁判の素人の私が見ても明らかに効果の少ない闘い方だったという印象はぬぐいきれない。私は第二回公判を傍聴しているが、検察側の目撃証人は「私服の男性が」と確かに言い放っている。ところが弁護団はその肝心な言葉をいっさい追及しなかった。また刷新された新弁護団が展開した「犯人誤認説」は初期から最悪の戦略だった。私はこのような曖昧で妥協的な戦略は必ず逆手を取られると予想していたが、果たしてその通りの結果になってしまった。

 そもそもこれは国策捜査なのだから、これには痴漢犯罪そのものが生起していなかった。従って偽装犯罪論を前提として、これに一貫性を持たせるべきだったのだ。私もA氏も同じ考えだが、今後、植草さんは第一審で展開した弁護方針はいっさい捨てて、国策捜査論一点張りで立ち向かって欲しいと思う。なぜなら裁判官と検察の蜜月関係が揺るがないなら、どのような公判戦略をもってしても結果は同じだからだ。それなら歪んだ司法と検察を相手に、堂々と国策捜査論を戦略の礎(いしずえ)として打って出るべきだと思う。植草さんの臨む法廷が、適正な法が適用されない魔窟だとしても、戦いの中心はその場所になるから、巨大な相手を睨んで再び真実の開示に挑んで欲しい。そうすれば植草さんは、裁判史上、初めて国策捜査に挑んだ人間として歴史に名を残すことになる。また、その方向にしか真の名誉回復はないと思っている。

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2007年10月16日 (火)

10月16日公判傍聴記(結審)

裁判傍聴記(A氏)

 07年10月16日208名の傍聴希望者のところ20名の傍聴が許され、そのうちの一人として傍聴してきました。

 結果は懲役4ヶ月ですが、すでに勾留された分の60日分を差し引いて懲役2ヶ月とのことでした。裁判官は、弁護人側が、痴漢事件があったことは争わないことをまず指摘し、それで勝敗が決した感があります。被害者や検察側の証人の証言が正しいと仮定して議論が進められました。被害者女性の言うことは正しくて痴漢事件は確かに存在した。悔しいのですが、このことを被告は認めるべきでなかったと思います。

 弁護側は、真犯人説を主張していましたが、裁判官はこれを認めなかったということです。少々位置関係がおかしいとの主張をしても、それ程度の間違いはあることだからということです。目撃者が被告のメガネやカバンを見ていないとか、やせたことに気付かないことは、決定的ではない。混雑程度から考えると、真犯人を見逃すのはあり得ないとのこと。

 被告が「女性に不快感を与えるようなことをした」という発言も、植草氏は否定していましたが、裁判官は証拠としたようです。逮捕者は、利害関係は無いから、証言に信用性があるとかも言ってました。それから、頭を下げ、顔の前に手を挙げて謝るような仕草を植草氏が行ったことも、罪を認めたのだと受け取られました。これも植草氏は否定していましたが、完全に無視です。

 自殺を試みたとしても、そうだからと言って被告が犯人であると仮定してもおかしいわけではない。繊維鑑定にしても、被告人が犯人としても矛盾はない。 弁護人側の証人による証言にしても、真犯人を見たという証言はしていない。この証人は、女性の声を聞いていないし、本当にその車両に乗っていたかわからない。

 被告人が間違えた電車に乗ったのも不自然。乗車してから1分もあったのに降りなかったのも不自然、などと、一方的に検察側の主張を認め、弁護側の主張をことごとく否定しました。残念なことは、この事件が明らかにでっち上げであることを、弁護側が主張しなかったことです。でっち上げであるという数々の決定的な証拠があるのに、その証拠の真偽が全く検討されることもなく、結審してしまったことを非常に残念に思います。

 事件当時、電車に乗り合わせていて、事件を目撃した人が、この不当判決を聞いて、勇気を出して証言台に立つことを期待したいです。それから、控訴審では被告は真犯人説でなく、この事件はでっち上げ(国策捜査)だという主張を正面切ってやるべきだと思います。そうすれば今度は間違いなく勝訴できます。弁護団や植草さんには言いにくいのですが、最初から堂々と国策捜査論で筋を通すべきでした。なぜなら、この事件は、小泉・竹中構造改革路線の反国益性とりそな銀行インサイダー疑惑を徹底的に主張した植草さんが、買弁勢力(注)に睨まれ、その言動を封じるために仕組まれたことなのです。植草さんが巻き込まれた事件は品川手鏡事件、そして京急電車内の事件とも、政治的背景を有した明らかなる国策捜査なのです。

 (注:買弁(かいべん)勢力とは、もともとは貿易商のこと。今では海外と結託して国益を毀損する勢力を言う。ありていに言うなら「売国勢力」である)

             神州の泉・管理人および検証する会A氏

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2007年10月15日 (月)

明日16日は裁判官の公正性を厳格に注視する!!!

 明日16日火曜日は、東京都の迷惑防止条例違反で公判中の植草一秀さんの判決が下される日である。

 この公判は昨年の12月6日、第一回を皮切りに、今年の8月21日まで全部で11回開かれている。この裁判の内容を厳格に注視してきた我々「植草一秀事件を検証する会」は、検察側証言者の致命的な証言上の瑕疵を多数発見するとともに、植草さんが巻き込まれた事件そのものが限りなく「偽装工作事件」であるという結論に到達している。

 特に本年7月4日の第9回公判は、植草さんの完全無辜性を証明する最も重要な目撃証言が出現した結果となった。勇を鼓舞して出廷し、電車が品川駅を出発したあとの犯行時間とされた二分間を、この目撃証人は植草さんの様子をはっきりと注視していたのだ。明らかに植草さんは犯行とは無関係の状況だった。むしろ彼の目撃報告に従えば、二人の男が植草さんを逮捕した状況が、植草さんを被害者とする暴力事件だと認識していた。

 明日、16日の第一審終結公判では、裁判官が判決に当たって、この第9回公判の目撃証言を採用するかどうかにすべてがかかっている。もし裁判官が第2回公判の滅茶苦茶な検察側目撃証人と、第6回の第一逮捕者K氏の矛盾した証言のみを取り上げ、第9回の善意の第三者の目撃証言を採用せずに植草さんに有罪を下した場合、裁判所自体も偽装工作(国策捜査)に加担しているのではないかという重大な疑惑を招来することになる。歪んだ権力に迎合したマスメディアは一方的に植草さんの有罪説を世間に流布したが、我々は少数ではあっても、植草さんの無実を証明する数々の証拠をあげ、主にインターネットで発信してきた。その結果、植草さん冤罪説、あるいは国策捜査説を確信する人々が急増している現状だ。

 この状況で裁判官が有罪判決を下した場合、この事件は単に植草さんが冤罪か有罪かという次元に止まらず、我が国の裁判所の根底的なあり方が問われる歴史的な出来事になることは間違いない。司法の独立性は三権分立の精神が問われる最も重大な国家の尊厳性である。下記の三名の裁判官が公正な判断を下すかどうかは、同時に現状日本の国家の尊厳性が問われていることに等しいのだ。もしも、彼らが他の権力機関の恣意性で裁定感覚が左右されるのであれば、国民は怒りを持ってこの裁判を弾劾しなければならない。

 その意味で明日の判決は戦後裁判史、および戦後政治史の重要なエポックとなるだろう。政治史のエポックという意味は、この事件が国策捜査の性格を有している可能性が大きいからである。

 16日は裁判官の絶対公正性を期待して注目する。
 
裁判長 神坂 尚
裁判官 宮本 聡
裁判官 大村るい


(※明日の判決を前にした今日、ネット上では気になることが起きている。それは『植草事件の真相HP』がダウンしていて見ることができなくなっていることだ。少なくとも私は午前中は見ることができない状況だ。このHPには今までの裁判記録が格納されている。判決を前にしてこの状況は訝しい。)
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2007年10月14日 (日)

Mixiの記事について(A氏の視点)

(※クリックすると鮮明に見ることができます!)
Mixi_2 

 事件発生直後に出されたこの「Mixiの日記」は、2つの特徴を持っている。

(1)明らかに事件に関係した人からの情報を含んでいる。つまり未発表の情報で、3月28日の公判で逮捕者が話した内容「ホームにおりてから、しばらくしてから、駅員を呼んで下さいということを言った。抵抗が激しかったので、呼んでいただいて、それで押さえた方が楽だと思いました。」にぴったりのことが書かれている。

(2)しかし、この内容は嘘だということは明らかである。なぜなら、ホームに降りてから、駅事務室に連れて行き、そこから警察に連絡が行き、更にそこから蒲田駅近くにいたパトカーに連絡がいくまで2分10秒しか掛かっていないという事実と完全に矛盾する。ホームにおりてからしばらくして、駅員を呼んできてもらうには2分10秒ということは絶対にあり得ない。

 この2つのことは次のように考えれば説明できる。

 実際に、逮捕したのは私服警察官であり、3月28日に公判で証言をしたのは替え玉である。Mixiの記述は、逮捕した警察官による偽装工作である。つまりこの警察官は、自分が逮捕したことが発覚するのを恐れ、逮捕したのが、一般人であり、乗客が協力して犯人を逮捕したと思わせるために、自分を一般人の女性に扮して書き込みを行った可能性が高い。そして公判での証言は、知人のK氏に頼んだ。(あるいは某氏に依頼した)

 もし、偽装工作が無かったとして、本当に逮捕した当人がK氏であるのなら、当然、検察側は、K氏を真っ先に、つまり第一回か第二回の公判証言台に立たせただろう。それだけで、裁判は完勝だったはずである。ところが、検察は、K氏を証言台に立たせることなく裁判を終わらせようとした。証言に立たせたのは、デタラメの証言で全く信用性を欠く検察側の証人、証拠にもならない繊維鑑定を行った人、事件にはほとんど関係のないA警官などであり、彼らより遙かに事件に深く関与していると思われる肝心の逮捕者を証言台に立たせないように計らった。しかし、植草氏が弁護士を全員解雇という異例の強硬手段に訴えて対抗手段を取ったため、以後はしぶしぶ逮捕者を出廷させることに検察側が同意せざるをえなくなったという事実を忘れてはならない。

 検察側が恐れていたように、替え玉の証言者は決定的なミスを犯している。その証言上の瑕疵は、彼が事件現場にいなかったのだから無理もない。たとえば車内での逮捕者が自分一人だったと証言したこともその一つだ。実際の逮捕者は2人だったのだが、本当に自分で逮捕したのなら、絶対にそれを間違うはずがない。「ホームにおりてから、しばらくしてから、駅員を呼んで下さいということを言った。抵抗が激しかったので、呼んでいただいて、それで押さえた方が楽だと思いました。」という証言も、事件当時の様子を全く理解していない証左である。

 Mixiの書き込みに関し、小野寺光一氏が詳しい分析を行っているので是非一読することをお勧めします。

http://groups.yahoo.co.jp/group/onoderakouichi/message/221

 以下、実際の記述

この文章において、不思議なことがあります。
1 これはわざわざ、「全体に公開」し、「ミクシ(インターネット上の会員制
コミュニテイサイトのこと)
見れない人用にキャプチャーしました。」
とあります。書かれている内容に比べて、意図的に、この情報を広めようという
意思を感じます。
しかも書かれている内容は、通常の女の子が意図的に多くの人に見てもらおうと
するような内容ではありません。

ここに

「逮捕!

植草教授痴漢で捕まりましたね。
何を隠そう私 逮捕した勇ましい一般人の方知ってます。
だって今同じ職場にいる人なんだもの! 」


逮捕されて、この「何を隠そう」 「勇ましい」という風に女の子が自慢のように
思うでしょうか?
女の子が、「同じ会社の人が痴漢を捕まえたこと」を、「何を隠そう」といって
うれしげにいうでしょうか?
こういった言葉を女の子が使う時は、何か相手が喜ぶようなものを知らせるときです。
なんだか、植草一秀が捕まったことを、とても「自分もうれしいし相手もうれしい
プレゼント」と勘違いしているような
ある亡国の人物が書いているのではないかと浮かびます。

また、そういった痴漢を捕まえた同僚の人を「勇ましい」と思うでしょうか?
やせている植草一秀を捕まえた同僚を、「勇ましい人、ヒーローのような人」
と感じるでしょうか?

なんだか、植草一秀を捕まえて、言論の自由を奪って、「勇ましい 
仲間内で自分がヒーローだ」と勘違いしている
ような、ある亡国の人物が思い浮かびます。

何か通常の女の子に比べて、この書き方はかなり感覚がずれているように
思います。

そして「一般人」という珍しい言い方をしています。
一般人という言い方は、逆に言えば自分が特殊な業界にいる人が半ば
無意識に使うような言葉です。

自分は政治の世界にいる。→普通の人を「一般人」という言い方をする。
本当に普通のOLだったら→「一般人の方知ってます」とは言わず、
「~の人を知っています」というでしょう。

「それにしてもかっこいい!!警察に代わって現行犯の逮捕者ですよ。
(常人逮捕って言うんだってー) 」

→これも不自然です。
「それにしてもかっこいい!!」と、植草一秀を捕まえた同僚に対して、
そんなことを「思う」でしょうか?女の子が。「かっこいい?」

なんだか、まるで、「植草一秀の口封じに成功して、俺はかっこいい」なんて
自画自賛しているようなある亡国の人物が浮かびます。

→しかも(常人逮捕って言うんだってー)なんて、言うでしょうか?
これは警察用語で、普通の人が、警察官の代わりに
現行犯逮捕するときに使う用語です。

女の子やOLが、(常人逮捕って言うんだってー)なんて自慢げにいう場面を
想像してみてください。ありえません。

なんだか、まるで、いつも警察と密接にいる、政治家に関係する職業の人が、
「おい、ああいうのは常人逮捕って
言うんだよ、」と中年以上の親父が知ったかぶりして自慢しているような、
亡国の人物が 
思い浮かぶのは私だけでしょうか?

「やっぱりね、イザ電車内で痴漢騒ぎ
(触られたコが「やめてください」って)起こっても、
咄嗟のことではなかなか周囲の人は動かない。 」

→ここで 「さわられたコが」、という時に難しい漢字の「触られた」という文字
を使っています。
そして 「とっさのことで」 というところをまた 難しい漢字の「咄嗟」という
文字を使っています。

ここで、この文章を書いている人物は、おそらく、女性を装った男であると推測が
できます。
「咄嗟」と書くような、ある亡国の人物が思い浮かびます。決して女の子ではあり
ません。

そして、

「とりあえず教授捕まえて次の駅で駅員に突き出そうとして、
ネクタイぐいっと掴んで引っ張って行ったらしいですが、
「駅員さん呼んで下さい」と言ってもなかなか周りは協力しなかったって。 」

→ここでも、ネクタイぐいっとつかんで というところを、「掴んで」という
難しい漢字を使っています。
この書いている男性は、かなり若い20代くらいの女の子とは、本当に一緒に
いたことはなく
さっぱりわかっていない中年以上の亡国の男性ではないか?と想像がつきます。

そして報道によれば、当日植草氏はノーネクタイだったと報道されていたと
思います。
つまりクールビズだったということです。

つまりこの書き込みはでっちあげです。

「駅員さん 呼んでください」などとありますが、実際には、当日、
この植草氏を捕まえたという男性は、自らの携帯電話で
真っ先に、蒲田署に電話していることはご存知のとおりです。

この書き込みは、高い確率で、原稿を書いたのは、亡国の○○○○なのかも
しれません。
そしてそれを誰かに「書き込みしてくれ」と依頼しているのかもしれません。

もし植草一秀氏を調べるのなら、氏が告発しようとしていたりそな銀行の
インサイダー取引を
政府が犯罪行為としてやっていたということを、抜きにしては語れません。

このMIXIに書き込みを依頼されたであろう(おそらく原稿を渡されている)
この人に
一度、検察としても話を聞いてみてはいかがでしょうか?

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2007年10月13日 (土)

今、絶対に言わねばならないことを言う!!

 ◎植草さん京急事件が国策捜査による偽装事件である有力な証拠


  10月11日の記事、『植草事件はでっち上げだ(2)』(A氏の記事)の中にこういう記述がある。

 この事件が発生した直後、小野寺光一という人が、事件が発生した蒲田駅で駅員5名に事件の様子を聞いて、それをメルマガで配信している。それによると、植草氏を逮捕したK氏は、真っ先に蒲田警察に電話していたのだという。駅員5人は全員が、なんだか不思議だと言っていた 。

 これについて数名の読者から、当時の小野寺光一メルマガにほんとうにそのようなことが書かれてあるのか、あったらその典拠を示して欲しいという連絡があった。私は早速当時の小野寺メルマガを見てみた。それは私がはじめて配信してもらった9月20日のメルマガに記載されていた。植草さんの逮捕に関するその部分の箇所を下記に示す。

*************************************************************************

  (以下、2006年9月20日、6:09 配信の小野寺メルマガより引用する)

 そして、ここがキーポイントなのだが、なんと、この若い男が、駅員に引き渡すより先に、蒲田署に自分で電話しているのだ。普通は駅員に引き渡して、駅員から警察に連絡が行く。しかしこの若い男はダイレクトに蒲田署に電話しているのである。不気味である。

 これはより確実に「事件に」仕立て上げるためではないのか?

(引用終わり)

  ***********************************************************************

 小野寺氏は二人の逮捕者のうち、最初の逮捕者が駅員に引き渡すよりも先に警察に自分で電話していると断言している。私自身は当時、その論拠が示されていなかったこの記述をあまり重く見ていなかった。しかし、今これを決定的に裏付ける情報をあらたに得ている。しかし、私と同様に、このメルマガを調べた人は、それでもある一つの重要な記述が気になっていると思う。それはA氏による例の 『植草事件はでっち上げだ(2)』の記事中に、『駅員5人は全員が、なんだか不思議だと言っていた』という該当メルマガには出てこない説明があることだ。これを見れば、小野寺さんか、それ以外の誰かが、事件直後に京急蒲田駅の「駅員五人」に対し、例の事件について明らかにインタビューを行なっているとしか思えない。

 そこで私はA氏に聞いてみた。逮捕者K氏が植草さんの身柄を駅員に渡すよりも先に蒲田警察に電話したことと、駅員五人がそのことを不思議だと述べていたことを、小野寺メルマガ以外の情報ソースから確認したのかと。その答えは「イエス」であった。しかし、それについては諸般の事情から今は一切公開できない。ただし、私の信用をかけて断言するが、その情報がA氏にあったことは間違いない。この私もその情報を持っている。

 つまり、第六回公判(平成19年3月28日午前の部)で証言した最初の逮捕者K氏が、当日の第一逮捕者と同一人物であると仮定するならば(K氏は替え玉である可能性が高い)、K氏は植草さんを逮捕したあと、なんと自分から直接警察署に連絡を入れているのだ。しかし、K氏は公判証言では「電車内では電話をしていない」と語っている。公判証言録を見るとK氏は電車外、つまりホーム上から駅員室の途中で警察に電話を入れたのかとは聞かれていない。しかし、この質疑応答に関する状況説明の蓋然性を考えれば、K氏が電車を降りた後も警察に電話をしていないと表面上は語っていると捉える方が整合性が高い。もし彼が携帯で警察に電話をしていたなら、下記の質疑応答中にその件を言うと考えた方が間尺に合っている。たとえば405の質問に対してはこう答えるだろう。「電車内ではなかったのですが、降りてから電話しました」と。しかし、そのように言わなかったことは、表面上、彼はホーム上や駅員室でも電話をしなかったと暗黙裡に語っているに等しいと思う。

(第六回公判、午前の部速記録より引用)

405   弁護人2 電車内にいるときに、例えばあなたが携帯電話で警察に電話したりとか、そういうことはしましたか。
406   K証人 いえ、しませんでした。
407  弁護人2 あるいは乗客のだれかがそういうふうなことをしている様子だったということはありますか。
408   K証人 いえ、それもありません。

 はっきり言おう。京急の事件では、通常の痴漢事件では、事件後にとうていあり得ない進行が起こったのだ。最初の逮捕者は駅員に植草さんを引き渡すよりも先に自ら蒲田署に電話をかけている。通常は駅員に被疑者を引き渡し、駅員が駅員室で然るべき質問を行なったあと、納得したら警察署に連絡するという手続きを経るはずだ。ところが逮捕者K氏は植草氏を逮捕したあと、駅員による調査の過程を省いて直接警察署に電話している。そのことは電車が蒲田駅に到着してからわずか3分もしないうちに警邏中のパトカーに警察指令室から指令が届いていることでも頷ける。この意味がお分かりだろうか。この手際のよさは尋常ではない。しかも、一般人であるはずのK氏が、独断で駅員室の取調べ過程を省略して警察を呼び出しているのだ。それも通常の110番ではなく蒲田警察署にダイレクトに通報している。一般人逮捕者がこのような確信的な行動を行い、しかも蒲田警察署の電話番号を控えていたなどというようなことが通常ありうるのだろうか。また、駅員たちに彼が事情説明をしたとしても、駅員たちが、植草さんや被害者と称する女性から、わずか2分ちょっとで事情を聴取し、それを納得して通報、警邏中の警察に駅に向かうように連絡が入ったなどということは、時間的にはけっして起こらない経過である。ところが現実にはこれが起こったことになっているのだ。なぜなら一般人のK氏が駅員室に行く前に自己判断で警察を呼びつけているからである。駅員による取調べよりも先行して警察署に連絡したK氏のこの判断は、自己判断というよりも一種の権力行使に近いものに思える。では逮捕現場に乗り合わせていたこのK氏とはいったいいかなる人物なのだろうか。

 この一連の流れから、ある論理的帰結がはっきりと導き出されてくる。つまり、最初の逮捕者K氏は一般人ではなく、警察権限を有している人物であるということだ。その上、これを補足する有力な言動が第二回の目撃証言者T氏から出されている。それは最初の逮捕者のことを「私服の男性」だと思わず語ったことだ。ここまでことが明らかになると、K氏が警察官であるという推論が充分に成り立つのだ。だからこそ、一般人逮捕者の同僚と言われる女性が書いた「Mixiの日記」は検察が即座に取り下げるように言ったのだ。K氏が私服の警察官であったのなら、植草さんのそばに都合よくK氏が居合わせたということになるのだろうか。私にはけっしてそうは思えない。K氏はある意図を持って、少なくとも電車に乗った時点から(あるいはその前から)植草さんに張り付いていたと考える方が合理的なのだ。これら一見バラバラの要素を論理的に整合付けるただひとつの見解が厳然として浮上してくる。それはこの事件が最初から計画されていた偽装事件であったということである。

 結論を言おう。京急植草事件は、警察がらみで無実の植草さんを陥れた明確な偽装事件である。もっとはっきり言うならこれは典型的な国策捜査なのである。


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2007年10月12日 (金)

文藝評論家・山崎行太郎氏の面白さ!!

 いやぁ、文藝評論家の山崎行太郎氏は本当に面白いことを書くお人だ。私のように文藝の素養も、分析力も、鑑賞眼も持たない半端な人間が語るべきではないかもしれないが、影響力のないローカルブログで好き勝手なことを書いているノリで、彼について感じたことを書きたくなった。山崎氏とは二、三度お会いしたことがあるが、一見野武士然とした面持ちで、寡黙、必要なことをボソッとしか語らない印象がある。しかし話題がこれだというところになると、滔々と堰を切ったように語りはじめ、こちらがついつい引き込まれてしまうといった風情だった。もとより私のようにあまり本を読まないレベルで、山崎氏と文藝について語り合うものは何も持たないが、私は山崎氏の文藝評論が時々出ている彼のブログ『毒蛇山荘日記』を読むのが本当に楽しみだ。彼は文芸評論を行なう時、ブログだからと決して手を抜かずに表現している。原稿料は一銭も入らないが、紙媒体と同様に真剣に書いているその行動様式が面白い。

 私がこの人に惹きつけられたきっかけは、ブログに書かれていた痛烈な小泉・竹中路線の批判だった。否、批判というよりも完全に弾劾の領域で書いていたので私は瞠目して読んだ。大学の先生でもこういう目で小泉政権を捉えているお人がいたのかと正直驚きもした。小泉政権の根本的な姿勢を間違っていると評する識者はさまざまなレベルで語るだろう。しかし、山崎行太郎氏の小泉批判が最も私を惹きつけたわけは、存在論的把握を核にしている彼の視線にあるのかもしれない。山崎氏の面白さの源泉は、その表現様態にあるのではなく、合戦中の武士のように退路を断った白刃の空間に自分を置きながら書いているその基本姿勢にあるのかもしれない。小泉政権を罵倒することは一見簡単そうに見えるが、植草さん、西村眞悟さん、鈴木宗男さん、佐藤優さんなどの事例を見てわかるとおり、多少でも名の知られた人々にとっては、その批判行為は文字通り運命を左右しかねない事柄に属する。山崎氏の小泉・竹中批判は痛快そのものであった。私は彼の罵倒口調が大好きである。チンピラ、ボンクラ、○○マンセーなど、これらの言葉を駆使して縦横無尽に批判対象をぶった切る文章は痛快無比である。罵倒口調をだけをピックアップすると、このお人は皮相的なレベルでやっているのかと勘違いする人もいるが、彼は別の記事で真摯に経済理論の背景を説明し、小泉・竹中インチキ構造改革路線が、ルーカスやフリードマンらのネオリベ思想に従っていることをわかりやすく喝破している。

つまり、山崎氏の罵倒には正当な理論的根拠が厳然と存在しているのだ。そこまで深い裏打ちを背景にして罵倒表現まで持っていくこのお人は、その批評眼の核に存在論的思考がある。それは今まで彼の書いていることに随所に出ている。彼は政治運動や共同体的活動を頑なに拒否する心的態度を持つ。そのことは私もお会いしている時にうすうす感じていた。群れることを恥じ、他者にすり寄る事を堕落と捉えるこの在り様は、まさに白刃行き交う戦いの合間に、血潮にまみれた刀を握り締め、己や仲間の死生を見据える野戦武士のありように似ていなくもない。退路を断って修羅場に赴く心がけで書く数少ない物書きさんだ。私には表現できないが、こういう内面風景こそ存在論的在り方のひとつの様式ではないだろうか。だからこそ彼の書くことは面白い。御用学者が典型的だが、自己保全、名利など自分の逃げ道を敷いておいて言論表現する奴の書くものは読むに値しない。場合によっては醜悪でさえある。人の気持ちを捉える表現様態とは自己存在の危うさ、心細さから逃げない覚悟があるかどうかに尽きる。これを持たない奴が剽窃をしたり、人真似をさも自分のものであるかのように書き換えるという悪臭紛々たる文章を書く。よく、作家の人間性とその作品には連続性や相似性がないと言われることがあるが、知る範囲では完全に瓜二つである。ただ、人間は見かけをつくろう動物であるから、乖離しているように見えるだけである。思うのだが、文藝領域に限らず、存在論的思考を持つ人間は何をやっていても面白い表現を行なうのかもしれない。

 そして今日、『毒蛇山荘日記』10月12日の文藝評論に、山崎氏は『新人批評家よ、大志を抱け!!!』という題目で、私にとっては特別面白い記事が書かれていた。山崎氏は大澤信亮(おおさわのぶあき)という若い物書きを強く評価している。彼に対する山崎氏の評論がすこぶる面白いのだ。

 「新潮」11月号には、小説と評論の受賞作が掲載されているが、なかなか興味深い作品が並んでいる。私がまず面白いと思ったのは、二人の「受賞の言葉」(厳密には受賞記念原稿「十年の批評」「六年の財産」)だった。特に、「宮沢賢治の暴力」で、評論部門の新人賞を受賞した大澤信亮の、短時間に書き上げたものらしいが、しかしそれ故に全精力を傾けたと言っていいパワフルな「受賞の言葉」(「十年の批評」)に感動し、その勢いで受賞作「宮沢賢治の暴力」を読んだが、こちらにも同じように感動した。私も、評論を読んで感動するのは久しぶりなので、これはいったいどういうことだろうと、ふと立ち止まって真剣に考えてみたくなった。(山崎氏のブログから引用)

 山崎氏は新人賞を受賞した彼の論評、「宮沢賢治の暴力」に感動したそうである。詳しいことは山崎氏の『毒蛇山荘日記』を読んでいただきたいが、山崎氏の話によると大澤氏の評論は「批評とは存在の問題であり、生き方の問題だ」に書かれてあるように、注文請負物書きとは違って、不可能とも思えるような、原理的、本質的な物書きに挑戦している心的態度、評論者の在り方を感動を持って評価しているのだ。ここに山崎氏は、彼のテーマ的課題として繰り返し掲げている「存在論的透徹性」を重んじる大澤氏の姿勢に、自己と共鳴する何かを見ているに違いないのだ。大澤氏と山崎氏が見ている題材や世界観の違いではなく、より本質的な部分における共通性を感じたのだろうと思う。とにかく山崎氏の評論を読んで欲しいと思う。私の言いたいことがよくわかるだろう。部外者の私が言うのも気が引けるが、無責任に言えば、毒蛇山荘日記における山崎エッセイで、今回の評論は特別に力作だと私は感じている。多分、私と似たような捉え方で『毒蛇山荘日記』を愛読している人も多いのではないだろうか。私も大澤信亮氏の論評『宮沢賢治の暴力』を無性に読みたくなった。新潮11月号が待ち遠しい。(山崎先生、生意気でごめんなさい!! ^^;)

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2007年10月11日 (木)

植草事件はでっち上げだ(2)

  植草事件はでっち上げだ(2)
   (A氏の視点)

 富山の冤罪事件(少女暴行事件)の無罪が確定した。裁判官は「アリバイがあるので、彼が犯人ではないのは明らかだ」と言う。アリバイがあって、犯人でないことは明らかであっても有罪にしてしまうのが日本の裁判だ。無実の人を2年間も服役させ人生を破滅させたことに反省は無いのか。彼らには一欠片の良心も無いのだろうか。起訴されれば99.9%が有罪ということは裁判官が有罪か無罪か、ろくに考えもせず有罪にしてしまっているという恐ろしい現実がある。

 植草事件も明らかなでっち上げだ。この事件が発生した直後、小野寺光一という人が、事件が発生した蒲田駅で駅員5名に事件の様子を聞いて、それをメルマガで配信している。それによると、植草氏を逮捕したK氏は、真っ先に蒲田警察に電話していたのだという。駅員5人は全員が、なんだか不思議だと言っていた。通常は、痴漢事件の報告は、まず駅員に報告がいき、駅員から警察に連絡するはずだからだ。このことを大量のメルマガで配信したら、翌日からは、京急蒲田駅には、京急本社のほうから、一切一般人からの事件に関係する質問に答えないようにというお触れが出たそうだ。筆者の知人もこの駅に聞き込みに行ったが、すべて断られた。このことからも、この事件がでっち上げだと分かるのだ。

順を追って話そう。逮捕したK氏は、千駄ヶ谷に事務所があるデザイナーだと言う。このデザイナーさんは、あの夜、驚くべき行動を行った。事の始めは女性の「子どもが見ている前で」という意味不明の大きめの声だ。この20~30秒後に、このデザイナーは植草氏に襲いかかっている。理由は痴漢容疑だそうだ。このデザイナーは痴漢をしているところを自分では見ていないと言った。一方で植草氏をしっかり見ていた男性乗客は、植草氏は痴漢をしていなかったと、はっきりと裁判官の前で証言した。その男性の右隣の女性も、「酔っぱらいに絡まれたんでしょうかねぇ」と言っていた。これだけでも、でっち上げの可能性を充分に示している。

 通常、デザイナーが電車の中で赤の他人に突然襲いかかるなどということは考えられないことだ。しかも、もう一人別の乗客も協力したというからこの不自然さは際立つ。理由も聞かず2人が襲いかかれば、まさにこれは暴力事件であり、植草氏は被害者だ。逮捕の理由を必死で聞こうとしていた植草氏を無視し、電車が蒲田駅に着くやいなや、この2人は驚くほどの手際よさで、駅事務室に連れて行った。事前に駅事務室の場所を知っていなければ無理なほどの素早さである。それだけではない。痴漢を目撃しなかったと自分で言っているのにも拘わらず、駅事務室に着くやいなや、駅員に説明する前に、蒲田警察署に電話しているのである。デザイナーがなぜ蒲田警察署の電話番号を覚えていたのだろう。なぜ110番ではなかったのか。またその後、駅員に出された緘口令の意味は何か。

 これら、すべてを説明するのが、昨年12月20日の公判で検察側の証人(T氏)として出廷した際に述べたこと、それは「逮捕者は私服の男性だった」という言動がある。彼は4回も検察に行き、蒲田警察補にも6~7時間もいたというから、この事件の裏側を知っている。そういう文脈で見れば、彼の言う私服発言は私服の警察官だったということが最も整合性が高い。おそらく間違いないだろう。彼が私服警察官であったら、すべてが氷解するのだ。要するに、私服警官が植草氏を逮捕するために彼を尾行していたという仮説が成り立つ。そういえば2004年の事件のときも2人の私服警官が尾行していて植草氏を逮捕したという経緯がある。それと同様の相を持っている。偽装事件計画として、事前に準備ができていたのであれば、計画が完遂した時点で直接蒲田警察に電話するのも当然かもしれない。

 もしもこれがでっち上げ事件でなければ、蒲田駅員全員に対し、この事件に関して知っていることを一切一般人に話してはならぬというお触れが出るわけがない。真実なら、恐れるものは何もないはずだ。でっち上げ事件だからこそ必死で隠しているのだ。そして逮捕が驚くほど手際がよかったことも納得できる。警察発表では、電車が蒲田駅に到着して、植草氏を駅事務室に連れて行き、警察へ電話が行き、その後警察から、蒲田駅近くにいたパトカーに連絡が行くまで、僅か2分10秒しかかからなかったそうだ。こういうことの運びは、普通のデザイナーではほとんど不可能であることは、すべての人が納得するだろう。しかも、更におまけがつく。さすがに私服警察官が尾行していたということを認めるわけにもいかなかったから、逮捕したのはデザイナーということにした。つまり替え玉である。替え玉であるデザイナーは事件のことを知らないから、3月28日の公判では、重大な失言をいくつもしている。公判が長期化すればするほど、彼が替え玉であることが、ますますはっきりすることは間違いない。目撃した5人の駅員に真実を話させればよい。替え玉を出してきた警察のでっちあげが完璧に証明される。

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2007年10月 9日 (火)

植草事件はでっち上げだ

 ◎植草事件はでっち上げだ(A氏の視点)

 事件発生当初から、この事件はでっち上げではないかという事が指摘されていた。その根拠は数多くあった。

①車内は自由に歩き回れたのに女性は2分間も動かずじっと音楽を聞きながら触らせ続けたというのは不自然。
②その後急に泣き出して、駅事務室に行ってまで泣き続けたのも不自然。
③・・・・
④乗り合わせた別々の2人の乗客が、犯行を見てもいないのに理由も聞かず突然植草氏を押しつぶすような形で逮捕したのも不自然。
⑤検察側の証人が逮捕者のことを私服と呼んだことから、実は事件の起きる前から私服警官が逮捕の準備をしていた可能性は非常に高い。
⑥第一逮捕者として証言した人物(K証人)が、逮捕者当人であることによって知っていなければならないはずの事実を間違えて証言しており、彼は現場にいた私服警官の替え玉の可能性が非常に高い。
⑦電車が蒲田駅に到着してから、逮捕者が駅事務室に植草氏を連れて行き、そこから警察に連絡が行き、更に蒲田駅近くのパトカーにまで連絡が行くまで僅か2分10秒しか掛かっていない。これは事前の周到な準備なしには絶対に不可能。

 今年の7月4日の公判で、事件現場を車内で目撃していた人(弁護側証人)が証言をして、この事件が間違いなくでっち上げであることが確認された。マスコミが植草氏に対する根拠もない誹謗中傷を繰り返す中、あの事件がでっち上げであるという真実を公開の場で述べることは大変な勇気が要っただろう。一人が口火を切れば、現場にいた人は今後次々と証言台に立つ可能性はある。
 この証人は事件翌日にニュースで植草氏が痴漢事件で逮捕されたことを知り「えっ、うそだろう。車内暴力というイメージが強かった」と思ったと語っている。間近で見ていた彼は植草氏が痴漢をしていなかったと証言し、突然自分の右前にいた男(K証人)が植草氏を押しつぶすように捕まえたと証言している。このときの様子を図1で表した。被害者の位置は、様々な証言でその位置が正確に定まらないのでひとまず仮の位置を描いておいた。目と書いたのが弁護人目撃者の位置である。図1でこの逮捕者はもともとfの位置にいたと弁護人側証人は言っている。一方K証人はkの位置にいたと言っている。仮にK証人が言っている通りだとしよう。事件が始まったのは、被害者女性が「子どもがいる前で」と少し大きめの声が植草氏に言った瞬間である。このとき、K証人は図1では下方を向いていたから痴漢を目撃していなかったということで、弁護人側の目撃者は上方を向いていたがウトウトしていたから、女性の声に気付いていない。もちろん、本当に大声であったら、彼も目が覚めただろう。目撃者の証言は以下の通りである。

弁護人:女性の声は聞きましたか?
証人:聞いたかもしれませんが覚えていません。一瞬、車内暴力なのかと考えたので、女性のことは覚えていません
弁護人:車内暴力とはどういうことでしょうか?
証人:植草さんが、フラフラと揺れていたので、誰かとぶつかったのか、足を踏んづけたのか。
弁護人:ユラユラしたということですか?
証人:はい、それでぶつかった人から暴力を受けたのかと。
弁護人:被告人が被害者だと思ったということですか?
証人:そうです
弁護人:押さえた人の声は聞き取れましたか?
証人:いいえ
弁護人:押さえられていた人の声は?
証人:うめき声が聞こえました

 つまり間近で見ていた人には、これが痴漢事件ではなく、植草氏が一方的に暴力をふるわれたことが分かっていた。彼以外の乗客もこのことを理解していた。

弁護人:ほかの乗客とは話したんですか?
証人:席に戻ったとき、隣にいた年輩の女性が「酔っぱらいに絡まれたんでしょうか」と言ったので、わたしは「どうしたんでしょうかね」と言いました。

 隣に座っていた女性も、これが痴漢事件ではない、植草氏が絡まれたのだということが分かっていた。彼女も今後の公判で「でっち上げ」を証言する可能性もあるだろう。彼女は途中でウトウトしてなどいなかったのだから。
 もしもこれが痴漢事件なら、K証人は被害者女性に十分な説明を聞くことから始めるだろう。それで痴漢をしたのが間違いないと確信が持てれば、次の駅で降りて駅事務室に行くように説得するだろう。それに植草氏が同意しなかったら実力行使もあり得たかもしれない。しかし、犯罪者の逮捕というのは非常に勇気がいることで、悪くすると相手がナイフを持っていて刺し殺される可能性もあり、逮捕はあくまで最後の手段であり、まず説得するのは間違いない。植草氏はそのような説得も全くなく、いきなり押しつぶすように逮捕されているのである。だからこそ、この目撃者も、隣の女性も植草氏が一方的に暴行を受けたとの認識を持っている。つまりは、でっち上げである。
 植草氏がこのような事件発生時に逃亡するような性格の持ち主ではないことは、2004年の品川のエスカレーターでの事件でも対応を見れば明らかだ。エスカレーターを降りたとき、身に覚えのない嫌疑をかけられたときも、逃亡などしようとせず、真実を話せば必ず理解してもらえるはずだという信念の基に行動をしている。今回もその信念は一貫している。

図1
A

 
 図1は逮捕者Kの証言に影響を受けた図であるが、弁護側目撃者証人は記憶が非常に正確で信頼性が高いので、今度は、この弁護側証人と植草氏の証言を基にして図を描いてみる。図2である。彼は乗客の位置のみならず、男女の区別まで覚えていた。彼が証言台で示した図は、図2で被害者女性の存在を除外したものである。被害者女性は彼の位置からは見えなかった。この被害者女性の位置は植草氏の証言を基に付け加えた。
 この図だと目撃者から植草氏がよく見えて、彼が犯行時間帯に痴漢を行っていたかどうかをしっかり確認できることがわかる。一方、右隣の年配の女性の位置から植草氏を目撃できたかどうかは不明だが、2分間という時間を考えれば、人は時々位置を変えるということを勘案すれば、あるいは見えたかもしれない。いずれにせよ、被害者女性と逮捕者は事件発生時、極めて近くにいたことは明らかである。植草氏が逮捕され連れて行かれたとき、被害者女性は逮捕者の連れのように見えたと目撃者は証言している。もしかしたら、周りの乗客には逮捕者と被害者女性の不自然な行為が見えていたのかもしれない。

図2
2

 被害者女性の声を聞いて、逮捕者kは図3で示した位置に移動したと述べている。もしこれが田舎芝居ではなく本当の痴漢事件なのであれば、逮捕者Kはまず被害者女性に事情を聞き、その説明に納得した段階で植草氏にそれを確かめ、植草氏はそれについて然るべき反論をするといった、話し合いがあっただろう。しかし、実際にはそのような会話の形跡は全くなく、いきなり逮捕者Kは植草氏に襲いかかっている。このことを、右隣に座っていた年配の女性はしっかり見ていたから、「酔っぱらいに絡まれたんでしょうか」と発言していたのである。

 このときの様子を植草氏は意見陳述書で

 私は「痴漢騒ぎかもしれない」と感じて、「絶対に関わり合いになりたくない」と思い、少し右を向いて、元の姿勢のまま目をつぶって立っておりました。
 それから20~30秒ほどした時に突然私は左側とうしろ側を誰かに強く掴まれました。自分が犯人に間違われたと思い、がく然としましたが、自分が人によく知られている身でしたので、ここで騒ぎにしたくないと思い、大きな声も出さずに駅に到着するのを待ちました。駅に着いたら、女性に事情を聞き、私が無関係であることを理解してもらわなければならないと思っていました。

 と述べている。女性が「子どもがいる前で」と発言した僅か20~30秒後には、すでに逮捕者Kは、一切の説明もなく、女性に事情を聞くこともせず、植草氏に襲いかかっている。これなら誰だって暴力事件だと判断する。当然、この事件の生起を痴漢事件だとは思うはずがない。すべてが、余りにも速やかに、そして不気味なほど静かに行われたために、うとうとしていた目撃者は気付いていない。もし本当の痴漢事件ならば、捕まえる前に車内はそれなりに騒然となるだろうから、周囲の乗客は少なくとも「痴漢が起きたのかな」と気付くはずである。

図3
3

 被害者女性が最初に声を上げたときの様子を植草氏は3月28日の公判で次のように述べている。

 私の前にいたと思われる女性が、左回りに後ろを振り返るように、私の右前方に移動しているのを見ました。70~80センチのところに移動してきました。その女性が動く前にいたと思われる地点の地上1メートルから1.2メートルぐらいのところを、戸惑ったように見ていました。

 これ以降はあくまでも可能性として私が考えた推理であることを強調しておく。

 被害者女性は「子どもが見ている前で」までは、事前の打ち合わせ通りの台詞を言えたのだが、次の台詞に言葉がつまり、およそ20~30秒の間立ち往生してしまった。本当の痴漢事件なら、彼女が痴漢犯人を警察に突き出してやろうとするくらいの気の強い女性であれば、当然ながら猛然と植草氏に抗議しただろう。しかし、この女性はそこまで役者を演じきる胆力が無かったのだ。この逮捕劇を田舎芝居(偽装痴漢事件)と仮定した場合、この女性は動顛(どうてん)のために中間的な演出過程を省略してしまった。逮捕者Kは、不自然な状況になってしまったにもかかわらず、すでに踏み込んでしまった偽装事件を遂行せざるを得なかった。そこで彼はやむなく植草氏の直接逮捕に及んだのである。これが傍(かたわら=目撃者その他、近くにいた人々)から見ると無言で不気味な行為に見えたわけである。車内にいなかった人には、これが痴漢逮捕であると騙せても、車内の現場で見ていた人には、それが通じるわけがない。

 裁判が長期化すれば、マスコミからのプレッシャーが弱まり、今まで控えていた人たちが、どんどん現れ出て、このでっち上げ事件の真相が次々と明らかになるのではないだろうか。検察官は、「否認を続ければ、裁判で私生活を攻撃して家族を徹底的に苦しめてやる」と植草氏を脅し続けている。そして傍から見れば、もしかしたらこれはまだ続いているのかもしれない。ましてや国策捜査や「でっち上げ」などと、植草氏自身がそれを意味する言葉の片鱗でも出せば、彼の命まで危ういかもしれない。もし、そうであるならば、彼の替わりに我々が国策捜査によるでっち上げの実態を暴露する以外に道はないのだ。


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2007年10月 8日 (月)

9月総裁選、麻生氏のネガティブ・キャンペーンの真相を分析する

 私は9月17日のエントリー、「 クーデターの主犯はメディア (水間政憲)」で、読売新聞や読売テレビの恣意的報道、つまり世論誘導報道を取り上げた政治ジャーナリスト・水間政憲氏の記事を全文掲載した。この論文の重要性はいくら言っても言い尽くせないくらいである。なぜならこの記事は戦後メディアに重石のように置かれた真相を語っているからである。我が国の言論機関はGHQ統治時代と何ら変わることのない言論閉鎖状況に置かれている。ただし、統制主体が終戦直後当時に比べて見えないという厄介な状況になっているだけにたちが悪い。江藤淳氏風に言うなら、この状況は「閉ざされた言語空間」ではあるが、統治主体がアメリカのエスタブリッシュメントと強いかかわりを持つ日本の売国勢力であり、彼らは巧妙に姿を隠している。一般の人は考えもしないだろうが、第三次産業革命と言われるIT情報革命の今日に至っても、我々国民は、「閉ざされた言語空間」に囲繞されているのだ。読売系メディアによる麻生氏のネガティブ・キャンペーンはGHQが行なった洗脳放送「真相箱」と基本構図は同じである。では、先月(9月)に起きた総裁選レースの事例を手にとって、この現実の恐ろしさを述べてみようと思う。

 実は先月9月の「麻生氏vs福田氏」の総裁選に関する報道で、日テレと読売新聞が先鋭的な反麻生氏キャンペーンを行なった。つまり、自民党本部や秋葉原の街頭演説における麻生人気は圧倒的に高かったのだが、日テレと読売新聞は、事実に反して逆に福田氏が圧倒的に有利だという恣意的な誘導報道を行なったのだ。NHKも「年配者は福田、若者は麻生」という実態とは違う状況説明を故意に行なった。またテレビニュースでは、麻生氏の秋葉原の演説で、彼のコミック好きを引き合いに出して、あたかも「お宅」の若者だけに人気があったかのような報道が繰り返されていた。実際は違うのである。麻生氏は老若男女すべての層から圧倒的な支持があり、拍手も掛け声も約8割がた麻生氏支持が上まわっていたそうである。ところが読売系の報道媒体は圧倒的に福田優勢を報じた。

 興味深いことに、今まで反日の代表格だと思われていた朝日系列は比較的抑制された報道だったが、国民認識では保守と思われていた読売系が、福田氏優勢の圧倒的な虚偽誘導キャンペーンを大々的に行なった。このキャンペーンの初期から、麻生氏の評判を故意に貶めるできごとで決定的なことは、水間氏が指摘した次のことに尽きる。

 それは、鳩山邦夫氏の発言からすべてが明らかになった。そもそも、雪崩を打って自民党の派閥が福田氏支持に回るきっかけとなったのは、10日夜都内のホテルで開催された「太郎会」終了後の映像が各テレビ局が、繰り返し報道したことによ る。

 それは、テレビカメラに向かって鳩山氏が「太郎会は、みんなで麻生さんに総理大臣になってもらうため集まっている会」です。それが、鳩山氏は安倍首相が退陣する意向を麻生氏から聞いた上での発言として、ネガティブキャンペーンに利用されたのです。

 映像メディアが繰り返し、この様な放送を行なえば、事実上メディア・リテラシーを持たない受動的な国民が、否定的な麻生氏のイメージを刷り込まれるのは当然である。鳩山邦夫氏のこの異常な発言には明らかに言論統制主体の強い意図が感じ取れる。

 さて、ここからが「神州の泉」の本論である。読者の皆さんはマスコミ、特に読売系のメディアが行なったこの顕著な偏向報道の真意が「郵政民営化」遂行にあると私が指摘したら奇異に思われるだろうか。私には確信がある。総裁選報道における麻生氏のネガティブ・キャンペーンは明らかに郵政民営化のためだと断言できる。その理由を語ろう。大きく言うなら、九月の安倍総理退任騒動と総裁選はパックになっており、これらは9月の国会審議を潰すためであった。その最大の目的は、10月1日スタートの郵政民営化に阻害要因を出さないためなのだ。

 水間正憲氏が論文で指摘されているように、読売・日テレ系は麻生氏が総理大臣になると絶対に都合が悪いことがあり、彼らの焦燥は熾烈なものだったと考えられる。水間氏は読売系が突出して麻生氏のネガティブ・キャンペーンをやった背景には、日本の戦後史の闇があると書いている。米国が麻生総理大臣を望んでいないのだ。私には日本を牛耳る米国エージェントが麻生首相の登場を忌避した真の理由が透けて見えている。

 小泉・竹中・安倍構造改革路線は国家構造を脆弱化する「悪魔の国策」であった。その理由は、植草さん、内橋克人さん、紺谷典子さんなど、この路線の重篤な疾患に気付いた気骨ある立派なエコノミストたちが随所でくわしく説明しているので読んでいただきたい。さて国家を脆弱化するこの構造改革の最大のかなめが郵政民営化なのである。米国エスタブリッシュメントは冷戦構造が終焉してすぐに、世界戦略を経済ヘゲモニーに勝つことに転換した。その最大のターゲットがこの日本だった。ところが日本は冷戦時代の米国による核の傘下で自主防衛の精神をすっかり忘却し、寄らば大樹の陰の温室感覚にすっかり染まって惰弱になっていた。米国の国際戦略が軍事覇権から経済覇権に転換し、その最大のターゲットが日本に定められたことに気付かないというていたらくであった。その感覚が今でも継続しているのだ。

 米国が対日政策として行なった戦略は実に奸智に長けた方法だった。東西冷戦終結の少し前に予備段階としてプラザ合意を行い、変動為替相場制を厳然と課し、貿易立国として世界の頂点に君臨した我が国に円高(ドル安)の苦吟を強いて国力の低下をはかった。これで米国は国内産業の低落を防止したのみか、日本の完全破壊を求めず、これを生かさず殺さず状態にして日本の国富収奪に目を向けたのである。日米構造協議の米国の論調は一貫して、日本の伝統的因習的市場構造が、外国製品の流入を阻害しているから徹底的に改めろということであった。実は当時のこの戦略方針が結実して、1994年の年次改革要望書となったわけである。日本人は構造という言葉にだまされやすい。日本人にわかるように構造協議とか構造調整という言葉を、別の言葉で言い表せば、それは明瞭に国柄の破壊と断言できる。国柄破壊としての構造改革を最も先鋭的に行なったのが小泉政権なのである。何度も言うが、小泉氏はリフォーマー(改革者)ではなくデストロイヤー(破壊神)であった。

 小泉構造改革のダイナミズムを決定付けたのは年次改革要望書である。この片務的合意形成の最大の眼目こそ「郵政民営化」であった。350兆円という莫大な資金を抱える世界一巨大な国営事業体としての郵政事業、これを拙速に民営化する理由はまったく不明瞭である。それどころか、この売国法案は、国民の共有財産である巨大資産の防衛的対策についての国会審議を、政権筋が念入りにかつ周到に拒否したという経緯で成立しているのだ。これに巨大マスメディアが徹底して協力した。2005年の9月11日の郵政解散総選挙、その一ヶ月くらい前は、テレビや新聞に外資系保険会社のコマーシャルが執拗に繰り返されていたことを記憶されている方も多いだろう。マスコミに米国系外資が莫大な宣伝費を投入し、郵政民営化関連法案が成立するように言論統制をかけたのだ。かくしてこの国家毀損の法案は成立し、今月の1日から郵政公社の分社化が実現した。

 本題に戻ろう。郵政民営化を強行させた黒幕は、8月に突然提出された国民新党の「郵政民営化凍結法案」に心底慌てたのである。そのままにしておいては、国民新党が火付け役となり、郵政法案そのものが見直される懸念があった。だから、何としてもこの気運を頭打ちにするために、9月の国会審議を中止する必要があった。そこで起きたのが安倍総理の時機を逸した退任表明と総裁選だった。これで九月中の国会開催は絶望的になった。これに加えて、彼らは麻生氏の出馬に心底警戒感を抱いたのだった。なぜ麻生氏は米国エスタブリッシュメントに嫌われたのだろうか?

 それが本論で私が最も言いたいことである。2005年、郵政民営化関連法案が正式に可決となる第163回特別国会の半年前の4月、当時総務大臣であった麻生氏は、郵政民営化担当大臣の竹中平蔵氏と、郵政公社の「分社化」について激しい意見対立を行なっている。麻生氏は郵政四分社の一体性維持を強硬に主張した。しかし、竹中氏は郵貯銀行、簡保会社株の完全売却に徹底的に固執した。喧々諤々の白熱した議論があったようである。麻生氏は言った。「株の一部を持ち合って一体化を維持することが大切だ。」これに対し、竹中氏は反論した。「金融は違う。それでは金融が持たない

 結局、議論が続いた末に、当時の細田氏が竹中案と麻生案を小泉首相に持って行き、彼の裁定を仰いだ。小泉氏は竹中案を採用して決着が着いたという経緯があった。この時、麻生氏が無念を抱いていたことは確実だったろうと私は思う。総裁選において米国が麻生氏を忌避した理由は完全にこれである。私はすでに「マスコミが麻生氏劣勢の誘導報道を行なった理由(わけ)」でも説明しているが、もし麻生氏が新総理の座に着けば、麻生氏はあの持ち前の行動力で、一旦は郵政公社の分社化を停止した可能性が強い。2004年当時、麻生太郎総務相、生田正治郵政公社総裁は、民営化当初の経営形態を、最初単一会社にしておいて、徐々に(段階的に)分社化していくということを主張していたのである。

 麻生氏は、竹中氏との論争に終止符を打った小泉純一郎氏がいない今、自身が総理大臣になった場合、当初の考えどおり、郵政四分社の一体性を維持するという方針を採ったことはほぼ確実だろう。そうなった場合、困るのは年次改革要望書をもたらした米国エスタブリッシュメントなのである。麻生氏の目論見どおり四分社相互が株の一部を持ち合えば外資が手をつけにくい状況になる。小泉氏や竹中氏の売国計画は郵政公社の分社化なのである。彼ら売国奴たちの最終目論見は、実は2017年の完全民営化にはない。彼らの真の目的は「分社化」そのものにある。


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2007年10月 6日 (土)

8月21日、植草氏の第11回公判(速記録)

 (※この速記録は「植草事件の真相HP」に格納されています)

平成18年特(わ)第4205号
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等
の防止に関する条例違反
(弁論)

平成19年8月21日(火)  (第11回公判速記録)
於・東京地方裁判所429号法廷


裁判官: 神坂尚、宮本聡、大村るい    
検察官: 岩山伸二 
書記官 石川百合子

午前10時 開廷
     〔冒頭、報道による撮影あり〕

○神坂裁判長 それでは、開廷いたします。
 この段階で、弁護人のほうから証拠調べを請求されるわけですね。証拠調べ請求書のとおりということですけれども、64番ということになるんで、そういうことでお願いいたします。
 これについて、検察官のご意見は。
○I検察官 これは同意いたしますが、この証拠は、かつてうちのほうで甲54で請求していた書証ですので、これを改めて請求させていただきます。
○神坂裁判長 検察官のほうでも同一の書証を請求するということですね。59ぐらいかな。
 検察官の請求については。
○弁護人 同意いたします。
○神坂裁判長 それでは、双方から申請ということで採用することにいたします。
 それでは、採用することといたしますので、提出をお願いいたします。
○I検察官 立証趣旨がちょっと異なります。うちの立証趣旨は、かつて54で請求した立証趣旨です。要旨を。
○神坂裁判長 じゃ、概要だけ述べてもらって。
○I検察官 Tさんが本件の状況について目撃した際のことを再現した内容です。
     〔書証を裁判所に提出〕
○神坂裁判長 それでは、今の書証の取り調べは終了いたしました。
 検察官のほうで、本日の取り調べの請求を前提として、論告は従前のとおりということでよろしいですか。
○I検察官 はい、従前どおりです。
○神坂裁判長 特につけ加えることはないですね。
○I検察官 はい。
○神坂裁判長 じゃ、論告については従前のとおりということで。
 それでは、弁護人のほうから、予定しておりました弁論を承ることにいたします。
 では、弁護人のほうからお願いいたします。
 (照明について)上2つをあれして、そっちをつけておけばよろしいですね。(パワーポイントを)見やすいと思うので。
○弁護人 そうですね。このあたりだけ消して、後ろのほうはつけていても構わないです。
     〔傍聴席照明を除いて消灯〕
○神坂裁判長 じゃ、このくらいでいいですね。
○弁護人 はい。
○神坂裁判長 じゃ、どうぞ。
○N弁護人 それでは、わたくし弁護人のほうから弁論させていただきます。
 パワーポイントの機材を動かす関係上、失礼ですが、座ってやらせていただきます。
○神坂裁判長 どうぞ。
     〔以下、適宜パワーポイントを示しながら弁論)
○N弁護人 痴漢被害を訴えている女性は、品川駅を発車した直後から2~3分の間、被害者の後ろに密着して立っていた犯人から、被害者の臀部左側面付近や右側面付近を犯人の手のひらと指でなで回すようにさわられたと供述しています。目撃者のTさんも、男が被害者の後ろに密着して立っていて、男の左手が被害者の臀部付近をさわっていたと供述しています。したがって、被害者が後ろに立っていた人物から、臀部付近をさわられるなどの痴漢被害に遭ったこと自体は肯定できるものと考えられます。
 被害者が痴漢被害に遭っていたと考えられる間、被告人が立っていた位置は、この図のとおり、被害者の右側少し後方です。被害者の後ろに密着するように立っていたのは、被告人とは別の真犯人であり、被告人は痴漢の犯人ではありません。
 被害者は、痴漢犯人を注意するために、耳にかけていたヘッドホンを外して、「やめてください」などと言いながら右回りに振り返ったと供述しています。そのとき被害者の臀部付近をなで回していた犯人は、被害者のヘッドホンを外す動作に気づき、とっさに危険を察知して右後方に2~3歩後ずさりして、人と人との間に紛れたと考えられます。
 左のDVDの画面は、被害者がヘッドホンに(手を)かけたその瞬間あたりで、犯人役の後ろの男性が動き始める様子が描かれています。
 これはその続きですけれども、被害者が右回りに振り返り、ヘッドホンを外し終わって振り向き始めた時点、一番下の画像ですが、この時点では、既に犯人は後方に移動していることがわかると思います。
 この画面は、被害者が振り返り終わった様子を映したものです。被害者が右回りに振り返り終わった時点で、既に真犯人は人と人との間に紛れていたので、被害者は真犯人がだれだかはわかりません。一方、その時点で被害者のすぐ近くに立っていたのが被告人であり、被告人が被害者の抗議する言葉や急に振り返る動作に反応して、一たん被害者のほうに注目した後、右のほうに顔をそむけるような動作をしたことから不自然に感じて、被害者は被告人が犯人であると取り違えました。
 今説明した犯人、被害者、被告人の動きを図で示すと、このようになります。犯人が移動し、被害者が振り向き、同時に被告人が動いた、この一連の連続した動作の中で、被害者は被告人を犯人と誤認したのです。
 それでは、一応念のため、今のを動画で再現してみます。(動画)
 もう一度。(動画)
 今ストップさせましたけれども、これが被害者がヘッドホンに(手を)かけた瞬間です。このとき、ようやく犯人が手を離したということになります。で、振り返ります。このような状態です。
 もう一度。(動画)これが弁護人が想定する真犯人の動きです。
 このように、被害者が取り違えたことに影響を受けて、目撃者のTさんも犯人を取り違えた可能性があります。被害者が犯人を取り違えるはずがないという思い込みがあり、被害者が抗議している男性こそが、自分が先ほど見た犯人に違いないと考えて、被害者が被告人を犯人と取り違えたことに影響を受けて、Tさんも被告人を犯人と取り違えてしまった可能性があります。この経過については、後で詳しく説明したいと思います。
 それから、ほかの乗客、そして逮捕者のKさんも、同じように、被害者が被告人を犯人と取り違えたことに影響を受けて、被告人を犯人と取り違えたと思います。
 以上が本件の真相であります。すべての誤りは、被害者が被告人を犯人と取り違えたことに端を発していると考えます。
 これから弁護人が論じることですが、まず、被害者の供述と目撃者のTさんの供述は、犯人の識別供述としての信用性が低いことを論じます。それから、逮捕者のKさんの供述が被告人の供述を支えていること、また弁護側目撃者の供述が被告人の供述を支えていることを明らかにします。そして、これらを通じて、被告人は犯人ではないということをはっきりさせていきたいと思います。
○T弁護人 次に、被害者の供述の信用性について述べます。
 検察官は、被害者の犯人識別の根拠として、幾つかの根拠を挙げています。しかしながら、その犯人識別供述は、被告人を犯人と断定する根拠にならない、あるいはその信用性に疑問があり、結局のところ、被害者の犯人識別供述は信用しがたいと言わざるを得ません。
 以下、検察官が挙げる諸点について、逐次検討していきます。
 被害者が犯人を確認するために、みずからの左臀部をさわっている犯人の左手を確認したところ、その手が来る方向、角度から、真後ろの人間であることが確認できたという供述があります。しかし、被害者から犯人の左手が見えたという事実があったとしても、それによって被告人が犯人であると識別できたわけではありません。単に、被害者の横や斜め後ろではなく、真後ろにいた人物が痴漢犯人と識別できたというにすぎないのです。
 傘の実験についても、実験当日は雨が降っていたというのでありますから、乗客はほとんど全員傘を持っていたでしょうし、茶色っぽい木材の取っ手というのは、傘の取っ手として珍しいものではなく、むしろ一般的なものであります。
 したがって、被害者のこの供述部分に信用性があっても、そこから明らかになることは、被害者の真後ろに密着して立って、かつ茶色っぽい木材の取っ手がついた傘を持った人物が、痴漢犯人であるということだけです。そして、後に詳述するように、被告人は被害者の真後ろに立ってはいなかったのですから、被告人は痴漢犯人ではありません。
 しかし、この被害者供述には、これとは別に看過しがたい問題点があります。すなわち、被害者が体自体を折り曲げずに、単に顔をほぼ横に向けて、視線をやや下に向けるという姿勢から、自己の左臀部をさわっている犯人の左手、さらには手首にかかった傘の取っ手を見ることは不可能なのです。
 左側は甲37の写真で、右は甲38の写真です。左腕に遮られないように視線を延ばすと、犯人の手や傘の取っ手を見ることはできません。逆に、この姿勢をとって下方を見たとき被害者の視界に入るのは、右側の写真のような状況なのであります。右側の甲38の写真は、カメラを被害者の目の位置ではなく、この位置に置いているからこそ撮れる写真なのであります。
 他方で、自己の左臀部をさわっている犯人の人さし指、中指、薬指、小指、手の甲、そで口、さらには手首にかかった傘の取っ手を見るためには、体をこの図のように極端に折り曲げなければなりません。しかし、この姿勢をとれば、犯人は警戒して、その時点で痴漢行為をやめるでしょう。
 結局、被害者が甲37の写真のような姿勢で、犯人の左手の人さし指、中指、薬指、小指、手の甲からそで口までが見えたという供述は、客観的にはあり得ないので、虚偽供述と言うほかありません。そして、この虚偽供述は、被告人を犯人であると誤認した上で、被告人の言い逃れは許せないという気持ちから、視認状況を誇張して述べたものと考えられます。
 次に、被害者は、犯人が被害者のスカートをたくし上げて、下着の上から臀部をさわるという行為を始めたことから、痴漢犯為をやめさせるために、右回りに振り返って「やめてください」と言ったときに、犯人の顔、姿を見た、これが被告人であったという供述をしています。しかし、振り返って見たのが犯人であるというのは、被害者の誤解であり、真犯人は別のところに立っており、被害者は犯人と間違えて、被告人の顔、姿を見たのですが、その誤解のまま被告人を犯人と思い込んでいるのです。
 被害者、犯人、被告人の位置は、この図のような位置関係にありました。そして、被害者がヘッドホンを外そうとすることに気づいて、犯人はこの図の黄色い線の方向に移動します。次に被害者が右回りに振り返ると、振り返った目の前に被告人がいます。
 もう一度その動きを再現してみます。まず犯人が後ろに逃げます。次に被害者が右回りに振り返ります。最後に、被告人は絶対にかかわり合いになりたくないと思って、向きを少し右側に変えて、目をつぶって下を向きます。
 このような可能性が十分にあることは、弁護人が再現実験をした様子を撮影したDVDビデオからも明らかです。
 今度はそれをスライドで見てみましょう。被害者は急にヘッドホンを外そうと手を上げますが、その行為によって、犯人は当然、被害者が犯人逮捕に向けた何らかの行為をとることを予測することができます。そこで、犯人は痴漢行為をやめて後方に移動を始めます。被害者が振り返り始めるころには、犯人はもう後方に移動し終わっています。そして、振り返った被害者の目の前には被告人がいたのであります。
 検察官は、DVDビデオの真犯人は弁護人が設定した架空の産物であると言いますが、この位置関係は被告人の供述に基づくものであるほか、K証人(※逮捕者)の供述によっても基本的に裏づけられています。
 K証人の証言によれば、最初にK証人が被害者の声を聞いて振り返ったときに、K証人、被害者、被告人は、この図のように、一直線上に並んでいたということであります。この位置関係は、被告人は被害者の真後ろではなく、被害者の右後ろにいるというものであって、基本的に被告人供述と一致し、弁護側作成のDVDビデオの被告人の位置とも一致しています。
 次に、被害者は、被告人が2~3歩ないし1~2歩下がって右を向いたという供述をしていますが、これは基本的には被害者の勘違いであると考えます。現実には、被害者が振り返って被告人のほうを見る前に真犯人が後退していたので、被害者は被告人を犯人と思い込みます。犯人は被害者に密着していたわけですから、被害者にとっては、密着していた人間が離れていくことになります。そこから犯人が後退したという印象を持ったでしょう。そのような印象と、被告人が向きを少し右側に変えたことが結びついて、被害者は、被告人が後退して右に向いたものと誤って知覚、記憶したものと考えられるのです。
 被害者が振り返った後の被告人の行動をスライドで見てみましょう。
 被告人は、被害者がやや大きな声を出していたことから、痴漢騒ぎが起きたのではないかと思い、絶対にかかわり合いになりたくないと思って、このように向きを少し右側に変えて、目をつぶって下を向いたのです。その被告人の様子を見て、被害者は、犯人は目の前にいる被告人に違いないと思い込みます。そして、密着していたはずの痴漢犯人が離れていることから、被告人が2~3歩ないし1~2歩後退したに違いないと思い込みます。
 しかし、被害者が振り返った後、被告人が2~3歩ないし1~2歩後退したという事実がないことは、K証人の供述によっても裏づけられています。前述のように、最初にK証人が被害者の声を聞いて振り返ったときのK証人、被害者、被告人の位置関係は、この図のような位置関係であります。被害者の右後ろの非常に近い位置に被告人がいます。そして、K証人が振り返ってから被害者の近くに行くまで被告人は移動していません。被告人が2~3歩ないし1~2歩後退したら、K証人の供述よりもずっと大きく離れることになってしまいます。
 また、被害者は、被告人が左手ないし右手を自己の顔の前に置いて、失敬、失敬というように軽くおじぎしたという供述をしていますが、これは被告人が犯人であると思い込んでいるために、被告人のしぐさに過剰な意味を読み取っただけにすぎません。
 最初、K証人が振り向いたときや被告人の近くに行ったときに、被告人がつり革につかまっていなかったというのは、K証人の記憶違いである可能性もある一方で、被告人も明確には供述していませんが、ずっとつり革につかまっていたというわけではなく、一時的につり革を離れていたことも何度かあったのではないかと考えられます。特に被害者のやや大き目の声を聞いてびっくりしたときや、被告人が向きを少し右側に変えたときなどは、無意識的につり革を放している可能性が高いと考えられます。
 そうすると、被告人がつり革を放した状況から、右手でつり革をつかんだという動作もあったのではないかと考えられます。しかも、前述のように、被告人は絶対にかかわり合いになりたくないと思って、向きを少し右側に変えて、目をつぶって下を向いていたので、その様子を見て、被害者は、右手を自己の顔の前に置いて、失敬、失敬というように軽くおじぎしたというように過剰に解釈し、過剰な解釈の影響下に誤って知覚ないし記憶したのではないかと考えられるのであります。
 また、被害者は、K証人が被告人の体をポンポンたたいて「連れていくよ」と言ったところ、被告人はコクリとうなずいたという供述をしていますが、これも被告人を犯人と思い込んでいるために、被告人のしぐさに過剰な意味を読み取ったにすぎないものであります。
 被告人は著名人であり、また以前にも事件に巻き込まれたことがあったので、この場では絶対に騒ぎにしたくないと思って、K証人に体をつかまれても大声を出すこともなく、目をつぶって顔を下に向けた状態でいました。イメージ図であらわすと、この図のような状態です。この様子を見て、被害者は、K証人が「連れていく」と言ったときに、被告人がコクリとうなずいたというように過剰に解釈し、過剰な解釈の影響下に誤って知覚ないし記憶したものと考えられるのであります。
 さらに、被害者は、被告人がK証人にネクタイをつかまれたときに、被告人が被害者のほうに向かって歩いてきて、何だかはっきり覚えてはいないが、「ごめん」か何かそのような言葉を被害者に言ったという供述をしていますが、これはK証人の供述から誤りであることは明らかであります。これは被害者が、被告人が犯人であることを強調するために誇張しているか、あるいは被告人が犯人であると思い込んでいるために、被告人の様子から過剰な意味を読み取っただけにすぎません。
 K証人が被告人のネクタイをつかんだときのK証人、被告人、被害者の位置関係は、この図のようなものでした。K証人が被害者を助けるために被害者、被告人の近くに移動した後、被害者と被告人の中間の位置に立ち、その状態が京急蒲田駅近くまで続いたというのです。そして、K証人が被告人のネクタイをつかんだのは、電車が京急蒲田駅に着く直前、アナウンスが流れたり、電車にブレーキがかかったりして、普通に電車をおりる準備をするタイミングでの出来事です。それからドアがあくまでの間隔はそれほど長くありません。そして、そのままドアが開いて、2人が先頭で出ていったというのであります。
 K証人はネクタイをつかんだ本人であり、かつ被害者より冷静であったと考えられますから、ネクタイをつかんだ時期や、そのときの被害者、被告人との位置関係について、被害者より冷静に知覚、記憶していることは明らかであります。しかし、K証人が被告人のネクタイをつかんだときに、被告人が被害者のほうに向かって歩いていって、「ごめん」というような言葉を言ったという供述は全くしていないのであります。
 それどころか、K証人は被告人の様子について、一瞬ちょっと、ああ、失礼みたいな感じの手の動きで身を引いた後は、知らんぷりというか、大半目をつぶっていた印象が強いと供述しています。さらに、K証人がネクタイをつかんでから下車するまでの時間的間隔や、K証人、被害者、被告人の位置関係からすれば、被告人が被害者のほうに向かって歩いていって、何か言葉を言うというような状況は、時間的にも場所的にも起こり得ないと言うほかありません。
 最後に、被害者は、被告人は被害者に対して、「痴漢をやっていない」とか「人違いだ」とかいうようなことは全く言っていなかったという供述をしていますが、これは被告人を犯人と断定する根拠にはなりません。被告人は著名人であり、また以前にも事件に巻き込まれたことがあったので、この場で絶対に騒ぎにしたくないと思って、K証人から犯人として体をつかまれても、大声を出すこともなく、つり革をつかんで、目をつぶって顔を下に向けた状態でいました。それは被告人の立場・身上・経歴等からすれば、十分に了解可能な事柄であり、被告人を犯人であると断定する根拠にはなりません。しかし、周囲からは犯行を認めているように見えたのです。
 以上述べたことから明らかなように、被害者の供述から明らかになったことは、被害者が痴漢行為に遭ったこと、そしてその犯人は被害者の真後ろに密着して立っていた男性であるということであります。しかし、被告人がいたのは、真後ろではなく右後ろです。ですから、被告人ではありません。被告人は無罪なのです。
 検察官は、その真犯人は弁護人が設定した架空の産物であると主張しますが、真犯人の存在の合理的な可能性は、すなわち被告人の無罪を意味するものであるはずです。この主張が被害者の供述と矛盾するものではないことは以上に述べたとおりであり、かつK証言によって基本的に裏づけられているのであります。しかも、次項において詳述するように、T証言と積極的に矛盾するものでもありません。
○N弁護人 次に、Tさん(※検察側目撃証人)の供述の信用性について説明したいと思います。
 Tさんは、「被害者の女性に男が後ろから密着していて、その男が左手で被害者の左おしり側面付近をさわっているのを見た」と言っています。そして、「その男が被告人だった」と言っているわけです。これはすなわち犯人が被告人であったという犯人識別供述であると言えます。
 しかし、Tさんは、犯人の男について、「眼鏡については、かけていたか、いなかったか覚えていません。眼鏡については余り記憶がないので、わからないのです」と供述しています。これは事件当時、被告人がかけていた眼鏡です。この眼鏡は、ごらんのように、セルロイドのフレームで、青と紫がまざったような特殊な色の眼鏡です。特に事件当時、被告人が来ていた紺の上下のスーツとはかなり違和感があって、印象に残る眼鏡です。被告人が眼鏡をかけている様子は、このようになります。
 Tさんは、犯人の顔について、「少しうつろな目をして、ボーッとしていたような感じです」と具体的に供述していて、犯人の目を注視していたことがうかがわれます。したがって、眼鏡についてのTさんの供述からわかることは、このようになります。Tさんは犯人の目を注視していました。そして、被告人の横顔を見ていれば、眼鏡が記憶に残るはずです。しかし、Tさんは眼鏡について記憶していません。そうすると、Tさんが見た犯人は、眼鏡をかけていない、被告人とは別の男だったのではないかという可能性があります。
 先ほど私、スーツの色について、紺と言いましたが、これはグレーの間違いですので、そのように訂正させていただきます。
 次に、被告人は事件当時、肩に大きな重いかばんをかけていました。これは、かばんをかけている被告人の後ろ姿のイメージを図で示したものと見てください。しかしながら、Tさんは、痴漢行為をしている際の犯人の姿勢について、「重心が右に傾いていて、変な格好をしているというふうに思いました」と繰り返し供述しています。そして、犯人の右肩については、「右肩は見えていたけれども、かばんをかけていたという記憶もない」と供述しています。つまり、Tさんの記憶によると、犯人は右に傾いた姿勢で痴漢行為をずっとしていたことになります。
 しかし、このように右肩に重いかばんをかけていたとすると、かばんがずり落ちないようにしながら重心をとろうとするわけですから、体を右に傾けた姿勢を維持するのではなく、むしろ真っすぐの姿勢を維持するか、逆に左側に向くような姿勢をとるはずです。それでは、右に傾いた姿勢でかばんをかけているとどうなるでしょうか。こうなります。このままの状態でいたらどうなるかは、皆さんおわかりと思います。このように右に傾け続けていると、かばんがずり落ちてしまうと思います。もしかばんがずり落ちないとすれば、重心がとれなくて、右に倒れてしまうことが考えられます。
 犯人の姿勢についてのTさんの供述からわかるとおり、犯人は重心が右に傾いている不自然な格好をしていました。被告人が犯人であれば、右肩からかけていた重いかばんがずり落ちてしまう。したがって、Tさんが目撃したのは、右肩から重いかばんなどはかけていない、被告人とは別の人物だったのではないか、こういう可能性があることが言えると思います。
 その次の問題です。Tさんは、「犯人の左手が被害者の左おしり側面をさわっているのを見た」と供述しています。具体的には「指先も手の甲もそで口も見えました」、そして「手の甲とそでが一体として、肩も上から見えました」と供述しています。つまり、Tさんは犯人の手に注目していたことになるわけです。
 このように指先も手の甲もそで口も見えた。しかし、Tさんは、「男性が傘を左手首にかけていたことには気づいていません」と供述しています。被告人は左手に傘を持っていました。もし被告人が犯人で、左手で被害者のおしりをさわっていたとしたら、このように手首に傘をかけるしかありません。そうだとすれば、このように痴漢犯人の左手を見ていたTさんが、手首にかかっている傘に気づかないはずはないのではないでしょうか。したがって、傘についてのTさんの供述からわかるとおり、被告人が犯人であれば、左手首にかかっている傘にTさんが気がつかないはずはない。そうすると、犯人は、手首に傘をかけていない、被告人とは別の人物だったのではないか、こういう可能性があることになります。
 その次の問題です。Tさんは、被告人が事件当時と比べてやせていることに気づいていません。被告人は逮捕されたとき66キロから67キロでしたけれども、身柄拘束の間にどんどん体重が落ちていって、Tさんが証言したときは58キロくらいまで落ちていました。つまり、8キロから9キロやせていたということになります。しかしながら、Tさんは、「当時よりも顔つきがやせているとか、やつれているというような印象は持ちませんでしたか」という質問に対しても、「そういう印象は持ちませんでした」とはっきり言っています。
 そうすると、Tさんが目撃した犯人が被告人だとすると、被告人の顔が事件当時と法廷ではやせこけていることに気づいたはずであります。これに気がつかなかったということは、結局、Tさんが目撃したのは、被告人とは別の、実は被告人よりももっとやせていた男ではないか。逮捕時の被告人よりはもっとやせていた男ではないかという可能性があることになります。
 今、私は、Tさんが目撃した人物について4つの疑問があることを示しました。これを復習してみましょう。
 まず1つ目。Tさんは、痴漢行為をしている犯人の目を注視していたのに、被告人が犯人だとすると記憶しているべき印象的な眼鏡について、眼鏡をかけていたかどうかも記憶していません。
 2つ目。Tさんは、犯人の姿勢が不自然に右に傾いた状態で痴漢行為が行われたというふうに言っているわけですけれども、これは右肩に重いかばんをかけていた事実と合っていません。
 3つ目。Tさんは、犯人の左手に注目していたのに、被告人が犯人だとすると記憶しているべき、左手首にかけていた傘について記憶していません。
 4つ目。被告人が事件当時と比べて8キロから9キロもやせているのに、顔つきがやつれていることに気づいていません。
 結局、これらは、Tさんが目撃した人物が、被告人とは別の人物だったという重大な疑問を提起しているのです。
 次に、Tさんの公判供述をもう一度よく検討してみましょう。
 Tさんは、女子高生が振り返ったときの犯人の動きについて、「女子高生が振り向いた直後、1~2歩後ろのほうに下がって、乗車したドアと反対のドアのほうを向きました」、このように説明しているわけです。しかし、この供述のうち、被害者が振り向いた直後に犯人が動き出したという部分は、明白な誤りであると考えます。以下、それについて説明します。
 これは、犯人が離れる前に被害者が振り返るとどうなるかということを図示したものです。Tさんは、犯人が被害者に密着した状態だったと述べていますが、この状態で、犯人が離れる前に先に被害者が振り返るとどうなるでしょうか。このように、犯人が被害者とぶつかってしまいます。これはだれが考えてみてもわかることです。
 実は被害者も、「犯人は、私が振り向いているということに気づいたときに放したものだと思います」とか、「振り向く寸前におしりから手が放れました」というふうに供述しているのです。したがって、犯人は、被害者が振り向くよりも先に離れていたことが客観的事実として明らかだと思います。したがいまして、弁護人の主張として、被害者がヘッドホンを外す動作をしたときに、犯人が素早くこれを察知して、被害者から離れる動作を開始したと考えるのが最も合理的だと思います。
 次に、もう一度Tさんの供述を分析してみましょう。
 Tさんは、被害者から離れた犯人の動きについて、先ほど言いましたように、「1~2歩後ろのほうに下がって、乗車したドアと反対のドアのほうを向きました」と述べています。したがって、このような動きになります。これが公判供述の場合です。ただ、Tさんが後につくった供述書によると、この動きはちょっと変わります。このように右後方に下がったことになります。いずれにしても、Tさんの供述によれば、犯人と、被害者が抗議していた相手の男は同一人物だったということになりますが、実は被害者が抗議をしていた際の相手の男の位置について、Tさんの具体的な供述は存在していません。
 それでは、今度はKさんの証言を見てみましょう。
 Kさんの証言では、被害者が抗議していたときの男の位置は、この図のようにはっきりとしています。逮捕者のKさんは次のように説明しています。まず、Kの場所で被害者の声を聞いて振り返った。被害者はアの地点で右肩から振り返り、被告人はイの地点にいて、被告人と被害者の間には人が入れるようなスペースはなかった。両者の位置は近づいていたというふうに言っています。
 Tさんが供述する、1~2歩後方に下がった犯人の位置と、今この図で見ていただく、Kさんが供述する被告人の位置は、明らかに異なっています。Kさんは逮捕者であり、被告人が犯人であることを裏づけるような供述をする動機はあっても、被告人に有利な供述をする傾向はありませんから、被害者が振り向いたときの被告人の位置について、Kさんの供述の信用性は高いと考えられます。
 犯人が後方または右後方に1~2歩下がったというTさんの供述と、Kさんの供述する被告人の位置をもし整合的に考えるとすれば、このような結論しかないのではないでしょうか。被告人は犯人ではなく、Tさんは、犯人が1~2歩右後方に移動してドアのほうを向くのを目撃したものの、その後、人の間に紛れてしまった犯人の動きを見ておらず、その間、犯人を見失っていたと考えるしかないのではないでしょうか。つまり、Tさんが供述する1~2歩後方に下がった犯人の位置と、Kさんの供述する抗議したときの被告人の位置は明らかに異なります。したがって、Tさんは、犯人が後方に移動する様子を目撃したものの、その後、人の間に紛れてしまった犯人を見失っていたと考えるしかないのです。
 それでは、なぜTさんは犯人を見失ってしまったのでしょうか。これについては推論するしかありませんが、次のようなことが考えられます。犯人が後ろに下がり、ドアのほうを向く様子を見た。しかし、その直後、被害者が声を出しながら振り返った。電車内ですぐ近くに立っていた女子高生が急に声を出して振り返れば、人間、その動きに注目して、ほかの乗客の動きに注意がいかなくなってしまうのは、知覚心理学的に見ても裏づけのある事実です。つまり、Tさんは、被害者の動静に注目していたので、そのときの犯人の動きを見ていない。この間に犯人の位置を見失ってしまった。そして、被害者が注意している被告人こそが犯人だと取り違えたのではないでしょうか。つまり、被害者の女子高生が犯人を間違えるはずはないという一般的な思い込みがあって、このような取り違えが生じたと考えられます。
 次に、被害者が被告人に抗議をしているときに、果たしてTさんから真犯人の顔や被告人の顔がよく見える位置関係にあったのかという観点で、今の問題をもう一度検討してみましょう。
 これは先ほど言いました公判供述の場合の男の位置です。これが供述書の場合の男の位置です。これに被告人の供述する被告人が立っていた位置を書き加えると、こうなります。被告人はこのように立って、こちらを向いたことになります。
 さて、このような状況で見てみると、Tさんの顔の向きと、犯人である男の顔の向きは、向いている方向が同じなので、Tさんからは犯人の顔が見えない状態になっていたことがわかります。一方、被告人の顔のほうも、このようにTさんの顔の位置とかなり方向が近いので、見えにくくなっています。また、被告人の姿は、被害者の女性がかなり妨げになっていて、隠れていた部分もあることがわかります。つまり、Tさんからは、真犯人の顔も、被害者が注意していた男、つまり被告人の顔もほとんど見えなかったということが考えられるのです。
 Tさんが被告人を犯人と取り違えた経過について、もう一度整理してみると、被害者が振り返った後、Tさんからは、真犯人の顔も、被告人の顔もよく見えなかった。被害者の女子高生が犯人を取り違えるはずがないという思い込みや、被害者が被告人を犯人と取り違えたことに影響を受けて、Tさんも被告人を犯人と取り違えたのではないでしょうか。心理学の記憶の研究においても、被験者に誤った情報がわざと提示されると、被験者の記憶が影響を受けて、誤った記憶が再生されるということが、多くの実験によって確認されているところであります。
 次に、Kさんが電車内で被告人を逮捕してからの状況について、Tさんがどのように言っているか。
 Kさんが電車内で被告人を逮捕してから、蒲田駅でおりるまでの間のTさんの供述を見ても、その間、被告人の顔をよく見たというような供述は実はありません。むしろ、公判供述を幾ら見ても、この間、被告人の顔をよく見たかどうか、Tさんの供述はないと言えます。
 Tさんは、被告人の顔をテレビなどで見て、事件の前から知っていたと言っています。しかし、一方で、電車内では、被告人や犯人が植草一秀だと気づいていなかったとも言っています。そして、事件後の9月14日に、友人からのメールで、昨日の事件の犯人は植草元教授じゃないか。9月14日にインターネットのヤフーのニュースを見て、このメールとニュースによって強い影響を受け、犯人が植草一秀であることを確信するようになったというふうに言っているわけです。
 つまり、Tさんは、事件当時は被告人や犯人の顔を正確に観察、記憶していなかったにもかかわらず、ニュースや友人からのメールで、植草一秀が捕まったという情報を得て、犯人イコール植草一秀である、自分がよく顔を知っている植草一秀であるということで、顔の特定の記憶がつくられていったと考えられるのです。
 以上、Tさんの供述の信用性についてまとめると、次のようになります。
 Tさんの目撃した人物には、4つの重大な疑問がある。これは先ほど述べました。
 Tさんは、犯人が被害者から離れた後、犯人を見失っています。
 Tさんは、被害者が被告人を犯人と取り違えたことに影響を受けて、被告人を犯人と取り違えました。
 Tさんは、被告人や犯人の顔を正確に観察、記憶していませんでした。事件後の友人からのメールやニュースに影響を受けて、被告人植草一秀が犯人であると確信するようになりました。
 すなわち、Tさんの犯人識別供述の信用性は極めて低いと言えると思います。
 次に、逮捕者であるKさんの供述について述べます。
 まず、Kさんの供述の位置づけです。
 これが先ほども説明しましたKさんの供述です。もう一度復習してみましょう。Kの場所で被害者の声を聞いて振り返り、被害者はアの地点で右肩から振り返り、被告人はイの地点にいて、被告人と被害者の間に人が入れるすき間はない。そして、振り返った瞬間は、抗議の声に反応して、被告人は①のほうを向いていた。それ以降はやや外す感じで②のほうを向いていた、このようにKさんは言っています。
 一方、Tさんの場合は、先ほども言いましたように、このような動きを犯人がしたと言っているわけです。先ほどから言いますように、このような供述をしているわけです。Tさんの供述書と公判供述は、後方か右後方かでは異なっていますが、いずれも被告人から相当離れた位置、後方に男が移動しているという点では一致していて、この点でTさんの供述とは大きく異なっています。
 次に、被害者の事実説明による振り返ったときの男の位置です。被害者の事実説明によると、犯人は一、二、三歩後退して、右側を向いたことになります。これはTさんの公判供述と比較的近い内容ですが、やはり犯人が被害者からずっと離れたところに立っているのがわかると思います。したがって、Kさんの供述とは明らかに異なっています。
 つまり、犯人は被告人から離れたところに移動している。一方、被告人は被害者の右後方に立っていたことになりますから、Kさんの供述は、被告人が犯人でないことを示す極めて重要な証拠であるということになります。
 これは、被告人が供述する被告人が立っていた位置を、Kさんの証言調書に加えた図面です。Kさんの供述する被告人の位置と、被告人の供述する被告人の位置は、完全には一致していませんが、重なり合う部分がかなりあるのはわかると思います。被害者の右後方の近くという点では、ほぼ合致しています。
 また、Kさんは、先ほども言いましたように、被告人が①の方向から②のほうに向きを変えたと述べていますが、これも被告人が向きを変えたと言う方向とほぼ合致しています。
 また、Kさんは、このときに被告人がつり革につかまっていなかったと述べていますが、実は被告人は、捜査段階の供述調書から公判供述まで一貫して、被害者が振り返ったときにつり革につかまっていたかどうか、記憶がはっきりしないと述べているのでありまして、この点についても、被告人供述とKさんの供述は反していません。
 Kさんの供述する被告人の位置と、Tさんと被害者の言っている被害者から離れた犯人の位置は、異なっています。一方、Kさんの供述と被告人の供述は、被害者の右後方の近くに立ったという点で基本的に合致しているわけです。このことから、被告人が犯人ではないことが明らかになっています。
 さて、その次に、Kさんは被害者が振り返った瞬間の被告人を見ている。そのとき被告人は移動していない。この点について説明したいと思います。
 まず、Kさんが振り返ったときの被害者、Kさん、被告人の動きを、イメージ図で再現してみましょう。まず、被害者がアの地点で右肩から振り返ります。動きが速かったので、もう一度やってみます。こういう動きです。このようにKさんは、被害者がアの地点で右肩から振り返っていて、被害者の振り返った方向を目撃しています。また、振り返った瞬間は、抗議の声に反応して、被告人は①のほうを向いていたと言っています。やはり振り返った瞬間の動きを見ていることになります。つまり、Kさんは、被害者が振り返った瞬間の被告人を見ているということが言えるのです。
 次に、Kさんは、被害者が振り返った瞬間の被告人の動きについて、次のように述べています。「やや身を引く感じはありました。右手を上げてちょっと引く動作はありましたけれども、先ほども言ったように、足を歩んだりするようなスペースはありませんので、特に移動はありません。のけぞらせるような動きがまずあったと思います。あと、足の移動は、あっても、半歩か1歩ぐらいしか動く余地はなかったと思います。動いた印象もあります」。
 被告人がちょっと身を引くような感じで右手を軽く上げたという動作は、被害者の突然の動きに驚き、身を引きながらたじろいだ被告人の反射的な動作と考えることができます。つまり、もともとその場に被告人が立っていたときに、被害者が突然振り返ったという状況をKさんは述べていると想定するのが整合的だと言えます。
 次に、Kさんが真犯人の動きを見ていないのはおかしくない。真犯人が右後方に移動できるだけのスペースがあったと考えられる。この点について説明したいと思います。
 Kさんは、被害者の声がした後で被害者のほうを向いたと述べていますから、被害者が振り返る動作の終わりのほうを目撃したと考えられます。そうすると、先に移動している真犯人は、Kさんが振り向いたときには、何食わぬ顔をして被告人のほうを見ていたことになります。つまり、この図で言えば、上の状態や2番目の状態です。この状態をKさんは見たということになります。そうすると、真犯人、この男ですけれども、既に移動を終わって、被告人を何食わぬ顔で見ていますから、Kさんが真犯人の怪しい動きを目撃することができないのは当然であるということになります。
 次に、込みぐあいについてのKさんの供述を考慮しても、なお真犯人が先に移動するスペースがあったと考えられることについて説明しましょう。
 Kさんは、電車内は人が素早く移動することができるような状態ではなかったと供述しています。しかし、Kさんが立っていた場所と、被害者やTさんが立っていた場所は異なっています。そして、Tさんは、実際に犯人が後ろに1~2歩後退したと述べていて、真犯人が素早く1~2歩後退できるだけのスペースが、現実に被害者の後方にあったことを認めています。したがって、Kさんのこの供述を考慮しても、なお真犯人が移動するだけのスペースがあったということになります。
 以上をまとめますと、まずKさんは逮捕者であり、一般論として、被告人の犯人性を裏づける供述をする動機があります。そのKさんが、被害者が振り返ったときの被告人が立っていた位置について、被告人の供述とほぼ合致する証言をしているということは、このKさんの供述、証言の信用性は高いと言うべきであります。
 被害者の供述とTさんの供述によれば、犯人は被害者の真後ろに密着して立っていて、1~2歩後退したことになります。一方、Kさんと被告人の供述によれば、被告人は被害者の右後ろのすぐ近くに立っていたことになります。つまり、犯人のいる位置と被告人のいる位置は違うのです。したがって、被告人は犯人ではないことが明らかになるのです。
○M弁護人 では、次に、弁護側の目撃証人の証言について述べます。
 まず、弁護側目撃証人の重要性についてです。
 検察官は、平成18年9月13日午後10時8分ころから同日午後10時10分ころまでの間、被告人が痴漢行為をしたと主張しています。午後10時8分というのは、被告人が乗車した電車が品川駅を発車した時刻です。つまり、発車と同時に痴漢行為を開始し、その後2~3分間にわたり痴漢行為を継続していたというものです。この実行行為の開始時刻の特定は、被害者が発車と同時に痴漢行為の被害に遭ったという供述に依拠するものです。
 これに対して、弁護側の目撃証人は、品川駅で乗車すると同時に被告人を発見し、それ以降、乗車した電車が青物横丁駅を通過するあたりまでずっと被告人を目撃していた。しかし、被告人は痴漢行為をしていなかったと証言しているものです。
 被告人が乗車した電車は、品川駅を午後10時8分に発車しました。次の停車駅である京急蒲田駅に午後10時18分に到着しています。時刻表のデータによれば、快速特急電車が品川駅を発車して青物横丁駅を通過するまでに2~3分間を要するのですから、青物横丁駅を通過するのは午後10時10分ごろだということになります。つまり、検察官が、被告人が痴漢行為をしていたと主張するのと同じ時間帯に、弁護側の目撃証人は、被告人が痴漢行為をしていなかったと証言しているのであります。この証人の証言は、被告人の無罪を裏づける決定的証拠にほかなりません。
 では、弁護側の目撃証人が具体的にどのような証言をしているのかについて述べたいと思います。
 まず、証人が電車に乗り込んだところで、車両中央付近に被告人が立っていることに気がついたということです。証人が品川駅のホームに着いたとき、ちょうど快速特急電車が進入してきたところでした。その電車を見ながら、ホーム上を電車の進行方向へしばらく移動した後、ほかの乗客の後について車両に乗り込みました。すると、その車両の中央付近に立っている被告人に気がつきました。
 証人は、被告人の前から左横をすり抜けて、後ろに回り込むようにして移動しましたが、その際に被告人の顔を間近で見て、どこかで見たことがある人だなと感じました。このときの被告人は、車両中央左側、つまり進行方向寄りのあたりの位置に立って、進行方向とは逆の方向に体を向けており、つり革につかまらないで、うつむくような姿勢で立っていました。このときの被告人の印象について、ちょっと青白い、身なりはきちんとしていたが、ちょっとだらしない人なのかなというものでした。
 そのような被告人を見ながら、証人は、被告人の左横側をすり抜けるようにして回り込み、進行方向左側の座席の前に立ちました。電車が発車する直前に、目の前の座席に座っていた乗客が立ち上がり、急いでおりていったので、証人は運よく座席に座ることができました。座ったときにドアが閉まり、電車が動き出したということです。
 証人が座席に座ってから被告人を見ると、被告人は、反対側の座席に近い位置に立っていて、反対側の窓の方向に体を向け、つり革に右手でつかまり立っていました。このときの被告人の様子について、証人は、ちょっとくたびれたサラリーマンがつり革につかまり、頭を下げているような姿だったという印象を受けました。証人はそのときも、だれだろう、どこかで見かけた人だなと思っていました。
 電車は午後10時8分に発車しましたが、このときの被告人は、右手でつり革につかまり頭をうなだれて、だらしのない様子でしたが、後ろを振り返るような動作があり、横顔が見えました。証人はその横顔を見て、ああ、やっぱり植草さんだと確かめることができました。
 その後、青物横丁駅あたりまでの間、証人は被告人の様子をずっと目撃していましたが、被告人は位置を移動することなく、左や右を見たり、電車が揺れると体を動かしたり、つり革につかまっていても体勢を保てずに、ほかの乗客にぶつかりそうな様子が続いたということです。しかし、青物横丁駅を過ぎて、大森海岸を過ぎたあたりまで、証人は被告人の様子を全く目撃していません。その間、証人は座席に座ったままウトウトしていたからです。つまり、品川駅を発車してから青物横丁駅あたりまで、証人は、被告人が女性に密着していた様子はなかったとはっきり証言しています。
 次に、この弁護側目撃証人の信用性について、具体的に7項目に分けて述べていきたいと思います。
 まず最初に述べることは、証人が証言するに至ったいきさつは極めて自然なものだということです。
 証人は、事件の翌日のニュースで被告人が痴漢容疑で逮捕されたことを知って驚きました。しかし、すぐに警察に名乗り出ませんでした。証人がすぐに名乗り出なかった理由は、面倒なことにはかかわりたくないと思い、自分でなくてもだれかが証言するだろうという気持ちを持ったことに加えて、マスコミが興味本位で報道していた状況をあわせ考えれば、被告人に有利な目撃状況を証言しようとするには、相当な勇気と決断が要求されることは想像にかたくありません。証人が事件後、直ちに名乗り出なかったとしても、何ら不自然なことではないのです。
 次に、証人は、被告人が車内暴力事件の被害者となって、ホームへ引きずり出されたと思い込んでいました。その理由は、被告人が酔ってだらしない状態でつり革につかまっており、つり革につかまっていても体勢を保てず、周囲の乗客にぶつかりそうな様子だった上、被告人を押さえた男性は静かで不気味な印象があり、そこに後から加わった男性が何かをわめき散らしており、一緒にホームへおりていった女性の姿は、いずれかの男性の連れのように見えたからです。
 そのような思いでいた証人が思い直したきっかけは、本年1月22日に、被告人が保釈されて拘置所から出てくる場面をテレビの報道で見たときでした。テレビで見たときに証人は、これほど長期に及んでも事件が解決していないことを初めて知り、かつ、自分が関与しなくても容易に解決されると思い込んでいたことが間違っていたことに気づきました。そこで、すぐにでも警察で目撃状況を説明しなかったことを悔やむとともに、何か協力しなければいけないという気持ちがわいてきたというのであります。
 しかし、証人が具体的に何をどうしたらよいのかわからず悩んでいたところ、本年2月13日、東京簡易裁判所の待合場所でたまたま隣り合った弁護士に「こういうことを見たのだが、どうですかね」と話をしました。すると、その弁護士は、とても大事なことだから、被告人の刑事弁護人に連絡するように助言をしました。弁護士としては当然のことでしょう。
 この弁護士は、証人を隣の弁護士会館に連れていき、調べましたが、だれが刑事弁護人を引き受けているのか、確認することができませんでした。しかし、「お互いに連絡先を調べよう。何かわかったら連絡する」と弁護士から言われて別れたものの、なかなか連絡がないので、みずから出版物やインターネットにより被告人の会社のファクス番号を調べることができ、手書きの文書を送信して、事情説明をすると申し出たのです。
 検察官は、事件後5カ月を経過するまで、警察に名乗り出るなどの具体的な行動に出ていないことは不自然であるかのように述べますが、以上述べたように、証人の性格や相談相手の有無、マスコミや社会、就業先等への影響と、そこから受けるであろうプレッシャーなど、さまざまな要因によるものであって、そのような目撃証人の心情を一般化して非難することは的外れであるし、不適切なことであります。
 次に、証人には事件に関する予備知識がなく、記憶のままに証言しているので、信用性が高いということについて述べます。
 まず、証人は、被告人とは一面識もなく、テレビ以外に見たことはありませんでした。また、被告人にコンタクトをとったものの、直ちに弁護人から返答があり、その後、被告人から隔離された状態に置かれたままでした。
 次に、証人は、事件内容に関する予備知識もないし、予断や偏見もないということです。証人は、被告人の供述内容も知らず、被害者の供述内容も知らず、その他の者の供述内容も知らず、そして公訴事実の内容さえも知らずに、この法廷の証言台に立ちました。自分の証言が被告人の無罪を裏づける決定的な証拠となり得るという認識さえ持つことなく、自分の記憶だけに基づいて証言したのです。
 次に、弁護側証人の証言内容が詳細かつ具体的である理由と、それゆえに信用性が高いということについて述べます。
 まず、証人にとっては、テレビでしか見たことのない著名人を間近に初めて見たという貴重な体験だったのです。最初に気がついたとき、「顔が合った」と表現しているとおり、極めて近接した距離で被告人を目撃しました。そのとき、どこかで見たことがあるなと思い、思い出そうと試みました。
 ヘアスタイルが特徴的だったという印象から、とても気になっていました。また、被告人がかけていた眼鏡の特徴について、「スーパーマンのクラーク・ケントがかけていたような眼鏡だ」と表現するほどに鮮烈な印象が残っていたことや、酒のにおいがした、まただらしない姿を目撃したということで、それまで抱いていたイメージに反するという意外性を感じたのであります。それゆえに被告人に対して強い関心を抱いて目撃していたのです。そのため、被告人に関する記憶は詳細で具体的であり、よく記憶に残っていたのであって、信用性が高いものであります。
 なお、検察官は、弁護側の目撃証人が乗車した際に、被告人が既に車両中央付近に立っていたという証言内容は、被告人の供述内容と矛盾するので信用できないと述べています。そこで、この点について若干述べておきたいと思います。
 まず、被告人は、品川駅の改札を通るときに、目の前に電車がとまっていて、「ああ、電車がいる」という光景だけを断片的に覚えていると供述していますが、その電車に乗ったとは一言も供述していません。改札を入ったときの光景を説明したにすぎないのです。被告人が実際に乗車した車両は改札口から離れていることを考え合わせれば、被告人が目撃した電車には乗車せず、一たんホームで電車の到着を待った上で、到着車両に乗り込んだものと推測されるのであって、改札口で目撃した電車に乗車した可能性はありません。その後に到着した電車に余裕を持って乗車したのであるからこそ、証人よりも先に車両内にいたのです。むしろ、パスネットの記録によって改札通過時刻が特定できるのにもかかわらず、検察官がその証拠調べを請求していないことにかんがみれば、改札口で目撃した電車には乗り込んでいないと強く推定されるのです。
 次に、弁護側目撃証人が被害者の声を聞いていないということには、合理的な理由があることについて述べます。
 検察官の主張によれば、被害者が声を出して抗議をしたのは、品川駅を発車してから2~3分経過した後であって、前述のとおり、電車が青物横丁駅を通過したあたりだということになります。しかし、被害者の抗議の声がそれほど大きな声ではなく、しかも抗議の途中から涙声になったということは、その様子を目撃していたKが具体的かつ明確に証言しています。
 検察官は、被害者が大声で抗議したとか、叫び声だったなどと勝手に述べていますが、被害者の抗議が大声だったという証拠は全くなく、まして叫び声などという表現は、検察官の論告以外に見つけることができません。たとえ論告といえども、このように証拠にない事実をつくり上げて論じようとする検察官の行いは、厳に戒められるべきです。
 これに対して、弁護側目撃証人は、青物横丁駅を過ぎてから大森海岸駅あたりまでの間は、座席に座ったまま目をつぶりウトウトしていたと言うのですから、その間は、何か起きたかどうか全くわかるわけがないのであって、それはこの証人自身が正直に述べているとおりです。
 しかも、証人が座っていた位置からは、被害者の姿さえ視界に入っていなかったと言うのであり、また、被害者は証人に背を向けるような方向を向いて抗議したと思われることなど、そういう客観的な状況から判断すれば、ウトウトしていた証人が被害者の声に気づかなかったことには合理的な理由があります。
 次に、証人からは被告人の姿がよく見え、逆に被害者の姿が見えなかったことを合理的に説明する理由があることについて述べます。その理由について、証人の前のスペースがあいたままだったということと、座席側エリアはドア側よりもすいていた、この2点について述べます。
 まず、さきに述べたように、品川駅を発車する直前に証人は目の前の座席に座ることができたため、それまで自分が立っていたスペースがあいたままになったと証言しています。このときの状況を、証人がこの法廷で作成した図面に基づいて説明します。証人の位置を赤色で、被告人の位置をグリーンであらわすと、このようになります。証人の目の前があいたままなので、証人から被告人をはっきりと目撃することができます。
 この点について検察官は、この図面が、Kが立っていた位置をわざとずらして作成されたものであり、信用できないと非難します。検察官はK供述が客観的に正しいと言うのでありますから、そのK供述に基づくKの位置を追加してみます。青い色がKが立っていた位置です。すると、Kは証人の真ん前に立っていたことになるものの、被告人は証人から見ると斜め前方の方向に位置します。そのためKが被告人の姿を遮ることなく、証人の位置から被告人の姿をしっかりと目撃できるのです。
 次に、同じ電車の車両内でも、座席側エリアとドア側のエリアでは込みぐあいが違っていたことを説明します。ドア側のエリアは、駅で次々と乗り込んでくる乗客や次の駅でおりようとする乗客で込み合うことは、電車に乗ればよく見かける光景です。エリアによる込みぐあいの違いについて、弁護側の目撃証人は具体的かつ明瞭に区別して証言しています。つまり、ドア側のエリアでは多少人と人が触れ合うかもしれない状況であったが、座席側のエリアでは、つり革につかまって立っている人がまばらであった、このようにはっきり証言しています。
 次に、この目撃証人による時間の経過に関する証言内容は、信用性が高い点について述べます。
 弁護側の目撃証人によると、「青物横丁駅のあたりだった」とか、「大森海岸駅のあたりだった」という表現は、窓外の光景という客観的状況に基づく具体的かつ臨場的なものです。したがって、どのあたりでどうだったという時間の経過に関する証人の証言は、極めて信用性の高いものです。
 これに対して、ほかの供述者の「どこから何分くらいだと思う」という供述は、その者の主観的感覚に基づく説明にすぎないのであって、体験した事象等に関する驚愕や嫌悪あるいは好感等の心理的要因によって時間的感覚が左右されることは、社会的現象上、多々ある、とりたてて珍しいことではありません。「何分くらい」とか「何分間くらい」という供述者の説明は、客観的な証拠に何ら裏づけられたものではありません。したがって、電車に乗車してからの時間の経過に関する証人の証言は、客観的状況に基づく正確なものであって、信用できるものです。
 また、車両内の被告人の位置や乗客の位置、その方向に関する弁護側目撃証人の証言内容は、信用性が高いことについて述べます。
 この証人は、進行方向左側の座席の、ドアから2人目の場所に座っていたというものでありますから、その位置は客観的に動かしようがありません。しかも、座席に座れば、体の向きは当然、反対側、すなわち進行方向右側の座席の方向を向くのであって、その体の向きも客観的に動かしようがありません。したがって、被告人等の位置関係に関するこの証人の証言内容は、極めて信用性が高い。これに対して、「大体どのあたりだと思う」とか「どこから何歩目あたりだ」などと説明するほかの供述者の説明は、あいまいな記憶に基づくものであって、弁護側目撃証人の供述に比較すれば、信用性は低いと言わざるを得ません。
 以上のとおり、弁護側の目撃証人の証言は詳細かつ具体的であって、その証言態度は真摯で、虚偽供述を疑わせる余地が全くないなど、十分信用できるものであり、同証人が証言した目撃状況により、公訴事実が存在しなかったことは十分立証されていると考えます。
     〔パワーポイント調整〕
     〔以下、適宜パワーポイントを示しながら弁論〕
○S弁護人 それでは、被告人の供述等の信用性について弁論させていただきます。
 被告人供述等の信用性について適切に理解するには、被告人が直前に多量に飲酒をしているので、その影響を適切に理解することが不可欠です。
 被告人は、大崎駅にある中華料理店で多量のビールと紹興酒を飲み、午後10時52分ころから午後11時までの間に実施された飲酒検知の結果、呼気1リットル当たり0.47ミリグラムのアルコールが検知されました。それほどまでに飲酒した被告人は、飲酒直後に記憶、思考力を著しく低下させ、ぐったりし、さらにその後1人になってその程度を増大させましたが、その後、痴漢騒ぎに巻き込まれ、犯人として疑われ、取り押さえられ、駅事務所に、さらには蒲田警察署に連行されるうちに、その状態から脱していたということなのです。
 次に、被告人がタクシーを利用しなかった理由について説明いたします。
 被告人は、それまでに顧問先の人間と、大崎駅周辺で何度も飲食をともにしていましたが、帰宅の際、皆が電車で帰っていたので、いつも電車を利用していました。大崎駅のタクシー乗り場は、飲食していた大崎ニューシティの反対側でありました。また、被告人は、大崎駅近辺の構造が、JR、山手通り、目黒川が立体的に複雑に入り組んでいて、タクシーの利用は難しいと当時考えていました。また、何より、その日飲食していた顧問先の人間と一緒に大崎ニューシティ内の中華料理店からJR大崎駅改札付近まで流れたのであり、そのままJRの電車に乗ることが自然の流れであったと言うのであり、決して不自然ではないと思われます。
 次に、被告人が下り方面本件電車に乗ったことは、前述のとおり、多量の飲酒によって思考力を著しく低下させていたことによるものでしたから、不合理ではありません。
 電車内における被告人の位置、体勢は、図のとおりです。被告人は、公判廷において、被告人に有利に証言することなく、記憶に従って慎重に供述しております。電車内における被告人の位置、体勢に関する供述も信用性が高いと言えます。また、それは弁護側目撃証人の証言ともおおむね一致しています。
 被告人は、公判廷で「『子供がいるのに』というやや大きな声がして目をあけると、進行方向を向いて立っていた女性が振り返りつつ、右斜め前方、0.8~1メートル離れた場所に移動する感覚が残っています」と供述しています。被告人は、それ以前とは異なり、「子供がいるのに」というやや大きな声が聞こえ、目の前の女性が突然振り返ったためにびっくりした結果、意識も急に覚めた状態になったのですから、かかる感覚が残っていても不自然、不合理ではありません。
 電車内における被告人の態度について、まず検察官は、「被告人は、被害者が『子供がいるのに』と言ったのを聞いただけで痴漢事件だと思った旨供述していることが、被告人が痴漢の犯人であったことを強く推認させる」などと主張しています。しかし、被告人は、言葉の内容だけでなく、その語調、言葉のトーン、女性の動作を含めて直観的に感じたと供述していますから、前提条件が異なると思われます。被告人の供述は、直観的に感じたという自然なものであるのに対し、検察官の主張は殊さらに前提条件をたがえたものでありますから、前者が合理的であることは明らかです。
 電車内における被告人の態度について、検察官は、「被告人は、被害者の言葉が自分に発せられたとは思わなかった旨供述する一方、かかわり合いになりたくないと思って、体全体の向きを右側に変えたのは不合理だ」とも主張しています。しかし、被告人が、被害者によるこの言葉が自分に発せられたとは思わなかったことと、その場で起きたことにかかわり合いになりたくないと思って体全体の向きを右側に変えたことは、何ら矛盾しません。また、かかわり合いになりたくないと思い、体全体の向きを右側に変えることは、何ら不合理ではありません。よって、不合理と評価すること自体、根拠がない表現と言わざるを得ません。
 電車内における被告人の態度について、検察官は、「被告人は、自分の右前に移動した女性からこの言葉が発せられたことを認識しつつ、女性と反対側の左側に体の向きを背けるのではなく、右側に、被害者をいわば通り過ぎる形で90度ぐらい体の向きを変えたのは不合理である」とも主張しています。しかし、被告人はもともと被害者に対し、ほぼ正面を向いていたのであり、「右側に、被害者をいわば通り過ぎる形で体の向きを変えた」との評価は当たりません。また、被告人がつり革を右手でつかんでいたことからすれば、右回りのほうがむしろ自然とも言えます。また、被告人にとっては、体の向きを変えること自体に意味があったと言えます。よって、不合理などと評価することは、根拠がない表現と言わざるを得ません。
 検察官は、「被告人が痴漢と間違われているのに大声で抗議しなかったことは了解不能」などと主張します。しかし、幾多の痴漢冤罪事件が存在することからも明らかなように、大声で抗議をしても、その場で真実が明らかになるとは限らず、騒ぎ立てられ、犯人に仕立て上げられる可能性もあります。加えて、被告人は、多くの人に名前と顔を知られている植草一秀であり、騒ぎになり、痴漢扱いされていることがわかれば、そのこと自体によって相当なダメージ、さらには前裁判と相まって、ネガティブな情報が土石流のようにはんらんする可能性が高いと考え、電車の中でとにかく騒ぎにしたくないという一念だったのです。そのような被告人の供述は、迫真性に富み、合理的であると言えます。検察官の主張は、状況を理解していない、あるいは想像していないということにすぎず、失当と言わざるを得ません。
 検察官は、被告人が「本件電車内で、痴漢については、自分は人違いであると考えていた」と供述する一方で、「だれか目撃した人はいませんか」などと声を上げていないことから、被告人の犯人性が明らかであるなどとも主張しています。しかし、被告人は、自分が痴漢を行っていないから、自分ではないという意味で、「自分は人違いであると考えていた」と述べているにすぎません。電車内で具体的にどのようなことが起こったのか、それが本当に起こったのか、被害者の狂言なのか全くわからなかったわけです。そして、被告人は、騒ぎにしたくないということで頭がいっぱいであり、極限状態でもありました。そのような状況で、車内に別に真犯人がいるということは考えていなかった。真犯人を探さないと、次の蒲田駅でおりて逃げてしまうとか、電車に乗って逃げてしまうなどということも考えなかったということは、不自然、不合理では決してないと思われます。
 次に、被告人は、蒲田駅内で自殺を図っております。その理由については、被告人は駅事務所まで連れていかれた時点で、前事件をはるかに超える悲惨な状況に思いをめぐらせ、瞬間的に極度のパニックに陥ったということであり、そのことが理由だったと考えられます。
 被告人が犯行を否認するそれぞれの言葉は、若干異なっております。まず、本件電車内では、Kに対し「何もしていませんよ」と抗議しています。また、駅事務所内で、Yに対して「女性と話をさせてくれ」と述べています。また、青木さんに対しては、認否については何も話しておりません。また、弁解録取時においては、警察官に対し「やった覚えがない」などと述べています。9月14日の取り調べにおいては、警察官に対し「やった覚えはない」などと述べています。そして、9月15日からは、検察官に対し「やっていない」と述べています。勾留質問時においては、裁判官に対し「そういうことはしていない」と述べております。
 このように、言葉のニュアンスが異なっておりますが、これは平成18年9月15日の検察官の取り調べまで、具体的に何を疑われているのかがわからず、その取り調べにおいて、疑われている内容が判明し、それなら絶対にないという確信を持つようになったという経緯によるものですから、不合理ではないと考えます。
 次に、青木ヒデオ供述の信用性についてです。青木ヒデオの供述と被告人の供述が相反しており、どちらが信用性が高いかということにつきましては、詳細は提出書面に譲りたいと思います。
 次に、繊維関係について述べます。
 まず、弁護人としましては、繊維鑑定の結果を前提とした事実認定は許されないものと思料いたします。弁護人は、市川の証人尋問、あるいは同人による繊維鑑定の結果を否定するに十分な証拠調べを請求したにもかかわらず、それは却下されております。裁判所が市川の証人尋問、あるいは同人による繊維鑑定の結果に基づいて事実認定するのであれば、著しく公平、公正に反するばかりでなく、正確な事実認定を誤ると言わざるを得ないと思料いたします。
 被告人に付着していたとされる繊維については、弁護人は、Yの衣服の構成繊維と類似していることは実証十分だと考えます。繊維関係につきましては信用性がないということを以下の3点で述べたいと思います。
 まず第1点目。鑑定結果は、色調が類似しているというにすぎないのであり、同一と断定するものではございません。すなわち、獣毛繊維とは「動物の毛」というだけの意味であり、羊、キツネ等、挙げれば切りがございません。ウールに限定したところで、なお一般的に着用する衣服の構成繊維にすぎません。要するに、被告人の手指から採取された繊維は、ごくありふれたウール繊維にすぎません。
 また、かかる繊維が鑑定以前のどの時点、例えば1分前なのか、1時間前なのか、1日前なのか、3日前なのか、またどこで、さらにはどのようにして被告人の手指及びネクタイに付着したか、特定することは不可能です。このように、繊維鑑定は、被告人を犯人と識別する証拠としての価値が極めて薄弱であったと思料いたします。
 また、仮にある者が両手で被害者の臀部を2~3分間もなで回していたというのであれば、その両手指全体にスカート生地から脱離した構成繊維が過剰に付着するはずであり、しかも、被害者のスカートの構成繊維は合計4種類であったとされていますから、その4種類の構成繊維がすべて両手指全体に多量に付着し、付着している繊維の構成比率も、スカートの布地と同様の構成比率であるはずです。
 ところが、鑑定結果は、たった3本の繊維がスカートの構成繊維と色調が類似し、しかも類似していたのは1種類についてのみというものです。また、どのような仕組みで1種類のみが付着し、残る3種類の繊維が付着しなかったのかという説明もありません。さらに、被告人の両手の手指に付着していた多量の繊維片については、どのような繊維片がどのように分布して付着していたのか。また、その中で上記3本の繊維が手指のどの部分にどのように付着していたのかも明らかにされていません。したがって、被告人の手指に繊維が付着していたとされる状態は、不自然、不合理と言わざるを得ません。
 次に、被害者のスカートの繊維は、スカートの生地を構成している糸を切り取った上、この糸をほぐして採取されたとされていますが、具体的にスカートのどの部分の生地から採取されたのかは明らかにされていません。しかし、繊維は、磨耗、損傷、汗等による汚染・汚損、あるいは日光にさらされて変色・退色しますから、被害者がさわられ続けたと言うのが臀部である以上、端的にその場所の生地部分から繊維を採取すべきであり、しかも、被告人のネクタイ同様、粘着テープにより離脱した繊維が採取されるべきです。したがって、被害者のスカートの繊維の採取方法は不合理と言わざるを得ません。
 次に、市川さんは光学顕微鏡を用いて鑑定していますが、光学顕微鏡では、繊維の特定や鱗片の形状が不明瞭であり、精密な鑑定を行うことはできません。
 次に、市川さんは、繊維の色調について、強い青色、明るい青色、さえた青色等の表現を用いて、青色獣毛繊維を区別していますが、その具体的な色調の違いについて、合理的な説明があるとは言えません。
 次に、光学顕微鏡は、色調の鑑定に適しません。市川さんは「薄い色の木綿繊維は、糸をほぐしてしまうと、無色で観察される」などと証言しているのであり、光学顕微鏡観察が繊維の色調の判断に適していないことを自認していると言えるのではないでしょうか。
 繊維の形状に関する市川さんの証言は、獣毛繊維の性質に関する一般的な説明にすぎないにもかかわらず、殊さらに鑑定繊維の類似を強調しようとする意図的な表現に終始していると言えます。このような繊維の形状の類似性に関する市川さんの証言には、信用性がないと言わざるを得ません。
 弁論の結論です。
 まず、被害者やTさんの犯人識別供述の信用性は低いと言えます。そのことから、被告人は犯人ではないことが1つ裏づけられることになります。
 K供述は、被害者が振り返ったときに被告人が立っていた位置から、被告人が犯人ではないことを明らかにしております。また、弁護側目撃者供述は、被害者が振り返る少し前まで、被告人が痴漢行為をしていなかったことを明らかにしています。
 このように、弁護側目撃者供述は、被害者が振り返る少し前まで、被告人が痴漢行為をしていないことを明らかにするものであり、一方、K供述は、被害者が振り返ったときに被害者が立っていた位置から、被告人が犯人ではないことを明らかにするものであり、両者が相まって、被告人が痴漢犯人ではないことが明らかになったと思料いたします。
 よって、被告人につきましては、無罪判決が下されるべきであると考えます。
 以上でございます。
○神坂裁判長 それでは、被告人、前に立ってもらえますか。
     〔植草被告人、証言台の前に立つ〕
○神坂裁判長 この事件については以上で審理を終了して、次回公判で判決を言い渡すことになります。
 審理を終了するに当たって、被告人のほうから何か言っておきたいことがあれば、どういうことでもいいですから言ってください。
○植草被告人 はい。
 それでは、書面を用意しておりますので、読み上げる形で申し上げたいと思います。
     〔以下、意見陳述書朗読〕
平成18年(特わ)第4205号
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為の防止に関する条例違反被告事件
意見陳述書
東京地方裁判所刑事第2部 御中
平成19年8月21日
被告人 植 草 一 秀

 私は嫌疑をかけられている罪を絶対に犯しておりません。

 私は平成18年9月13日午後10時8分に品川駅を発車した京浜急行京急久里浜行き電車に乗り合わせ、今回の事件に巻き込まれました。取り調べにおいて、品川駅京急改札口を通過する際に目の前に電車が止まっている状況を記憶していることを述べました。この電車に乗ったのかどうかについては、改札通過後、電車に乗る瞬間までの記憶が途切れているために分かりませんが、東京地方検察庁での取り調べの際に、取り調べ担当の名取検事から、私が当日使用したパスネット記載の改札通過時刻からすると、私が改札を通過したときには私が乗った電車はまだ品川駅ホームには入線していなかったはずだと指摘されました。
 私は証拠として採用されている平成18年10月3日付検面調書において、「あなたが改札口を通ったときには、下り方向のホームにはまだ電車が入ってきていなかったようだが、その記憶は間違いないのか。」との問いに対して、「私としては目の前のホームにいたような気がしますが、私が改札口を通ったときにまだ下り電車が到着していなかったとすれば、何か勘違いをしているかも知れません。」と述べました。
 第9回公判で証言した弁護側目撃証人は電車に乗る人の列の最後尾から電車に乗り込んだ際に、私がすでに電車の車内にいたと証言しました。つまり、私は事件の発生した電車が品川駅に到着する前に品川駅ホームに入り、当該電車到着後、第9回公判の弁護側目撃証人より先に電車に乗り込んだと考えられます。私が目撃した電車は品川駅を先発した電車か反対ホームに停車していた電車であった可能性が高いと思われます。第9回公判の弁護側目撃証人が電車に乗り込んだ際に、すでに私が電車の車内にいたことに矛盾はないと思います。

 電車が品川駅を発車してから、私は半眠りの状態で立っていましたが、女性のやや大きな声を聞いて目を開けたところ、後ろを振り返る女性の姿を目撃しました。この瞬間には女性は私の方向を見ていませんでした。私は、女性の甲高い声と動作から「痴漢騒ぎではないか」と直感的に感じ、絶対にかかわり合いになりたくないとの思いから、体の向きを右向きに変えて、また目をつぶって下を向いて立っていました。
 公判で、被害者や検察側目撃者が、犯人は被害者の真後ろに被害者に密着して電車の進行方向に向いて立っていたと述べていることを知りました。仮にこのような犯人が存在していたのだとすると、この犯人は間違いなく私とは別の人物ということになります。私は被害者の真後ろではなく、被害者の右横ないし右斜め後ろに、被害者と密着することなく立っていました。私が女性の声に気付いて目を開けた時に見た光景と電車が出発した時に見た光景は同じで、私は同じ場所に立っていました。その間に移動したこともなく、被害者の女性と密着もしておりませんでした。
 ただ、女性が声をあげて後ろを振り返ったあとで、私が少し右に向きを変えて目をつぶり、下を向いて立っていたので、その様子が犯人と間違えられる原因になったのだと思います。弁護団は私とは別の真犯人が被害者の真後ろに立っていたとの仮説を設けて再現実験をし、DVDを作成して公判で上映しました。この再現実験DVDを見ますと、被害者が振り返る前に、被害者が手でヘッドフォンをはずす動作に真犯人が反応して右後方に移動してしまい、被害者が振り返ったあとで私が右に向きを変えて下を向いたために、被害者が私を犯人と取り違えてしまう様子が鮮明に再現されていました。被害者は振り向いたときに犯人を見ておらず、また、犯人を手で触っていない、手首も触っていない、服もつかんでいないと公判で供述しました。ヘッドフォンをはずして振り返ったあとで、私を真犯人と取り違えてしまったのだと思います。

 被害者の発した声はやや大きめな声でしたが、それほど大きなものではありませんでした。その後、泣いていたとのことですが、声をあげていたわけではありません。第9回公判で証言した弁護側目撃証人は、うとうとしていて女性が声をあげたことに気付かなかったと証言しましたが、電車の進行方向左側の座席に着席していた弁護側目撃証人が電車外部の騒音などの影響もあり、この証人に背を向けていた女性が発したそれほど大きくはなかった声に気付かなかったとしても、まったく不自然ではないと思います。

 私が下を向いて目をつぶっていたところ、しばらくして私は私の左とうしろを誰かにつかまれ、私が犯人に取り違えられたことに気付きました。しかし、電車のなかで騒ぎには絶対したくないと考えて、電車が蒲田に到着するまで静かにしていました。被告人質問では、なぜ大きな声で抗議しなかったのか、なぜ真犯人を探そうとしなかったのかと聞かれましたが、私はその時点では、とにかくこの場で騒ぎにはしたくないとの気持ちでいっぱいでした。また、力の強い見知らぬ男に押さえられて身の危険も感じていました。私は顔を人によく知られている身であり、また、過去に事件に巻き込まれたこともあることから、電車内で騒ぎになれば間違いなく大騒ぎになると考えて、そのような行動をとりました。

 蒲田駅で警官と言葉を交わしたことは覚えていますが、「女性に不快感を与えるようなことをした」などの言葉を絶対に発していません。蒲田駅で私がそのような言葉を発したと証言した青木警官は、その後蒲田警察署内で取扱状況報告書を作成したと証言しましたが、同時間帯に蒲田警察署内で取り調べを受けていた私は、警官から「蒲田駅で女性に不快感を与えたと言ったのではないか」などの指摘をまったく受けておりません。このことは青木警官の証言が虚偽であることの明確な証左であると思います。
 
 蒲田警察署で粘着テープによる私の両手指10本分の付着物採取が行われました。検察官は科学捜査研究所に付着物の鑑定を委嘱し、証人として出廷した科学捜査研究所の市川研究員は、付着物として採取された獣毛繊維3本が被害者が着用していた紺色スカートの構成繊維に類似していると証言しました。これに対して、弁護団は私が蒲田駅駅務室内で2度にわたってもみ合った京浜急行蒲田駅職員が着用していた紺色制服と同一の制服生地を入手し、静岡大学の澤渡千枝教授にその生地の構成繊維と手の付着物から採取された獣毛繊維との同一性に関する鑑定を委嘱しました。その結果、駅員が着用していた制服の構成繊維が私の手の付着物から採取された獣毛繊維と「極めて類似している」との鑑定結果が提示されました。
 弁護団はこの鑑定結果を裁判所に証拠として採用するように要請しましたが、却下され、澤渡千枝教授の証人尋問を申請しましたが、これも却下されました。市川証人は付着物の獣毛繊維が被害者女性のスカートに由来するか判別できなかったと証言しており、私の手の付着物から採取された獣毛繊維は、私がもみ合った京急蒲田駅職員の制服生地に由来する可能性が非常に高いと考えます。

 検察側目撃証人は被害者の真後ろに立っていた真犯人を目撃したと証言しました。この目撃者は犯人の顔をじっと見たと証言しました。しかしながら、目撃者はその犯人が私、植草一秀だとは分からなかったと証言しました。またこの目撃者は、当時私がかけていた非常に特徴のあるセルロイド眼鏡を記憶しておらず、事件当時よりも8、9キロも体重を減らし、激しくやせてやつれた私の姿を見て、事件当時よりもやせている、やつれているという印象はないと証言しました。
 弁護団は日本大学文理学部の厳島教授に、眼鏡をかけた私の印象に関する心理学実験を委嘱しました。実験では法科大学院の学生に私の写真9枚を1枚当たり8秒ずつ、合計72秒間見てもらいました。写真は被害者の後ろに私が密着していたとの目的者証言に基づいて現場を再現して、目撃者から見える私の姿を撮影したものです。
 大学院の学生に3日後に写真について質問した結果、20人中の19人が私が眼鏡をかけていたことをはっきりと記憶していました。目撃証人は、私が持っていた傘や右肩に下げていたバッグについての記憶がなく、特徴のある眼鏡を記憶しておらず、目撃証人の証言時に私が激しくやせてやつれたことにも気付きませんでした。目撃者は私でない別の真犯人を目撃していて、被害者が振り返ったあとに被害者が指し示した私を自分が目撃した犯人と誤認してしまったのだと考えられます。

 被害者および検察側目撃証人は犯人が被害者の真後ろに被害者に密着して立っていたと証言しました。被害者はグレーのセーターを着用していたので、もし私が犯人であれば、私のスーツに被害者着用のグレーセーターの構成繊維が多数付着しているはずです。弁護団は裁判所に対して被害者着用のグレーセーター構成繊維が私の着用していたスーツに付着しているかどうかについて、裁判所による鑑定を求めましたが、これも却下されました。

 平成19年4月20日に、事件当日の当該電車に乗り合わせ、私の様子を目撃していた目撃者が名乗り出てくれました。この目撃者は、当該電車に乗車した直後に私の存在に気付き、電車が発車する時点で、私が植草一秀であることをはっきり認識したと証言しました。電車が発車してから青物横丁駅を通過するころまで、私が酒に酔った様子でぐったりとして、右手で吊革につかまっていた姿をはっきり目撃していたことを法廷で証言しました。この間、私が女性と密着していなかったことも証言しました。証人は電車が品川駅から青物横丁あたりまでを通過した時間帯に犯行があったことを法廷での証言時点でも認識していませんでした。目撃者の証言は犯行時間帯に私が犯罪行為を行っていなかったことを示したものでした。

 証人は事件翌日にニュースで事件を知り、「えっ、うそだろう。車内暴力というイメージが強かった」と思いながら、「通りがかりの通行人をして」そのままにしてしまっていたところ、平成19年1月22日に私が東京拘置所から保釈される際に、寝具などの荷物を台車に乗せて押しながら歩いている私の姿がテレビニュースで放映されている場面を見て、「何かで協力してあげればよかったと思った」と証言しました。その後、過去に私が出版した著書を入手し、出版社に連絡先を問い合わせたが分からず、その後、たまたま簡易裁判所で出会った弁護士に事情を話したところ、隣の弁護士会館に一緒に行ってくれ、弁護士会館で私の担当弁護士を教えて欲しいと申し入れたとのことでした。
 ところが、担当弁護士の連絡先がすぐには分からずに連絡先をさがしていたところ、たまたま私の会社のホームページの存在を知り、連絡を取ろうとしたとのことです。しかし、私の会社のホームページに記載されていた電話、FAX番号は平成19年4月13日ころまで利用可能な状況にはありませんでした。平成19年4月13日ころに私が会社のホームページに通信可能なFAX番号を掲示したところ、その直後である4月20日に証人からFAXで連絡が入りました。
 私が直ちに弁護士に連絡を入れたところ、弁護士は私が目撃者と直接連絡を取らないように指示しました。その後、弁護士が目撃者に連絡を取った結果、目撃者が公判に証人として出廷してくれることになりました。弁護団は証人に事件の説明をまったくしておりません。また、証人はテレビのニュースで伝えられた程度にしか、事件についての知識を有していませんでした。私は証人とはこれまでまったく面識がなく、証人からFAXで連絡を受けたのち、直ちに弁護士に連絡し、その後の連絡は弁護士から行なってもらい、また、弁護士から証人と直接接触しないように指示され、証人とはあいさつもろくにさせてもらえない状況にありました。したがって、証人が証言した内容は、紛れもなく証人が自分の目で見たことに他ならないと思います。証人として法廷に出廷することには大きな負担を伴うと思いますが、証人が純粋な正義感から多大な手数をかけて名乗りをあげてくれ、公判で証人として証言してくれたことに対して私は強い感謝の念を感じ、公判で証人が心情を吐露した際には強く胸打たれました。

 蒲田駅で電車を降りたあと、私はとにかく女性と話をさせてくれと主張し続けました。私は酔って半眠りの状態にありましたので、電車が揺れた際にバッグか何かが女性にぶつかった可能性も否定し切れませんでした。そこで、とにかく女性から話を聞いて誤解を解かなければならない、そのことだけを考えていました。警察に引き渡されてしまえば、なす術なく犯人に仕立て上げられて、悲惨な報道被害、冤罪被害に直面することは間違いないと思い、とにかく警察が来る前に女性と話をして誤解を解かなければならないと考えました。
 ところが、女性と話をすることは、私をつかまえた二人の男性と蒲田駅職員に力づくで阻止されてしまいました。そうなれば、悲惨な事態に突入してゆくことは間違いなく、家族を含めて惨事に巻き込まれるのを遮断するには自分が命を絶つ以外ないととっさに判断して蒲田駅駅務室内において自殺を試みました。蒲田駅職員が私の自殺行為に気付き、力づくで阻止しましたので、自殺は未遂に終わりましたが、この影響で私の両目は完全に充血し、充血が治るのには約1カ月の時間を要しました。
 警察に行けば一方的に犯罪者に仕立て上げられてしまい、悲惨な現実に直面するとの私の瞬間的な推理が正しかったことは、のちの現実によって証明されました。被告人質問で検察官は、「誤解を受けた可能性があったのなら、警察が来たときにそのように伝えればそれで済むのではないか」と質問しましたが、痴漢事件における警察での被疑者取り扱いの実態をまったく踏まえない現実離れした質問だったと言わざるを得ません。
 私は事件発生時から今日まで、一点の嘘、偽りを述べることなく対応してい参りました。事件当初、被疑事実をまったく知らされず、「痴漢をやった覚えはない」と述べました。9月15、16日に検察庁、裁判所で被疑事実を知らされ、はっきり「そのようなことはしていない」と述べて今日に至っています。

 私は被疑事実にあるような罪を絶対に犯しておりません。また、弁護側の目撃証人は私どもへ連絡してくれた時点が非常に遅れましたが、何らの作為もなく、純粋な正義感から名乗り出て、真実に基づいて証言された方だと思います。裁判所におかれましては、先入観、偏見を持つことなくこの弁護側目撃証人の証言を取り扱われ、無実の者が誤って処罰されないよう、法の正義に従って正しい判断を下されますよう強く要望いたします。
以上
以上です。
○神坂裁判長 もとの席に戻ってください。
     〔植草被告人、被告人席に着く〕
○神坂裁判長 それでは、以上で審理を終了いたします。
 判決言い渡しですけれども、10月16日午前10時からということでよろしいですね。
○宮崎弁護人 本日、時間内におさめようということと、わかりやすい弁論の手法をとりましたが、提出した弁論要旨に証拠を引用して詳細に記載しておりますので、ぜひとも目を通していただきたいと思います。
○神坂裁判長 はい。
 期日はよろしいでしょうか。
○宮崎弁護人 はい。
○I検察官 はい。
○神坂裁判長 それでは、次回期日は、10月16日午前10時からと指定いたします。
 本日の法廷は、以上で終了いたします。

午前11時54分 閉廷

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2007年10月 5日 (金)

植草さんの講演を聴く(「連帯運動」第6回講演・討論会)

 昨日10月4日、木曜日、午後六時半から「植草一秀・梓沢弁護士の話を聞く会」という題目の講演会を聴いてきた。植草さんが保釈されてから初めての公的活動である。当日は、現在、植草さんの弁護を担当されている野嶋弁護士さんも参加。後半は、ネットでWeb「直言」を主催される作家の宮崎学氏も参加され、意見を述べられるという予想外の展開だった。また宮崎学氏は、植草さん、野嶋弁護士さん、梓沢弁護士さん三名の司会も引き受けておられた。聴衆は全員でおよそ50名くらいはいただろうか。検証する会の見慣れた顔も何名か揃っていた。こじんまりとした講演会ではあったが中身は非常に濃いものだった。

 はじめは、植草さんご自身が巻き込まれた理不尽な事件の発生経緯や事後の逮捕状況、勾留・拘置の状況などを説明し、人質司法の異常さやメディアの奇態きわまる報道姿勢などを訴えた。その仔細はすでに「知られざる真実 -勾留地にて-」等で出ていることが大半であったが、随所に植草さんご自身の感想などが述べられていた。次は事件について、野嶋弁護士さんが、公判録のコンパクトな再現というか、植草さんや被害者、真犯人の位置、移動経路などをスライドを使って詳細に説明していた。公判を傍聴した者しか見ることのできなかった配置図などが、説明入りで見ることができて非常に参考になった。

 次は報道被害の研究では斯界の第一人者である人権派弁護士の梓沢和幸(あずさわかずゆき)弁護士さんが、権力や他の恣意が介入しない市民のためのメディアを作ることを熱弁した。煎じ詰めて言えば、梓沢氏はメディアは戦争を扇動する方向に向かうから、市民が自ら情報を共有して権力の恣意に対抗し、戦争を抑止するべきだという論調だった。私(神州の泉)の勘であるがこの見方は植草さんも等しいような気がした。宮崎学氏も現代メディア論を語ったが、彼は梓沢氏とは視点が異なっていた。宮崎氏はメディアとはもともと国民の煽情性をたきつけるというか、けっして戦争を止めるなどという方向には行かず、その存在目的は、劇場型政治(あるいはニュース)を見せつけ、冷笑主義(シニシズム)をともなうスキャンダリズムを国民に提示することにあるというようなことを語った。これは彼の友人である作家の辺見庸氏が詳しく力説しているそうである。

 ご両者のメディア論はそれぞれに深く思うところがあり、私は大いに触発された。なるほど、言われてみると、最近の我が国のマスメディア、特に小泉政権下の新聞、テレビの論調にご両者の語られた面が顕著に現われていると思った。私は自衛隊のイラク派遣の名目である人道支援は嘘であり、実体はアメリカへの傭兵的参戦だと考えている。また、植草さんが「知られざる・・」で書いているように、マスコミはいじめの構図で個人を狙ったが、その性格はニュースの伝達ではなく、植草さんという個人の名誉を徹底的に毀損し、冷笑し、嘲笑する目的で報道したとしか思えないところがあった。宮崎氏の言うように植草さん報道には究極のシニシズムが見られる。

 最後の質疑応答の場面で、宮崎氏の司会で会場からの質問を振った時、私は本記事でも書いたMixiの例の記事が、なぜ公判で却下されたのか、野嶋弁護士さんに訊ねてみたが、彼の答えは、残念だが私の期待とは異なっていた。曰く「準備が整っていなかったから」であった。もう一つ、野嶋氏の言われたことで気になったことは、第二回公判に出廷した検察側の目撃者が、逮捕者について吐いた「私服の男性」発言について、傍聴者の中には、この「私服」があたかも私服警官のように語っている人々がいるが、それは間違いであり、彼(k氏)はデザイナーであり、あくまでも一般人であることを強調した。

 私は植草さん事件の背景を国策捜査で位置づけている。植草さんが逮捕された翌日から国策捜査論をブログで展開している人間である。私は応援者の手前、面と向かって弁護団の弁護方針に異を唱える気持ちは毛頭ないのだが、「私服の男性」についての私の見解は初期から一切揺らぐことはない。確定的に断言できるわけではないが、「私服」発言は国策捜査論の重要な含みを持つキーワードであることは間違いない。私の思いはこうである。もし今の公判戦略である「誤認逮捕説」を裁判官が認めなかった場合、加えて弁護側証人の信憑性を否定する裁定を下した場合、植草さんは公判事実として有罪になる。そうなると権力に迎合したマスメディアが鬼の首を取ったように植草さんを嘲笑いながら叩き潰すことは目に見えている。しかし、目のある人は覚醒しており、植草さんの真実を見抜いているはずだ。こういう方々を一人でも多くするために私は国策捜査論を継続しなければならないのだ。誤認逮捕説を否定するわけではないが、公判でその選択肢が無効になった場合、植草さんを凄惨な報道被害にさらすわけにはいかないのだ。もし、私(神州の泉)が小さなこと(可罰的違法性)で逮捕された場合、その事実そのものが植草さんの国策逮捕を証明することになることを断言しておく。私には私の役割がある。これを否定する相手がどなたであろうとも国策捜査論を私自身が翻すことはあり得ない。

 最後に、昨日の講演会はいろいろな意味で意義深いものがあった。聴衆の少なさは問題ではない、講演者がしっかりと種まきをすることが重要だと思った。本当に濃い内容の講演会だった。帰りは検証する会、その他の人も交えて一杯呑みながら講演内容を話し合ってから別れた。私のブログはアクセス数が少なく、数からすれば大した影響力はないと思うが、それでも国策捜査を計った連中にとっては目障りなものだろう。そこで判決前の今の時期、神州の泉の人間性を貶めてコケにすれば、このサイトの信憑性はがた落ちとなる。だから私は被害妄想と言われてもいいのだが、本気で植草さんと同じ偽装痴漢事件に嵌められることを危惧した。帰りの電車では真剣に警戒を怠らなかった。もし、私が迷惑防止条例違反で捕まったら、「植草被告の熱心な応援ブログの管理者は痴漢だった!!」などという刺激的なタイトルで、ここぞとばかり報道するに決まっている。それは結果的に植草さんの判決に不利になることであり、国策捜査論の可能性を否定する印象報道へと直結する。

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2007年10月 3日 (水)

「月刊日本」に載った植草さんの記事を紹介する

10_3   植草さんが「月刊日本」10月号で、「小泉・安倍」改革路線と決別せよ!」という題名で投稿している。この中で植草さんは、安倍首相が所信表明演説を行なった2日後、代表質問の直前に前代未聞の退陣表明を行ったことに触れ、参院選で自民党が大敗北を喫した意味を正しく検証すべきだと言っている。彼は言う。表面的にしか物事を見ようとしない人々は、参院選での自民党大惨敗の原因を、

1)消えた年金問題
2)相次ぐ閣僚の問題発言
3)「政治と金」問題の噴出

 としか捉えていない。しかし、この見方はあまりにも皮相的であり、国民は安倍政権後期に噴出した種々の問題に対する安倍首相の問題解決能力を冷静に眺め、その結果が参院選の結果に出たと言っている。より本質的な問題は、有権者が過去七年余りの政治運営について審判を下したのだと。私(管理人)もそう思う。植草さんはさらに言う。小泉政権の本質的な間違いは、財務省主導の超緊縮財政がマクロ政策的に失敗していること。また、竹中平蔵氏は頑張った人が報われる社会を作ると標榜したが、竹中氏がその頑張った人のモデルの筆頭に上げたのが、堀江貴文ライブドア社長だった。竹中氏の言う「頑張った人」とは、地道に勤勉に働く人ではなく、M&Aなどの金融技術を駆使して、手段を問わずに金融市場の間隙をついて巨万の富の獲得をする人物のことだった。(神州の泉流に言うなら、「頑張った人」とは仮想的なマネーを器用に移し変えて虚業に邁進した人のことなのか)

 小泉・竹中構造改革路線が、その中心にすえた郵政民営化関連法案は、米国政府の意向に隷属して決められたものである。彼らの推進した構造改革はその目的が国民利益ではなく、米国の国益のためだった。参院選の自民党惨敗は安倍首相の統治能力に対するノーではあったが、本質は過去七年間の清和研究会(=自民党町村派)の政治姿勢に対する有権者の審判であった。小泉・竹中路線の罪は、高齢者、低所得者、母子世帯、障害者、中小企業に冷酷無比な政策を展開したばかりか、保険料や税金で国民負担を増大したことにある。その一方では自己責任原則をいとも簡単に放棄して大銀行を救済したことにある。弱者に強圧的で強者には保護的な政策を遂行するという、まさに典型的な弱肉強食の形を取った。

 植草さんはこの小論の中で、小泉・安倍改革路線と訣別せよと言っている。今の日本は中国製品の世界進出に対抗するために労働のIT化を急激に進めた。その結果、産業革命時に急激に勃興した機械化が、伝統的な職人を駆逐したことと同様な現象が起きており、多数の中間層ホワイトカラーを没落させてしまった。そのために主力多数だった中間層が没落し若年の非正規雇用者が格差に苦しんでいる。緊急的な政策としては労働法制を急いで整えて非正規雇用を拡大する利得を企業に与えないこと。もともと小泉・竹中路線には分配の公正性が欠落しており、あきらかに国民利益ではない非情な国民毀損の形を持っていた。ここまで、国民生活や中小企業を徹底的に毀損した改革の正体を、国民は感づき始めたが、まだマスコミはそのことをきちんと報道しないし、国民にこのまやかしの構造改革の総括を行なう気運が生じていないのだ。まだ四割近い人々が小泉純一郎氏を英雄的な改革者だと間違った思い込みをしているのだ。(このお人は稀代のペテン師宰相だっつーのに!やれやれ!)

 植草さんはまた、日本のメディアが偏向していることを書いている。NHKさえもその例外ではないことなど。最後には日本の司法制度が腐っていることを書いている。起訴有罪率99.パーセントの刑事裁判はどう考えてもおかしいこと。嫌疑を認めろ、否認したら勾留は続くぞという脅しを入れた人質司法がいかに異常であるかを訴えている。月刊日本に書かれた植草さんの記事は多くの人が読むべきである。小泉手法が国民に対して、いかに凄惨で無慈悲なものだったかよくわかる。

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2007年10月 2日 (火)

「民にできることは民に」というコピーの危険性!!

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 読者のJAXVNさんからも貴重なコメントを寄せていただきました。

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(JAXVNさんコメント)

こんにちは。
あの「郵政解散」の時小泉首相(当時)がなんと言っていたか確認したいと思い調べてみました。

「小泉内閣メールマガジン「「らいおんはーと~小泉総理のメッセージ」
[2005/08/11-08/18]第200号
(中略)
 郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか?役人でなければできないのか?私はそうは思いません。「大事な仕事だから公務員でなければだめだ。」と言う人がいますが、それこそまさに官尊民卑の思想です。それは民間人に失礼だと思います。

 郵便局の仕事は民間の経営者に任せても十分できる、むしろ、民間人によってこの郵便局のサービスを提供していただければ、今よりももっと多様なサービスが展開できる、国民の利便性を向上させる。民間の経営者は、国がこういう商品を出しなさい、こういうサービスをやりなさいと義務づけなくても、国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います。

 私は、「この郵政民営化よりももっと大事なことがある。」と言う人がたくさんいることも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるというんでしょうか。私は、前々からこう言っているんです。「行財政改革をせよといいながら郵政民営化に反対することは、『手足をしばって泳げ』と言うようなものだ。」と。

 本当に行政改革、財政改革をやるんだったら、郵政民営化の実現なしには進められません。郵政三事業には約38万人の公務員が携わっている。私は、これを民間人に開放するべきだと言っているんです。私は、郵便局は国民の資産だと思っています。過疎地の郵便局もなくなりません。今の郵政三事業のサービスは、民間人に任せても、地方においても、過疎地においても維持される、十分にできます、ということを言っているんです。
(後略)」
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/yuseimineika/mm/050811mm-lion.html
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 今はどうでしょう。過疎地の郵便局はどんどん減らされています。ATMも撤去されています。各種手数料は大幅に上がりました。どこか民営化で便利になった所なんてあるのでしょうか?
 でも小泉氏は、また「この程度の公約違反は大した事ではない!」というのでしょうね。 しかしこの発言は、本当は政治家としては絶対に言ってはいけない発言のはずなのですが、あの当時のマスコミはほとんど問題視しませんでした、いまだに不可解でなりません(まあスポンサー(=米国)の意向だったとは思いますが)。

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(管理人)

 JAXVNさん、有益なコメントをありがとうございました。しかし、小泉氏のワンフレーズポリティクスは無茶苦茶なものが多いですね。こんな知性のかけらも感じられないキャッチコピーも、繰り返すと効果絶大なことはナチのゲッペルズが証明しています。小泉氏は下記のように言いました。

>「大事な仕事だから公務員でなければだめだ。」と言う人がいますが、
>それこそまさに官尊民卑の思想です。それは民間人に失礼だと思います。

「官尊民卑」とは無茶苦茶な論理です。重要な仕事だからこそ「官」に任せることが我が国の伝統です。何でもかんでも民営化論は、大きな政府から小さな政府への究極的な移行を目指すものです。日本人はこの意味がほとんどわかっていないと言うべきでしょう。あらゆるものから国家の管理、国家の統率を外せと言う考え方です。これがネオリベと言われる新自由主義なのです。行き着く先には国家が存在しなくなる。無政府主義が蔓延する無秩序な領域になるわけです。フリードマンの「政府からの自由」という思想は、煎じ詰めれば国家の解体です。ですからこの六年間に行なった制限なき規制緩和・撤廃は国家の存在形態を弱める方向に変えているのです。数々の規制というものは然るべき理由と必然性があって出来上がっています。実はセーフティネットもこの考え方によって守られてきました。従って、規制を緩和したり撤廃する時は、正当な思想性と最大多数の幸福を維持するためにという総合的な観点が欠落してはなりません。一部の特権階級のための規制緩和であってはならないのです。小泉構造改革の欺瞞性はここにあり、推進派には公的理念が欠落しているということです。ただし、本当のことを言ってしまえば、公益感覚とは正反対、特定の権益者のためだけに行なわれた日本改造計画だったのです。

 耐震偽装問題や福祉、大規模な災害救助、防衛などには、民間ではできない、民間でやってはならない性質のものがあるのです。やるとしても補佐的な範囲であり、中核は国家の監督が行き届いていなければならないものがあります。郵政事業は日本の隅々まで行き届いた非常に細やかな国家体制だったのです。言うならば国家の神経ネットワークでした。これを官尊民卑の妄言で破壊するとは正気の沙汰とは思えません。何のための国家でしょうか。

 小泉氏が「官尊民卑」などと、単純化した劇場パフォーマンス的な言葉で目指すものの向こうには、明らかに国家解体の意志があります。だからこそ私は彼をリフォーマーと呼ばずにデストロイヤーと呼ぶのです。日本国民は知らずして日本を憎悪する人間を六年間も宰相の座に着けていたことを知るべきです。

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2007年10月 1日 (月)

読者テツさんの悔しさ

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 郵政民営化初日をむかえ、今日の私は一日中不愉快な思いをしていた。同様に、私のブログの読者であるテツさんも、悔しさがいっぱいにじみ出ているコメントを寄せてくれました。

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たびたびすみません。

昨日読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」で、パネラーのほとんどが郵政民営化を肯定する発言をし、そこまでならまだしも辛坊氏が特定郵便局長という職業に対して次のような侮辱発言をしていました。そして関岡さんの年次要望書に対する見解をも陰謀論として片付けていたニュアンスに満ちていました。

「庭先に局舎を建てて郵便局をはじめるといえば、家賃がもらえて自分が国家公務員になれる。息子のできが悪くて就職先がなければ、局長にさせればいい・・。」
まさに、戦後の財閥解体や農地解放に対する肯定論につながる既得権益者批判であり、侮辱であったと思います。
 さすがにやばいと感じたたかじんが、即座にフォローしてはいましたが・・・。

 特定郵便局が地方にとって果たしてきた役割・自己犠牲についてはまったく理解がされておらず、単なる既得権益者としての見方しかできない見識に失望しました。局舎料をもらっていると辛坊氏は言っていましたが、そこにいたるまでに投じた私財(土地・局舎)、そしてお金には変えられない地域の老人の世話や村の会計、本来ならば役所がやるべき皆がやりたがらない役職まで、無償でこなしている局長さんの方が多いこともぜひ知っていただきたく思いました。地域のために尽くす使命感なくしてこんな仕事はできません。ジャーナリストが取り上げる経済的観点以外の部分で国家を縁の下から支えてきたことを辛坊氏はじめ、出演者たちに知っていただきたいと思いました。しかし、いつも日本の自立を叫んでいる金美麗さんまでもが民営化を肯定しているのですから救いようがありません。郵政民営化論議は保守の実相をみごとにえぐりだしました。この2年半のあいだになんと多くの保守といわれている者のめっきが剥がれたか。
三島由紀夫が言った言葉「・・・日本はなくなって、その代わりに、無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、ある経済大国が極東の一角に残るであろう。」この通りに日本はなっていくのですね。今日の番組を見て、日本人なら当然持っていた情緒の喪失を実感いたしました。

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  (管理人)

   テツさん、こんばんは。

 まったく悔しい話ですね。140年の整備と伝統を誇る郵政事業を
市場原理一辺倒の価値観でくくり、郵政事業が果たしてきた重要
な国家的インフラを完全に無視した今回の暴挙、そしてこれを歓迎
する自称保守連中の醜悪さ、日本もここまで落ちたのかという思い
でいっぱいです。

>地域のために尽くす使命感なくしてこんな仕事はできません。

 まったくです。私は特定郵便局が地域の重要なインフラになり、
ご老人が社会との接点を求め、安心して「公」の空間との連続性を
確かめる場所でもあったと考えます。郵便局の職員さんが風雪を
越え、どんな山奥でも一生懸命配達してくれた努力は、過疎地に
住むご老人に暖かい人間の息吹も運んでいました。能率主義、効
率主義とは違うものも国民には必要です。

 特定郵便局という地域空間は、そういう触れ合いが日本人の郷土
愛涵養に役立った功績は非常に大きいと考えます。このような日本
風土を根こそぎ否定する思潮こそが、この日本を滅ぼすのです。


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アニマルファームで悲しい目をしたニワトリ

  ついに郵政の民営化がスタートされた。何とも言うべき言葉もない。テレビでは民営化の記念切手を求めてきた人たちの列が映し出されていた。あなた方は亡国を記念する切手が欲しいのか?悪夢が正夢となった気分である。今日を待っていたように、空転していた国会が午後に開かれる。そこで自分の悲哀観をこめて寓話風に書いてみた。

 世界が帝国主義覇権の時代、東洋のちっぽけな国・日本は急速に軍事力・国力を上げてきて、高性能の軍艦まで保有するようになりました。くわえて満州帝国に築き上げた大鉄道の権益分与を申し出たアメリカを蹴りました。怒ったアメリカは四方からこの小さな国を経済的に閉め出す作戦を行い、ハル・ノートを出して日本を怒らせ、日本から開戦を引き起こさせました。

 しめた!と思ったアメリカは日本を叩き潰す口実を得て、予定通り三ヶ月で属国化しようとしました。ところが先人たちの戦闘根性は生易しいものではありませんでした。乏しい物量で三年八ヶ月も戦い続け、しまいには特攻と玉砕をやってアメリカの心胆を冷やしました。占領後、アメリカは二度とこのような国とは戦いたくないと思い、日本から徹底的に周到に「牙」を抜く算段を施しました。それが極東国際軍事裁判(東京裁判)という日本極悪論を根幹に据えた私設裁判でした。財閥、軍閥を解体され、憲法的にも牙を抜かれた日本は、東西冷戦の中で米国の庇護の中で経済に専念しました。米国の核の傘下でぬくぬくと経済成長に邁進し、宗主国の米国さえ脅威に感じさせる工業製品の創出や輸出に飛びぬけた実力を示しました。

 東西冷戦が終焉し、軍事ヘゲモニーが米国一極に集中した時、米国は覇権主義を軍事から経済にシフトし、本来の狩猟民族の本性をあらわにして世界各国から富の収奪を始めました。グローバルスタンダードというチンピラ標準を掲げて。その際、自国の経済に対し最も脅威を抱かせた国が、なんと自分の植民地である日本でした。過去に二回も原爆を落としてとことん弱らせ、負け犬根性を持たせた国です。軍事的に潰すのはわけがありません。いつものようにチンピラらしい難癖をつければいいだけなのです。工業用輸出品を取り上げ、これは軍事転用できるじゃないかなどと言いながら、日本はテロ支援国家だと決め付けるだけでいいでしょう。フセインさんのイラクと同じことをやればいいだけの話です。日本を悪の枢軸国ときめつけ、やっぱり日本は国連憲章敵国条項に謳われている通り、悪い国だったんだぁ~と言って核攻撃すればいいのです。しかし、彼らは脅威の高度成長を成し遂げた植民地を見て、日本民族とは何という素晴らしい家畜だったのだろうかと感心しているのです。日本国家を壊滅させるよりも、親切な同盟国の振りをして金の卵を産む鶏である日本から、金の卵を手際よく騙し取る計画を思いつきました。それがプラザ合意の主旨であり、昨今では年次改革要望書なのです。

 この寓話の中で一番の問題は、生態圏の頂点に位置するイヌワシが、自分をひ弱なニワトリだと思い込んでいることです。しかも過去に他国のニワトリを襲ったいわくつきのチンピラ・ニワトリであると思い込んでいることです。誇り高いイヌワシを東京裁判で洗脳してチンピラ・ニワトリだと思い込ませたのはアメリカというアホウドリです。大東亜戦争以後の日本とは、イヌワシの日本が米国によって家畜化され、こつこつと金の卵を産んでも、それが全部米国というアホウドリに収奪されているという現実があります。日本人は二つの実相に気が付かなければいけません。一つは自分たちが誇り高いイヌワシであること、もう一つは日本の戦後史は、日本という国家がアメリカのアニマル・ファームにされていることです。金の卵が一個や二個アホウドリに持っていかれるなら我慢もできるのです。しかし郵政民営化で膨大な金塊となった金の卵を一気に持ち去られる事態が今起きています。これが完全に持ち去られた場合、ニワトリは再びイヌワシに戻ることはできないのです。民族の自己同一性を回復し、アメリカの家畜・奴隷状態から抜け出るには精神に再び、民族の尊厳性という矜持を取り戻すことです。



(日本国憲法前文より)
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

 日本人がどう思おうとも、国際社会は冷徹な社会ダーウィニズムで動いています。憲法の前文は虚構であり、お人よしの日本人はこの幻想にしがみついています。誰が他国の防衛を面倒見てくれるでしょうか。莫大な用心棒代をせしめても、いざ戦闘になった時、アメリカが日本のために命をかけてくれるはずがありません。ましてや自国権益の足場を築くために、イラクに大量破壊兵器があると嘘をついて滅茶苦茶な軍事侵攻をやるような国が、日本を守ってくれると本気で思っているのでしょうか。同盟国のよしみで日本を守るどころか、日本人がこつこつと額に汗して貯めた数百兆円の国民財産を奪う国に、日本人はなぜこうも親愛の顔を向けているのでしょうか。完全に喰われる前に真相を見究めて真に生き残るグランドデザインを描くべきではないでしょうか。キリスト教国家と言えば、何も知らない日本人は、新約聖書にあるあの美しい「山上の垂訓」を思い浮かべ、米国も基本は敬虔なキリスト教国家なのだから、最終的には悪いことはしないだろうと考えます。しかしこの国の実体は麻薬と暴力に汚染されたカルト国家です。聖書的に言うなら、ソドムとゴモラを合併させて百倍した背徳の国なのです。

 冷静に実体を見てください。青息吐息になって降伏をさぐっていた日本を嘲笑いながら二度の原爆投下を行い、密約でソ連に参戦を認めた。彼らに友情や信頼関係を置くのはどうみても間違いなんです。岡崎久彦さんのような感覚では自殺行為となるだけです。それよりも実相を冷静に見究めてアメリカと対峙し、喰われないように国家のサバイバルをはかっていくべきでしょう。

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