アニマルファームで悲しい目をしたニワトリ
ついに郵政の民営化がスタートされた。何とも言うべき言葉もない。テレビでは民営化の記念切手を求めてきた人たちの列が映し出されていた。あなた方は亡国を記念する切手が欲しいのか?悪夢が正夢となった気分である。今日を待っていたように、空転していた国会が午後に開かれる。そこで自分の悲哀観をこめて寓話風に書いてみた。
世界が帝国主義覇権の時代、東洋のちっぽけな国・日本は急速に軍事力・国力を上げてきて、高性能の軍艦まで保有するようになりました。くわえて満州帝国に築き上げた大鉄道の権益分与を申し出たアメリカを蹴りました。怒ったアメリカは四方からこの小さな国を経済的に閉め出す作戦を行い、ハル・ノートを出して日本を怒らせ、日本から開戦を引き起こさせました。
しめた!と思ったアメリカは日本を叩き潰す口実を得て、予定通り三ヶ月で属国化しようとしました。ところが先人たちの戦闘根性は生易しいものではありませんでした。乏しい物量で三年八ヶ月も戦い続け、しまいには特攻と玉砕をやってアメリカの心胆を冷やしました。占領後、アメリカは二度とこのような国とは戦いたくないと思い、日本から徹底的に周到に「牙」を抜く算段を施しました。それが極東国際軍事裁判(東京裁判)という日本極悪論を根幹に据えた私設裁判でした。財閥、軍閥を解体され、憲法的にも牙を抜かれた日本は、東西冷戦の中で米国の庇護の中で経済に専念しました。米国の核の傘下でぬくぬくと経済成長に邁進し、宗主国の米国さえ脅威に感じさせる工業製品の創出や輸出に飛びぬけた実力を示しました。
東西冷戦が終焉し、軍事ヘゲモニーが米国一極に集中した時、米国は覇権主義を軍事から経済にシフトし、本来の狩猟民族の本性をあらわにして世界各国から富の収奪を始めました。グローバルスタンダードというチンピラ標準を掲げて。その際、自国の経済に対し最も脅威を抱かせた国が、なんと自分の植民地である日本でした。過去に二回も原爆を落としてとことん弱らせ、負け犬根性を持たせた国です。軍事的に潰すのはわけがありません。いつものようにチンピラらしい難癖をつければいいだけなのです。工業用輸出品を取り上げ、これは軍事転用できるじゃないかなどと言いながら、日本はテロ支援国家だと決め付けるだけでいいでしょう。フセインさんのイラクと同じことをやればいいだけの話です。日本を悪の枢軸国ときめつけ、やっぱり日本は国連憲章敵国条項に謳われている通り、悪い国だったんだぁ~と言って核攻撃すればいいのです。しかし、彼らは脅威の高度成長を成し遂げた植民地を見て、日本民族とは何という素晴らしい家畜だったのだろうかと感心しているのです。日本国家を壊滅させるよりも、親切な同盟国の振りをして金の卵を産む鶏である日本から、金の卵を手際よく騙し取る計画を思いつきました。それがプラザ合意の主旨であり、昨今では年次改革要望書なのです。
この寓話の中で一番の問題は、生態圏の頂点に位置するイヌワシが、自分をひ弱なニワトリだと思い込んでいることです。しかも過去に他国のニワトリを襲ったいわくつきのチンピラ・ニワトリであると思い込んでいることです。誇り高いイヌワシを東京裁判で洗脳してチンピラ・ニワトリだと思い込ませたのはアメリカというアホウドリです。大東亜戦争以後の日本とは、イヌワシの日本が米国によって家畜化され、こつこつと金の卵を産んでも、それが全部米国というアホウドリに収奪されているという現実があります。日本人は二つの実相に気が付かなければいけません。一つは自分たちが誇り高いイヌワシであること、もう一つは日本の戦後史は、日本という国家がアメリカのアニマル・ファームにされていることです。金の卵が一個や二個アホウドリに持っていかれるなら我慢もできるのです。しかし郵政民営化で膨大な金塊となった金の卵を一気に持ち去られる事態が今起きています。これが完全に持ち去られた場合、ニワトリは再びイヌワシに戻ることはできないのです。民族の自己同一性を回復し、アメリカの家畜・奴隷状態から抜け出るには精神に再び、民族の尊厳性という矜持を取り戻すことです。
(日本国憲法前文より)
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
日本人がどう思おうとも、国際社会は冷徹な社会ダーウィニズムで動いています。憲法の前文は虚構であり、お人よしの日本人はこの幻想にしがみついています。誰が他国の防衛を面倒見てくれるでしょうか。莫大な用心棒代をせしめても、いざ戦闘になった時、アメリカが日本のために命をかけてくれるはずがありません。ましてや自国権益の足場を築くために、イラクに大量破壊兵器があると嘘をついて滅茶苦茶な軍事侵攻をやるような国が、日本を守ってくれると本気で思っているのでしょうか。同盟国のよしみで日本を守るどころか、日本人がこつこつと額に汗して貯めた数百兆円の国民財産を奪う国に、日本人はなぜこうも親愛の顔を向けているのでしょうか。完全に喰われる前に真相を見究めて真に生き残るグランドデザインを描くべきではないでしょうか。キリスト教国家と言えば、何も知らない日本人は、新約聖書にあるあの美しい「山上の垂訓」を思い浮かべ、米国も基本は敬虔なキリスト教国家なのだから、最終的には悪いことはしないだろうと考えます。しかしこの国の実体は麻薬と暴力に汚染されたカルト国家です。聖書的に言うなら、ソドムとゴモラを合併させて百倍した背徳の国なのです。
冷静に実体を見てください。青息吐息になって降伏をさぐっていた日本を嘲笑いながら二度の原爆投下を行い、密約でソ連に参戦を認めた。彼らに友情や信頼関係を置くのはどうみても間違いなんです。岡崎久彦さんのような感覚では自殺行為となるだけです。それよりも実相を冷静に見究めてアメリカと対峙し、喰われないように国家のサバイバルをはかっていくべきでしょう。
← この記事に興味を持たれた方はクリックお願いします!!
| 固定リンク








コメント
sesiria 様
コメントありがとうございます。
日本国憲法の前文は、戦勝国家群(連合国家群)
が圧倒的に正義なのだから、日本みたいな原始的
な国家はありがたく見習いなさいよと言っている
んですよね。
こんなものを60年間も金科玉条として掲げてき
た私たちは、殉国散華された多くの先人たちに申
し訳ないと思います。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年10月 2日 (火) 12時31分
憲法の前文は虚構>全くその通りだと思います。
何故その事に気付かない人が多いのでしょう。
このままこんな幻想に絡め取られたまま
滅んでいくのは厭です。
投稿: sesiria | 2007年10月 2日 (火) 09時37分
たびたびすみません。
昨日読売テレビの「たかじんのそこまで言って委員会」で、パネラーのほとんどが郵政民営化を肯定する発言をし、そこまでならまだしも辛坊氏が特定郵便局長という職業に対して次のような侮辱発言をしていました。そして関岡さんの年次要望書に対する見解をも陰謀論として片付けていたニュアンスに満ちていました。
「庭先に局舎を建てて郵便局をはじめるといえば、家賃がもらえて自分が国家公務員になれる。息子のできが悪くて就職先がなければ、局長にさせればいい・・。」
まさに、戦後の財閥解体や農地解放に対する肯定論につながる既得権益者批判であり、侮辱であったと思います。
さすがにやばいと感じたたかじんが、即座にフォローしてはいましたが・・・。
特定郵便局が地方にとって果たしてきた役割・自己犠牲についてはまったく理解がされておらず、単なる既得権益者としての見方しかできない見識に失望しました。局舎料をもらっていると辛坊氏は言っていましたが、そこにいたるまでに投じた私財(土地・局舎)、そしてお金には変えられない地域の老人の世話や村の会計、本来ならば役所がやるべき皆がやりたがらない役職まで、無償でこなしている局長さんの方が多いこともぜひ知っていただきたく思いました。地域のために尽くす使命感なくしてこんな仕事はできません。ジャーナリストが取り上げる経済的観点以外の部分で国家を縁の下から支えてきたことを辛坊氏はじめ、出演者たちに知っていただきたいと思いました。しかし、いつも日本の自立を叫んでいる金美麗さんまでもが民営化を肯定しているのですから救いようがありません。郵政民営化論議は保守の実相をみごとにえぐりだしました。この2年半のあいだになんと多くの保守といわれている者のめっきが剥がれたか。
三島由紀夫が言った言葉「・・・日本はなくなって、その代わりに、無機質な、からっぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、ある経済大国が極東の一角に残るであろう。」この通りに日本はなっていくのですね。今日の番組を見て、日本人なら当然持っていた情緒の喪失を実感いたしました。
投稿: テツ | 2007年10月 1日 (月) 16時34分