政権やメディアは『年次改革要望書』をなぜ覆い隠すのか?
私が年次改革要望書という言葉を知ったのは、正確には思い出せないのだが、2005年の郵政解散総選挙の前だったと思う。知るきっかけになったものは関岡英之(せきおかひでゆき)さんの「拒否できない日本」という本だった。普段はほとんどノンポリの生き方をしていた私は、小泉政権発足から一年くらい経った頃、どうもこの政権は今までの政権が持つ政策ベクトルとはかなり異質だということに気が付いていた。
それはエコノミストとしての植草さんが初期から指摘していたように、デフレの真っ只中、超緊縮財政政策の基本を取り、その中で加速的な不良債権処理を強行したとか、その他、この政権には初期から根本的な失政があったが、私は専門家じゃないから、当時そういうことはまったく知らなかった。しかし、小泉氏が志向する構想自体に何となく危険なものを感知していたことは確かである。旧態依然の姿勢を持った古い自民党をぶっ壊すという名目は、庶民としては一見わかりやすいものだったが、私はその底意になぜか強い胡散臭さを感じていた。その胡散臭さが数年後に決定的な形となってあらわれたのが、あの歴史的な郵政解散総選挙だった。参議院で否決された事実を無視して、国民に真意を問いかけるなどと言って、異常な総選挙に打って出た。国民に政治的意思を付託された国会議員の存在意義は消し飛んだ。国民は民営化の意味を深く考えもせず、マスコミの報道演出にすっかり幻惑され、小泉自民党を是認した。かくして郵政民営化関連法案は可決に至った。
私は国政選挙の秩序を破壊したあの凶悪な解散総選挙前に、関岡英之さんの「拒否できない日本」を読んでいて、郵政民営化と年次改革要望書は切っても切れない関係にあることを知っていた。年次改革要望書を知って驚いたのは、それが何と1993年の宮澤-クリントン会談で合意され、翌年の1994年から日米両国における双務的な意見書の形をとって、毎年10月に提出されていたことだった。今回で14回目になる。しかし、国民はこの事実をまったくと言っていいほど知らなかったのだ。まず、建前は両国の親和的協調的な意見書の体裁をとっているから、政権中枢に近い為政者だけが了解していれば国民に知らせる必要はなかったということなのか。しかし、調べていくと、関岡さんたちが指摘するように、この要望書は双務的どころか一方的な押し付け命令書であったことがわかった。
日本に酷薄な格差社会の到来をもたらした小泉構造改革とは、聖域なき規制改革が中心であった。その結果、日本は自由競争の名の下に弱肉強食的な経済原理が稼動し、強者が弱者を犠牲にして富の極端な偏在(傾斜配分)が現われる非情な社会に変貌した。実はこの根本原因は『年次改革要望書』という静かなる対日強硬内政干渉に起因している。政府やマスコミがこの要望書の存在を必死になって隠蔽してきたせいで、国民は今味わっている悲惨な社会の元凶がこれであることを知らないのだ。
そしてこの年次改革要望書は、今年も日本に出された。年に一回出されるから「年次=annual」と名づけられているのだろう。初回が1994年であるから、すでに13回(13年間)出されてきたということだ。ところが私もこういうものが日米間に存在していたという伝聞さえ聞いたことがなかった。おそらく大多数の国民はみんな同じだろう。政府もマスコミも何も伝えないからだ。なぜ、伝えなかったのだろうか。なぜ今年も伝えないのだろうか。ここにこの要望書の存在目的が良く現れていると思う。つまりこの要望書は、宗主国が植民地に出す政策指令そのものだからだ。植民地である日本は、表面上は米国と対等な同盟国であると、自国民と国際社会に見せかけている。つまりは擬制国家である。日本の本質は米国の植民地にほかならない。その動かしがたい証拠は、沖縄を中心として日本中に米軍基地が散在し、肝心の日本には正式な軍隊が存在しない。
この事実を鑑みれば『年次改革要望書』がどんな性格のものであるかよくわかる。しかし、国民は真の日米関係から目を逸らしてはならないのだ。たとえマスコミが真相を伝えなくても、政府が一言もそれに言及しなくても、日本国民は真実をきちんと見定め、そこから未来を築いていく以外にないのだ。
nさんという読者さんが、新聞社に抗議するべきだと言っている。なぜ年次改革要望書を伝えないのかと。日米関係が重要な国際関係だということを熱心に喧伝するなら、マスコミはなおさらこの要望書の内容をなるべく早く国民に報道する義務がある。日本国民が全体的に考えるべき重要な内容が込められている。これを一部の為政者だけが、こそこそと見聞きして重要な法案を策定したりすれば、結果は明らかに国益毀損となる。だからマスコミはこれを堂々と報道しなければならない。
nさんのコメントをここに貼り付ける。
内容:
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<心ある新聞読者へ>
【日本経済新聞・苦情先】
≪購買部にかけるのが最も効果的!≫
*年次改革要望書を全国の紙面で報道しなかったから、購読を止めると言うため。
*勿論、この新聞を購読していない人も、ジャンジャンと電話をかけましょう。
例:『これからは、日本経済新聞は購読選択肢に入れない。』
【電話:0120-21-4946 (*フリーダイヤル)】
*20日朝刊で詳細報道していれば、余計な電話代を払わなくてすむのに…。
*だから、報道させる意味でも、ジャンジャンと電話をかけまくりましょう。
*公衆電話の場合は、10円玉を入れて、話し終われば戻ってきます。
*フリーダイヤルの前に、番号通知拒否の「184」を付けても通じます。
【営業所電話】
東京本社:03-3270-0251
大阪本社:06-6943-7111
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西部支社:092-473-3300
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コメント
明日から「NHKドラマ・ハゲタカ」が再放送されます。
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5月4日(月)午前9時00分~ 第1回「日本を買い叩け!」
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5月5日(火)午前9時00分~ 第3回「終わりなき入札」
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5月6日(水)午前9時00分~ 第5回「ホワイトナイト」
10時05分~ 最終回「新しきバイアウト」
投稿: 超適当翻訳 | 2009年5月 3日 (日) 22時07分
年次改革要望書の報告書が7月5日に出た!
〔資料〕日米年次規制改革要望書の報告書の邦訳(低気温のエクスタシー)
http://www.asyura2.com/08/senkyo51/msg/715.html
投稿: | 2008年7月10日 (木) 00時12分
私が年次改革要望書を知ったのは3年前ですが、自分の中だけにとどめておきました卑怯者です。「俺が言っても基地外扱いされる。」と尻込みしていました。
だから、その卑怯な自分と決別するために、あちこちのブログのコメントに書き込ませていただいています。ブロガーによっては「悪質な書き込み」とブログで指名手配のような扱いです。これには嘆かわしい限りです。
『ヘッジファンド』(文芸春秋、著:浜田和幸)を読んでいたので『拒否できない日本』は真っ先に引っかかったのです。両方を順番に読むと「あああ!!(怒)」となります。
投稿: n | 2007年10月22日 (月) 08時55分