政府による経済予測計算の偽装(小野盛司)
※「日本経済復活の会」会長・小野盛司氏による記事です。
姉歯建築設計事務所による構造計算書の偽装事件が記憶に新しい。これにより多くの人が大損害を被ったことは、皆さんよくご存じだろう。しかし、これよりはるかに悪質で、しかも損害は姉歯事件より桁違いに大きな偽装事件が、政府によって引き起こされていることを知っている人はほとんどいない。12月15日に衆議院議員滝実氏による質問主意書という形で、この偽装事件は暴露され、それに対する福田総理による答弁書が12月25日に明らかにされた。その全文を以下に示す。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
①滝実議員による質問主意書
内閣府の計量経済モデルが政治的に歪められている可能性に関する質問主意書
政府は、内閣府の計量経済モデルについて、誤差が大きくて政策決定には使えないといった意味の発言を繰り返して行っている。しかし、詳細に調べてみると、単に誤差が大きいだけではなく、政治的に大きく歪められているという実態が浮かんでくる。このことについて質問する。
一 毎年一月に発表される『改革と展望』や『進路と戦略』では、景気は回復に向かっていると言い、デフレ脱却は近いと書いてある。GDPデフレーターについてまとめてグラフにしたのが、図1である。各グラフの近くに書かれた数字は発表年である。2002年から2007年まで6年分のデータをここに示した。どのグラフも急激なGDPデフレーターの改善を予測し、景気の回復を印象づけたものと思われる。しかし、実際のデフレーターは2001年度がマイナス1.2%で2006年度がマイナス0.7%だから5年間で0.5%しか改善していない。平均を取れば年率の改善率は僅か0.1%である。もしも内閣府の発表が、政治的に一切歪められていなければ、年率の改善率は実際の値である0.1%の前後でばらつくはずである。実際に発表された、年率の改善率(三年間に限る、例えば2002年に発表されたものだと、2004年の予測値から2001年の値を引き3で割っている。)は、2002年のものが0.7%、2003年が0.57%、2004年が0.67%、2005年が0.80%、2006年が0.73%、2007年が0.5%となっている。つまり実際の改善率の、実に5~8倍もの速度でデフレ脱却が進んでいるという現実とは遠くかけはなれた発表している。これではまるで「計量経済モデル予測に偽装が行われている、大本営発表だ。」と言われてもおかしくないのではないか。「予測しがたい要素が多いから」と釈明するのだろうが、しかしそのような要素はプラスにもマイナスにも働くわけで、6年連続で5~8倍にもなるということはあり得ないがどう考えているのか。
右質問する。
②福田総理の答弁書
各年度の構造改革と経済財政の中期展望や日本経済の進路と戦略(以下「中期方針」という。) の参考試算の作成に当たっては、従来より、中期方針における政策運営等の考え方を前提に、それぞれの時点で入手可能な情報を基に、慎重に分析、検討を行い、的確な経済の展望を示すよう努めているところである。我が国の経済は民間活動がその主体をなすものであること、国際環境の変化には予見し難い要素が多いこと等にかんがみ、こうした展望は、相当の幅を持って解釈すべきものである。
この質疑応答を説明する。図に示されたGDPデフレーターとは、総合的な物価指数を表しており、日本はこれがマイナスになっているから、デフレにあると言っている。デフレとは、極度に経済が悪化した状態であり、世界でデフレ経済に陥っている国は日本しかない。政府はデフレから一刻も早く脱却したいということで、毎年発表する計量モデルによる計算結果では、間もなくデフレから脱却できるということが示されている。しかし、この計算が国民を騙すために偽装であったと滝議員によって指摘された。この図で政府が予測したデフレーターは、どんどん上がっていき、景気は急回復しデフレは、あっという間に脱却できると主張している。例えば2002年の発表では、なんと2003年にはデフレ脱却ができるのだそうな。実際は、今でもデフレは続いている。懲りもせず毎年同様なモデル計算の結果を発表している。実際のデフレーターは一番下の線で、政府発表は、実際の5~8倍もサバを読んでいたことになり、正に大本営発表であり、モデル計算の偽装である。『国際環境の変化には予見し難い要素が多い』などと、よくもまあ言えたものだ。むしろこの間は、外需が予想以上に伸びて景気はそれに助けられたのだから、当然デフレーターの改善は予想以上に大きくなければならなかったはずだから、モデル計算を正直に行っていれば、実際のデフレーターの値より低いデフレーターを予測しなければならなかったはずだ。
オオカミ少年は3回目の嘘で誰にも信用されなくなった。政府はすでに6回も同じ嘘を言い続けていて、来年はデフレ脱却するという7回目の嘘を最近また繰り返した。我々はいつまで騙され続けなければならないのか。増税や歳出削減などの緊縮財政が続く限り、日本経済はデフレが続き、財政は改善できないのだということがまだ分からないのか。(小野盛司)
← この記事に興味を持たれた方はクリックお願いします!!
| 固定リンク









コメント
JAXVNさん。ありがとうございました。
中には知らないメンバーもいますが、構造改革
推進急進派ばかりですね。ウルトラ級戦犯ばかり
です。叩かなければと思っていた松原氏など、こ
の面子は確かにわかりやすいですね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月31日 (月) 11時27分
こんにちは。
「とむ丸の夢」さんのBlogにあった情報をお知らせします。竹中平蔵氏のhpにあった、という事です。とんでもないメンバーです。いや、ある意味誰が「敵」かという事がわかりやすくて良い、とも言えますが。
「2008年 : 政治経済の混迷を斬る ~“竹中チーム” 再結集~
日時 : 2008年 1月 4日 (金) 16:00~18:00
場所 : アカデミーヒルズ
主催 : ポリシー・ウォッチ・ジャパン / アカデミーヒルズ
出演者 : チーム・ポリシーウォッチ
竹中 平蔵 (慶應義塾大学教授・グローバルセキュリティ研究所長)
跡田 直澄 (慶應義塾大学商学部教授)
加藤 寛 (前千葉商科大学学長)
岸 博幸 (慶應義塾大学DMC統合研究機構准教授) ※〔司会〕
富山 和彦 (株式会社経営共創基盤代表取締役社長)
野村 修也 (中央大学法科大学院教授)
ロバート・フェルドマン (モルガン・スタンレー証券チーフ・エコノミスト)
特別ゲスト
木村 剛 (株式会社フィナンシャル代表取締役社長)
高橋 洋一 (エコノミスト)
本間 正明 (関西社会経済研究所長)
松原 聡 (東洋大学経済学部教授) 」
http://policywatch.jp/popup/popup.html
投稿: JAXVN | 2007年12月31日 (月) 09時19分
トラックバックが全然通りません。
自End!:TBP「自民党政治」がアクセス2000通過す。これからもよろしくお願いしますネ。ヨチヨチ歩きからよくここまで、
http://yuhodo.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/end_c459.html
書きました。よろしくお願いします。
投稿: SOBA | 2007年12月29日 (土) 09時26分
コメントに、売国奴・竹中平蔵が出てきたので補足します。日本不経済新聞12月29日(土)朝刊1面に、竹中平蔵をリモコン操作した「グレン・ハバード」が載っていました。紙くずになるドルは暴落しない、と言っています。
投稿: n | 2007年12月29日 (土) 07時55分
下の無名の方様
投稿ありがとうございました。
>財政を破綻させない為にわざとアクセルを
>絞っていると好意的に見れなくもないですね。
>だけどご承知のように名目成長率が伸びない
>限り税収の自然増はありませんからいずれは
>破綻します。
長期金利の高騰を懸念していると考えているのであれば、
その通りなのでしょうが、これだけデフレが恒常的に固定化
していますと、国家の活力がなくなる、つまり国民生活はどん
底です。国債の償還期限が確かあと四年ですか。このまま
行くも地獄、帰るも地獄の停滞状態が続くことも考えられませ
んね。末期状況のような気がします。
しかし竹中平蔵氏があれだけ、サプライサイドの暴政を敷い
て置きながら、今更“プロジェクト日本復活”の顧問で「上げ潮」
路線の指南役ですか。矛盾も甚だしいです。これは喜八さんた
ちが指摘するように、党内の見せ掛けの内部対立でしょう。参院
選惨敗で構造改革(新自由主義)への疑念が募ってきた昨今、
国民の憤怒を緩和する魂胆でしょうね。おお、自民党内にも良
識派がいて頑張っているなぁというポーズを作っているのです
ね。国民への猫だましです。大体、郵政民営化を断行し、その
始動を見届けないで下野する竹中氏を再び政策論集会の顧問
にするなどという時点で大いに胡散臭いと考えるべきです。
年次改革要望書の猟犬となって悪政を敷き、これだけ無辜
の国民を自殺に追い込み、国民生活を窮状に陥れた竹中氏ら、
バリバリの売国構造改革派が、本心から“増税反対”などと考
えるはずもありません。この何とかプロジェクトも国民を欺いて
怒りの内圧を下げる魂胆でしょう。
原田武夫氏がアメリカ“奥の院”は構造改革で日本の国富を
収奪し、次のサイクルとして日本が肥え太っていく潮目に来た
ということを言っていますが、新自由主義構造の敷設作業は
依然として進んでいるようにしか見えません。つまり小泉内閣
が起動した構造改革(日本破壊)はいまだに進行中という感を
否めません。
おっしゃるようにマスコミは格差の発生原因を明確にし、構造
改革のかなめである規制緩和、規制撤廃の真の理由を国民に
啓蒙しません。つまり、良い規制、悪い規制の峻別を国民の目
から逸らし続けています。それをしないでなし崩しに規制緩和・
撤廃を行なえば、社会は急速に無政府的新自由主義社会へと
変貌します。そうなればハゲタカが舞い降りて食い散らし放題
の猟場と化してしまいます。現にそれが具現化しています。
アメリカのやっていることは、エクソン・フロリオ条項で自国を
外資から防衛しているジャンルを、あろうことか日本には要望
書で“門戸を開け”と強制しています。この命令を忠実に受け入
れ、実行しておいてプロジェクト日本復活とは、あまりにも強烈
なアイロニーです。最も日本を破壊した竹中氏が再生プロジェク
ト顧問。こうなると笑えますね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月29日 (土) 07時35分
政府・日銀のデフレ維持策を精一杯好意的に解釈すれば、デフレ、つまり実質成長率が
常に名目成長率を上回る状態を維持しなければ長期金利高騰で財政がもたないと考えて
いるからじゃないでしょうか?
異常な低金利下にありながら今年度予算での国債の利払いは21兆円にものぼります。
財政を破綻させない為にわざとアクセルを絞っていると好意的に見れなくもないですね。
だけどご承知のように名目成長率が伸びない限り税収の自然増はありませんからいずれは破綻します。
破綻させない為には増税に次ぐ増税が必要です。
今の政府・官僚が法人税や所得税の増税をするとはとても思えませんから、当然消費税等
の庶民増税になるんでしょう。
そうすれば必然的に個人消費が減少して今よりデフレになるでしょうw
家計の所得が伸びているんならまだしも平均世帯所得は減り続けてますからね。
どう考えても今の日本は詰んでます・・・
唯一の解決策は600兆円とも700兆円とも言われる政府の資産を売って赤字国債の返済に
当てる事しか無いように思われます。
だけど現状の日本のように米国の傀儡である新自由主義者が支配してる状態では直ちに
金持ちや法人の減税に回されてやっぱりちっとも良くならない気がしますね。
税のフラット化=人頭税導入と国民総貧乏化=国民総サラ金漬けが竹中平蔵氏やフェルドマン氏を筆頭とする新自由主義者の目標らしいですからねw
要するに彼らは日本を新自由主義化したいのであってデフレを解決する事とか財政赤字を
解決する事が目的ではないんですからw
逆にデフレや財政危機を利用して大衆を洗脳するのに使ってますからね。
むしろ新自由主義改革=別名米国の植民地化・奴隷化が完成するまでは続いて貰った方が彼らに取って具合がいい。
経世済民はおろか同じ日本人の所業とはとても思えませんw
ある経済誌によると、竹中平蔵氏は若かりし頃に『経世済民』を志して一橋大学の経済学部に入学したそうですがw
如何に彼らが酷い政策を取ろうともそれを批判すべきマスゴミがあれば救いもあるんだが・・・
皆さんご承知のようにメジャーなマスゴミは右も左も新自由主義礼賛です。
たとえばNHKにしても格差問題を取り上げるのは良いが具体的にどの政策によって格差を広げる結果になってるのかに付いては言及しません。
とにかく今のマスゴミは信用出来ない事を一人でも多くの人に知ってもらうしかないですね。
投稿: | 2007年12月29日 (土) 02時37分
いかりや爆様
深いご見識だと思います。私も同感です。
私は経済学については詳しくありませんが、少な
くとも経済の目的は万人の幸福原理を根っこに持
ち、国家や社会の高度な秩序を維持していくため
の学問ではないのかと考えます。
しかし、反ケインズ的経済思想は、中国や我が
国で言うところの“経世済民”とは対蹠的にある
ものです。私も思うのですが、昨今の「自己責任
」を強調する風潮は、伝統観念や各国の固有の歴
史に裏付けられた価値体系を無効化し、きわめて
無機的、画一的な貨幣的人工世界に収斂させてし
まうものです。これによって破壊されてしまう多
様な価値を思えば、これら反ケインズ的思想が、
明らかに反文明的であり、地球環境を破壊するパ
ワーを秘めていることがわかります。
世界を画一的な金融体制に地ならしを行い、そ
の整備が出来上がった時点で、金融工学という搾
取原理を伴った操作方式を適用します。こういう
暴力的なものによって今、世界のどれほどの貴重
な精神文化や固有の文明観念が破壊されているか
目に余るものがあります。
私も近代経済学の柱はケインズ経済学であると
考えます。これに各国家民族の固有の伝統的価値
体型を整合させればいいと考えます。たとえば日
本には日本的変容を施したケインズ経済を、他国
にはその国特有の価値観と整合したケインズ経済
学を保ち、その土台で進化した経済に発展してい
けばいいのかなと思います。少なくとも万人のた
めの幸福原理を基盤に置いたものでないと、意味
がないどころか、その国にとっても、他国にとっ
ても有害なものになっていくと思います。アメリ
カがその典型でしょうね。
やっぱり、バビロニアの時代から一部の者が圧
倒的多数を搾取して支配する形が出来上がり、彼
らが宗教やその他を駆使して多数派を隷属させる
形が出来上がっていたのでしょう。それが産業革
命を経て大規模に露骨に制圧的になってしまった
のが現代の金融資本主義なのでしょう。人類がこ
れに拘泥したら、地球は持続可能社会を保つこと
が不可能になってしまいますね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月28日 (金) 12時38分
高橋(管理人)様
市場原理主義に関連して
経済学は、より多くの人をより豊かにするための学問でなければならない。この国の人々が真に豊かであるためには、過労死にいたるまで働くことではないはずだ。生産性を高めるために効率を最優先し、他社との競争に勝ち抜くために賃金を低くおさえて、朝早くから夜遅くまで心を病むまで働かせることではないはず。
>自己責任とか能力主義、成果主義とかいう名目で自然淘汰・・・。
これらの言葉は、いかにももっともらしくみせるための偽装用語、つまり自分達にとって都合のいい言葉をふりかざしているに過ぎない。例えば、心の底から「能力主義、成果主義」、「自己責任」と言うなら、小泉ー竹中の経済政策はマイナスの成果しかもたらさなかった(小野先生が指摘する貧乏化現象:一人当たりGDPはトップクラスから18位に転落した)。
だが、彼らの自己責任はどこへ行ったのでしょうね?彼らの論理はいかがわしい、植草さんが指摘するごとく支離滅裂です。
>人類の多様性や各文化の価値を根こそぎ否定する極悪の思想です。グローバリゼーション、グローバルスタンダードなどと言われるものが時代の趨勢だと思い込んでいる有識者も“有識”ではないですね。こんなものは、新自由主義経済を世界にフランチャイズして粗利(あらり)を稼ぐ国際金融資本の謀略以外の何物でもありません。
まったくその通りです。こんな粗悪な思想で世界を一色に染めようとする。その国その地域で、永いながい間に培われた伝統文化や精神文化が地球規模で破壊されています。
現在、巷に横行する弱肉強食の市場主義は、表向きには「新古典派、ニュークラシカル経済学」、「新自由主義経済学」ともっともらしい名称で呼ばれている。だが、その本質は金さえ儲ければいいという極めて貧しい「拝金思想」を生み、著しくモラルを低下させた。
市場原理主義は、経済学の始祖とされるアダム・スミスの「国富論」を原典とする。 アダム・スミスは、暴走する市場に対して結局は「神の見えざる手」が働くと言うのである、まさに神懸かりである。そんなことはあり得ない。神が現実の世界におりれば、ろくなことにならないのは、歴史が証明するところです。
現在のアメリカ型の市場原理主義は、高等数学(金融工学)で彩りをつけて、新自由主義経済学?新古典派(ニュークラシカル)経済学として登場している。だが、そのエッセンスはアダム・スミスの頃と殆ど変わらない。まさにアダム・スミスの経済学を偽装、もしくは擬態化したものである。
市場原理主義の信奉者たちは誤解している。そのもっとも古い経済学を、あたかも最新の経済学であるかのごとく、勘違いしている?もしくは悪用している。過去の亡霊が姿(すがた)形(かたち)をかえて現実の世界を動かしているのである。
何故過去の亡霊が跳梁跋扈するのか。理由は簡単である。権力者は常に富める側に身をおいて、地位と自己保身と富を子孫へ継承するに好都合だからである(米国の政治家たち、日本の政治家たちの二世三世の跳梁跋扈をみればいい)。
近代の経済学は、ケインズのマクロ経済学によってほぼ完成したと思う。ケインズ主義は行き過ぎた福祉の弊害が生じた。だが、理想的な経済学などあり得ない。市場を完全にコントロールすることなどできるわけがない。諸々の欠点はあるにしても、過去の経験則によって、左に偏れば右に、右に偏れば左にバランスをとることはできるはず。
日本では(世界的に?)、ケインズ主義信奉者たちは不遇をかこっているが、市場原理主義もいつかは廃れ、ケインズ主義に収斂していくものと思う。少しでも早く、復活することを願う。
投稿: いかりや爆 | 2007年12月28日 (金) 11時55分
書籍『機会不平等』についての参考URLです。関心を呼び、手頃な文庫本にもなっています。内容を知っていただけに、文庫本が山積みされていた光景は非常に不気味でした。(*アマゾンでは絶対に買いません。紹介だけのため。)
【機会不平等 (文春文庫) (文庫)】
http://www.amazon.co.jp/%E6%A9%9F%E4%BC%9A%E4%B8%8D%E5%B9%B3%E7%AD%89-%E6%96%87%E6%98%A5%E6%96%87%E5%BA%AB-%E6%96%8E%E8%97%A4-%E8%B2%B4%E7%94%B7/dp/4167443031
投稿: n | 2007年12月28日 (金) 09時55分
nさん、こんばんは。
『機会不平等』という本ですか。面白そうです
ね。私はかねてから小泉政権の思想基盤は畢竟
「社会ダーウィニズム」に帰結すると考えていま
す。つまり新自由主義経済の思想基盤がそれなん
じゃないかと思っているわけです。要はどのよう
な理屈をこねても、やっていることはアンバラン
スなわけで、自己責任とか能力主義、成果主義と
かいう名目で自然淘汰が激しくなる社会に切り替
えています。
しかしこの自然淘汰(ナチュラル セレクショ
ン)自体が実は社会ダーウィニズムになると、自
然ではなく、きわめて人工的であり、金持ちやあ
る種の権力(パワー)を持つ者だけがますます居
丈高になり、弱者と称されるごく普通の人々を食
いつぶしていく社会です。故意にセーフティネッ
トを破壊して、社会に機会の不平等と先天的な格
差状況を固定したがる存在が明らかにいます。
大体、新自由主義こそ経済の本流だなどと考え
ているやからなんて人間的に最悪でしょうね。人
類の多様性や各文化の価値を根こそぎ否定する極
悪の思想です。グローバリゼーション、グローバ
ルスタンダードなどと言われるものが時代の趨勢
だと思い込んでいる有識者も“有識”ではないで
すね。こんなものは、新自由主義経済を世界にフ
ランチャイズして粗利(あらり)を稼ぐ国際金融
資本の謀略以外の何物でもありません。
日本の政治家連中も考える頭がない人が多いと
思います。グローバリズムを世界の時代潮流だ
と、無批判に受け入れて米系害資に都合のいい
政策を無意識に考えて国益毀損に誘導してしまう
んですね。金を儲けられない者を自己責任能力に
欠けているとか、その人間固有の責任に帰して、
環境整備を不平等化する動きが社会ダーウィニズ
ムを根っこにした市場原理至上主義です。為政者
が一般の国民に自己責任原則を強いていい社会と
は、社会のインフラが誰にでも平等に機会均等原
則を保証する必要があるんです。ところが新自由
主義はその肝心な整備をしないどころか、機会を
敢えて不均等にしたまま、底辺層に自己責任や能
力発揮を押し付けます。これが最大の欺瞞です。
要は多くの大衆を犠牲にして一部の特権者だけ
が儲かるシステム作りが新自由主義であり、アメ
リカが日本に導入した構造改革の本質です。この
ような非人間的な経済思想は一刻も早く停止して
各国が独自の国家文化を拠り所にした自立経済を
目指すべきだと思いますね。小泉や竹中、あるい
は木村剛たちは経済苦で自殺する大勢の犠牲の責
任を取るべきなんです。彼らはオウム真理教がサ
リンで国家転覆を謀ったことと、ほとんど同罪で
はないでしょうか。
社会ダーウィニズムこそ偽りの社会哲学であ
り、反世界的、反人類的だと考えますね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月27日 (木) 23時33分
『社会ダーウィニズム』で思い出した本があります。『機会不平等』(2000年出版)です。ゆとり教育の正体を暴き出したものでしたね。読み返すたびに、本の通りに進んでいると実感せざるを得ません。ベンジャミンや植草先生と話をすると【膝をガクガク&ブルブル】させることしか出来ない、筆頭売国奴・竹中平蔵に責任を取らせたい。
投稿: n | 2007年12月27日 (木) 21時23分
いかりや爆様
コメントありがとうございました。まったくで
す。現今の景気をかつてのいざなぎ景気と同列に
見る視点が成り立ちません。ほとんどデフレ固定
で来ていますから。従って、おっしゃるように、
庶民感覚では景況感がまったく“ノー”と感じて
いることが実態を捉えていると思います。
くわえて、小泉・竹中さんたちがあまりにも非
道な采配をしたおかげで国民には希望が失せてし
まいました。希望のない国民からは経済活力は生
まれません。理屈でも小泉政権は反対の政策を遂
行しましたが、精神的にも新自由主義のマテリア
リズムを日本に導入し、人々は社会ダーウィニズ
ムの席巻に苦吟しています。
>最近は政府は実質GDPで景気の指標にして
>いますが、その「いかがわしさ」に要注意で
>す。諸外国とのGDP比較するときは、名目
>GDPを使用するのが普通です。
これはとても重要な指摘だと思います。名目
GDPを使わずに実質GDPを使って体裁を繕う
欺瞞ですね。
>生き残った企業は、収益が元に戻ってリストラ
>(首切り)による人件費のコスト削減効果が出て、
要するに典型的な“傾斜配分社会”への移行で
す。持てる者が持たざる大勢の生き血を吸ってま
すます肥え太って行くという最悪の自由主義経済
へ突っ込んでいます。市場が“見えざる神の
手”で、適度な自然調節作用を行なうなどという
のは現代社会にあっては幻想そのものであり、事
実は一部の資本家が一人勝ちに向かう社会です。
その帰結は荒廃した未来しか招来しません。
で、おっしゃるように、国民はまだその悪魔の
構造改革を『よいもの』としてとらえている感じ
があります。為政者の魂胆を見抜けなくなった国
民層にも知的洞察力の退嬰があります。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月27日 (木) 16時07分
とおりすがり様
わたしこそ、いろいろと有益なコメントを
いただいて強い刺激を受けております。今後とも
よろしくお願いいたします。
>竹中や小泉の仕事は嘘を正当化する事なんですね。
まったくです。間違っていて反国益的な結果に
なるものを、あえて正当化し、さもそれが必要で
あるかのごとく国民を欺いたわけです。特に構造
改革の実態はトンデモ改革だったわけですから。
政府ファンドは思いっきり胡散臭いですね。初
期に辞めさせるべきだと思います。でないと取り
返しの付かないことになるような気がします。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月27日 (木) 15時44分
JAXVNさん
こんにちは。いつも貴重な情報をありがとう
ございます。
>今の日本のデフレは、明らかにデフレを
>起こそうという意図的な政策の結果だ
私も前からそのように感じて、なぜなのかと
いつも思っており、今でもその理由を知りたいと
切に考えています。日本経済が見事な安定感?
でデフレに固定されているこの連続性には、一体
どのような謀略、あるいは国策が設定されている
のか、背景を知りたいですね。
つまり、日本の景気を上昇させたくない何らか
の大きな考え方が存在するようです。丹羽春喜先
生はそれを『反ケインズ思想の謀略』と読んでい
ますね。そのうちお会いする機会があれば丹羽先
生に直接訊ねてみたいと思っています。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月27日 (木) 15時37分
函陽生 様
コメントありがとうございました
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2007年12月27日 (木) 15時28分
『政府による経済予測計算の偽装』拝読しました。
昨年秋ころより、今年の参院選前までは、「いざなぎ景気」を超えるなどと、とぼけた自民政治家の発言がめだちました。
参院選に大敗したことで、自民政治家もようやく現実を直視するようになったのでしょうか。さすがに「いざなぎ景気超え」などとは一言も言わなくなりました。
そもそも、「いざなぎ景気」と同一視すること自体が大間違い。名目GDPをみれば、現在のGDPは10年前の水準と同レベル。つまり景気は回復していないのにごまかしのGDPデフレーターを使って、実質GDPを発表し、「いざなぎ景気」などと吹聴していたのです。「景気回復の実感はない」という庶民感覚のほうが「まとも」だったのです。
内閣府発表の2006年の名目GDPは、508.9兆円です、これは10年前の名目GDPは508兆円(1996:504.3 1997:515.2 1998:504.8の3ヵ年平均)とほとんど同じレベルある。それを偽装?GDPデフレーターを使って実質GDPで表すと2006年の実質GDPは、549.6兆円になるのです。その差40.7兆円です。これは、年収508.9万円の人にむかって、「貴方の年収は実質的に549.6万円ですよ」と言っているに過ぎないのです。企業の架空計上と似たようなものです。
最近は政府は実質GDPで景気の指標にしていますが、その「いかがわしさ」に要注意です。諸外国とのGDP比較するときは、名目GDPを使用するのが普通です。
滝実議員のGDPデフレターの指摘は遅きに失っした感はありますが、正鵠を射ています。
昨年11月6日、掲示板「阿修羅・議論板」、『何処が景気回復?大本営発表のごまかし』 のなかで、内閣府発表の数字を使って景気回復のごまかしを指摘しました。
参考までに、その一部(結論部分)を抜粋しておきます。
””マスコミに登場する専門家やコメンテーターも、自民党の景気回復の大本営のごまかしに同調しています、まったく勉強不足です、そうでなければ、政権与党に媚を売っているのどちらかです。・・・野党の先生方も全く勉強不足というしかありません。””
””・・・生き残った企業は、収益が元に戻ってリストラ(首切り)による人件費のコスト削減効果が出て、空前の利益をあげるに至った。だが、その利益は、死屍累々の犠牲者たちから、吸血したもの、 竹中氏の言う「努力したものが、報われる社会にする」というのは、嘘だったのです。小泉ー竹中の改革路線を信じた国民が馬鹿だったのです。今も尚、多くの国民がそのごまかしの改革から目を覚ましていない。””
投稿: いかりや爆 | 2007年12月26日 (水) 13時38分
まずはご挨拶からさせていただきます。
本年も色々と勉強になる記事を読ませていただきましてありがとうございました。
そして小生の拙いコメントに対しても誠意あるご回答をいただきましてありがとうございます。
来年も何卒よろしくお願いします。
新聞テレビと政府や民間シンクタンクが発表する政治経済に関するすべての数字は操作されている、つまり捏造だと思ったほうが無難でしょう。
特に竹中平蔵が中央政府や内閣に関与してからの数字はすべて疑るべきではないでしょうか?
実際、竹中は植草教授に対してまともな反論が一切できていないし、経済小説家の高杉良さんに対しても反論できていません。
要するに竹中や小泉の仕事は嘘を正当化する事なんですね。
そして新聞テレビの仕事は竹中小泉の嘘を国民に信じ込ませることなのです。
そう言えば今朝のテレ朝のスーパーモーニングですが、早速、世論操作のシメに入ってましたね。
テレ朝のスパモ二は玉川徹なる局員をレポーターに仕立て上げ、独立行政法人の民営化と国有資産の売却をあおってきました。
そして最後の最後に本音、つまり馬脚をあらわしました。
それは何かといいますと、国有資産や民営化して株を売却した利益を政府ファンドにして投資しろ、なんですね。
そして年間5%の運用益があればすべての国会議員の歳費が賄える、などと郵政民営化の時の手段と寸分違わぬインチキを放送してました。
既にお気づきでしょうが、ファンドは元本保証ではありません。
ハイリスクハイリターンなのです。
だから日本政府が買いの動きをすれば米国金融資本とテレ朝は売りの動き、つまり逆張りをするでしょうね。
そうすれば合法的に国有財産を金銭化して懐に収められる。
テレ朝は売国奴ですね。
投稿: とおりすがり | 2007年12月26日 (水) 12時56分
こんにちは。
この政府の経済予測はやはり「偽装」だったのではないかと思います。例えば森永卓郎氏は、以前から「普通の政策を行っていればデフレになるはずが無い。今の日本のデフレは、明らかにデフレを起こそうという意図的な政策の結果だ。」とおっしゃっておられます。
「国民の目を欺く二つの神話~「借金漬けの日本」も「日銀の金融緩和」も信じるな~
経済アナリスト 森永 卓郎氏 2006年5月29日
(中略)
本来、基礎的なマネーとして日銀が供給するのは日銀当座預金と現金だ。これをマネタリーベースと呼ぶ。今年2月では、日銀当座預金は33兆円、現金は75兆円。つまり、マネタリーベースの7割を占めるのは現金であり、現金の方が重要なのだ。
実は日銀は当座預金にはじゃぶじゃぶと資金を供給したが、その一方で、現金は引き締めてきた。金融緩和に見せて、実は強い引き締め政策だったのである。
小泉総理が就任して1年目の2002年4月にはマネタリーベースの伸び率を対前年比で36%も増やし、今の景気回復のきっかけを作った。ところが、その後は一転して引き締めを強化する。最近ではマネタリーベースの伸び率は1ケタ台であり、今年4月の発表では対前年比マイナス7.2%と、統計開始以来最大のマイナス幅となった。
日銀は言っていることとやっていることが違う。本当に金融緩和をやっていれば、デフレなど止まっていただろう。日本以外の国は戦後、デフレを経験していない。丸9年間もデフレが続いたのは日銀が金融引き締めを行ってきたこと以外に理由はない。
なぜ引き締めを続けてきたのかといえば、「デフレから脱却できないのは構造改革が進んでいないからだ。脱却するためには構造改革を進めるしかない」という小泉政権と、日銀がタッグを組んだからだろう。
(後略)」
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/o/33/index.html
つまり、小泉政権以降の日本政府は、景気に配慮すると言いながら不景気になる政策を行い、さらに今のままではずっとデフレが続く事を知りながら、経済予測では「まもなくデフレは終了する」と言い続けていた、という事になります。二重の意味で国民を騙し続けていたという事かもしれません。
投稿: JAXVN | 2007年12月26日 (水) 12時51分
政府による経済予測の大きなはずれは、「偽装」でなければ、政府エコノミストの「無能」をあらわすものである。
投稿: 函陽生 | 2007年12月26日 (水) 11時51分