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2008年1月30日 (水)

道路はもういらないのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十五弾です)
  http://tek.jp/p/

 マスコミでは、道路はもういらないという論調ばかりだ。海外で車を運転していた人にとっては、日本の道路の劣悪さをよく理解しているから違和感を感じるのではないか。日本人は投資をしなければ、赤字が減るから、財政健全化すると考えているようだが実際は逆だ。投資をしなければ、経済は停滞し、税収は伸びず、国際的にも貧乏な国になってしまうだけだ。独立行政法人高速道路機構のホームページから引用すると

Photo_3

 この表から分かることは、人口の多い中国よりは、人口あたりの道路の長さは長いが、それ以外はすべて日本が最低ということが分かる。特にGDPあたりの道路の長さだと、日本は圧倒的に短い。経済規模からして、道路が整備されていないことが分かる。日本経済を停滞させているのは、日本が道路に投資しないことが原因の一つだとも言える。道路をつくってほしいという地方からの強い要望もある。また東京の環状道路をつくれば、混雑を解消し、更にCO2排出量を減らすのに劇的な効果があり、環境対策にもなるという。また、高速道路の使用量が欧米よりはるかに高いために、延べ走行距離(走行台キロ)ベースで見ると、車が高速道路を利用している割合(高速道路走行分担率)は、日本が10%以下であるのに対して、欧米では2割、3割という状況だ。高速道路を値下げすると、高速道路の有効利用が進み、経済が活性化することからGDP押し上げ効果が期待できる。

 2008年1月27日の日経に、政府試算の記事が載った。道路財源の暫定税率に関する政府試算で、暫定税率を廃止すれば年間2.6兆円の税収減となる。その分ガソリンが安くなるので、個人消費が0.9兆円増える。しかし、道路投資の減少でGDPは実質3兆円減るとのこと。この試算は次のように読み替えることができる。もし、政府が2.6兆円のお金を国民のために使おうとしたとする。ガソリンを安くするために使えばGDPは0.9兆円増えるだけだが、道路建設に使えばGDPは3兆円も増えるのだから、道路建設はガソリンを安くするために使うより3.3倍も効率よくGDPを伸ばすことができるということ。それだけではない。道路建設により経済が活性化すれば、税収が増えるのだ。
 このことに関連して国土交通省の試算がある。

http://www.mlit.go.jp/road/singi/bunkakai/8pdf/82-2-4.pdf

 これによると、道路投資を平成20年度に1兆円行った場合、平成20~29年度の合計の効果は、次の通り。

① フロー効果(道路投資による需要創出効果)              約1.0兆円
② ストック効果(交通利便性の向上がもたらす経済波及効果)     約1.6兆円
③ 税収の増加                                 約0.45兆円

 これ以外に、用地買収費として0.22兆円が使われ、これが国民に流れ、それが消費に回ることでも、GDPを押し上げる。下落の続く地方の土地の価格に歯止めを掛け、固定資産税の税収増にもつながる。

 僅か1兆円の投資で、これだけGDPを押し上げるということで、国の債務のGDP比を下げるには、最も有効な投資の一つと思われる。お金を使わなければ国の借金の問題は解決するという迷信はそろそろ卒業しよう。増え続ける国の借金の問題と闘うには、積極的に投資をし、GDPを増やすのが最良であるということがお分かりだろう。道路が良くなって便利になるのもよいではないか。CO2の問題はどうかということになるが、それは風力発電とかCO2を海底に沈めること等、強力な解決手段はある。

 これは暫定税率を延長するかどうかの議論ではない。それとは無関係に日本の劣悪な道路事情を改善するために、必要な道路の建設への投資を増やせば、国は豊かになり、それにより国の借金の問題の解決に一歩近づくということだ。今のままでは2012年に一人当たりのGDPで韓国に抜かれてしまう。貧乏国家一直線である。(小野盛司)

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2008年1月28日 (月)

円の信用とは何か(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十四弾です)
  http://tek.jp/p/

 かつて昭和恐慌の際、デフレ脱却のために高橋是清蔵相は国債を日本銀行に直接買わせる替わりに資金を手に入れ、それで景気対策を行い大成功を収めた。なぜ再びその方法でデフレ脱却を行わないのかというと、一度それを行うと、歯止めが掛からないようになり、悪性のインフレに陥るだろうと考えているからである。そのために、国会の承認が無い限り国債の日銀引き受けは財政法で禁止されている。しかし、日銀が国債を市中から買い、それと同額の国債を国が売り、それによって手に入れた資金で景気対策をやれば、日銀の国債引き受けと同じ事になる。しかし、その方法も日銀の定めた自主ルールによって不可能となっている。自主ルールとは日銀の保有する長期国債は日銀券発行残高を上限とするというもの。何の意味もない自主規制であり、この自主規制によって日本経済の大停滞が引き起こされていると言っても過言ではない。

 日銀のホームページから引用する2008年1月5日現在の日銀券発行残高は79.8兆円だから、これだけしか通貨発行は許しませんという自主規制だ。現在日銀が保有している長期国債は51.5兆円だから、この自主規制を尊重すると通貨発行の余裕は28.3兆円しかない。資産デフレで土地だけで1200兆円以上が失われた日本で、その穴埋めをするには余りにも少ない額だ。政治家に景気対策を提案すると、もうこれ以上受け入れるところがないから、国債は発行できないと必ず言う。この自主規制を撤廃させることができれば、いくらでも発行できるのだから何とかできないものかと探りを入れてみる。滝実衆議院議員と相談し、質問主意書でこれに関して質問してみた。

 その質問に対する平成十九年十二月十四日の福田総理の答弁書(内閣衆質一六八第二九四号)には、以下のように書かれていた。

「日本銀行の長期国債保有の在り方は、日本銀行がその資産及び負債の状況等を踏まえて決定すべき事柄である。なお、日本銀行による長期国債の保有は、日本銀行の負債である日本銀行券の発行残高の範囲内で、安全確実な資産の保有として実施されているものであると承知している。」

 福田首相には、窮地の日本経済を救おうという意気込みは全く見られない。デフレを脱却させ経済を発展するためには、どの程度の成長通貨が必要かを議論する気持ちは全くないということである。このことを全く他人事のように「安全確実な資産の保有として実施されているものであると承知している。」などと述べている。自分には関係ないよと言いたいのだろう。しかし、日本経済を一流でなくしてしまい、デフレ脱却を不可能にしたこの自主規制を正当化するに十分な説明が、これでなされていると感じる人がいるだろうか。そもそも「日本銀行の長期国債保有の在り方」というものは、成長通貨をどの程度市中に流せばよいかを判断して決めるべきであり、「日本銀行がその資産及び負債の状況等を踏まえて決定すべき事柄」ではないはずだ。福田首相の答弁では、日本銀行が十分儲かれば、それでよいのであり、国の経済などどうなってもよいと述べているのだから、無責任極まりない。この問題に関する徹底追求は今後も続けるので、今後の国との質疑応答に関しては、日本経済復活の会のホームページを参照いただきたい。

 ところで政府がこの問題に責任逃れをするのであれば、日本経済の復活の責任を持つのは誰なのか。日銀を追求すればよいのか。日銀はこの問題をどのように捉えているのかを知るために日銀に電話して聞いてみた。しかし、最初からつまずいた。なんと電話で聞いても、受付ではこの自主規制について日銀は知らないという。詳しい人に電話を回してくれた。しかしその「詳しい人」も、そんな自主規制を聞いたことがないという。そういうわけで、時間をかけて私がこの自主規制に関して説明する羽目になった。「そういうことでしたら、調べてみます」というのが「詳しい人」からの」回答であった。3日後、その人から電話が掛かってきた。理事会等の議事録も片っ端から調べたが、その自主規制に関しては何も書いてありませんでしたとのこと。20年近くの間、日本経済の大停滞を引き起こしている諸悪の根源であるこの自主規制が、いかに知られていないかを表す象徴的な出来事だった。経済成長に不可欠な成長通貨のつくりかたを、日銀が理解していないとは、日本とは何という国なのだろう。アメリカの経済学者は日本のこの仕組みを詳しく研究しているというのに。

 しかし、この自主規制をつくった張本人に話すことができれば、言うことは分かっている。その本人に話すことができたら、「通貨発行に歯止めが掛からなくなったら、円の信用が落ちるから経済が成り立たなくなる。」ときっと言うだろう。ハイパーインフレになると言うかもしれない。しかし、先進国でハイパーインフレになっている国などどこにも無い。ハイパーインフレを防ぐには均衡財政と金利引き上げという強力なブレーキがあり簡単だ。円の信用というものは、日本経済の信用に等しい。適切な景気対策を行わないから、日本経済が一流でなくなり、そのお陰で、日本に投資する魅力が無くなり、お金が海外に流れて行ってしまっている。いわゆる円キャリートレードだ。これこそ円の信用低下である。円の信用を取り戻すには、十分な景気対策を行い、経済に活力を取り戻し、成長を加速し、投資家にとって日本が魅力的な市場にすることである。(小野盛司)

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2008年1月27日 (日)

ダボス会議で、IMF専務理事が景気対策を呼びかける(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十三弾です)
  http://tek.jp/p/

 昨日(08年1月26日)のテレビをご覧になった方は、すでにご存じだと思うが、ダボス会議(世界経済フォーラムの年次総会)で、IMF専務理事のストロスカーン氏が米国以外にも余裕のある国は財政出動による内需刺激策を求めた。テレビでは、世界経済フォーラムのシュワブ会長が福田首相に、このことに関連して質問をしている様子が放映された。

 彼は福田首相に対し、「IMF専務理事が提案した景気対策をどう考えるか」と聞き、
福田首相は「財政出動が日本の場合はベストという状態には今はない」と答えた。

 世界が協調して不況に立ち向かおうというときに、日本は協力しないというわけだ。財政出動以外にもやることはあるのだとでも言いたそうだったけれども、そんなものがあるわけがない。あるとしたら、とっくに実行しており、デフレなどとっくに終わっていただろう。デフレはお金が足りなくなる経済状態で、お金を注ぎ込む以外、脱却はできない。

 IMF専務理事の発言で「余裕のある国は財政出動を」とある。余裕のある国、余裕のない国とは何で区別するのかと言えば、インフレ率だ。アメリカも景気対策をやってよいのかどうか、それが唯一の問題だった。インフレ率がすでに高すぎる国は、それ以上景気刺激をするのは危険だ。しかし、その点で、日本はデフレ経済なのだから世界で最も余裕がある国であり、何の問題もない。国の借金が多すぎるから、もうこれ以上借金はできないと言うが、本当にこれ以上借金できないのなら、事実上破綻しているのであり、国債は事実上紙くずになっているのである。国債は絶対に紙くずにしないと国は言っているのだから、これ以上いくらでも借金はできるということだ。内閣府の試算にもある通り、新たな借金をして景気を拡大させれば、GDPが増え、借金のGDP比は逆に減少し、財政は健全化する。残念ながら、このことを一般の人はなかなか理解してくれない。

 2005年6月6日、財務省は「財政問題に関するシンポジウム」を開いた。内容は国の借金が増えているので、増税・歳出削減が必要だということをPRしようとするものであった。最後に質問の時間があったので、私はその場で反論させて頂いた。財務省がその会場で配布した多数の資料で引用していた内閣府の試算の中にでてくる数字をそのまま引用し、増税(または歳出削減)をすると景気が悪くなるだけでなく、債務のGDP比が増大し財政も悪化するので、害あって益なしではないのか、逆に景気対策をすると、財政が健全化するではないかと質問した。それに対する財務省側からの反論は一切なく、その場におられた経済財政諮問会議のメンバーである吉川洋東大教授は事実を調べて回答しますと言っておられた。何と経済財政諮問会議の吉川先生ですら、その事実を知っておられなかった。私は彼にその場で恥をかかすわけにはいかなかったので、厳しい追及を避けたら、シンポジウムが終わってすぐ、吉川先生は私の所にやってこられ、名刺を渡して調べますと言って下さった。

 その後、吉川先生は私の主張が事実であることを知り、私に「国の借金がこれだけ多くなると、むしろ景気対策をしたほうが、借金のGEPは下がるのですね」と言っておられた。我々は無知であってはいけない。日本経済にかつての活気を取り戻すには、実態経済にお金を流し込むしかない。このことを一人でも多くの人に知って欲しいと願っている。

 本日(08年1月27日)の日経にはこう書いてある。道路財源の暫定税率、廃止ならGDPが0.4%下がると。この主張はガソリン税の暫定税率を廃止するとガソリン価格が下がり、個人消費を9000億円増やすが、それだけ道路財源が減り、実質GDPは約3兆円減り、差し引き2.1兆円のGDP押し下げになるというものだ。詳しい試算内容は明日電話して聞くつもりだが、逆に考えれば、刷ったお金を使い、景気対策としてわずかに公共投資を増やしただけで、GDP押し上げ効果は絶大だということを政府は知っているわけである。何も道路だけに限らない。環境対策や公共施設の耐震強化や水害対策等に使ってもよいだろう。政府は、もはや日本は経済は一流ではなくなったと、自慢げに話すのでなく、そのように強力な景気浮揚策を知っているのであれば、直ちに実行し、再び日本経済を一流に戻す努力をすべきだろう。そのことが世界経済の発展に大きく貢献することになるのだ。洞爺湖サミットの主催国であるならば、その責任をしっかりと果たすべきである。           (小野盛司)

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2008年1月26日 (土)

バブル潰しは、あれでよかったのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十二弾です)
  http://tek.jp/p/

 アメリカは住宅バブルが潰れそうで、政府もFRBが必死になって潰さないよう努力している。16兆円の景気対策や金利の大幅引き下げなど、緊急経済対策が次々と出てくる。彼らはバブルを潰すと経済に深刻な悪影響を与えることを知っており、絶対にそれを阻止しようとしている。特に最も悪い見本として日本のバブル潰しと、その後必然的に発生したデフレをよく研究していて、日本のようにならないようにあらゆる手段を駆使している。日本が世界の悪い見本として研究材料になっているのだ。
 それに対してバブルを潰せば暮らしがよくなると馬鹿な日本人は思ったようで(今でもそう思っている人がいる)国を挙げてバブルを潰した。政府は「年収の5倍でマイホームが持てるようにすること」をスローガンにして地価を下げることを政策目標に掲げた。バブルをつぶす前と後で、どちらがよかったのか次の表で比べてみるとよい。

Photo_2 

 一目瞭然だろう。バブル期のほうが、はるかに良かった。良いデフレ論などという馬鹿なことを言う人がいた。パソコンが安くなったとか、100円ショップなどで安い物が売られるようになったとか、個別商品で物が安くなるのと経済全体で物価が下がるデフレとは全然話が違うのである。生産性向上などで物が安くなるのは歓迎すべきであっても、デフレはいかなる場合でも良くない。国全体が貧乏になるのがデフレだからである。デフレを放置すれば、上の表で明らかなように国は悲惨な状況になる。バブルを潰すということは、実は、国を貧乏にするということであった。今でもバブル=悪と考えている人が多い。少しでも景気が良くなりかけると日銀は慌てて金利を引き上げ、徹底的に景気の芽を摘み取ってしまう。

 バブルは単なる一夜の夢であって、バブル後が現実なのだと考える人がいる。これは決して正しくない。バブルが発生した後、それを沈静化し、緩やかな資産インフレの状態を継続させるような金融政策は可能であったが、そういう政策を選択しなかっただけだ。日銀は無理な金利引き上げを行い、それに加え1990年3月に当時の大蔵省は金融機関に対し総量規制を行い土地関連の融資を厳しく規制した。これらが急激な景気後退を引き起こし、大規模な不良債権を発生させた。無理な投資によって生まれたバブルだけを正常化させるだけならよかったのだが、正常な経済活動から生じた資産価値まで、徹底的に消滅させてしまった。

 今、日本人に最も求められていることは、土地・株の値上がりはすなわちバブルで、バブルは悪という固定観念を捨てることである。今日、日本以外の国は、そういう意味でどこもバブルの恩恵で経済が大躍進している。バブルを潰して貧乏になろうとしている国は日本だけだ。経済の発展には、必ず資産価値の増加が伴う。それをすべて悪いことだと言ってしまったら、経済発展はない。土地の価格が半分になって、どれだけのメリットがあったというのだろう。土地の価値が高ければ、最悪の場合でも土地を売れば、生活が成り立つが、下がってしまってはそれもできない。収入が減る一方、土地も下がる一方では、多額のローンを組んで土地を買いマイホームを建設するのも躊躇するから、結局住宅は建たなくなってしまったではないか。国が貧乏になれば、やがて、海外から原油や食料を買うことすらできなくなる。バブルを潰して国を貧乏にする政策を直ちに止めさせよう。

 日本人はバブル恐怖症だから、少しでも土地や株が上昇するとすぐにバブルだと騒ぎ出す。1~2年前の水準から判断すると上がったように見えても、かつてのバブル期から見れば、とんでもなく低い水準であるのだから、とてもバブルどころの騒ぎではないのである。本来、経済というものは、毎年少しずつ拡大していけば、すべてがうまくいくようにできている。そのシナリオ通りに進んでいたら、日本経済は今の2倍くらいになっていて、我々の収入も2倍程度であったに違いないのだ。それが、バブルを潰せという声に押されて、日本がどんどん貧乏になっていった。

 バブルを潰さずに、緩やかな資産インフレの続くような金融・財政政策を採用していたらどうなっていたか。表を見ていただければ明らかだ。日本は今頃、世界で最も豊かな国として世界経済を引っ張っていたに違いない。今からでも遅くはない。政策を大転換し、強力な景気対策をし、普通の国のようなインフレ率、成長率に持って行けば、財政問題も年金問題も一挙に解決する。(小野盛司)

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2008年1月25日 (金)

景気対策をやったほうがよいのではないかと内閣府に電話して聞いてみました(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十一弾です)
  http://tek.jp/p/

 2008年1月17日に内閣府は『日本経済の進路と戦略』という試算を発表した。そこには、景気対策が日本経済に良い効果をもたらすという試算結果が示されている。このことに関して、実際にこの計算を行った人はどのように考えているのかを確かめるために、内閣府の計量分析室に電話してみた。三谷という人が対応してくれた。私と三谷氏の会話の内容を紹介しよう。

小野: ケースAに比べて、ケースBは公共投資を増やすなど積極財政を行った内容になっていますね。

三谷: その通りです。

小野: 積極財政を2009年度から2011年度までの3年間行った試算ですか。

三谷: その通りです。

小野: この試算の結果を見ますと、積極財政を行うとGDPは伸びるし、物価は上昇し、デフレから脱却できるし、失業率も減るし、国の債務のGDP比も減って財政が健全化するようになっていますね。

三谷: その通りです。

小野: それだったら、景気対策を行ったほうがよいのではないですか。確かに国の借金は増えますが、債務のGDP比が減るということなら財政の持続可能性は全く問題ないわけです。

三谷: そういう考えをする方もおられると思います。私は立場上それ以上のことは言えませんが。

小野: プライマリーバランス(基礎的財政収支)の2011年度黒字化を政府は目指していますが、意味がないのではないですか。プライマリーバランスが赤字でも国の債務のGDP比は下がり続けるのですから問題ないじゃあないですか。

三谷: そういう考えもあると思います。

 このように、内閣府計量分析室の三谷さんと私の考えは完全に一致した。愚かなのは2011年度基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化という政府目標だ。こんな馬鹿なことを政府の目標にしている国はない。実は、この目標こそが、日本を貧乏にしてしまう目標なのだ。何のために基礎的財政収支を黒字化するのかと聞くと政府は債務のGDP比を減らすためと答える。しかし、今回の試算でもはっきり示されている。基礎的財政収支を黒字化しようと努力すればするほど、なんと債務のGDP比は増えてしまうのだ。例えば2011年度で言えば緊縮財政のケースAでは基礎的財政収支はGDP比で-0.1%まで赤字幅は縮小するのだが、積極財政のケースBでは-0.5%だからまだまだ歳出削減の努力が足りないとマスコミは主張する。しかし、債務のGDP比で言えば積極財政の方が、137.0だから、緊縮財政の137.1より低くなっている。つまり積極財政で経済がよくなれば、財政赤字幅は拡大しても債務のGDP比は減少し、財政は健全化するのだ。

 マスコミはいつも、増え続ける国の借金という表現を使うがGDP比で考えなければ意味がないということを考えれば、債務のGDP比は下の図のように減り続けているし、今後も更に減るし、景気対策をやればもっと減るというのが、内閣府の試算の結論だ。このような重大な事実を報道しないマスコミに我々は抗議すべきだし、このことを知らない経済評論家は失脚させるべきだ。NHKの時論公論で言っていたことは、増税をはっきり打ち出さないから、債務のGDP比は2010年代の中頃まで増え続けるだろうという全く事実に反するコメントを行っていた。こういった間違えた情報を流すことは、日本経済に重大な悪影響を与えるのであり、そのようなNHKなど要らないと私は思う。

 財政が厳しいから景気対策はできないのだというのは、全く嘘だということがお分かりだと思う。アメリカ政府関係筋の情報としては、大統領は年収8万5000ドル以下の個人向け(単身)には一人当たり800ドル(約8万6000円)、また、年収11万ドル以下の世帯向け(夫婦)には一世帯当たり1600ドル(約17万円)の税還付を考えているとのこと。日本経済はアメリカ経済よりはるかに悪い状態にあるから、これよりずっと強力な景気対策をしなければならないときだ。(小野盛司)

 出所 内閣府 「日本経済の進路と戦略」平成20年1月17日 経済財政諮問会議
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2008年1月24日 (木)

ガソリンの暫定税率の存廃を争っているときか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十弾です)
  http://tek.jp/p/

 最近、マスコミを賑わしているのは、ガソリンの暫定税率を存続させるか否かという話題である。現在、日本は経済政策の失敗で急激に貧乏になりつつあるときであり、デフレ脱却が最重要課題であるはずだが、そちらはお構いなしで、暫定税率のことばかり議論をしているようだ。これが廃止になると2.8兆円の税収が消え、道路をつくるのに支障が出るのだそうだ。世界の常識的な指導者、あるいは世界を代表する経済学者であれば、この2.8兆円を景気対策としての減税にしなさいというだろう。道路は刷ったお金でつくればよいではないか。それがあらたな国の借金だと躊躇するかもしれないが、GDPはそれ以上の割合で増えるから借金のGDP比は逆に減る。このようなつまらない議論より、今は本格的な景気回復のための議論が求められているときだ。参考のために2007年のOECD加盟30カ国の名目成長率の比較のグラフをお見せする。これはOECDの最新の発表と日本政府の発表をもとに作成した。直接データを見たい方は以下のサイトを参照して頂きたい。

http://www.oecd.org/document/61/0,3343,en_2649_201185_2483901_1_1_1_1,00.html

 世界の中で日本経済だけが発展していないことがわかるであろう。このように一つの国だけが成長しない状態であると、世界経済のグローバリゼーションの中、円キャリートレードのような危険なお金が金利の低い日本から世界に流れ始め、世界経済に多大な害をもたらしているということを、日本人は自覚し、直ちに改善の努力をすべきなのだ。つまり大規模景気対策をして、最低でも経済を普通の国程度には発展させるべきなのだ。

 市中にお金が流れ込まない限り、GDPは大きくならない。暫定税率を廃止して減税したら、それだけ税収が少なくなるから道路財源を削減するというのは均衡予算の考え方の一例だ。日本のGDPは絶対に増やさせないぞと言っているようなものだ。デフレ下でのこのような均衡予算の考えが、昭和恐慌や世界大恐慌を引き起こした。実は危険きわまりない思想なのだ。昨年の6月には東証第一部だけで株式時価総額が567兆円に達していたのに、株価下落で400兆円を割ったとのこと。多額のお金が消えていった。年金積立金も株で運用しているから、随分目減りしているに違いない。そういうときに、与野党激突のネタは2.8兆円の暫定税率の存廃というのだからお笑いだ。日本人は車やカメラやコンピューターなどをつくるのは上手だが、お金をつくり出すのは何と下手なことか。お金をつくり出すと、神のたたりがあるとでも思っているのだろうか。

 このような中でも、本当に今やらなければならない事に気付いている政治家はいる。マスコミ報道によると、中川昭一自民党政調会長と平沼赳夫氏が大規模景気対策の発言をしておられるようだ。アメリカが16兆円の景気対策と大幅金利引き下げを行っているとき、日本は無策でよいのかという意見が出なかったらおかしい。中川昭一氏とは、彼が経済産業大臣に就任される直前に、大規模景気対策の意味についてご説明し、資料も渡した。黙って聞いておられた。平沼氏にもご説明し、完璧に理解頂いた。日本経済復活の会のカタログを見せたら、「どうして俺の名前がここにないんだ」と言っておられ、我々は喜んで加えさせていただいた。景気対策の必要性を理解しておられる国会議員の方が多数おられる。彼らが待っているのは世論の後押しなのだ。(小野盛司)

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2008年1月23日 (水)

政府は無為無策で立ち往生

今、世界同時株価下落で経済界のみならず、一般庶民まで生活不安が現実になってきた感がある。福田政権はこの事態に対してまったく無反応である。植草一秀さんの言葉をお借りするなら生体反応がまったくない状態である。「事態を冷静に見究める」とか「アメリカのサブプライムローン問題の金融不安が拡大してこうなっているが、基本的にはこれはアメリカの問題であり日本は関係ない」という言い方をする。要するにこの姿勢は、政府はまったく何もしないということだ。前々エントリーで、日本経済復活の会・会長さんである小野盛司氏は「昨年の株価騰落率は52カ国中、下から2番目ということで、日本が一人負けの状態にある」と憤っておられた。目の前に危機が迫っているのに、痴呆的に無為無策になっている政府の姿勢は国家運営の基本を無くしている。植草さんは今日のコラムで次のように言っている。

「資産価格下落-景気悪化-金融不安の連鎖は日本が1990年から2003年にかけて経験した。日本の場合、1996年と2000年に景気回復、株価上昇の改善局面を迎えたが、財政収支改善を優先する近視眼的な緊縮財政政策が採用されて、事態を再悪化させ、深刻な金融不安を招いてしまった。
 迅速かつ大胆な対応が求められている。「兵力の逐次投入」は失敗を招く代表事例である。」

 米国は小規模なその場しのぎの対応を逐次やっていくよりも大胆な財政対策を行なう必要があり、そのことは日本の過去における二度の失敗から学ぶべきだということだろう。ちょこまかしたせこい財政投入は効果がないということだ。しかし、福田政権の姿勢を見ていると、日本そのものが三度目の馬鹿正直を繰り返してしまうような予感がして仕方がない。つまり、またしても重大な局面で超緊縮財政政策という逆噴射をして景気をドン冷えさせてしまうような感じがする。なぜなら、小野盛司氏が大田弘子経済財政政策担当大臣から直接「景気対策は必要ない」と聞いているからだ。それに植草さんによれば、2008年度予算は景気抑制型の緊縮予算を組んでいる。つまり政府は何も有効な手を打つ気がないと言明したようなものである。これは暴言と言うか、まるで日本が滅びるのを期待しているような感じであろう。福田総理が「よりいっそうの歳出改革に邁進します」と言うとき、私には「よりいっそうの福祉財源切捨てに邁進します」というようにしか聞こえない。

 最近の数年間は、政府がデフレを解消するという心にもないポーズを取ってきたこともさることながら、主要国中、日本の株価下落幅が最も大きいのに、喫緊な対応策を何も講じないという無為無策ぶりだ。ブッシュがGDPのたった一パーセント程度の財政出動をして、焼け石に水のような反応になっているのに、我が国は静観を決め込んでいていいものだろうか。このままでは日本は凄惨なスタグフレーションに突入する恐れがある。そうなると、どんどん拡大している底辺層は生活格差などというレベルではなく文字通り生活困窮者となる。今の状況は深刻さにおいて、1927年当時の昭和金融恐慌前夜に匹敵するかもしれない。これだけ国内資産が外資に喰われていても、日本はまだ膨大な純資産を持ち、強力な債権国である。かつて日銀と大蔵省がタイアップしてあの昭和恐慌を脱したように、今、日本が金融と財政の両側面から大胆に景気を刺激する方策は取れないものだろうか。小泉構造改革を強力に推進することこそ唯一の脱出方策だなどと御用学者に言わせるような政権ではまったく駄目だろう。現実には政権交代しなければどうにもならないだろうと思う。それにしても、テレビでは今こそアメリカとのデカップリングを実現して日本は自主性を持つべきだなどと言っているが、「カップリング」などという無難を装った横文字には腹が立つ。日米がただ組んでいるという意味にしか見えないからだ。しかし、カップリングの真の意味は米国隷従だということを認識する必要がある。

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第48回日本経済復活の会・開催のお知らせ

 1月31日(木)、第48回日本経済復活の会のお知らせです。弊ブログ読者の皆様方も興味がありましたら是非講演を聴きに足を運んでもらいたいと思います。(講演日時、来場予約、場所、アクセスは下の方に)

○  講師 自見庄三郎先生(医者、国民新党副代表、元郵政大臣)
○ 講師 小野盛司先生(日本経済復活の会・会長)

 定例会とは言っても講演会形式で、誰でも聴くことができるそうです。月に一回、政財界やその他から講師の方に来ていただいて講演を行うという形です。ゲストの講演とともに、日本経済復活の会の会長さんである小野盛司先生の経済の話(日本経済復活への道)も聞くことができます。とてもわかりやすい語り口です。神州の泉をご覧になっている方々で、日本の経済や国家の現状、行く末を案じている人、または積極財政論に興味を持つ人は、是非一度ご来場してみてください。必ずや得られるものがあると思います。弊ブログ管理人の私でさえ聴きに行くくらいですから、けっして敷居が高い雰囲気ではありません。正直面白いと思っています。

 今回のゲスト講師は、医者・医学者で国民新党副代表、元郵政大臣の自見庄三郎先生です。自見先生は医学博士の称号を持つ医師であり、米国ハーバード大学主任研究員という経歴。弊ブログをご覧になっている方々は、小泉構造改革がネオリベ(新自由主義、あるいは新古典主義)の思想に基づいて強力に推進されたことをよく知っています。自見先生によれば、このネオリベ経済路線とはアメリカの経済学者ミルトン・フリードマンが唱導したもので、「小さな政府」「規制緩和」「市場原理」「官から民へ」などが基調となっています。このネオリベをアメリカで学んできた竹中平蔵元大臣は、時の小泉総理大臣の庇護の下で強力に構造改革を推し進めました。その結果がどういう事態を招いているか、弊ブログをご覧になっている方々ならよくご存知です。

 また自見先生は医師の立場から、昨年11月27日に発売された「ダカーポ」という雑誌で、『国民皆保険制度は守らなくてはいけない!』という重要な小論を発表しています。このままアメリカに右ならえの医療改革制度を押し進めれば、世界一の水準を誇る我が国の医療システムが崩壊してしまうことを憂慮し、富が偏在する新古典派経済学では社会が駄目になってしまうことを語っています。

 また政府はことあるごとに財政危機を煽りますが、総債務で見れば日本は財政危機ではないと言っています。政府は約830兆円の借金を持つと言いますが、実はGDPに匹敵する金融資産があり、純債務をGDP比で見るとEU諸国とあまり差がないとも言っています。つまり政府の財政危機論は国民に重税負担を強いて、福祉を切り捨てるためのまやかしということでしょう。

借入金(粗債務)836兆円 - 金融資産580兆円 = 総債務256兆円

 自見先生はこの論稿の最後でこうも言っています。『日本は社会保障費を削りながら、アメリカの国債を100兆円も買う必要があるでしょうか』

 じみ庄三郎メッセージ
http://www.jimisun.com/messege.htm

日時 平成20年1月31日(木)午後6時~午後9時

○場所 東京都千代田区神田駿河台4-3 新お茶の水ビル 17階 JPA総研

○会費 3500円(資料代や食事・飲み物の費用を含みます)

  講演を聴きたい方は、これに関する一切の問い合わせと、御来場の可否を小野盛司(03-3823-5233 又は 03-3823-5232)宛にお願いします。下記メールでも結構です。
E:Mail sono@tek.co.jp

※弁当の注文や配布物の準備等ありますので、申し込みはできるだけ早めに行って下さるよう、ご協力お願いします。

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2008年1月22日 (火)

株価急落に対する政府の無策を追求しよう(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第九弾です)
  http://tek.jp/p/

 本日(2008年1月22日)、日経平均株価(225種)の終値は前日比752円89銭安の1万2573円5銭と2005年9月以来、約2年4か月ぶりに1万3000円の大台を割り込んだ。一連の株価下落が投資家に巨額の損失を発生させ、日本経済に大きな悪影響を与えているのにも拘わらず、政府はサブプライム問題はアメリカの問題だと言うだけで、何の対策も打たない。経済を理解しない人たちに経済運営を任せておく程、怖いことはない。昨年の株価騰落率は52カ国中、下から2番目ということで、日本が一人負けの状態にある。1989年には日本の株価は38915円にも達していたことを忘れてはならない。

 諸悪の根源は政府がデフレを長期間放置していたことにある。デフレ克服が最重要課題と認識しながら放置した責任は極めて重い。デフレは景気対策をやれば簡単に脱却できるということは、計量経済学の結論だ。例えば2008円1月に発表された内閣府のモデル(進路と戦略)による試算でも、3年間で2.9兆円を使うとデフレーターは0.2%上昇するとある。もしこれを10倍にして、3年間で29兆円、つまり年間10兆円景気対策に使えば、デフレーターは2%上昇し、完璧なデフレ脱却が可能だ。更に大規模に行えば、期間短縮も可能だ。

 政府はデフレ克服には何ら有効な政策を行わなかったのにも拘わらず、あたかも直ぐにでもデフレ克服できるというような印象を与える発言(大本営発表)を繰り返している。過去の大本営発表を、嘘の連続を是非読んで頂きたい。これらは内閣府のホームページで簡単に確認できる。

●2002年1月18日 経済財政諮問会議『構造改革と経済財政の中期展望』
  【デフレ克服】 今後2年程度の集中調整期間は、中期的に民間需要主導の成長を実現するための重要な準備期間である。この期間において最も重要なことはデフレを克服することである。・・・・これらの政策に取り組むことにより、集中調製期間において、景気は厳しいながらも回復に向けて動き出す。こうした動きを受け、デフレも克服され、物価上昇率はプラスに転じると見込まれる。

●2003年1月24日『改革と展望』
  【集中調整期間とデフレ克服に向けた取組】 集中調製期間は、中期的に民間需要主導の成長を持続するための重要な準備期間である。また、この期間において最も重要な課題は資産デフレを含めデフレの克服に向けた取組を行うことである。・・・政府・日本銀行が一体となって、デフレ克服を目指し、できる限り早期のプラスの物価上昇率実現に向けて取り組む。

●2004年1月16日 経済財政諮問会議『構造改革と経済財政の中期展望』
  【集中調整期間とデフレ克服に向けた取り組み】 こうした考え方の下、政府は民間需要、雇用の拡大に力点を置きつつ、構造改革をさらに加速・拡大する。また、2004年度における不良債権問題の終結を目指し、これまでの成果の上に立って不良債権処理を推進する。こうした構造改革は、主に次の5つの効果を通じて、デフレ克服に寄与すると見込まれる。

●2005年1月21日 『構造改革と経済財政の中期展望』
  【経済の展望】 デフレについては、政府・日本銀行一体となった取組を通じ、デフレ圧力は徐々に低下してきている。国内企業物価が上昇を続ける中、消費者物価指数(全国、除く生鮮食品)は集中調整期間の後にはプラスになり、また、GDPデフレーター(物価変動指数)も徐々にプラスになると見込まれることから、デフレ克服に向けた着実な進展が見込まれる。

●2006年1月18日 経済財政諮問会議『構造改革と経済財政の中期展望』
  【経済財政運営とデフレ脱却に向けた取組】 上述のような物価状況の下で、デフレ脱却に向けた取組は依然として重要な政策課題である。このため、重要強化期間内におけるデフレ脱却を確実なものとするために、政府・日本銀行は一体となった取組を行う。

●2007年1月18日 経済財政諮問会議『日本経済の進路と戦略』
  【経済の将来展望】 物価については、「進路と戦略」で示された適切なマクロ経済運営の下で、デフレ脱却後、安定的なプラスの物価上昇率が徐々に実現していくと見込まれ、消費者物価指数の上昇率は5年間のうちに2%程度に近づいていくものと見込まれる。

●2008年1月17日 経済財政諮問会議『日本経済の進路と戦略』
  【直面する課題】 第一は、デフレ脱却が視野に入り、ようやく経済が正常化しつつあるにもかかわらず、将来の日本経済や生活に対して不安感や不透明感が漂い、積極的な前向きの動きが広がってこないことである。

 国民はいつまでも黙っていてはいけない。経済政策を積極財政に転換せよと今こそ要求すべきである。

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内閣府の試算による積極財政で財政が健全化することが明らかに(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第八弾です)
  http://tek.jp/p/

  緊縮財政ではお先真っ暗

 2008年1月17日に内閣府(経済財政諮問会議)は「日本経済の進路と戦略」という試算を発表した。詳しくは
http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2008/0117/item3.pdf

 ですべて見ることができる。何と、そこには今、政府が減税や歳出拡大を行えば、GDPが増加し国が豊かになるし、デフレから脱却できるし、失業率も減る。国の借金は増えるのだが、それ以上にGDPが増えるため、借金のGDP比は減少し、財政は持続可能となり、財政は健全化するという試算が示されているのだ。嘘だろうと思う人は、是非上記のサイトから、その論文を参照して頂きたい。論文は前半と後半に分かれていて、ここで引用するのは、後半の10頁と14頁の表である。もっとも、ここで述べる説明で間違いないということは、2007年2月23日の安倍総理の答弁書(内閣衆166第62号)や大田大臣との直接の質疑や、内閣府の責任者への問い合わせ等ですでに確認が済んでいるのだ。

 10頁の成長シナリオ ケースA とあるのが、緊縮財政の場合で、14頁の成長シナリオ ケースB とあるのが、積極財政の場合である。と言っても、ケースAとケースBの違いは5年間で僅か2.9兆円なので、実際の差は小さいが、例えば、この10倍の経済対策を行えばどうなるかは、単なる比例計算で簡単にできる。

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 この表で緊縮財政と書いたのは、ケースAのことで、積極財政と書いたのはケースBのことだ。この表を見れば、積極財政と緊縮財政のどちらが現在の日本にとって良い政策なのかが一目瞭然だ。減税とか歳出拡大とかの積極財政に転換した場合、まず、GDPが増え国が豊かになる。デフレーターが改善しているから、デフレ脱却が可能になる。失業率も改善している。確かに国の借金は増えるが、GDPはもっと増えるので、借金のGDP比は逆に減るのだ。ということは、財政が持続可能であるということを意味している。緊縮財政を行い、プライマリーバランスを改善し、国の借金を減らしたら、GDPはもっと大きく減ってしまい、借金のGDP比が増え(借金の重みが増すということ)、思惑とは逆に財政が持続可能にはならないということだ。もちろん、次世代へのつけも増えてしまうと言うこと。先週の16日(水曜日)に筆者は大田弘子経済財政担当大臣にこのことを再度確認を求めた。もちろん、反論は一切なかった。

 是非、ゆっくり考えて頂きたい。我々はなぜデフレ下で積極財政を求めないのだろうか。積極財政のどこが悪いのだろうか。国の借金が増えることが本当に悪いのか。実際は借金の増加率よりGDPの増加率のほうが大きく、借金のGDP比が減少し、財政が健全化することが、政府発表の試算ですら確認されているのだ。世界経済の中で日本が急速に没落を続けていることは、皆さんよく知っておられる。緊縮財政をやればやるほど、没落は加速するし、国の借金の重みがどんどん増してしまう。次世代へのつけが増える一方なのだ。奇跡的な経済発展をした豊かな日本を、貧乏にするだけでなく、借金という重いつけを、次世代に押しつけてもよいのだろうか。

 なお、先日から「試算の偽装」ではないかと指摘しているGDPデフレーターだが、今年の発表が出てきた。政府はデフレ脱却の日は近いという「大本営発表」を続けていることには変わりはなく、今年の発表は図の点線の部分だ。若干上昇が控えめになっているようにも思える。我々が、質問主意書で厳しく政府を追及した成果が少しはあったのか。それにしても2011年のデフレーターがどうなるのかという政府の予測はひどいものだ。

 2005年発表では、2011年にはデフレーターは何と2.4%まで達すると予測していた。それが、2006年には1.5%、2007年には1.3%と次々と下方修正し、今年の発表では遂に0.7%にまで下がった。ふざけるなと言いたい。「情勢は確実に好転しつつある」と大本営発表を聞かされていた国民は、今こそ政府発表がデタラメであることを知るべきだ。後になって「実は情勢は悪化していました」と国民に断ればよいと思っているのか。緊縮財政では、経済が悪化し、国の借金が重くなる一方であり、お先真っ暗であることに、一刻も早く、国民は気付いて欲しい。(小野盛司)

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2008年1月20日 (日)

アメリカは16兆円を刷って減税という景気対策を実施(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第七弾です)
http://tek.jp/p/

 ブッシュ大統領は1月18日緊急景気対策を発表した。16兆円の減税である。財源はどこになるのだ、などという馬鹿なことを聞く人はアメリカにはいない。フランスのサルコジ大統領が景気対策として2兆円の減税を行ったときも同様だ。日本はびた一文、刷った金は使わない。次の世代への負担で今使うことは出来ないなどという均衡予算主義、これは馬鹿な考えだ。日本以外のすべての国では、どんどんお金を刷って使ってる。日本は刷らない。これでは日本だけが貧乏になるのは当たり前だ。日本は国の債務のGDP比が諸外国より高いという意見がある。だからこそ、お金を刷る必要があるのだ。刷れば刷るほど、国の借金は増えるがGDPの増加速度のほうが早いから、債務のGDP比は下がってくる。

 大田弘子経済財政担当大臣は「日本は経済で、もはや一流国ではない」と言ったが、日本を一流国から引きずり下ろした責任者の一人が彼女自身だ。現在の政策を続ければ、二流国、三流国へと成り下がるが、アメリカのように、きちんと適切な規模の景気刺激策を取れば、十分一流国へと復帰できる。お金を刷れと言うと一部の人は、間違えて量的緩和を連想するようなので、これに関して少し説明する。景気の調整を行う手段としては、一般的に日銀の行う金融政策と政府の行う財政政策がある。金融政策では、金利を上げればお金が借りにくくなるので、景気にブレーキがかかり、金利を下げればお金を借りやすくなり、景気を良くすることが出来る。しかし、日本のように一旦デフレに陥ってしまうと、金利をゼロにしても借りてくれなくなる。つまり景気が悪すぎると、何をやっても儲からないから金利ゼロでも借りて商売をやる気にならないのだ。金利をマイナスにすれば、誰もがお金を借りて金庫に入れておいて、暫くしてから返し、労せずにして金を稼ぐようになるので、マイナス金利にはできない。つまり、一旦デフレにしてしまうと、蟻地獄のように、そこから抜け出すことは大変難しくなるのだ。

 量的緩和などという政策はどうかというと、デフレの際には効果がない。お金を刷って、国民に流すのでなく、銀行に流す政策が量的緩和だ。景気が悪すぎて商売が成り立たないようなデフレ状態で、いくら銀行にお金を流しても、国民はそのお金を借りて商売をしたり、ローンを組んで家を建てたりしない。インフレでは、家を買っても将来その値上がりが見込めるし、インフレでローンも目減りするから、少々無理なローンを組んでも大丈夫だが、デフレでは将来家の価値は下がり、ローンは毎年重くなる。つまりデフレのときに量的緩和などをやって銀行にあふれるほどの金を積んだところで、それは実態経済に流れるわけでなく意味がない。それに銀行側にしても、余程経営に信頼できる企業にだけに融資を限定しないと、不良債権を増やしてしまう。逆にそのような経営に信頼できる企業は融資を求めていないというわけで、結局下の図のように銀行貸し出しは伸びない。2001年から2006年まで量的緩和が行われた。この間、一貫して銀行貸し出しは下がり続けたのだから、日銀の量的緩和策は大失敗であった。銀行貸し出しが下がり続けているのに、なんと日銀は、もう景気は十分よくなったとして2006年3月9日量的緩和を打ち切った。どうせ意味のない量的緩和だからいつ打ち切っても同じなのだが、これで十分景気は良くなったと日銀が理解したとは、何というお粗末な考えか。

 それでは、デフレ脱却は不可能かというとそうではない。お金を刷って、それを借りてくれというのでなく、政府が自分で使うか、国民に差し上げて自由に使ってもらえばよいだけだ。過去にも成功例はいくつもある。昭和恐慌を引き起こした井上蔵相は昭和4年に次のように書いている。「借金をして歳出を計っているような不健全なことを止めてしまって、借金もせずにバランスを合わせて、この財政上の状態を立て直すつもりであります。収支のつぐなわないような不合理の財政状態を改善して、財政の基礎を確立しようとするのであります。この趣旨から、政府はすでに財政緊縮に着手しまして、昭和五年度予算編成にあたっては非常な緊縮方針をもって臨み、既定経費の整理節約、新規事項の抑制をはかり、一般会計においては公債を発行せず、特別会計において公債を半減する計画であります。」

 一見すると、井上蔵相の発言はもっともらしいのだが、これが昭和恐慌という大混乱を日本経済に引き起こし、井上蔵相の自宅の物置は爆破されたり、抜き身の短刀が送りつけられたりし、昭和7年に暗殺されてしまう。借金を減らす目的が、結局経済を縮小させてしまい、税収も減って、借金を減らすことはできなかった。この事情はアメリカのフーバー大統領の緊縮財政が世界大恐慌を引き起こしたのとよく似ている。実は現在の日本政府の均衡財政主義も、井上財政やフーバー大統領の経済政策とそっくりなのだ。経済の混乱から回復させたのは高橋是清蔵相の積極財政だった。一般会計予算は激増した。

1931年 14億9000万円  井上蔵相
1932年 19億5000万円  高橋蔵相
1933年 22億5000万円  高橋蔵相 

 平成20年度予算は83兆円だから、高橋蔵相と同じペースで積極財政を行うとすれば、平成21年は109兆円、平成22年は125兆円という超積極財政となる。財源はもちろん刷った金だ。この時代は国債市場が発展していなかったから、直接日銀に国債を引き受けさせる方法を取った。現在なら、いったん一般市場に売り出して、その後同額の国債を日銀が市中から買う方法で十分だ。法律を変える必要もない。このような大規模の財政拡大で、景気がよくなり、デフレから脱却でき、しかも財政も健全化することは計量経済学でしっかり確かめられている。多くの国会議員もそのことをよく理解している。今は世論の後押しを待っている状態だ。我々の次の世代に貧乏生活を強いるような政策を止め、国を豊かにするような政策へと転換させようではないか。(日本経済復活の会 小野盛司)

(出所 日銀)
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2008年1月19日 (土)

ある読者さんのコメント

 最近何人かの読者さんから日本経済について多角的なコメントが寄せられている。
それぞれに非常に興味深く読ませていただいており、とても参考になる。ありがたいことだ。
今日はその中の「名前のない読者さん」のコメント。

************************************************************************
(名前のない読者さんより)

  売る事も出来ない米国債を大量に抱えて日本は死んで行くんですなw
一説によると300兆円はあるとか。
そんな使い物にならない米国債を1年で33兆円も買った小泉内閣は
真正の売国奴か阿呆なんですな。
米国債を売ろうとしても米軍にやられるんなら政府貨幣を発行しようと
しても日本はやられるんでしょうね・・・
そんな事をすれば国際金融資本の存亡に関わりますからね。
世界最大の債権国がこのまんま衰退して行くなんてのも皮肉な事ですねw
産業の空洞化が原因だとおっしゃいますが企業利益だけは最高益を更新
し続けてますよ。
以前として産業機械の稼働数はぶっちぎりの世界一ですしね。
空洞化や工場の移転は80年代からすでに活発でしたしね。
日本の不況はバブル崩壊後の信用創造機能のマヒとプラザ合意以降の
新自由主義化にあると思います。
法人税を下げたり、労働分配率を下げたり、株式の持ち合いを解消したり
して国民に対する利益還元や再分配率が下がってるのが問題なんじゃない
でしょうか。
日本の労働分配率は確か98年をピークに下がり続けて昨年ついに60%
を割り込みましたからね。
欧米先進国は全て70%を超えてます。
大企業限定だと日本はもっと低いでしょうね。
改革とやらで儲けても還元されない仕組みに変えられてしまいましたからね。
下請けに対する還元率も同様でしょうね。
これでは個人消費が盛り上がってデフレ解消とならないのは当然でしょうね。
以前、朝日新聞にデフレ不況を維持しないと国債の金利高騰に耐えられない
と言う財務官僚の本音とやらが載ってましたから政府・日銀・官僚はわざと
デフレ不況になるようにコントロールしてるんでしょう。
だけど名目成長率が上がって行かない限り税収の自然増も無い訳ですし・・・
それに財政危機を叫ぶ割には相変わらず米軍はじめ外国には大盤振る舞い
してますし公務員のボーナスを増やしたりしてますし・・・
やってる事がちぐはぐだな~。
いざとなったら埋蔵金じゃないけど特別会計の一部を一般会計に回す訳には
行かんのかな?
為替介入の枠なんて減らせばいいんじゃないの?
どうせ米国やトヨタ、キャノンへの貢物にしかならないんだからな。
50兆円ほど回せばただちに黒字化出来るじゃないのw

投稿 | 2008年1月19日 (土) 02時39分

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2008年1月18日 (金)

首相公選制は日本喪失

 読者・とおりすがりさんの熱いメッセージを紹介しておきます。ほとんど私も同感です。
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● 喜八さんの言うとおり自称愛国者たちは小泉純一郎の暴言(朝敵発言)を見事なまでに黙殺しております。特に政治ブログランキング上位の自称愛国者連中は普段の勇ましさとは違って完全黙殺。何が愛国だ、と思わず嘲笑してしまいました。しかもこの自称愛国者連中は最近になって首相公選制を訴え始めています。首相公選制とはイコール共和制、つまり大統領制に他なりません。即ち権威と権力を一極に集中させる事実上の独裁体制ですね。今のブッシュを見ればわかるようにその弊害は計り知れないです。そして中東やアジア諸国、南米諸国など政情不安な国家は全て共和制であり大統領制であります。しかし日本はそれらの国家と違い、少なくとも1500年以上もの歴史があり、その歴史的な知恵として権威と権力を分散させる皇室制度を定着させているわけですね。

 実際、天皇による親政の期間は極めて短いです。殆どが摂政や関白、そして征夷大将軍など今の内閣総理大臣に近い存在が権力を握り政治を行ってきました。その時の天皇の役割は彼ら権力者に権力のお墨付きを与える権威として機能してきたわけですね。確かに歴史上、弓削道鏡や足利義満、織田信長のように皇室を私物化して権威と権力を自分たちに集中させようとした朝的が出現しました。しかし不思議な事に彼らの野望は全て失敗に終わりました。そして小泉による皇室解体の女系天皇制です。しかし小泉の野望も秋篠宮殿下によって打ち砕かれました。絶対権力のGHQですら解体出来なかった日本の皇室。

 これは右派左派関係なく日本人の財産です。日本人の知恵なのです。それを侮辱した小泉純一郎。この男を許すどころか大絶賛しまくった政治ブログランキング上位の自称愛国者たち。彼らが靖国神社を礼賛する姿をみた英霊たちはどう思うのでしょうか?自称愛国者連中の存在意義とは今の体制、つまり従米隷属迎合体制の護持にあると私は思うのです。
だからこそ小泉純一郎のやる事なす事言う事全てを礼賛し、都合の悪いことは完全黙殺する。これを卑怯と言わずして何を卑怯と言うのでしょうか?日本における愛国者とは国家国民を愛し、皇室を尊ぶ者を愛国者と言うのです。決してアメリカを始めとする外国に媚を売る者を愛国者とは言いません。

 この際だからハッキリ言います。
件の小泉暴言を黙殺する自称愛国者は売国奴に他ならない。そして首相公選制をほざく自称愛国者は朝敵に他ならない。管理人さんは私の考えをどうおもいますか?

●中東を始めとする一部国家は王政を布いています。これは事実上権威と権力を合体させた国王親政とも言えますね。その弊害として独裁体制が生まれたのです。
例えばアメリカが作った人工国家クウェートなどは実に酷い。その一端が例のハンドボール事件ですね。サウジなどもクウェートと同じく酷いですね。日本の国家体制である権威と権力を分離させた皇室制度は他国には決してマネのできない素晴らしい制度であります。日本人ならば先祖が長い時間をかけて作りあげた皇室制度を誇りに思うべきではないでしょうか。

●共産党は皇室容認に路線変更しましたね。皇室をあれだけ批判し続けた共産党ですら皇室の権威を無視出来なかった訳です。それくらい皇室の権威は偉大なのですね。私は別に盲目的に皇室を信奉しているわけではありません。歴史的に鑑み、歴史に学び、自分の目と耳などあらゆる感覚で考えた結果、権威と権力の分離、つまり皇室の権威は日本民族の歴史遺産でもあり現在進行形の財産である、と結論付けたのであります。

共産党ですら認めざるを得ない皇室の権威。

 それを蔑ろにする小泉純一郎が如何に不埒な輩であるか。それが件の小泉暴言であり愚行であるわけです。小泉の野望に完全と立ち向かった平沼赳夫氏。小泉の野望を打ち砕いた秋篠宮殿下。この二人の偉業は後世まで語り継ぐべきではないでしょうか。小泉純一郎の政治生命はまだ潰えていません。だからこそ小泉純一郎の政治生命を絶つべく私たち日本人は民族を挙げて右派左派無党派関係なく結束して小泉一派とその支援組織(特に新聞テレビや経団連などの売国組織)と戦わねばならないのです。

********************************************************************

(管理人の感想)

 とおりすがりさんが憤怒を持って私に問いかけたこと。それは、小泉氏の「皇室は抵抗勢力だ!」発言についてスルーし、首相公選制を唱えている上位のブログランカーについてどう思うかなのだが、言われたとおりであるとするならば私も憤懣やるかたない思いである。そういうブログ上位者に、せと弘幸さんが入っているかどうかわからないが、彼は以前、憂国掲示板で少し係わり合いを持ったお人なので、若干私なりの親近感はある。しかし思想性となると私とはかなり異なっているようである。ただ、瀬戸さんの場合は、あの松井石根陸軍大将の元秘書官である田中正明氏の薫陶を受けていると聞いたことがあるので、彼なりの深い思想性に基づいていると考える。だから彼の親米対支那感覚に対しては相当の疑念を持つが、深謀遠慮のすえに打ち出しているような気がする。これについてはいつかお目にかかる機会があったらいろいろと伺いたいと思っている。私はネットで実名を用いている方は、その人がどのような考え方を持っていても敬意を持つ。

 首相公選制については、保守や右派がけっして賛同してはならない考え方である。理由は我が国の国体が基本的には立憲君主制であり、天皇の存在を無視した首相公選制は原理的にありようがないからだ。天皇による国事行為には、国会指名にもとづく内閣総理大臣の任命行為がある。これはアメリカ大統領就任時のように聖書に片手を置いて誓う形式的な行為とはまったく違っていて、日本の国体の根幹に関わる重要な儀式となっている。この行為そのものが象徴的に意味することは単純明快である。すなわち、国政の最高権限を有する者を任命する権威を天皇だけが持っているということにほかならない。重要なことはこれが王としての政治権力ではなく、朝廷を権威の別格として連綿と押し頂いてきた我が国固有のあり方に基づいているからだ。GHQの英文草案にもとづいて出来上がった日本国憲法で天皇の地位は定められているが、敵性国家による憲法置換という歴史的出来事が生起したとしても、我が国国体の礎は不変であり、天皇が国体の中心になっている。政治という政(まつりごと)の次元を上回る権能が先天的に付与されている御存在を戴く国家とは、政治的な最高主導権を持つ者が、天皇の存在から外れた場所で勝手に選ばれてはならない。これを行なってしまうと、つまり首相公選制を実行してしまえば我が国の国体が完全に崩壊することになる。この選挙行為自体が、日本のあり方そのものをフランス革命以降の新興国家群の一部に変容させてしまうだろう。戦争に負けても、勝っても、民族の文化と伝統精神は普遍性を持たねばならないと思う。

 西村眞悟さんが言うように、公選で決まる大統領制は君主のいない国家で生まれたものだ。アメリカのような君主の存在しない新興国家の統治形態が大統領制である。従って、日本が公選制を行うという意思決定があるとすれば、日本人が左翼革命を起こしたことと同じ意味を持ってしまい、いわゆる日本という国家アイデンティティが喪失する事態となる。新自由主義を無作為に導入し、女系天皇論を吹聴して国体破壊を目論んだ小泉純一郎氏の最終目標が日本国家の解体にあることは明白である。彼は日本を不況に陥れ、外国資本に国の優良資産を叩き売った張本人としても許されざる国賊である。しかし、桁違いに許されざることは国体の解体を目論んだ国家反逆者として振舞った彼の政治行為にある。。

 西村眞悟さんは平成13年に下記のように言っている。このことからも彼が小泉官邸主導筋に国策パラダイムに反する者として強く認知されたであろうことがよくわかる。

『私は、「歴史的共同体」としての我が国のあり方、つまり「国体」または「国柄」つまり我が国の「国民主権」を深思すれば、立憲君主国と議院内閣制は歴史的にも論理的にも不可分と確信する。我が国から、共同体としての国民の「歴史性」を消去すれば「大統領制」つまり「首相公選制」しかないのは解る。臣小泉は、そこまで見切って言っているのか。総理として我が共同体の歴史的に神聖な中枢に触れた以上、明らかにせよ。』

 http://www.n-shingo.com/getuyou/1306.html

 (※西村さんのご子息のご不幸については深い哀悼の想いを捧げます)

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2008年1月17日 (木)