景気対策をすればどうなるのか(小野盛司)
(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第六弾です)
http://tek.jp/p/
小泉内閣の前は、日本でも何回も景気対策を行っていた。そのお陰で、世界経済における日本の地盤沈下はそれほどでもなかった。小泉内閣が行ったデフレ下での緊縮財政で、日本はあらゆる面で地盤沈下を始めた。世界で最も豊かな国だったのに、一人当たりの名目GDPは今や18位までに落ちた。G7では最下だ。株の下落もひどい。2007年の騰落率は世界52カ国中下から2番目だ。
どうやれば、日本経済は立ち直るのかは計量経済学が教えてくれる。これは確立した学問の分野であり、きちんと分析すれば、信頼できる予測が可能だ。残念ながら、政府(内閣府)の発表は大本営発表としか言えないのだが、日経新聞社の経済モデルのほうがはるかに信頼できる。両者を比べればすぐ分かるのでこれを図で示す。
内閣府と日経の発表したデフレーターの予測
GDPデフレーターとは総合的な物価指数であり、これが正になるとデフレ脱却とみなされる。2002~2007と書いてあるのは、政府発表のデフレーターで、これによると、デフレは1~2年で簡単に解消できるとなっている。例えば、2002年に発表したデータでは、翌年の2003年にはすでにデフレーターが0になって、ほぼデフレ脱却できるということになっているが、実際は2008年になってもデフレ脱却はできていない。このような欺瞞的な発表を6回も続けているのだからあきれる。一方、図で分かるように、日経新聞社の日経NEESDでは、政府の政策では、デフレは続くと予想しており、見事に予想通りに推移している。
政府発表は大本営発表で、日経のモデルのほうが、はるかに信頼できることが分かるだろう。この日経NEEDSを使って、もしも2000年から5年間景気対策をやっていたらどうなっていたのかを計算してみた。政府の政策を継続すると、どうなるかは、日経新聞がいつもこのモデルを使って予測を発表しているが、景気対策を行ったらどうなるかは、発表しない。例えば毎年減税と歳出拡大で合計50兆円規模の景気対策を5年続けていたらどうなったかという日経新聞社の予測を書く。予測は5年間しかしていない。
名目GDP
景気対策を行ったとき 現実
2000年 549兆円 502兆円
2001年 573兆円 492兆円
2002年 609兆円 488兆円
2003年 646兆円 493兆円
2004年 679兆円 496兆円
2005年 503兆円
2006年 510兆円
2007年 515兆円
景気対策をすれば、諸外国同様のテンポで経済の拡大が可能になるのだ。しかし現実は緊縮財政のお陰で、日本経済の拡大は完全に止まっている。2004年ですでに183兆円の差が出ている。日本人一人当たり、150万円の損失と言える。この規模の景気対策を行っても、消費者物価指数は5年間で11%上がるだけで、年平均だと2.2%だから、これも諸外国並だ。平均賃金は下がりっぱなしだが、景気対策をやっていたら、除々に上昇してくる。
雇用者報酬の上昇率
2000年 0.6%
2001年 2.3%
2002年 3.8%
2003年 6.4%
2004年 7.5%
更によいことに、これだけGDPが増大してくると、国の借金のGDPに対する割合がどんどん減ってきて、国の財政も健全化してくることだ。なぜ、このような優れた政策を政府は実行しないのだろうか。
本日(2008年1月16日)、筆者は秋元司参議院議員の勉強会で、大田弘子経済財政政策担当大臣に直接質問をすることができた。筆者の質問のキーポイントは、ここまで景気が悪くなっているのになぜ景気対策を、検討しないのかということであった。なんと、大田大臣の回答は、現在、景気対策の必要はないということだった。
しかし下の図を見て頂きたい。OECD30カ国の2007年の名目成長率の比較でOECD30カ国の中の下位8カ国だけを示してある。ワースト8の中でも、日本が際だって低成長であることが分かる。世界で唯一通貨発行による景気刺激策を拒否した結果、大変な勢いで貧乏になっているということだ。株の下落もひどい。2007年で株の下落率で言うと52カ国の下から2番目だったそう。大田大臣は、なぜ賃金が上がっていかないか不思議に思うと言っていたが、デフレでどんどんお金が消えて行っているのだから、賃金が上がるわけがない。
丁度1年前の同じ勉強会で、筆者は大田大臣に質問した。内閣府の試算では、もしも景気対策を行ったら、景気は良くなり、デフレから脱却できることが分かっている。国の借金も増えるが、GDPの増加速度のようが早いので、少なくとも最初に1,2年は国の借金のGDP比は下がる。景気対策をやったほうがよいのではないかという質問だった。そのときの大田大臣の回答は、3年目以降債務のGDP比が増えるからという理由で景気対策を否定した。しかし、政府のモデルはまさに欺瞞的で、金利をわざと高くし、3年目以降、金利負担が増えて借金のGDP比を増やすようなトリックをしている。滝実衆議院議員が質問主意書でこのトリックを追求したから、大田大臣は、もうこの方法では逃げられないと観念し、今年は「景気対策は今は必要ない」などという暴言になった。しかし、景気対策によって、どれだけ日本経済がよくなるかを考えるとき、必要ないなど考えられないだろう。質問主意書に対する政府答弁では、「誤差が大きいので試算はあてにならない」などという暴言だったが、その使い物にならない試算を1月17日に発表して、それで増税・歳出削減を迫ろうというのだ。それによって景気は更に悪化し、経済が縮小し、生活が更に圧迫されるというのに。
(小野盛司)
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コメント
名無し様
はじめまして。コメントありがとうございまい
した。
>特に小泉・竹中以降の落ち込み方は凄まじいね。
物凄い落ち込みですね。2001年から2006年
までに5位から一気に19位まで。まもなく極東に
位置する極貧国家になるのでしょうか。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年1月19日 (土) 00時21分
まる様
はじめまして。非常に興味深く、かつ納得でき
るご意見です。新自由主義と金融資本主義批判、
ごもっともです。
>元々米国は膨大な軍事費や農業補助金を日本や
>シナや産油国から借りてばら撒いてる大きな
>政府なんですけどね
おっしゃるとおりですね。本質を衝いています
ね。米国は他国にはグローバルスタンダードの
新自由主義を強制して、やってはいけない政府の
枠を縮小して小さな政府にしながら、自国は他国
から金融工学的吸い上げで持ってきた金で大きな
政府を敷いています。とは言っても支配階級のた
めの政府ですが。軍事力と警察機構を背景にした
“大きな政府”、これを庶民の角度から言います
と、一握りの金融資本家と一部裕福なWASPのため
の大型夜警国家がアメリカという国なのでしょ
う。
しかしテレ朝などの動きは小泉待望論に向かっ
ていますよね。マスコミの論調が構造改革アクセ
ル論ですからね。現在の諸問題は構造改革の程度
が浅いから、推進するか後退するかという二分論
ですね。このインチキ論法に国民の何とか層が巻
きこまれてしまえば、再び絶望的な悪夢が日本を
襲います。
小泉新自由主義を導いた官邸主導政治と中川秀
直氏が関係ないと思っている人々がいるようです
が、忘れていけないのは、官邸主導の謀略を飯島
勲氏が受け持ち、官邸主導政治の動力源を中川氏
がやっていたということです。官邸主導の型を敷
いたのが中川氏ですね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年1月18日 (金) 23時45分
今日も報ステは改革推進に邁進しておりますなw
で、米の要求に屈するまま新自由主義化を推し進めた結果がこれだw
特に小泉・竹中以降の落ち込み方は凄まじいね。
早く奴らを日本から排除しないと駄目だ罠。
一人当たりのGDP http://mamono.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1198673279/-100
1989年 2位
1990年 7位
1991年 4位 ←宮沢内閣
1992年 4位 ←宮沢内閣
1993年 1位 ←宮沢内閣
1994年 2位
1995年 3位
1996年 3位
1997年 4位
1998年 6位←竹中国政参加
1999年 4位
2000年 3位
2001年 5位 ←小泉内閣 竹中入閣
2002年 7位 ←小泉内閣
2003年 10位 ←小泉内閣 竹中金融担当相兼任
2004年 11位 ←小泉内閣 竹中参議院議員当選
2005年 14位 ←小泉内閣 竹中総務相就任
2006年 19位 ←小泉内閣
http://electronic-journal.seesaa.net/category/1083225-1.html
投稿: | 2008年1月18日 (金) 22時54分
昨日、中川昭一が財出論をぶち上げてましたね。
元々中川昭一や麻生太郎と言ったところは小泉・竹中の売国新自由主義には否定的だったと記憶してます。
先の総裁戦でもそこが読売はじめ米国の手先と化した
マスゴミや清和会に嫌われ潰されたんじゃ無いかと思います。
新自由主義の権化ブッシュやサルコジでさえ財政出動策をぶち上げましたからね。
モルガンスタンレーのエコノミストも韓国の大規模ニューディール政策=大運河建設を評価してるし。
実は彼らでさえも金融政策だけでは限界がある事を知ってるんだと思いますね。
ま、元々米国は膨大な軍事費や農業補助金を日本やシナや産油国から借りてばら撒いてる大きな政府なんですけどね。
国民一人あたりの公務員数や平均給与も日本より遥かに多いしw
そんな事は一切無視して相変わらずケインズ批判してる日本のマスゴミや御用学者には寒気を感じますね。
サブプラ問題で明かになった米英による金融資本主義や新自由主義に対する批判なんて大手マスゴミからは一切聞こえて来ないですしね。
インフレの米・仏・韓でさえ財出政策やろうとしてるのにデフレの日本でやらない手は無いだろうと思うんですが・・・
今のマスゴミの世論誘導を見てると難しいでしょうね。
あくまで日本の景気が悪い、株価が下がるのは改革が停滞してるからと言う主張ですからねw
少し前までは改革のおかげで景気が回復した、株価が上がったとこれ見よがしに自慢してたのにねw
フェルドマンなんかWBSでこれで日本は第2の高度成長期に入りましたなんて嘯いてたのにw
とにかく奴らは平気で嘘や詭弁を振りまくから始末に負えんですね。
奴らの過去の発言を編集して全部流してやろうかと思います。
如何に奴らが節操の無い嘘吐き共なのか良く分かる。
まあそんな奴らに騙される国民も悪いんだけどね。
マスゴミの洗脳に弱いのは戦前からちっとも変わって無い・・・
何とかしないとまた小泉・竹中新党が表舞台に出て来てしまいますね。
だけどネットではマスゴミに影響力では太刀打ち出来ない・・・
最近のテロ朝や報ステの論調聞いてると絶望的な気分になりますね。
またマスゴミが国民を小泉改革=新自由主義礼賛に洗脳しようと動き出してるところを見ると選挙も案外近いのかなと勘繰ってしまいますね。
秋までしつこく洗脳を続けるつもりなのかなw?
どうせ短命なら辞める前に福田には大規模財出でもやって欲しいですよw
それで景気が回復すりゃ~国民も改革に耳を貸さなくなるっしょw
ここぞとばかりに福田批判を繰り返してる連中って総裁戦の時に福田を推した連中ばかりですね。
小泉、森、中川秀直、山本一太、チルドレンetc
投稿: まる | 2008年1月18日 (金) 17時10分
JAXVNさん、こんにちは。
>あくまで景気対策を行う事を否定している日本
>政府と異なり、米国政府は今回の株安を受け早
>速財政出動による景気対策の検討を始めました。
おっしゃるとおり米国は深刻な株安に対して早急
に適宜な処方箋、つまり財政出動をためらいなく
やる国です。この点では日本政府は見習う必要が
ありますね。植草さんも米国のこういう即応性と
実行力は高く評価しています。
しかし、日本だけが財政出動を禁忌扱いしてい
るということは、国内外に、国力を減衰させよう
とする一貫した勢力があることはまちがいないで
すね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年1月18日 (金) 10時23分
こんにちは。
「景気刺激は財政、金融連動で・FRB議長、大幅利下げ改めて示唆
【ワシントン=藤井一明】米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は17日、下院予算委員会で証言し、景気刺激策に関して「金融政策の単独の行動よりも財政と金融が一緒に刺激するほうが経済を幅広く支えられる」と表明した。財政出動と金融緩和を連動させることが望ましいという認識を示したものだ。ホワイトハウスは同日、景気対策の検討に着手したことを公式に認めた。
バーナンキ議長は月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え「中身のある追加措置をとる用意がある」と語り、大幅な利下げの意向も改めて示し、同時に、財政出動による景気テコ入れ効果を認めた。(02:07)」
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20080118AT2M1703F17012008.html
あくまで景気対策を行う事を否定している日本政府と異なり、米国政府は今回の株安を受け早速財政出動による景気対策の検討を始めました。米国政府を肯定的に評価する事は本意ではありませんが、この点については日本政府より米国政府のほうがよほどましです。いや米国政府でなくても、日本以外の政府はどこでも行うはずの事です。日本政府、福田内閣、自公与党はもはや狂っているとさえ言えるのかも知れません。
投稿: JAXVN | 2008年1月18日 (金) 10時03分
テレ朝を目の仇にしているブログを見つけました。
参考までにご覧ください。
http://myhome.cururu.jp/ell/blog
投稿: とおりすがり | 2008年1月17日 (木) 12時38分
すみません。
また追加です。
共産党は皇室容認に路線変更しましたね。
皇室をあれだけ批判し続けた共産党ですら皇室の権威を無視出来なかった訳です。
それくらい皇室の権威は偉大なのですね。
私は別に盲目的に皇室を信奉しているわけではありません。
歴史的に鑑み、歴史に学び、自分の目と耳などあらゆる感覚で考えた結果、権威と権力の分離、つまり皇室の権威は日本民族の歴史遺産でもあり現在進行形の財産である、と結論付けたのであります。
共産党ですら認めざるを得ない皇室の権威。
それを蔑ろにする小泉純一郎が如何に不埒な輩であるか。
それが件の小泉暴言であり愚行であるわけです。
小泉の野望に完全と立ち向かった平沼赳夫氏。
小泉の野望を打ち砕いた秋篠宮殿下。
この二人の偉業は後世まで語り継ぐべきではないでしょうか。
小泉純一郎の政治生命はまだ潰えていません。
だからこそ小泉純一郎の政治生命を絶つべく私たち日本人は民族を挙げて右派左派無党派関係なく結束して小泉一派とその支援組織(特に新聞テレビや経団連などの売国組織)と戦わねばならないのです。
投稿: とおりすがり | 2008年1月17日 (木) 12時28分
一部誤字脱字あります。
訂正出来ないようですので予めご容赦願いますです。
投稿: とおりすがり | 2008年1月17日 (木) 11時56分
追加です。
中東を始めとする一部国家は王政を布いています。
これは事実上権威と権力を合体させた国王親政とも言えますね。
その弊害として独裁体制が生まれたのです。
例えばアメリカが作った人口国家クウェートなどは実に酷い。
その一端が例のハンドボール事件ですね。
サウジなどもクウェートと同じく酷いですね。
日本の国家体制である権威と権力を分離させた皇室制度は他国には決してマネのできない素晴らしい制度であります。
日本人ならば先祖が長い時間をかけて作りあげた皇室制度を誇りに思うべきではないでしょうか。
投稿: とおりすがり | 2008年1月17日 (木) 11時53分
書き込み引用ありがとうございます。
喜八さんの言うとおり自称愛国者たちは小泉純一郎の暴言(朝敵発言)を見事なまでに黙殺しております。
特に政治ブログランキング上位の自称愛国者連中は普段の勇ましさとは違って完全黙殺。
何が愛国だ、と思わず嘲笑してしまいました。
しかもこの自称愛国者連中は最近になって首相公選制を訴え始めています。
首相公選制とはイコール共和制、つまり大統領制に他なりません。
即ち権威と権力を一極に集中させる事実上の独裁体制ですね。
今のブッシュを見ればわかるようにその弊害は計り知れないです。
そして中東やアジア諸国、南米諸国など政情不安な国家は全て共和制であり大統領制であります。
しかし日本はそれらの国家と違い、少なくとも1500年以上もの歴史があり、その歴史的な知恵として権威と権力を分散させる皇室制度を定着させているわけですね。
実際、天皇による親政の期間は極めて短いです。
殆どが摂政や関白、そして征夷大将軍など今の内閣総理大臣に近い存在が権力を握り政治を行ってきました。
その時の天皇の役割は彼ら権力者に権力のお墨付きを与える権威として機能してきたわけですね。
確かに歴史上、弓削道鏡や足利義満、織田信長のように皇室を私物化して権威と権力を自分たちに集中させようとした朝的が出現しました。
しかし不思議な事に彼らの野望は全て失敗に終わりました。
そして小泉による皇室解体の女系天皇制です。
しかし小泉の野望も秋篠宮殿下によって打ち砕かれました。
絶対権力のGHQですら解体出来なかった日本の皇室。
これは右派左派関係なく日本人の財産です。
日本人の知恵なのです。
それを侮辱した小泉純一郎。
この男を許すどころか大絶賛しまくった政治ブログランキング上位の自称愛国者たち。
彼らが靖国神社を礼賛する姿をみた英霊たちはどう思うのでしょうか?
自称愛国者連中の存在意義とは今の体制、つまり従米隷属迎合体制の護持にあると私は思うのです。
だからこそ小泉純一郎のやる事なす事言う事全てを礼賛し、都合の悪いことは完全黙殺する。
これを卑怯と言わずして何を卑怯と言うのでしょうか?
日本における愛国者とは国家国民を愛し、皇室を尊ぶ者を愛国者と言うのです。
決してアメリカを始めとする外国に媚を売る者を愛国者とは言いません。
この際だからハッキリ言います。
件の小泉暴言を黙殺する自称愛国者は売国奴に他ならない。
そして首相公選制をほざく自称愛国者は朝敵に他ならない。
管理人さんは私の考えをどうおもいますか?
すみません。
かなり熱くなりまして・・・
投稿: とおりすがり | 2008年1月17日 (木) 11時49分