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2008年2月29日 (金)

杉並区は75年後は無税?無税国家とは?(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十五弾です)
  http://tek.jp/p/

 東京都杉並区の予算は1500億円で、その1割の150億円を積み立てて2%の利率で運用すると、78年後には無税でやっていけることになっている。山田区長のアイディアだ。しかし78年後は自分は生きていない。そのために1割も増税されてはたまらない。78年後のことより現在の住民の事を大切にしてもらいたいものだ。

 松下政経塾の創設者の松下幸之助氏は、無税国家を唱えた。国家が蓄えた貯蓄から利子収入を得て、それを財源として国家財政をまかなえというわけだ。松下幸之助は長者番付で常に一位だったから、所得税も大変な額だっただろう。だから税金を安くしてほしい、小さな政府にしてほしいと願うのは当然だったかもしれない。その結果松下政経塾出身の政治家はことごとく緊縮論者になってしまい、そういった政治家が日本経済を没落させている。松下氏は次のように言う。

『 仮に今の貨幣価値で1000兆円の積立金ができ、それを年利5%で運用すれば、50兆円の国家収入が得られます。昭和54年度予算は40兆円弱と予想されますから、これをすべてまかなってなお10兆円余りのある額です。 そうすれば、国民から1円の税金を取る必要のない「無税国家」となり、さらに進んで、余りの10兆円を国民に分配しうる「収益分配国家」になるともいえましょう。』 (週刊ポスト1979年1月5日号掲載)

 1000兆円を何で運用するのだろう。東証の株式の時価総額は2008年1月31日現在438兆円だから、全企業の株式を全部買い取って国営企業にしても1000兆円の半分も使えない。国債を買う?1000兆円も貯めたのに国債を出す必要はなくなっているだろう。第一、1000兆円を貯めるには、どれだけ増税しなければならないか。増税によって経済はデフレスパイラルに陥り、経済がどんどん縮小することを理解していないのか。どうも松下幸之助は、商売は上手だったが、マクロ経済はまるで駄目だったようだ。松下政経塾で、滅茶苦茶な経済学を学んだ政治家によって、日本経済が無茶苦茶にされてしまっているのかもしれない。

 国は通貨発行権を持っているのだから、やろうと思えば、お金を刷れば一夜にして1000兆円は作れる。汗水流して貯めたお金も、一夜で刷ったお金も、実体経済にとっては全く同じだ。それなら5%で運用するのでなく、いっそのこと利子50兆円分のお金を毎年刷っても同じではないか。これなら簡単に無税国家が実現する。しかしながら、お金を刷った分、確実に需要は拡大する。その需要増加に生産が追いつかなければ(普通は追いつかない)インフレとなる。このときは普通かなりの大幅なインフレになるため、経済には悪影響を及ぼす。インフレにより、国民の財産が目減りし、結局税金を払ったのと同じ事になるから、「インフレ税」と言う。

 中南米では、かつて財政赤字をファイナンスする財源が無かったため、政府債務を中央銀行が引き受けることによりお金が刷られ、インフレが加速した。もちろん、どの程度お金を刷るかによって、インフレ率は調整できる。日本以外は、どの国もゆるやかなインフレになっているために、実質自分の財産(例えば現金)はゆるやかに目減りしており、その部分の税金を実質的に払っていると言うことができる。しかし日本はデフレだ。インフレ税を払っていない。ということは、その分、他の国より多くの税金を払わなければならなくなる。しかし、そうしたらデフレは悪化してしまうから、増税できない。だから税収不足になるから、借金(国債発行)で補っている。そこで、デフレのときは、どんどん国の借金が増えてしまう。

 景気対策をしてデフレからの脱却ができ、普通の国のようにゆるやかなインフレになれば、すでにインフレ税で税金の一部を納めたことになり、増税の必要がなくなるし、財政も改善してくる。ゆるやかなインフレにするということは、このようなメリットもある。松下幸之助も、まずお金のことが頭に浮かび、それを貯め利子で運用する、これは企業の感覚であり、国家に対するマクロ経済には当てはまらない。現在の政府もお金のことが第一で、財政を改善することで頭がいっぱいだ。国家の経済を考えるときは、お金は経済を成り立たせ発展させるための手段だということを忘れてはならない。

 国は家計や企業とは全く違う。お金は自由に刷っても良い。ただし、経済が最も活性化するように刷らなければならない。全国民が清貧に耐え、お金を貯めれば、後でそのお金が使えて豊かな生活が送れるような保証は全くない。なぜなら、清貧に耐えている間に生産は停滞し、企業は生産性の向上のための努力を怠り、折角貯めたお金を将来使おうとしても、生産力が無いときは、インフレになるだけで豊かな生活は無理なのだ。

 将来豊かな生活を望むなら、適度なお金を実体経済に供給し、最適な経済環境で企業を育て、生産性を伸ばす必要がある。もちろん、最適な経済環境とは規制緩和とか市場開放とかも含まれる。しかし、金不足、需要不足のインフレ経済では、生産性は上がらないし、企業は育たない。まさに現在の日本経済の没落は、お金不足から来るものである。それでは、高度経済成長をしていた60年代、70年代は、経済発展に必要な成長通貨はどうやって生まれていたのだろうか。それは、土地などの値上がりが関係している。地価が上がると、それを担保に多くのお金が銀行から借りられる。銀行から借りた人も、そのお金を一旦銀行に預ける。そうすると、銀行にはまたお金が入るわけだから、そのお金をまた別な人に貸す。このように次々にお金が銀行から出て行って、市中に出回るお金がどんどん増えていった。

 デフレになると、丁度その逆のことが起きる。地価が下がると、それを担保に借りることができるお金が少なくなる。すでに土地を担保に借りている人は担保割れが起きて、お金を返さなければならなくなる。それにより銀行の貸出残高が減ってくる。実際の銀行貸出残高は下の図に示した。貸出残高は大きく減っているが、現在下落はすでに止まっている。しかし、元の水準にまで回復するのは遠い先のことだ。貸出残高の減少は市中から巨額のお金が消えたということを意味している。消えたお金を補充するために、国はお金を刷る必要があるのに、それを怠ったために、日本経済が没落を続けている。

 この図から、不良債権処理が終わればお金は回るようになるという説は嘘だったことが証明された。不良債権処理が終わった現在でもお金は十分回っていない。(小野盛司)

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2008年2月27日 (水)

日銀は、なぜ国の借金を買い取らないのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十四弾です)
  http://tek.jp/p/

 日本人の「国の借金」に対する考えは異常そのものだ。いつでも、そしていくらでも日銀が国の借金を買い取ることができるのに、その事実をマスコミは隠し続ける。昨日(2月26日)も朝日新聞に載った。「国の借金最高更新」なのだそうで昨年末で838.05兆円になったという。おまけに国民一人当たりに換算すると655万円余りになるという馬鹿なことも書いてある。

 838兆円が多すぎるというなら、100円を1円(1新円)とするデノミをするとよい。そうすれば、838兆円は一夜にして8.38兆円に減り、655万円は、たった6.55万円になる。GDPも同時に減るから借金のGDP比は変わらないと言うかもしれない。だったら、借金が多いというのでなく、始めから借金のGDP比が多いのだと言うべきだろうし、借金のGDP比が増えたかどうかを、まず見出しに書くべきだろう。昨年末の借金は832.26兆円だったから、増加率は0.72%で、GDPの増加率は0.8%だから、GDPのほうが増加率は大きい。ということは、借金のGDP比は0.08%だけ減っている。当然、借金のGDP比が減ったということを、見出しに書くべきだ。

 借金のGDP比が減らないのは、経済政策の大失敗のためGDPが増えないためだ。OECD30カ国の中で日本が最低だが、その次に低いのがスイスの3.5%だ。もしも経済政策が大失敗ではなく、普通程度の失敗にまで改善し、日本がビリから2番目になるまで成長が加速したら、約2.7%だけ借金のGDP比を減らす事ができたはずである。あるいは、内閣府の試算(進路と戦略)に従えば、もし公共投資を5兆円増やしていたら、GDPが増加するために借金のGDP比は1.6%減っていたことになる。

 経済モデルを使った計算が理解できないため、「国の借金」を、まるで魔物のように恐れている。私は朝日新聞に、記事が明らかに間違えていると何度も抗議しているが、昨年11月23日付朝刊の「国の借金」に関する間違えた記事に抗議したときは、朝日新聞部長代理の金光という人から手紙が来て、「ご指摘の内容については、編集局の担当部署に伝えました。貴重なご意見として、今後の取材や紙面づくりの参考にさせていただきます。」と書いてあったのに、間違いを繰り返している。

 日銀が国債の一部を買い取れば、日本経済の没落を食い止めることができる。買い取ったお金は、国民に流れ、それが経済を活性化するからだ。しかしそれを阻んでいるのが日銀の自主規制だ。日銀には「長期国債の保有は日銀券発行残高まで」という自主規制がある。一般の人で知っている人はほとんどいないし、マスコミの報道でも聞いたことがない。日銀に電話してこの自主規制について聞いたら、一般窓口の人は知らないと言い、もっと「詳しい人」に電話を回してくれたが、その人も知らなかった。その詳しい人が、議事録等を調べて数日かけて調べてくれたが、見つからなかったと電話をくれた。日本経済を衰退させている根本原因は日本人全員が知っておくべきだ。日銀の中の「詳しい人」までが知らないようでは、日本経済の将来が思いやられる。
 なぜ日銀はそのような自主規制を行っているのか、昨年、質問主意書で滝議員が質問したときの安倍総理の答弁を引用しよう。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
安倍総理:日本銀行の長期国債保有の在り方は、日本銀行がその資産及び負債の状況等を踏まえて決定すべき事柄である。なお、日本銀行による長期国債の保有は、日本銀行の負債である日本銀行券の発行残高の範囲内で、安全確実な資産の保有として実施されているものであると承知している。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 残念ながら、逃げの答弁でこれでは何のことか分からない。最重要課題から逃げようとする姿勢はいただけない。政府がこのような態度であれば、日本は貧乏になる一方だ。本音は、過去の「苦い経験」だ。つまり戦前戦費調達で国債を大量発行し日銀に引き受けさせ、それが悪性インフレを招いたという経験だ。それを繰り返さないという意味で財政法第5条は、日銀による直接の国債の引き受けを禁止している。確かに度を超せば悪性インフレになるが、適度であれば、デフレ脱却の救世主になる。「適度」とは何かと言えば、計量経済学を駆使したシミュレーションが教えてくれる。直接の国債引き受けの必要はない。市場から適量の買い入れをすればよいだけである。

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  図で日銀券発行残高を示した。デフレ下では、お金はタンスにしまっておくだけで価値を増す。お金は流通しなくなってタンス預金がどんどん増える。そのため、日銀はお金を必要以上に発行しなければならなくなっている。日銀は保有する長期国債は、日銀券発行残高以下に抑えるという自主規制は全く意味がない。その自主規制のために日銀は、長期国債の保有が厳しく制限されていて、結果としてこれが財政を悪化させている。この自主規制が無くて、もっと多くの国債を日銀が保有すれば、国の借金の利払いは日銀を通して国庫に返るから、財政は大きく改善する。

 2008年2月20日現在、日銀の保有長期国債は48.8兆円であるのに対し、日銀券発行残高は75.1兆円である。自主規制に従うと、あと26.3兆円しか長期国債を買うことができないし、これでは全く足りない。90年代に入ってから日銀券発行残高が増えたのは、デフレだったからである。景気が良くなれば、再び減ってくる。しかも最近は電子マネーが普及し始めているから、日銀券の必要性がどんどん薄れてくる。そうなるとこの自主規制の縛りはきつくなる一方であり、それを継続すると日銀は国債を売らなければならなくなり、国の利払いの回収率も下がり、国はどんどん貧乏になっていく。この問題を避けていたら、日本経済の復活はあり得ない。(小野盛司)

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2008年2月25日 (月)

国の借金が大変なら日銀が買い取れば良いと世界を代表するエコノミストが提言(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十三弾です)
  http://tek.jp/p/

 国債は「国の借金」だからいつか税金で返さねばならないという、馬鹿なことを言う人がいる。そういう方法では絶対に返せないし、返そうとすれば、日本経済は大恐慌に陥る。しかし、日銀が買い取れば、逆に日本経済の大躍進が始まる。海外の識者の声を紹介しよう。

●バーナンキFRB議長(ノーベル賞確実と言われている経済学者でデフレ問題の第一人者)
 「日銀は国債の買い取りを増やして、減税あるいはその他の財政政策を行うべきだ。日銀の長期国債の保有額は発行済みの日銀券残高を限度とするという日銀の自主規制は撤廃するべきだ。」

●ローレンス・R・クライン (ノーベル賞を受賞した経済学者)
 「私の提案は、通貨の膨張です。日銀は政府の借金(国債)を買い取るべきです。減税をやるとよい。しかし、このような財政政策と共に教育への投資も増やすべきだ。」

●ポール・サミュエルソン (ノーベル賞を受賞した経済学者)
「3年間の新たな全面的な減税政策を実施するように提案する。今後も継続して行われる公共投資は、日銀が新たに増刷する円によって行われるべきだ。」
(日銀が新たに増刷する円とは、日銀が長期国債を買い、それと引き替えに出て行くお金のこと)

 2007年12月1日の静岡新聞に「消費税引き上げに反対」というタイトルでサミュエルソン氏が提案を寄せている。提案の前半は日本のデフレが危険なキャリー・トレードを出現させていると指摘し、後半は「日本の与野党、政府機関、そして有権者は、1990年以降の長い眠りから覚める必要がある。もし日本の企業と家庭がカネを使わなければ、景気を刺激し、同時に日本の美しい国土の生態環境を改善し、優秀な大学をさらに充実させる雇用創設の方法を他に求めなければならない。

 これは単なる経済学の理論ではない。1930年代、不況に陥っていた米国とドイツの人々に最終的に繁栄をもたらしたのは、意図的な赤字財政支出であった。1933-1939年、米国労働者の二人に一人が失業していたが、1940年には文字通り完全雇用を達成した。この失業率を下げたのは、ルーズベルト大統領の計画的な赤字支出であった。確かに日本の公的債務はすでに巨額である。だが、その債務に対する利子支払いの費用がゼロ金利でいかに低く抑えられてきたか、このことも忘れてはならない。

 現代においては、過度の正当派的財政は悪しき財政政策と言わざるを得ない。フランスはそれを八十年前に学んでいる。」としている。

 日本人は借金が嫌いで、早く返したくてたまらないのだろうが、海外のホームページを見ると日銀に国債を買わせるべきだという論調が目立つ。日銀が国債を買えば、それで国の借金を返したことになるからだ。それではインフレになると人は言う。日銀が国債を買うと、その入れ替えにお金が出ていく。事実上お金を刷ったことになるからだ。そのお金が様々な経路で国民の手に渡り、国民が金持ちになり、年率3%のインフレになったとしよう。つまり3%名目GDPの成長を押し上げる。それは国の債務のGDP比を3%押し下げるのだ。さらによいのは、金持ちの国民は、より多くの税金を払ってくれて、国の借金が減り、債務のGDP比は3%以上、下がるのだ。これをシナリオAとしよう。

 もし増税で3%だけ債務のGDP比を下げようとしたら、800兆円の3%の増税、つまり24兆円、一人当たりにして、なんと約20万円もの増税が必要となる。ただしこのような大増税により、日本経済は深刻なデフレ経済に陥り、GDPは大幅に縮小し結局債務のGDP比は縮小しないことになる。これをシナリオBとしよう。みなさん、シナリオAとシナリオBの、どちらを選びますか。

 もうお分かりだと思いますが、世界を代表するエコノミストは日本経済復活のための素晴らしい提案をしているのである。国の借金が日本経済にとってどれだけ大きな重しになっているか想像して頂きたい。財政を拡大しなければ、経済は拡大しないのに、財政を拡大できなくした。それに金融機関の機能を大きく損なわせている。金融機関とは本来、国民からお金を集め、それを工場建設とか、住宅建設とかの融資に回す。つまりお金を融通し合って経済を拡大していくのが金融機関の役目となっていたはずです。しかし日本の金融機関は何をしているのかということです。なんと国民から集めたお金で国債を買って、それを金庫に置いておくだけで、金利が入り利益が出せるように国が保証しているのです。その利益はもちろん国民から集めた税金です。2007年度で国が払っている利払い費は約10兆円で、税収が約50兆円ですから、我々の納めている税収の約2割は利払いとして郵便局とか銀行へ流れているわけです。

 更に悪いことは、現在極めて景気が悪いために、長期金利は1~2%程度ですが、少し景気が回復してくると、諸外国並になり、現在の約3倍の金利になってきます。そうすると単純計算をすると我々の納める税金の半分以上は、こういった金融機関に利払いとして流れるわけです。折角、我々が多額の税金を納めても、その半分以上が金融機関等に利払い費として流すようでは、税金の無駄遣いとしか言いようがありません。現在で年間の利払い費は10兆円を超しており、金利が3倍になれば毎年30兆円の税金の無駄遣いをすることになるわけです。金融機関にとっては、国民から預かったお金で国債を買えばそれを金庫に置いておくだけで、巨額の税金を流してもらえるので、こんな楽な商売はありません。グリーンピアで使われたお金が総額で1900億円ですから、10兆円はこの50倍以上、30兆円は150倍以上です。グリーンピアなら保養施設ですから、国民は利用できますが、利払い費は単に払うだけです。

 代替案はもちろん、国債を日銀に買わせることです。それにより国債という形で凍結されていたお金が国民に渡り、国民は豊かになりますし、政府が日銀に払った利払い費は、国庫に返される仕組みになっていますから、政府は再び国民のために使うことができるわけです。税金の無駄遣いがマスコミで色々指摘されていますが、額が小さいものばかりで、そのような無駄を防いだとしても、我々の暮らしを大きく改善するほどでもありません。10兆円とか30兆円とかという巨額の税金の無駄遣いを追求した人は誰もいません。しかもこれは毎年発生しているのです。

 内閣府になぜ景気対策をしないのかを聞いたときの返事は、確かに景気対策をすると景気も良くなり、最初の2年間はGDPが増えて、債務のGDP比が減り財政が健全化する。しかし3年目以降は金利が上がり、利払いが増え、債務のGDP比が増えるから景気対策は駄目だという説明でした。要するに、金利を抑えるために景気を悪くしておこうというのが政府の考えだというのです。本末転倒だと思いませんか。
 日銀に国債を買わせれば利払いの増加を抑えることができます。金利上昇を抑えるために、わざわざ景気を悪くして国民を苦しめなくてもよいのではないでしょうか。(小野盛司)

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2008年2月24日 (日)

小野盛司氏の積極財政論シリーズ

 弊ブログに精力的に投稿していただいている小野盛司氏(日本経済復活の会・会長さん)の積極財政論シリーズも、今回で32回目になっています。近年、我が国のマクロ的な経済政策の方向性は、どういうわけか積極財政論という選択肢が取られて来なかったという事実があります。平成大不況から小泉政権の構造改革を経ても、庶民としてはいっこうに景況感が上向いたという感覚はありません。むしろ悪くなっているという切実な不況感が国民を囲繞している始末です。可処分所得が減少しているどころか、預貯金を切り崩して生活費に当てている世帯が圧倒的に多くなっています。政府も御用学者も、小野会長さんたちが提唱するマクロ計量経済学による積極財政論を国民や政財界に向けて啓蒙しません。

 またマスコミもどういうわけか積極財政論を報道しようとしません。弊ブログ管理人が感じるところによれば、日本国内のパワーエリート(彼らは何者なのでしょうか。半島系では?)に、日本をかつてのような経済大国にはけっしてしないぞという、一種のルサンティマン(怨恨)のようなものが働いているような気がします。これを表立って体現したのが小泉純一郎氏でした。彼が半島系かどうか知りませんが、彼の行なった新古典派的な政策に通底するのは、日本に対する底知れぬ破壊的なイド(無意識衝動)でした。これの頂点が自見庄三郎氏の語った「小泉氏の天皇改革論(女系肯定論)」です。

 積極財政論を忌避する衝動が何処に由来しているのかいまだに不可解な面はありますが、万民の幸福原理と背反する現今の超格差経済への潮流を止め、日本経済復活の突破口となる可能性を持つ積極財政論のアプローチが、小野盛司氏が展開しているシリーズですので、是非通読して欲しいと思います。

 また、沖縄観光速報社編集長の渡久地明(とぐち あきら)さんの『渡久地明の時事解説』というブログでも、小野会長論文を高く取り上げていますし、渡久地明さんの時事解説も非常に参考になることが書かれていますので是非ご覧になってください。
                         (神州の泉・管理人 高橋博彦)



◎日本経済復活の会・会長 小野盛司氏の積極財政シリーズ

 1.「政府による経済予測の偽装」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/12/post_cc2c.html

 2.「財政は破綻するのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_1503.html

 3.「デフレ化で行う増税や歳出削減が、いかに馬鹿げているか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_7a8c.html

 4.「日本を貧乏にする政策にNOと言おう」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_b4ba.html

 5.「お金がなければ刷りなさい」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_e112.html

 6.「景気対策をすればどうなるのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_d774.html

 7.「アメリカは16兆円を刷って減税という景気対策を実施」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_11ff.html

 8.「内閣府の試算による積極財政で財政が健全化することが明らかに」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_1fe1.html

 9.「株価急落に対する政府の無策を追求しよう」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_b753.html

10.「ガソリンのザン低税率の存廃を争っているときか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_52ae.html

11.「景気対策をやった方がよいのではないかと内閣府に電話して聞いてみました」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_2f09.html

12.「バブル潰しは、あれでよかったのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_00ff.html

13.「ダボス会議でIMF専務理事が景気対策を呼びかける」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/imf_bdc8.html

14.「円の信用とは何か」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_f6d6.html

15.「道路はもういらないのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/01/post_5c35.html

16.「国の財政と家計とは比較できない」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_66f4.html

17.「経済成長に必要な成長通貨」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_5531.html

18.「イタリアに学ぶ真の財政健全化策」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_db5d.html

19.「日本における言論統制の実情」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_7858.html

20.「人口減少でGDPが伸びなくなるという嘘」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_916b.html

21.「可処分所得と消費」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_77c9.html

22.「昭和恐慌に学ぶデフレ脱却法」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_29b9.html

23.「デフレが人を不安にした」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_4ddc.html

24.「年金問題の正しい考え方」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_f915.html

25.「実質成長率さえよければ、名目成長率が低くても良いという嘘」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_2c08.html

26.「国の借金を返した5つの例」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_f975.html

27.「政府貨幣発行について」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_c2e9.html

28.「過去の景気対策がなぜ効かなかったか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_6b57.html

29.「ここまで来た 日本の地盤沈下」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_9c0e.html

30.「なぜ財政赤字なのにインフレにならないか、国債は暴落しないのか」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_7d58.html

31.「(続)政府による経済予測計算の偽装」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_25ea.html

32.「アメリカが圧力をかけて日本に景気対策をさせないようにしているのか?」
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/02/post_2c7a.html

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アメリカが圧力をかけて日本に景気対策をさせないようにしているのか?(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十二弾です)
  http://tek.jp/p/

 アメリカが圧力をかけて日本に景気対策をさせないようにしているのではないかという疑問が、読者からメールで筆者に寄せられたので、そうではないということを書くことにします。

 計量経済学を知っている人ならよく知っていることなのですが、もし景気対策をした、つまりお金を刷って(返さなくて良いお金です)国が国民のために使えば、国民は金持ちになるわけで、国民はお金を使うようになります。そうすれば、国産のものだけでなく、アメリカからの輸入品も多く買うようになるので、対米貿易不均衡の是正に役立ちます。これがよく知られているアメリカの対日要求である「内需拡大」の意味です。アメリカにとって、日本国民が貧乏になることに何のメリットもなく、逆に刷ったお金で日本国民を金持ちにして欲しいわけです。この要求に応えて1986年に前川レポートが出されました。内需拡大の約束です。

 アメリカからだけではないですね。IMF専務理事などからも日本は景気を刺激せよとの要求は再三出ています。刷った金で財政出動をして、日本国民にお金をプレゼントするなら、確実に内需拡大で対日要求に応えられたのは間違いありません。実際、経済モデルで計算しても、そういった予測になります。しかし、実際に政府が行ったのは刷ったお金を貸してやろうという話でした。銀行を通じ「金を貸すから、投資に使いなさい」と、国民に刷ったお金を融資しようとした。企業としては、国民がそれほどお金を持っていないから、工場をどんどんつくっても、そんなに売れるわけないからということで、そのお金は株とか土地とかに投資するしかなかった。借りた金でアメリカ製品を買うなんてできないですよね。

 結果はバブル発生で、貿易黒字の解消はできなかった。なぜ、お金を国民にプレゼントするのでなく、貸し付けだったのかと言えば、刷った金(国債)は、いつかは返さなければいけないものだという政府の勘違いでしょう。これはそういった種類のものではない。どこの国もそんなことはしていない。経済成長を続ければ、国の借金はどんなに増えても、GDPも増えるから、借金のGDP比は変わらないということで、国の借金は際限なく増やすのであり、返すのではない。日本人は借金とはいつかは返すものだと思っていて、国の借金は全く別の種類のものだということをどうしても理解しない。この考えを変えないと世界経済の中で日本は孤立してしまいどんどん貧乏になってしまう。

 アメリカの財務長官も再三にわたり、日本に景気刺激をせよと要求しています。私は、その意味を確認するために2003年に当時のアメリカ財務長官のスノー氏で手紙を書き、積極財政で日本経済を刺激すると、日本が大躍進をし、財政も健全化するという日経新聞の試算結果も添えて送りました。すぐに「あなたの考えに賛成する」という内容の返事が代理の人から来ました。私は、アメリカ財務省に電話し直接話しをしたいと申し入れ、アポイントを取ってワシントンに行き財務省の方に詳しく説明し、アメリカ財務省も全く私の考えと同じだと確認しました。詳しくは日本経済復活の会のホームページ(http://tek.jp/p/)の中の「活動」を見て頂きたい。

 私の考えでは、積極財政をさせないようにしたのは小泉さんだと思います。彼は自らを「浅学非才」と言い、自分は経済は全く分からないと言いながら、緊縮財政を強行しました。ブッシュ大統領に対し、「自分の経済政策を支持してくれたら、イラクに自衛隊を派遣する」という交換条件を提示したに違いありませんし、そのような要求であれば、ブッシュ氏も受け入れざるを得なかったのでしょう。

 2003年当時、国会議員の大半は景気対策に前向きだった。2003年の総裁選には小泉純一郎、藤井孝男、亀井静香、高村正彦の4氏が争ったが、小泉氏以外は積極財政を唱えていた。高村氏は総裁選立候補の直前に経済政策に関して教えて欲しいと連絡してきて、筆者は「積極財政が財政を健全化する」ということを説明し、高村氏はそのことを総裁選の討論会で説明しておられた。小泉氏は、国会議員の中での支持は少なかったのだが、マスコミをあやつる術は抜群にうまかったから当選できた。彼はマスコミを使って、世論を自由に動かしたし、積極財政を唱える人(植草一秀、森田実、リチャード・クー、紺谷典子、亀井静香、平沼赳夫、小林興起等)を徹底して弾圧した。

 森田実氏のホームページにも、「小泉批判をしないならテレビに出してやる」と言われたから出演を断ったと書いてある。植草一秀氏も逮捕前のテレビ出演でも小泉経済政策を批判できないようにテレビ局が仕組んでいると言っていた。2度の事件で逮捕されたが、2回とも、でっち上げだ。筆者はあの事件に関する取材を何度も受けたが、記者達は事件がでっち上げだと明らかに知っている。それなのにでっち上げだとは絶対に書けないようになっている。言論統制は完璧だ。竹村健一氏とも会って話したが、積極財政で日本経済が大躍進するという日経新聞社の試算結果をテレビで言ったら大変なことになると言っていた。しかし、「日本はここまで貧乏になった」という本を送ったら、報道2001で何度も引用してくれた。

 この種の話をし始めると際限なく続くし、筆者も身の危険を感じる。先日も税務調査と称して、身辺調査が来た。脱税などあるわけなく、一円も払わされることはなかったのだが、個人情報を徹底調査された。個人の通帳とか、日本経済復活の会のこととか、貸金庫の中身を見せろとか、過去に弁護士に相談した内容とか、税務調査にしては異例の質問が多かった。いつか私が自殺したとか、行方不明になったとしたら、これは口封じのためで、言論統制だと思って頂きたい。私は身の危険が及ぶとしても、いつまでも日本経済を復活させるために戦い続ける覚悟である。

 日本経済復活の会を立ち上げた2003年、世界を代表するノーベル経済学賞受賞者のサミュエルソン氏やクライン氏から激励の手紙が来た。2004年にはノーベル賞受賞者のスティグリッツ氏が我々のシンポジウムに来てくれることになっていたが、時間の都合がつかず、最終的にはクライン氏がシンポジウムに来てくれた。また現在のFRB議長のバーナンキ氏も日本にやって来て講演をしている。これらは全員アメリカ人だが、口をそろえて「刷ったお金を日本国民のために使いなさい」というアドバイスをしている。詳しくは日本経済復活の会のホームページを参照して頂きたい。

 これは日本のためだけではなく、アメリカ経済のためにも、世界経済のためにも大変メリットの大きい重要な政策なのである。(小野盛司)

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2008年2月23日 (土)

(続)政府による経済予測計算の偽装(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十一弾です)
  http://tek.jp/p/

 昨年の12月26日に『政府による経済予測計算の偽装』というタイトルで書いたのだが、この「偽装事件」に関し我々はまだ政府を追求中であり、本日(2月22日)政府より回答をいただいたので紹介する。その前に偽装事件の概要から始める。政府は、デフレは間もなく脱却できると言い続けている。デフレ脱却は、総合的な物価指数であるGDPデフレーターがプラスになったときに宣言できる。政府が昨日(2月22日)に滝実衆議院議員の質問主意書への答弁という形で「デフレから脱却したとまでは判断していない」との見解を示した。

Gdp31

 上図を見ていただきたい。各曲線に書かれた数字が発表年度だ。この曲線がプラスに来たらデフレ脱却ということになる。2002年から、毎年政府が言っているのは、デフレは直ぐに(1~2年で)脱却できるということ。今年でもう7回目だが、実際は未だデフレ脱却の目途は立っていない。はっきり言って毎年政府が言っていることは大本営発表だ。経済はすぐに良くなると国民を騙し続けている。このことを滝実議員が問いただしたところ「我が国の経済は問管轄道がその主体をなすものであること、国際環境の変化には予見しがたい要素が多いこと」が、予測が外れた理由だという。冗談ではない。国際環境と言えば、世界経済は最近30年間で最も良い状態にあったと言われているのに、その影響だと言うなら、予想以上の経済の伸びにならなければならないはずだ。そのことを再度質問したら、昨日(2月22日)政府より以下の返事が来たので紹介する。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
内閣衆質一六九第九一号
内閣総理大臣 福田康夫
衆議院議員滝実君提出

 衆議院議員滝実君提出内閣府の計量経済モデルが政治的に歪められている可能性に関する質問に対する答弁書

 衆議院議員滝実君提出内閣府の計量経済モデルが政治的に歪められている可能性に関する質問に対する答弁書(平成十九年十二月二十五日内閣衆質一六八第三三二号)においては、我が国の経済は民間活動がその主体をなすものであること、国際環境の変化には予見し難い要素が多いこと等にかんがみ、各年度の構造改革と経済財政の中期展望や日本経済の進路と戦略(以下「中期方針」という。) の参考試算において示される経済の展望は、相当の幅を持って解釈すべきものである旨を答弁したところであり、御指摘のように「世界の経済状態が予想より悪すぎたために下方修正を六年も連続して繰り返した」との旨を答弁したものではない。なお、各年度の参考試算の作成に当たっては、従来より、中期方針における政策運営等の考え方を前提に、それぞれの時点で入手可能な情報を基に、慎重に分析、検討を行い、的確な経済の展望を示すよう努めているところである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 お分かりだと思うが、偽装を隠そうとして支離滅裂になっている。「世界の経済状態が予想より悪すぎたために下方修正を六年も連続して繰り返した」のではないと言いながら、直ぐにデフレから脱却できると言ったのは「国際環境の変化には予見し難い要素が多い」からだと言っている。そんな馬鹿な!!では、どのように国際環境の変化を読み違えたと言いたいのだろうか。もしも世界の経済状態が予想より良すぎたというなら、当然、逆に上方修正だったはずで、なぜ下方修正になったのかの説明にはならない。外需頼みで、デフレスパイラルをかろうじて免れてきた日本経済だが、これからは外需の伸びがどれだけ期待できるか分からない。政府は大本営発表は止め、正直に「現状の緊縮財政を続けていたら、今後経済は良くなる見通しはありません」と宣言すべきときに来ている。

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2008年2月22日 (金)

イージス艦と漁船衝突に垣間見える日本溶解

 19日午前4時7分ごろ、千葉県房総半島野島崎南42キロ沖の太平洋上で、海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故があった。連日このニュースが続いているが、真っ二つに破断した「清徳丸」に乗っていた父子の消息がまだわからないのは、この知らせに暗澹たる追い討ちをかけている。親族や漁協仲間の思いはいかばかりだろうか。

 さて、衝突の悲劇から一転目を逸らして、この事件が持つ深刻な背景を考察すると、日本という国家が崩壊寸前まで来てしまったことを悟る。今の日本は防衛省に限らず、社会保険庁、外務省、財務省等、国家の枠組みを構成する重要な組織が軒並み制度疲労を起こし、官吏たちの綱紀の緩みが進んだ感じがある。今回のイージス艦の衝突事件は起こってはならない類のことである。最新鋭の索敵システムと迎撃装備を持つ巨大護衛艦が一般民間漁船に気が付かずにいたことを重大視する人は多い。基本的にイージス艦というのは、洋上や対空監視で接近する物体を捕捉して、瞬時に不明物体の進路や国籍、敵性かどうかを判断する装備に最も優れた船であるというのが、おおよその思いではないだろうか。わずか七トンの小型船であっても、強力な爆薬を積んでテロ目的で接近していた場合、イージス艦「あたご」は深刻なダメージを受けていただろう。

 この事態を軍用艦と民間船の不幸な衝突事故という位相で見過ごしていいのだろうか。イージス艦本体と装備一式で1800億円(?)もかかっている最新鋭の護衛艦が、たとえ民間の漁船であろうとも不用意に接近を許していいわけはない。これが大東亜戦争時の海軍船であったなら艦長は間違いなく切腹ものだろう。軍事技術的に国防の最先端を任じる護衛船が民間船と接近、衝突を起こしたという事実は致命的だ。もし、海上自衛隊員に武人の魂があるなら、これほど恥ずかしい事件はないだろうと思う。一般の民間人が素直に感じているように、国土と国民を守る責務がある護衛艦が、武装も何も持たない七トンの小型漁船を破壊し、漁船員二名を真冬の漆黒の海に投擲したという事実は衝撃的である。

 今までのニュースを観ていると、「あたご」の方に回避義務があったということが確定的になってきているし、防衛省側の情報が二転三転していることも事態を悪い方向に進めているようだ。石破大臣が就任してから防衛省関係の失態が続いている。昨年12月、停泊中の護衛艦「しらね」の火災、 イージス艦中枢情報の漏洩事件があり、その前は守屋氏の証人喚問とか、省の不祥事が続出している。

 目前のできごとを性急な結論に導く前に、自衛隊員のみならず、国民全体の国家意識がそうとうに危うくなってきていることを指摘することは重要だと思う。戦後63年経っても、自衛隊の身分はいまだに確立されていない。これは日本人全体に国家観の溶解が進んだという現象として見る以外にない。GHQは日本民族の精神改変に臨み、江藤淳氏の言った「閉ざされた言語空間」の中で、マスコミを使って執拗に日本人に東京裁判史観を植えつけた。WGIP(War Guilt Infomation Program)である。先の大戦贖罪史観によって、日本人は徐々に正統な国家観と国防意識を忘れていった。その結果、国民は自衛隊に国防を期待する意識がほとんどなく、わずかにあるのは、何か突発的に有事が起きたら庶民に迷惑を掛けないように防衛してくれという程度である。自衛隊に万全な防衛力を求めない国民意識の基底には、おそらく安保によって駐留米軍が日本を守ってくれるだろうというはかない期待がかけられている。日本人は60年という歳月の中で、共同体的バンドリングを喪失し、同時に国家意識を消失させてしまったのだ。

 戦後民主主義教育の中で、人権と個人的自由のみが唯一の価値のように叫ばれ、GHQが基礎を作った東京裁判史観が国民を囲繞した。日本人は軍国主義という錯誤的言葉によって正統な国防観念をすっかり失ってしまった。そういう国家溶解的潮流の中で、中曽根政権が新自由主義経済を日本に持ち込み、そのネオリベ経済はイデオロギー的にも、戦後民主主義の反国家思潮と共振作用を起こした。そして、小泉政権に至っては完全に新自由主義を導入し、政権自らが国民の代弁者ではなく、アメリカ隷従への道を選択してしまった。こういう流れの中で、自衛隊や官吏の綱紀の緩みは国民全体の国家意識の溶解と呼応しているのだ。日本人は植えつけられた戦争への贖罪感から、共同体や国家という観念を、まるで忌避すべき悪魔のキーワードのように意識から除外してしまったのだ。戦後日本人の意識を強く拘束したのは軍部が戦争を主導し、一般国民がそれに扇動されてしまったという悪質な階級闘争史観であった。この階級闘争史観によって日本人は真の敵を見失い、同じ自国民の軍部に戦争責任をなすりつけ、アメリカの侵略主義を思考の枠外に押しやった。その結果、いろいろな意味で祖国を守り抜くという重要な感性が完全に鈍磨してしまったと見るべきである。

 国家意識の決如は軍事だけではない。食糧安保の考え方が出てこないところもそうである。中国の毒入り餃子の件が起きる前から、有害な高濃度農薬入りの野菜が問題になっていたが、与党政権は食糧自給についてまったく思考停止的であったし、今もそうだ。BSE疑惑の解けないアメリカ産牛肉も言われるがままに輸入している。食料の過剰な海外依存も国防観念溶解の証左だ。木材の外材輸入もそのひとつだ。世界の環境問題も視野において可能な限り国内需要に切り替え、計画的に林野行政を行なうべきだった。食料に関して言うなら、もし、中国やアメリカが戦略物資としての食料輸出を止めた場合、日本はいきなり飢餓国家となる。こうなった時、日本人が生きていくには卑屈な隷従以外に道はない。

 防衛省や社会保険庁の堕落を咎めることは必要だろう。しかし、大きく眺めれば日本人全体に国防観念を醸成することが重要ではないだろうか。低落した今の日本人でも、家族は大事である。家族を守ろうとする意識が時代を超えて普遍だとしたら、我々一人ひとりが帰属する国家が重要であることは当然の論理的帰結になる。日本人が国家を悪いものとしたら、帰属する空間が確保できなくなる。国家防衛を捨てて他国の蹂躙に任せたら、家族も守れなくなるのだ。この単純な事実を認めることが先決だと思う。

 最後に有名な「ハインリッヒの法則」というものがあって、ここには「1:29:300」という対比的数字が存在する。数字の意味は、重大な災害を1とすると、軽度の事故が29、そして事故寸前の軽微な危うさが300あるというもので、これは1件の重大災害が発生する背景には、29件の軽度な事故と300件のはっとしたできごとがあるという。これが事実だとすれば今回のイージス艦の事故は果たして最重要な「一件」の事故だろうか。もしかしたらこれは「29件」に該当しているのかもしれない。300件にかんして言えば、表には出ないところですでに発生していたと考える方がいいだろう。もしかしたら自衛艦の今回の件は、これからハインリッヒの法則で言う最大級の事故、事件が起きる予兆として捉えた方がいいかもしれない。

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2008年2月21日 (木)

なぜ財政赤字なのにインフレにならないか、国債は暴落しないのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十弾です)
  http://tek.jp/p/

 通常、財政赤字が膨らむということは、かなりのお金が実態経済に流れ込むというだからインフレになる。しかし、日本はデフレが続いている。その理由は簡単だ。財政赤字で出て行ったお金を、国が国債発行という形で回収しているから、インフレにならないだけだ。NTT、郵政など次々民営化するが、そのとき政府保有の株式を売り出せば、株と入れ替わりにお金が国民から吸い上げられ、デフレを悪化させるという事が見過ごされている。これは民営化の是非とは別次元の問題だ。

 もちろん、国債を買った個人や金融機関等が一斉に売り出せば話は別だ。しかし、そうならないように、財務省は目を光らせている。例えば、郵政を民営化したわけだが、もし郵政公社が持っている国債266兆円を売り出したら、国債は暴落し財政は破綻する。このことは菊池英博著『実感なき景気回復に潜む金融恐慌の罠』(ダイヤモンド社)に詳しく書いてある。財務省に、このことについて質問をしたら、次のような返事が来た。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 郵政民営化関連法では、(1)旧勘定については、国債等の安全資産により運用すること、(2)移行期における保有国債等の安全資産額の見通しを公表すること、といった見通しが盛り込まれています。

 これにより、現在大量の国債を保有している郵政公社の民営化に伴い、国債市場に不足の事態が起こることのないよう、市場関係者の予測可能性等に十分配慮した制度設計を行っています。
 また、国債保有者層の多様化を図る観点から、平成15年3月より個人向け国債の発行も開始し、家計の国債保有の促進にも努めております。
 更には、国債に係る海外説明会(海外IR)を実施し、海外部門による国債の保有を促進しています。
 財務省では、郵政公社民営化後も国債が確実かつ円滑に発行されるよう、努めているところです。

今後とも財務行政にご理解とご協力をお願いいたします。
財務省大臣官房文書課行政相談官 曽根 陽一郎
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 要するに国債を売らせないということだろう。何年か前、みずほFGの前田社長と竹中大臣とのやり取りが新聞にあったのを思い出す。竹中大臣が不良債権処理が目標に達していないことを問いただすと、前田社長はデフレ脱却ができていることが、その目標の前提になっていましたと反論した。そのとき大臣は激怒し、お前の会社などいつでも潰せるのだという意味の発言をし、みずほの社長は真っ青になったと書いてあった。財務省に逆らって国債を売るなど、今の金融機関にとっては絶対にできないことなのだろう。

 財務省は国債市場の安定化のために国債市場特別参加者制度というものを導入している。この制度に参加すれば、一定の規模の入札をしなければならなくなる代わりに、一定の優遇措置が受けられることになる。つまり確実に設けさせてやるから、絶対に国債を買い続けろと金融機関に命令している。マスコミは怖くて追求できないのだが、実はこういった制度により道路財源の無駄遣いの1万倍以上の膨大な無駄遣いが日常的に行われていることに注目していただきたい。この制度はイギリスの制度を真似たと言われている。しかし、本当に真似るならイギリスやアメリカが多額の国債を抱えていて日本の現状に似ていた頃の制度を取り入れるべきである。国が大量に国債を発行した際には、国債の暴落を防ぐために中央銀行が国債価格支持政策(Pegging Operation)を採用した例がある。

 例えば、アメリカにおいては、政府が低利の資金調達を継続して行うため、FRBに低金利誘導を要請、これを受けてFRBは1942年より国債価格支持政策を採用している。これにより短期国債は0.375%、長期国債は2.5%で買い支えるようにしており、1951年までこの政策は実施された。1940年代の後半から1960年代のイギリスでも中央銀行による国債を買い支える超低金利政策が取られている。

 要するに、他国の例にならって、日銀が国債を買い支えればよいだけだ。そうすれば、それと引き替えにお金が出ていき、デフレ脱却が可能となるし、財政政策にも余裕がでてくる。そのお金は個人にも企業にも行くし、株価も上げ、年金積立金を運用で増やし、国債の暴落も防ぐことができる。もしインフレが行き過ぎたときは、増税をすれば一気に国の借金を返すことができる。増税をしなくても、インフレで給料が上がれば、国民の多くが「高所得者」になり、累進課税になっているから、税収の大幅アップは間違いない。地価の値上がりで固定資産税も上がる。国民は給料の上昇で可処分所得が上がり、購買力が増すし、国全体にお金が回るから、経済は活性化し成長は加速される。経済成長が加速するなら当然、円の信用は増す。

 もし日銀が国債を買わないということであれば、民間の金融機関が買うことになり、膨大なお金を利払い(国債の配当)として受け取ることになる。その額は、今年1月に政府が発表した「進路と戦略」では、現在20兆円の国債費?(そのうち利払いが10兆円程度)が2011年には24.1兆円にもなるとの見通しだ。今後景気が良くなってくれば、金利がどんどん上がってくる。例えば800兆円の借金で、金利が5%になれば利払いは40兆円となり、我々の納める税金の大半は、一部の金融機関に利払いとして流れることになる。これを税金の無駄遣いと言わずに何と言えばよいのか。

 今、国債市場特別参加者制度に参加しているのはアール・ビー・エス証券会社、エービーエヌ・アムロ証券会社、岡三証券(株)、カリヨン証券会社、クレディ・スイス証券(株)、ゴールドマン・サックス証券(株)、JPモルガン証券(株)、新光証券(株)、大和証券エスエムビーシー(株)、ドイツ証券(株)、東海東京証券(株)、日興シティグループ証券(株)、野村證券(株)、バークレイズ・キャピタル証券(株)、ビー・エヌ・ピー・パリバ証券会社、みずほインベスターズ証券(株)、(株)みずほ銀行、(株)みずほコ-ポレート銀行、みずほ証券(株)、(株)三井住友銀行、(株)三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ証券(株)、メリルリンチ日本証券(株)、モルガン・スタンレー証券(株)、UBS証券会社、リーマン・ブラザーズ証券(株)の26社だ。外資系も多い。

 こういった金融機関に莫大な利払いを、我々の税金から払い続けなければならないのか。確実に儲けさせると国が約束するから国債を買い続けろと、国が言うことに憤りを感じないか。このような制度が、日本経済をデフレに追い込み、急激に没落させている。なぜ改革をして、日本経済を復活させようと考えないのか。道路財源の使い道を追求するのもよいが、この問題はそれより少なくとも1万倍も大きな税金の無駄遣いなのだ。マスコミよ、恐れずこの問題を扱ったらどうだ。(小野盛司)

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2008年2月19日 (火)

ここまで来た 日本の地盤沈下(小野盛司)

 (※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十九弾です)
  http://tek.jp/p/

 「週刊エコノミスト」2月26日号に『ここまで来た 日本の地盤沈下』という記事が大々的に載っている。昨年の10月26日に日本経済復活の会が『日本はここまで貧乏になった』という意見広告を朝日新聞の朝刊1頁を使って出したのが引き金となり、これに類した記事が次々出されるようになり、「週刊エコノミスト」のこの記事も、その一つだと思う。

 「週刊エコノミスト」の記事には、地盤沈下を示すたくさんのデータが書いてある。

①一人当たりの名目GDPは1993年には2位だった日本だが、2006年には18位に下がった。

②購買力平価でも日本は順位を落としていて、2005年には16位まで下がった。

③株価の騰落率で言えば1996年~2007年の平均でも2007年の年間でも世界52カ国中下から2番目の51位だった。

④1989年末に株式時価総額で実に14もの日本企業が世界20位までに入っていたが2007年末にはたった1社が入っているだけだ。

⑤世界主要市場の時価総額の株式時価のシェアは90年の32.9%から7.3%に落ちた。

⑥港湾のコンテナ取り扱いランキングも1980年には神戸が世界4位だったが、2006年には39位に低下し、日本で最高は東京の23位。

⑦国際競争力ランキングは1996年には日本は4位だったが、2007年には24位に下がったとある。エコノミストには書いてないが、1989年から1993年の間は日本は世界一だったのだ。下のグラフを見て頂きたい。

Photo_2

 日本人は、日本の名目GDPは非常に長い間、ほとんど変わっていないと思っている。しかし下のグラフを見て頂きたい。EUのユーロに換算して日本の名目GDPを見ると実は大きく減少しているのだ。BRICsだけでなくEUの台頭も、日本経済の没落と関係しているのは明らかだ。

Photo_3

 実質GDPの伸びが大きければ名目GDPなどどうでもよいなどと言っているときではないことは明らかだろう。実質GDPの伸びとは何だろう。デフレーターが下がれば下がるほど、実質GDPは伸びるようになっている。例えば、パソコンの性能が昨年より向上したが、同じ値段で売られているとしよう。一年前にはその性能だと20%値段が高かったとすると、実質20%値段が下がったことになる。デフレーターの下落だ。しかし、買った本人は同じ値段なので、同じパソコンを買っただけと思っているかも知れない。

 計算上では、それを買った人は実質20%高い物を買ったことになる。実質、それだけ金持ちになったとし、GDPは拡大したとみなす。計算上では確かにそうなるかもしれないが、その人は性能が上がったことに何のメリットも感じないかもしれない。ハードディスクの容量が100GBから120GBになっても全く関係ないかもしれないし、機能が増えた分、逆にどこに自分が使いたい機能があるのか探すのに大変で、機能が増えることはありがた迷惑かもしれない。そんな理由で実質GDPを上げるのはおかしいかもしれない。デフレーターを下げれば下げるほど、実質GDPが上がるから、政府はどんどんデフレーターを下げて、その反動で、実質GDPを上げ、『経済成長』を誇示しているだけかもしれない。

 実際、平成15年の実質GDPの伸びは3.2%と政府は発表して平成16年の参議院選を戦い、選挙が終わったとたん、デフレーターの値を修正し、平成15年の実質GDPの伸びは、実は2.0%でしたと、大幅下方修正した。選挙の前後で、これだけ大幅な実質GDPの値の修正をするということは、なんだか怪しいと思いませんか。(小野盛司)

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2008年2月17日 (日)

過去の景気対策がなぜ効かなかったか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十八弾です)
  http://tek.jp/p/

 過去に何回も景気対策を行ったが、借金が増えただけで景気は良くならなかったという人がいる。これは全くの嘘である。過去の景気対策の一覧が下の表である。

  過去に行われた景気対策   参議院予算委員会調査室(2004)
平成16年度 財政関係資料集 国立印刷局

Photo_5  

 資産デフレで資産価値が千数百兆円も失われたのに、政府は僅か140兆円足らずしか景気対策を行わなかった。このような小規模の経済対策でも、GDP押し上げ効果を単純に加えてみると19.5%になる。何もやらないよりはるかに良かった。適切な規模で、適切な時間だけ景気対策をやらなければ、また逆戻りをしてしまうわけであり、あたかも効果が無かったように思えてしまうのである。しかし、一人当たりの名目GDPに関連して説明した通り、積極財政を行った小渕内閣のときは、世界の中で順位を上げたし、緊縮財政を行った橋本内閣や小泉内閣では、順位を大きく下げている。景気対策はしっかり効いているのである。

 下図の日経新聞社のNEEDS日本経済モデルでも、小規模な景気対策では国の債務のGDP比は下がらないが、ある程度以上の規模なら下がると予想している。

Photo_4

 ほとんどの人がデフレの怖さを知らない。デフレは世界で最も豊かな国の一つだった日本を、少しずつ貧乏な国へと引きずり下ろしていく。それには終わりはなく、果てしなく貧乏になっていく。ある国会議員(総裁選に立候補した人)に「1年間だけ50兆円景気対策したら、その後の経済はどうなるのか計算してくれ」と頼まれた。

 50兆円という途方もない額だから、それでしっかりデフレ脱却して順風満帆だろうと皆さん思う。しかし、景気対策はしっかり効果があるのだが、景気対策を打ち切った後、経済は再びデフレに陥る。計量経済学ははっきりとその危険を予測する。

 実際そのようなことが世界大恐慌の後、アメリカにあった。1929年に世界大恐慌になったのだが、それに対抗して短期金利をセロ%近辺にまで誘導し、超過準備を大幅に積み上げ、日銀の量的緩和政策と同じような金利緩和策を実施した。その後1934年から1937年にかけての平均の消費者物価指数は2.7%にまで上昇したから、デフレ脱却に思えたのだろう。しかしこれが甘かった。

 金融政策を「平常」に戻すとして、1936年と1937年に預金準備率を引き上げ国債の売りオペを行った。これが半年から1年遅れで株価や生産に悪影響を及ぼし始めアメリカ経済は再びデフレスパイラルの危機に陥った。1938年、1939年には消費者物価は再びマイナス1.7%の下落となった。

 4年間の平均の消費者物価指数が2.7%でも、デフレ脱却とみなし金融政策を「平常」に移すのは速すぎたということだ。日本はGDPデフレーターがマイナスが続いていて明らかにデフレが続いているのにもかかわらず金融政策を「平常」に戻そうとしている。デフレの怖さを知らない愚かな連中としか言いようがない。2000年8月にゼロ金利が解除されたが、失敗と分かり2001年3月逆戻りとなった。懲りもせず2006年7月には再び、金利引き上げの暴挙を行っている。

 2月14日に内閣府で発表された10~12月期の実質GDPの伸びは年率換算で3.7%だという数字で、結構日本経済は良い状態だと思った人がいるかも知れない。一方で名目GDPの伸びは年率1.2%と発表された。名目から実質を引いたものがGDPデフレーターだから、この数字をそのまま使えば1.2-3.7=―2.5%となり、大変な物価下落、つまりデフレであることになる。つまり、3.7%という数字に騙されて、日本経済が良好な状態にあると信じてしまうべきでないといいたいのだ。

 適切な規模の景気対策により、経済は見違えるように活性化し、失業者も自殺者も激減し、未来に希望が持てる豊かな国に生まれ変わる。借金ではなく、新しく作り出されたお金を使って景気対策をすればよいのだ。デフレとはお金が消えていく病気だから、それを治療するには、お金を作り出して補給するしかない。栄養が不足して栄養失調になったら、栄養を補給して治すのと同じだ。(小野盛司)

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2008年2月16日 (土)

第49回 日本経済復活の会 開催のお知らせ (2月26日、火曜日)

 日本経済復活の会 小野盛司会長から「定例会開催」のお知らせです。

● 日時 平成20年2月26日(火)午後6:00時~午後9:00時

● 場所 東京都千代田区九段北4-2-25 アルカディア市ヶ谷(私学会館) 
                   TEL 03-3261-9921
● 会費 3500円(資料代や食事・飲み物の費用を含みます)

 当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。メール(sono@tek.jp)でも結構です。弁当の注文や配布物の準備等ありますので、申し込みはできるだけ早めに行って下さるよう、ご協力お願いします。

◎講師 

①中村慶一郎 先生 政治評論家 国民新党顧問

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 1974年 読売新聞社を退社し、三木武夫首相(当時)の報道担当秘書及び政務秘書官を務める。その類希な経験に裏打ちされた政治評論は、他の追随を全く許さず、新聞・テレビ・ラジオでの歯に衣を着せない語り口は視聴者・読者を圧倒する。日本を代表するジャーナリストとして、政治・国際情勢についての評論・講演に多忙。歯切れのよい語り口は毎回各地で好評を博す。

②小野 盛司 日本経済復活の会会長
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  会の活動報告、
-日本経済復活への道-

 

(神州の泉・管理人より   どなたでもお気軽にご参加ください)

 

案内図
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2008年2月15日 (金)

政府貨幣発行について(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十七弾です)
  http://tek.jp/p/


 ここまでは通常の景気刺激策について述べた。日本のように国の借金がGDPを大きく超えるような場合、景気対策により国の借金は一定程度増えるが、GDPはもっと大きな率で増えるために借金のGDP比は減って財政は健全化するということを説明した。その説明が難しすぎて理解できない人のために、もっと分かりやすい方法として、政府が直接お金を刷る、つまり政府貨幣を発行するという案がある。これは丹羽春樹(1995)、榊原英資(2002)、スティグリッツ(2003)などが提案している。政府がお金を刷るのだから、借金を増やすこともなく、必要なだけ景気対策が可能となり、デフレ脱却は簡単にできる。ただし、政府が勝手に好きなだけお金を刷って使うと、度を超してインフレになる恐れがあるために、その歯止めを掛けるため次の法律がある。

●貨幣回収準備資金に関する法律施行令(平成十五年一月二十九日政令第十九号)
第二条  貨幣回収準備資金に関する法律第六条に規定する政令で定める額は、毎会計年度末における貨幣の流通額の百分の五に相当する金額、日本銀行の保管に係る貨幣の額面額に相当する金額及び資金に属する地金(政府において引き換え、又は回収した貨幣を含む。)の価額に相当する金額の合計額とする。

●貨幣回収準備資金に関する法律(平成十四年五月十日法律第四十二号)
第十二条  毎会計年度末における資金の額が第六条に規定する政令で定める額を超えるときは、その超える額に相当する金額を資金から当該年度の一般会計の歳入に繰り入れるものとする。

 つまり、国の歳入となるのは、貨幣流通残高の95%相当額のみということである。日銀券発行残高が70兆円しかなく、日銀券をすべて政府紙幣で置き換えたとしても、歳入の増加は限定的である。スティグリッツ(2003)は、この制度を変えるように提案している。例えば、政府が発行した1兆円貨幣が100枚、日銀に収めたらそれがそのまま国庫に入るというように制度を変えたとしよう。政府はそれを財源として国の借金を増やすことなく景気対策をすることができる。霞ヶ関埋蔵金を財源とする場合も、政府貨幣を財源とする場合も景気浮揚効果は全く同じだ。

 政府貨幣発行により日銀が破綻するという説を深尾光洋(2005)は唱える。この説によれば、景気が回復し、逆に景気過熱を防ぐために売りオペが必要になったとき、政府貨幣は売りオペに使えないために、金利を付した日銀売出手形を大量に発行する必要が生じ、その結果利払い負担のために日銀が「破綻」するとのこと。このように日銀を破綻させるシナリオを作ることは簡単にできるのだが、逆に破綻を防ぐシナリオも簡単にできる。その例を挙げてみよう。

①政府は政府貨幣発行により無尽蔵の財源を手に入れたのだから、その財源の一部で日銀を救済したらよいだけである。

②日銀が「独立採算制」でやりたいなら、深尾光洋(2005)の提案に従って、ETFを日銀が買っていけば、株は確実に上がり、いくらでも利益を出すことができ、簡単に穴埋めが可能である。日銀のバランスシートが改善することで、円の信用が上がって行くであろう。(※ ETF; Exchange Traded Fund 。証券取引所(Exchenge)で取引可能(Traded)な投資信託(Fund)。2001年登場)

 改革とは、国の国際的な地位を高め、国民生活を豊かにすることである。その意味で小泉内閣以降の構造改革は改革ではなく改悪であった。デフレとは、お金が足りなくて経済活動に重大な悪影響を及ぼしているということであり、その時に政府が行うべき事は、何らかの方法で国民にお金を渡すことである。国にお金がなければ刷った金でよい。政府貨幣発行でなくても、日銀が国債やETFや土地や、その他何でも良いから買えば、その引き替えにお金が出ていく。このお金は新しく作られたお金であり、日本経済を成長させるために必要な貴重なお金である。

 一人当たりの名目GDPが世界2位から18位に下がり、世界のGDPにおける日本の割合が半減し、世界競争力ランキングでも1位から24位に下がり、経済的理由の自殺者が数倍に跳ね上がった。大田大臣は日本経済をもはや一流でないとさえ言った。このままデフレを放置したら、悲惨である。韓国、台湾はもちろん、インドや中国さえも日本を抜き去り、世界の中で日本は貧乏な国に成り下がってしまう。我々の次の世代に貧乏を押しつけても良いのだろうか。

 日本経済を救う処方箋ははっきりしている。日本国民に経済活動を行うに十分なお金を渡し、デフレを脱却させることだ。それを行うのが改革だ。お金はどこにもない。国が何らかの形で作り出すしかない。管理通貨制度の下では、お金は国が自由につくることができる。国がお金をつくった例としては1931年から高橋是清蔵相が始めた日銀の国債引き受けであり、戦後にもその例がある。

 よく知られているように、戦争で日本の産業は壊滅的な被害を受けた。物は不足し餓死者が出る状況で、ハーパーインフレが起きた。この状況から脱するために、1946年国は復興金融金庫を設立させた。その目的は民需生産を行う企業への貸し付けであり、生産を増やしインフレを抑制することであった。1946年に28億円、1947年に424億円、1948年に703億円の日銀による国債の引き受けが行われ(お金を刷ったわけだ)、お金が民需生産の拡大に集中的に使われた。もし国がお金を刷ってばらまかなかったら、企業もお金が無かったので生産設備に投資できず、物不足のままの状態が続いただろうし、インフレは慢性的に続いていたに違いない。

 生産力がでてきた1949年にはドッジラインで、財政健全化政策に転換、インフレはピタリと止まり、その後の高度経済成長へと移って行ったわけである。現代は、生産力が落ちているわけではないから、過度のインフレはあり得ないし、適量のお金を何らかの形で国民に渡すことに成功すれば、日本経済は活性化し、再び日本は世界で最も豊かな国に戻ることができる。例えば1947年に424億円の日銀引き受けが行われたが、これはGNPの44%に相当する。今はこれほどの大規模な景気対策は全く必要がないし、これよりはるかに小さな規模の景気対策で日本経済は見違えるほど活性化する。それに計量経済学の進歩で、景気対策がどのような効果があるか手に取るように分かることが過去の景気対策と違うところである。

 インフレは国の借金の重みからも解放した。戦時中軍事費の拡大を国債の日銀引き受けに頼っていたために、巨額の借金が積み上がっていた。これをお金を持っていない国民から税金を取り立てて返していたら、産業は育たず、日本は貧乏なまま現在に至っていただろう。国債の所有者に与えた損害、また国債の信用の失墜というマイナス面を差し引いても、日本の奇跡的な経済復興は全国民にとってメリットは大きかったのではないか。現代も同様だ。このまま放置すれば、日本は確実に貧乏になる。しかしお金を刷って、そのお金が国民に渡れば、経済は見違えるほど活性化する。今、その決断の時期に来ている。周到な計量経済学を駆使した分析の上で行う政策転換であれば、その政策で犠牲になる人などいなくなるはずだ。地方経済も大赤字で大変だ。所有している施設なども売って、借金を返そうとしている。売れば、その引き替えにお金が国民から地方政府に吸い上げられ、デフレが悪化するのだということも理解しなければならない。このような形の地方財政の健全化は、デフレを悪化させ国を貧乏にするだけだ。

 政府貨幣にせよ、国債発行にせよ、大規模に財政出動を行うとハイパーインフレになり、それが止められなくなるという説を唱える人がいる。先進国でそのような問題を抱えている国はいないし、そのような問題は起こりえないのである。つまりマクロ計量モデルを使い、どの規模でどの程度のインフレ率になるかは事前に知ることができるのだから、それに従ってインフレが度を超さないような規模で財政出動をすればよいだけである。

 過去のハイパーインフレは戦争の後に起きている。戦費を国債でまかなっていて国の借金が累積し、しかも敗戦で生産力が落ち、物不足になったときに起きている。第一次世界大戦後のドイツのハイパーインフレはGNPの20倍と言われる賠償金を正貨(金貨)で払えと連合国側から言われたけど、賠償金はどうやっても払えない。絶望感の中、いわば自暴自棄になったのだろうか。連合国に抗議の意味だったのだろうか。中央銀行が政府の意向を無視して、お金を刷りまくり、ハイパーインフレになった。これは通常では考えられないことである。

 このインフレを鎮めたのは、1923年11月15日に発行されたレンテンマルクの出現だった。レンテンマルクは、土地など不動産を担保にした紙幣であり、「レンテン」とは、レンテの複数形で地代とか利子、あるいは年金という意味である。

 こうして、新しい発券銀行としてレンテン銀行が設けられ、レンテンマルクとライヒスマルクの交換レートは1レンテンマルク=1兆ライヒスマルクと決定された。レンテン銀行の通貨発行量は32億レンテンマルクに制限され、国債引受高も12億レンテンマルクに制限された。レンテンマルクは法定通貨ではなく不換紙幣であり、金との交換は出来なかった。しかしながらレンテンマルクの発行によりドイツのインフレは沈静化した。このインフレの収束は「レンテンマルクの奇跡」Wunder der Rentenmarkと呼ばれた。

  戦後の日本もハイパーインフレに見舞われた。第二次世界大戦で戦費をまかなうためお金を刷りまくっていた。しかも空襲で生産設備を破壊され、生産力が激減、物不足なのに復興のために政府は通貨を大量発行しハイパーインフレになった。

 現在の日本は、このようなハイパーインフレになる状況とはまるで違う。物があふれているから、少々需要が増大しても、簡単には物不足にならない。特定の商品が不足しても、外貨はたっぷりあるから、直ぐに外国から輸入できる。多くの人が気にしているのは、発行された大量の国債だ。景気が良くなってきたら、国債が売り出され、現金化され、そのお金が動き出すということ。しかし、国債の下落を防ぐには日銀が買えば良いだけだし、国債から何に乗り換えるかと言えば、国の内外の株や外国国債などが多いのではないか。土地投機にも向かうかもしれない。バブル崩壊に伴う土地の下落で、資産価値が1200兆円失われたのだから、失われた資産価値がある程度戻るかもしれないが、ハイパーインフレと考えるのは現実離れしている。(小野盛司)

丹羽春樹 「カネがなければ刷りなさい」、『諸君』1998年MAY 5

榊原英資 「政府紙幣の発行で過剰債務を一掃せよ」『中央公論』第117年代7号(2002年7月号)

スティグリッツ Joseph E. Stiglitz "Deflation, Globalization and The New Paradigm of Monetary Economics" 関税・外国為替等審議会外国為替等分科会 第4回最近の国際金融の動向に関する専門部会、2003年4月16日。
http://www.mof.go.jp/singikai/kanzegaita/giziroku/gaic150416.htm

深尾光洋 「財政破綻の克服へ向けて」 調査報告 2004-6 ISSN 1342-4173 2005年1月 社団法人 日本経済調査協議会
http://www.nikkeicho.or.jp/report/hamada.pdf

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2008年2月14日 (木)

国の借金を返した5つの例(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十六弾です)
  http://tek.jp/p/


 財務省の発表によれば、2007年度末で、日本の国と地方を合わせた長期債務残高は773兆円で、GDP比では148%となっている。このように一時期債務残高のGDP比が上昇したが、それを低めることができた5つの例について、具体的に何がGDP比を低めたのかを調べてみよう。データは米山秀隆(2003)とOECD(2007)から引用する。

①ナポレオン戦争後のイギリス

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 イギリスの対フランス戦争であったナポレオン戦争(1793~1815年)後、イギリスの政府債務は大きく累積し、政府債務比率(国債残高/国民所得)は210%(1818年)に達した。これを減らしたのは、産業革命による工業力の飛躍的向上がもたらした経済の発展であった。1891年までに債務比率が8割も減ったのだが、その要因が2つある。一つは国債残高が少し減ったこと。それよりもずっと大きい要因は国民所得が4倍にもなったことだ。

②第一次大戦後のドイツ

 ドイツは第一次大戦の敗戦によって、1921年のロンドン会議によって1320億マルクにものぼる多額の賠償金の支払いを課せられた。これは当時のドイツのGNPの20倍であったということで、債務/GNPは2000%ということになる。しかも債務も国債発行残高ではなく、外国からの借金というわけである。このような巨額の借金の返済に、増税ではとても無理で、通貨を乱発するしかなかった。結果としては価値ある物は外国に持ち去られ、物不足と金余りで、ハイパーインフレになった。1924年にはドイツが毎年支払う賠償金は現実的な額まで削減され、政府も強力な引き締めを行った結果、インフレはピタリと止まった。
 この例では、インフレにより名目の国民所得が増加し、政府債務は事実上消えてしまった。もちろん、インフレが収まった後、通貨の信用は回復したわけで、ハイパーインフレの続いていた短い期間のみが通貨の信用が失われただけである。

③第二次世界大戦後のアメリカ

 第二次世界大戦後の1945年、アメリカの政府債務比率(政府債務/GNP)は110%に増加していた。国債市場に混乱が起こらないようにするため、第二次世界大戦中の1942年に連銀と財務省が、国債の買い支えを行って金利が一定水準を上回らないような措置をとることで合意した。この結果国債の利回りは2.5%以内の水準で維持された。1965年には政府債務比率は36%にまで下がった。
 政府債務は3%増加したものの、名目GNPが3.2倍になったために、政府債務比率はここまで下げることができた。つまり名目GNPの増加率のほうが、債務の増加率よりはるかに大きかったために債務比率は大きく下がったというわけだ。

④第二次世界大戦後の日本

 戦後、1944年には政府債務比率(政府債務/GNP)は189%に達した。これは軍事費の調達を国債発行に頼ったからである。国債の日銀引き受けにより日銀券が大量に発行されただけでなく、戦争で生産設備を破壊され物不足になったためにハイパーインフレとなり、国の債務はほぼ帳消しになった。ただし、1949年にドッジラインを実施し、緊縮財政に移ってからインフレは一挙に収まり円の信用は回復した。

⑤イタリア

 1998年にはイタリアの債務のGDP比は132.6%であった。これは社会保障費の増大によるものであった。EU通貨統合という外圧により、財政再建の取組がなされた。その結果2007年には債務のGDP比は116.9%にまで減少している。この間、債務は24%増加しているが、名目GDPは41%増加し、債務以上に増加したため、結果として債務のGDP比は減少した。

 以上、5つすべての場合で共通して言えることは、債務のGDP比が100%を超えるような場合、債務を減らすには、GDP(GNP)を増やすしかないということだ。債務を減らしたことが主たる要因で債務のGDP(GNP)比が減った例はない。①のみが債務を僅かに減らしたことが債務比率の減少に貢献しているが、債務比率の減少への貢献度から言えば、GNPの増加のほうが約4倍大きい。それ以外の4つの場合はすべて政府債務は増えているが、それ以上に名目GDPが増えたために、結果として債務のGDP比が減っている。このことから結論されることは、日本は今は債務を減らすことを一旦棚上げし、景気対策をしてひたすら経済成長率を高めることに専念すべきだということだ。行き過ぎたインフレにする必要はなく、インフレ率の上限を若干高めに設定し、名目成長率を高める努力をすれば、実質成長率も高まり、暮らしも豊かになる。その際、国債市場に混乱が起こらないようにするため、1942年にアメリカで行われたように、国債の買い支えを行い、国債の下落を防ぐようにするとよい。円の信用は落ちることは考えられない。(小野盛司)

米山秀隆(2003) Economic Review 2003,7
OECD(2007) OECD Economic Outlook No.82 (2007)

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2008年2月13日 (水)

実質成長率さえよければ、名目成長率が低くても良いという嘘(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十五弾です)
  http://tek.jp/p/

 政府がいつも言うのは、名目成長率が低くても実質成長率は高いので、これでよいのだということ。実質成長率のほうが、実際の成長率を示しているのだからそうなのかと素人は騙されてしまう。すでに示したように、日本の名目成長率は他国に比べ圧倒的に低い。2007年の名目GDPの伸びは日本は僅か0.8%にすぎない。これはOECD30カ国の中で最低である。日本以外で低い方から5カ国を列挙するとスイス3.5%、デンマーク4%、フランス4.1%、オランダ4.5%、イタリア4.5%である。ワースト6の中でも圧倒的に日本だけが低いのが分かる。それでは、名目GDPでここまで世界から離されているままでよいのかというと、決してそうではない。次の図はもし、日本が景気対策を行って成長を加速したら実質成長率と名目成長率はどうなるかを日本経済新聞社のNEEDS日本経済モデルを使って予測したものである。

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            財政出動の規模

   
 ここに示したものは、1年目に財政出動の規模に応じてどの位経済が伸びるかを示した。実質成長率と名目成長率のそれぞれの伸びは、ほぼ等しいことが分かる。財政出動すれば、名目成長率を押し上げるのは、どの国でも共通なのだが、日本の場合それがそのまま実質成長率の増加になるということを意味している。どの国でもそうなるというわけではないのだが、日本には失業者が多いし、どうせ職を探しても見つからないと諦めている人(失望者という)も多く、また働いていてもパートなど不満足な形で取り敢えず働いている人も多い。つまり多くの労働資源が無駄になっている。またフル稼働していない生産設備も多い。財政出動によりこれらが有効活用されるために、実質成長率を押し上げるとことができるということである。

 これはどの国でもそうなるわけではない。すでに景気が良い国は、労働資源や生産設備の無駄がほとんどないから、財政出動をして、お金を市中に流すと、企業は人をもっと採用して生産を増やそうとする。ところが、余剰な労働資源も生産設備も無いときは、企業間の奪い合いになり、他より良い給料で引き抜こうとし、賃金が上がりそれが物価全体を押し上げる。つまり物価が上がった分だけ売り上げは伸びるから名目GDPは増加しているのだが、物価の値上がりを引くと実質生産量は増えていないということになるから実質GDPは増えない。つまり、日本のようにお金が足りなくて労働資源も生産設備も余剰が大きい国では、財政出動の効果は絶大で、実質GDPを大きく伸ばし、一気に経済が拡大するが、すでにインフレ気味の国で景気刺激をしても、もともと労働資源などに余剰が無い場合はインフレを加速するだけで、実質GDPは増えず、何のメリットもないのである。むしろ物価の行き過ぎた値上がりは、商売や暮らしにとって害になる。だからこそ財政規律を守れということが叫ばれるのだ。

 それでは、名目GDPが伸びない日本が、なぜ実質GDPが伸びているのだろう。それは、日本輸出企業の優秀さにある。トヨタやキャノンのように圧倒的なブランド力のある日本企業が輸出で大きく伸びている。しかし、政府が日本人にお金を渡さない政策を取っているから、内需を相手とする企業は苦戦を強いられている。例えば日本自動車販売協会連合会が2007年3月2日に発表した2006年度の国内新車販売台数(軽自動車を除く)は、前年度比8.3%減の358万7,930台と29年ぶりの低水準だったとのこと。トヨタはGMを抜いて自動車販売台数で世界一位になりそうな勢いであり海外では絶好調だが、国内販売では全く奮わない。これを見ても、日本以外の国では、十分お金が渡されていて、購買力が増しつつあるが、日本人にお金が渡されていないから買えない実態が良く分かる。

 つまり、日本では政府が国民に経済活動を支障なく行うに十分なお金を渡していないから、デフレになっているし、相当部分の労働資源も生産設備も無駄になっていて、それは日本経済にとって大変なハンディーになっているのである。このような経済政策の失敗によるハンディーがありながら、一部の輸出企業だけで、ここまで日本経済が持ちこたえているというのは、日本企業の優秀さの表れである。もしも、政策の大転換が実現し、十分なお金が国民に渡り、無駄になっている労働資源や生産設備が有効活用され、内需を対象とした企業までが活況を呈すようになれば、実質成長率は現在のものより遙かに高くなる、つまり日本は遙かに豊かになるということを日本経済新聞社のシミュレーションが明確に示している。実際、日経のモデル以外でも、内閣府のモデルやその他のモデルでも同様な結果となっている。デフレという、途方もないハンディーを抱えたまま、放置すべきではない。(小野盛司)

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2008年2月11日 (月)

年金問題の正しい考え方(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十四弾です)
  http://tek.jp/p/

 年金とは本来人々に老後の安心を与えるものだったし、過去において確かに安心を与えていた。少子高齢化が進んだとしても、生産性の向上の速度はそれよりもはるかに速い。つまり過去より現在、現在より未来のほうが、より安心できる社会になりつつあるのが現実だ。それなのに、政治家やマスコミが誤ったメッセージを国民に送っているために、社会に不安を与えていることは嘆かわしい現実である。

 現在たくさん年金を集めてそれを蓄えておけば将来安心だろうという考え方は、全く間違えている。確かに、個々の家計では、今蓄えていれば、将来それを使えばよいので安心である。しかし、国全体となるとそれは違う。デフレの時代、どんどん集めると、それは増税と同じく市中からお金を吸い上げることとなり、デフレを悪化させ経済を縮小させてしまう。実際、世界のGDPに占める日本の割合はデフレのお陰で半減した。半減させてしまったら、年金の取り分も半分になってしまうのだ。もしも、逆に年金を集めないことによって景気を刺激し、デフレを解消したお陰で、世界のGDPに占める日本の割合が半減せず、現状維持ができたとしよう。そうすれば、年金の取り分も半減しなかったのだから、半減した場合の2倍もらえるのである。年金の積立金が無いのにどうやって年金を払うのかと思うかも知れない。2倍のGDPなら2倍の給料をもらっているし、その中から同じ割合で負担しても2倍の年金を払うことができる。お金は必要なら経済がしっかりしている限り、国がいくらでも刷って使うこともできる。

 景気対策とは、実質的にはお金を刷って使うということだ。生産力に余裕があれば、お金を刷ってもインフレにはならない。経済が弱体化していて生産力に余裕が無ければ、お金を刷ればインフレになる。これは年金積立金を使う場合でも同じだ。年金を取りすぎて、経済が弱体化した場合は、積立金を使えばインフレになる。つまり、年金財政を国の経済と切り離しては考えられないのである。

 ただし、国際競争の中、生産力とは単に物をつくる能力ではないことは明らかだ。国際競争力のない物を作っても、売れないのだから、そのような物の生産力は生産力のうちに入らない。売れない商品を作る生産力は、事実上遊休設備である。農業製品の場合は大規模化で価格競争力をつけるか、品質を向上させて高くても売れる物をつくるかである。工業製品であれば、どれだけ国際競争力のある製品を開発できるかがすべてであり、開発のためにはお金を出し惜しむべきでない。実際、確実に競争力のある製品が開発できれば、工場を必要なだけつくるだけだから、その製品の生産力増強は極めて簡単である。例えば、癌の特効薬が開発されれば、売れることは間違いなく、銀行もいくらでも融資するだろうし、工場建設で生産力はいくらでも増やせる。逆に、効き目が弱く、副作用の多い薬の生産力を増強しても何にもならない。その意味で、経済の発展とは国際的競争力のある製品を多く生み出すことと大いに関係がある。そのために国が行うべきことは、企業に、国際競争力のある製品を生み出しやすい環境を提供することであり、そのためにも国民に十分なお金を渡し、企業がよい製品を出したら、それを買うことができるようにし、会社に利益がでる環境を作り出す必要がある。結論はデフレ脱却を最優先とすべきだということである。

 ところで、現在の年金制度の基礎となっているシミュレーションはマクロ経済スライドという考えだ。これは今後100年間の財政均衡期間にわたり均衡が取れるようにするという考えに基づいている。100年後の2100年に、年金給付額が1年分程度になるようにしてある。なんと、現在のデフレ経済を脱却することより、100年先の財政の方が重要だというわけだ。つまり、現在の経済政策の大失敗から国民の目をそらして、100年後に注目させようというわけだ。100年後よりも今の生活を何とかしてくれという国民の声が届いていないようだ。彼らのシミュレーションに従うと年金は100年先に備えて、次のように上げなければならないそうだ。

出所 厚生労働省
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 そしてこのように値上げした結果、年金積立金は次のようになるとのこと。つまり2035年頃まで積立金を増やし続けるということだ。平成18年度で年金積立金は149兆円ある。厚生年金責任準備金、共済年金積立金も加えると220兆円を超える。年金の6年分も積み立ててしまったということだ。他の諸国が数ヶ月かせいぜい1年強の積み立て金しか持たないのに比べ、突出しており異常な事態だ。これから更に社会保険料を値上げしてどんどん積立金を増やしていこうという計画だ。社会保険料をどんどん取るだけで、年金支払いを渋る。つまりデフレで実態経済にお金が足りなくなっている中、お金を吸い上げようということだ。これでは日本経済の成長を止め、国を貧乏にしてしまう。社会保険料の取りすぎが、実態経済にお金不足を引き起こし、それがデフレの一因になったとも言える。デフレが世界のGDPにおける日本の割合を半分に下げてしまったことを考えるなら、これは極めて重大な事態である。

出所 厚生労働省
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 グローバリゼーションを主張するなら、まず最初に積立金を普通の国レベルまで下げるべきだ。お金を国民に戻すべきだ。それだけで200兆円近いお金が国民に渡ることになる。何と国民一人当たり百数十万円ものお金だ。お金が国民に戻れば、デフレ脱却ができ日本経済はかつてのように力強く成長を始める。グローバリゼーションを言うなら、真っ先にデフレ脱却をしなければならなかったはずである。デフレは経済において最悪の事態であり、アメリカも絶対に日本のようにならないように、日本経済の現状を詳しく研究しているほどだ。日本経済は重い病気にかかったようなものだ。その病人から巨額のお金を出させて将来に備えるという考えは全く正しくない。日本経済を健康体に戻し、その後に年金制度を考えればよい。年金の給付金が増えるから消費税を上げようなどという主張は全く正当化されない。デフレ悪化を招き、没落する日本経済を更に没落させるだけだ。積立金を取り崩すだけで十分であり、異常に増えた年金積立金を国民に戻すよい機会になる。

 余り知られていないが、年金積立金の149兆円だが、毎年株式などに投資され運用益がでていて、その額は平成16年度が3.96兆円、17年度が9.83兆円、18年度が4.56兆円にもなっている。今話題のガソリン税が2.6兆円と比較しても大きな額だ。もしも景気対策を行い、景気がよくなれば、これよりずっと大きな運用益が得られる。逆に福田内閣のようにデフレを放置すると株価は急落し、運用益がマイナスになってしまう。天国と地獄の差があるのだ。

 どこの国も公的年金は相互扶助を基本としている。つまり現在の高齢者を現在の働き手が支えるという「賦課方式」をとっている。これなら、年金積立金は必要ない。集めたお金をそのまま高齢者に渡せばよいのだから。働き手が少なくなるという問題を深刻に考えるべきでない。生産性が向上し、極めて少ない人数で全国民を養えるようになったのだから何の心配もいらない。労働生産性の伸びは1981年~1990年の間は年平均3.7%であったが、1991年~2000年にはデフレ経済のため平均2.0%にまで落ちている。その一方で今後30年間で減少する労働力人口は年率で0.67%しかない。つまり、労働力が少なくなった分の数倍の速度で生産性が向上し、結果としては生活は豊かになる一方なのだ。適切な年金制度(賦課方式)で、負担者も受益者も今後豊かになる一方であるということをしっかり認識しておくべきである。しかもデフレ脱却ができ、経済が活性化すれば、更に豊かになる速度が増すである。

 むしろ、働けなくなった高齢者や重度の障害者などを「働かざる者食うべからず」ということで切り捨てたら、その中の一部が強盗殺人や放火など反社会的行動をとるだろう。そうすれば、社会不安が増し居心地の悪い社会になってしまう。貧者を蹴落とすより、お互いに助け合うほうが、快適な社会になるのは間違いない。     (小野盛司)

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2008年2月 9日 (土)

デフレが人を不安にした(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十三弾です)
  http://tek.jp/p/

 デフレは人を不安に陥れる。経済の縮小、賃金の低下、中小企業の業績の悪化、リストラの不安などデフレ経済には不安がいっぱいだ。若者まで含め、日本の明るい未来を語る人にはほとんど出会うことがない。

 内閣府は毎年「国民生活に関する世論調査」という調査を行っている。ここで「お宅の生活は、これから先どうなっていくと思いますか」という質問を毎回して、その結果を公表している。日本経済が高度成長を続けていた1960年代には「よくなっていく」と答えた人が「悪くなっていく」と答えた人の数倍はいた。第一次石油ショックの時代はそれが逆転した。その後、「よくなっていく」が「悪くなっていく」より20~50%程度上回る状態が続いていたが、デフレに陥ってから、完全に逆転した。2001年以降は「悪くなっていく」が「よくなっていく」の3倍程度になってきた。このような将来への不安が、消費を減退させ、景気を冷やしているのは間違いない。デフレ脱却・景気回復には、国民に希望を与え夢を与えるビジョンが必要だ。少子高齢化・人口減少・厳しい財政事情などを嘆いているばかりでは、消費を抑えお金のあるうちに貯めておきなさいと言っているようなものだ。

 経済学で「リカードの中立命題」というのがある。
「財政拡大政策の結果、財政赤字が拡大すると、人々は将来の増税を予想して、それに備えて貯蓄を増やすために、消費需要が減ってしまう。それによって、総需要拡大の足がひっぱられてしまう。」というものだ。景気対策に反対する人の中には、この命題を持ち出す事もある。今は誰も信じない命題だが、もしこれが本当なら、国民全員に1億円ずつ配るとよい。それで誰もがそれを貯金に回し、消費需要が減るならインフレにもならない。大部分の人は将来への蓄えを可能にし、それは人々に安心を与えるから、こんな素晴らしい政策は無い。しかし、実際はこの中立命題は嘘で、皆さん待ってましたと使ってしまう。国の財政を考えながら、今日の夕食の献立を考える人などいない。景気対策をやっても需要は伸びないと言っておきながら、同時に景気対策をするとハイパーインフレになると主張する人がいる。経済を知らない人だ。ハイパーインフレは需要が供給をはるかに超えるときに起きるのであり、需要が伸びなければ起こりえない。

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 将来の暮らしと言えば年金だ。本来、年金とは誰もが、老後を安心して暮らせるようにするためにある。話を生物学に移すと、野生動物にとっては、老後の安心など無い。老衰で死ぬことはほとんどなく、食料が取れなくなると群れから離れ、ひっそり死んでいく。人間も貧しい時代は同様だった。しかし、現代はゆとりの時代である。

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 上図にあるように130年前には、全国民を養うには8割の人が農業をやっていなければならなかったのだが、技術の進歩のお陰で1960年代には25%程度で、そして今は4%の人で全国民を養うことができるようになった。つまり1人で25人養えるようになった。将来は、農業の大規模化・近代化が進み、農業人口は更に減少するのは間違いない。もちろん、輸入にも頼っているが、近隣諸国でも農業人口の減少は著しい。100年前に比べ同じ作付面積で米は2.5倍収穫できる。農業機械によって生産性は飛躍的に高まった。そんなに余裕ができたのなら、この豊かな社会を生み出して下さった老人の方々にも食料を分けてあげて、安心して暮らしていただきたいと、かつての日本人なら考えただろう。1960年代安心の時代だった。技術進歩のお陰で、その安心の時代よりも、更に数分の一の人数で全国民を養えるようになった現代は、更に数倍安心できる時代になったはずである。それが逆に、これほど将来に不安を抱く人が増えているということは、政策の失敗が原因の一つであり、政治家やマスコミが間違えたメッセージを送り続けていることがもう一つの原因である。

 日本には、全国民に生活するに十分な食料や生活物資を生産する能力は現在十分あるし、将来ももちろん大丈夫だ。財政のことばかり気にしていて、国民と国の経済のことが忘れられているから、国民が不安になるのである。もっと経済制度を柔軟に考えるべきだ。物は十分にあって、それを国民に分配する仕組みがうまくいっていないのであれば、思い切って改革をしなければならない。経済制度を余りにも硬直的に考えてしまっているから、デフレという経済政策の大失敗をしてしまったのだ。デフレは世界中どの国もやっていない大失敗なのだから、どの国もやっていないような政策を行う勇気が必要だ。もっと経済精度を柔軟に捉えて、デフレ脱却のための改革を断行しなければならない。

① 国は通貨を発行できるのだから、財源が無くても歳出は増やせる。
② そのためには日銀が国債を市場から買えばよいだけであり、それには上限はない。つまり歳出拡大も安心して行える。
③ 過度のインフレを心配する人がいるが、どんなインフレでも財政と金融で引き締めれば簡単に止められる。ドイツのハイパーインフレも簡単に止められたではないか。
④ 国債の暴落を心配する人がいる。バーナンキFRB議長の日本へのアドバイスは、それぞれの国債がどこまで下がったら、直ちに日銀が買うように決めておけば、それ以上下がることはないということだ。つまり国債の暴落は止められる。
⑤ 日銀のバランスシートを心配する人がいる。日経平均に連動するETFを日銀が買っていけば、株は確実に上がり、日銀のバランスシートは確実に、そしていくらでも改善する。
⑥ 円の信用とは、日本経済への信用に他ならない。現在、デフレで日本経済は没落し、円の信用は急落しつつあるが、適切な景気刺激策で日本経済が力強く成長を再開すれば、円の信用を取り戻すことができる。   (小野盛司)

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2008年2月 8日 (金)

昭和恐慌に学ぶデフレ脱却法(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十二弾です)
  http://tek.jp/p/

 昭和恐慌の前には、やはりバブルがあった。下の物価指数のグラフを見ていただきたい。1914~1918年の間、戦争参加国の輸出の縮小や軍備品需要のため、日本の商品への需要が急増し、輸出が大幅に伸び、経常収支は大幅な黒字となった。これに対応し、生産力は飛躍的に増大、わが国経済の画期的発展の好機が到来した。日銀券の発行も激増、年率30%を超す経済成長が続いた。ただし、物価の値上がりも激しく、実質成長率は年率2%程度だった。商品投機・土地投機・株式投機が発生した。日本の商品は、欧米に比べ競争力は劣ったが、戦時中は欧米は出てこなかったので、中国などに進出できた。そこで設備投資計画も十数倍に増加し銀行も積極的に融資に応じた。

 1920年株式市場が大暴落し、反動恐慌が勃発した。戦後欧米企業が進出してきて、売れなくなった。そこで輸出が減少し、生産設備が過剰となり遊休化した。大量の不良債権も発生。1927年には金融恐慌も発生した。

出所:長期経済統計 国民所得 東洋経済新報社
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 「失われた10年」の最後に、昭和恐慌を引き起こした浜口内閣は、小泉内閣と非常によく似ていると言われている。両者とも国民に対し「緊縮財政の痛みに耐えよ」と訴え、デフレ下の緊縮財政を強行した。浜口首相は1929年8月28日に「全国民に訴う」という署名入りの宣伝ビラを全国1300万戸に配布した。同日午後七時すぎには、全国中継放送で首相は国民によびかけた。「・・・今日までの不景気は底知れない不景気であります。前途暗澹たる不景気であります。これに対して、緊縮、節約、金解禁によるところの不景気は底をついた不景気であります。前途に皓々たる光明をのぞんでの一時の不景気であります。・・・我々は国民諸君とともにこの一時の苦痛をしのんで、後日の大なる発展をとげなければなりません。」

 デフレ下での緊縮財政が成功するわけがなく、それに対する多くの批判があった。例えば三土忠造は『経済非常時の正視』の中で次のように批判している。

 「一般国民は、経済上の知識が乏しく、唯古来の道徳上の教訓によって、節約と言えば無条件に誠に結構なもののように考えるのは無理もないことである。即ち自分だけ節約した場合と国民挙って節約した場合とを混同したのである。世間一般の人は従来の通りの生活をしていて自分一人節約した場合には、その節約しただけ懐に余裕ができることは言うまでもないが、世間一般が挙って節約した場合には、これとは全然相反する結果を来すのである。・・・国民挙って節約すれば、他人の生産した物を買うことが減少すると同時に、自分の生産した物の売行も減少する。従って売買の中間に立つ取引運搬等も減少して結局生産消費取引の減退、言い換えれば経済生活全体の縮小に終わって、国民の多数は消費節約による支出の減少よりも、生産品の売行不振・価格の下落・商取引の減退による収入の減少の方が大きくなって、国民全体の懐具合が悪くなるという結果になるのである。有益無益を問わず、ただ消費の節約と言うことは、道徳場から言っても意味を為さず、又今日の経済生活から言っても決して産業の振興、貿易の発展を促す所以ではない。」

 デフレの下で、定率減税の廃止による3.3兆円の増税、歳出削減、社会保険料の値上げ、平均賃金の下落など次々と国民に痛みを押しつけ、地方政府にも節約を強要してくる今の政府は、この批判をよく読んで教訓にすべきだ。すでに述べたように1920年代の「失われた10年」に終止符を打ったのは、高橋是清蔵相の大規模な景気対策であった。

出所:長期経済統計 財政支出 東洋経済新報社
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 高橋蔵相による積極財政は1936年度まで続き、デフレは終わり、世界大恐慌から世界最速で景気回復したと高く評価されている。しかし、1936年、2・26事件で高橋是清は暗殺され、その後は軍部の独走で、行き過ぎた国債発行により過度のインフレ経済へと移っていく。

 下図は、国の債務のGNP比である。高橋蔵相による積極財政で巨額の赤字国債の発行により、国の債務は激増した。しかし、GNPも同時に激増したわけで、債務のGNP比を見ると、むしろ増加が止まり減少が始まっていた。それ以前、緊縮財政で借金を減らそうとして昭和恐慌を引き起こした時代には、GNPが減ってしまい、債務のGNP比は増えてしまったことが分かる。参考までにであるが、第一次世界大戦では、日本は輸出が急増し、成金が続出、銀行も設備投資に積極的な貸し出しを行い、経済は拡大しバブルが発生しインフレになった。財政拡大によるインフレではなかったために、国の債務のGNP比は逆に減少している。その後、バブル崩壊後の「失われた10年」では、デフレの中、国の債務のGNP比は増加を続けているのも、平成のデフレと共通している。(小野盛司)

出所: 明治以降本邦主要経済統計 日本銀行統計局編
Gnp

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2008年2月 7日 (木)

静岡新聞よ!城内みのるさんを嵌めたのか?

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う~む!!これはひどい。ひどすぎる。
 2月5日付けの静岡新聞で、城内実さんを“共産/無所属”という説明で写真を掲載した。上の写真をご覧いただきたい。この記載だと城内さんが共産党の公認を得て無所属で立候補するということになる。つまり、静岡新聞は『共産党公認の城内実』を大々的に報道したことになる。これは虚報である。城内さんは、人権擁護法案反対や政党助成金廃止など、一部思想信条的には共産党と重なる部分はあるが、立候補では完全に無所属一筋である。従来から一貫してそのように主張している。この新聞記事を見た人は城内さんがいかにも共産党と深く関わっている人のように思われてしまう。完全に事実無根の報道である。

 当事者である城内さんご本人は遠慮していて多くを語らないが、神州の泉・管理者の私が素直に思うことを言えば、これは城内さんのイメージダウンを企図した悪質な印象操作報道に思われても仕方がない。どう考えても、この誤植報道は不可解である。候補者にとって公認政党の表記あるいは無所属の表記は至って大事なことがらであり、この部分を間違えることがあるだろうか。この表記違いは立候補者の自己同一性を違えることになり、有権者には大きな誤解を与えてしまう。したがって、この場合は表記ミスでは済まされない問題だろう。公器としての新聞報道の影響は大きい。この表記を見て、城内さんを共産党公認と捉えた人が大勢いて、その刷り込みは容易に払拭されることはない。もし静岡新聞がこれに関して払拭報道(訂正記事)を充分に行なわない場合、確実に偽計報道の疑いがある。

 例え数日後に静岡新聞が謝罪広告を載せたとしても、その取り扱いが微々たる報道ならば、最初に誤報を見た人が頭に刷り込まれた情報を修正するのは困難である。つまり、謝罪広告を目にしなかった人は城内さんの誤まったイメージをそのまま保持し続けることになる。これが実際の投票行動に与える影響は甚大であろう。新聞社は誤植を主張するかもしれないが、これは結果において非常に深刻な誤まったイメージ付与をもたらしてしまった。この効果は絶大である。それだからこそ、私は静岡新聞が確信犯的に誤植した可能性を疑っているのだ。静岡新聞はいったいどういう責任の取り方をするのだろうか。国民、特に静岡県民はこの立候補予定者の報道において、民主主義国家にあるまじき失態的な誤報を行なった静岡新聞がどのような反省と謝罪表明を行なうか目を光らせて欲しい。

 もしも、城内さんの蒙った報道被害に見合わない反省表明なら、この報道が作為性を帯びたものと判断して不買運動を起こしたほうがいい。と同時に、なぜ城内さんが狙われたのかその理由を考える必要がある。思い当たる理由は一つしかない。それは彼が郵政民営化に敢然と反対して初志を覆さなかったからである。小泉政権に反駁した有識者は軒並み冷や飯を食わされている。この政権の初期から反国益性を糾弾していたエコノミストの植草一秀さんは不名誉な陥穽に嵌められている。城内さんの蒙った報道被害を別の角度で言えば、これは参政権の侵害行為に当たるのではないだろうか。国民には立候補する権利があるが、この立候補表明において、公器である新聞が、候補者の属性について重大な誤報を行なったことは参政権侵害に該当しないだろうか。なぜなら本人が従来から主張する無所属一本やりという立候補姿勢とは無関係に、勝手に共産党公認のイメージ賦与をされてしまったのである。結果において有権者の投票判断に重大な影響を与えており、民主主義国家の代表民主制に大きな瑕疵をつけたことになる。明らかに参政権侵害である。同時にこれは立候補者への悪質な人権蹂躙であろう。

 私は静岡県に住んでいるが、選挙区は残念ながら7区ではない。しかし、次の衆院選では城内実さんに何としても国政の壇上に復帰していただきたいと願う一人だ。この人物くらいすがすがしい一貫性を持った人はいない。現在の日本で立派な国会議員を判断する基準は単純明快である。単純ではあるがその基準は非常に重要だ。ではその唯一の基準とは何か。それは2005年の郵政民営化法案に敢然と反対の意志を示した事実があるということ、そして、その後もその姿勢を一貫させている政治家を評価することだ。例えば、平沼赳夫さん、荒井広幸さん、小林興起さん、小泉龍司さんなどである。郵政民営化はアメリカのいいなりになって年次改革要望書に基づき、小泉・竹中傀儡政権が強引に実現化したものだ。これが日本のインフラを破壊し、膨大な郵政資金を外資の手に委ねようとしている売国法案であることは間違いない。小林興起氏の言う郵政米営化である。

 はっきり言おう。郵政米営化に反対した議員さんたちこそ、国民の幸福原理を基底にする真の政治家なのだ。昨夏の参院選では自民党清和研究会の基本方針である構造改革が完全否定された結果となった。なぜならこの構造改革は利益配分が異常に偏ってしまい、一部の大企業や金持ち、外資にしか利益配分が回らなくなったからだ。 新自由主義政策特有の利益の異常傾斜配分である。そのために地方は疲弊し、中小零細企業は軒並み辛酸をなめるという極端な不平等社会に移行した。経済苦が原因の自殺者は膨大な数になっている。この反国益的性格を持つ構造改革の中心的作業こそが郵政民営化であった。この真相に多くの国民が気が付き始めた結果が、昨夏の参院選に如実にあらわれたのである。しかし、城内さんは当時、郵政民営化を推し進めた自民党にあって敢然と反対の意志を表明し、いまだにその一貫性を保っている。これが構造改革急進派に執拗に恨まれる原因である。

 いずれにしても、静岡新聞は城内さんの効果的なイメージ回復を可及的速やかに行なうべきだ。それがなされない場合、今回のできごとを、城内さんの当選を阻止するために仕組んだ新聞社の作為だと判断されても仕方がないだろう。何度も言うが、この誤植報道は代表民主制の根幹に関わる大問題なのだ。単なる報道ミスとして看過してはならない。

  ちなみに私は静岡新聞の愛読者である。公平で誠意のある記事が多く、もっとも好んで読む新聞だった。しかし、この問題への対応いかんによっては二度と読まないことにする。良い記事を書く誠意ある社員さんが多くいることは察しがついているので、こういう問題で新聞の信頼性を損ねないように対処してもらいたい。

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2008年2月 6日 (水)

可処分所得と消費(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十一弾です)
  http://tek.jp/p/

 経済学の本には、消費は可処分所得に比例すると書いてあるし、実際1998年頃まで日本でもそうだった。しかし、下図を見ていただきたい。1999年に可処分所得が減り始めてから、様相は一変している。国民は可処分所得が減っても、消費は減らさなかった。結局、貯蓄を取り崩して、逆境に耐えているというのが現状だろう。

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 しかし、下図に示したように、ずっと昔のデータを見ると、よく似た現象が見つかる。1919以降はデフレに入り、可処分所得が減っているのに消費支出が下がらないという現代とそっくりの状態が数年間続いている。しかし、1926年以降はデフレがきつくなり、消費支出は減少をしている。しかし、1931年を堺に再び可処分所得は上昇を始め、再び元の直線に戻っていることが分かる。この時代の国の状況を説明するために「森永卓朗の戦争と平和講座」から一部引用する。

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 『1920年代は、第一次世界大戦によるバブルの崩壊で、ゆるやかなデフレが続いていました。そこに1923年の関東大震災が追い討ちをかけ、1927年には金融恐慌が発生しました。デフレは経済を疲弊させ、国民生活は荒廃します。そこでは、経済不振を脱却しようとする模索が始まります。1920年代には、経済不振の原因は大正バブルで経済界についた贅肉が原因だということになりました。そこで、財界には、生産性の低い企業を整理して、より強い企業に生産を集約しようとする機運が生まれました。当時、それは「財界整理」と呼ばれたそうです。

 ところが、デフレは思うようには解消しませんでした。街には失業者があふれ、生活はどんどん苦しくなっていったのです。そうしたなか、1929年に政友会の田中義一首相に代わって就任したのが、野党の民政党総裁だった浜口雄幸でした。浜口首相は就任と同時に改革に取り組みます。一つは、財政再建のための歳出カットです。軍事費の大幅な削減を含む歳出の徹底的な見直しを行うことで、就任の翌年度の予算を無借金で組んでしまうほどでした。もう一つの改革は、金本位制への復帰でした。第一次世界大戦後の不況で、先進各国は金兌換を停止しましたが、20年代末までに、ほとんどの先進国が再び金本位制に復帰していました。グローバルスタンダードへの追従を目指す浜口は、金本位制への復帰、しかも強烈な金融引き締めとなる旧平価での金本位制への復帰を断行しました。

 デフレのなかで、財政と金融を同時に引き締めたのですから、日本経済は激烈なデフレに陥りました。純粋に経済学的にみたら、浜口の採った政策は今世紀最悪の暴挙だったのですが、旧勢力との対決姿勢を貫いた浜口首相は、国民の間ではヒーローになりました。』

 結局、日本経済を救ったのは、1931年12月に蔵相に就任した高橋是清であり、翌1932年からは、日本経済は、強力な財政出動によりデフレを脱却し、経済の拡大が始まっている。このように財政出動が成功すると、それまで、財政出動で国は破綻すると言っていた連中が、財政出動を10倍でも100倍でも拡大せよと言い始めた。経済を知らない悲しさである。1936年高橋是清は226事件で暗殺され、これ以後は果てしない国債の増発によりインフレが度を超していくのが、このグラフでも確認できる。

 では、現代に話しを戻し、このまま可処分所得が変化しなかったら、どうなるだろう。回帰分析をすると、消費はそのまま変化しないことがわかる。こうであって欲しくない。可処分所得は増えてほしい。では、可処分所得が2006年度から2.5%ずつ増加すると仮定して、回帰分析で計算してみよう。結果は、2~3年は消費は余り変わらないが、その後は再び直線的に増え始め元の直線に戻ることがわかる。

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 歴史から学ぶ教訓は、デフレは「改革」では脱却できず庶民の暮らしは苦しくなる一方であり、唯一のデフレ脱却法は、適切な規模の財政出動であるということである。政府による一刻も早い決断が望まれる。(小野盛司)

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排斥される稀有な正統派たち

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(読者さんコメント)

将来、勝ち組の座に一番近い東大生がケインズ支持が多いとは意外ですね。
自分の事より国家全体、マクロ経済全体の事を考えてる学生が多いんでしょうかね。
新自由主義者の巣窟一橋や慶応とは一味違います。
親のコネで私大文系卒のボンクラ小泉や安倍が東大閥を排除しようと躍起になってたのはこの辺が原因でしょうね。
東大はコネ入学は難しいでしょうからw
もっとも小泉にしても慶応の2浪3流ですけどw
その辺が彼らのトラウマになっているからゆとり教育や階級固定化社会、世襲制社会を目指してるのかもね。
子孫には楽に勝ち組になってほしいですからw
だけど同じ国立でも一橋と東大は相当毛色が違いますね。
新自由主義者の代表格である石原慎太郎や竹中平蔵も一橋ですしね。
官僚養成機関でもある東大生は常に国家全体、マクロ経済全体を考えるような教育がなされてるのかも知れませんね。
だけど今の清和会支配が続けばそれにもメスが入る可能性が大きいですね。
次の衆院選は是非とも政界から新自由主義者を駆逐しなければなりません。
もう森政権から10年近く続いてますからね。
それはそうと欧米の株価が大きく下落しましたね。
たぶん改革が足りないんでしょうw
もしかすると米英の新自由主義の終りの始まりかも知れませんね。

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(管理人のコメント)

こんにちは。

>将来、勝ち組の座に一番近い東大生が
>ケインズ支持が多いとは意外ですね。
>自分の事より国家全体、マクロ経済全
>体の事を考えてる学生が多いんでしょ
>うかね。新自由主義者の巣窟一橋や
>慶応とは一味違います。

 何かの本で読んだ記憶があるんですが、約20年くらい前から表舞台に出るエコノミストや経済学者は東大系から慶応系に取り替えられてきたというのがあるそうです。昔の日本が比較的安定した経済成長を行なっていたのは政治家が東大派のケインズ学派に耳を傾けたからであって、それがいつの間にか新自由主義派の慶応学派に取って代わり、国体崩壊の危機を迎えることになりました。この傾向が最も過激に表れたのが小泉政権です。

 東大ケインズ学派の最後の砦が植草一秀さんなのです。だから彼は象徴的な意味を込められて新自由主義的構造改革急進派に狙われてしまいました。植草氏自身は官僚利権構造を解体するという意味での真の“構造改革”を唱えていますが、これは小泉・竹中氏流の構造改革とは対蹠的な概念にあると考えます。おもしろいことに、東大学派から慶応学派への入れ替わりを佐藤優氏風に言い換えれば、小泉政権は国家パラダイムがケインズ型からハイエク型に切り替えられ、それとセットで日本の国際政治は協調型から排外主義的ナショナリズムへ移行したと言っています。一方、植草さんはこの変化を『「ケインズ的経済政策と市民的自由」の組み合わせから、「ハイエク的経済政策と治安管理」を重視する政治体制』へ大きく旋回したと言っています。

 私は佐藤氏の言う『排外主義的ナショナリズム』というのは違うんじゃないかと考えています。なぜなら小泉氏の靖国参拝は偽装であり、村山談話を踏襲する彼の思想的柱は階級闘争史観(小泉氏本人は無自覚ですが)を基底にした反日史観だからです。小泉氏を愛国保守と捉えること自体大間違いではないでしょうか。小泉氏の靖国参拝や、知覧で彼が特攻兵の遺書に涙したなどということを見て、彼を愛国保守と思い込んだ人が大勢いたようですが、それこそマスコミに踊らされるB層市民の典型的なメンタリティです。彼の思想的本性は、アメリカにくびきを掛けられていた他律的左翼革命家であり、怨嗟的反日メンタリティを持つことは間違いないことです。米英では、ネオリベラリズムを標榜して軍事大国を志向する一派をニューライトと言って、小泉氏は何となくこれに似たタイプですが、日本ではこの男を保守のカテゴリーに入れることは無理があるでしょう。佐藤優氏は自己防衛の意味で小泉批判は忌避していますからね。新自由主義を国策に取り入れるということ自体が日本の伝統的価値観や特有文化の破壊です。国民が先祖から継承した精神性の核を破壊しようとした小泉政権には愛国保守の要素は微塵もありません。新自由主義路線の行き着く先、すなわちその極相的社会とは国家権力の監視が強化される警察国家です。したがって、植草さんが捉えたケインズ的政策からハイエク的政策への変換とセットになった治安重視、すなわち警察国家(夜警国家)への変貌という認識は正確に昨今の日本を言い表しています。

 新自由主義によって国家意識は溶解し、急速に治安悪化や風紀紊乱が起きています。この無秩序化を統制するために監視と警察権力が強くなってくる傾向にあります。その証左として人権擁護法案や共謀罪法案、電子投票法案などがつぎつぎと提出されています。富の傾斜配分が極限化してくると、こういう夜警国家に変貌してきます。この意味では植草さんの認識が当を得ていると考えます。

 東大は官僚養成機関で有名ですが、それなりに国家の基幹を支えるという意識は残存しているのでしょう。しかし、原田武夫氏の著書によれば、昨今の東大生のエリート意識は巨大外資に就職できることだそうです。昔は優秀な成績で卒業して国家の役に立つという意識があったようですが、今はいかにアメリカのポチとして有能になれるかという感じでしょうか。日本経済復活の会の会長さんである小野盛司氏も稀有な残存ケインズ学派であり、積極財政論者です。だからこそ彼は反ケインズ論者から無視されたり、冷たい攻撃を受けていると思います。そういう立場では丹羽春喜氏も同じです。

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2008年2月 5日 (火)

人口減少でGDPが伸びなくなるという嘘(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十弾です)
  http://tek.jp/p/

 多くの日本人は、これから日本の人口が減っていくのだからGDPは、もう伸びないと思っているし、政治家は経済政策の失敗で名目GDPが伸びなくなっているのに、それを人口減少のせいにしてしまう。しかし、GDPとは、そういったものではない。一人当たりのGDPの国際順位が日本はかつて2位だったのに、18位まで落ちたことが話題になっている。一人当たりのGDPなので、これは人口減少とは全く関係ない。経済問題で自殺する人が不況で6~7倍に増加していることはどうだろう。人口減少というなら、自殺者も減らなければならないはずだ。平均賃金が9年連続減少していることも、人口減少とは全く関係ない。唯一関係あるとすれば、名目GDPだろうが、OECD30カ国最下で、しかも日本以外で最低はスイスの3.5%に対して日本は僅か0.8%、その差2.7%。これに対して2000年から2007年までの生産年齢人口の平均減少率は0.4%しかないから、とても人口減少では説明はつかない。

出所 経済要覧 平成16年版 30人以上の事業所の常用労働者対象
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 上の図に示されているように、1960年から2000年までの40年間で労働時間は23.6%減っている。延べ労働時間で考えると、これは人口が毎年0.6%減って行ったと同じ効果がある。この間雇用者報酬は名目で41倍、実質で7.5倍になった。GDPは実質で6.86倍になった。これは年率に直すと実質約5%の成長を意味している。実質、0.6%ずつ労働資源が減少していったのに、5%ずつ経済は大きくなって行った。

 今後考えられている労働力人口の減少は30年で20.2%だ。年率で0.67%だから、過去40年間の労働時間減少割合にほぼ等しい。そういう意味で過去40年とこれからの30年はそれほど大きな差はない。

Photo_2

 0.67%の人口減少は、容易に生産性向上によりカバーできる。例えば農家1戸当たり農地面積は(農水省ホームページから)日本が1.8haであるのに対しアメリカ 178.0 ha、フランス 45.3 ha、イギリス55.4 haであり、極端に小規模な耕地では、生産性は極めて低い。大規模農業にすれば、生産性が大幅に上昇することは間違いない。年率0.67%より桁違いに大きな生産性向上が可能である。どの政党も農業の大規模化に消極的であり、しかも農家の猛反対がある。もちろん、農家に犠牲を強いる形で農業の大規模化を強行すれば、悲惨な結果となるが、景気対策により十分な雇用を確保し、農家が納得する保障を行うという前提であれば問題ないはずであり、国を豊かにする重要な第一歩となる。

 大規模農業で生産性が上がれば、諸外国と経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)を進め、経済協力が実現でき、国際分業でGDPを大きく押し上げることが可能となる。中国は近隣諸国と積極的にFTA締結に動き、日本との交渉が頓挫している韓国はアメリカとの交渉に入った。オーストラリアやASEAN諸国も中国などと交渉を行っている。この中で、日本だけが農業の近代化の遅れのために、孤立してしまうのと、日本はますます貧乏になってしまうのである。

 日米で労働生産性を比較すると、輸送機械や一次金属など輸出型産業(業種)の生産性は日本の方が高い半面、運輸、商業、電気ガス水道など大半の非製造業では米国の約半分であり、このため経済全体の生産性も米国の約6割にとどまっている。多くの分野で、生産性を高めようと思えば、改革によって高められるのに、反対運動のお陰で、政治家達は極めて後ろ向きである。これも改革によって犠牲になる人たちに十分な保障をしないで、強行しようとするから、改革はいつまでも進まない。要するに金の問題が背後にある。逆に景気対策として十分な資金を準備すれば、改革はどんどん進むから人口減少など、全く気にしなくてもよくなるのである。

 生産性を上げるときは、同時に国民に十分なお金を渡さないと意味がない。物をいくら生産しても、国民がお金を十分持っていないと、売れないから物余りでデフレが進むだけだ。つまりデフレ下では改革は進まない。国民の収入が増えて、どんどん物が売れ出したら、もっと物が作れるように工夫をするから生産性が向上する。デフレ下では、物が売れないから、生産性を上げてもっと多くつくる必要がないから、生産性は上がらない。だからGDPは伸びない。これが日本の現状だ。

 GDPの拡大とは、例えば労働者がシャベルやツルハシを持って工事をしていた所にブルドーザーが登場するようなもの。生産性が上がるからどんどん仕事がはかどる。しかし、デフレだとお金が足りないから注文が来ない。折角ブルドーザーがあるのに、遊ばしておくしかない。国が減税などで十分なお金を市中に流すと、注文がどんどん入るようになる。ブルドーザーをフルに使えるから、ずっと多くの工事ができる。だから経済活動が拡大し、GDPが増えることになる。お金は環境対策にも使えるから、環境にもやさしいということになる。(小野盛司)

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2008年2月 4日 (月)

日本における言論統制の実情(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十九弾です)
  http://tek.jp/p/

 朝日新聞社は、東大の研究室と共に衆議院選挙の候補者の意識調査を行い、8月27日、28日の両日に新聞紙面でその結果を発表した。更に、10月30日、31日にも一部調査が加えられた。その中で特に興味があるのは次の質問である。

 「デフレからの脱出が急務であり、財政再建のために歳出を抑えるのでなく、景気対策のために財政出動を行うべきだ。」という意見に対し、

1.賛成
2.どちらかといえば賛成
3.どちらともいえない
4.どちらかといえば反対
5.反対

のどれかを選ぶというものだ。結果は以下のようになった。

景気対策に対する意見
Photo_2

 つまり、景気対策に好意的な人のほうが、否定的な人の1.4倍もいる。次に「公共事業による地方の雇用確保は必要だ」という意見の賛否を問う質問に対しては次のような結果となった。

公共事業に対する意見
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 つまり、公共投資に好意的な人は、否定的な人の約2.8倍もいるということである。また平成19年の末の自由民主党都道府県連に対する日刊紙の調査によれば、財政出動を求める意見は32団体,財政出動を否定する意見は僅か8団体であり、少なくとも自由民主党都道府県連は圧倒的に財政出動を求めている。

 それに対し、マスコミは財政出動反対、公共投資削減の論調一色である。ということは、マスコミが世論を反映せず、極めて偏った意見を国民に押しつけているということだ。経済のコメンテーターは緊縮財政を唱える者でないとテレビに出さないし、新聞にも書かせない。日本には言論の自由などなく、マスコミは一握りの影の指導者により完全に支配されていることが良く分かる。このような言論統制が日本経済をここまで没落させてしまった。

 マスコミが「国の借金がここまで増えてしまったので、もうこれ以上財政出動はできない。過去の財政出動は効かなかった。」という説を唱えるとき、我々は単に言葉で反論しているのではない。我々が選んだのは、科学的な方法である。それは天気予報でも、天体の運動の予測等でも常に行われている手法である。つまり過去のデータを忠実に再現できるようなモデルを作り、そのモデルを使って未来を予測するという手法である。そのほうが、出任せの説よりはるかに正確であり、まさにその手法こそが、現代の豊かな社会を築く基礎になっているからである。そのような経済モデルを使い到達した我々の結論は「積極財政が財政を健全化する」ということであった。我々が科学的な手法で日本経済を分析しようとする試みに対し、様々な圧力が掛かってきた。2001年にそのようなシミュレーションをしようと、ある大手シンクタンク(シンクタンクAとよぶ)と接触しようとした。どうも我々が積極財政のシミュレーションをしようとしていることが、シンクタンクAに知れたようで、小野盛司という人物と一切接触してはならぬという指令が出たようで、35年前から親しくしている友まで含め、一切私との面会を拒否してきた。私はまるで、危険人物並にブラックリストに載せられてしまった。

 シンクタンクBは、「そんな景気対策をやれば景気はよくなるのは当たり前じゃあないですか。そんなシミュレーションは、やる必要はありません。」と言って断られた。景気対策で景気がよくなるということは、シミュレーションを専門にやっているシンクタンクにとっては、火を見るよりも明らかだからやらないという。しかし、日本には言論の自由が無いから、このことは国民に対しては厳重に封印されていて誰も知らないからこそ、私がお金を払って実施し国民に真実を知らせたいと言っているのだ。

 シンクタンクCは簡単な計算なら1回500万円を出せばやってもよいと言った。もっと安くできないのかと聞くと、もちろん安くやろうと思えばできるが、国はいくらでもシミュレーションに金を出す。値下げしないほうが儲かるとのこと。要するに、国の方針である「デフレ下の緊縮財政」を支持するシミュレーションをやっている限り、巨額の調査費が国から入ってくるから、それに反対する我々のシミュレーションにはどこのシンクタンクも冷たかった。その他、多数のシンクタンクとの接触を試みたが、全部面会すら断られた。

 唯一協力してくれたのは、日経新聞社であった。日本最大の経済のデータベースを持ち、最も信頼されているシンクタンクであった。お金を払って、一部は完全に日経新聞社に試算を行っていただき、それを補充する形で私が、試算を追加した。しかし、「積極財政が財政を健全化する」という結論に達し、それを発表する段階になって、発表してはならぬという連絡が日経から私の所に入った。これを発表されると、日経への国の調査費がカットされると思ったのだろうか。私は、「もしこの結果の発表を日経が止めるのであれば、我々の会に属する国会議員が、このことを国会で問題にすることになる。」と日経に通達した。日経は、それに反論できず、結果の発表を許可した。

 日本経済復活の会には、たくさんの国会議員が顧問として所属している。もしも我々の口封じをしようとすれば、それに対抗する手段が多数存在する。これが、我々の活動を可能にしたベースとなっている。日本のような言論統制の厳しい国家では、我々のような活動を通常の団体でするのは、極めて困難であろう。          (小野盛司)

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アメリカ型超格差社会に日本が切り替えられる背景に・・

 読者さんの興味深いコメントと管理人の感想

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改革派がデフレ政策にこだわる理由。

日本のマスコミが絶対に触れない米国の真の姿。
チャンスの国米国なんてのは真っ赤な嘘。
実は階級固定化&世襲制社会。
社会的流動性は英国に次いで低い。
そんな社会を目指す今の日本の支配層の狙いは明か。
子々孫々まで楽して勝ち組みになろうと言う世襲制社会の確立ですね。
財政健全化や国際競争力ってのは体の良い言い訳、錦の御旗として利用してるに過ぎない。
むしろ逆に改革後は悪くなってる。
要するに日本の事、国民の事なんぞどうでも良くて階級分化社会・世襲制社会を作るのが本当の目的かと。
そうだと仮定するなら理解に苦しむ政策の数々も納得でしょw?
財政が苦しいと言いながら米国をはじめ外国には大盤振る舞いをし、所得税の最高税率や相続税下げたり、ゆとり教育導入したり、デフレ維持策取ってるのはみんなその為だと考えると非常に辻褄が合うでしょ?
そもそも移民社会、人種のるつぼである米国と違って単一民族の日本でこう言った社会にする合理性なんぞ一つも無いと思うがな。
米国でWASPや湯駄屋の優位制を保つ為にはしょうがない面もある罠。
だけど日本でそれをやる理由は?
現在の支配層は日本人じゃなかったりしてねw
彼らもそんなに能力に自信があるんなら米国に移民すれば良いのにね。
ね、竹中さんに小泉さんw
トヨタもキャノンも米国に移った方が良いんじゃ無いの?

http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/12/post_c618.html
ニューヨーク市民、食事も買えない貧困層は15%

AP通信11月21日付報道によれば、ニューヨーク市民の内15.4%は食費にも困る貧困層で、2006年末までにその数はさらに11%増加すると予測されている。ニューヨーク市住民810万人のうち、フードスタンプ(低所得者向け食糧供給制度)受給者はおよそ110万人にのぼるという。(市民団体『ニューヨーク市飢餓対策連合(New York City Coalition Against Hunger)』が発表した調査による)

超格差社会と経済隔離政策
そんなアメリカの超格差時代はいつからはじまったのか?1976年、企業CEOと一般労働者の収入格差は36倍だった。それが1993年度には131倍になり、軍事産業がイラク戦争特需に沸いた2004年度では、企業CEOと一般労働者の収入格差は431倍にもなっている。
資産ベースでみると、アメリカでは上位10%の富裕層が国内資産の70%を保有している。フランスでは61%、イギリスでは56%、ドイツでは44%、日本では39%というから、米国の富の集中度は凄まじい。

莫大な資産は努力の結果だろうか?まあ、そうでもない。フォーブス400にランクインする資産家の42%は、ジョージ・ブッシュと同じく、ただ単に親の資産を相続しただけで、相続税の撤廃を主張する以外に努力などしていない。米シンクタンクの研究によれば、アメリカでは、富裕な家庭に育った子供がトップ5%の超金持ちになる確率は、貧困家庭に育った子供よりも22倍高く、下位25%の家庭で生まれた子供が黒人の場合、そのまま貧困層に留まる確率は白人より2倍多い。

貧困層から富裕層になれる確率(社会的流動性)でいえば、デンマーク、ノルウェイ、フィンランド、カナダ、スウェーデン、ドイツ、フランスのほうがアメリカ合衆国よりも機会に恵まれる(「アメリカンドリーム」を実現しやすい)ことが調査で判明している。先進諸国でアメリカよりもチャンスの少ない国はイギリスだけだという。(大英帝国から新大陸を目指した人達の願いはかろうじて適ったわけだ。)

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 (管理人の感想)

 今、ガソリンの暫定税率存廃問題が与野党の論戦議題となっているが、小泉・竹中新自由主義政策に痛めつけられている庶民感情としては、生活必需品であるガソリンや灯油の急激な値上は直接生活費を圧迫する大問題である。給与税増税と並んで今、ガソリン(揮発油)の暫定税率の問題が取り沙汰されているが、この動きは奇しくもレーガノミックスで行なわれた税制改変と酷似している。米国では1970年に比してガソリン税が、レーガン時代には2.25倍、ブッシュ・シニアの90年には3.5倍、クリントン時代には4.5倍になっている。最も身近な生活消費財への税負担が10年間で4.5倍になっている。わずか10年の間米国で実行されたこの税制改変は露骨な新自由主義政策の特徴を現すものだ。これが庶民をどれほど苦しい状況に陥れたかをみると、貧乏人ほど相対的に税負担加重が高くなっていることがわかる。完全な逆累進課税だ。実は小泉・竹中政権も税制志向がこの逆累進課税をモデルにした節がある。(もっとも現状日本の石油系燃料代の高騰は他律的要因であるが、そのために急速に困窮感が拡大した場合は、臨機応変に暫定税率は解除するべきではないのか)

 私はネオリベラリストの志向する逆累進課税方式や累進課税フラット化を廃止することが、大企業や大金持ちの労働意欲を減殺し、結果として社会全体の景気底上げ気運(ボトムアップ)を阻害してしまうという考え方には合理性がないと考えている。利益の再分配を実行するには累進課税方式強化以外の手はないのだ。ハイエクなどの考え方として、強い者や資本の強大な者を税制優遇してより強くすれば、彼らが底辺層(社会的弱者層)を機関車のように力強く牽引し、結果として社会全体を賦活していくというのがあるが、長期スパンでこれが事実である証拠はないような気がする。つまり、これは思考上のレトリックであり、富裕層のためのプロパガンダなのではないかと思うのである。全体の利益を底上げして社会を賦活する方策はケインズ主義の総需要喚起型しかないだろう。ケインズ理論は時代遅れで有効性がなくなったという考え方自体が、世界の金融富裕層の放った自己利益拡大のための悪質なプロパガンダなのだ。

 ところで、車社会の今日、ガソリンは非常に身近な消費財であり、これは自動車依存度の高い地方ほど深刻である。同時に今年のような厳冬の北国では暖房灯油の値上がりが生存権を脅かすほど深刻度を増していて、この対策は焦眉の急である。30年間無関心にされていた揮発油の暫定税率問題が急激に浮上した。そしてこれが道路特定財源問題とセットで論議されている。デフレで長年閉塞的な生活を強いられている日本で、原油価格の高騰で瞬く間にガソリンや灯油価格が高騰した今、国民は生活困窮感にさいなまされ、心理的弊害がかなり大きい。これに加えて異常な寒波がますます国民の財布の紐を締めている。したがって、ガソリン税の暫定税率存廃問題と道路特定財源問題は、現段階では切り離して考える方がいいと思う。少なくとも当面する喫緊の課題は、実態問題として暫定税率が逆累進課税になっているということである。つまり、この形はデフレ下で消費税を増税していることと同じなのではないだろうか。車の燃料にかかる税金は道路にかかる財源とは不可分なので恒久的にセパレートするかどうかは議論の分かれるところであろうが、現今の局面ではガソリンの暫定税率を“暫定的”に廃止する方がいいような気がする。少なくともこれを行なうことで国民心理の閉塞感はかなり軽くなる。理屈以前に生々しい生活感覚の弊害の解消も重要なことであろう。

 小泉・竹中両氏が築いた属米自公政権による構造改革路線は、安倍、福田政権に継承されており、サッチャー政権やレーガン政権の政策モデルを内包している。その基本は法人税を軽減し、庶民への税負担を増やす構造である。竹中平蔵氏は、2001年当時、階層間の所得水準に関わらず、皆同じ固定税(人頭税)をかけることが望ましく、かつ消費税を14パーセントにするという主張をしていたが、累進課税の撤廃を目論んでいたことは明らかであり、逆進性を指向していた。この方針は現政権にも引き継がれている。なぜなら年次改革要望書に基づいた新自由主義路線だからである。

 なぜこういう反国益路線が固定され、デフレ脱却を故意に押し留め、国家が貧乏になる政策が続行されているのかを考えると、一つの理由として冒頭に掲げた読者さんのコメントにあるように、階級分化社会と世襲制固定化の恒常性を狙っていると考えることはけっして的外れではないように思う。日本の支配層が日本民族のメンタリティ(大和心)をかなぐり捨て、グローバリズムを推し進める国際金融資本の犬に成り下がって、日本での利益を国際金融資本に貢ぐことで、自分たちが絶対的な支配を恒久的に維持しようとしているのだろう。もしかしたら、今の日本の支配層は半島系に占められているのかもしれない。そう考えると、創価学会にバックアップされた小泉純一郎氏があれだけ絶大な権力を揮えた背景が見えてくる気がする。

 ※参考図書 『超格差社会 アメリカの真実』(小林由美著 日経BP)

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2008年2月 3日 (日)

イタリアに学ぶ真の財政健全化策(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十八弾です)
  http://tek.jp/p/

 日本は高くなりすぎた国の債務のGDP比を減らす必要があるのは間違いない。景気対策を行えば、GDPと税収が増えて、債務のGDP比は下がることをすでに計量モデルで示した。ここでは、財政赤字が巨額であればあるほど、むしろ債務のGDP比は低くなる例として、ギリシャとイタリアの財政を紹介しよう。イタリアの財政健全化策がお手本として示されることが多い。イタリアはEUに加盟しており、財政赤字をGDP比で3%以内にするという、ユーロ圏の財政基準に従うことが求められている。

 イタリア105%。2006年の106.8%からは改善しているが、EU諸国では最悪の数字。2008年度も100%を越える見込み。ギリシア100.9%。イタリアとともに、2007年度において財政の累積赤字が国内総生産比100%を越える2カ国の1つ。来年は、97%に減るみこみ。ドイツ65.4%。昨年の67.7%から改善した。EU 平均の66.9%をかろうじて下回った。フランス 62.9%。マーストリヒト条約で定められた60%に近づいている。

 マスコミには日本もイタリアなどと同様の方法で財政健全化策を行うべきだとういう論調が多い。しかし、それは全くの誤解である。イタリアは高い名目成長率を続けることができたからこそ、財政再建策が成功したのであり、それがそのまま日本にあてはまるわけがない。そもそも日本政府がお金を使い過ぎたから、債務のGDP比が増えたという説自体が間違いである。次の図を見て頂きたい。イタリアとギリシャと日本の財政赤字を比べた。イタリアやギリシャは日本よりずっと大きな財政赤字を続けていた。

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 しかしながら、次の図でみられるように、国の債務のGDP比は日本のほうがはるかに高くなっている。要するに債務のGDP比は、国がお金を使いすぎても180%を超えるというレベルにはならないのである。この点をほとんどの日本人は勘違いしている。

 通常は財政赤字が拡大すればインフレが進行し、名目GDPはどんどん高くなる。1990年のギリシャの財政赤字はGDP比で14%に上っている。日本に焼き直せば、70兆円の巨大な財政出動に相当する。しかもインフレが進行している中で、この追加財政出動をしたということで、1990年の消費者物価は19.9%上昇した。そして名目成長率は20%を超えている。しかし、それでも国の債務のGDP比は限りなく大きくなるわけではない。このような巨大な財政赤字の後でも債務のGDP比は1995年で100%にすぎない。財政赤字が大きい方が、むしろ債務のGDP比は小さくなっていることに注目しよう。

 イタリアはギリシャほど、財政赤字は大きくはなかった。それでも1990年と1991年はGDP比で11.4%という大幅な財政赤字であり、日本の財政赤字よりずっと大きかった。1990年の名目成長率は10.3%、消費者物価は6.4%上昇している。しかし、債務のGDP比は130%に留まっており、日本よりはるかに低いレベルだ。このように、債務のGDP比が120%を超すような高いレベルにあるときは、財政赤字が大きい方が、むしろ債務のGDP比は低く収まる事が分かる。

 イタリアやギリシャのように、財政赤字が拡大し、インフレが進行したときには、政府に対し財政規律を守れと要求することは正しい。例えば1990年のギリシャのようにインフレ率が19.9%で名目成長率が20.7%というような状態は経済にとってよくないのは分かるだろう。意味もなくこのようにどんどん物価が上がるようでは、企業も個人も国も将来計画が立てにくいからビジネスもやりにくい。国が過度にお金を刷って、勝手に使うと、富が必要以上に国に集中するし、民業を圧迫するのは明らかだ。このような加熱した経済で増税や財政削減をすれば、どんどん債務のGDP比は減ってくるし、高すぎるインフレも収まってくるから一石二鳥だ。

 しかしながら、日本はイタリアやギリシャの状況とは全く異なる。イタリアやギリシャにとって良い政策でも、日本には毒になる。日本の債務のGDP比が増えたのは全く別の理由だ。この2つの国と違って成長率は極めて低いデフレの状態にある。誰もが成長率を高めなければならないと思っている。不況で税収が落ち込んだため、それを補うために国債を発行しているため、国の債務はどんどん増える。しかし、名目GDPはほとんど増えないから債務のGDP比は異常に増えてしまった。名目成長率が高すぎる国であれば、それを低めるはたらきのある緊縮財政も適切であるが、日本のように名目成長率が低すぎる国に対して同じ政策を行なうと、名目成長率は更に低くなり、しかも債務のGDP比は逆に高くなる。このように名目成長率が高い国の政策を真似るときは、まず財政拡大により高い成長率に達した後で、景気が過熱気味に成った後でないと真似るべきでない。

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2008年2月 2日 (土)

経済成長に必要な成長通貨(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十七弾です)
  http://tek.jp/p/

 ほとんどすべての日本人は、国がお金を使おうとすると、財源を考えなければならないと誤解している。歳出拡大をするには増税しかないと思っている。しかし、今回のブッシュ大統領の16兆円の景気対策でも、財源など考えていない。考える必要はないのだ。なぜなら、国は通貨発行権を持っているのだから。こういった発想を日本人ができるようになれば、日本の没落は止められる。経済が大きくなろうとすれば、それだけ多くの通貨が必要になる。国が新たな通貨を造って市中に流すことで、成長通貨が供給できる。筆者は日経新聞社の日本経済モデル(MACROQ60)を使い、もしも小泉内閣の緊縮財政でなく、積極財政が行われていたら日本経済はどうなっていたかを試算した。これは日本最大の経済データベースを持つ日経新聞社の経済予測プログラムを使って試算を行ったものである。2000年から5年間、毎年10兆円~50兆円の財政出動を行った場合の試算を行った。実質成長率と名目成長率を以下に示す。例えば50兆円の景気刺激策を行った場合、初年度GDPは名目で9.9%、実質で7.4%という大幅な伸びとなる。実際、昭和恐慌の際にも、巨大な景気刺激策を行った直後は10%程度のGNPの伸びがみられた。

Gdp_2 

 景気対策を続けていくと、名目GDPはどこまでも伸びるのだが、実質GDPはだんだん頭打ちになる。それは物価の値上がりが効いてくるからだ。通貨を発行し、経済を活性化していくと、ある程度のところで物価が上がるだけで、実質経済は成長していないという状態になってくる。だからこそ、実質GDPと名目GDPの2つを区別して論じているわけだ。消費者物価指数の変化を以下に示す。50兆円の財政出動を続けていると4年目から、消費者物価の上昇率は3%を超え、警戒域に入る。そして、景気対策の割には、実質GDPは伸び悩むようになる。それを考慮しても、5年間で約30%実質GDPは伸びるわけで、年率5%の伸びだ。実際の実質GDPの伸びは2000年から5年間で9.2%だから3倍以上になる。名目GDPだと差はもっと大きい。50兆円の財政出動を5年間行った場合、名目GDPは32.9%伸びる。ところが実際は緊縮財政を行っていたから、この間名目GDPは1999年度に499.5兆円、2004年度に498.3兆円で、伸びるどころか下がっている。実際は緊縮財政により悲惨な結果になったわけだ。

 名目GDPと実質GDPの差はGDPデフレーターである。消費者物価は消費者に関係した物価指数であるのに対し、GDPデフレーターは企業間取引や輸入物価などまで含めた総合的な物価指数である。刷ったお金で財政出動をやれば、デフレーターは上がってくる。政府は緊縮財政をやっていてもデフレーターは年率0.5~0.8%増加すると7年間も言い続けている。これは大本営発表だ。実際は年率0.1%程度しか増加しなかった。政府がむなしく言い続ける年率0.5~0.8%のデフレーター上昇率を達成するには、20~30兆円の財政出動を行う必要があることが、このグラフから分かる。
Photo_5 

政府の経済見通しが、全くの大本営発表であることを忘れてはならない。現状維持では、日本は急激な没落を続けるのだ。(小野盛司)

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コメントから

                             

読者さんから非常に興味深いコメントが寄せられたので掲載します。

 どうもマスコミや御用学者はミクロとマクロを一緒くたに議論して国民を煙に巻こうとしていますね。そう言えば数年前、竹中平蔵と財務省が大きな政府にした場合の成長率と小さな政府にした場合の成長率の資産を公表してましたね。当然大きな政府にした場合の方が税負担は大きいが成長率は高かったですが。確か大きな政府だと消費税が15%ほどで成長率が4~5%、小さな政府だと消費税は7~8%ほどで成長率は3~4%だったと思います。細かな数字は記憶が違ってるかも知れませんが、大体のニュアンスはわかると思います。当然国民生活に取っては大きな政府の方がいいに決まってます。もっとも試算では当然のごとく消費税を税源に当ててましたが、私は法人税や富裕層の所得税を上げるべきだと今でも思ってますがw

 株取引や金融資産等の不労所得に課税するのもいいかと思います。製造業が中心の日本ではそれがベストだと思いますね。米英型の金融資本主義は軍事力や国際政治力、諜報能力が無いと無理です。80年代の後半に日本が世界を金融支配しかかりましたが、所詮はバブルと言う徒花でしたね。案の定、謀略だか陰謀だか知りませんが、無残にも潰されましたが。これも政治力、軍事力が無いからでしょうね。国益に著しく反する事でも米国の言う事を聞かざるを得ない悲哀でしょう。冷戦構造がもう10年続いてれば良かったんでしょうけど・・・

 たぶん、構造改革=売国が済むまでは政府・日銀は本格的な景気対策はしないでしょうね。むしろ景気を冷やす事しかしないと思いますよ。まだ、三角合併も進展してませんし、JAやURも外資の手に落ちてませんしね。米国経済が凋落するか、日本を外資に売ってしまうまでは景気回復はないでしょうね。何かの間違いで小渕さんのような国益優先派が出て来ても潰されるでしょうねw 麻生さんは総理になる前に潰されましたからね。中川昭一氏も政権中枢に戻る事はないでしょう。いずれ2人とも自民党から追われるでしょう。民主党よりケインズ主義者が改革の一番の邪魔者ですからね。それもこれも来るべき衆議院選挙の結果次第ですけどね。

 最近急に改革真理教に逆戻りしたマスコミの論調を見てると難しいでしょう。共産党や国民新党や造反組、あるいは旧経世会の議員が勝つかたちが一番望ましいんでしょうけど・・・。もちろん改革派=清和会や民主凌雲会、チルドレンが議席を減らすのがベストですが。大阪府知事選挙の結果を見る限り希望は持てませんねw 相変わらずメディアの刷り込みに極めて弱い事を思い知らされましたからw メディアの洗脳に弱いいわゆるB層=主婦やゆとり世代から選挙権をはく奪する訳にはいかんのでしょうかね~?彼らだけが苦しめばいいんだが国政となるとこっちまで巻き添えを食らいますからね。と言うより、日本が確実に植民地化、弱体化されますから・・・

 そんなにみんな外資の奴隷になりたいんでしょうかねw 右翼を自称してる若者がなぜ小泉改革信者なのか良く分かりませんw 愛国者のはずなんですが・・・表面的な言動に弱い単なる馬鹿なのか、それとも工作員なのか・・・ 政治は結果だけ見ればいいと思うんですがね~。ミクロとマクロの違い、一企業が良くなる事と一国の経済が良くなる事の違い、国民の購買力=国内市場の大きさこそ国際的な影響力の大きさにつながる事なんてわかってないんでしょうな

 市場原理主義と共産主義は根っこは一緒でしょう。カルト的、原理主義的、一神教的性格は一緒です。中庸や和を尊しとする日本国民には極めて相性が悪いです。国内の特にシナ系や朝鮮系・韓国系と相性がいいのはそう言った訳でしょう。清和会も朝鮮系・韓国系が多いと聞きますしね。市場を支配してるのは市場原理じゃあありませんしねw 支配層の思惑が支配してる。支配層=金融資本や軍需産業が危うくなれば中央銀行が際限なく資金を供給しますし、軍需産業が危うくなれば口実を設けて戦争を仕掛けますしね。規制改革や民営化と言っても、いわゆる利権の移し替えをしているだけですしね。とくをするのは支配層=インサイダーとそれに近い御用商人だけです。その辺の構造を国民は認識する必要がありますね。国民に利益を薄く広くばらまいてた構造から利益の寡占、独占が始まるのだと言う事を。官から民へと言ってもあなた達に利益が還元される事はないんですよと。むしろ広く利益分配して来た仕組みを変えられるんですよと。その重要な点をマスコミは決して触れませんからね。規制業種の筆頭の癖にw

  政治は古来から役人がやるものと決まってます。政治家に取って最悪の行為は利権漁りや賄賂、汚職では無く売国です。現代社会では国力・国際的影響力・軍事力は経済力にほぼ一致します。政治家・官僚の仕事の第一義は国や国民を富ましめる事でしょう。米国の例を持ち出すまでもなく他国への影響力=国内消費市場の大きさでもあります。嫌でも米国に従うのはその点が一番大きいからですね。世界を動かしてるのはイデオロギーじゃなくて経済的な利益なんですね。いざ日中が対立した時には、米国は中国に付くと考える大きな理由の一つでもあります。この点では小泉政権こそ最悪だと言えますね。その後に続く清和会と創価公明による政治も一緒です。

 メディアはクリーンさを言いますが、売国に関しては見て見ぬふりを貫いてるw 戦後これほど国益を損なった政権はありませんよ。田中角栄は米国の言いなりにならなかった為にダーティなイメージのレッテルを貼られましたが彼ほど日本の国益第一で働いた政治家も少ないでしょうね。戦後唯一人米CIAの許可なしに総理に就任した人物らしいですしw とにかく今求められるのは平成の高橋是清であり、田中角栄でしょうね。クリーンさやイメージ先行の売国奴はもう要りませんよ。今度の選挙では清和会や凌雲会、チルドレンにとどめを刺したいものです。

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国の財政と家計とは比較できない(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十六弾です)
  http://tek.jp/p/

 財務省のホームぺージを見ていただきたい。
http://www.mof.go.jp/zaisei/index.htm


 「日本の財政を考える」という見出しがあり、その中に入っていくと次のような比較がある。無知な国民はこれを見て、財政が大変だから、増税・歳出削減が必要だと、簡単にだまされてしまう。

Kakeihikaku

 実際は、国の財政と家計とは似ても似つかぬ性格のものなのである。最も大きな違いは、国は通貨発行権という極めて重要な権利を持っているし、これは単なる権利ではなく、デフレなどのように、お金が足りなくなったらそれを補うために行使しなくてはならぬ義務でもある。家計は通貨を発行したら、重大な犯罪行為である。いくらでも通貨を発行できる国の借金と、全く通貨を発行できない家計の借金とは全く意味が違うのは明白である。更に、国の場合、歳出削減をすれば、間違いなく経済活動は鈍化し、税収が減るのだが、家計の場合はそれが全くない。単純に家計費を減らせば減らすほど家計の赤字は減る。更に、国家財政を考えるときは国全体のGDPを考えなければならず、国の経済の一部が国家財政だ。むしろ、そもそも政府というものは国民が金を出し合って、国を繁栄させるために活動させているのであり、国の経済を没落させることに奔走している政府なら必要ない。GDPを増やせば税収も増えてくる。GDPの増加率は歳出規模によって大きく変わる。家計の場合、GDPに相当するものは何もない。家計の黒字化は収入と支出だけ考えればそれですべてなのだ。

 そのような家計と国家財政を財務省が比較しているということは、財務省にとっては、自らの財政さえよければ、国の経済などどうなってもよい、国民はどうなってもよいという身勝手な気持ちの表れである。そういう利己的な財務省・政府の態度が、日本を急激に貧乏にしてしまった。国を貧乏にして財政が健全化するわけがない。国の借金のことばかり、気にしていて、国民生活は犠牲になってもよいと考えている政府。そもそも金に対する考えが全く間違えている。国は国民から金を奪い取ることが目的であってはならないのだ。お金は経済を繁栄させるための手段であり、だからこそ無制限に通貨を発行する権利すら政府に与えられている。臨機応変に通貨を発行し、経済を活性化させることが国の役割である。

 財務省がたとえ話に出した家計だが、収入が40万円、支出が58万円、ローン残高4600万円であれば、借金の返済は不可能だから、誰も金を貸さない。完全に破綻している。ということは、その家庭に貸している人は、金を返してもらえる訳がない。今、日本の財政状態がこの家庭とそっくりと言うのであれば、財務省は、「国債は間もなく紙くずになります」とアナウンスすべきだ。ところが、実際やっていることは逆だ。実は、多額の資産も持っているので、国債は絶対大丈夫だと、海外の格付け会社に説明しているのだ。そうであれば、この表の家計の欄に、金融資産も書かねば詐欺だ。どのくらい、金融資産を持っているか以下に示す。

出所 国民経済計算
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 国の借金はいつか税金で返さねばならぬという考えが、日本経済を破滅に導く。現在、国の借金は834兆円で、地方政府のものまで加えると1000兆円を超す。それに対して2007年12月現在、すべての個人、会社、地方公共団体の持っている現金、預金などすべてを合わせても(マネーサプライ、通貨供給量)732兆円しかない。現金だけならたった80兆円だ。国民の持っている金を全部奪っても(強盗だってこんな残酷なことはしない)国の借金を返すのは無理だ。国民の金を全部奪ったら、すべての企業は倒産し、GDPはゼロになり、国の借金のGDP比は無限大になる。国は、適度の量のお金を市中に流し、経済を活性化する必要があるのではないか。全部お金を巻き上げて何が嬉しいのか。国民に経済活動を可能にする適切な量のお金を流すために、国が国から借金をしてお金を手に入れるのがどうして悪いのか。我々はもっと国の借金に理解を示すべきではないだろうか。(小野盛司)

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