人口減少でGDPが伸びなくなるという嘘(小野盛司)
(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第二十弾です)
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多くの日本人は、これから日本の人口が減っていくのだからGDPは、もう伸びないと思っているし、政治家は経済政策の失敗で名目GDPが伸びなくなっているのに、それを人口減少のせいにしてしまう。しかし、GDPとは、そういったものではない。一人当たりのGDPの国際順位が日本はかつて2位だったのに、18位まで落ちたことが話題になっている。一人当たりのGDPなので、これは人口減少とは全く関係ない。経済問題で自殺する人が不況で6~7倍に増加していることはどうだろう。人口減少というなら、自殺者も減らなければならないはずだ。平均賃金が9年連続減少していることも、人口減少とは全く関係ない。唯一関係あるとすれば、名目GDPだろうが、OECD30カ国最下で、しかも日本以外で最低はスイスの3.5%に対して日本は僅か0.8%、その差2.7%。これに対して2000年から2007年までの生産年齢人口の平均減少率は0.4%しかないから、とても人口減少では説明はつかない。
出所 経済要覧 平成16年版 30人以上の事業所の常用労働者対象
上の図に示されているように、1960年から2000年までの40年間で労働時間は23.6%減っている。延べ労働時間で考えると、これは人口が毎年0.6%減って行ったと同じ効果がある。この間雇用者報酬は名目で41倍、実質で7.5倍になった。GDPは実質で6.86倍になった。これは年率に直すと実質約5%の成長を意味している。実質、0.6%ずつ労働資源が減少していったのに、5%ずつ経済は大きくなって行った。
今後考えられている労働力人口の減少は30年で20.2%だ。年率で0.67%だから、過去40年間の労働時間減少割合にほぼ等しい。そういう意味で過去40年とこれからの30年はそれほど大きな差はない。
0.67%の人口減少は、容易に生産性向上によりカバーできる。例えば農家1戸当たり農地面積は(農水省ホームページから)日本が1.8haであるのに対しアメリカ 178.0 ha、フランス 45.3 ha、イギリス55.4 haであり、極端に小規模な耕地では、生産性は極めて低い。大規模農業にすれば、生産性が大幅に上昇することは間違いない。年率0.67%より桁違いに大きな生産性向上が可能である。どの政党も農業の大規模化に消極的であり、しかも農家の猛反対がある。もちろん、農家に犠牲を強いる形で農業の大規模化を強行すれば、悲惨な結果となるが、景気対策により十分な雇用を確保し、農家が納得する保障を行うという前提であれば問題ないはずであり、国を豊かにする重要な第一歩となる。
大規模農業で生産性が上がれば、諸外国と経済連携協定(EPA)や自由貿易協定(FTA)を進め、経済協力が実現でき、国際分業でGDPを大きく押し上げることが可能となる。中国は近隣諸国と積極的にFTA締結に動き、日本との交渉が頓挫している韓国はアメリカとの交渉に入った。オーストラリアやASEAN諸国も中国などと交渉を行っている。この中で、日本だけが農業の近代化の遅れのために、孤立してしまうのと、日本はますます貧乏になってしまうのである。
日米で労働生産性を比較すると、輸送機械や一次金属など輸出型産業(業種)の生産性は日本の方が高い半面、運輸、商業、電気ガス水道など大半の非製造業では米国の約半分であり、このため経済全体の生産性も米国の約6割にとどまっている。多くの分野で、生産性を高めようと思えば、改革によって高められるのに、反対運動のお陰で、政治家達は極めて後ろ向きである。これも改革によって犠牲になる人たちに十分な保障をしないで、強行しようとするから、改革はいつまでも進まない。要するに金の問題が背後にある。逆に景気対策として十分な資金を準備すれば、改革はどんどん進むから人口減少など、全く気にしなくてもよくなるのである。
生産性を上げるときは、同時に国民に十分なお金を渡さないと意味がない。物をいくら生産しても、国民がお金を十分持っていないと、売れないから物余りでデフレが進むだけだ。つまりデフレ下では改革は進まない。国民の収入が増えて、どんどん物が売れ出したら、もっと物が作れるように工夫をするから生産性が向上する。デフレ下では、物が売れないから、生産性を上げてもっと多くつくる必要がないから、生産性は上がらない。だからGDPは伸びない。これが日本の現状だ。
GDPの拡大とは、例えば労働者がシャベルやツルハシを持って工事をしていた所にブルドーザーが登場するようなもの。生産性が上がるからどんどん仕事がはかどる。しかし、デフレだとお金が足りないから注文が来ない。折角ブルドーザーがあるのに、遊ばしておくしかない。国が減税などで十分なお金を市中に流すと、注文がどんどん入るようになる。ブルドーザーをフルに使えるから、ずっと多くの工事ができる。だから経済活動が拡大し、GDPが増えることになる。お金は環境対策にも使えるから、環境にもやさしいということになる。(小野盛司)
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(日本に希望を与える信念の男、城内実)
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