イタリアに学ぶ真の財政健全化策(小野盛司)
(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第十八弾です)
http://tek.jp/p/
日本は高くなりすぎた国の債務のGDP比を減らす必要があるのは間違いない。景気対策を行えば、GDPと税収が増えて、債務のGDP比は下がることをすでに計量モデルで示した。ここでは、財政赤字が巨額であればあるほど、むしろ債務のGDP比は低くなる例として、ギリシャとイタリアの財政を紹介しよう。イタリアの財政健全化策がお手本として示されることが多い。イタリアはEUに加盟しており、財政赤字をGDP比で3%以内にするという、ユーロ圏の財政基準に従うことが求められている。
イタリア105%。2006年の106.8%からは改善しているが、EU諸国では最悪の数字。2008年度も100%を越える見込み。ギリシア100.9%。イタリアとともに、2007年度において財政の累積赤字が国内総生産比100%を越える2カ国の1つ。来年は、97%に減るみこみ。ドイツ65.4%。昨年の67.7%から改善した。EU 平均の66.9%をかろうじて下回った。フランス 62.9%。マーストリヒト条約で定められた60%に近づいている。
マスコミには日本もイタリアなどと同様の方法で財政健全化策を行うべきだとういう論調が多い。しかし、それは全くの誤解である。イタリアは高い名目成長率を続けることができたからこそ、財政再建策が成功したのであり、それがそのまま日本にあてはまるわけがない。そもそも日本政府がお金を使い過ぎたから、債務のGDP比が増えたという説自体が間違いである。次の図を見て頂きたい。イタリアとギリシャと日本の財政赤字を比べた。イタリアやギリシャは日本よりずっと大きな財政赤字を続けていた。
しかしながら、次の図でみられるように、国の債務のGDP比は日本のほうがはるかに高くなっている。要するに債務のGDP比は、国がお金を使いすぎても180%を超えるというレベルにはならないのである。この点をほとんどの日本人は勘違いしている。
通常は財政赤字が拡大すればインフレが進行し、名目GDPはどんどん高くなる。1990年のギリシャの財政赤字はGDP比で14%に上っている。日本に焼き直せば、70兆円の巨大な財政出動に相当する。しかもインフレが進行している中で、この追加財政出動をしたということで、1990年の消費者物価は19.9%上昇した。そして名目成長率は20%を超えている。しかし、それでも国の債務のGDP比は限りなく大きくなるわけではない。このような巨大な財政赤字の後でも債務のGDP比は1995年で100%にすぎない。財政赤字が大きい方が、むしろ債務のGDP比は小さくなっていることに注目しよう。
イタリアはギリシャほど、財政赤字は大きくはなかった。それでも1990年と1991年はGDP比で11.4%という大幅な財政赤字であり、日本の財政赤字よりずっと大きかった。1990年の名目成長率は10.3%、消費者物価は6.4%上昇している。しかし、債務のGDP比は130%に留まっており、日本よりはるかに低いレベルだ。このように、債務のGDP比が120%を超すような高いレベルにあるときは、財政赤字が大きい方が、むしろ債務のGDP比は低く収まる事が分かる。
イタリアやギリシャのように、財政赤字が拡大し、インフレが進行したときには、政府に対し財政規律を守れと要求することは正しい。例えば1990年のギリシャのようにインフレ率が19.9%で名目成長率が20.7%というような状態は経済にとってよくないのは分かるだろう。意味もなくこのようにどんどん物価が上がるようでは、企業も個人も国も将来計画が立てにくいからビジネスもやりにくい。国が過度にお金を刷って、勝手に使うと、富が必要以上に国に集中するし、民業を圧迫するのは明らかだ。このような加熱した経済で増税や財政削減をすれば、どんどん債務のGDP比は減ってくるし、高すぎるインフレも収まってくるから一石二鳥だ。
しかしながら、日本はイタリアやギリシャの状況とは全く異なる。イタリアやギリシャにとって良い政策でも、日本には毒になる。日本の債務のGDP比が増えたのは全く別の理由だ。この2つの国と違って成長率は極めて低いデフレの状態にある。誰もが成長率を高めなければならないと思っている。不況で税収が落ち込んだため、それを補うために国債を発行しているため、国の債務はどんどん増える。しかし、名目GDPはほとんど増えないから債務のGDP比は異常に増えてしまった。名目成長率が高すぎる国であれば、それを低めるはたらきのある緊縮財政も適切であるが、日本のように名目成長率が低すぎる国に対して同じ政策を行なうと、名目成長率は更に低くなり、しかも債務のGDP比は逆に高くなる。このように名目成長率が高い国の政策を真似るときは、まず財政拡大により高い成長率に達した後で、景気が過熱気味に成った後でないと真似るべきでない。
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(日本に希望を与える信念の男、城内実)
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コメント
現在の親米新自由主義的政策を続けて、利益の有る国は米国でその中で苦渋の選択をしているのが、日本政府だと思われます。それは財界も同じでしょう。日本に差別階級制度を確立するためではなく、世界の平和のために耐え忍んでいるのではないのでしょうか?かっての日本のやり方がよりすぐれているのは自明です。もしそうし続けたらどうなるでしょう、世界は日本の真似をするでしょう。米国はその力を失うでしょう。フリードマン経済学が米国富裕層のためのものであったことは明らかだと思われます、その理論の完璧性にもかかわらず、最大の欠点はナンセンスであることです。机上の空論であることです。
投稿: | 2011年9月13日 (火) 20時43分
改革派がデフレ政策にこだわる理由。
日本のマスコミが絶対に触れない米国の真の姿。
チャンスの国米国なんてのは真っ赤な嘘。
実は階級固定化&世襲制社会。
社会的流動性は英国に次いで低い。
そんな社会を目指す今の日本の支配層の狙いは明か。
子々孫々まで楽して勝ち組みになろうと言う世襲制社会の確立ですね。
財政健全化や国際競争力ってのは体の良い言い訳、錦の御旗として利用してるに過ぎない。
むしろ逆に改革後は悪くなってる。
要するに日本の事、国民の事なんぞどうでも良くて階級分化社会・世襲制社会を作るのが本当の目的かと。
そうだと仮定するなら理解に苦しむ政策の数々も納得でしょw?
財政が苦しいと言いながら米国をはじめ外国には大盤振る舞いをし、所得税の最高税率や相続税下げたり、ゆとり教育導入したり、デフレ維持策取ってるのはみんなその為だと考えると非常に辻褄が合うでしょ?
そもそも移民社会、人種のるつぼである米国と違って単一民族の日本でこう言った社会にする合理性なんぞ一つも無いと思うがな。
米国でWASPや湯駄屋の優位制を保つ為にはしょうがない面もある罠。
だけど日本でそれをやる理由は?
現在の支配層は日本人じゃなかったりしてねw
彼らもそんなに能力に自信があるんなら米国に移民すれば良いのにね。
ね、竹中さんに小泉さんw
トヨタもキャノンも米国に移った方が良いんじゃ無いの?
http://hiddennews.cocolog-nifty.com/gloomynews/2006/12/post_c618.html
ニューヨーク市民、食事も買えない貧困層は15%
AP通信11月21日付報道によれば、ニューヨーク市民の内15.4%は食費にも困る貧困層で、2006年末までにその数はさらに11%増加すると予測されている。ニューヨーク市住民810万人のうち、フードスタンプ(低所得者向け食糧供給制度)受給者はおよそ110万人にのぼるという。(市民団体『ニューヨーク市飢餓対策連合(New York City Coalition Against Hunger)』が発表した調査による)
超格差社会と経済隔離政策
そんなアメリカの超格差時代はいつからはじまったのか?1976年、企業CEOと一般労働者の収入格差は36倍だった。それが1993年度には131倍になり、軍事産業がイラク戦争特需に沸いた2004年度では、企業CEOと一般労働者の収入格差は431倍にもなっている。
資産ベースでみると、アメリカでは上位10%の富裕層が国内資産の70%を保有している。フランスでは61%、イギリスでは56%、ドイツでは44%、日本では39%というから、米国の富の集中度は凄まじい。
莫大な資産は努力の結果だろうか?まあ、そうでもない。フォーブス400にランクインする資産家の42%は、ジョージ・ブッシュと同じく、ただ単に親の資産を相続しただけで、相続税の撤廃を主張する以外に努力などしていない。米シンクタンクの研究によれば、アメリカでは、富裕な家庭に育った子供がトップ5%の超金持ちになる確率は、貧困家庭に育った子供よりも22倍高く、下位25%の家庭で生まれた子供が黒人の場合、そのまま貧困層に留まる確率は白人より2倍多い。
貧困層から富裕層になれる確率(社会的流動性)でいえば、デンマーク、ノルウェイ、フィンランド、カナダ、スウェーデン、ドイツ、フランスのほうがアメリカ合衆国よりも機会に恵まれる(「アメリカンドリーム」を実現しやすい)ことが調査で判明している。先進諸国でアメリカよりもチャンスの少ない国はイギリスだけだという。(大英帝国から新大陸を目指した人達の願いはかろうじて適ったわけだ。)
投稿: | 2008年2月 4日 (月) 09時05分