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2008年3月 7日 (金)

政府よ、企業に賃上げの圧力を掛けるのをやめよ(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第三十九弾です)
  http://tek.jp/p/

 福田首相は、3月6日のメールマガジンで、賃上げを促したそうだ。賃上げがなされれば、消費が拡大し、経済成長が加速すると考えているのだろう。全くお粗末な考えと言わざるを得ない。春闘に政府が介入するなど、愚の骨頂だ。

 よく考えて欲しい。政府の経済政策の失敗によって、本来優秀な日本企業がどれだけ不利な立場に立たされているか。世界の株式の時価総額は1990年には日本のシェアは32.9%だったのに、2007年は7.3%までに低下、最近10年間の株式の騰落率は世界52カ国中で下から2番目の51位。株式時価総額で世界トップ20に入っていた日本企業は1989年には14社あったが、2007年には18位のトヨタだけになった。港湾や空港の取引量、利用頻度等、みるみる国際的に没落しているのには目を覆うばかりだ。

 法人税は国際的に見て高い。法人税が高い国からは、優秀な企業は、より法人税が低い国へと逃げていく。一人当たりのGDPが世界一のルクセンブルグは法人税が低い。税率を低くしても優秀な企業がたくさん入ってくるなら税収は潤う。筆者もかつてルクセンブルグの近くに住んでいたことがある。ルクセンブルグには、周りの国からどっと買い物にやってくる。

Photo

 なによりも忘れてならないことは、日本がデフレ経済ということだ。つまり、政府は国民に経済活動を行うに十分なお金を渡していない(これがデフレの定義と言って良い)。国民がお金を持っていなければ商品を売りようがないから、企業は発展しようがない。設備投資ができないから、古い効率の悪い機械をいつまでも使い続けるしかない。国際競争力ランキングも世界一から2007年には24位にまで落ちた。

 日本企業をこのような逆境に置いたままにした政府の責任は極めて重大だ。デフレーターがマイナスに転落したのは1994年だから、日本は何と14年間もデフレ経済から抜け出せないままでいる。

 経済政策の大失敗で、これだけ企業の足を引っ張っている政府だが、更に賃上げというハンディーを企業に加えようとしている。どこまで企業を痛めつければ気が済むのか。原油や素材価格の高騰、そして円高が加わって企業を苦しめる。これでは国際競争力落ちるばかりだ。

 今、政府がやらなければならないことは、減税や歳出拡大をして、国民に十分なお金を渡し、国民を豊かにし、国際的に対等に競争できる状態に戻すことだ。国の借金に関しては、内閣府のマクロ経済モデルを使った試算「進路と戦略」で、はっきりと示されている。積極財政でGDPが増えて、国の債務のGDP比は減少していき財政健全化ができるのだ。国の借金は日銀に買わせると良い。

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コメント

JAXVNさん、こんにちは。

 おっしゃるとおりです。構造改革路線を根本か
ら見直さない限り苦境はかわりません。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年3月 8日 (土) 09時33分

こんにちは。
この福田首相の経団連への賃上げ要請については評価する人もいるようですが、「構造改革路線」の転換をせずに企業のみに負担を要求するというのは小野会長のおっしゃるとおりまったく本末転倒であると思います。まず政府が財政出動を行い、減税を行い、その上で企業にも従業員に利益の還元を呼びかけるのが順序という物です。福田首相の行動は、単なるパフォーマンスでしかありません。それも、そのことを分かっていてわざとやっているとしか思えません。

投稿: JAXVN | 2008年3月 8日 (土) 08時29分

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