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2008年3月24日 (月)

日本経済の4重苦:円高、株安、原材料高、米国不況(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第四十七弾です)

 日本経済の停滞に対して、海外の厳しい目が注がれている。英エコノミスト誌は 「JAPAiN」と題した日本に関する特集記事を掲載した。JAPANとpain(苦痛)をかけた造語である。円高、株安、原材料高、サブプライムローン問題によって引き起こされた米国不況など、日本経済を取り巻く環境は厳しい。それぞれが、どの程度日本経済にダメージを与えるのかを、詳しく説明するつもりはないが、それぞれ悪影響を及ぼすのは間違いない。

 円高に関しては、様々な意見がある。円高でも企業は頑張るべきだという意見も多い。しかし、頑張れば経済が発展するといった簡単な話ではない。円高でも利益を出している企業があるではないかと言う人もいる。円高だと輸入物価が下がり、消費が伸びるから、景気が回復するといった珍説まである。しかし、日本経済は外需の伸びで今まで支えられてきた。輸出企業にとっては、円高は厳しい。

 円高とは、日本製品を一斉値上げするようなものである。1割円高になれば、外国にとって、日本のすべての商品が1割高くなる。値上げしたら売れないということなら、値上げせずに企業が差額を負担する。そうすると企業の利益が減る、あるいは赤字になって商売にならなくなる可能性もある。もちろん、原材料が輸入品であれば、円高で原材料が安くなる可能性もあり、企業によりまちまちである。果たして、円高が日本経済にプラスなのか、マイナスなのかを考えるには、マクロ計量経済学に基づいたシミュレーションを行い、様々な要因をすべて組み込んで計算すればよい。

 日経新聞社の経済モデルを使い求めた結果を下の図で表した。一番下が何もしなかった場合の実質GDP、そのすぐ上が、円売りドル買いの介入をして、10円の円安にしたとき(例えば1$=100円から1$=110円にしたとき)であり、その上が20円の円安、その上が30円の円安のときである。参考のために、10兆円~50兆円の財政出動をしたときの、実質GDPも示した。

 このグラフで良く分かる。円高は間違いなく、日本経済の成長にとって害になり、その意味でドル買い介入のメリットはある。円高で景気が良くなるという珍説は完全に否定される。では、為替介入をしたらどうだろう。現在は巨額の資金が国を超えて動き回っているから50兆円程度のドル買い円売りの介入でも、10円の円安は難しいのではないか。第一50兆円の介入をしようとすれば、まず政府が国債を発行して円を手に入れ、その円でドルを買うわけだから、国の借金は確実に増える。それによるGDPの増加はほんの僅かしかなく、間違いなく国の債務のGDP比は増える。しかもドルを持っていても、人為的に値上がりさせたドルが、将来値下がりすることも考えられ、その場合は巨額の差損が発生する。

 同じ50兆円を使うなら、財政出動で減税や歳出拡大で国民のために使ったらどうだろう。この図で分かるようにGDPを押し上げる効果は数十倍はある。そのため国の債務のGDP比は下がってくるし、税収も回復してきて財政が健全化する。財政出動のほうが、為替介入よりはるかに良い。株安、原材料高、米国不況による悪影響がどれだけか、一つ一つ議論するつもりはないが、それなりの悪影響は確実だ。重要なことは、それらの悪影響を一気に挽回できるほど財政出動の効果は絶大なのだ。政治家の決断次第で日本経済のV字回復は可能なのだ。最悪なのは、何もしないこと。本日(2月24日)の日経新聞にも内閣支持率が31%に急落しており、安倍内閣末期の支持率程度まで下がったとのこと。日銀総裁の件では民主党も支持率を下げたとある。

 台湾総統選挙も終わり、これで、台湾も韓国も経済のてこ入れを重視することが鮮明になった。日本は台湾・韓国などとは比べものにならないほど経済が悪化している。しかし、幸いなことに、デフレ経済であるのだから、財政政策が極めて有効であり、しかも当分はインフレ率が高すぎるような事態は起こりそうもない。今こそ政治家は目先のプライマリーバランスの改善ではなく、国民に目を向け、経済を復活させ、経済成長による財政再建を目指すべきである。(小野盛司)

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“お知らせです” 

 3月26日の日本経済復活の会の定例会

3月26日(水曜日)、東京にて宍戸駿太郞先生の講演があります。日本経済復活のために今何をすべきかという大変貴重なお話を聴くことができます。皆さんも是非、積極財政論の真髄を味わってください。小野会長のお話とともに、日本経済復活の希望を得て帰っていただきたく思います。弁当やお茶の用意がありますので、決まったら上記案内をご覧の上、小野会長宛にご連絡ください。電話でもメールでもけっこうです。(神州の泉・管理人)

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コメント

短期的に見れば円高で得をする人がいるかもしれませんが、長期で見れば円高は日本経済にとって絶対にマイナスです。
ドルの単独安と言われるのでちょっと調べてみました。
       2006/3   2008/3  騰落率
1ドル   116円  100円   86%
1ユーロ  140円  157円  112%
1ポンド  230円  200円   87%
1ウォン   0.12円    0.1円   83%

ユーロは確かに円より高くなってますが、その他は円高ですね。
ドルを買い支えろなんてバカな事は言いませんよ。
どこまで落ちるか分からないんですから。
円をどんどん刷って内需拡大に使えばいいんです。

ところで日本政府は1ドル130円の頃、大量に米国債を買って、現在凄まじい評価損になっているはずですが、誰が責任を取るのでしょう?

投稿: ビンモハマド | 2008年3月27日 (木) 23時02分

企業利益が過去最高を更新し続けているのに従業員や下請けに対する還元率が下がってるのは文字通り構造改革の結果ですよ。
持ち合い解消、護送船団方式解消して捨て値で害人に売っちゃいましたからね。
で、その上で株主利益最優先にモデルチェンジしちゃいましたから。
これじゃあ給料や下請けに対する支払が増える訳はないです。
その代りに株式配当金だけはウナギ昇りに増えてます。
ところで米国や新自由主義者=金融資本のダブスタぶりには本当に呆れますね。
彼らが日本にあれほど要求して来た事はなんだったんだと。
てめーのところがまず率先垂範しろとw

アメリカと欧州が資本主義を完全に放棄、共産主義国入り
http://blog.goo.ne.jp/sdfa2000

・またこんな社会主義的で資本主義を完全に否定することを
 米欧の金融機関がやっている。


・民間の不良債権を欧州中央銀行がユーロ印刷して9兆円も買い取り
 しかも時価会計で損失処理せずに買値の時の価格で買い取っている。

2008.3.22
欧州、公的支援で“安定”・サブプライム危機
 米金融界が信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題の対応に追われる一方、欧州では一部の銀行で巨額損失が発覚しても市場全体は何とか小康状態を保っている。欧州中央銀行(ECB)や各国政府による実質的な「公的支援」が危機を抑え込んでいるためだ。ただ、専門家の間では、問題の先送りにつながるとの指摘も出ている。

 スペイン最大の住宅金融会社はECB――。金融関係者の間でこんな冗談がはやっている。同国の民間銀が住宅ローン証券などを担保にECBからの借り入れを急増させているのだ。証券化市場で銀行が調達できなくなった分をECBが肩代わりしている格好。昨年12月だけでこの方法による資金供給額は440億ユーロ(約6兆7000億円)と通常の2倍強に膨らんだ。(07:03)


・アメリカも
 民間の不良債権を米国中央銀行FRBがドル印刷して20兆円も買い取り
 しかも時価会計で損失処理せずに買値の時の価格で買い取っている。

2008.3.22
米2公社、2000億ドル拡大・住宅ローン債権買い取り枠
 【ワシントン=藤井一明】米連邦住宅公社監督局(OFHEO)は19日、住宅金融を手がける2つの政府系公社の住宅ローン債権の買い取り枠を2000億ドル拡大する対策を発表した。両社は不正会計事件を起こした再発防止策の一環で、通常求められる自己資本の最低基準を30%上回る資本を確保するよう求められている。これを20%超でも構わないようにして、当面の自己資本の調達を気にせず柔軟に資産を増やせるようにする。

 対象は連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)と連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)。


・しかも今度は無制限に米政府が民間人の住宅ローンの連帯保証人になるって。
 これでホームレス、浮浪者でも住宅が買える。
 アメリカが資本主義を完全に放棄、共産主義国入り。

 更新: 2008/03/23 16:40

住宅ローン「担保割れ」も債務保証・米政府、借り手救済新提案
 【ワシントン=藤井一明】ジャクソン米住宅都市開発長官は信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)の返済に苦しむ借り手を救う新たな対策として、ローンの借り換えを支援するための債務保証の拡大を提案していることを明らかにした。市場で取引される実勢価格が担保価値を下回る「担保割れ」の物件を保有する人を対象に、国が借り換え前のローンの80―85%を債務保証する内容だ。

 21日付の米紙ワシントン・タイムズとの会見で表明した。長官はすでにホワイトハウスに原案を示しており、近く承認されるとの見通しを示した。

投稿: | 2008年3月24日 (月) 23時36分

せ 様

 はじめまして。コメントありがとうございまし
た。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年3月24日 (月) 23時30分

私も円高の方がいいと思いますね。
内需重視の政策に転換するいい機会です。
それに構造改革によって輸出で稼いでも国内に利益還元されなくなりましたからね。
それから為替介入はやめた方がいいって事には大いに賛成です。
一時的な効果しかありませんからね。
米国債買いで泥棒に追い銭するようなもんですからね。
それから日本株の害人売りですが、気にする必要なんてないんじゃないですか?
途上国じゃああるまいし、日本企業や日本人が米国株や外国株売って買い戻せばイイだけ
なんじゃないですか?
もともと日本の株式市場では害人比率は低かったですからね。
好景気の時ほど低かったですもん。
株主配当金は過去最高の8兆円を超えましたからね。
買って損はないはずです。
短期売買で利益を求めない限りお得だと思いますがね。
たぶん米国やその傀儡勢力は嫌がるでしょうけどw
持合い復活だ、護送船団復活だ、閉鎖的な市場だと言ってね。

投稿: | 2008年3月24日 (月) 23時29分

unndercurrent様

 はじめまして。コメントありがとうございまし
た。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年3月24日 (月) 23時28分

ブラックマンデー以降、こぞって従業員の早期退職とサービス残業の繰り返しで利益確保してきた「安易な判断」が労働者にして消費者でもある国内購買者の経済的余力をとことん枌落としてしまったわけで。
GDP上昇だって結構為替差益におぶさってたわけで。
にもかかわらず、経団連は内需刺激策としてもっとも正攻法であるはずの賃金上昇や雇用促進という国内投資に積極的ではないという現状。

こりゃもう日本だめかも。

投稿: せ | 2008年3月24日 (月) 22時37分

今回進行しているのは、正確にはドル単独安であり、一概に円高=悪とは言い切れないように思います。
このドル単独安に円が追随し、ドルペッグ制をとり続けると、日本はインフレになってしまいます。

以下は私のブログの関連エントリー
http://blog.livedoor.jp/gblue999/archives/193557.html


NBOnlineにも関連記事があります。良い記事です。
さらば円高恐怖症 株安・不況の連鎖を断て
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20080321/150815/
「つまり、全体では依然として円安で、それを米国依存度を下げてきた日本企業は享受している。欧州事業が好調で、ユーロ建てでの取引額がドル建てを超えている電動工具最大手のマキタや、消費地であるアジアや欧州へ生産を移管している味の素などでは、今回のドル安による影響は緩和されるという。」

「野村証券金融経済研究所の試算によると、業種別では、95年には自動車業界は1円円高になると経常利益が5.3%減少していた。電機・精密業界では1.9%減少、製造業全体でも2.9%のマイナスだった。しかし、2008年になるとその割合は大幅に縮小する。自動車では0.8%、電機・精密では0.6%、製造業全体では0.6%だ。」

「 日本全体では、ドル建ての取引は輸入額の7割、輸出額の5割に及んでいる。この構造から見ても円高の方が国内経済への好影響をもたらす。」

投稿: undercurrent | 2008年3月24日 (月) 16時59分

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