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2008年3月18日 (火)

日銀総裁人事の議論で欠けるもの(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第四十四弾です)

 日銀の総裁人事は混迷を極めている。しかし、この人事が重要であるとして、なぜ重要なのかを正しく指摘した論評を見たことがない。金融資本市場が荒れる中で「通貨の番人」と呼ばれる日銀総裁ポストに空白が生じれば困るというだけなのか。空白を作らねばそれでよいのか。

 最も重要なことを忘れている。それはどうやってデフレを脱却させ日本経済を復活させるかということだ。どの候補がデフレ脱却のための具体策を持っているかという議論は一切無い。候補者にそのような質問をする勇気のある人物さえ、存在しない。質問しているのはただ一つ、誰が「買いオペ」をしない(お金を刷らない)人物かということだけ。

 私は、気は確かなのかと言いたい。デフレの時に買いオペを禁止したら、デフレは絶対に脱却できない。日本はますます貧乏になるだけだ。これはまさに世界大恐慌を引き起こしたフーバー大統領や昭和恐慌を引き起こした井上準之助蔵相の取った最悪なる政策だ。どうしてそのように歴史的な危険人物を日銀総裁に就任させたいのか。デフレ問題の世界第一人者であるバーナンキFRB議長が来日して買いオペを勧めた事を、重く受け止めて頂きたい。

 金融政策とは買いオペもあれば、売りオペもある。財政政策には拡大路線も緊縮路線もある。両方を臨機応変に使い分けて、この厳しい経済情勢を乗り切らなければならないのに、買いオペも財政拡大も禁止してしまったら、アクセルの壊れた車を運転しているようなものだ。図1を見て頂きたい。日本の成長率は群を抜いて遅い。これではまるで高速道路を自転車のスピードで走っているようなもの。周りの国にどれだけ迷惑をかけているか分からないのだろうか。更にスピードを落とそうと考えている人たちの気が知れない。

 成長率が遅すぎれば買いオペ(お金を刷ること)で景気を加速し、速すぎれば売りオペ(お金を回収)で景気を冷やす。これはどの経済学の教科書に書いてある。日銀は何をやっているのか。図2を見て頂きたい。なんとデフレが続く日本経済で、更に景気を冷やすために売りオペをやっているのだ。世界の中でノロノロ運転をしている日本経済の成長を更に遅らそうとしている。可処分所得が下がり、消費が盛り上がらなくて困り果てている日本経済だが、国民から更にお金を奪い取ってしまおうとしている日銀。本当にこんな日銀は必要なのだろうか。

 デフレなのに、買いオペが嫌いな人が多いようだが、買いオペしたらどうなるのか。国債(国の借金)を日銀が買い取り、莫大な国の利払いが日銀に戻って国庫に返る。それだけではない。国債が日銀に買われた替わりにお金が銀行や郵便局等に流れていく。そのまま遊ばしているわけにいかないから、何かに運用する。例えば一部は株に流れるから株は上がる。株式の時価総額は、株式市場に流れたお金の10倍も増える。それだけではなく、お金不足で極端に収縮した日本経済を活性化し、税収も増え、デフレ脱却も可能とする。それが、当然国の借金を減らしていく。また名目GDPも増えるから国の借金のGDP比は大きく減少する。運用先は国内だけに留まらず海外にも流れるだろうから、ドル安、円高の流れをストップさせ、輸出企業には、恵みの雨になる。

 経済が強くなれば、当然、円の信用も増してくる。最近十数年の間で、日本経済の没落は目を覆うものがある。それは取りも直さず、円の信用の低下を意味している。かつてドルが高い信用を得たのは、アメリカの経済力だったし、今、ドルの信用が揺らいでいるのは、アメリカ経済が世界の中で埋没しつつあることに起因している。それと同じだ。円の信用を高めようと思えば、お金不足で息絶え絶えの日本経済にお金を供給することで、息を吹き返えらせることしかない。(小野盛司)

図1
2007

図2
Photo


※おしらせ 

 3月26日の日本経済復活の会の定例会
にて、宍戸駿太郞先生の講演があります。日本経済復活のために今何をすべきかという大変貴重なお話を聴くことができます。皆さんも是非、積極財政論の真髄を味わってください。小野会長のお話とともに、日本経済復活の希望を得て帰っていただきたく思います。弁当やお茶の用意がありますので、決まったら上記案内をご覧の上、小野会長宛にご連絡ください。電話でもメールでもけっこうです。(神州の泉・管理人)

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» 武藤敏郎日銀総裁NO!は当然である [月刊「記録」編集部]
どうやら武藤敏郎日銀副総裁が総裁に就任する目はなくなったようだ。慶賀に堪えない。 [続きを読む]

受信: 2008年3月19日 (水) 00時38分

コメント

宣誓
次回の北京オリンピックに関わる映像、コマーシャル、製品、関連イベント、その他全ての事物の一切を断固拒否する事を宣言します。2008.3.20.Thu

投稿: fukuro | 2008年3月20日 (木) 06時26分

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