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2008年4月29日 (火)

国は、「次は消費税アップ」を狙っています(いかりや爆さん第5弾)

(5)国は、「次は消費税アップ」を狙っています。 

山口二区の衆院補選は、大差で民主が圧勝した。
山口二区は安倍前首相のお膝元の選挙区、強固な自民党王国が崩れたのである。後期高齢者医療制度への批判が響いたと福田首相以下、自民幹部は言っている。私はそうは思わない。

 彼らは見誤まっているか、さもなくば後期高齢者(長寿?)医療制度に問題をすりかえているのだ。後期高齢者医療制度への批判がなかったとは言わないが、この制度の真の問題は2年毎に見直しされる点にある(2年毎に少しずつ負担増間違いなし)。

 今回の山口補選は、「暫定税率(ガソリン税)復活」への反発が大きい。
 地方は車がないと暮らせない仕組みになっている(過疎の村も、地方の町も)。私は昨日(4月28日月曜)は大型連休のはざまであるが、午後のすいている時間帯を狙って大型量販店のガソリンスタンドで給油した。月曜日の午後、普段ならガラガラの時間帯が、昨日は長蛇の列だった、庶民の生活防衛のための駆け込み給油である。ガソリン代の値上がりは、個人の生活に響くだけではない、産業界全体に及ぼす影響は計り知れない。

 福田首相は免税による経済効果を無視している。彼もまた小泉元首相同様、国民から「むしりとる」ことしか考えていない。表向きは消費者重視を言いながら、緊縮財政、財政均衡にしか関心がない。
 こんな福田首相に「日本経済復活」への希望を託しても無駄のようです。 

 それどころか、支持率ダウンしようが、次期総選挙で敗れようが、消費税アップへの道へまっしぐらに進むかもしれない・・・私はそれを恐れる。

 参院は野党多数なのだから、「消費税アップ」は否決されるに決まっている。自分の政権で獲得した議員数でもないのに与党衆議院員数、三分の二以上のこの時機を狙って『消費税アップする』それが自分の使命(仕事)であると誤認識して・・・・衆議院員数三分の二以上の再可決を目論んでいる。この時機を除いたら、消費税アップできる可能性はないのだから・・・。

 それこそ、与謝野氏ではないが、『耳障りなことを言う、それが私の仕事である。』と言うように、『国民の嫌がることでも、正しいことをやる、それが私の使命(仕事)である』といかにも正論であるかのごとく主張するに違いない。それに多くのマスコミや似非(えせ)エコノミストが同調する。そして国民も「消費税アップもやむを得ないのか」という雰囲気作りに騙される・・・小泉郵政選挙のときのように。小泉の郵政選挙はまことに罪深い、・・・困ったものです。

 『デフレ下で消費税を増税をさせてはいけない』と小野会長第54弾(4月5日号)で指摘の通りです。これ以上の経済の悪化を招いてはならない。

 『(3)多重債務者「おちこぼれ」ニッポン』で述べたように、ニッポンの経済政策は世界から「おちこぼれ」ている。にもかかわらず、その自覚症状を持てない無能な政治家ばかり、国民こそ哀れ。

 ここ10年来、自殺者は毎年3万人を越えている、なかでも経済的理由が多いことは小野会長の指摘通り(第四十八弾、景気悪化を放置する政府 3月27日号 )。実際には、統計に表れる以上に経済的理由が多いと思われる。また経済的理由で自殺した人は一家の大黒柱が多く、悲劇を増幅させている。

 福田首相の年頭挨拶で、『私は、本年を生活者・消費者が主役へと転換するスタートの年にしたいと思っております』と述べています。今となってみれば、ほとんど嘘っぱちですね。
 先日の小沢民主党々主との国会での討論で福田首相は「苦労しているんです。かわいそうなくらい苦労しているんです」とぬかしおった。
その翌々日には、政界、経済、文化、芸能界、スポーツ界、および各国の駐日外交官、新聞記者ら多くの著名人1万人余りをを招いて「観桜会」、福田首相は満面の笑みを浮かべ出席者と握手を交わしたり、写真を撮ったりのパフォーマンス。

 ほんとうに『かわいそうなくらい苦労しているのは庶民』じゃないですか。普通に働けば、何とか並みの生活ができる世の中でありたい。

 昼間もパート、夜も別のパートタイムで働いて家族を支えざるを得ない多くの人がいる。消費税アップはそれらの人々にさらに重くのしかかります、この人たちへ配慮は微塵もなし。
 この不況下で電気、ガス料金の大幅アップ、関連して諸物価高騰の折に消費税アップは、ますます経済を萎縮させ、国民生活を苦しめること明々白々です。庶民もそこまで馬鹿ではないと思いたい。

 『財政再建成って、経済を破壊し、民のかまどを壊(こわ)す』。なんでこんな自虐的、自滅的の政策を採ろうとするのかわからない、大いなる「謎」だが(アメリカがプラザ合意以来陰で糸をひいている?)。

 自民政治家には、もうまともな政治家はいないのかよ・・・まともな政治家は亀井静香氏らの国民新党や、平沼氏らのグループだったが、いずれも自民党からはじきだされて小さくなった・・・繰り返すが、小泉の郵政選挙はまことに、まことに罪深い。

 社会保険庁の底知れないめちゃくちゃな業務、国交省のあきれた無駄遣い。国民の血税の無駄遣いを棚にあげて、政府は何かにつけて「財源がない、財源がない」を繰り返しています。
 財源がないと言いながら、国民になんの説明することなく外債(そのほとんどは米国債?)を買いまくっています。小泉政権成立H13年3月末から今日まで7年間で、約65兆円の外債を購入している、返金されるあてのないマネーが年間平均9.3兆円も外部へ流れていることになる。ガソリン税の税収どころではない。このような事実を福田総理は知ってか知らずか、それともタブーなのか。

 民主党のガソリン税撤廃について福田首相は人ごとのように、「財源不足はどうするのですかね」と言う、年金問題、医療問題いずれも、根っこの問題は財源不足です。国民からこれ以上搾り取ることは不可能な状況になっています。いずれは「消費税アップしかない」と国民を洗脳しているのです。

 消費税アップは、『為政者(政治家と官僚)が作った借金の付け』を国民に回そうというものです。

 「国民のレベル以上の政治はあり得ない」、政治こそ国民の自己責任であることを知るときである。

蛇足:
 小泉元首相は「私の政権の間は、消費税アップはやりません」と何度も広言していた。
 「私の政権は消費税アップのような酷税はやりませんよ」と、いかにも「やさしい政権」であるかのようにみせかけた。その裏では、国民年金保険料引上、発泡酒など酒税たばこ税の引上、配偶者控除の廃止、個人住民税非課税措置廃止などなどありとらゆるところ、庶民から搾り取った。今回の後期高齢者医療制度は、小泉政権の遺産である。
私の政権では「消費税アップをやりません」と言いながら、民から搾り取ったところが小泉政権の悪辣なところです。
「どうせ国民はすぐ忘れるんだから」と国民を愚弄しているんですよ。

 いずれ、国民皆保健制は崩れ、高額医療はアメリカのようにすべて自己負担化、金のあるものは自分で保険をかけるざるを得なくなる。最近は、外国の保険会社のTVコマーシャルの多いこと、着々とアメリカ化が進んでいる。アメリカは自己破産者は約150万人、人口当たりの破産者数は日本より数倍高い。その自己破産者の約半数が高額医療を払えなかった人だという。このままアメリカ化が進めば、やがて日本も貧乏人は病院から追い出される時代が来る(もう来ている?)。

 “おしらせ”

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2008年4月28日 (月)

山口補選で国民の審判は下った。政府は国民の声を真摯に受け止めよ(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第65弾です。)


 福田総理にご進言!!

 福田政権で初の国政選挙となった衆議院山口2区補欠選挙は27日に投開票され、自民党候補が大敗した。後期高齢者医療制度への批判、暫定税率復活への反発が、この大敗に繋がったと思われる。国民の不満がまだ政府に伝わらず、何の反省もせず、現在の政策の延長をただ続けるだけであれば、政権崩壊への道を進むのは目に見えている。

 福田政権は国民と対話し、広く意見を聞く意志は無いのだろうか。小泉内閣でもタウンミーティングで国民の声を聞いていた(少なくとも聞くふりはしていた)。福田政権は同様のミーティングを開いていない。3月14日の予算'委員会で自見庄三郎参議院議員が宍戸駿太郞氏と大田大臣の公開討論会をすべきだという提案に対し、福田総理が、やるべきだと言っておられた。大田大臣も、「討論会、総理の御指示ということであればやらせていただきます」とはっきり言っておられる。しかし、1月半が経った現在、具体化していない。国民を騙したのか。

 国民は苦しんでいる。定率減税廃止で所得税が上がった。社会保険料も毎年値上げ。食料品、ガソリン代など上がり続けている。その反面平均賃金は9年連続減少、可処分所得はどんどん下がっている。折角、暫定税率廃止でガソリン価格が少し安くなったと思ったら、もう値上げだそうだ。75歳以上の貧しい老人の年金から、健康保険料が引かれるということを知って、自殺した老人もいる。

 政府は、財政が苦しいからと繰り返すだけだ。お金がなければ刷りなさいというのが、我々のアドバイスだ。国は通貨発行権を持っている。すべての独立国に与えられた最も重要な権利である。このような国家の危機に際しては、当然、この権利を行使しなければならない。

 徳川吉宗の成功例をここで示してみよう。吉宗が将軍になったときは、インフレの時代であり、しかも幕府は巨額の借金があった。新井白石から「通貨の量が多すぎるからインフレになる」との説明を受け、通貨の量を3分の2に減らし、その結果インフレは止まった。徹底した倹約を進める一方、新田開発をすすめ米の増産をした。ところが、米の生産量が増えたのに、通貨の量はそのままだったので、今度は米の値段が下がり、その結果、米を支給してもらって収入を受けていた武士の生活を圧迫するようになり不景気(デフレ)となった。しかも1732年に害虫のため飢饉となったおかげで、財政が悪化していた。吉宗は米の相場を維持するため、あらゆる手を打つが失敗。1736年5月、吉宗は究極のデフレ対策として、通貨を増発した。倹約家の吉宗にとって、通貨の増発は、大変な決断であったに違いない。新しく鋳造された「天文金銀」は、それまでの貨幣の2倍に相当する量。これで景気は回復し、米価は期待通りの水準に戻り、それ以外の物価は恐れていたほど上がらず、武士の暮らしもよくなり、町民も仕事に励むことができるようになったという。

 生産力(供給力)が向上したのに、通貨の量を増やしていないからデフレが進行し、国が借金を増やしているのは、今の日本と非常に似ている。このような時期に通貨の量を増やすと、デフレが止まり、景気が良くなり、思ったほどのインフレにはならないということは歴史が証明している。何よりも重要なのは、生産規模に合わせ通貨の量を増減させないと、経済はうまくいかないということである。現代と違うのは、通貨の量を増やすときに国債という形を取らなかったために国の借金にはならなかったことだ。政府が直接お金を発行した。当時は小判に金を混ぜていた。金の量が限られていたので、小判に混ぜる金の量を少なくして、通貨の増発をした。生産力(供給力)が増大したとき、お金を増やす必要がでてきたら、お金を増やせばよい。

 福田さんにご進言させて頂きたい。通貨増発が必要な時が来ました。それ以外に福田政権の浮揚の可能性は無いでしょう。このまま何もしないと与党の求心力低下は避けられません。失うものは何もありません。日銀に国債を買わせ、政府が資金を調達し、生活苦に追い込まれている国民のために使うべきです。吉宗と同様、苦渋の決断かもしれませんが、しかし、思い切った決断が下れば、日本経済の没落が止まり、国民が豊かになり、日本経済の飛躍が始まり財政危機は去ります。このことは、マクロ計量経済学が示すところです。その大改革により福田さんは日本経済を救った宰相として歴史に名を残すことになるでしょう。


 “おしらせ”

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植草事件において、私が繊維鑑定にこだわらない理由(わけ)

  以下は「植草事件の真相掲示板」に私が投稿したことを少し書きなおしたものである。ある人が、植草事件の国策捜査疑惑に下記のような疑念を呈したので、それについて私が思うところを答えておいた。

「この事件(2006年9月の京急電車内事件のこと)が植草さんを嵌めるために故意に偽装されたのなら、どうして目撃者にあやふやな証言をさせたり、最初から植草さんの手におとりの女性の下着の繊維をくっつけておいて決定的な証拠にしないのでしょうか、べつに発見されなくても同じ物がついていたと発表すればそれで確実に有罪にできると思うのですが。どうお考えですか」

 それについて私個人の見解を申し上げます。まず検察側目撃証人の数々のおかしな証言について、なぜ確定的ではないのかということですが、それは細部にまでわたって精度と確定性を帯びた証言をしてしまった場合、「植草さんがさわっていない」という真実の状況と甚だしい状況の乖離が起こるからではないでしょうか。つまり、一つの作業仮説として言うなら、たとえば空いている状況を無視した場合、電車内に植草さんと偽装作出グループのみしかいなかった場合、目撃者役は、事件が確実に起きたのだと、思ったこと、案出したことを克明に主張できます。(がらがらに空いているこの状況では犯人が正気を逸していないかぎり起こりませんが)

 しかし、実際の現場では多数の乗り合い乗客がいる中、誰かが目撃している可能性が非常に強い状況で無垢の人間を嵌める場合、確定性の高い緻密な証言をやってしまえば現実、すなわち実際状況との乖離が生じて、仕掛けた側のリスクが高くなるからです。周囲の誰かがそんなことは起こっていなかったと証言すれば根底から崩れますから。

 もう一つの繊維鑑定の話ですが、これも基本的には同じ構図を有していると思います。逮捕劇の進行中に女性下着の繊維をくっつけて置けば事件生起の証明は容易ですし、発見されなくても関係者(たとえば科捜研の証言者)が見つけたと故意に言い張れば、立証には充分すぎる明確性を持つでしょう。では嵌めた側がなぜそういう確定的な物証捏造や証言を回避したのか。私は被害者と称する女性がまったく実際の法廷に出てこないところにその要因があるのではないかと睨んでいます。つまり画策した側には、被害者女性を徹底して隠蔽する意志が感じられます。植草さんに堂々と抗議できる気丈な女性が、なぜ公開の法廷証言に出てこないのでしょうか。この事件の核心的存在者である被害者が、遮蔽措置という証言者保護があるにもかかわらず、なぜ第三者に姿を見せずに非公開の尋問を受けたのか。私はこれについて、裁判所が期日外尋問や遮蔽措置の濫用をしたというよりは、国家機関が被害者を世間と接触させることを異常に恐れているように見受けられるのです。著名なエコノミストである植草さんの命運を握る肝心な被害者が、マスコミにも、公開法廷にも姿を現さない理由は何でしょうか。

『証人威迫罪(しょうにんいはくざい)』という法律があるようです。それは、むりやり被害者や証人に会おうとしたり、強弁をもって相手を言いくるめたりすると犯罪になるという法律です。

    証人威迫罪

 刑事事件の捜査・審理に必要な知識をもつ者などに対し、正当な理由なく面会を求め、または要求に応ずるようおどす犯罪。

刑法では

(証人等威迫)
第百五条の二 自己若しくは他人の刑事事件の捜査若しくは審判に必要な知識を有すると認められる者又はその親族に対し、当該事件に関して、正当な理由がないのに面会を強請し、又は強談威迫の行為をした者は、一年以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する

 検察や裁判所が被害者の身柄を徹底的に世間から遮蔽しようとする理由を強いて考えて見ますと、彼らはこの「証人威迫」の発生を恐れているのでしょうか。常識的に考えてみれば、これはかなり非現実的ですね。著名な植草さんがそのような行動を起こすことはまったく考えられない話です。私は裁判所や検察が被害者の徹底した隠蔽に終始しているのは、国策捜査がこの事件の核心だからではないかと考えています。

 さて、国策逮捕を仕掛ける側は、画策が世間に露見した場合の危険度を最大限に考慮しているはずです。つまり、国策捜査が白日の下に晒されてしまう事態に及んだ場合、非難轟々の世論爆発が起こり、現政権の責任が問われるでしょう。このリスクを回避するために偽装作出グループは極力少数でやったと思われます。私も科捜研女性の証言は間近に傍聴していましたが、彼女はおどおどしていました。彼らはこういう人まで仲間に入れる危険はおかさないでしょう。しかし、肝心の被害者女性については異常なほどのガードをしている感じがありませんか?

 国策逮捕とは権力筋が仕掛ける偽装で構成されるわけでして、確定的な物証の出現はかえって嵌めた側のリスクを増大させるのではないでしょうか。つまり、起こっていないことを、無理やり起こったという「でっち上げ」を行なうための方法論としては、メインが「証言による偽装作出」が最も安全で効果的なのです。ここに下手に捏造した物的証拠、例えば繊維片などを出してしまえば、逆にその存在の合法性が問われ、被害者の協力をさらに仰ぐということになりかねません。しかし、被害者がそれに応じられないとしたらどうでしょうか。また応じたとしても、一審のように内密理に行なった場合、誰がその真実性を信じるでしょうか。擁護派にも繊維片に異様に拘っている者がいるようですが、逮捕状況そのものの不当性と詐術性、つまり偽装演出を問いかけているときに、繊維片の同定性を問題にすることは意味がないでしょう。なぜなら、やる気になれば簡単に繊維片を植草さんに擦り付けられる状況があったからです。それをやらないところにこの事件の不合理性があるという私のような視点も必要ではないでしょうか。あくまでもこれは偽装犯罪を疑う私個人の作業仮説ですが。

 だからこそ、そのことを敷衍しますと、この偽装事件は強制わいせつ罪ではなく、東京都の迷惑防止条例違反の範疇で行われたのではないでしょうか。繊維を植草さんに仕込んで確定してしまうことは、被害女性をも確定してしまい、彼らにとっては都合が悪いのではないでしょうか。この事件に付帯するこれらの曖昧性とは、彼らにとって必要条件だと考えます。

「なぜ最初から植草さんの手におとりの女性の下着の繊維をくっつけておいて決定的な証拠にしないのでしょうか、べつに発見されなくても同じ物がついていたと発表すればそれで確実に有罪にできると思うのですが。」

 国策捜査は決定的な物的証拠を捏造して、その作為性が露見した場合、政権の致命的な崩壊に直結します。したがってあまりにもあからさまで直接的な証拠捏造は、リスク回避から、やらないと思います。植草さんを嵌める第一の目的は徹底した社会的名誉の剥奪、信用性の下落にあるのではないでしょうか。メディア初期報道の極端なバイアスにその本質がよく出ています。嵌める側のリスクが低くて、嵌められた側のダメージが効果的な犯罪として迷惑防止条例違反がトリックとして選択されたのではないでしょうか。品川事件も、京急事件も迷惑防止条例違反のレベルであることと、被害者が徹底的に隠蔽されていることを私は強く意識します。

 以上が国策捜査の可能性を考えた私の推論の一部です。

 “おしらせ”

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2008年4月27日 (日)

ななしさんの投稿(1)

(1)ななしさんの投稿(※管理人の裁量でエントリーします)

 そう言えば日経も同様な調査をやっていましたね。
それによると麻生氏が僅かの差でトップでしたね。
麻生氏は以前から小泉・竹中路線には否定的でしたし、郵政事業の四分社化にも最後まで反対していましたね。また、総裁選でも改革に否定的な事を仰ってました。その辺が国民的人気はあるのに読売を始めとするマスコミに引き摺り下ろされた要因じゃ無いでしょうかね。
マスコミの背後には米国の影が見え隠れしますが。
次期総裁選でもメディアによって引き摺り降ろされるでしょうね。
どうやら米国やマスメディアは忠実な下僕小池百合子氏がご所望のようですから。

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また麻生氏が総理になったとしても日銀総裁の米英の傀儡白川氏が居る限り景気回復は無理でしょうね。
日銀法を改正でもして再び政府・財務省の支配下に置いてクビをすげ替えるしか無いでしょう。
プラザ合意以降の日本の迷走は政府・日銀の政策ミスのオンパレードによるものですからね。
政府のミスは対日年次改革要望書に従ったものが多いですが、日銀のミスも怪しいですね。
マスメディアもその片棒を担いでいますし。
プラザ合意以降を振り返って見ますと、バブルを無用に膨らませてしまった窓口指導や日米金利差維持の為に金利を上げられなかった事、その逆に総量規制や金融引き締めでバブルを強制崩壊させた事がまず挙げられます。
マスメディアもバブルを煽るだけ煽っておいて今度は潰せ、潰せの大合唱でしたね。
今借りない奴は人間じゃねえとか言ってましたw
今回のサブプラ問題でのバブル崩壊を食い止めた欧米当局の対応とはまさに雲泥の差があると言えましょう。
と言うより、日本の場合は食い止めようとしなかったばかりか自ら潰しちゃいましたからね。
方向がまるで違いますから比較のしようがありません。
欧米当局は日本の失敗を見ていますから迅速で大規模な対応を取れたんだと思いますが。
その後も資産デフレ期に金融ビッグバンや時価会計制度の導入、BIS規制の導入等自分の首を絞める事ばかりやって来ましたね。
日銀も小渕氏が積極財政をやって回復軌道に乗ったかと言う時期に速水氏が利上げをして全てを無駄にしてしまいました。
アクセルとブレーキを同時に踏むような事をやってしまったんですね。
あの頃ならまだ金利高騰を気にせずに名目成長率を上げられたんですが・・・
もう今となっては遅いですね。
またメディアも公的資金投入による金融機関の救済はまかりならんとかグローバリズムの時代だから国際基準を導入すべきだとか土地担保制の復活はまかりならんだとか財政支出は効果ないからやっちゃ逝かんだとか散々日本の足を引っ張ってくれましたw
彼らは米国のなりふり構わぬ対応をどう見てるんでしょうかね?
FRBや米国政府による救済策を。
なんでも時価会計制度や自己資本比率の見直しも検討してるとか。
考えれば考えるほど腹が立ってしょうが無いですね。
今更言ってもしょうがありませんが少なくとも米国の対日要望書に代表される対日圧力やメディアや御用学者の論調は日本を弱体化に導くものであると言う事だけはわかります。
この認識を全国民が共有するようになればこの国は言い方向に変わるような気がします。
そこに希望を見出すしかありませんね。
企業利益の総計や外貨準備高、あるいは米国や世界における特許取得数を見る限り我が国の実力はこんなもんでは無いはずですからね。
巨額の財政赤字と言う足かせさえなければと常々思います。
政府も財政健全化と言いながら、昨年末の公務員のボーナスや総理大臣の給与を引き上げてるんですから・・・
米軍の再編費用3兆円余りも向うから要求したんじゃ無しにこちらから出させて下さいとお願いしたらしいですしw
こうなって来ると本当に財政健全化をやろうとしてるのかさえ怪しくなって来ますがw

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最後に質問があるんですが、もし日本がデフォルトを
宣言した場合どんな悪影響が考えられるんでしょうか?
また国債買い切りオペをした場合はどうなんでしょう?
政府貨幣を発行した場合はどうなんでしょうか?

別のサイトでは政府貨幣発行は米英を中心とした国際金融資本による支配力の源泉を奪う事になるのでどんな手段を使っても彼らは認めないであろうと書いてありましたが・・・
米国がデフォルトに陥りそうになれば認めるかも知れませんがw
結局は巨額の財政赤字を金利高騰に怯えなくて済む水準まで減らすしか無いでしょうからね。
どうでしょう、名目GDPの半分250兆円くらいまで減らせば大丈夫でしょうか?
国債の買い切りも政府紙幣の発行も禁じ手だとすると
政府が保有する金融資本約600兆円を売るしか手は無いと思うんですが?
この政府が保有している金融資本の内訳はどうなってるんでしょうかね?
仮に売れるとしてそれのもたらす悪影響はどうなんでしょうかね?
どっちにしろ今のままではジリ貧でしょうね。
名目成長率(長期金利)を上げずに財政の完全黒字を達成してそれをあと50年だか100年だか赤字国債の額が安全な水準になるまで綱渡りをしようって言うんですから。
更にまずい事に少子高齢化も進行中であります。
法人税も所得税の最高税率も上げられない状況(政府は相続税と併せて下げまくってますがw)では消費税を始めとする庶民増税に頼るしかありませんからね。
無茶苦茶厳しいですね・・・

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(怒りや爆さんのコメント)

>> 最後に質問があるんですが、もし日本がデフォルトを宣言した場合どんな悪影響が考えられるんでしょうか?

 本シリーズの第二回目で述べたように『繰り返しますが、国家破産というのは、対外支払いが不能(デフォルト)に陥った時に起きるのです。今のところ、先進国中日本は国家破産するには最も遠い国です。』日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日などというのは、フルフォードさんのとんでもない誤認識です。

 対外的には、債権大国である日本がどうして対外支払い不能(デフォルト)に陥るのですか、いまのところそれを考える必要もありません。

 現在問題になっている国の借金は、その殆どすべてが国(政府)が国民からの借金です。いわば身内からの借金ですから、同じ資産を共有する身内に向かって「デフォルト宣言」はあり得ません。

 小野会長が「足りなければ刷りなさい」と主張されるように、政府は「金」の発行元です。「お金」の発行元が国民に向かって「デフォルト宣言」するなんてことはあり得ません。足りなければ、足りない分もしくは必要(例えば景気対策用として)とする分を刷ればいいだけのことです。

 私が言うところの「国は多重債務者であり、事実上破産状態にある」という意味は、形の上でそのような姿になっているので、「正常な姿に正しなさい」と言っているのです。政府は正常な姿にする「権能を有する」のだから、その権能をフルに発揮するべきです。それを実行しないで、国民から搾り取ることしかやらない。そのためにデフレを深刻化させているので、無能(無脳)だと揶揄しているわけです。

 ただし、私が本シリーズの冒頭で述べた「借金をチャラにする方法」はわかりやすくするために、ラディカルに描きましたが、最初から一挙にチャラにする必要もありません。ななしさんがおっしゃるように「名目GDPの半分250兆円くらいまで減らせば大丈夫でしょうか?」が、むしろ正常だと思う。計画的に例えば、年間50兆円ずつ消却していくとか・・・。

 “おしらせ”

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与謝野馨氏の「消費税10%論」の愚か(いかりや爆さん第4弾)

(4)与謝野馨氏の「消費税10%論」の愚か
      金は天下のまわりもの

4月16日の東京新聞に、 「ポスト福田」へ布石? 与謝野氏が著書 「消費税10%」など
持論盛る という記事が載っていました。

その記事の一部をそのまま紹介します。

””” 自身を財政再建と経済成長の「元祖両輪派」と位置付け、社会保障制度を維持するための消費税引き上げの必要性を強調。同時に成長力強化にも触れている。これまで取り組んできた政策と将来の展望をまとめた内容だ。
 ・・・2006年の咽頭がんにも触れてあれ以降妙に腹が据わった」と心境も明かしている。
 最後に祖母の与謝野晶子の『劫初(ごうしょ)より 作り営む殿堂に われも黄金の釘一つ打つ』との和歌を引用。
 与謝野氏が、どこに「黄金の釘」を打つのか、関係者の注目を集めそうだ。”””

尚、本の題名は、『堂々たる政治』、副題は、「耳障りなことを言う、それが私の仕事である。』だそうである。

与謝野氏の消費税10%論について、

 消費税アップして「同時に成長力強化」にも触れているとのことですが・・・消費税をアップして、同時に経済成長が可能ということはあり得ません。

 鶏の体力を弱らせて、卵の増産(経済成長)を図るようなもの。そんなこと無理です、素人だってわかること。

 『劫初(ごうしょ)より 作り営む殿堂に われも黄金の釘一つ打つ』との祖母晶子の和歌を引用しているそうだけど、まさか『黄金の釘』とは消費税10%のことではないでしょうね?

 「山の動く日きたる かく云へど、人これを信ぜじ。山はしばらく眠りしのみ、・・・晶子」っていうところではないでしょうか。
 はげ山からは、何も生まれまへんで、木を育て収穫できる畑を育てなあきまへん。

 問題は、政府の無為無策のために、国の借金を余りにも巨大化させてしまった。そのために成長のための有効な手段をなくしてしまったことです。いわば、自ら「蟻地獄」に落ちて這い上がるにも、上がれない状態にあることです。

 日本の最大の悲劇は、為政者(与謝野を含む)たちが今、その「蟻地獄」のなかにはまっているという現実感さえも持つことができてないことです。消費税アップで糊塗しよとしていることです。
 マニュアル通りにしか脳が動かない二世三世政治家や官僚どもでは、この「蟻地獄」のなかから脱出することは不可能でしょう。

 彼の本を読んだわけではないけれど、この記事からだけから見る限り、与謝野晶子の孫もこの程度のレベルかといささかガッカリ。消費税を上げる前に、やるべきことが山ほどあるだろうが、アホかいな。

 『税(消費税を含めて)』を語るなら、彼の「哲学」を語るべき、、「哲学」と言えば格好よく聞こえますが、はっきり言えば「人生観」であり、「道徳」です。モラルなくして、政治も経済もあったもんじゃない。

 『税』をどのようにかけるかは、実体経済の認識の問題であり、哲学の問題でもあるのです。「馨」さん、私の言う意味がわかりますか?『税』をどのようにかけるか、「上に厚く、下に厳しくするかどうか」それは貴方の人生観がかかわります。

 経済政策(無論税制を含めて)は,一部の金持ちたちのものであってはなりません。政治はより多くの人をより豊かな暮らしをめざすものでなければなりません。

 どのように「税」をかけべきかは、「より経済発展に寄与するか」ということが尊重されなければなりません。そのためには、『金』が実体経済に、スムーズに循環していくことが重要なんです。
「金は天下のまわりもの」とは、江戸時代から言われている言葉でしょ?

 現代の日本の発展の基礎は江戸時代に築かれたたと言っても過言ではありません。江戸時代が250年以上もの長きにわたって栄えたのも、「金は天下のまわりもの」という仕組みがあったからです。その日本人の知恵を働かせてほしい。

 例えば、三人家族で年収5000万円の人は、日常生活や趣味などの出費があったとしても、せいぜい1500万程度の出費でしょう。残りの3500万円は、実体経済にまわらずに、預貯金や金融投資にまわるだけ。一方、三人家族で年収500万の人なら、預貯金や金融投資にまわす余裕はないはず、500万全部実体経済にまわっていきます。

 いまの格差社会は、経済発展「金は天下のまわりもの」を阻害しています。

蛇足:
『よさの馨ちゃん、貴方の本「堂々たる政治」を読んでもいないのに、「耳障りなこと」を言っちゃってゴメンネ、「これが私の仕事」だから許してちょうだい。
内容が面白そうだったら買うからね。でも消費税10%はやっぱいやですよ。
病気が再発しないよう心より祈っています。』


 “おしらせ”

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2008年4月26日 (土)

国益を考えてみよう(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第64弾です。)

 長野の聖火リレーは騒然とした雰囲気の下で行われた。最も印象的だったのは、3000人もの中国人留学生が集まって、赤い国旗を振っていた光景だ。日本人はおとなしい。海外の日本人留学生が異国の地で、日の丸を振りながら何か政治的な主張をしている光景を見たことが無い。中国人留学生は何を訴えていたか。それは中国政府に味方してくれと赤い国旗を振りながらアピールしていたのだ。チベット問題に類似した問題が日本にあったと仮定してみよう。日本のどこかの地方で、自由を求めて誰かがデモをやった。それに向けて警察隊が発砲し、死者が出た。その取材をしたいと海外のメディアが申し出たが政府は全部断り、その地方で、何が起きたのか誰にも分からない。

 こういった事件が日本国内で起きたとき、海外の日本人留学生は異国の地で日の丸を振りながら、何千人も集まり、日本政府に味方してくれと訴えるだろうか。それはあり得ない。第一、政府がどのように弁解しようとも、そのような政府の行動が正しいと思う日本人はほとんどいない。また日本人は日本政府の悪口は言うが、国益を考えた集団行動に出たのを見たことがない。学校での教育も、国益尊重の教育は行われていない。愛国心という言葉を教育基本法に盛り込むことすらできない。日の丸・君が代を教育現場でどう扱うかすら、もめているありさまだから。中国人は国を愛しており、国旗・国家をもっと遙かに大切にしているに違いない。それが国を勢いづかせているのかもしれない。

 日本で最近話題になったことは、集団自決が軍主導だったのかどうかということ。私を含め、大部分の日本人にとって生まれる前に行った国の行動の是非が、そんなに重要課題なのだろうか。中国人は政府の悪行は無視し、強引に正当化し、国益を最優先しているように思われる。それは日本が戦争に負けたからだと言う人がいるかもしれない。義は力なりということか。勝った方が正しく、負けたほうが間違えていたことになるということか。しかし、過去の「戦績」は日本は3勝1敗だから勝率7割5分。中国より勝率は高く、なかなかのものである。もうそろそろ、敗戦のことは忘れ、中国に倣って、日本の国益のことを真剣に考えるべきではないか。

 今の日本にとっての最大の国益はお金を刷ることだ。インフレ経済の国にとっては、お金を刷る政策は益になるか害になるか分からない。しかし、長期のデフレが続いている日本にとっては、刷ったお金は、間違いなくそのまま国の富となる。丹羽春樹氏は毎年50兆円刷って、ボーナスとして国民に配れと主張している。そうすれば、その50兆円はそのまま国にとって富となる。それだけでなく、デフレから脱却し、日本経済の急激な没落を食い止め、日本企業を活気づかせる。経済が拡大基調に転じたら、我々の老後も安泰である。

 丹羽氏は財務省や、積極財政で知られる志帥会(かつて亀井静香氏等が所属していた)で「お金を刷る」案について講演したのだが、全く受け入れられなかった。理由としては、「お金をばらまくのはよくない、お金はそのように粗末にするものではない」といった理由のようだった。財務省や政治家がそのような考えであるのなら、お金を配るのでなく、減税や歳出拡大でよい。国民のためにお金を使えば、病める日本経済を救うことができるのだ。

 私の考えは丹羽氏の考えと非常に近い。違いは、私は徹底的にマクロ計量経済学を駆使し、学問的に間違いないことだけを主張しようとしていること、それから、お金の使い方は政治家の意見を十分に取り入れ、最も受け入れやすい提案を模索していること、更に、コツコツ政治家と会って直接政治家と話し、説得し、私に味方してくれる政治家の大集団を作り上げようとしていることである。

 私も2003年に日本経済復活の会を立ち上げる前は、丹羽氏の勉強会に出席していた。日経新聞社と組んで、積極財政のシミュレーションを行い、その結果を広く知らしめるために、丹羽氏の勉強会で知り合った仲間と共に、日本経済復活の会を立ち上げたのであった。

 中国は、お世辞にも理想郷などではない。言論の自由も無いし、まだまだ貧しいし、公害も大変だ。しかし、発展する力、彼らのエネルギー、国益を最優先する一致団結した愛国的な行動は注目に値する。未来は我々のものだと言いたそうである。それに比べ、日本人は日本を良くしようという意気込みがあるのだろうか。未来に希望を失っている。国会は何も決められず、国益のために最も重要なデフレ脱却さえ、メドがつかない。脱却のための努力すら何ら行っていない。最近、中国人は言っている。日本のような社会主義の国にしてはいけないと。


 “おしらせ”

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多重債務者「おちこぼれ」ニッポン(いかりや爆さん第3弾)

(3)多重債務者「おちこぼれ」ニッポン

 4月19日の東京新聞の夕刊の一面のトップはデカデカと、国の財政は「夕張より悪い」となっています。国の財政が「夕張より悪い」ということは、事実上破産状態にあることを意味します。

 まず国家財政について、
 平成20年度予算案の一般会計歳入(歳出)総額は82兆9088億円です。このうち公債金収入(借入金)が25兆4320億円です、つまりサラ金からの借金ということになります。
 一方、借入金返済のための費用(国債費)は20兆9988億円(9兆5143億円が金利部分)。これは支出総額の約25.3%(金利部分は11.5%)が、サラ金への返済ということを意味します。
これはサラ金で借りた金を別のサラ金会社から借金して、それを返済に充当しているようなもの。まさに国は多重債務者そのものですね、個人ならとっくに自己破産です。それでも国家破産に至っていないのが摩訶不思議ですが、既に述べたように外国からの借金ではないからです。

 財務省のHP『国の財政を考える』の結論部分は、「2011年度までに国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目標」となっています。
 どのようにして目標達成するのですかね?政府は明確な黒字化の達成手段も政策も示していません。

 経済成長によって収入(税収)を増やす方法が常識且つ最も健全なやり方です。だが、借金が巨大化し過ぎたために、ことここに至っては、経済活性化の手段も採れない手詰まり状態にあることは、「蟻地獄」のところで既に述べた通りです。

 名目GDPについて、
経済成長を示す名目GDP(家庭に例えるとすれば、家庭の年間総収入に当たるとお考えください)は、ここ10年来殆ど増えていません。

 財団法人 国際貿易投資研究所(ITI)発表の統計資料によれば、世界各国のGDP(上位60カ国をドル表示)は、1995~2006年の11年間で、60カ国平均で1.59倍、中国5.47倍、ロシア3.14倍、米国1.65、英国2.09、フランス1.43、韓国1.72倍、~~です。

 日本はなんと60カ国中最下位、しかも飛びぬけて低い0.83倍です、これが世界の「非常識」、「おちこぼれ」と言わずしてなんと言うのですか。ドル表示で見る限り日本だけがマイナス成長です。一クラス60人の教室で、一人だけ跳びぬけて成績が悪い「ニッポン国という名の子供」がいた場合、貴方ならどうしますか。

 日本の0.83倍という数値は母集団(世界各国)と著しくかけ離れて低い、有意差があることは明白です。この10年間の間に、国の借金は約330兆円から838兆円に膨れあがった、身動きのとれない「蟻地獄」に落としいれた。

  国が経済政策を誤ったからです。でなければ、経済成長を意図的に抑制した疑いがあります(日銀福井前総裁の罪は重い)。日本人の一人当たりの名目GDPはドル表示では、20位に転落、もう経済大国なんて言えない。

 繰り返しますが、「蟻地獄」から脱するためには、このシリーズの最初で述べた「非常手段」借金をチャラにして、「ご破算でネガイマシテハ」策を採る以外ない・・・だってそうでしょう?個人なら立ち直るために、自己破産して出直しするではないですか?この際、リセットが必要なんです、要は事態をこれ以上日本経済を疲弊させてはならない(一部の大手企業だけが栄えるのでなく、日本経済を真に下支えしている中小企業を殺してはならない)。

 一時(1年前)「いざなぎ景気超」と言われていましたが、嘘っぱちです。小泉政権になって、「やらせ」のごとく、いったん「ガクン」と経済を低下(GDPの低下)させた。それを4年の歳月をかけてほんの僅かづつ元の水準に戻したにすぎない、それを恥ずかしげもなく「いざなぎ景気超え」と言っているのです。

 アルツハイマー型症候群に罹っている自民有力政治家たち。そのアルツハイマー症候群の発生源の一つが、「経済財政諮問会議」、歴代首相が議長です。アメリカが日本に毎年突きつけている「年次改革要望書」に沿って、米国要望のニッポン改造にいそしむエージェントみたいなものです。はっきり言えば売国者集団、無知にして無能、無脳?者のグループです。竹中氏も同メンバーだった。もう、これ以上の病原菌(売国菌?)を撒き散らすなと言いたい。
 民主党の桜井充氏が、参院予算委員会で「経済財政諮問会議は廃止したらどうか」という発言をしていたことがあります、むべなるかなです。

 政府与党はここ10年来、国民の収入を増やす(わかりやすく言えば名目GDPを大きくすること,つまり国民一人々々の収入を増やす)努力をせずに国民から搾り取ることばかりしかやってこなかった。
その流れは今も続いています、ガソリン税しかり、医療制度改革しかりです、高齢者医療制度はいうまでもない。上に手厚く下に厳しい税制、企業は株主配当は戦後最高だという、役員報酬は急上昇、その一方で大量のアルバイトや非正規社員で人件費を徹底的に抑える。これでは経済もよくなるわけがない、社会も不安定化、最近の犯罪傾向をみても自暴自棄の犯罪が多発している。

 国民に対しては高いガソリン税を維持しようとし、一方で無料ガソリンを外国艦船に提供、米軍駐留経費の思いやり予算、自国の国債発行抑制を唱えながら外国債の大量購入など理解しがたい支離滅裂な政策が多すぎる。

 こんなことだから、3月14日参院予算委員会で福田首相が明言した「宍戸vs大田大臣の公開討論会」も立ち消えになった?・・・討論会をやれば、太田大臣ら(経済財政諮問会議グループ)の無能(無脳?)ぶりが暴露されるのを恐れたのだろうか?それとも、天敵対策のため時間稼ぎしているのだろうか。

 小泉政権の「やらせ」改革の5年間に、中流層にいた多くの人がはじきだされた。非正規労働者数は、1700万人を超え、ワーキングプアーの基準とされる年収200万円未満の人が全体の77%に上っているという(3月9日NHKTVニュース)。

 グローバリゼーションと言いながら、日本経済は世界の常識の枠組みから、「おいてけぼり」(おちこぼれ)になっているのです。エリートたちも、与党政治家どもも日本経済が「おちこぼれ」状態にあることさえ気づいていない、愚かなるエリート?と害虫政治家たちやマスコミ、堕落した経済学者たち。
彼らはグローバリゼーションを叫びながらグローバルな認識が欠けているのだら、滑稽というしかありません。

 国民は一体何を考えているのだろうか。
 時事通信社が4月11~14日に実施した4月の世論調査結果によると、首相にふさわしい政治家は、自民党の小泉純一郎元首相が21.2%でトップだった。2位は16.0%の麻生太郎前幹事長。民主党の小沢一郎代表は7.2%で3位、福田康夫首相は7.1%で4位と、ともに振るわなかった(時事通信)。
なんで狂気の政治家が首相に一番ふさわしいのかわからない。小泉政権は何か国民のためになるようなことをしただろうか、ハンセン病患者への謝罪したことくらいしか思い出せない。
こんなことは言いたくないが、日本人は馬鹿が多くなったのか?それとも、痛みに喜びを感ずるマゾヒストが多くなったのだろうか。

次回は「国は消費税アップを狙っています」を予定。


 “おしらせ”

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2008年4月25日 (金)

「蟻地獄」、さ迷えるニッポン経済(いかりや爆さん第2弾)

(2)「蟻地獄」、さ迷えるニッポン経済

 『復活の会』の小野会長の『無益な経済論争をいつまで・・・』に関連して、本題に入る前に一言。

榊原英資氏について、

>その時の思いつきで発言し、主張が一貫性を欠く人間でも、マスコミはいつまでも登場させる。

会長のおっしゃる通り、榊原英資氏は昔から時流にのった場当たり的発言が目立つ人だった。彼は、小野会長の本『政府貨幣発行で日本経済が蘇る』(2002・11発行)の「帯」に推薦状を書いている。「政府貨幣発行」について、彼は今はどう思っているのだろうか。

 一貫性のないエコノミストや評論家も多いけれど、政治家もそうです。

 中川秀直氏について、
 今回(4月21日)行われた小野会長の出版記念パーティー『お金がないなら刷りなさ・・・』は 中川秀直前幹事長が出席されたそうですね。
 ちょっと違和感を覚えたのは私だけだろうか。

 「ええー?なんで中川秀直なの?」

 彼は、小泉政権時の幹事長、「郵政民営化」選挙では、小泉首相の懐刀となって「刺客」送り込みに辣腕をふるった人物とちがいますか。

先日の参院予算委員会で「宍戸vs大田大臣の公開討論会」のお膳立て発言をした自見庄三郎氏も、「郵政民営化」に反対して自民党を追われ、「刺客」を送られて「郵政民営化」選挙で破れた(前回の参院選で復活)。

 中川氏は自民党内では、反増税派中川・竹中連合を組んで景気回復派らしい・・・彼は積極財政派に転向したのだろうか。転向の弁はなかったのだろうか。それとも、今回は自ら「刺客」となって「日本経済復活の会」の動きを探っているのだろうか。
 まあ、政治の世界は魑魅魍魎の世界というから、めくじらたてることもないか。

 本題に入ります。

  国は無為無策、無脳?景気対策は、にっちもさっちもいかない 「蟻地獄」に追い込まれているのです。
 「蟻地獄」に、追い込んだ奴がいるのですが、今回はそれには触れない。

  景気がよくなれば、金利を上げざるを得ない(これ経済の原理原則)。金利を上げれば、国の借金は雪だるま式に膨張します。仮に景気対策により国家の歳入(税収)が増えて、基礎的財政収支を黒字化したとしても、国の債務残高はそれ以上に増えて借金は膨張し続けます。

 具体的に例示しましょう。
 話をわかりやすくするために、、おおまかですが国と地方の借金の合計を1000兆円とします。仮に、5%の経済成長で、歳入は10兆円黒字化(現状では10兆円もの黒字化はあり得ませんが)、金利は3%とします。その10兆円分を丸々国の借金の返済に充てたとします。しかし、10兆円分では1000兆円の金利3%分30兆円にも満たないのです。

 莫大な借金を放置したまま、景気対策をするんですか。巨大な借金を抱えたままでは、景気対策も採るにとれない、「借金蟻地獄、手詰まり状態」汚い言い方ですが、雪隠詰(せっちんづめ)状態にあるのです。だから世界に類のない0~0.5%の異様な超低金利政策を続けているのです:超低金利は、銀行を救済し、米国への資金の流出を促した(米国への献金のため?)。

 繰り返しますが、「蟻地獄」から脱出するには、いったん「ご破算でネガイマシテハ・・・」が必要、多重債務者が出直すためには、いったん「自己破産」手続きが必要であるように・・・。

 結局は、愚かな政治家や官僚が考えることは「経済は現状の低空飛行」のまま、庶民いじめの消費税をアップするために国民を誘導している、後は野となれ山となれという無責任国家です。

 国は何をとち狂ったのか高齢者いじめまで始めようとしている。もの言わぬ後期高齢者だと思っていたら、そうでもなかった。やむなく後期高齢者医療制度を長寿医療制度と名称を変えた・・・2年毎に見直すという、2年毎に負担増間違いなし、そのうち「姥捨て山医療制度」に化けるのは目に見えている。
 郵政民営化だって、サービスは絶対低下させないと言っていたはず、民営化が始まって半年、サービスの低下は明らかです(それについては今回は触れない)。消費税は当初3%でスタートした、これ以上アップくしない筈だったが、5%にした。そして今は10%論が浮上している。

 余談ですが、
 郵政民営化男、小泉元首相がうごめいているらしい。
 小泉ー竹中の「改革」路線に踊った小泉チルドレンたち、君たちは議員になって何をしたのかよ?国民の税金でただ飯食って優雅な生活かよ?それじゃ、「食堂で飯の食い逃げ野郎」と変わりない、さもなければ、国会に巣食う寄生虫と同じじゃないか。「改革の流れを止めるな!」ってか?そんなに「改革」ごっこがしたいなら、「隗より始めよ」というではないか。自らが所属する国会議員のリストラでもやってくれ。いまの議員数は半分か三分の一で充分だろ?

 話を元に戻します。

 巨大な借金のために、金利さえも支払えなくなったら、個人なら自己破産、企業なら倒産です。だったら、日本は国家破産じゃないの?
 そーなんです、でも国家破産は起きていませんし、又その心配もありません。何故か?

 誤解しないで欲しい。国家破産というのは『対外支払いが不能(デフォルト)』に陥った時に起きるのです。

 日本国の借金は、例えば日本の国債は96パーセントまでは、日本国内で保有されている。つまり国家の借金は日本国民から借金をしているのです。いわば資産を共有する家庭内で、とうちゃん(政府)がかあちゃん(国民)にカネを借りている状態、もしこれが住宅ローンで金利部分さえも返済不能に陥ったら自己破産になります。

 財務省公表資料によれば、平成18年末 対外資産残高:558兆1,060億円、対外負債残高:343兆240億円、差し引き約215兆円の資産超過です。
 日本は対外的には借金どころか多額の債権大国です。繰り返しますが、国家破産というのは、対外支払いが不能(デフォルト)に陥った時に起きるのです。今のところ、先進国中日本は国家破産するには最も遠い国です。

  蛇足ですが、
 数年まえまで、本屋の店頭には、国家破産、国家倒産関連の本がたくさん並んでいました。なかには、「2003年日本国破産」とか「国家破産以後の世界」と言う本まで売られていた。
 今年は2008年です、2003年はとっくに過ぎています、彼らの言葉に従えば、もう既に「国家破産以後の世界」に入っているはずです。彼らは「国家破産」をネタにして飯を食っているのかも・・・。私は数年前から、自分のHPや「掲示板・阿修羅」で日本の場合国家破産なんてありえないことを述べてきました。そのことが、浸透したのか最近は「国家破産」に関する本はみかけなくなりました。

 最後にもう一言、
 私の考えは百パーセントではありませんが、基本的には小野会長の考え方と同じだと言っても差し支えない。「経済コラムマガジン」や丹羽春喜先生らの主張を取り入れたものです。

次回は、世界のなかで日本がどういう経済状況におかれているかについて言及します。
日本経済は世界各国からの「おちこぼれ」です。


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2008年4月24日 (木)

第51回 日本経済復活の会 開催のお知らせ

    第51回 日本経済復活の会 開催のお知らせ   
   
エコノミスト・紺谷典子先生登場!!
Photo


○ 日時 平成20年5月21日(水)午後6:00時~午後9:00時

○ 場所 東京都千代田区九段北4-2-25 アルカディア市ヶ谷(私学会館) 
TEL 03-3261-9921

○ 会費 3500円(資料代や食事・飲み物の費用を含みます)
当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。メール(sono@tek.jp)でも結構です。弁当の注文や配布物の準備等ありますので、申し込みはできるだけ早めに行って下さるよう、ご協力お願いします。

○ 講師 

①紺谷典子 先生 エコノミスト

早稲田大学第一文学部卒業、元日本証券経済研究所主任研究員
大蔵省・労働省・通産省・建設省などの審議会委員、テレビ・ラジオのコメンテーター
『財政健全化、金利正常化という"正論"の嘘』

 神州の泉・管理人のひとこと:

 紺谷典子先生は2005年当時、小泉劇場のクライマックスである9月の衆院解散総選挙について、それが憲法違反であることと、議会制民主主義の危機であることを明確に指摘している。この時、メディアが郵政民営化という一法案(シングル・イシュー)に反対した議員を造反議員と決め付け、徹底してネガティブなイメージに貶めたことについても、紺谷先生はメディアが国民ではなく政権側に立っていると、きびしく断罪していた。
 私は小林よしのり氏の「わしズム」誌上で紺谷先生の論考を読んだときから、憂国のエコノミストとして熱烈なファンになったが、今回定例会でお話がうかがえることをほんとうに楽しみにしている。「神州の泉」の読者さんも、紺谷先生の透徹した眼差しと、国を心配するお気持ちはよく察していることと思うので、是非参加していただきたいと思う。

②小野 盛司 日本経済復活の会会長 
                  会の活動報告、-日本経済復活への道- 

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無益な経済論争をいつまで続けるのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第63弾です。)

 Voice5月号に『大論争! どうなる日本経済』という特集が載っている。日本経済の大停滞は、無益な論争がいつまでも続いていることにある。これは水掛け論争の繰り返しである。

 武者陵司は、これから株が上がると言い、榊原英資は下がると言う。三國陽夫は円高で景気が拡大すると主張、藤巻健史は円安で消費が増大するのだと言う。中川秀直は法人税は全国民の利益だと主張(これだけは賛成できる)、与謝野馨は消費税10%が救国の策だと主張、その他様々な見解、提案が掲載されている。ここで若干コメントを書いてみる。

 榊原英資は日経平均は1万円を切ると主張する。彼の主張が正しいか正しくないかはコメントを避けたいが、2002年7月の中央公論に載った彼の主張を思い出していただきたい。彼は「日本が構造的デフレを乗り切るために政府貨幣の発行で過剰債務を一掃せよ」と主張した。つまり、お金を刷りなさいと言ったのだ。どうしてそのような主張になったかと言えば、来日したスティグリッツ(2001年にノーベル経済学賞を受賞)と話をしたとき、その話題が出たからだそうだ。その後も一貫して同様な主張をするならともかく、それ以後はそういった話は出てこなくなった。その時の思いつきで発言し、主張が一貫性を欠く人間でも、マスコミはいつまでも登場させる。

 ちなみに、私が「お金を刷りなさい」という論文を最初に書いたのは1995年であり、それ以来、一度も主張を変えたことはない。日本にとって最善の政策はお金を刷ることだからである。榊原さん、当たるか当たらないか分かりませんが、株が下がるという「予言」をしてもしょうがないのではないでしょうか。どうやれば、経済を良くし、日本株を上げるかという話をしなくてよいのでしょうか。

 三國陽夫は円高で経済成長率が上昇すると主張するが、マクロ経済モデルでシミュレーションをすると逆だ。円を高くすると、日本製品を一斉に値上げしたことに相当する。そうなれば、日本製品が売れなくなり、経済成長率は下がる。過去に何度もこのことは経験している。円をうんと高くして、恐慌を招いたのが昭和恐慌だった。1985年のプラザ合意の後、急激な円高となり、円高不況に陥った。円高は輸出企業にとって不利益をもたらす。円高のメリットもあるかもしれないが、メリットとデメリットを総合的に評価し、正確なシミュレーションをすると、円高は経済成長率を落とすことが分かる。

 「消費増大には円安しかない」という藤巻健史の主張だが、円安にすると果たして消費は拡大するのか。円安は輸出産業に有利であるという面で消費増大にはプラスだが、輸入物価は上がるので、その面ではマイナスだ。日経のNEEDS日本経済モデルで計算してみた。例えば強烈な円売りドル買いの介入をやって50円だけ円安に(つまり1ドル100円が150円となる)して、これを5年間保ったとする。そうすると実質民間消費支出は1%増えるという結果となった。僅か1%である。この間、大量の国債(毎年100兆円でも足りない)を発行し莫大な介入資金が使われなければならない。この資金を財政出動(減税と歳出拡大)に使っていたら、消費拡大幅はずっと大きくなる。例えば50兆円の財政出動を5年間続けた場合、実質民間消費支出は11%増加するという結果が出た。円安介入よりはるかに効果が大きいことがわかる。円安介入は苦境のアメリカ経済を更に痛めつけるが、財政出動はアメリカ経済だけでなく、世界経済を浮揚させる、つまり世界中から感謝されるのだ。

 森永卓郎はデフレが深刻化していると主張しているが、これには同意する。輸入物価が上がっているのに、全体のGDPデフレーターはマイナスということは、実は国内の景気は、輸入物価の下落を打ち消して更にマイナスということであり、景気が更に悪化しているということだ。しかしながら、彼の提案はいまいちだ。金持ちから税金をたっぷり取って、貧乏人に金を与えよという。しかし、今の日本は世界の中で見れば、金持ちも没落しているのだ。1989年には世界の長者番付で10位以内に日本人は6名もいたが、2007年には100位以内に誰もいなくなった。日本人の金持ちの没落は、貧乏人の没落以上なのだ。金持ちいじめをしたかつての共産圏はどうだったか。いくら働いてもどうせ金持ちにはなれぬと思って誰もまじめに働かなかった。だからみんな貧乏になってしまった。頑張れば、金持ちになれる、アメリカンドリームのごとくジャパニーズドリームがあれば、頑張る人間が次々登場し、経済が活性化し、国全体が栄えるのだ。デフレのときは、金持ちからお金を巻き上げて貧乏人に渡すのでなく、お金を刷って、国民全体にお金を渡すほうが良いのだ。

 フェルドマンは、賃金を上げたければ、労働者の生産性を高めるしかないと主張する。それは違う。例えば、日本全体の労働者の生産性が2倍になったとしよう。需要が伸びない状況で生産性が2倍になったら、経営者は、労働者の数を半分にしてしまうだろう。そうすれば賃金は半分で済み、利益が増える。労働者は半分になり、消費者は激減するわけだから、需要も激減する。つまりデフレスパイラルになる。賃金が上がるどころか、どんどん下がる。結局、お金を刷って、通貨の量を経済活動に十分なレベルにしなければならないということだ。マクロ経済というものはそういうものだ。

 何も、財務省造幣局の印刷機を増やして、お金を印刷するという意味ではない。地価の値上がりを容認するのであれば、それが担保価値を増大させ、銀行貸出が増える形でお金が増えるのでも良い。あるいは、会社で社債が活発に発行されるようになって、それで実質お金が増えていくのでもよい。株が上がり、時価総額が増えれば、事実上お金が増えたことになる。一度火が付くと、様々な形で、お金は増えていく。そのきっかけを作るのはやはり政府・日銀の役目だ。

 結論を言えば、やはりマクロ計量経済学できちんとシミュレーションをやれば、何が正しいか正しくないかが、すぐ分かる。馬鹿な評論家の馬鹿な論評ばかり掲載するのを止め、しっかりした理論に基づく議論をマスコミはもっと掲載すべきである。


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国の借金をチャラにする方法(いかりや爆さん第1弾)

(1)国の借金をチャラにする方法 

 財務省公表の統計情報によれば、平成19年12月末時点の国の借金は合計838兆円です。
 
『借金をチャラにする方法』、結論から先に書きます。

 国の借金838兆円を日銀がすべて肩代わりすればいいのです。政府は838兆円札(無論小切手でもOK)を1枚刷って日銀に渡せば終わりです、借金はチャラ、帳消しになります。

 現在は殆どすべて電子マネーの時代です。日銀が838兆円の万札を発行するなどそんな大袈裟な作業は必要もありません。政府から日銀へ渡す金も、電子マネーつまり帳簿上のやりとりだけでも、充分です。あっけないくらい簡単ですね。

そんなことできるの?

 できるかできないかは、『少しばかりの叡智』と『大いなる勇気』と『断固たる愛国心』があればできます。

 偏差値教育で育った今のひ弱でマニュアル思考しかできないエリートたち、二世、三世の政治家どもや愚かな官僚たちでは無理かもしれない。彼らは「財政法や日銀法に抵触する、日銀の買いオペは禁じ手だ」などと、やるまえから「やれない理由」を次々と並べ立てるにちがいない。

 また、そんなことをやれば、「ハイパーインフレが起こる」と尤もらしく言う人が出るでしょう。私は南米の小国で、偶々合弁会社の役員の端くれをしているときにハイパーインフレを実体験しています。ハイパーインフレは、現状の日本では起こり得ません。

 いくら彼らが立派な御託を並べたてようと、上記以外の方法で巨額の国の借金を消却する方法はありません(尤も、ハイパーインフレを起こせば、帳消しできます。例えば中南米で起きたように、インフレ率1000%、2000%~なら・・・現在の5%の消費税による税収、約10兆円が1000~兆円に膨れ上がる)。

 財務省の『国の財政を考える』というHP(ホームページ)があります。それによれば国の債務残高は(2007年度)GDP比178%、主要先進国の中でも最悪の水準であると主張しております。

 国の借金は、誤解しないで欲しい、われわれ国民がつくった借金ではありません。ダメ政治家とダメ官僚(ダメ日銀も含む)が作りだしたものです。この点をよくわきまえておいてください。
政治家たちは『国の巨額の借金は将来世代へ先送りしてはならない』と、あたかも『国民に責任がある』かのごとく言っている。冒頭に述べた方法以外に、800兆円を越える借金を帳消しにする方法があるんですかね。

 財務省のHP『国の財政を考える』によると、国債(わかりやすく言えば国の借金の証文)残高は、19年度末で547兆円、一般会計税収53兆円の約10年分に相当すると書いてあります。

 同HPの結論部分、『財政健全化のためには?』では、『2011年度までに国・地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化を目標としています』と言っています。現状の政府の経済政策で国・地方を合わせた1000兆円を超える借金を抱えながら、基礎的財政収支を黒字化できるわけがない。その前に本体が沈没してしまう。

 それでも、この欺瞞の目標に向かって、国は小泉政権以降経費削減のために、あらゆる手段を使って国民から搾り上げています、これこそ国民への責任転嫁です、国民こそいい迷惑です。愚かな政治家や官僚のおかげで庶民は塗炭の苦しみを味わうことになります。

 この巨額の借金を放置したままでは、政府は景気浮揚策を採ろうにも採れない状況、袋小路のなか、蟻地獄にはまって動けないのです。

 だから、いったんリセット「ご破算でネガイマシテハ・・・」をやらなければならないのです。多重債務者が出直すためには、自己破産して出直す、つまり「「ご破算でネガイマシテハ・・・」をやるように。

 「神州の泉」管理人高橋さまへお願い。
しばらく私の投稿を続けてよろしいでしょうか。よろしければ、次回は日本経済が「蟻地獄」にはまっている状況について、引き続き明日投稿します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 (神州の泉・管理人、高橋)
 
いかりや爆様
 
 投稿記事に期待します。どうぞ続けてください。他の方々も、今の日本がおかしいぞとか、何とかしなければいけないなど、憂慮をお持ちの方々は、経済に限らずどうぞ記事を寄せてください。エントリーいたします。


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2008年4月23日 (水)

ななしさんの投稿

インフレで奪われるのは預貯金を大量に持ってる金持ちの現金資産だけだと思いますがね~。
それから前々から気になっていたんですが、英国は対GDP比で現在の日本以上の財政赤字を抱えてましたよね?
米国にしても累積債務が53兆ドルを超えてると言う人もいますし。
米英が財政黒字だった年なんてごく僅かでしょ?
どうやって返したんでしょうか?
そして金利高騰を気にせずに金融政策・財政政策取れるのは何故でしょうか?
どうも合点がいかんのですよね~。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

財務省や与謝野が恐れてるのは名目成長率の上昇による金利高騰でしょうね。
その割には景気対策と言って法人税や所得税の最高税率、相続税の大幅減税等をやりまくってますがw
更に不可解なのは米軍をはじめとして外国には大盤振る舞いを続けてる事ですね。
国内に使えば景気が上向いて金利高騰が始まると見てるんでしょうかね。
それにしても解せないのは米英の財政赤字ですね。
あの膨大な累積債務はどこへ消えたんでしょうかね?
日本に転嫁したって訳じゃ無いでしょうし。
英国の赤字ならともかく米国の巨大な赤字は幾ら日本でも背負い切れませんしね。
どうも我々には知りえないからくりがあるような気がします。
いずれにしろ名目成長率が上がらない限り財政問題も
解決しないでしょう。
税収の自然増は望めませんから。
財務省は金利高騰に怯えてるようですが、今の状態が続く限りいずれは破綻しますね。
遅いか早いかだけの違いでしょう。
100年デフレと言われる由縁でもあります。

http://youkoclub.blog87.fc2.com/blog-entry-683.html

 民間銀行の運用はどうなっているのか?超異常の低金利政策下でも、銀行の貸し出し基
準をクリアーできる民間企業や国民の資金需要は少ない。その結果、民間への融資は、1999年以降で約70兆円も減少し、その投資先は国債になっている。つまり、内需の停滞の証であり、日本経済の成長力の弱さを示している。他方、多重債務者や禁治産者は増加している。資金は、民から官に流れている、民の消費を刺激する政策、内需促進政策が効果を発揮しない限り、この資金ルートを断つ事は出来ない。しかし、デフレ不況でないと財政がもたない、という財務官僚の本音が2004年の朝日新聞に掲載された。最早、行くも、引くも、地獄である。

ここが非常に重要
『しかし、デフレ不況じゃないと財政がもたない、と言う財務官僚の本音が・・・』

名目GDPの上昇は財政問題を解決するか
http://www.dir.co.jp/research/report/harada/06032401harada.html
◆名目GDPが増大することが、財政にどのような影響を及ぼすかについては2つの考え方がある。第1は、名目GDPの上昇が税収の増大を通じて財政赤字を縮小するという考えである。第2は、名目GDPの上昇が金利を上昇させることを通じて国債の利払いを増大させ、かえって財政赤字を拡大してしまうという考えである。

◆本稿の試算によれば、国債残高が膨大なものとなっている状況でも、名目GDPの増大が税収を増大させる力は、金利上昇が利払い負担を増大させる力よりも長期的には大きい。税収を増大させる力は等比級数的に上昇するが、利払い負担を増大させる力は等差級数的にしか増大せず、やがてゼロになってしまうからだ。しかし、短期的には、名目GDP成長率の上昇が金利上昇を通じて引き起こす利払いの増加額は、名目GDP成長率の上昇がもたらす税収の増加額を上回る。

◆ただし、名目GDPを上昇させることの効果は極めて大きいという訳ではなく、上昇させないことの大きなリスクがあるということである。名目成長率が低い場合には、ドイツと日本の経験にかんがみれば、デフレ的な状況の中で、金利が名目成長率をかなり上回る可能性が高い。この時、財政再建はきわめて困難になる。

◆また、財政状況の好転には、歳出の対名目GDP比で3%ポイントの削減が必要である。これを増税によって行うとすれば、消費税6%分の引き上げが必要となる。この時でも、国債残高の対名目GDP比は2035年度に99%になり、わずかずつ減少していくだけである。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

(管理人)

>資金は、民から官に流れている、民の消費を刺激する政策、内需促進政
>策が効果を発揮しない限り、この資金ルートを断つ事は出来ない。しか
>し、デフレ不況でないと財政がもたない、という財務官僚の本音が2004年
>の朝日新聞に掲載された。最早、行くも、引くも、地獄である。

行くも地獄、止まるも退くも地獄、まるで開戦決断時の日本の懊悩だ。

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2008年4月22日 (火)

経済を良く理解している国会議員に期待しよう(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第62弾です。)

 昨日(4月21日)、『お金がなければ刷りなさい』(小野盛司、中村慶一郎著)の出版記念会が開かれ、多くの方が参加されたこと、心から感謝しております。数多くの国会議員の方も来られました。私が記憶している限りで、来場された順番で国会議員の方の名前を書かせていただくと(敬称略)、綿貫民輔、滝実、中川秀直、亀井郁夫、篠原孝、姫井由美子、自見庄三郎、亀岡偉民、秋元司、野田聖子という錚々たる顔ぶれであった。島村宜伸氏も参加を予定されていましたが、直前テレビ出演の依頼があり出席できなくなったとのことだった。

 何よりも嬉しかったのは、参加して下さった先生方が、よく経済を理解しておられ、日本経済の問題点とその処方箋に関して正しい認識を持っておられたことだった。この日の講演で中川氏は、日本経済復活の会が昨年朝日新聞に出した意見広告や、『日本はここまで貧乏になった』小野盛司著、ナビ出版(2007)の内容を何度も引用されていた。単なる引用でなく、その中に書かれていた数字まで使って論理を組み立てておられたのには、驚かされたし、感激した。彼の考えは我々と全く同じだとも言っておられた。

 今は日本経済の暗黒時代だが、このように経済をよく理解している政治家達が中心となって、必ず日本経済を復活させる日がやってくると私は信じている。この日の中川氏の講演にもあったのだが、Voice 5月号に中川秀直氏と与謝野馨氏との「論争」が掲載されている。中川氏が減税派、与謝野氏が増税派として対比させた形で掲載してある。もちろん、私は中川氏を応援したい。

 与謝野氏は「消費税10%こそ救国の策」と主張する。彼の主張は支離滅裂だ。どこが間違えているかを指摘する。

①「現在は、子供や孫のクレジットカードを使って生活している」のだそうだ。これは国が通貨発行権を持っているということを無視した発言だ。国債発行という形でお金を刷る。確かに国の借金は増えるが、GDPも増えるから、借金のGDP比は減る。借金のGDP比が減れば、実質借金は返したことになる。子供や孫のクレジットカードの残高は実質減るのだ。与謝野流に増税をすれば、GDPも減り、借金のGDP比が増え、子供や孫のクレジットカードの残高は実質増えてしまう。この原理は与謝野氏には難しすぎて理解できないのだろう。

②「このまま国債を発行しつづければ、いずれ安い金利で国債を発行できる時代は終わる」のだそうだ。何を馬鹿なことを言っているのだろう。日銀は、無制限に国債を買う権利を持っている。例えば、日銀が2%以上の金利なら無制限に国債を買うと宣言すれば、「安い金利で国債を発行できる時代は」終わらない。これは、かつてアメリカや英国が行った政策だ。国の経済をデフレから救うには、行わなければならない政策なのだ。

③「インフレ政策は庶民の富を奪う」のだろうか。
それは逆であることは、経済シミュレーションで明確に示されている。デフレによって、土地の資産価値だけで1200兆円も失われた。デフレ政策によって世界のGDPに占める日本のシェアは半減したし、株式の時価総額は5分の1以下になってしまった。つまり莫大な富を庶民から奪ってしまった。もしもデフレ政策を採用せず、日本以外のすべての国が採用しているインフレ政策(穏やかなインフレ政策を目標としている)が採用されていたら、日本はそのように庶民の富を奪わなかっただろうということが、経済シミュレーションにより示されている。

④「名目成長率4%は実現不可能」だそうだ。このことで与謝野氏が経済を全く知らない事が分かる。確かに実質成長率を自由に上げられるかと言われると、100%どこまで上げられるとは言えない。これは生産性の上昇率であり、様々な要素があり、制約があり、その時の国際情勢にも左右される。しかし、名目成長率は全く違う。上げようと思えば4%でも10%でも100万%でも可能だ。どのくらいの速度で通貨を発行かで決まるだけだから、名目成長率は自由に高められる。これは経済の基礎の基礎であり、そのことすら理解していない人間が経済を論じること自体、無理である。これは九九を知らない小学生に微積分を教えるようなものだ。一度経済学を勉強されては如何ですかと与謝野氏にご提案させていただきたい。

 重要なことは、デフレ下においては労働資源も無駄が多く、また生産設備も遊んでいる者が多いために、名目成長率と実質成長率はあるところまでは比例するのだ。下の図は、日経のNEEDS日本経済モデルを使ったシミュレーションである。初年度に限れば、財政出動が50兆円になるまで、実質成長率と名目成長率はほとんど比例している。つまり、財政出動をした分、そのまま国が豊かになるということだ。国民にお金が渡り、そのお金を国民が使い、需要が増えるのだが、それが元で生産が追いつかなくなり、物不足になって物価が上がるということは起こらないということを示している。

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2008年4月20日 (日)

マスコミは誤った世論誘導をやめよ(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第61弾です。)

 本日(4月20日)の日経新聞の13面に生活モニター緊急調査の結果が大きく扱われている。その見出しは「利下げやめてほしい」「物価上昇、歯止めを」となっている。要するに、日本国民は利上げと物価を下げることを望んでいると言いたいようだ。ご存じのように、日本は世界で唯一、デフレのために経済が急激に悪化している国だ。それなのに、マスコミは、更に金利を上げて景気を悪化させ、デフレを加速させようと世論誘導をしている。

 長期のデフレのために、日本は貧乏になってしまった。それを表すデータの一部を並べてみる。

○一人当たりGDP         2位(1993年) → 18位(2006年)
○国際競争力            1位(1989―1993年) → 24位(2007年)
○企業の時価総額ランキング 20位以内に14社(1989年) → 1社(2007年)
○世界の長者番付       10位以内に6名(1989年)→ 100位以内に0名(2007年)
○港湾のコンテナ取扱量    神戸   4位(1980年) → 39位(2006年)
                  東京 12位(1980年) → 23位(2006年)
○空港発着回数ランキング   成田 13位(1992年) → 18位(2005年)

 どれを見ても、背筋が凍る思いがするものばかり。デフレなのに、緊縮財政を行い、金利を上げろ、物価を下げデフレを加速せよと馬鹿なことをいう。皆さん、もうこんなことを止めるべきだと思いませんか。国を貧乏にして良いことは何もありません。不況は税収を減らし、国の財政を圧迫し、それが年金を減らし、消費税増税議論に拍車を掛ける。貧乏になれば、食料を輸入に頼っている日本にとっては、おいしい物も買えなくなるということ。老人医療も切り捨てです。

 マスコミは、マクロ計量経済学を勉強し、どうやれば日本が豊かになり、世界経済の中で日本がシェアを拡大できるのかを考えるべきでしょう。金利を上げれば、景気が悪くなるということは、どの経済の教科書にも書いてある。デフレの時に、更に物価を下げるということは、デフレスパイラルを引き起こし、経済が際限なく縮小し、貧乏になっていくことはよく知られている。それに向けて世論を誘導するのをマスコミは慎むべきだ。

 年金生活者には、金利が上がれば、貯金の利子が増え、物価が下がれば、実質収入が増えたと同じ事になるというのだろうか。とんでもない。物価スライド制だから、物価が下がれば、年金も下がる。金利を上げるのは、設備投資をしたいという資金需要が増えすぎて、それを抑えようと日銀が行う金融政策だ。そういう好景気のときは、もちろん物価は上がる。様々なデータを総合的に判断しなければ、自分にとって何が利益なのか、不利益なのか分からない。それがマクロ経済モデルによるシミュレーションであり、現在の日本では、積極財政で(お金を刷って)国民のために政府がもっとお金を使う政策が最良であるという結論が出ている。

 我々は、政府に対し、積極財政を求めていかねばならない。「どうやって」ということになるが、例えば明日(4月21日)、日本経済復活の会ではパーティーを開きます。中川秀直前自民党幹事長、綿貫民輔国民新党代表(元自民党幹事長、衆議院議長)など、与野党の国会議員が多数参加されます。参加登録人数は4月20日現在で55名です。政治家の方達と直接話ができる数少ない機会です。今からでも申し込めますので、是非ご参加下さい。


お知らせです” 

 4月21日の出版記念パーティ

 4月21日(月曜日)、東京にて日本経済復活の会・小野盛司会長と評論家の中村慶一郎氏の共著『お金がないなら刷りなさい ―米国が16兆円を刷って国民に配っているときに日本は増税かーの出版記念パーティがあります。弊ブログで小野会長の積極財政論シリーズをご愛読して頂いている読者さんも参加してくださればうれしい限りです。出版記念会詳細は上記リンクにてどうぞ。(神州の泉・管理人)

出席される政治家の方々(敬称略)
綿貫民輔(国民新党衆議院議員)
滝 実 (衆議院議員)
中川秀直(自民党衆議院議員)
篠原孝(民主党衆議員)

 今からでも間に合います!!ご参加ください。

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2008年4月19日 (土)

未来の医療はどうあるべきか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第60弾です。)

 後期高齢者医療制度というものがスタートした。コメンテーターはこれが導入された理由は、高齢者の医療費を削減するのが目的だと言う。高齢者は今後増え続けていく。単に国の「採算」だけ考えていたら、我々の受けられる医療はどんどん悪くなっていく。しかし、国はお金を刷っても良いのだということを認識し、そのお金を使って大規模な医療改革を断行する覚悟があるなら、医療の質も、医者の待遇も大幅に向上させることができる。

 医療の大改革の第一歩は、個人情報保護に対する考えを変えることだ。我々が、我々のすべての医学データを医者が一括保存・管理することを許せば、我々は現在よりはるかによい治療を受けられるということだ。個人情報漏洩の危険があるが、それは別途漏洩防止の手段を考えればよい。

 個人の医学データとは、年齢、性別、本人の病歴と親兄弟の病歴、アレルギーの有無、喫煙の有無、過去の検査結果、DNA、などである。医者に掛かる度に、データを蓄えていき、USBメモリーなどの携帯型の記憶装置で各人が持ち歩く。医者もそのデータを診断に活かすことができる。多くの国民が規格化されたデータを持ち歩くようになったら、次のステップは、そのデータを使って、自動診断システムを作り上げることだ。病気に罹ったら、我々は病院に行く。大病院だと1~2時間は平気で待たされ、診察は僅か2~3分、医者は自分の病歴など、ろくに見ていない。それに待合室で病気をうつされるかもしれない。

 自動診断システムの場合、病気になれば自分の医学データが入ったメモリーをパソコンに差し込み、コンピュータと対話すればよい。相手が医者でなく、コンピュータだから待合室で待たされることはない。コンピュータはじっくり話を聞いてくれる。しかも、ネットを通じ最新の医学情報を毎日でも更新できるし、すべての分野に精通することができる。忙しい医者にはとてもそんなことはできない。こういった診断システムの性能にもよるし、運用の仕方にもよるだろうが、全国のそれぞれの分野の専門医が現代医学の粋を集めて作れば、通常の医者より正確な診断ができるようになる。もしもそのようなシステムが完成すれば、パソコンをネットでつなげばよいだけで、全国、どんな田舎でも超一流の名医を配置したことに相当する。しかも、その蓄積されたデータは、医療技術の改良に大きく貢献する。薬の有効性や副作用のデータが大量に集められるからだ。医者にとっても強力な助っ人の登場で、仕事が楽になるし、より専門的な仕事に集中でき、収入もアップする。患者の側でも、医療費の軽減、待ち時間の短縮だけでなく、更に高度な医療サービスを受けることができる。

 もちろん、その診断システムを実際に運用する前に、解決しなければならない問題はたくさんある。しかし、マイナス面ばかりに気を取られて、悪くなる一方の医療サービスを放置してもよいのだろうか。指摘されるだろう問題点について書いてみよう。

個人情報保護:もちろん、個人情報の漏洩阻止には、法律で厳しく対応する必要がある。悪用する者に対しては厳罰を科す。それでも心配かどうか、これは価値観の問題だろう。個人情報が漏れることを恐れこのシステムを使わない人がいれば、強制するものではない。少ない費用で、しかも高度な医療を受けられるメリットは、個人情報が漏れて生じるディメリットよりはるかに大きいと思うが、それは価値観の問題だ。このシステムに理解を示す人だけに使ってもらえばよい。

診断システムが間違えたらどうなる:もちろん、間違いはある。医者だって誤診をする。診断システムが医者よりも間違いが少なくなったら、使えばよい。例えば薬局に、診断システムを置いておいて、血圧、体温、脈拍等の測定もできるようにしておき、患者に自覚症状など、様々な質問をし、病状が薬の処方だけで十分と判断すれば、処方箋を出す。それを薬剤師が確認し、問題なしと判断したら、薬を与える。更に精密検査が必要となれば、その精密検査が可能な病院の検査室に対する検査表を発行し、直接その検査室に行けば検査が受けられるようにする。特殊な病気に対しては、専門医を紹介する。

 以上、医療改革の一案を書いてみた。強調したいのは、我々の未来は改革をしようと思わなければ、暗くなるだけだ。刷ったお金を使えば、思い切った改革が可能だ。方向性としては、「労働はロボットに、人間は貴族に」である。この診断システムは医者に変わるロボットの初期の形態だと思っていただきたい。

 医療現場で、ロボットは様々な所で使用されるようになるだろう。レントゲン検査でも、本当に一人の人間が常に面倒を見ていなければならないかは疑問だ。「大きく息を吸って、止めて、はい、終わりました」など、録音で十分だ。ロボットが検査技師に置き換わることができる分野も多いと思われる。高齢者のケアであれば、介護ロボットの開発も進めると良い。日本はロボット技術では世界一進んでいる。この分野を国が支援し、伸ばしていくことも、日本の未来を明るくする。

 ここで主張したいことは、医療制度改革をやりたいなら、国の財政に関して収支のバランスだけを考慮した制度作りでは、我々の未来は真っ暗ということになるということである。サミュエルソンも言っているように、国の経済をデフレから救う方法は、財政赤字の拡大である。インフレ経済にとっては、財政赤字の拡大はインフレの悪化で有害なのだが、デフレ経済にとっては、財政赤字の拡大は救いの神なのだ。国はもっとお金を使って良いということだから、それならば、医療に関しても、もっと高度で本格的なコンピュータの使用を考えるべきである。一度、診断システムを作り上げると、それは日本人が誰でもいつでも相談できる、最高レベルの専門医を各家庭に配置したことに相当する。安心・安全を国が国民にプレゼントできるのだ。大変な財産を国民にプレゼントすることになる。国は増税や歳出削減のことばかり考え国民を苦しめる改革をするのでなく、国民が喜ぶようなことを考えていただきたい。

お知らせです” 

 4月21日の出版記念パーティ

 4月21日(月曜日)、東京にて日本経済復活の会・小野盛司会長と評論家の中村慶一郎氏の共著『お金がないなら刷りなさい ―米国が16兆円を刷って国民に配っているときに日本は増税かーの出版記念パーティがあります。弊ブログで小野会長の積極財政論シリーズをご愛読して頂いている読者さんも参加してくださればうれしい限りです。出版記念会詳細は上記リンクにてどうぞ。(神州の泉・管理人)

出席される政治家の方々(敬称略)
綿貫民輔(国民新党衆議院議員)
滝 実 (衆議院議員)
中川秀直(自民党衆議院議員)
篠原孝(民主党衆議員)

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2008年4月17日 (木)

植草事件の視点を国策捜査にシフトする段階だ

  植草一秀さんには昨日の控訴審でも有罪判決が出た。控訴審判決は、植草氏が犯人であるという極めて強い予断に基づいた裁定を下した。検察側目撃者の証言には重大な誤りが含まれていることが明らかになり、根本的な疑いが多数あるにもかかわらず、裁判官はそれをまったく考慮せず、弁護側論拠を完全否定する結果となった。今までの一審公判を振り返ると、誰が考えてみても、検察側証人の矛盾や不確実性が際立っていることがわかるが、裁判官は検察側証言のみを有用として採択した。この裁判の重大な問題点は、この著しく偏頗な裁定感覚にある。まるで裁判所が検察の代行機関であるかのような印象がぬぐえないのだ。2004年の品川駅構内事件も、2006年の京急電車内事件も、通常裁判の様相を逸脱していることは間違いない。品川事件の裁判を担当した大熊一之裁判官は重大な争点を故意にスルーして有罪判決を下した。これによって植草さんは控訴を断念したのではなく控訴を拒絶したと語っている。つまり司法制度が機能していないことを彼は悟ったのである。今回の裁判にもまったくこれと同じ裁判様態が展開されている。ことがここまで明確になった以上、植草事件は国策捜査によって発生したできごとであり、その裁判は国策裁判となっていることはもはや疑いようのない事実である。

 私は、ここに至って、ある一部の擁護派の姿勢に熾烈な怒りを持っている。それは彼らが法廷至上主義に拘泥して、法廷内証言のみで擁護論理を構築し、司法側がそれをまったく受け付けないという現実を突きつけられているにもかかわらず、延々と同じことばかり繰り返している不毛さに対してである。彼らが植草さんと関わりなく自主的に擁護する分には、勝手なのであるが、公判が進捗する重要な局面でいろいろと見当違いの助言や愚かな讒言を植草さんに与えており、それが国策捜査を世間に流布すべき重大な時点を逸した感がある。そのために全体として擁護派が向かうベクトルは不毛の通常冤罪論に傾いてしまった。これら不毛の擁護論者たちは、最初から事件の基底に横たわる「国家の罠」という本質を見逃しており、初期から重箱の隅を突っつくような同じことばかりを延々と繰り返している。まるでハツカネズミの車回しだ。

 彼らが最初に考慮すべきだったのは、植草さんが身を捨てて小泉政権の間違いを弾劾に近い形で訴えた事実である。品川事件も、京急事件も、因果論的な本質は「そこにこそ」あることを彼らは当初から気付いていない。裁判所までが国策捜査の片棒を担いでいるなら、通常冤罪論でどう戦ってみても勝ち目はない。やるべきことは世論喚起だけである。第一、通常冤罪論で植草氏の三度にわたる摘発の連続性をどうやって合理的に説明できるのだ。冤罪が8年の間に偶然3回発生したという論理よりも、マスコミが大々的に流布した病的性癖説の方がはるかに説得力を持つではないか。つまり、罠に嵌められたという仮説を最初から構築しない限り、植草さん救出の突破口は存在しないのだ。植草さんはそんな破廉恥なことはしませんと感情的にわめいたところで、通常冤罪論は病的性癖説を凌駕できないことになる。つまり法廷内証言至上主義の立場を貫く擁護派の狭隘な論理は、裁判官の不均衡裁定の理由をまったく説明できないのだ。それは植草事件の背景が、通常冤罪をはるかに超えた、国策的な政治レベルの問題に起因しているからだ。つまり小泉政権が国策トレンドを転換しようとしたきわめて重要な時点で、植草さんはマクロレベルでこの政権の誤導性を暴き、的確に批判した。これによって彼は買弁勢力に嵌められたのである。この観点からしか三度の連続性の十字架を払拭することはできないのだ。だからこそ、この部分にまったく触れない擁護派は無力なのである。

 検察側証言の矛盾はすでに検証されつくした感がある。検察側証人はあらかじめ仕立てられた証言者だから、検証すればまだいろいろと矛盾点は出てくるだろう。そのこと自体は重要であり、続けるべきだろう。しかし、すでに問題の位相はそこにはなく、巨大な真相に目を投じるべき時点なのだ。通常冤罪を敷衍して国策捜査に目を移す時点が到来している。検察側証言者は逮捕者の一人を「私服の男性」と表現した。このキーワードは国策捜査による偽装事件を演出したスタッフ(複数)が電車内に潜んでいたことを強く示唆する。つまり、被害者も、目撃者も、逮捕者も、ある共同の謀議を企て、互いに連携してそれを実行した可能性を疑うべきである。事件検証の作業仮説をこのように組み立てれば、検察側証人のつじつまの合わない多くの不合理な証言が精彩を放ってくるのだ。

 一方、裁判所レベルに立ち戻れば、問題とすべきは裁判官と検察の明らかな癒着にある。裁判官が弁護側の合理的な検証や証拠をまったく採用しないという一方通行の「裁定感覚」を問題とすべきだ。長期にわたる「人質司法」(=代用監獄)と言い、裁判官のあからさまな完全検察寄りと言い、日本は法治国家の体を為していない。したがって、我々は植草裁判に対して法治国家のあり方そのものを問うべき段階に来ている。ネオリベラリズムの行き着く先として、日本の統治体制は夜警国家へと変貌しようとしている。この絶対的な徴候が、年金制度崩壊の兆しであり、棄民的な後期高齢者医療制度の施行である。弱者の切り捨て社会である。夜警国家とは新自由主義の極相的国家である。これは言い換えれば、権力中枢の言うがままに動く警察・検察の横暴が野放しにされる恐怖社会を示す。こにおいて、警察、検察、裁判所が一体化した場合、法の正義は雲散霧消し、個人や弱い立場にある企業は助からない。冤罪や濡れ衣が横行する野蛮な暗黒世界に向かう。

 テレビ、大新聞などは、クロスオーナーシップにがんじがらめにされ、権力中枢の走狗に成り下がっている今日、本物の公益的情報が出てくると思うほうが間違っている。巨大メディアは権力中枢の意向に沿って世論誘導を行なう。この点で、零細出版社である鹿砦社の弾圧事件を思い起こして欲しい。パチンコ機器製造メーカー「アルゼ」の巨悪を糾弾した鹿砦社社長・松岡利康さんは、ほとんど植草さんと同じ位相で国家権力の狙い撃ちに遭っている。裁判経過も弁護側が主張する憲法第21条要件を完全に無視するという横暴ぶりだ。横暴という意味は、弁護側の主張を完全に破棄するという、裁判官の徹底的な不均衡裁定感覚のことだ。すでに、一審、控訴審ともに植草裁判はこの不均衡裁定を行なわれている。この現象を法廷至上主義で解読できるわけがない。これを突破する方図は国策捜査の視点にシフトすることだ。

 つまり、植草事件の本質とは権力中枢による弾圧なのである。今の日本はネオリベ的発想による翼賛体制に移行しつつある。これが戦前の翼賛体制よりも悪質なのは、この趨勢が米系国際金融資本の圧力で行われているという厳然たる事実だ。同じ翼賛でも自生的と他生的な差異があり、他生的な統制社会の方がはるかにたちがよくない。植草さんが、たとえば自民党清和研究会のような買弁勢力に狙われたのではないかという視点も重要である。小泉政権下の官邸主導勢力にはあまりにもきな臭い匂いが漂っていた。証拠がないことを言う事は益がないと馬鹿の一つ覚えで言っている傲慢な自称擁護派もいるが、植草さんを魂レベルで救出する方法は、彼が国策のターゲットになったという道理を、法廷外から強く言い続けることしかないと思う。しかも、植草さんの国策捜査を考えることは、日本にとって正しい政策とは何かを国民が真剣に考えることでもある。

 今の趨勢は一部の特権階級が大多数の国民を奴隷化して使役し、それを搾取するネオリベ一辺倒に切り替えられている。そういう動きの究極相には超格差社会が待ち受けているのだ。そうなったら、暴動が起きない限り国家体制は後戻りできなくなる。一部の権力者と、国際金融資本のために恣意的に国家権力が発動され、弱い立場の者が狙い打ちされる社会が常態化する。それが限りなく警察国家に近い夜警国家なのである。植草さんと鹿砦社の松岡さんの事例は日本が夜警国家に向かっていることを強く暗示する。

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2008年4月16日 (水)

生産性向上が国を豊かにする。国がお金を使わないと生産性は向上しない(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第59弾です。)

 現在の日本は不安の時代にある。下図の内閣府「国民生活に関する世論調査」でも、はっきりそれが示されている。しかし、それは政府やマスコミが少子高齢化を過度に恐れ、間違えたメッセージを繰り返し流しているために、国民が誤解しているにすぎない。今後考えられている労働力人口の減少は30年で20.2%で、年率では僅か0.67%にすぎず、実際は生産性の向上を考えれば、これは全く心配しなくてよい減少率である。むしろ過密で、食糧自給率の低い日本にとって、更に世界の環境悪化を食い止めるためには人口減少は朗報と言うべきである。

 CPUの動作周波数(コンピュータの動作速度)は約20ヶ月で2倍になっている。年率約50%の進歩であり、人口減少率の100倍近い。様々な産業を見ていくと、やろうと思えば、いくらでも生産性は伸ばせるが、政治家が選挙に勝つことばかり考えているから、改革ができなくなっていることがわかる。

 例えば農業はどうか。日本の農家あたりの耕地面積はオーストラリアの100分の1だそうだ。減反政策を止め、区画整理して、米国並みの大規模農業にし、機械化を進めれば、現在より農業人口を大幅に減らすことができる。農地の耕作や、刈り入れなど、機械による完全自動化も可能だろう。そこで生じる大量の失業者を、財政支出による充分な支援を、大部分の人が満足する形で行えば、ほとんどの人は反対しないはずだ。つまり刷った金を使えば、生産性の大幅アップは可能だ。

 例えば、このような大規模農業に切り替えることにより、現在の50%の人で生産ができるようになったとしよう。そして残り50%で、30%が別な職を見つけ、残り20%が失職したまま、国の生活援助を受け続けたとしよう。それでも供給面では農産物の生産量は変わらないが、30%の人が別な職場で働き始めた分だけ供給力は増加したことになる。需要面で考えると、もし改革の前後で全員の収入が変わらないとすれば、需要(消費)は変わらない。結果とすれば、供給力が30%増加した分だけ供給過剰でデフレ圧力になる。ということは、全員の収入の合計を30%程度アップすれば需給のバランスが取れる。つまり失職した人まで含め全員の可処分所得を30%程度アップすればよい。あるいは、生産性向上の恩恵を農業関係者だけでなく、国民全体で享受するのであれば、減税などで、需要拡大をすればよい。生産性を上げたら、必ずその分国民に多くのお金を渡すという政策が必要だ。最終的には農業に人手は要らなくなる。コンピュータで制御された機械が農作業のすべてを行うようになる。日本の農業の生産性はアメリカの10分の1だと言われている。アメリカ並にするだけで、生産性は1000%も上昇する。人口減少分は30年間で僅か20%。3割減反政策をやめるだけで、30%生産性がアップするから、これだけで10年分以上だ。

 もちろん、緊縮財政を続けている限り、生産性向上は望めず、国は貧乏のままだ。デフレ下では失業者が多く、就職している人でもパートはアルバイトが多い。こんな中で改革をやろうものなら、新たな失業者を作り出してしまうし、緊縮財政の下では、農家への補償も僅かしか出せないから、農家から猛反発を受ける。新たな失業者も、再就職は難しい。結局生産性向上はできないということだ。つまり改革にはお金が必要なのだ。

 改革は農業に限らない。私がこれから提案する数々の大改革は、不況下での緊縮財政を行っている状況では行うことが不可能な改革であり、行ってはならぬ改革である。しかし思い切って財政を拡大する決意があれば可能となるし、人の暮らしを豊かにするのは間違いない。政府が金を使わなければ、ろくな改革はできないし、国は豊かになり得ないのだ。大改革をどんどん実行していけば、みるみる豊かになり、国民も明るい未来を期待するようになることは間違いない。実際の実行にあたっては、計量経済学による綿密なシミュレーションを行い周到な準備が必要となる。
 
 内閣府「国民生活に関する世論調査」
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医者にかかるな!薬を使うな!長生きするな!姥捨て法案発動

  とにかく腹が立って仕方がない。

 二千数百年の伝統を誇るこの日本はなんという恥ずかしい国に成り下がったのだろうか。現役世代がお年寄りを邪魔者扱いし、その挙句、姥捨て山に捨てる法案まで策定して実行した。鉄面皮の顔で75歳以上の人たちの人並みに生きる権利を剥奪していく日本人とはいったいどういう日本人だろうか。彼らは富士山を誇りに思い、正月を寿(ことほ)ぎ、オリンピックで日本選手の健闘を称える我々日本人と同じ種族なのか。どの時代にあっても、日本人は先祖を崇敬する気持ちを保持し続けることは当たり前だった。ところが、近ごろ、この普遍の民族性に明らかに翳りが生じている。考えてみてもわかるが、自分の両親や祖父母の世代は、我々と同じ空気を吸って生きてはいるが、彼らは最も近しい『先祖』なのである。この先祖たちを75歳を区切りにして現役世代と別枠の保健医療制度にぶち込んでしまおうという発想は、先祖毀損以外の何ものでもないだろう。まるで柵で囲んだ動物農場に彼らを投げ入れ、餌を与えないで効率よく餓死させるシステムを開発したようなものだ。

 今、施行された後期高齢者医療制度は、郵政民営化と立ち並んで稀代の悪法である。この医療制度の犠牲になるご年配の方々は、あの未曾有の大東亜戦争を体験し、敗戦による焦土から、国土を復興し、戦後インフラを築き上げた功労者たちである。人間は年齢を重ねると、さまざまな病気にかかりやすくなり、体調不良の頻度が高くなる。これは自然の摂理である。だからと言って、加齢 → 医療費増加 → 財政圧迫 → 応分負担という単線的な図式でとらえていいものだろうか。問題は応分負担という考え方である。大多数のお年寄りには働いて収入を得る道が閉ざされている。彼らに応分負担を義務付けるというのは、か細い年金から強制天引きするということだ。これ自体が典型的な棄民的発想だ。年金は通常の意味における働いて報酬を得る収入ではない。それは積年の弛まぬ積み立てを行なったことによる政府の保証的還元金である。収入ではなく当然の生存資金である。したがって年金を保険制度の原資徴取対象とするべきではない。後期高齢者医療制度の立案自体が国民生存権の侵害である。つまり憲法第25条の侵害行為である。両親や祖父母にねぎらいの心を忘れたら国はおしまいであろう。この鬼畜法案のどこに人間らしい心がある?これは唾棄すべき心性で発案されている。

 お上が直接国民の年金支給金を切り崩すこと、すなわちこの「強制天引き」なる所業は人非人の仕業である。日本は人非人国家になったのだ。人でなし国家である。この非道な法案は早急に撤回させるべきだ。そしてこれを策定して実行した政治家たちをけっして許してはならない。これを発想する者たちは決まっている。最近ネットで言われてきた外資族なる政治家たちである。小泉・竹中路線をラディカルに推し進めた買弁的構造改革論者たちである。日本の伝統精神や互助的慣習をすべて破壊し、国の魂と財産を外の海賊に売り渡して恥じないやからである。彼らの念頭にあるのは、金融収奪を目論む外資に国富を貢ぐことによって、そのおこぼれを預かるという野良犬以下の発想である。

 はっきり言おう。小泉・竹中路線が敷いた新自由主義による日本構造改変の帰結とは、日本人の金融奴隷化にほかならない。グローバリゼーションという国際金融資本の怒涛の侵略によって、日本は国際的な市場原理のみが機能する平板な構造に切り替えられたのである。この動きの当然の帰結として、現役から退いたお年寄りを無用なものとして捨て去る法案が作られたのだ。これほどはっきりした棄民政策はないだろう。小泉・竹中構造改革路線とは、福祉のセーフティネットを破壊しただけではなく、我々の生存基盤を築いてくれた直近の先祖たちを無残に切り捨てようとしているのだ。ゴミを廃棄処分する感覚だ。もう一つは現役世代の負担を軽くするという発想の独善性である。なぜ、お年寄りの医療費や年金を我々が負担しなければならないのか、我々には我々の世話だけで精一杯だという感覚だ。しかし、これは自分自身の存在理由を考えれば間違いだとわかるだろう。親は無償の愛で子供を育ててきた。その愛情の結果でこの世に存在している我々が、その愛情の源流をゴミ山に捨ててもいいのか。それをしたら鬼畜以下だろう。故に後期高齢者医療制度とは鬼畜以下の発想なのだ。

 後期高齢者医療制度の財源的な考え方に問題がある。この基本の考えがゼロサム理論なのだ。つまり誰かが得をすればその分だけ誰かが損をする。限られた財源の中で、老人医療費負担増が他の予算に悪影響を与える。したがって老人にも自己責任原則を課そうという発想だ。高齢者の生存権をゼロサムで処理してもいいのか?その発想こそが棄民的発想なのではないのか?社保庁の年金問題が未解決なのに、年金から強制天引きすること自体狂気の沙汰である。特別会計の問題や、独立行政法人の垂れ流し的税金投入を放置しておきながら、最も弱いところから金を吸い取る発想。日本の統治システムは崩壊の瀬戸際にある。こんなむごい統治国家で、日本人がいつまで大人しくしているだろうか。

 ひとつだけけっして忘れてもらいたくないことがある。小泉政権の発足当初からその棄民的政策を誰よりも早く察知し、警鐘を鳴らしていた有識者がたったひとりいた。その人こそ植草一秀さんだ。彼の非凡な洞察力はあのペテン的官邸主導政治の危険性を見抜き、憂国の思いからテレビを筆頭として、随所で警告を発していたのだ。その結果、植草さんは急進的構造改革派に睨まれ、二度にわたって国策捜査の罠に嵌められた。ただ一人、身を捨てて警醒の動きをとった植草さんの言葉に、当時の国民が真摯に耳を傾けていたなら、事態はここまで棄民的趨勢を帯びなかったはずだ。植草さんは潔白である。もう一度はっきりと言うが、2001年当時、有識者で小泉政権のマクロ政策の誤りを真っ向から糾弾した人間は植草さんただ一人であるということを我々は知る必要がある。今の日本は国民の立場になって良心的に提言する者を残酷に排撃する。この位相から植草事件を再検討して欲しいと思う。彼は嵌められたのだ。彼が遭遇した二度の痴漢偽装事件とは、国家の罠によるでっち上げである。

“お知らせです” 

 4月21日の出版記念パーティ

 4月21日(月曜日)、東京にて日本経済復活の会・小野盛司会長さんと評論家の中村慶一郎氏の共著『お金がないなら刷りなさい ―米国が16兆円を刷って国民に配っているときに日本は増税かーの出版記念パーティがあります。弊ブログで小野会長の積極財政論シリーズをご愛読して頂いている読者さんも参加してくださればうれしい限りです。出版記念会詳細は上記リンクにてどうぞ。(神州の泉・管理人)

出席される政治家の方々(敬称略)
綿貫民輔(国民新党衆議院議員)
滝 実 (衆議院議員)
中川秀直(自民党衆議院議員)
篠原孝(民主党衆議員
梶山 拓(前岐阜県知事)

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2008年4月14日 (月)

IMF委 共同声明 景気刺激へ財政政策を(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第58弾です。)

 4月13日ワシントンで開かれていた国際通貨基金(IMF)の国際通貨金融委員会(IMFC)が、世界経済減速への対応について、「財政政策も景気刺激策となりうる」とする共同声明を採択し、閉会した。世界経済の減速がささやかれており、世界大恐慌に発展する恐れさえ指摘されている。世界各国が財政政策、つまり景気対策を行って、世界大恐慌へと発展するのを阻止しようとしているのである。

 14日の日経新聞には「IMF委 共同声明 景気刺激へ財政政策を」のタイトルに加え「日本には構造改革要求」というサブタイトルが書かれている。本当に日本にそんなことを要求したのかを確かめるために、本文を読んでみると「巨額の借金に苦しむ日本は財政出動要請の対象から事実上除外されているとみられている。」と書いてある。つまり、声明ではそんなことは書いていないが、日経の記者が勝手にそのように解釈して、サブタイトルを書いたということだろう。ありもしないことを勝手にでっち上げて書くのが日経のやり方だ。

 筆者は、政府発表と称する記事に関して、時々政府(内閣府)に問い合わせてみることにしている。そうすると、内閣府では、それは事実ではないとはっきり言う。では日経に抗議すべきだと、内閣府に言うと、内閣府は日経と連絡を取ってみると言う。しかしそれから話は進まない。政府に対して日経は情報源は話す必要がないと主張する。それが報道の自由なのだそうだ。ありもしない嘘の記事を書かれても、政府はそれを放置するしかない。私が日経に電話しても記事が間違えていると主張しても同じだ。でっち上げたのだろうと問い詰めても、「そんなことはない。情報源は明かす必要はない。」と主張してそれ以上追求する手段はない。滝実衆議院議員による質問主意書の中で、時々新聞記事の内容について聞くと、政府からの回答は「そのような事実はない」という返事が返ってくる。つまり記事は嘘だと言うのだ。だからといって訂正記事を書けとは言えないようだ。それが報道の自由というものの実体か。日本は何という国だろう。つまり報道の自由とは、でっち上げの自由ということのようだ。これが日本経済を没落させる一因となっている。嘘の報道に対して、反論する場を与えるべきだ。

 経済の話にもどろう。現在、日本以外は物価の値上がりに悩んでいる。日本は食料品やガソリンなどの値上がりはあっても、全体としてはまだデフレであり、物価の下落は続いている。景気対策の余地がある国とは、物価の値上がりは激しくない国であり、日本が最も安心して景気対策が行える国であり、景気対策の成果が最も上がる国である。計量経済学は、日本の巨額の債務の問題は、景気対策によって解決することを証明している。

 一昨日、民主党の岩國哲人衆議院議員と食事をした。4年位前に、私が衆議院会館で議員を集めて講演をしたとき、岩國氏が政府貨幣発行についての彼が書いた論文を私に渡してくれた。今回もその話が出た。国がお金を刷って、国民のために使えばいいではないかという主張。当時彼は民主党の副代表だった。是非、民主党の中でこの考えを広めて欲しいものだ。民主党は、ともすれば財政再建のため、消費税増税や歳出削減の話を持ち出す。

 岩國氏の考えは、実際に政府貨幣を印刷して、日銀券と共存させようというもの。しかし、それをやりだすと大変ですよと私は言った。現在、日銀券の発行残高は70兆円しかなく、政府貨幣を発行しても、それ以上は流通しない。それに、自動販売機など、すべて作り直さねばならなくなる。それから政府貨幣が流通すると、その代わりに日銀に日銀券が返って来て、日銀の自主ルールに従えば、日銀券の発行残高を日銀の国債保有の上限とするようになっているので、日銀券の発行残高が減れば、国債保有も減らさなければならなくなる。つまり売りオペをやらねばならず、それで景気を冷やす。つまり、政府貨幣発行は現在の制度のままでは、景気対策にはならない。スティグリッツの言うように、政府を変えればよいだけだ。政府貨幣を政府が発行し、それを日銀が受け取り、日銀が保管すれば、その額がそのまま国庫に入るようにすれば、景気対策に有効である。まさにお金を刷ったことになる。これには法改正が必要だ。これこそ真の構造改革である。

 巨額の政府債務で身動きが取れなくなっている日本だが、実際は柔軟に考えれば、お金はなんとでもなる。霞ヶ関埋蔵金もあるし、外貨準備だけでも100兆円あるし、日銀にあるお金も使おうと思えば使える。何か悪いことがあるのはないかと恐れていると、世界から取り残されるだけ。一刻も早い決断が求められる。

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2008年4月12日 (土)

宍戸vs大田大臣の公開討論会はどうなったのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第57弾です。)

 公開討論会に関して内閣府に電話してみました。さんざんたらい回しにされました。

内閣府 → 官邸広報室 → 官邸報道室 → 内閣府経済社会システム担当 → 計量分析室

と回されやっと計量分析室が担当であることが分かりました。しかし、そこで言われたのが、討論会の予定は決まってないということ。責任者も決まってないし、そのことに関して、打ち合わせの予定もない。ということは、次の組閣まで待って、この討論会を流してしまおうという作戦かもしれません。やり方が汚いと思いませんか。3月14日の予算'委員会で福田総理が、やるべきだと言っておられた。大田大臣も、「討論会、総理の御指示ということであればやらせていただきます」とはっきり言っておられる。一部始終はNHKで全国中継された。

 内閣府は、自らのインチキ経済モデルの中身が白日の下にさらされるのを恐れ、必死でこの討論会を流してしまおうとしているのではないか。総理の命令さえも従わないということか。このままにしておくべきではないと私は考えます。世論の後押しがあれば、重い腰を上げるかもしれません。どなたか内閣府計量分析室に電話していただけませんか。

計量分析室は 03-3581-1099です。

 ところで、G7で白川日銀総裁は、「日本は大きな金融危機を経験し、ノウハウを蓄積した。そうした経験を国際金融市場の安定につなげたい。」と抱負を述べたそうだ。何を言ってるのだろう。日本の経験を生かして、世界経済が14年間もデフレが続いたら大変だ。日本のようにならないようにするにはどうすればよいかを考えるのならよい。あるいは、アメリカが、このような金融危機にどのように対応するか、お手並み拝見し、それに習って日本経済の立て直しをしようと言うなら理解できる。

 1999年2月4日の朝日新聞を紹介しよう。アメリカが日本に「お金を刷って景気を回復させなさい。」と的確な要請をしている。小渕内閣の積極財政を支持し、後押しをしている。アメリカのアドバイスを日本が素直に受け入れていたら、現在の日本の経済停滞は無かった。日本は財政金融政策で、アメリカに学ばねばならない。

 米財務省感「日銀の国債引き受けを」  
    景気対策 通貨供給増大を求める

 米国のルービン財務長官が、日本の景気対策として、日本銀行の国債引き受けなどによって通貨供給量の増大を目指すべきだ、と日本側に非公式に要請したことについて、大蔵省は三日、小渕恵三首相に対して大幅な財政支出による内需拡大を要求してきたが、財源となる国債が大量発行でだぶつき気味になっていることから、市場だけで消化させるのは難しいと判断、異例の政策対応を求めたとみられる。政府・日銀にはインフレ防止と財政規律の面のほか、景気対策としての実効性からも抵抗感が強い。

〈経済面に関連記事〉
 日銀による国債買い入れは現在、金融機関を通じて金融調節のために行っている。市中で抱えられない国債の消化を目的にして拡大されれば、インフレを引き起こす危険性がある。政府・日銀が当面、本格的な検討に入る状況ではないが、長期金利の上昇(国債価格の値下がり)傾向が出てきていることから、急激な円安を招いて景気の押し下げ圧力になる懸念もあり、自民党の一部などには実現への積極論も出ている。
 ルービン財務長官の非公式要請は、先月末から今月初めにかけてスイスのダボスで開かれていた「世界経済フォーラム」で、日本側出席者に伝えられた。財務長官は、参加者の一人である自民党の加藤紘一前幹事長とも会談し、日銀が国債を引き受けることについて、期待感を伝えたという。
 大蔵省では、土地などの資産価値が下落している日本を軽いインフレに誘導する「調整インフレ論」に、米財務長官が傾いている、との見方が広がっている。

 若干解説しよう。アメリカは日本に対し、正しい財政金融政策を教えようとしている。このことに関しては、日本は、余りにも未熟だ。このような強力な景気刺激策に常に及び腰だ。日銀が政府の発行する国債を直接引き受ければ、つまり政府が国債を発行して、その替わりにお金が日銀から政府に渡れば、政府はいくらでも資金を手に入れることができる。これが日銀の国債引き受けであり、国会の承認がなければこれをすることができないと財政法5条で決められている。しかし、一旦国債を政府が銀行や郵便局に売って、その後、日銀が銀行や郵便局からその国債を買えば、同じ事となり、これは国会の承認は不要で事実上「お金を刷った」ことになる。

 この記事にあるように、やりすぎてハイパーインフレになるのではないかと恐れて、大蔵省は躊躇している。ろくに食事を与えず栄養失調になった子どもに、「もっと食事を与えなさい」とアドバイスをしたら、母親は「肥満になるといけないから」と言って耳を貸そうとしないことに相当する。お金を刷っても、景気はよくならないという「珍説」は、もっと食事を与えても栄養失調は治らないという持論に相当する。「そんな馬鹿な!」と言いたい。

“お知らせです” 

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2008年4月10日 (木)

内閣府の試算と日本経済復活の条件(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第56弾です。)

 やっと日銀総裁が決まった。日銀総裁選挙が政争の具にされてしまうような現在の制度自体、大きな問題だが、白川総裁で本当によかったのか。就任したばかりで、断言はできないにせよ、これは日本経済にとって最悪の選択だったのかもしれない。日銀の金融政策決定会合では、景気判断を下方修正し、「景気は当面減速が続く」との認識を示した。白川総裁も「当面減速が続く」という認識を示した。これは恐るべき事態である。現在日本経済は14年前から続くデフレの真っ最中にある。一人当たりの名目GDPは世界2位から18位に転落、世界の株式の時価総額に占める日本のシェアは5分の1以下に低下、経済苦が原因で自殺に追い込まれる人の数は数倍に増え、不況のために年間数千人もの人を死に追いやっているのが実情だ。

 経済が大停滞している日本で、これから、更に景気が悪くなるということだ。しかも政府・日銀は景気をよくするための努力を行わないと宣言しているのは、日本にとっては悲劇だ。白川総裁は金利を上げたくて仕方ない人のようだ。金利引き上げは、間違いなく景気を悪化させる。確かに、利子収入を増やすために資産効果で可処分所得が増え消費を増やすという効果がある。しかし、それよりも設備投資や住宅投資を減らすというマイナスのほうがはるかに大きく、結果として景気を悪くしてしまう。

 例として今年の内閣府の試算結果を引用してみよう。短期金利を1%引き上げた場合どうなるかというシミュレーションである。引き上げた1年目はそれほど大きな影響はなく、本格的に影響がでるのは2年目なので、2年目の影響を引用すると

実質GDP    0.25%減少
名目GDP    0.38%減少
消費       0.17%増加
設備投資(実質) 2.42%減少
住宅投資(自室) 0.82%減少
消費者物価    0.16%下落
国の借金のGDP比  0.93%増加

 というわけで、日本経済への悪影響は歴然としている。特に設備投資の落ち込みが厳しい。それはそうだろう。デフレで利益が上がらなくなっている昨今、融資を受けようとして銀行に行って相談しても、支払わなければならない利子がかさむと返済が大変で、そんなに儲かるわけないから、止めようということになる。当然、金利引き上げは景気を悪化させデフレを加速する。つまり、デフレ下での金利引き上げは、絶対にやってはならぬことだ。金利を上げれば消費が伸びるから景気が良くなるという馬鹿なエコノミストがいたら、その人間は経済を知らないということだ。

 しかし、日銀は失敗を繰り返す。1999年末小渕内閣の積極財政が成功し、景気がずっとよくなってきた。しかし、それでもまだデフレは脱却できていなかった。愚かにも、2000年8月11日、日銀は政府の反対を押し切って金利引き上げを強行した。その結果、景気は再び悪化し、2001年3月には再びゼロ金利に戻し日銀の愚かさを露呈した。その後現在に至るまでデフレ脱却はできていない。その失敗に懲りもせず、政府の反対を押し切って、2006年3月には再び金利が引き上げられ、現在に至っている。今回、どん底のデフレ経済が更に悪化しようとしていることは、日銀の政策が再び失敗したことを証明するものだ。金利を上げてデフレを悪化させた責任は重い。景気が過熱したらいけないから、あらかじめ引き締めを行っておくなどと馬鹿なことを言っていた。食事をろくに与えないで、栄養失調になった子どもに、肥満になるのをあらかじめ予防するために、更にダイエットを強化するようなもの。

 2005年の経済シミュレーションには、「構造改革を行わなかったら、こんなに経済が悪化する」という試算が添えてあった。構造改革の意義をPRしようとしたのだが、明らかに国民を騙す試算だ。確かに急激に経済の悪化する試算になっていたのだが、よく見ると実質長期金利が7%にまで上がるという前提になっているのだ。7%まで金利を上げれば、景気が悪くなるのは当たり前で、これは構造改革をやるかやらないかを試した試算ではなく実質、金利を上げればどれだけ景気が悪くなるかを示したにすぎなかった。
 積極財政を行えば景気は良くなるが、すぐに金利が上がって、国の利払いが増え、財政が悪化するから、景気は絶対によくしてはいけないというのが、政府(内閣府)の論理だ。しかし、日銀が金利を抑えれば、金利は上がらず、財政も改善し続けるはずだと我々は政府を追及した。内閣府の試算に従うと確実にそうなる。これには、政府(内閣府)は反論できなかった。

そこで内閣府は驚くべき行動に出た。内閣府の経済モデルを自分たちに都合の良いように変えることだった。国民を更に騙し続けるため、内部の関数を変えてきたのだ。こんなことをすれば、どんな結果でも出せる。設備投資の関数と物価・金利の関係を示す関数をメチャクチャに変えてきた。結果はどうなったか。金利引き上げの影響に関するデータで言えば、2006年の試算では1年目の潜在GDPの減少幅が0.14%であったのに、2007年では0.01に減った。なんと14分の1にまで減らしたのだ。よくやるよと、呆れて物が言えない。ここまでやって国民を騙し続けるのかと怒りがこみ上げてくる。

 つまり、2006年の内閣府のモデルでは、景気対策と金利に低め誘導で、景気は回復し、財政も健全化してしまうので、景気対策が悪いと言えなくなってしまう。そうするとそれまで行ってきた政府の政策が間違えていたことになるので、モデルを作り替えてしまったのだ。2007年からのモデルでは金利低め誘導の効果を激減させた結果、景気対策と金利低め誘導を行っても、財政健全化は最初の2,3年だけで、それ以後は財政が悪化すると主張し始めた。我々の追求が無かったらこのようなモデルの作り替えを行うことはなかっただろう。積極財政で財政が健全化することに、国民が気付かなければ、今までの政策が間違いだったことを隠し続けることができるのだから。

 新しくした2007年のモデルは、全くひどい。例えば公共投資を5兆円増やしたとき、景気は良くなるのだが、民間設備投資が大きく落ち込んで景気の足を引っ張るような仕組みになっている。特に3年目から大きく落ち込むようになっているが、そんなことはあり得ない。景気がよくなり、政府からの注文がどんどんでてきたとき、企業は一斉に設備投資を減らすだろうか。そんな支離滅裂なことを企業経営者がやるわけない。日本経済新聞社のモデル(NEEDS)でも、公共投資が増えれば、民間設備投資は増える。当然のことだ。特に建築関連の業種では、注文に応じるために設備投資を増やすし、それと同時にそれに関連した業種までもが、投資を増やし始める。

 日本経済のこと、国民のことを真に思っているのであれば、この際、過去の政策の過ちを認め、政策の大転換をすべきだ。

 これらのことを含め、宍戸駿太郞vs大田弘子大臣の公開討論会には大いに期待している。それは先月14日の予算委員会の中で総理が約束をしたことだ。総理と大臣の発言を以下に抜粋する。

○内閣総理大臣(福田康夫君) 《前半略》
 ですから、それは、そういうような今難しい時点にあるんだということ、そしてその日本を間違いなく運営していくというためには、やはりそういうような英知を集めてそして結論を出していくという、こういう作業は必要なんだろうと思いますよ。
 ですから、先生の、公開討論会というのを提案されましたけれども、そういうふうなこともやってもいいと私は思いますけどね。いろんな角度からこの日本がどうあるべきかということを検討していくいい機会というか、本当にそういうことは必要なときだと、こういうふうに私は思っております。

○自見庄三郎君 今総理が公開討論会やってもいいという話ですからね。大臣、あなた、総理大臣の麾下にあるんですからね、公開討論会やってくださいよ、いいですね。

○国務大臣(大田弘子君) 宍戸駿太郎先生のお名前はよく存じ上げておりますし、お書きになったものも拝読しております。勉強させていただきたいと思います。
 討論会、総理の御指示ということであればやらせていただきます。

 何を躊躇しているのだろうか。一刻も早く行って頂きたい。

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2008年4月 7日 (月)

労働はロボットに、人間は貴族に(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第55弾です。)

 現在の日本経済の大停滞の原因の一つは、少子高齢化の流れの中、もうこれ以上大きく経済成長することはないという間違えた考えが広まったことにある。経済成長しないのが、政府の経済政策の大失敗にあるのにも拘わらず、それに対して野党すら追及しようとしない。一人当たりのGDPが、世界第2位から一気に18位まで落ちた。一人当たりのGDPなのだから人口減少とは全く無関係なのだ。世界の株式の時価総額に占める日本の割合が5分の1に下がってしまったのも、人口減少などでは全く説明がつかない。人口が5分の1になったのではないのだから。

 人口減少社会ということで、経済成長しなくてもしょうがないという思いこみ、それに伴う悲観論、それらが急激な日本経済の没落に繋がっている。残念ながら、日本人はこれから起ころうとしている、大きな社会の変化を理解していないようなので、そのことに関して、話してみたい。

 コンピュータの進歩は目覚ましい。ムーアの法則は、チップに搭載するトランジスタの数が約二年ごとに倍増するというものである。二○○四年の四月号の日経パソコンには、森本の法則が載っていた。それはCPUの動作周波数(コンピュータの動作速度)は約二○ヶ月で二倍になり、HDD容量(コンピュータの記憶容量)は約一三ヶ月で二倍になるというもの。猿が人間に進化するのに数百万年かかった。つまり大脳の大きさが二倍になるのに、数百万年かかったことを考えればコンピュータの進歩はすさまじい。ロボットと言えば、コンピュータそのものと言っても過言ではない。従ってロボット技術の発達もすさまじい。すでにロボットは歩いたり、走ったり、片足で立ったり、ダンスをしたり、転んだとき自分で立ち上がることさえでき、簡単な会話までできる。楽器を演奏し、オーケストラの指揮までやってのける。ロボット展では、人間そっくりの案内ロボットが活躍している(下図参照)。ロボット技術は、今後驚くべき速さで進歩を続け、人間の職場を一変させるに違いない。

 今はロボットは高価だが、遅かれ早かれ、ロボットはロボット自身が自分のコピーを大量に作り始め安くできるようになる。広い工場に管理人が一人いて、他はすべてロボットという時代が来る。

 ロボット(あるいはコンピュータ)が、人間に替わって働き始めることが、遠い未来のことのように思っている人がいるかも知れない。しかし、産業用ロボットはすでに多くの分野で使われている。また実際は多くの分野で技術的にはすでに取って代わるのに充分なレベルにあるのに、充分な利用ができないでいるというのが実情である。近い将来、ロボットは人間よりも安くて質の高い労働力を提供し始める。ロボットは無給で何時間でも働く。間違わない。全く同じ仕事を何時間でも続けられるし、調子が悪くなったら取り替えればよいだけだ。

 多くの人が不安に思うのは、近いうちにロボットが人間の職場を奪ってしまうのではないかということである。自分より優秀で、丈夫で長持ちし、しかも経費的にも有利なロボットが出てきたら、経営者はきっと自分を首にしてロボットを入れるだろう。ロボット投資が伸びた後、企業に人がいらない時代がくる。大企業には大量のロボットが入れられた後、リストラの嵐が吹き荒れる。だんだんロボットが汎用的に使えるようになれば、本来中小企業で行っていたような小ロットの生産さえも大企業がカバーすることができるようになり、中小企業はバタバタと潰れていく。町には失業者が溢れ、失意の末ある者は自殺し、ある者は犯罪に走る。小さな政府を目標とする政府は、弱者を助けるための金がない。セイフティーネットと称し、職業訓練の費用は出すが、しかし、訓練してもロボットには勝てない。富は大企業を経営する一握りの人達に集中し、大部分の国民は失業し貧困に苦しむ。これは地獄の世界へのシナリオだ。

 ところが、ちょっと頭を切り換えてみよう。
労働はみんなロボットにやってもらい、人間は好きなことを、生き甲斐を感じられることをやればよいではないか。財・サービスは、ロボットが幾らでも供給してくれる。適切にお金が人間に分配される仕組みさえできればよく、人間を永遠に労働から解放し、すべての国民が豊かに人間らしく生きることができる社会を建設していけばよいだけだ。

 現在、日本の雇用者報酬の合計は年間約二六○兆円である。もし、人間の仕事の半分を行ってくれるロボットが開発できたなら、そのロボットは日本だけで毎年一三○兆円分の働きをこれから永遠にしてくれるわけである。これは人類にとって、これまでのどんな発明品よりも桁違いに価値がある物だし、これ以上の発明品は今後生まれることは無いだろう。

 次のような社会が実現したらどうだろう。つまり、「たとえ働かない人間であっても、生活できるだけのお金を与えればよい」とする社会である。もちろん、ロボットができないような、それであって生き甲斐を感じるような仕事があれば、その仕事に専念すればよい。きつい、汚い、危険という、いわゆる3Kの職場から人間は永遠に解放され、自分でやり甲斐を感じる快適、綺麗、安全な仕事(あるいは趣味)を楽しんでいればよい。働く人と働かない人が共存して生きていける社会であり、優秀なロボットが次々出現する今日、そういった社会は、失業も、老後の不安もなく、欲しいものはほぼ無制限に誰でも手に入れることができ、経済的には将来不安は一切なく、各自、自分がやりたいことを自由にやっていればよいという、まさに理想郷が実現するのである。これを『労働はロボットに、人間は貴族に』と表現しよう。

 今の政府は国の借金を返すことばかり考えている。国民などどうなってもよいのだ。このような社会の中で、ロボットがどんどん入ってきたら悲劇だ。ロボットとの競争に負けた人間は失業する。働かざる者食うべからずという考えの政府、働けなくなった75歳以上の高齢者にも健康保険料を払わそうという非情な政府。このような政府の下では、我々の未来は真っ暗だ。しかし、もし政治家達が心を改めて、十分お金を刷って国民に渡せば、素晴らしい未来が保証される。つまり、物はロボットがたっぷり作ってくれる。政府はお金を刷って、スムーズにそれを分配する方法を考えればよいのだ。インフレで苦しむのは物不足の時だ。物余りの時代は、たっぷり国民にお金を渡しても、インフレは起こらない。(小野盛司)

案内ロボット
Photo

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 4月21日の出版記念パーティ

 4月21日(月曜日)、東京にて日本経済復活の会・小野盛司会長さんと評論家の中村慶一郎氏の共著『お金がないなら刷りなさい ―米国が16兆円を刷って国民に配っているときに日本は増税かーの出版記念パーティがあります。弊ブログで小野会長の積極財政論シリーズをご愛読して頂いている読者さんも参加してくださればうれしい限りです。出版記念会詳細は上記リンクにてどうぞ。(神州の泉・管理人)

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2008年4月 5日 (土)

デフレ下で消費税増税をさせてはいけない(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第54弾です。)

 福田内閣の支持率が下がり続け、福田内閣では次の選挙は戦えないという声が上がっている。次の首相として有力視されているのは麻生太郎前幹事長であるが、彼は「中央公論」で、基礎年金部分を全額税方式に変更し、財源は消費税率を現行の5%から10%に段階的に引き上げて充てよと提案している。どのような理由であれ、現在の日本で消費税増税は経済に極めて悪い影響を及ぼすことを、日本経済新聞社の経済モデルを使って説明しよう。

 消費税を5年間、ある一定の税率に固定する場合を考えよう。図1で示したのが、消費税率を0%~11%の間で変化させた場合の実質GDPである。例えば0%と書いた線は、消費税5%であったものを0%にまでに下げて5年間(2000~2004年)続けた場合、11%と書いた線は、一番下の線であるが、これは消費税率を11%に固定したと仮定したときの実質GDPである。

図1
Gdp45 

 11%以上で計算しなかったのは、NEEDS日本経済モデルが止まってしまい計算が不能だからである。この図から、例えば16%まで消費税を引き上げると激しいデフレスパイラルに陥り、2004年度には実質GDPは480~490兆円程度にまで落ちてしまうことが予想される。一方、消費税が現状維持の5%の場合は、実質GDPはほぼ横ばいである。逆に減税して消費税率を0%にすると、実質GDPは緩やかな上昇となる。しかしその場合でも、GDPはやっと560兆円程度である。公共投資と法人税減税で50兆円規模の財政拡大がされれば、実質GDPは700兆円近くにまで上昇することを考えれば、まだまだ本格的な景気回復はほど遠い。

 図2では、各消費税率に対し物価指数がどのように変化するかを示した。消費税率を0%にしても、まだデフレは止まらない。このグラフより消費税率11%だと物価の下落率は年率約1.7%である。

図2
20001

 景気悪化は失業率の増大をもたらす。消費税10%を5年間続けると失業者は2.3%増加する。今の日本の中小企業で、売り上げの10%もの税を払える企業がどれだけあるだろう。デフレ下で、どこも儲かっていない。だから倒産は激増、恐らく経済的な理由で自殺する人は年間3000人~5000人は増えるだろう。こんなに多くの罪もない人を殺してもいいのかと麻生氏に聞きたい。

 消費税を上げると、税収が増えて国の借金が「返せる」のではないかと勘違いしている人はいないだろうか。残念ながら、経済モデルで計算すると、消費税を上げることにより、GDPが下がり、更に景気悪化で消費税以外の税収が減るために、国の借金のGDP比はほとんど変わらないことが分かる。消費税を上げると、デフレは加速し、国は急速に貧乏になっていく。貧乏になった国民に800兆円もの借金返済をさせようとしても無理なのだ。どんなに消費税を上げても決して返せないことが、マクロモデルの計算で分かる。

 日本が国の借金を返済し、国の経済を活性化する方法は一つしかない。それはお金を刷ることだ。少子高齢化で年金財政が大変だと思っているかもしれない。日本の年金制度は異常だ。国が社会保険料を取るだけで、それを貯め込んで、国民に年金として十分払おうとしない。そのため、国はなんと数年分の年金を貯めてしまった。こんな馬鹿なことをやっている国はどこにもない。まず国民に返させるとよい。

 デフレとは、経済発展のために必要に十分なお金が国民に与えられていない状態だから何らかの形でお金を国民に渡す必要がある。社会保険料の引き下げ、減税、歳出拡大など様々な形が考えられる。財政赤字を拡大させれば、国民の側では、黒字が拡大することになり、経済が諸外国並に発展が可能となる。通貨管理制度の下では、日銀は国債を買い取る形で通貨を発行でき(つまり国の借金を日銀が買い取ることができ)その買い取り額は無制限である。国の経済が発展すれば、円の信用も増してくる。緊縮財政を続けて、経済を没落させれば、円の信用も落ちてしまうのだ。(小野盛司)

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2008年4月 4日 (金)

清和会の手綱は誰が握っているのか

 先ほど、弊ブログのある読者さんからメールがあって、今発売中の男性向けファッション雑誌「BRUTUS」4/15を読んでみた。ここに「日本経済入門」が特集されていて、冒頭記事にビートたけし氏の経済学者に対する論評が載っている。この内容は特に紹介するようなものではないと思うが、一ヶ所、植草さんについて看過できない表現があった。植草と言う名指しこそしていないが、明らかに彼を嘲笑、侮辱した表現がされている。ビートたけし氏によれば、今の経済学者は未来予測として景気動向がまったく読めておらず、予測で儲けた経済学者など聞いたこともない、彼らは地味で貧乏の部類に属する。問題はそういう論評に以下のことが付け加えられていることである。

 『こういう経済学者が何をするかというと、せいぜいが手鏡で女子高生のスカートを覗くとか。経済学者のチカン行為には要注意である。』(P023原文のまま)

 明らかに高名なタレントが「植草さん有罪論」を唐突に補強している。しかもビートたけし氏は、昨年の「週刊ポスト」3月2日号「ビートたけしの21世紀毒談 第875回」というコラムでも、“本物の電車で痴漢ができるんなら、幾ら払ったっていいっていう人もいっぱいいるよ。あの植草センセイも絶対に喜ぶぜっての”という悪意の記事を書いているのだ。植草氏を国策捜査に嵌めた首魁たちは、マスメディア報道のみならず、時間を置いて高名なタレントたちに、植草氏有罪論をさりげなく語らせて国民に刷り込みを行なっているのではないだろうか。この役目を担っているタレントには、ほかにテリー伊藤氏、宮崎哲弥氏、爆笑問題の太田光氏等がいると思われる。つまり、植草氏は小泉政権官邸筋、警察、検察、裁判所、週刊誌などの大衆メディア、そして故意に動員された有名なテレビタレントたちにまで包囲されているのだ。この規模、この徹底性、これが謀略でなくて何だろうか。

 植草氏を国策捜査に嵌めた首魁たちとは何を指しているのだろうか。最初に考えられることは当然ながら、植草さんによって、その政策が根底から間違っていることを指摘された小泉政権官邸筋が考えられる。しかし、そうは言っても、まだ漠然としている。植草さんの緊縮財政批判論や竹中平蔵氏の牽引した金融再生プロジェクト批判などを勘案すれば、彼は明らかに歴代政権のマクロ政策トレンドに真っ向から対立した立場にある有識者であり、知名度が高い人である。国策トレンドの転換に伴って、植草さんが最も邪魔者だという認識を持つパワーエリートとは何であろうか。それは清和会である。

 現総理である福田康夫氏の出自は町村派(清和政策研究会)である。振り返ってみると、森喜朗、小泉純一郎、安倍晋三、そして福田康夫と四代続けて町村派から首相が出ている。ところで、森喜朗氏はあの有名な「神の国」発言をしたが、彼は神道政治連盟(神政連)であり、神道への回帰を訴えている。一方、安倍晋三氏は「美しい国へ」という著書を出し、日本回帰という基調精神を訴えた。小泉純一郎氏は特攻隊員の遺書に涙し、靖国神社を公式参拝した。では福田康夫氏の日本に対するメッセージはと言うと、特に言うようなものはないが、清和会は彼の父の福田赳夫氏が創設した政治研究会である。

 そこで、この四代にわたる清和会歴代政権に顕著に共通するものは何か。それは徹底した対米隷属であるということだ。特に小泉政権以後はメディアは完全に与党に掌握された形となっている。植草さんの捉え方を参照すると、ネオリベ政策まっしぐらで格差拡大を増強し、旧田中派の牙城である郵政、道路、住宅金融公庫等の民営化を進めた。植草さんは民営化することで利権構造が社会の見えない部分に潜在化したと言っている。このために国民には利権の動きが見えにくくなった。この動きの背景にはアメリカがいる。福田総理の父である福田赳夫氏のボスは極東国際軍事裁判で免責された岸信介元首相であり、この時期から対米隷属構造は出来上がっていた。東京裁判史観とは対米隷属史観のことである。

 植草さんによれば、過去20年間、米国が熱い情熱を傾けていたのは1500兆円に及ぶ日本の個人資産の獲取であり、郵政民営化はその最大の結実であったと言う。彼の読みによると、2010年までは米国にとって、日本は大きな果実の収穫期に入り、これが終わるまでは超親米的な政権が継続するという。私もこの読みに賛同する。もし、民主党に政権交代が起きても、米国の対日姿勢に大きな変化が起こるとはとても思えない。左翼と保守が徒党を組み、凌雲会が恒常的に反動勢力となっている民主党は屋台骨が常にぐらついている。この思想なき党に米国の対日工作がまともにかかったらひとたまりもないだろう。唯一の希望は平沼さんを中心とする郵政造反組の躍進である。

 冒頭に説明したように、植草さんは国家組織や大衆メディアに包囲されている。それらを裏からコントロールしている首謀が清和会と無関係ではないと言えるだろうか。少なくとも郵政民営化選挙を見る限り、メディアは彼らに掌握されているように見える。彼らのそのような買弁姿勢を見れば、植草さんを目の上のたんこぶとして考えたとしても何ら不自然なことはない。彼らは日本を対日「年次改革要望書」に従って改変し、富の極端な傾斜配分(超格差社会)を行い、国富を米国「奥の院」に貢ぐシステムを構築した売国勢力たちである。風の噂では、シティバンク・グループは巨大な郵貯銀行のM&Aを狙っていたと言うが、これがサブプライム・ローン問題の波及で一時的に頓挫している状況にある。しかし、後を追う巨大国際金融資本はあるだろう。今の米国の金融危機を一つの神風として、政府が保有する持ち株会社日本郵政の株式や、日本郵政が持つゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の株式の売却を当面凍結することが焦眉の急であろう。

(参考:週刊金曜日 2007年No.673  私たちの個人資産を米国に売る「町村派」植草一秀)

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2008年4月 3日 (木)

名無しさんのコメント

彼ら=新自由主義者が良く使うのは、可処分所得が減っても消費は減らないって言う理論なんですね。
テレ東のWBSでフェルドマンなんかが良くそう言ってますね。
だけどそれはおかしい。
例えば、耐久消費財で代表的な新車市場を見てみますと90年代半ばに700万台のピークに
達した後は減少の一途を辿っています。
特に小泉後の落ち込みは激しいですね。
車種でも軽やコンパクトカーしか売れませんし。
昨年あたりからその軽でさえ売れなくなりましたからね。
可処分所得が減って、しかもデフレ期待がある時に人間は消費を増やしたりは決してしませんよw
支配層や役人やマスコミは貧乏生活の経験がないんでしょうw
心理学的に言っても相当無理のある理論だと思いますね。
たぶんお気楽な米国人のモデルをそのまんま日本に持ち込んだんでしょう。
だけどその米国でもサブプラ問題で個人消費が落ち込みそうですしねw
慎重で不安症が多い日本人に米国人の経済モデルを持ち込む事自体無理があり過ぎますね。
役人や政治家やマスコミも分かっててやってる節がありますね。
彼らの目的は日本経済の弱体化なんでしょうかね~。
第一デフレではどうあがいても増税以外に税収の自然増は見込めませんし、貨幣価値も上がる一方ですから実質的な借金は増える一方なのにね。
彼らの本当の目的が何なのかは私も知りたいですねw
とにかく解散総選挙でこの流れを変えるしかないですね。
国会議員と言っても落選しちまえばただのプー太郎ですからねw
自民清和会や民主凌雲会には票を入れない事、造反組や新党に票を入れる事、それが出来ない選挙区では共産や社民にでも投票すればいいんじゃないでしょうかね~。
そうすればいい加減米英資本もあきらめるでしょうw
本社自体が大変ですからねw
とにかく我々はあきらめないでしつこく抵抗しなきゃなりませんね。
害人が日本株を売るんなら買い戻せばイイ事ですしね。
途上国とは違って自国に資金が無いわけじゃ無いんですから。
自国の資金が故意なのか、馬鹿なのかは知りませんが誤った経済政策で海外流出してるのが問題なんですからね。
今回のサブプラ問題は、新自由主義の流れを改めて内需拡大路線に転換するいい切っ掛けだと思っております。

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2008年4月 2日 (水)

内閣府の経済モデルは過去の日本経済を説明できるのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第53弾です。尚、この記事は前掲記事コメントの渡久地明氏の質問に答えたものです。)

 内閣府のモデルは過去にさかのぼって現実経済を説明できるかどうかという検証はやっているのかという質問が読者から寄せられたので、それについて書いてみます。

 内閣府では1985年~2000年までのトレンドに合わせる形で均衡値を求め、それに合うようなモデルを作ったとのこと。つまり7割までがデフレ期間のトレンドを使っていて、これから永遠にデフレが続くのならどうなるかという予測ならできるのかもしれません。景気刺激をしても経済は伸びないように、細工がしてあります。彼らははっきりと新古典派だと言っています。これはフル操業、完全雇用の経済学です。

 彼らの考えている日本経済の現状は「超好景気」で、どこの会社も応じきれないほどの注文が来ている。だから、皆さんが家を建てようと思っても、それを受けてくれる会社はどこもない。もしも、政府が公共投資を減らせば、建築会社は人をマイホーム建設に回せるだけの余裕がでてくる。だから、住宅投資が伸びてくる。結局公共投資が減った分、他が増えるからGDPは減らない。つまり予算をいくら削減しても「超好景気」の状態は続いていくというもの。

 こんな馬鹿な経済モデルを使って国の経済政策を決定している国は日本だけであり、日本は世界の笑いものです。例えば日経新聞社のNEEDS日本経済モデルだと、過去の経済データをどれだけ正確に再現できるかをテストして公表しています。きれいに再現できていますし、そうでなければ、誰も日経にシミュレーションを頼まないでしょう。内閣府は過去の経済データを再現できるかどうかを公表していません。それをやればどれだけひどいかを暴露してしまいますから、絶対にやりません。

 マクロ計量モデルの専門家は皆さんよく知っておられます。内閣府のモデルがインチキだということを。でも、多くの方々は、財務省から委託を受けてシミュレーションをやっていますから、内閣府のモデルをあからさまに批判できない立場にあります。しかし、彼らのインチキモデルでも公共投資を増やせば、GDPは増えるし、デフレは脱却できるし、失業者は減るし、少なくとも最初の2~3年間は国の借金のGDP比が減って財政が健全化するのです。これだけでも、十分積極財政を支持する理由になります。3~4年以降、国の借金のGDP比が増えるかもしれないということが、唯一の懸念材料ですが、彼らのシミュレーションの説明書きの最初に次のような事がはっきり書いてあります。

 試算は誤差を伴っており、相当な幅をもってみるべきである。また、先の期間になるほど、不確実な要素が多くなることに留意が必要である。

 つまり、最初に2~3年は信頼できるが、それ以降は信頼に値しないということです。それはそうでしょう。2~3日までの天気予報は当たることが多いが、それ以降は当たらない確率がずっと増えるでしょう。それと同じです。彼らは新古典派の「完全操業・完全雇用」という考えを日本にあてはめて、無茶苦茶な論理で3~4年後に財政が厳しくなるという間違った結論を強引に引き出しています。しかし、内閣府のホームページにもそれが間違いだという論文が少なくとも2つ掲載されています。

 内閣府のモデルがおかしいと何回も質問主意書で質問しました。首相の答弁は毎回、「試算には相当の誤差を伴っているから」と言うだけで議論は一切拒否します。

 経済モデルの質を評価するのに、決定係数(R2C)を比べるという方法があります。これはどれだけ関数が過去のデータを忠実に再現できるかを示しています。例えば、内閣府(2005)で発表されたシミュレーションを例に説明してみましょう。これはその後の内閣府のものと構造は余り変わっていません。例えば住宅投資の方程式を見るとR2Cの値は僅か0.068014である。R2Cの値は1に近ければ近いほど信頼度が増すのであり、このようなシミュレーションで使うには0.8以上であるべきであるとされている。0.06という途方もなく信頼度の低い方程式を使ったシミュレーションを発表することは、内閣府の信用を著しく落とす。ちなみに経済企画庁(1995)では住宅投資の方程式のR2Cは0.926となっている。住宅投資以外の方程式も実にお粗末だ。各方程式のR2Cの値の分布図を図1で示した。0.1以下という無茶苦茶な方程式が3つもあり、それがしかも住宅投資や消費関数など極めて重要な方程式であるというのだから、このシミュレーションは重大な欠陥を持っている。

図1
21

 比較のために図2で経済企画庁(1995)のシミュレーションで使われた方程式のR2Cの分布を図2で示す。大部分の方程式のR2Cは0.9以上であり、最低でも0.5以上だから、その差は歴然である。内閣府(2005b)のシミュレーションがこれだけお粗末な結果であったということは、その職員の怠慢さを示しているというわけではなく、根本の仮説が間違えていたということである。つまり、内閣府(2005)のシミュレーションが失敗した原因は『1%需要が伸びると、生産部門の多くで供給が追いつかなくなる。』という仮説が間違えていたということにある。これは潜在GDPを低く見積もりすぎたということである。1%注文が多く入るようになったとき、生産が追いつかないという会社がどれだけ現在の日本にあるだろうか。極めて少ないだろう。このシミュレーションで使われた方程式のR2Cの値が極めて低かったことは、内閣府の経済モデルで使われた低い潜在GDPの仮説が正しくないということを意味している。日本の経済状況を説明できるモデルではないということが確認されたわけである。(小野盛司)

図2
1995

( 内閣府(2005) 日本経済中長期展望モデル(日本21世紀ビジョン版)資料集 平成17年4月内閣府計量分析室 経済企画庁(1995) 第5次版EPA世界経済モデル-基本構造と乗数分析-)

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2008年4月 1日 (火)

国民はいつまで騙され続けているのか-内閣府が乗数表を公表-(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第52弾です)

 先週の金曜日(3月28日)、内閣府は彼らの経済モデルの乗数表を発表した。これは彼らの経済モデルの中身を知る上で極めて重要なものだ。デフレの時に、緊縮財政をやって成功した例は無い。それどころか、世界大恐慌や昭和恐慌など、経済政策の大失敗はデフレのときの緊縮財政によって引き起こされている。長期にわたる平成不況での日本経済の没落の程度は世界大恐慌や昭和恐慌以上のものがあり、極めて深刻であることを多くの国民は気付いていない。

 デフレ下での緊縮財政の理論的な根拠を与えているのが内閣府の経済モデルであり、今回、内閣府の以下のホームページで発表となった。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome.html


 しかしながら、これは、国民を騙すために作られていることが一目瞭然だ。例えば公共投資を5兆円削減したらどうなるかという試算がある。道路や橋の建設どころか、修理さえできなくなるといった不便以上の害をもたらす。内閣府の試算では、5兆円の削減により名目GDPは約7兆円も減少するし、可処分所得は約1.4%減る。消費者物価も約1%下がりデフレは悪化する。そういった悲惨な結果だけを示したのでは、国民に公共工事の削減を納得させることができないから、公共投資を削っても景気は悪くならないような経済モデルを作れと言われているのだろう。上からの命令なら、そんな馬鹿なことはできないなどと言っていられない。苦肉の策として、彼らが選んだ方法は、収入が減って、不況になっても、国民は消費を増やし、住宅をどんどん買い出し、企業は設備投資を増やすだろうといった現実離れした「仮定」を、彼らの経済モデルに組入れることだ。

 信じられますか。景気が悪くなり、収入が減って、デフレが進行すれば、国民は消費を増やし、マイホームを建てる人が増えるのだそうですが。それはあり得ないと思い私は内閣府に電話して聞いてみました。答えは、金利が下がるので買いやすくなるのだそうだ。でも長期金利は物価の値下がりの半分以下。実際デフレになったら、実際の新着住宅着工戸数は下図のように激減している。彼らの嘘は明らかだ。

 内閣府の人は、デフレが進行すれば年金生活者がどんどん消費してくれるのだとも言った。年金が減らないから相対的に物を買いやすくなるとのこと。年金は物価にスライドするはずだと言うと、1.75%の下落幅まではスライドさせないとのこと。しかし、物価の下落以上に可処分所得が下がっているので、すべての年齢層では消費は減るはず。

 国の借金が減れば、将来の増税が遠のいたと国民が信じるから、そのために消費を拡大し始めるのだという珍説まで教えてくれた。新古典派とよばれる学派の怪しげな説を彼らの経済モデルに取り入れたのだそうだ。そんな馬鹿な話はない。だって、国の借金は減るどころかどんどん増えている。借金のGDP比でも最初に1,2年は増えている。彼らの欺瞞的な裏工作によって強引に3年以降減るようにしている。国の借金のGDP比が減れば、新設住宅着工件数が増えるのですか。住宅を新築しようと決心した理由は何ですかとアンケート調査をしてみるとよい。国の借金は増えたが、GDP比では減り始めたから、新築することにしたと答える人は皆無だろう。

 例えば、昨年度は国の借金のGDP比は下がった。しかし、ほとんどの国民はこの事実さえ知らないだろう。ましてや、このことが将来の増税の有無と、どう関係するのかどうかなど、考えたこともないだろう。新古典派の学説は机上の空論だ。実際、国の借金のGDP比が下がったことは、マスコミにはほとんど取り上げられなかった。

 金利もおかしい。公共投資5兆円削減で、短期金利が初年度0.55%、次年度0.74%下がるというのだ。現在が0.5%だから、それは金利がマイナスになることだからあり得ない。それに対する内閣府の答えは次のようだ。

「今は好景気だから(え!ほんとうに!?)現在の政策が続けば金利がどんどん上がっていく。その上がった金利に対して初年度0.55%、次年度0.74%下がるということだから、マイナスにはならない。」

 内閣府が如何に現実離れしてしまったか分かるだろう。今日の日経新聞には次のように書いてある。この1年で日経平均は27.5%下落、時価総額は163兆円下落、時価1兆円を超える企業は3割減少、長期金利は1.650%から1.275%に下落。世界の中で日本経済が急激に没落を続けていることが分かる。どこが好景気なのだろう。

 私は、声を大にして言いたい。どうして、こんな無茶苦茶な経済モデルに騙されなければならないのか。公共投資を減らすことは、日本に、また日本国民に、なんの利益をもたらさない。それによって国も国民も貧乏になるし、貧乏になった国民から金を巻き上げても膨大な国の借金は返せるわけがない。国の借金を返す唯一の方法は、国民に経済活動を行うための十分なお金を渡し、国を豊かにすることだ。(小野盛司)

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植草事件、浮かぶ疑念

 ○謀略の可能性を検証する必要がある

  植草一秀さんが遭遇した2006年9月13日の京急電車における事件は、政治的謀略によるでっち上げ、すなわち時の政権筋が絡み、官憲ぐるみで行なわれた偽装事件であったと私は確信する。しかも、第一審の判決も、控訴審における控訴趣意の即時却下も、最初から植草さんを有罪にするための偽装裁判の様相がすこぶる濃い。そしてこの話は2004年4月8日の品川駅構内の事件にも共通して言えることである。官邸筋、警察、検察、裁判所が心を一にして、一人の良心あるエコノミストを犯罪者に仕立てている。今の日本は良心的な有識者がむごい目に遭う閉塞した時代となっているようだ。政治中枢に新古典主義というなかばイデオロギー化した経済思想が浸透したために、国家機関に正義が働かなくなってきている。

 私も植草さんの書いた「知られざる真実_勾留地にて_」を読むまでは、彼を典型的なケインジアンだと考えていた。しかし、彼の経済学の来歴を見て驚いたが、植草さんのベーシックはマネタリズムなのである。なんとそれは、関岡英之さんや自見庄三郎先生が忌み嫌う新古典派の代表格・ミルトン・フリードマンが創設した貨幣数量説による通貨政策重視の捉え方なのである。植草さんは当時、鈴木淑夫氏のマネーサプライ論等を読み、影響を受けたと書いている。また、レーガノミクスを再検証してその有効性を見出したとも書いている。植草さんをあえて分類すると「小さな政府」論、規制改革、自己責任論を重用する一派である。そうであるならば、基本的には小泉・竹中構造改革路線と整合する考え方であると思うが、彼は小泉構造改革を徹底して弾劾した。なぜだろうか。それは小泉政権が一貫した政策を取らず、口先では官僚悪玉論を唱えながら官僚利権構造を温存したからだ。そしてりそなにまつわるインサイダー取引疑惑を見抜いたからにほかならない。私は、植草さんが最初に取り掛かったベーシックな経済理論がマネタリズムであったとしても、その後、然るべく思想的変遷を経てフリードマンを脱し、J・M・ケインズの流れに属する積極財政論者になったと思われる。そう捉えないと私のレベルでは理解不能である。

 さて、話を京急事件の公判に移す。一審の第二回公判に、痴漢を目撃したと証言するT証人が出てきた。T証人は、約二分間の犯行を逐次見続けていたという。私にはT証人のその『行為』『様態』の方がはるかに不自然なものを感じる。考えていただきたいのは、映画『それでもボクはやってない』のシチュエーションとはまったく違っていて、当時の車内はすし詰めではなく、乗客各自は肩が触れ合う程度の混み具合であり、随意に移動できる状況にあったわけである。

 そもそも、ここには二名の行動様態の不自然さが見られる。一人は被害者と称する人物であり、もう一人は犯行を逐次目撃したと証言したT氏だ。この両者に対し、常識的に考えて、一つの強い疑念が浮かばないだろうか?それはこの両者が結果的に、約二分間の犯行に対して、何ら積極的な回避行動、及び制止行動を行なっていないということだ。みずから積極的に動かないことを不作為と言うが、私にはこの二人の不作為が最も異常に感じるし、そこにはある種の共通性があるようにも見える。

 具体的に言うと、2分間、被害者は被害が進行しているにも拘らず、回避行為を行なっていない。T証人は、たとえ本人の感覚的な経時記憶だったとしても、その約2分間は痴漢の進行を結果的には漫然と見ていたのである。なぜ彼は制止行動を取らなかったのか。証言によれば、被告が暴れたりしたら嫌だなということと、たとえ加害者に注意しても、被害者がさわられたことが恥ずかしくて自分に賛同してくれない場合をおそれたと言っている。加害者が凶器を持っていることを想定すれば、万が一の凶行を恐れることはあるかもしれない。しかし、T氏はその可能性を考えると同時に、女性が恥ずかしくて自分の助力に賛同してくれない場合も心配している。私には、この二つの心配を同時に抱くことについては心理的な整合性を感じられないのだが、いかがだろうか。(参照:第二回公判速記録の412~437)

 暴れられることを恐れるのは、自分や周囲に対する肉体の危険である。一方、女性が賛同しない場合の恐れは自分が困った立場になるという不安である。この二種類の不安心理が同時に湧き起こっていたことが、彼の義心による制止行動を抑止したいうことだが・・。私には後者の女性が賛同しなかった場合の心配は、加害者が暴れることの想定とは、あまりにもギャップがありすぎるように感じる。男は女性を助けたいと思う時は、自己の恥や面目を超えて可能な限り早く助けたいと思うのではないだろうか。ましてや痴漢している者に対する怒りが出ている場合は、女性の賛同云々などに気持ちはいかないと思うのだがいかがであろうか。痴漢加害者が暴力をふるうという想定はありうることだが、女性が賛同しなかったらどうしようかという消極的な想定は普通しないのではないだろうか。これらが併存する心理状態は考えにくい。公判録を読み返してみて、私はこれらの証言について非常に違和感を覚えるのだ。

 さて、T証人と被害者女性の不作為性について一考する。充分に移動可能な車内状況にあって、被害者は避難行動を取っておらず、目撃者は周囲の協力も得られたはずなのに約2分間、その犯罪を黙ってみていた。私は両者のこの不作為に共通した偽装性を感じ取る。つまり、ひとつの作業仮説として考えられることは、犯行そのものが存在せず、あらかじめ仕組まれていた偽装犯罪だったという仮説である。これを裏付けるものとして弁護側目撃証人の存在はきわめて大きい。謀略の可能性を念頭に置いて事件を検証するべきだ。

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