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2008年4月 5日 (土)

デフレ下で消費税増税をさせてはいけない(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第54弾です。)

 福田内閣の支持率が下がり続け、福田内閣では次の選挙は戦えないという声が上がっている。次の首相として有力視されているのは麻生太郎前幹事長であるが、彼は「中央公論」で、基礎年金部分を全額税方式に変更し、財源は消費税率を現行の5%から10%に段階的に引き上げて充てよと提案している。どのような理由であれ、現在の日本で消費税増税は経済に極めて悪い影響を及ぼすことを、日本経済新聞社の経済モデルを使って説明しよう。

 消費税を5年間、ある一定の税率に固定する場合を考えよう。図1で示したのが、消費税率を0%~11%の間で変化させた場合の実質GDPである。例えば0%と書いた線は、消費税5%であったものを0%にまでに下げて5年間(2000~2004年)続けた場合、11%と書いた線は、一番下の線であるが、これは消費税率を11%に固定したと仮定したときの実質GDPである。

図1
Gdp45 

 11%以上で計算しなかったのは、NEEDS日本経済モデルが止まってしまい計算が不能だからである。この図から、例えば16%まで消費税を引き上げると激しいデフレスパイラルに陥り、2004年度には実質GDPは480~490兆円程度にまで落ちてしまうことが予想される。一方、消費税が現状維持の5%の場合は、実質GDPはほぼ横ばいである。逆に減税して消費税率を0%にすると、実質GDPは緩やかな上昇となる。しかしその場合でも、GDPはやっと560兆円程度である。公共投資と法人税減税で50兆円規模の財政拡大がされれば、実質GDPは700兆円近くにまで上昇することを考えれば、まだまだ本格的な景気回復はほど遠い。

 図2では、各消費税率に対し物価指数がどのように変化するかを示した。消費税率を0%にしても、まだデフレは止まらない。このグラフより消費税率11%だと物価の下落率は年率約1.7%である。

図2
20001

 景気悪化は失業率の増大をもたらす。消費税10%を5年間続けると失業者は2.3%増加する。今の日本の中小企業で、売り上げの10%もの税を払える企業がどれだけあるだろう。デフレ下で、どこも儲かっていない。だから倒産は激増、恐らく経済的な理由で自殺する人は年間3000人~5000人は増えるだろう。こんなに多くの罪もない人を殺してもいいのかと麻生氏に聞きたい。

 消費税を上げると、税収が増えて国の借金が「返せる」のではないかと勘違いしている人はいないだろうか。残念ながら、経済モデルで計算すると、消費税を上げることにより、GDPが下がり、更に景気悪化で消費税以外の税収が減るために、国の借金のGDP比はほとんど変わらないことが分かる。消費税を上げると、デフレは加速し、国は急速に貧乏になっていく。貧乏になった国民に800兆円もの借金返済をさせようとしても無理なのだ。どんなに消費税を上げても決して返せないことが、マクロモデルの計算で分かる。

 日本が国の借金を返済し、国の経済を活性化する方法は一つしかない。それはお金を刷ることだ。少子高齢化で年金財政が大変だと思っているかもしれない。日本の年金制度は異常だ。国が社会保険料を取るだけで、それを貯め込んで、国民に年金として十分払おうとしない。そのため、国はなんと数年分の年金を貯めてしまった。こんな馬鹿なことをやっている国はどこにもない。まず国民に返させるとよい。

 デフレとは、経済発展のために必要に十分なお金が国民に与えられていない状態だから何らかの形でお金を国民に渡す必要がある。社会保険料の引き下げ、減税、歳出拡大など様々な形が考えられる。財政赤字を拡大させれば、国民の側では、黒字が拡大することになり、経済が諸外国並に発展が可能となる。通貨管理制度の下では、日銀は国債を買い取る形で通貨を発行でき(つまり国の借金を日銀が買い取ることができ)その買い取り額は無制限である。国の経済が発展すれば、円の信用も増してくる。緊縮財政を続けて、経済を没落させれば、円の信用も落ちてしまうのだ。(小野盛司)

“お知らせです” 

 4月21日の出版記念パーティ

 4月21日(月曜日)、東京にて日本経済復活の会・小野盛司会長さんと評論家の中村慶一郎氏の共著『お金がないなら刷りなさい ―米国が16兆円を刷って国民に配っているときに日本は増税かーの出版記念パーティがあります。弊ブログで小野会長の積極財政論シリーズをご愛読して頂いている読者さんも参加してくださればうれしい限りです。出版記念会詳細は上記リンクにてどうぞ。(神州の泉・管理人)

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コメント

この記事は、福田内閣のときのもののようですが、現在の、菅内閣でも同じ話なんではないか。

デフレ下で消費税を上げることは、ますますデフレが進んでしまうのではないか。

投稿: 経済ぽにょ | 2010年6月29日 (火) 10時25分

なんじゃ これ
「歳出削減努力足りぬ」OECDが日本に注文 消費税率引き上げも
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/budget/
大きなお世話だ。

投稿: ビンモハマド | 2008年4月 7日 (月) 20時13分

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