経済を良く理解している国会議員に期待しよう(小野盛司)
(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第62弾です。)
昨日(4月21日)、『お金がなければ刷りなさい』(小野盛司、中村慶一郎著)の出版記念会が開かれ、多くの方が参加されたこと、心から感謝しております。数多くの国会議員の方も来られました。私が記憶している限りで、来場された順番で国会議員の方の名前を書かせていただくと(敬称略)、綿貫民輔、滝実、中川秀直、亀井郁夫、篠原孝、姫井由美子、自見庄三郎、亀岡偉民、秋元司、野田聖子という錚々たる顔ぶれであった。島村宜伸氏も参加を予定されていましたが、直前テレビ出演の依頼があり出席できなくなったとのことだった。
何よりも嬉しかったのは、参加して下さった先生方が、よく経済を理解しておられ、日本経済の問題点とその処方箋に関して正しい認識を持っておられたことだった。この日の講演で中川氏は、日本経済復活の会が昨年朝日新聞に出した意見広告や、『日本はここまで貧乏になった』小野盛司著、ナビ出版(2007)の内容を何度も引用されていた。単なる引用でなく、その中に書かれていた数字まで使って論理を組み立てておられたのには、驚かされたし、感激した。彼の考えは我々と全く同じだとも言っておられた。
今は日本経済の暗黒時代だが、このように経済をよく理解している政治家達が中心となって、必ず日本経済を復活させる日がやってくると私は信じている。この日の中川氏の講演にもあったのだが、Voice 5月号に中川秀直氏と与謝野馨氏との「論争」が掲載されている。中川氏が減税派、与謝野氏が増税派として対比させた形で掲載してある。もちろん、私は中川氏を応援したい。
与謝野氏は「消費税10%こそ救国の策」と主張する。彼の主張は支離滅裂だ。どこが間違えているかを指摘する。
①「現在は、子供や孫のクレジットカードを使って生活している」のだそうだ。これは国が通貨発行権を持っているということを無視した発言だ。国債発行という形でお金を刷る。確かに国の借金は増えるが、GDPも増えるから、借金のGDP比は減る。借金のGDP比が減れば、実質借金は返したことになる。子供や孫のクレジットカードの残高は実質減るのだ。与謝野流に増税をすれば、GDPも減り、借金のGDP比が増え、子供や孫のクレジットカードの残高は実質増えてしまう。この原理は与謝野氏には難しすぎて理解できないのだろう。
②「このまま国債を発行しつづければ、いずれ安い金利で国債を発行できる時代は終わる」のだそうだ。何を馬鹿なことを言っているのだろう。日銀は、無制限に国債を買う権利を持っている。例えば、日銀が2%以上の金利なら無制限に国債を買うと宣言すれば、「安い金利で国債を発行できる時代は」終わらない。これは、かつてアメリカや英国が行った政策だ。国の経済をデフレから救うには、行わなければならない政策なのだ。
③「インフレ政策は庶民の富を奪う」のだろうか。
それは逆であることは、経済シミュレーションで明確に示されている。デフレによって、土地の資産価値だけで1200兆円も失われた。デフレ政策によって世界のGDPに占める日本のシェアは半減したし、株式の時価総額は5分の1以下になってしまった。つまり莫大な富を庶民から奪ってしまった。もしもデフレ政策を採用せず、日本以外のすべての国が採用しているインフレ政策(穏やかなインフレ政策を目標としている)が採用されていたら、日本はそのように庶民の富を奪わなかっただろうということが、経済シミュレーションにより示されている。
④「名目成長率4%は実現不可能」だそうだ。このことで与謝野氏が経済を全く知らない事が分かる。確かに実質成長率を自由に上げられるかと言われると、100%どこまで上げられるとは言えない。これは生産性の上昇率であり、様々な要素があり、制約があり、その時の国際情勢にも左右される。しかし、名目成長率は全く違う。上げようと思えば4%でも10%でも100万%でも可能だ。どのくらいの速度で通貨を発行かで決まるだけだから、名目成長率は自由に高められる。これは経済の基礎の基礎であり、そのことすら理解していない人間が経済を論じること自体、無理である。これは九九を知らない小学生に微積分を教えるようなものだ。一度経済学を勉強されては如何ですかと与謝野氏にご提案させていただきたい。
重要なことは、デフレ下においては労働資源も無駄が多く、また生産設備も遊んでいる者が多いために、名目成長率と実質成長率はあるところまでは比例するのだ。下の図は、日経のNEEDS日本経済モデルを使ったシミュレーションである。初年度に限れば、財政出動が50兆円になるまで、実質成長率と名目成長率はほとんど比例している。つまり、財政出動をした分、そのまま国が豊かになるということだ。国民にお金が渡り、そのお金を国民が使い、需要が増えるのだが、それが元で生産が追いつかなくなり、物不足になって物価が上がるということは起こらないということを示している。
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(日本に希望を与える信念の男、城内実
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コメント
とにかく減税すれば景気はよくなるよ。特に資産課税。いつ地価の上昇で相続税を課税されるとも限らないので、節約して生活している人が多いでしょうから、住宅への非課税が明確になれば、お金を使えるようになって、消費が伸びます。あと、固定資産税も国民の資産形成を阻害するので、減税したほうがいいですね。これからの日本はオーナーシップ社会、一億資産家社会を目指すべきですよ。
投稿: はるか | 2008年5月10日 (土) 00時29分
kenkensha様
ありがとうございます。
>植草一秀先生が「構造改革の第一は、役人の
>天下りを撤廃することだ」と述べておられる
>のは、まことに物事の本質を衝いている卓見
>だと考えます。
その通りだと私も思います。付け加えるとすれ
ば「財務省主導の天下り構造」を破壊することだ
ということですね。小泉さんは勇ましいことばか
り言っておきながら、財務省主導の天下りをそっ
くり温存しました。しかも民営化を拙速にやった
ために利権のありかが国民から見えにくくなる弊
害ももたらしたと言っておりますね。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年4月23日 (水) 15時52分
大蔵官僚が積極財政を頑なに否定する理由は簡単ではないでしょうか。
彼らは短期的な金利の上昇が、自分の在任中だけは起こって欲しくないと、そればかりを痛切に願っているからだと思います。問題が生じれば、天下り先から頂戴する己の追い銭の金額が減って困りますから。
彼らが「国家百年の計」を考える人間ではなく、制度的に「躯を全う妻子を保つの臣」となっていることは想像に難くありません。
植草一秀先生が「構造改革の第一は、役人の天下りを撤廃することだ」と述べておられるのは、まことに物事の本質を衝いている卓見だと考えます。
投稿: kenkensya | 2008年4月23日 (水) 11時11分
財務省や与謝野が恐れてるのは名目成長率の上昇による金利高騰でしょうね。
その割には景気対策と言って法人税や所得税の最高税率、相続税の大幅減税等をやりまくってますがw
更に不可解なのは米軍をはじめとして外国には大盤振る舞いを続けてる事ですね。
国内に使えば景気が上向いて金利高騰が始まると見てるんでしょうかね。
それにしても解せないのは米英の財政赤字ですね。
あの膨大な累積債務はどこへ消えたんでしょうかね?
日本に転嫁したって訳じゃ無いでしょうし。
英国の赤字ならともかく米国の巨大な赤字は幾ら日本でも背負い切れませんしね。
どうも我々には知りえないからくりがあるような気がします。
いずれにしろ名目成長率が上がらない限り財政問題も
解決しないでしょう。
税収の自然増は望めませんから。
財務省は金利高騰に怯えてるようですが、今の状態が続く限りいずれは破綻しますね。
遅いか早いかだけの違いでしょう。
100年デフレと言われる由縁でもあります。
http://youkoclub.blog87.fc2.com/blog-entry-683.html
民間銀行の運用はどうなっているのか?超異常の低金利政策下でも、銀行の貸し出し基
準をクリアーできる民間企業や国民の資金需要は少ない。その結果、民間への融資は、1999年以降で約70兆円も減少し、その投資先は国債になっている。つまり、内需の停滞の証であり、日本経済の成長力の弱さを示している。他方、多重債務者や禁治産者は増加している。資金は、民から官に流れている、民の消費を刺激する政策、内需促進政策が効果を発揮しない限り、この資金ルートを断つ事は出来ない。しかし、デフレ不況でないと財政がもたない、という財務官僚の本音が2004年の朝日新聞に掲載された。最早、行くも、引くも、地獄である。
ここが非常に重要
『しかし、デフレ不況じゃないと財政がもたない、と言う財務官僚の本音が・・・』
名目GDPの上昇は財政問題を解決するか
http://www.dir.co.jp/research/report/harada/06032401harada.html
◆名目GDPが増大することが、財政にどのような影響を及ぼすかについては2つの考え方がある。第1は、名目GDPの上昇が税収の増大を通じて財政赤字を縮小するという考えである。第2は、名目GDPの上昇が金利を上昇させることを通じて国債の利払いを増大させ、かえって財政赤字を拡大してしまうという考えである。
◆本稿の試算によれば、国債残高が膨大なものとなっている状況でも、名目GDPの増大が税収を増大させる力は、金利上昇が利払い負担を増大させる力よりも長期的には大きい。税収を増大させる力は等比級数的に上昇するが、利払い負担を増大させる力は等差級数的にしか増大せず、やがてゼロになってしまうからだ。しかし、短期的には、名目GDP成長率の上昇が金利上昇を通じて引き起こす利払いの増加額は、名目GDP成長率の上昇がもたらす税収の増加額を上回る。
◆ただし、名目GDPを上昇させることの効果は極めて大きいという訳ではなく、上昇させないことの大きなリスクがあるということである。名目成長率が低い場合には、ドイツと日本の経験にかんがみれば、デフレ的な状況の中で、金利が名目成長率をかなり上回る可能性が高い。この時、財政再建はきわめて困難になる。
◆また、財政状況の好転には、歳出の対名目GDP比で3%ポイントの削減が必要である。これを増税によって行うとすれば、消費税6%分の引き上げが必要となる。この時でも、国債残高の対名目GDP比は2035年度に99%になり、わずかずつ減少していくだけである。
投稿: ななし | 2008年4月23日 (水) 09時01分
インフレで奪われるのは預貯金を大量に持ってる金持ちの現金資産だけだと思いますがね~。
それから前々から気になっていたんですが、英国は対GDP比で現在の日本以上の財政赤字を抱えてましたよね?
米国にしても累積債務が53兆ドルを超えてると言う人もいますし。
米英が財政黒字だった年なんてごく僅かでしょ?
どうやって返したんでしょうか?
そして金利高騰を気にせずに金融政策・財政政策取れるのは何故でしょうか?
どうも合点がいかんのですよね~。
投稿: ななし | 2008年4月23日 (水) 08時43分
JAXVNさん、こんにちは。
たしかに中川氏が小野会長に力を貸してくれれ
ばこんなにいい話はないのですが、郵政民営化で
彼が取った行動を冷静に見ますと疑問符だらけな
のです。特に平沼さんに行なった復党踏み絵のこ
とが私にはコノヤローという以外の何物でもない
わけです。
デフレ下での増税が飢渇に苦しむ人間に断食を
薦めることと同じであることは中川氏の言うとお
りです。しかし、竹中氏、中川氏の言う上げ潮路
線と与謝野氏、谷垣氏のいう消費税増大による財
源確保の対立がデキレースではないと誰が言える
でしょうか。
しかし、おっしゃるように姫井由美子議員や野
田聖子議員、中川秀直議員など、メディアが放置
して置かない議員さんたちが出席しているイベン
トなのに、メディアは日本経済復活の会をあえて
無視していますね。
これはメディアが積極財政論を確実に敵視してい
る証左です。彼らが格好の報道ネタを敢えて無視
することも、逆に見れば権力中枢が小野会長の基
本路線を国民に知らせたくないということです。
完全無視もネガティブ・キャンペーンの一つであ
り、閉ざされた言語空間の典型的な事例です。
しかし与謝野氏と平沼さんが仲の良い同級生で
あったことなど、この世の人間関係は複雑です。
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年4月23日 (水) 07時53分
こんにちは。
中川秀直氏と竹中氏は「成長戦略」という点で同じような考え方を持っていると見る向きもあるのですが、パーティでの中川氏の発言と竹中氏の主張は明らかに異なっています。竹中氏は、例えばこの産経の記事でも「消費税増税と法人税減税をセットにする事が成長戦略」とおっしゃっています。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080421/plc0804210233014-n1.htm
しかし中川氏は、確かに「法人税減税」という主張については一致しているのですが、同時に「増税はデフレ圧力、デフレ下での増税はありえない」とおっしゃっておられました(「消費税増税」を主張する与謝野氏や谷垣氏をはっきり「アホ」と切り捨てられた事には、大変驚きました)。いや、もちろん中川氏の方が正しいのですが、果たして真に受けてよいものかどうか、今も半信半疑と言うのが正直な所です。本当に中川氏が積極財政論を支持する、というのならとてもありがたい話なのですが。
それから、これだけの国会議員の先生方が小野会長と日本経済復活の会の積極財政論に少なくとも耳を傾けて下さっているのに、なぜ政策の転換ができないのでしょうか?そもそも、これだけの顔ぶれがそろった会が全く報道されない、という事にまず疑問を感じます。今の日本の第一権力はやはりマスメディアであるように思います。綿貫氏や中川氏といった「実力者」でも、このメディアの壁を打ち破るのは容易な事ではないという事なのかもしれません(出席されていた方についても、例えば姫井議員にはまた「バッシング報道」が再燃しているようですし。そうなると、植草氏が戦っているのは国会議員にとってさえ難敵といえる存在なのではないでしょうか)。
投稿: JAXVN | 2008年4月23日 (水) 06時17分
あのお方がこんな事をおっしゃってますね。
常に米国視点、米国金融資本の利益最大化の立場に立っておられるのが良く分かりますw
どっちみち郵政会社→米金融資本→日本株買い→日本に圧力、こうなるのは見え見えですね。
大臣時代に持ち合い解消させたり、代行返上させて米国資本に底値で日本株を売った時と同じです。
あの時の原資も大規模為替介入だったり日本からの低利の資金だったんですが。
要するに日本の資金で日本株を買わせて圧力掛けて改革をやらそうと言う構図ですよ。
だったら直接郵政会社や日本の金融機関が日本株を買った方がよっぽどマシだと思うのは私だけでしょうかねえ~。
とにかくあからさまな売国奴ぶりには呆れかえりますね。
相当日本人を舐めてるんでしょう。
そう言えば邦銀を奴らに差し出す時もノウハウを教えて貰えるからと言ってた気がします。
実際にはそんな甘い話は無かった訳ですがw
売国奴の竹中平蔵曰く、「民営化された日本郵政はアメリカに出資せよ」
民営化した郵政はアメリカに出資せよ
http://diamond.jp/series/nippon/10003/
投稿: ななし | 2008年4月22日 (火) 20時14分
よかった
私の尊敬する国士、神州の泉さんともあろう方が国賊中川をスルーするはず無いと思っていました。
神奈備掲示板で愛読してました。
ご自愛ください。
投稿: One of Three | 2008年4月22日 (火) 19時02分
管理人の感想
水を注す気はまったくないのだが、中川氏が
積極財政論に積極的なのは不思議な気がする。
小泉官邸主導政治の陰の実力者であり、郵政民営
化政策を最も先鋭的に牽引強行し、現在もそれを継
続する中川氏が、国家財政と国民経済を回復させる
最も有効な積極財政論を推進する考え方を持つだろ
うか。小泉・竹中構造改革路線において、縁の下の
力持ちを担った中川秀直氏は、その当時相当強力な
発言権を有していたはずだが、当時の小泉政権は緊縮
財政という、景気刺激どころか逆噴射というブレーキを
かけていた。官邸主導を方向付ける力を持ったお人が
当時なぜ積極財政政策に切り替えなかったのだろうか。
それをやっていたら、植草さんの糾弾も出なかったはずだ。
私は疑問が強い。
今に至って中川氏は積極財政論に鞍替えしたのだろうか。
だとしたら、政治家とは何という摩訶不思議な生き物なんだ
ろうか。こういうのは管理人の想像の範囲を超えている。私
は素直に中川氏マンセーにはなれない
投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年4月22日 (火) 18時08分