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2008年4月16日 (水)

生産性向上が国を豊かにする。国がお金を使わないと生産性は向上しない(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第59弾です。)

 現在の日本は不安の時代にある。下図の内閣府「国民生活に関する世論調査」でも、はっきりそれが示されている。しかし、それは政府やマスコミが少子高齢化を過度に恐れ、間違えたメッセージを繰り返し流しているために、国民が誤解しているにすぎない。今後考えられている労働力人口の減少は30年で20.2%で、年率では僅か0.67%にすぎず、実際は生産性の向上を考えれば、これは全く心配しなくてよい減少率である。むしろ過密で、食糧自給率の低い日本にとって、更に世界の環境悪化を食い止めるためには人口減少は朗報と言うべきである。

 CPUの動作周波数(コンピュータの動作速度)は約20ヶ月で2倍になっている。年率約50%の進歩であり、人口減少率の100倍近い。様々な産業を見ていくと、やろうと思えば、いくらでも生産性は伸ばせるが、政治家が選挙に勝つことばかり考えているから、改革ができなくなっていることがわかる。

 例えば農業はどうか。日本の農家あたりの耕地面積はオーストラリアの100分の1だそうだ。減反政策を止め、区画整理して、米国並みの大規模農業にし、機械化を進めれば、現在より農業人口を大幅に減らすことができる。農地の耕作や、刈り入れなど、機械による完全自動化も可能だろう。そこで生じる大量の失業者を、財政支出による充分な支援を、大部分の人が満足する形で行えば、ほとんどの人は反対しないはずだ。つまり刷った金を使えば、生産性の大幅アップは可能だ。

 例えば、このような大規模農業に切り替えることにより、現在の50%の人で生産ができるようになったとしよう。そして残り50%で、30%が別な職を見つけ、残り20%が失職したまま、国の生活援助を受け続けたとしよう。それでも供給面では農産物の生産量は変わらないが、30%の人が別な職場で働き始めた分だけ供給力は増加したことになる。需要面で考えると、もし改革の前後で全員の収入が変わらないとすれば、需要(消費)は変わらない。結果とすれば、供給力が30%増加した分だけ供給過剰でデフレ圧力になる。ということは、全員の収入の合計を30%程度アップすれば需給のバランスが取れる。つまり失職した人まで含め全員の可処分所得を30%程度アップすればよい。あるいは、生産性向上の恩恵を農業関係者だけでなく、国民全体で享受するのであれば、減税などで、需要拡大をすればよい。生産性を上げたら、必ずその分国民に多くのお金を渡すという政策が必要だ。最終的には農業に人手は要らなくなる。コンピュータで制御された機械が農作業のすべてを行うようになる。日本の農業の生産性はアメリカの10分の1だと言われている。アメリカ並にするだけで、生産性は1000%も上昇する。人口減少分は30年間で僅か20%。3割減反政策をやめるだけで、30%生産性がアップするから、これだけで10年分以上だ。

 もちろん、緊縮財政を続けている限り、生産性向上は望めず、国は貧乏のままだ。デフレ下では失業者が多く、就職している人でもパートはアルバイトが多い。こんな中で改革をやろうものなら、新たな失業者を作り出してしまうし、緊縮財政の下では、農家への補償も僅かしか出せないから、農家から猛反発を受ける。新たな失業者も、再就職は難しい。結局生産性向上はできないということだ。つまり改革にはお金が必要なのだ。

 改革は農業に限らない。私がこれから提案する数々の大改革は、不況下での緊縮財政を行っている状況では行うことが不可能な改革であり、行ってはならぬ改革である。しかし思い切って財政を拡大する決意があれば可能となるし、人の暮らしを豊かにするのは間違いない。政府が金を使わなければ、ろくな改革はできないし、国は豊かになり得ないのだ。大改革をどんどん実行していけば、みるみる豊かになり、国民も明るい未来を期待するようになることは間違いない。実際の実行にあたっては、計量経済学による綿密なシミュレーションを行い周到な準備が必要となる。
 
 内閣府「国民生活に関する世論調査」
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コメント

今の日本では生産性向上=人件費のカットですから、マクロ経済全体が良くなる筈はないですね。
儲かるのは害人株主と極僅かの経営陣だけです。
まさに合成の誤謬の典型でしょう。
政策転換をして内需拡大、消費拡大の方向に向かわなければ永遠に負の連鎖が続きそうな気がしますね。
同時に株式の持ち合いや護送船団方式、ケインズ主義の復活も必要でしょう。
だけど現在の政治やマスゴミの状況を見る限り難しいでしょうね。
相変わらず改革を連呼して亡国への道をまっしぐらですから。
頼みの旧経世会系の政治家は完全にスポイルされちゃいましたからね。

投稿: ななし | 2008年4月17日 (木) 01時18分

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