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2008年4月 1日 (火)

国民はいつまで騙され続けているのか-内閣府が乗数表を公表-(小野盛司)

(※日本経済復活の会 会長 小野盛司氏の記事、第52弾です)

 先週の金曜日(3月28日)、内閣府は彼らの経済モデルの乗数表を発表した。これは彼らの経済モデルの中身を知る上で極めて重要なものだ。デフレの時に、緊縮財政をやって成功した例は無い。それどころか、世界大恐慌や昭和恐慌など、経済政策の大失敗はデフレのときの緊縮財政によって引き起こされている。長期にわたる平成不況での日本経済の没落の程度は世界大恐慌や昭和恐慌以上のものがあり、極めて深刻であることを多くの国民は気付いていない。

 デフレ下での緊縮財政の理論的な根拠を与えているのが内閣府の経済モデルであり、今回、内閣府の以下のホームページで発表となった。
http://www5.cao.go.jp/keizai3/econome.html


 しかしながら、これは、国民を騙すために作られていることが一目瞭然だ。例えば公共投資を5兆円削減したらどうなるかという試算がある。道路や橋の建設どころか、修理さえできなくなるといった不便以上の害をもたらす。内閣府の試算では、5兆円の削減により名目GDPは約7兆円も減少するし、可処分所得は約1.4%減る。消費者物価も約1%下がりデフレは悪化する。そういった悲惨な結果だけを示したのでは、国民に公共工事の削減を納得させることができないから、公共投資を削っても景気は悪くならないような経済モデルを作れと言われているのだろう。上からの命令なら、そんな馬鹿なことはできないなどと言っていられない。苦肉の策として、彼らが選んだ方法は、収入が減って、不況になっても、国民は消費を増やし、住宅をどんどん買い出し、企業は設備投資を増やすだろうといった現実離れした「仮定」を、彼らの経済モデルに組入れることだ。

 信じられますか。景気が悪くなり、収入が減って、デフレが進行すれば、国民は消費を増やし、マイホームを建てる人が増えるのだそうですが。それはあり得ないと思い私は内閣府に電話して聞いてみました。答えは、金利が下がるので買いやすくなるのだそうだ。でも長期金利は物価の値下がりの半分以下。実際デフレになったら、実際の新着住宅着工戸数は下図のように激減している。彼らの嘘は明らかだ。

 内閣府の人は、デフレが進行すれば年金生活者がどんどん消費してくれるのだとも言った。年金が減らないから相対的に物を買いやすくなるとのこと。年金は物価にスライドするはずだと言うと、1.75%の下落幅まではスライドさせないとのこと。しかし、物価の下落以上に可処分所得が下がっているので、すべての年齢層では消費は減るはず。

 国の借金が減れば、将来の増税が遠のいたと国民が信じるから、そのために消費を拡大し始めるのだという珍説まで教えてくれた。新古典派とよばれる学派の怪しげな説を彼らの経済モデルに取り入れたのだそうだ。そんな馬鹿な話はない。だって、国の借金は減るどころかどんどん増えている。借金のGDP比でも最初に1,2年は増えている。彼らの欺瞞的な裏工作によって強引に3年以降減るようにしている。国の借金のGDP比が減れば、新設住宅着工件数が増えるのですか。住宅を新築しようと決心した理由は何ですかとアンケート調査をしてみるとよい。国の借金は増えたが、GDP比では減り始めたから、新築することにしたと答える人は皆無だろう。

 例えば、昨年度は国の借金のGDP比は下がった。しかし、ほとんどの国民はこの事実さえ知らないだろう。ましてや、このことが将来の増税の有無と、どう関係するのかどうかなど、考えたこともないだろう。新古典派の学説は机上の空論だ。実際、国の借金のGDP比が下がったことは、マスコミにはほとんど取り上げられなかった。

 金利もおかしい。公共投資5兆円削減で、短期金利が初年度0.55%、次年度0.74%下がるというのだ。現在が0.5%だから、それは金利がマイナスになることだからあり得ない。それに対する内閣府の答えは次のようだ。

「今は好景気だから(え!ほんとうに!?)現在の政策が続けば金利がどんどん上がっていく。その上がった金利に対して初年度0.55%、次年度0.74%下がるということだから、マイナスにはならない。」

 内閣府が如何に現実離れしてしまったか分かるだろう。今日の日経新聞には次のように書いてある。この1年で日経平均は27.5%下落、時価総額は163兆円下落、時価1兆円を超える企業は3割減少、長期金利は1.650%から1.275%に下落。世界の中で日本経済が急激に没落を続けていることが分かる。どこが好景気なのだろう。

 私は、声を大にして言いたい。どうして、こんな無茶苦茶な経済モデルに騙されなければならないのか。公共投資を減らすことは、日本に、また日本国民に、なんの利益をもたらさない。それによって国も国民も貧乏になるし、貧乏になった国民から金を巻き上げても膨大な国の借金は返せるわけがない。国の借金を返す唯一の方法は、国民に経済活動を行うための十分なお金を渡し、国を豊かにすることだ。(小野盛司)

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“お知らせです” 

 4月21日の出版記念パーティ

 4月21日(月曜日)、東京にて日本経済復活の会・小野盛司会長さんと評論家の中村慶一郎氏の共著『お金がないなら刷りなさい ―米国が16兆円を刷って国民に配っているときに日本は増税かーの出版記念パーティがあります。弊ブログで小野会長の積極財政論シリーズをご愛読して頂いている読者さんも参加してくださればうれしい限りです。出版記念会詳細は上記リンクにてどうぞ。(神州の泉・管理人)

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コメント

彼ら=新自由主義者が良く使うのは、可処分所得が減っても消費は減らないって言う理論なんですね。
テレ東のWBSでフェルドマンなんかが良くそう言ってますね。
だけどそれはおかしい。
例えば、耐久消費財で代表的な新車市場を見てみますと90年代半ばに700万台のピークに
達した後は減少の一途を辿っています。
特に小泉後の落ち込みは激しいですね。
車種でも軽やコンパクトカーしか売れませんし。
昨年あたりからその軽でさえ売れなくなりましたからね。
可処分所得が減って、しかもデフレ期待がある時に人間は消費を増やしたりは決してしませんよw
支配層や役人やマスコミは貧乏生活の経験がないんでしょうw
心理学的に言っても相当無理のある理論だと思いますね。
たぶんお気楽な米国人のモデルをそのまんま日本に持ち込んだんでしょう。
だけどその米国でもサブプラ問題で個人消費が落ち込みそうですしねw
慎重で不安症が多い日本人に米国人の経済モデルを持ち込む事自体無理があり過ぎますね。
役人や政治家やマスコミも分かっててやってる節がありますね。
彼らの目的は日本経済の弱体化なんでしょうかね~。
第一デフレではどうあがいても増税以外に税収の自然増は見込めませんし、貨幣価値も上がる一方ですから実質的な借金は増える一方なのにね。
彼らの本当の目的が何なのかは私も知りたいですねw
とにかく解散総選挙でこの流れを変えるしかないですね。
国会議員と言っても落選しちまえばただのプー太郎ですからねw
自民清和会や民主凌雲会には票を入れない事、造反組や新党に票を入れる事、それが出来ない選挙区では共産や社民にでも投票すればいいんじゃないでしょうかね~。
そうすればいい加減米英資本もあきらめるでしょうw
本社自体が大変ですからねw
とにかく我々はあきらめないでしつこく抵抗しなきゃなりませんね。
害人が日本株を売るんなら買い戻せばイイ事ですしね。
途上国とは違って自国に資金が無いわけじゃ無いんですから。
自国の資金が故意なのか、馬鹿なのかは知りませんが誤った経済政策で海外流出してるのが問題なんですからね。
今回のサブプラ問題は、新自由主義の流れを改めて内需拡大路線に転換するいい切っ掛けだと思っております。

投稿: ななし | 2008年4月 3日 (木) 12時02分

いま、内閣府の資料を4、5分かけて見ましたが、これでは内容が分かるわけないですね。何をやっているか分からない計算式を出して、これで説明したとはいえませんね。

おととしのデータで去年を予測したら、こんなによく説明できたというような分かりやすい証拠が、見当たらないようです。万人を納得させるためにはそれが必要ではないですか。

ひょっとして、去年まではちゃんと現実を説明しているモデルだが、来年以降は別の経済理論が加わって(不況なのに国民は消費を増やし)景気がよくなるといっているのでしょうか。それだとどんなことでもでっちあげられますね。

投稿: 渡久地明 | 2008年4月 1日 (火) 19時18分

小野先生

内閣府のモデルは過去にさかのぼって現実経済を説明できるかどうかという検証はやっていないのでしょうか。

それをやれば、未来予測に使おうとしているモデルが間違いであることは一発で分かるはずですよね。

間違った経済理論をモデルに付け加え、好きに調整することなんか簡単にできますよね。

投稿: 渡久地明 | 2008年4月 1日 (火) 18時52分

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