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2008年5月10日 (土)

借金帳消し作戦:タブーは破るしかない(いかりや爆さん第6弾)

(6)借金帳消し作戦:タブーは破るしかない

 『名目GDPの上昇は財政問題を解決するか』について

 小野会長、第62弾 『経済を良く理解している国会議員に期待しよう』に関連して、「ななし」さんのコメント(4月23日)で原田泰氏の論文を引用しておられる。
 まず、それ関連して意見をのべさせていただきます。
 その原田氏の論文の一部を下記、孫引きします。

◆名目GDPが増大することが、財政にどのような影響を及ぼすかについては2つの考え方がある。第1は、名目GDPの上昇が税収の増大を通じて財政赤字を縮小するという考えである。第2は、名目GDPの上昇が金利を上昇させることを通じて国債の利払いを増大させ、かえって財政赤字を拡大してしまうという考えである。

◆本稿の試算によれば、国債残高が膨大なものとなっている状況でも、名目GDPの増大が税収を増大させる力は、金利上昇が利払い負担を増大させる力よりも長期的には大きい。税収を増大させる力は等比級数的に上昇するが、利払い負担を増大させる力は等差級数的にしか増大せず、やがてゼロになってしまうからだ。しかし、短期的には、名目GDP成長率の上昇が金利上昇を通じて引き起こす利払いの増加額は、名目GDP成長率の上昇がもたらす税収の増加額を上回る。

 上述の「名目GDPの増大は、税収を増大させる力は等比級数的上昇で」という部分は一応理解できる。だが、「利払い負担を増大させる力は、等差級数的にしか増大せず、やがてゼロになる」はどのような前提を置いているのかによって、いかようにも変化するので、「やがてゼロになってしまう」というのには論理の飛躍がありすぎて理解に苦しむ。

 大雑把だが、仮に、国と地方の借金を1000兆円、名目GDP500兆円、年5%成長で、金利が3%、均衡財政(税収の黒字部分は次年度予算増にあてる)を前提として計算(複利)すると名目GDP対借金は以下のようになります。

名目GDP:借金 10年後814兆円:1344兆円、 20年後1327:1806、 30年後2161:2427、40年後3520:3262

36年でやっと名目GDP=借金:約2900兆円となります。
 
 無論、金利の利率が成長率5%よりも上回る話は最早論外です。仮に税収が幾何級数的に増加して、一部を借金の返済に充てたとしても、対GDP比が下がるだけで、借金ゼロには程遠い。

 それ故、「国の借金をチャラにする方法」で述べたような大胆な施策を採るしかない。無論、一挙に「帳消しにする」必要はなく、計画性をもって段階的に減らしていくなどの方がむしろ妥当だと思う。
 日本は超デフレ経済下にあり、そういう政策がとれる唯一の国です。円高に物価高、今の状態をこのまま放置すれば庶民は悲鳴をあげる。いよいよ日本は世界から信用を失い、貧しい国に転落します。

 「借金帳消し作戦」は、経済学者とって身に危険が及ぶタブーという人もいる。しかしここまできたら、断固としてタブーは破るしかない。

 バブル後、20年近くにもなるのに、日本経済がこんなに疲弊していること自体が異常事態です。まともなら、名目GDPは1500兆円になってもおかしくない。『(3)多重債務者「おちこぼれ」ニッポン』で述べたように、1996~2006年の11年間に全く経済成長なく名目GDPが変わらず、むしろ落ち込んで「おちこぼれ」になっていることもアブノーマルなら、その間に国の借金をさらに500兆円も膨らませて、「蟻地獄」に落としこんだことも超異常現象、恣意的なものを感じざるをえない。
 
 日本を並の国に転落させたのは、誰か?さらに並み以下に貶めようとしているのではないかと危惧する。

蛇足: 今の金余り状況のなかで、「借金帳消し作戦」だけでは、金余り現象に拍車をかけ、実体経済を活性化させる大きな力となりうるかどうかは疑問があります。
一方で低所得者向けの施策が必要、例えば、時間あたりの賃金を200円以上アップさせるなど、そのための政府の予算やバックアップ体制を整える必要があります。

 具体的にいえば、仮に1700万人の非正規雇用者の人たちに、時給を200円アップし、1日8.5時間労働、年間300日働いたとすれば、年間8.7兆円が彼らの手にわたります。
8.7兆円は殆どすべて実体経済に循環し、その金が回転すれば名目GDPに大きく貢献するはずである。
 これだけでも、どれだけ多くの人が救われることか。そしてそれが名目GDPをふくらませ、税収増へとつながっていくに違いない。

“おしらせ”

第51回日本経済復活の会・定例会(5月21日)は紺谷典子先生です。小野盛司会長のお話もあります。読者さんもこぞってご参加ください。(神州の泉)

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