減税をしても、長期的には税収は増える(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第73弾です。)
お金を刷って、減税をせよと言うと、心配性の人は、ずっとお金を刷り続けなければ、また元のデフレに逆戻りするのではないかという。しかしそれは違う。日経のモデルで説明しよう。これは財政出動として法人税減税と公共投資を同額づつ行った場合の、税収の変化を示したものである。
確かに最初の頃は、減税のために税収は減ってくる。しかし、3年目あたりから、景気拡大のために税収は逆に増えてくる。そして減税を行っているのに、税収は増えるという現象が、それ以後は顕著になる。景気が良くなると、給料も上がり、高所得者が増える。所得税は累進課税になっているので、急激に所得税が増え出す。もちろん、企業の利益が拡大すると法人税が増えてくるし、取引の拡大で消費税も増える。資産インフレも進み、土地も値上がりし、固定資産税も増えてくる。
最初は減税だったが、税収が増えるということは増税だ。お金を刷るのは最初だけで、その後は、刷るどころか、逆にお金が戻ってくる。減税というのは、税率を下げるという意味での減税であり、それでも景気が良くなれば税収は増えてくる。デフレという病的な経済状態を脱するためにお金を一時的に刷るのであり、デフレが解消されれば、自立的な発展が始まり、政府が特別な景気対策を行わなくても、経済拡大が続いていく。
日本においても、例えば高度成長期においては、減税しても税収はどんどん増えていった。ある程度の名目成長率があれば、税収はどんどん増えていく。デフレで経済が成長しない唯一の国である日本は税収は増えませんが、現在でも日本以外の国はどこでもそれを当然の事のように経験しているのです。
例えば、昭和30年代、名目成長率は毎年10~20%を記録しており、税収の伸びはなんと毎年30%を超えていました。そのまま放置していると、納税者の所得税負担が過重になるということで、毎年減税が実施されました。昭和40年度まで毎年大規模な減税が次々と行われました。この頃の新聞記事を読んでいると、減税の記事が繰り返し載っており、そんなに減税を繰り返すのであれば、税金はそのうちタダになるのではないかと思うほどでした。しかし実際はそれでも税収は増えていたのです。
例えば、昭和30年には国税は9360億円でしたが、昭和40年には3兆2780億円になっています。実に3.5倍です。年平均に直すと13%程度です。経済成長がどれだけ素晴らしいかということです。現在は日本は成熟した経済だから成長しない、人口が減るから成長しないと言う人がいるでしょう。それは実質成長率の話です。お金を刷れば、名目成長率はいくらでも高くできるのです。そして名目成長率が高くなると、それに伴って実質成長率も上がってきます。だから、財政危機は不況の時にしか起きません。適度の名目成長率さえ確保されれば、日本の財政問題は解決します。
それだけではありません。当然ですが、税率が低い国には、金持ち(個人も企業も)が集まってきて、国は金持ちになり、税率が高い国は、金持ちが逃げて、国は貧乏になります。例えば、日本の最高所得税率は地方税まで含めると50%になり、世界最高水準です。税率の低い国、例えばスイスや香港は11.5%ですが、世界中から金持ちが押しかけてきています。法人税も日本は40.7%でOECD諸国の中では最も高く、日本企業の海外流出が続いています。諸外国では、海外から優良企業を呼び込むために、そして企業の海外流出を防ぐために、法人税の引き下げ合戦が行われています。1997年には世界平均は33.2%であったのに、2007年には26.8%にまで下がりました。
世界の中で、日本が没落を続けている時に、政治家やマスコミは増税のことしか話題にしません。増税がデフレを加速させ、金持ちも投資マネーも逃がし、日本をますます貧乏にしてしまうというのに。
なお、4月21日の『お金がなければ刷りなさい』の出版記念パーティーでの、綿貫民輔氏や中川秀直氏等の講演が動画で見ることができるようになりました。
http://tek.jp/p/
をご覧下さい。
“おしらせ”
第51回日本経済復活の会・定例会(5月21日)は紺谷典子先生です。小野盛司会長のお話もあります。読者さんもこぞってご参加ください。(神州の泉)
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日本に希望を与える信念の男、城内実
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コメント
<荒田吉明・阪大名誉教授が5/22に【常温核融合の公開実験】を行われます!>
http://www5b.biglobe.ne.jp/~sugi_m/page283.htm
文化勲章受賞者で大阪大学名誉教授の荒田吉明先生が、2008/5/22(木)に固体内核融合(つまり常温核融合)の
公開実験を行われるので案内します。
日時:平成20年5月22日(木) 午後1時30分より
場所:大阪大学 吹田キャンパス 荒田記念館(全体説明)
先端科学イノベーションセンターのインキュベーション棟C棟3Fで公開実験、A棟地下1Fで質疑応答。
内容:1.荒田先生の全体説明30~60分(荒田記念館)
2.公開実験 装置の説明10分、装置の運転60分
3.質疑応答 30分
投稿 | 2008年5月20日 (火) 13時36分
ななしさん
>今や日本の貧困率はトルコとほぼ同等です。
とにかく貧困率を低下させて購買力を高めない
といけませんね。今、地方の郊外には大規模店が
乱立しましたが、食料品売り場は平日の夕方でも
閑散としている店がありますね。
再分配を潰す政策に血道をあげてきた結果がよ
く出ています。それでも日本だからまだこれだけ
購買力があるんですね。政治家がきちんとグラン
ドデザインを描いて総需要喚起策を講じないと、
いくらわが国でも駄目になるでしょうね。
投稿 高橋博彦(管理人) | 2008年5月15日 (木) 00時34分
法人税率そのもので見るとまだ米国の方が高いです。
更に社会保障の企業負担分を加えると独仏の方が日本より企業負担は大きいですね。
私個人の考えとしては法人税や所得税の最高税率は上げるべきかと。
上げて公共事業なり福祉なり医療や教育なりで再分配すべきかと思われます。
今や日本の貧困率はトルコとほぼ同等です。
再分配を増やして貧困率を下げて国民全体の購買力を上げる事が肝心なんじゃないでしょうか。
そうする事によって少子化や地方経済の疲弊も緩和できると思いますね。
あまりにもサプライサイドや富裕層に偏った改革をやって来た事が今日のデフレ不況を
招いてる原因じゃないでしょうか?
デフレはそうした上で日銀が信用創造の量を増やせば簡単に解消できると思います。
鍵は土地担保制の復活ですね。
投稿 ななし | 2008年5月14日 (水) 23時49分