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2008年5月12日 (月)

財政が破綻したらどうなるのか?(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第72弾です。)

 2000年11月に幸田真音の『日本国債』という本が出版され、国債の暴落の危機が書いてあると評判となった。しかし、8年後の今、暴落ところか、金利は2%を超えないという国際的にも異常なほどの低金利、つまり国債の異常な高値が続いている。国債の暴落と言えば、一般の人は感心を持つから、本が売れるのだ。「死の商人」と同じような儲け方をしたにすぎないことは明白だ。ハルマゲドンという危機をちらつかせ金を巻き上げたオウム真理教と、手口は全く同じ。財務省だって財政危機を煽って、増税で国民から不当に金を巻き上げる。単細胞な国民はすぐ騙される。

 国債が暴落し、財政が破綻したら、どうなるというのだろう。私は3600円をいう「大金」を投じて、幸田真音の『日本国債』を買って読んだ。当然、国債が暴落した後の事が書かれていると信じたからだ。驚くことに、そのことには一切触れていなかった。まさに危機を煽るだけの本だった。

 実際に、国債を誰も買わなくなり、財政が破綻したら、何が起きるのだろう。国が公務員に払う金も無くなるから、自衛隊も警察も国会議員ですらすべて解雇されるのか。国債が売れなかったから、自分たちの給料をゼロにしますと国会議員は言うのだろうか。そんなわけないということは誰にも分かる。いや、誰もが知っていることだ。国債を誰も買わなくなったら、日銀が買うだけだ。つまりお金を刷るのだ。

 そのときは、国は十分なお金を手にし、それを国民に渡すことができるから、デフレは終わり、日本の没落が止まり、日本経済の復活が始まる。その輝かしい復活の世界を書けば、なぁ~んだ、危機じゃあないじゃないと言われ、本は売れなかっただろう。儲けるためには、口が裂けても財政が破綻した後の事は言えないのだ。ここまで言えばお分かりだろうか。国民のことを真に考えるならば、むしろ財政は一刻も早く財政は破綻したほうがよいのではないか。

 今年の3月26日の日経新聞には、慶応大学の櫻川氏と学習院大学の細野氏のシミュレーションが載っている。財政破綻の確率が6割になったとデカデカ書いてある。正確には62.5%なのだそうだ。私は、櫻川氏にメールを送って、財政が破綻したら、国債が紙切れになるのですか、日銀に国債を買ってもらえばいいだけではないのですかと質問した。その回答は次のようなものだった。

 『国債の破たんによって確実に生じるのは、元本割れです。紙切れになるかどうかはわかりません。日銀券は、政府の負債で、国債と日銀券の交換は、政府の負債同士の交換なので、実質的には政府の負債は減りません。したがって、際限なく日銀が成功裏に国債を買い続けることは不可能です。』
 要するに、日銀は際限なく、国債を買うことはできても、成功裏には変えないのだそうだ。えぇ~。成功裏ってどういう意味?? 成功裏とは、「国の借金を増やすことなく」と彼は言いたいようだ。そんなこと当たり前だ。国債を多く発行すれば、国債発行残高は増える。国債発行残高を減らしたいならデノミをやればいい。100分の1のデノミをやれば800兆円の発行残高も一気に8兆円に減らせる。一方で、国債発行残高のGDP比が問題だと言うなら、それはすでに減りつつあるし、日銀が国債を買えば、お金が国民に渡り経済が活性化するから、間違いなく、GDP比は減ってくる。歴史的にも、国の借金のGDP比が増えすぎたとき、国の借金を減らしたのは、GDPを大きくすることによるものであり、借金そのものを減らした例は無い。このことを説明したら、2回目の櫻川氏の説明は次のようなものだった。

 『財政政策が景気刺激策の効果をもてば、可能かもしれません。しかしながら、政府部門の生産性の低さを考えると、政府部門の肥大化は長期的に経済成長の減速をもたらすという定説を覆すのは容易ではないと思います。また現在の政治家に「最適な」経済政策の実行を期待するのは容易ではないと思います。』

 そういうことであれば、政府部門の生産性の低さを、数値で表さない限り、彼のいうような、財政破綻確率62.5%という数値が何の意味もないということになる。ひどい論文だ。なぜこんな論文が日経の経済教室に載るのか。財政破綻で国民を脅せば、新聞の読者を増やすのに有利だから、日経はこういう無茶苦茶なシミュレーションを載せる。我々が、日本経済復活のシミュレーションを日経のモデルできちんと計算して送っても絶対に載せない。日経の経済モデルを使ったのだから、この計算結果は信用できないといは言えないはずだし、そのモデルを使って日本経済の復活の方法を明確に示しているのであれば、絶対に掲載しなければおかしい。しかし、積極財政で経済が蘇り、財政も健全化するという事実を明らかにしてしまっては、二度と財務省からは、シミュレーションの依頼は受けられなくなるという思惑があったのだろう。

 櫻川氏のように、日本の経済学者は、政府が駄目だから、経済は発展しないと言う。しかし、日本は驚異的な経済発展を成し遂げた国だ。あの当時に比べ政治家がそんなに悪くなったのか。違う。デフレでお金が消え、経済活動に必要なお金が国民に渡らなくなっただけだ。世界の中で見ても、日本の財政規模は小さすぎる。デフレで巨額のお金が消え、しかも政府の緊縮財政政策のために、国民のために使うお金が少なすぎるのだ。

 政府が無駄遣いをしているのだろうか。談合とか天下りの問題とか、不正はある。不正に流れたお金の国際比較をしてみるとよい。日本は中国の10分の1以下だろう。アメリカ人経営者は言う。日本はいい。物を売ったら、代金をきちんと払ってもらえる。アメリカではそうはいかないそうだ。不正は世界中どこでもあるが、日本は諸外国よりはるかに少ない。アメリカで自転車を借りたことがある。彼らは、夕方には必ず返せという。もし路上に自転車を放置したら、夜のうちに盗まれるのだそう。私は東京で約30年間自転車を路上放置しているが、盗まれたことは一度もない。不正も犯罪も日本は諸外国よりはるかに少ない。不正のために、お金が国民に渡らなくなっているのではなく、歳出の絶対額が小さすぎるのだ。無駄遣いと言えば、アメリカは軍事費だけで、50兆円を使っている。日本の10倍だ。道路特定財源で100万円のカラオケセットを買ったのが、日本政府の無駄遣いなのか。外国では日本よりはるかに巨額の無駄遣いをしているが、経済成長率は日本の5~10倍だ。無駄を無くすという大義名分で、財政支出を圧縮するのがいけない。それで国民に渡すお金を削っているから、デフレがいつまで経っても終わらず、日本がどんどん貧乏になっていく。お金を刷って、国民に渡せというのが我々の主張だ。歳出拡大が国民的合意を得られないなら、減税でいい。無駄・不正は、防ぐ努力は必要だが、それはマクロ経済とは別次元の問題だ。インフレの時でも、デフレの時でも、無駄・不正は同じように防がなければならない。

“おしらせ”

第51回日本経済復活の会・定例会(5月21日)は紺谷典子先生です。小野盛司会長のお話もあります。読者さんもこぞってご参加ください。(神州の泉)

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コメント

幸田女史は、「【マイン】、ユアーズ」の相場の世界に居たもんね。彼女が9年前だったかにだした『小説ヘッジファンド』とかっていうのがあったね。

投稿 | 2008年5月14日 (水) 07時19分

私の嫌いな民主党に(今では自民党も同じですが)河村たかしなる男がいてみのもんたのTVなどによく出演していたのですが最近見かけません。

彼の主張は「国民は投資先がないから国に投資している」であります。
それを受けて自民党の若手のホープ山本一太センセは「財政赤字は無くさねばならない」の一点張りです、
そこで河村センセは「じゃあ今の金利は何なのよ」と切り返します、
若手のホープはここで返答に窮します。

誰が考えても河村センセの方が正論と思うのは間違いでしょうか。
金利が低い=投資先が無い=国債をもっとください
ではないだろうか。

私は今の超低金利は一日も早く脱出すべき重大問題と捉えております、これを脱出するには国債の更なる増発です。
人類史上かつてない超低金利をいつまで続けるつもりですか、
人並みの金利は日本には訪れないのでしょうか。


最近河村センセはとんと姿を見せません、きっと彼のような事を吹聴されては困る人がいるのでしょう。

投稿 安二郎 | 2008年5月13日 (火) 12時11分

際限なくですか・・・
800兆円買えばいいんじゃないでしょうか?
あるいは政府貨幣発行するとか。
ヴェルナー氏が提案してたように第二日銀をつくるとか。
いっそハイパーインフレでも起こしてチャラにしちゃった方がよっぽど
子孫の為だと思いますがね。
デフレじゃあ到底返済は不可能でしょう。
少子高齢化も進行していますし。
預金のある方や年金暮らしのお年寄りにはお気の毒ですが・・・

投稿 ななし | 2008年5月12日 (月) 22時25分

日本がデフォルトに陥ったらどうなるんでしょうか?
国債を大量に抱えてる金融機関が潰れる?
円が暴落してものが買えなくなる?
最近ではアルゼンチンがデフォルトに陥りましたよね?
その後どうなったんでしょうか。
今アルゼンチンは経済発展が著しい新興国VISTAの一角ですよね?
日本はアルゼンチンとは違って対外的には純債権国ですしねえ~。
デフレで衰退して行く道と財政破綻の道しか残されて無いんでしょうかね。
本当の事をマスゴミも御用学者も国民に説明する義務があるような気がしますが。
信用できませんけどねw

投稿 ななし | 2008年5月12日 (月) 22時17分

幸田真音の『日本国債』、

幸田真音ちゃん、TBS、日曜朝の関口宏のサンデーモーニングによく出ています。

彼女の経済に関する発言は、いい加減な発言が多く殆ど参考になりません。彼女の発言に耳を傾ける人がいるのだから困ったものです。

小野会長は幸田真音の『日本国債』を¥3600円も出して買われたのですか?お気の毒です。

ヤフーオークションでは最低価格(開始価格)上下で1,080 円で出品されているけれど、(まもなく時間切れですが)、誰も買い手がついていません。

投稿 いかりや爆 | 2008年5月12日 (月) 18時43分

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