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2008年6月13日 (金)

たばこ増税案と消費税増税案(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第85弾です)

 与野党でたばこ税の引き上げを求める動きが活発になっている。今秋には、基礎年金の国庫負担分の増加のため2.3兆円の財源が必要となり、それを消費税増税でまかなおうとする動きがあった。しかし、消費税増税の強行実施は、低迷を続ける内閣支持率を更に下げることになるので難しい。そこで比較的賛成が得られやすいたばこ税の引き上げという案が出てきたのだろう。たばこ税を上げると、喫煙者が減り健康には良いかもしれないし、賛成したくなるのだが、しかし、そこには危険な落とし穴もある。やはり増税は増税だ。

 例えば紙巻きたばこの価格は英国982円、アメリカ(NY)736円、フランス621円だが、日本は270円だから安い。税金を諸外国並にして、大幅値上げすれば、税収が増え、喫煙者も減らすことができるから一石二鳥というわけだ。肺ガンが減り医療費も減らすことができるという。一箱二十本入りなら175円の税金が課せられていて、たばこ税収は年間2.2兆円。これを一箱千円にすれば、売り上げが落ちなければ8兆円程度の税収増になる計算だ。これなら基礎年金の国庫負担分は余裕でカバーできるという計算だ。

 しかし、一箱千円にすると、3分の2の人は喫煙を止めるというアンケート調査の結果を考慮し、税収を再計算すると、実は、税収はほとんど伸びないことになる。また仮に「たばこ1箱1,000円」となった場合、たばこ耕作農家、たばこ販売店をはじめとするたばこ業界および地域経済にも壊滅的な影響をもたらすということを考えれば、むしろ税収は減るかもしれないし、景気には確実に悪影響を及ぼす。

 たばこ税を上げて、喫煙者を減らし、健康促進という考え方には賛成できたとしても、増税は増税であり、デフレの際の増税は国民からお金を取り上げ、国を貧乏にするだけの結果に終わってしまう。増税だけで、デフレ対策を何もしないと最悪の結果になる。

 本日(6月13日)の日経の夕刊にも「温暖化対策コスト」「国民も応分の負担を」とある。つまり環境対策のための増税を政府の地球温暖化問題に関する懇談会が提言している。ここでも同じ間違いを犯している。つまり、デフレ下での増税は経済停滞を招き、税収が減り、経済が縮小し、結局技術開発も遅れ、温暖化対策も遅れてしまう。

 消費税の議論も同様である。欧米の消費税は日本よりはるかに高い。ヨーロッパ諸国は20%前後だ。だから、日本も欧米並に消費税を引き上げて税収を確保したほうがよいという議論がある。しかし、これには根本的な間違いがある。欧米諸国はどこも日本のようにデフレではないし、日本の名目経済成長率はどの国の成長率よりはるかに低く、ほとんど成長していない。これだけの経済の大停滞を招いたのは、デフレが原因だ。つまり国民に経済活動を正常に行うだけの十分なお金が渡されていない。そんな環境で、発展できるわけがない。もしこの最悪の状況で、増税を行えば、更に国民からお金を取り上げることになり、デフレが悪化し、貴重な労働資源も、生産設備も更に無駄にしてしまうことになる。

 他の国では、もっと高い税率だから、日本でもそれを受け入れられるに違いないと主張する人がいる。どんな高い税率であっても、税を引いた後の可処分所得が十分多ければ、経済活動は十分行えるわけで、経済は発展する。もっと正確に言えば、可処分所得の前年比が十分高ければ、経済は発展できるが、高くなければ経済は停滞するだけだ。つまり、税率がどんなに高くても、人は前年より多く収入があれば、必ず前年より多く消費する。生産者から見れば、前年より多く注文が来るわけである。そのときは、人は新しい機械を買ったり、様々な工夫をして、より多くの生産をし、なんとか増えた注文に対応しようとする。これが経済の発展であり、こういった方法でどこの国も、徐々に豊かになっていく。しかし、日本だけは9年連続して平均給与は下がっている。こうなると、人は前年よりも消費を減らしてしまう。生産者側から見ると、前年より少ない注文しか来ないから、新しい機械を買うこともなく、生産を増やす工夫をすることもない。こうしてデフレの時は、国民は徐々に貧乏になっていく。これが、日本が世界の中で、どんどん没落して行っている原因である。

 没落を防ぐには、デフレを止めるしかない。そのためには、国民にもっと多くお金を渡すことだ。収入が徐々に増えるようにすればよい。国が単に最低賃金を上げて強制的に賃上げをすれば、経営が悪化し、リストラが進み、結局平均賃金は下がるだけで、デフレは止まらない。唯一のデフレ脱却法は、バーナンキFRB議長が言うように、お金を刷って国民に渡すことだ。日銀が国債を買い、国が財源を得、それをもとに減税を行うなり、様々な施策に使って、国民にお金が渡るようにすればよい。

 減税以外でも、温暖化対策でもよい、老人医療に使っても良い。病院も介護施設も教育現場も農家も、お金が無くてひどいことになっている。刷ったお金を使えば、どれだけ多くの国民を助けることができるか。それが国を繁栄させる。今回の秋葉原の殺傷事件だって、人の心を荒廃させた派遣制度から生じたものではなかったのか。我々の前の世代の人たちが努力して経済が発展したからこそ、我々の豊かな国が築かれ、我々が受け継ぐことができた。それを我々の政府の間違えた経済政策が、国を荒廃させ、それを次の世代に渡してしまうことに罪悪感を感じないのか。もしそのような罪悪感を感じる人がいたら、是非我々と共に活動をしていただきたい。現政府の国を貧乏にする経済政策から、再び国が発展するように経済政策を転換させる。それが我々の活動の目的である。

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コメント

こんにちは。
「タバコ税増税」や「環境税導入」という、一見反論の余地が無い政策でも経済状況によっては正しくないという事もある、というのは植草一秀氏の不良債権に対する考え方と通じるように思います。植草氏の不良債権処理に関する主張も、「確かに不良債権問題を一番早く論じたのは自分である。しかし、小泉政権の不良債権処理には異議を唱えた。それは『不良債権処理』はインフレの時にやるべき事であり、デフレの時はまずデフレ脱却を優先すべきだったからだ。」という物でした。
ところで、民主党内においてさんざん「利敵行為」を繰り返してきた前原誠司氏に対し、とうとう民主党内から「退場勧告」が突きつける人が現れました。
「自民寄り、小沢批判の前原副代表 「離党しろ」と民主議員がメール(J-CASTニュース)

 民主党の前原誠司副代表に対し、「今すぐに民主党を離れろ」と受け取れる「退場勧告」を、民主党の国会議員有志3人が2008年6月12日にした。この勧告文は民主党国会議員全員にメールで送られた。前原副代表は月刊誌などに「民主党はまともな政権運営はできない」などとし、小沢一郎代表や党の批判を繰り返していた。
■「国民各位に対する重大な背信行為である」
 「前原誠司副代表の妄言を糾弾し、その『退場』を勧告する」と題されたメールを民主党の国会議員全員に配信したのは、同党の「ネクスト農水担当相」筒井信隆氏、篠原孝氏、山田正彦氏の3氏。勧告の直接の引き金になったのは月刊誌「中央公論」08年7月号に掲載された「自民と民主は本当に違うのか」という座談会。
 農家の所得支援1兆円を含む15兆3000億円の公的資金を投入、という07年の参院選の民主党マニフェストには「財源の根拠が希薄」という指摘があった、と前原副代表が言及。あやふやな状態なのに最後は小沢代表の「エイヤ!」で決まってしまったとし、
 「ですから、仮にこのまま民主党が政権を取っても大変です。私は『君子豹変』しないかぎり、まともな政権運営はできないと思いますよ」
とまで言い切った。
 前原副代表が08年6月7日の京都市内での会合で、自民党の「民主党の農業政策はバラマキだ」と言う批判に対し、
「私もそういう気持ちを強く持っている」
と発言したことも問題だ、と指摘している。民主党の政策はバラマキには当たらず、もともと、農家の所得補償制度は前原副代表が代表だった時代に自ら了承したもので、農地制度改革に対する無知、無理解があると3氏は副代表を追及。しかも、自民党の主張に擦り寄っている、とし、
「多くの同僚議員や民主党農政に対してご指示をいただいた国民各位に対する重大な背信行為である」
と結んでいる。
■「報道の内容は、前原の思いとは全然違う」
 前原副代表は、小沢代表と距離を置くグループ「凌雲(りょううん)会」に参加。08年5月の会合で、08年9月に予定されている党代表選挙について、小沢氏の無投票再選に関し
「そんなことになれば民主党は終わりだ」
と発言。また、08年5月20日付けの読売新聞には、「中央公論」の座談会に出席した自民党の与謝野馨前官房長官の話として、前原副代表の発言を紹介している。
「(国会運営について)民主党が間違っている。国民のために一つずつ物事を決めないといけない。小沢代表が悪い。政策に興味がなく、政局にしか興味がない」
また、自民党寄りという批判は前からあった。07年8月22日には自民党の中谷元・元防衛庁長官と東京・有楽町の外国特派員協会で安全保障問題について共同記者会見をした時のこと。海上自衛隊がインド洋で行っている後方支援活動について、延長に批判的な小沢代表に対し、中谷氏が、
「日本の国益よりも党利党略を考えた、自分たちのためにする議論」
と批判する横で、前原氏は、
「中谷さんは尊敬する好きな政治家」
などと発言。民主党議員の中から前原副代表のスタンスを訝る声が出ていた。

今回の勧告文を出した筒井信隆氏の議員事務所はJ-CASTニュースの取材に対し、
「前原副代表に猛省を促すとともに、これからもその考え方について追及していく。『退場』の意味は前原副代表自身が考えるべきだ」
と話した。前原副代表の議員事務所は、
「小沢代表、党批判として前原の言動を報じているのは特定のメディアだけ。前原の実際の思いとは全然違っている」
とJ-CASTニュースに話した。 」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080612-00000002-jct-soci
この「退場勧告」を行った三人の中でも、篠原孝氏は先日の小野会長の出版記念パーティにも姿を見せておられました。その後、日本経済復活の会の賛同者にもなられています。日本経済復活の会にも、ぜひこの三人の議員を支援してくださるようお願いします。

 

投稿: JAXVN | 2008年6月14日 (土) 16時03分

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