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2008年7月14日 (月)

7月12日の集会に出てみて

  昨日12日土曜日は、鹿砦社の言論弾圧事件から、三周年目を記念して、「今、表現の自由を考える集い」が開かれた。私は鹿砦社の「紙の爆弾」に拙記事が掲載されたこともあり、鹿砦社の社長さんである松岡利康さんにはお礼方々、一度お話をしてみたいと思っていたので、神戸に出向いて集会に参加させていただいた。集会の場所は神戸総合福祉センターで、あの楠木親子を祭っている湊川神社のすぐ横だった。私は父親から、自分が22歳で満州北支方面隊に出兵する直前に、この湊川神社に参詣してから船出したと聞いているので、会場に到着する前に神社境内を歩き、拝殿でお参りした。左翼の方々が多く来られる集会に赴いて、神社を参拝する自分の行為は奇妙に映るかもしれないが、私の中では日本人として普通の行為である。

 私個人は鹿砦社の松岡氏やエコノミストの植草さんを応援することは、左翼右翼思想の延長上で行っているのではなく、日本を悪くする勢力に敢然と立ち向かい、その結果として、マスコミや時の権力から迫害を受けている人を支援したいという人間としての心情からである。今の日本、あるいは外の多くの国々は、グローバリゼーションと新自由主義の極端な介入によって、先祖から受け継いだ国民性や国柄、人間性を失わされてきつつある。この趨勢がもたらす金銭至上主義、弱肉強食の論理は、社会の隅々まで浸透し、本来的な人間の持つ良いものがどんどん失われ、モラルが極端に低下する結果を招いた。この状況は日本で言えば、際限のないアメリカ化である。与党連中は国民の幸福についてはいっさい考えていない。

 戦後、これほどひどい政権与党はなかった。彼らは一部の金持ち連中だけが、富を享受し、多くの下層格差階級の苦悶を尻目に、マスコミや権力を自在に駆使して、ますます自分達に都合のいいように各制度などを立案したり変更したりしている。小泉政権以降に成立した法律は表層的には国民利益を謳っているが、その内実は「後期高齢者医療制度」や「障害者自立支援法」などを見てもわかるように、徹底的に弱者から吸い取る方向性を持っている。一方では法人などの税率は下げられている。清和政策研究会が牛耳る小泉政権以降の政権与党は、棄民的体質を持つ非常に危険な政権なのである。これらの政権がネオリベ体制に日本を切り替える段階で、いわゆる国策捜査と言われる一連の言論弾圧事件が起きている。こういう趨勢の中、西宮冷蔵への迫害も、鹿砦社への弾圧も、植草さんへの弾圧も起きている。つまり日本の政治体制はネオリベ傾向が高まる中で、同時的に言論統制傾向が著しく強まっている。この実態に国民は無関心である。それはマスメディアが故意に知らせないからである。何度も言うが、テレビを筆頭として、マスメディアはアメリカに追従する政権の言いなりだからである。

 さて、土曜日の集会では田島泰彦先生の基調講演で始まり、言論の自由の危機を語られていたことは身に沁みる内容だった。また、集会には一水会代表の鈴木邦男氏が来られ、松岡氏へのエールを送られた。鈴木氏の言葉の中で、非常に印象に残り、自分も賛同したことは、「左翼がもっと元気を出して欲しい」と言われたことである。この言葉の意味は非常に深いものがあると思う。この世の森羅万象には、男女、北極・南極、電池のプラスとマイナスのように、両極性(ポラリティ)がある。私は思想も同じことだと思っている。左翼だけでも駄目で、もちろん右翼思想だけでも駄目なのである。左翼と右翼が両立性を持ち、拮抗作用を持つことによって、思想や言論界のバランスが取れるのではないだろうか。もっとも、それについて理論的になぜかということはわからないが、洞察的にそう思えるのである。どちらか一方が極端に突出すると非常に良くない傾向になる。現在の日本は擬似的な右翼が優勢になることによって、左翼全盛時代よりも時代が劣化している。つまり、言論の自由度が著しく下がってきているのだ。乱暴な論法だと思うが、右傾思想の方向性が誤まると権力の濫用が起こり、国民の自由度は著しく制限される事態が生れてくる。特に、国際金融資本の思惑と、小泉、安部政権のような誤まった国家主義がリンクすると、とんでもない閉塞的な社会が現出されてしまう。今の日本がそういう趨勢下に置かれていることは火を見るより明らかである。ネオリベの創始者であるミルトン・フリードマンはいっさい語っていないが、新自由主義は警察権力の強化と、戦争への志向性が一気に高まる性格を有している。そういう意味では、今の日本は危険なゾーンに入りつつある。

 話は変わるが、雑談日記のSOBAさんから動画を紹介してもらって、初めて知ることになった、門真(かどま)の市議会議員・戸田ひさよしさんも駆けつけてくれた。戸田ひさよしさんの動画では、大阪府知事選の時、橋下徹弁護士を激しく弾劾していたことが印象にあり、自分も同感であったために、いつかはお会いしたいと思っていた。サングラスをかけていて、その筋の人かなと一瞬思ったが、はっきりした大きな声に聞き覚えがあった。それで私から戸田さんにお声をかけてみた。私は私なりに、植草さんの応援者として、橋下弁護士が、根拠のない女性セブンの捏造記事を土台にして、植草さんの性癖論をテレビで強調した事実はけっして忘れることはない。この人物がリーダーになってもよいのか。日本がひどい状況に陥っているのは、こういう人物が府知事になっていることだ。民主的に選ばれたというよりも、テレビの出演回数を異常に多くして、自公が異常に肩入れした事実は、明らかに自民党を動かす外の勢力のメガネにかなっている人物だということである。国民はマスコミのイメージ操作によって作られた人物に警戒するべきである。
 
 戸田さんとは橋下氏のことで、もっとゆっくり話をしたかったが、彼は人気者だったのでなかなか機会ができなかった。戸田さんには、植草さんが嵌められたという私の話を真摯に聴いていただけて嬉しかった。またお会いすることもあるだろう。鹿砦社の松岡さんとはゆっくり話ができて神戸まで行った甲斐があった。また支援者の方々とは親睦会で打ち解けた話が出来て楽しかった。親切に話しかけていただいた人の中に、「完全ヒモマニュアル」や「大震災名言録」などを書かれた鍵英之(藤尾 潔)氏がいて、非常に有意義で楽しい会話ができた。あらためて鹿砦社の松岡さんの交友範囲の広さに驚かされた思いである。

 余談であるが、神戸の人たちの親切心には感動した。私が会場の場所などを訊ねると、丁寧に説明してくれ、その上に途中まで一緒に道を歩いて案内してくれた。それが一回だけではなく、一日の中で駅や建物を聞いたとき、全部で三度もあった。恐縮する思いと同時に、関西人の親切心には昔の日本人の名残りを見て感動した。こういう所まで、冷たい東京のような雰囲気にならないように日本人は回復される必要があると心から思った。

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コメント

高橋様
こんばんは。
ブログ読ませていただいておるうちに、非常に興奮する自分がいました。
高橋様のサウジでのご経験の数十分一にすぎない私の海外体験ですが、
あきらかに、高橋様が感じられたものと同じ、トルコや台湾といった国々の人々の対日親善感情というものは受け取ってきておりました。
特に台湾で日本語教師を務めていた時に、何世代にもわたる日本統治時代への感謝、現在も続く憧れといっていい、親日感情は、激しい、と言っていいものだったと思います。
今ここに、高橋様、そして田母神様という、秀逸な導き手によって、その親日感情の謎が解けた思いです。
高橋様、ありがとうございます。
さっそく、
「閉ざされた言語空間 占領軍の検閲と戦後日本」(文春文庫1994年)
購入して精読したいと思います。
ありがとうございました。
藤尾潔拝

投稿: 藤尾潔 | 2008年11月13日 (木) 20時45分

安部譲二氏やビートたけし氏が師事した山本夏彦に「都新聞回顧」というエッセイがある。
淡々と都新聞(現東京新聞)の歴史を綴った文章のように見えながら、とんでもない毒を含んだ代物で、新聞の発生、ないしはその初期の売り物が政府高官たちの愛妾を暴露するところにあったことを記述する。
これによってジャーナリズムの本質が高位にある者たちの醜聞を知らしめることを示し、ひいては良識ぶるようになった新聞を真に受けることの愚を警告した主旨だったと思う。

師の考え方や口調は当然、弟子に伝わる。初期のビートたけしの警句めいた反権威的発言は明らかに山本夏彦のコラムを熟読して、これをそっくり真似たものであった。世間は、「たけし」の奇抜な物言いに喝采を送った。無論それが山本夏彦の文章をなぞったものであることを知らないでである。

本日、植草一秀氏が「知られざる真実」の中で「北野たけし氏」が権力側の宣伝マンと化していることを指摘しておられた。
私は、ここに名前が売れてくれば体制側に付かなければ地位を維持できない「芸能・マスコミ界」の本質と「笑い」で受け続けることの難しさ(参照「爆笑問題」)を思い、物悲しい諦観を抱くのである。

投稿: kenkensya | 2008年7月14日 (月) 23時39分

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