赤字国債でなく、建設国債を出せばいいんですか!? 福田首相、論理が破綻していますよ(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第112弾です)
公明党による景気対策の要求に押されて政府が迷走している。国債を増発するが、赤字国債でなく建設国債を増発するのだから、良いと言っているようだ。その理由は、公共投資の場合、社会資本の充実のために使われ、それは国民が後で利用できるからということだ。でも、これは、公共投資を景気対策としてどんどん進めていた頃の論理でした。赤字国債でも建設国債でも、同じ国債なのだ。しかし景気を良くするには、最も効率がよいのは、つまり景気対策の優等生は公共投資なのだから、かつて小渕内閣などは景気浮揚のため公共投資をどんどん増やしていった。それは間違いでは無かった。14000円台だった株価も2万円を越え、一人当たりの名目GDPも世界6位から3位に上昇、―1%だった実質成長率も+3にまで激増した。そのまま景気対策を続ければ、今頃は日本は世界で最も豊かな国になっていて、国の借金の問題もとっくに片付いていた。
しかし日本人はせっかちというか、神経質というか、経済音痴というか、国債の発行残高がどんどん増えていくのがたまらなく不安になったのだろう。小泉内閣になったら、急に公共投資を悪者にして、減らし始めた。「赤字国債より建設国債のほうが良い」という論理はどこへ行ったのかと聞きたい。景気対策の優等生であり、国の借金減らしの優等生である公共投資を減らし始めたからたまらない。一人当たりのGDPは5位から18位まで陥落、国の借金は増えるばかり、株も上がらず、世界に占める株式時価総額の割合は5分の1にまで低下した。
ところで、政府・与党は8月29日、物価高や景気低迷などに対応する総合経済対策、を決定した。事業規模は総額11兆7000億円、対策に必要な費用は国費ベースで2兆円となるとのこと。なんと、福田首相は同日の経済対策閣僚会議で、補正予算の財源について「赤字国債の発行は行わず建設国債と使う」と述べたそうだ。これはかつて、「公共投資は借金をしてでもやってもよい」ということを正当化するために使っていた論理だ。これを使うのなら、「今まで公共投資を減らしてきたことは間違いだった」と宣言すべきだ。赤字国債はいけないが、建設国債はよいというのであれば、公共投資を減らしたのは間違いだったと言っているのに等しい。公共投資も、CO2の排出量を激減させ、エネルギー自給率を飛躍的に増加させることができるものもある。
更に驚くべきことに、首相は「赤字国債は出さない」とも発言されている。首相は何を言っておられるのでしょうか。赤字国債を出さずに予算が組めるわけ無いでしょう。新規国債発行は25兆円やるわけでしょう。これが全部建設国債なわけがありませんから、残りは全部赤字国債です。国債発行はそれだけではありません。過去に発行した国債が満期を迎え償還に応じなければなりません。これが何と120兆円あります。これも新たな国債発行でしか応じる手段がありません。ですから国債発行は
120+25=145兆円
程度になります。これに1兆円とか2兆円とかを加えようと、減じようと大勢には影響しません。重要なのは、日本の名目成長率を普通の国並の4%程度にまで引き上げることです。そのためには最低でも20兆円規模の景気対策が必要です。国債発行額が145兆円でも165兆円でも大差はないではありませんか。それで国の経済が息を吹き返すのであれば安いものです。
今必要なことは、名目GDPを何%まで引き上げるといった明確な国家目標であり、赤字国債か建設国債かといった、くだらない議論ではありません。本日(8月31日)の報道2001で西部邁も言っていたことだが、今こそ政府は小さい政府が良いだの、景気対策はやらないだの、基礎的財政収支の黒字化だのという過去の発言は間違えていましたと、きっぱりと言うべきだ。橋本内閣も緊縮財政は間違いだったと言ったではないですか。そうしてから、どの程度の景気対策が今必要なのか、何を目標に経済対策を行うのかを全く新しい立場で考えるべきだ。そうでないと、経済対策は申し訳程度になってしまい、景気はよくならず、結局効果がなかったということになってしまう。
忘れてはならないことは、デフレとはお金が消えていく恐ろしい経済の病気。放っておくと、国民がどんなに頑張っても、どんどん貧乏になってしまう。これに対抗するには、大型補正予算で景気対策をすること。それでGDPは増え、借金のGDP比は減るから、借金は返さなくてもよいことになる。つまり、景気対策とはお金を刷って国民に渡すということである。
ところで、皆さんに是非お願いしたいことがあります。NHKが9月6日(土)20時~22:59に「日本の、これから 税金」というテーマで3時間番組をやるそうです。番組担当者が我々の考えに強い興味を持っているようで、期待しています。次のサイトでアンケートをやっています。
http://www.nhk.or.jp/korekara/index.html
ここに、寄せられた国民の声を基に番組を作るそうですから、是非、ここにアクセスしてアンケートに答えて頂きたい。我々の声が多数であれば、大々的に「お金が無ければ刷りなさい」という意見が、NHKを通じ全国に流れる可能性があります。
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コメント
小渕内閣の時に株価が上昇したのは、景気対策をしたからではありません。あくまでも、米国のITバブルに引きずられて、日本の株価も上昇しただけです。
その証拠に、ITバブル崩壊で日本の株価はどん底に。
小渕政権でばらまいた反動で、デフレスパイラルに陥った。
そこから浮上するのにどれだけ時間がかかったか?
やっと浮上してきたのに、また、小渕政権時代の政策に逆戻りすれば、日本経済は再起不能になるだろう。
投稿: aaa | 2008年9月28日 (日) 23時10分
NHK番組「税金 日本のこれから」について
「続きII」
Q5 近年、日本の税制は所得税の最高税率や法人税が引き下げられ高所得者や大企業の税負担が減る一方で、定率減税が廃止されたことなどによって家計の税負担は増えています。
あなたは、税の負担のあり方についてどう思いますか?
なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい。
「A」 税の公正な負担は経済成長の重要な要因です。税の不公平が今の格差社会を生み、経済成長の障害になっています。
高累進型所得税制の方が、経済成長に有効であることは、言うまでもありません。例えば、年収5000万円の家庭と500万の家庭の場合、年収が500万円の家庭では、収入の殆どが消費されて、実体経済に金が還流していきますが、5000万円の家庭では、そのうちのせいぜい1000~1500万円程度、残りは実体経済に流れません。経済成長には実体経済に金が流れることが重要なのです。
参考:税と経済成長については、東京地方税理士会の吉越勝之氏の膨大な資料分析した労作があります、参考になります。http://www.geocities.jp/mirai200107/index.html#p2
Q6 国の歳入は80兆円あまり。その内訳は国債の発行による借金(約25兆円)を除くと、所得税(約16兆円)、法人税(約16兆円)、消費税(約10兆円)の3つが主な税収の柱となっています。あなたは、これからの日本を考えたうえで、歳入の柱に据えるとしたら次のうちどの税金が最もふさわしいと思いますか?
なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい。
「A」意見はQ5で述べました。
以下Q7~9は省略します。
投稿: いかりや爆 | 2008年9月 5日 (金) 18時26分
NHK番組「税金 日本のこれから」について
「続きI]
Q3 財政の健全化を進めるために歳出削減が続けられてきました。公共事業費を3%削減したり、社会保障費の伸びを毎年2200億円抑制するなど削減の努力が行われてきた反面、地方で中小企業の倒産が相次いだり、後期高齢者医療制度の問題などが表面化しています。
歳出削減についてどう考えていますか?
なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい。
「A」 財源問題については、Q2のところで書きました。つけ加えるとすれば、高齢化が進むこの機ににおよんで社会保障費を削減するやりかたは、社会全体を不安定に陥れます、もってのほかです。
Q4-1 増税論議のなかで、安定的な財源のひとつとして有力視されているのが消費税です。
あなたは、消費税率の引き上げについてどう考えますか?
なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい。
「A」 消費税アップの問題点は、Q1で指摘済みです。消費税の大幅アップは、例えば、北欧型の高福祉社会をめざすのであれば、それも一つの選択肢と言えます。
ただしその前提として、まず収入格差を是正する必要があります。またその場合、日本としてどのような高福祉社会をめざすか「ビジョン」が必要です。普通の人が普通に働いて生活できる社会が前提です。
Q4-2 増税をせずに財政を立て直す方法として経済成長を重視する考え方が浮上しています。経済成長を進めていけば個人や企業の所得と共に税収も増え、増税をしなくても財政を再建することができるというものです。
あなたは財政を立て直すための方法として、どれが最も効果的だと思いますか?
なぜそう思うのか、ご意見やお考えなどを自由にお書き下さい。
「A」 日本は基本的に、自律的に経済成長を促す潜在力があります。
バブル以後の誤った政策により、日本経済の潜在成長力を意図的に削いだために、結果として、デフレを招き、働く人たちの賃金水準の低下(収入減)の原因になっています。その上現在、原油の高騰などでデフレ下で物価上昇という二重の痛みを国民に押し付けています。
内閣府公表の資料によれば、1996と2006年の日本の名目GDPはほぼ同じ水準です、つまりこの11年間では経済成長ゼロです。この間に日本の一人当たりのGDPは18位に転落したことは、国会答弁で太田弘子大臣(当時)が認めた通りです。
財団法人『国際貿易投資研究所」の資料によれば、世界の名目GDP上位60カ国中(ドル建て)、1995~2006の日本の成長率は▲4.0%です、この間の日本の経済成長率は60カ国中最下位です。
これは、60人のクラス(学級)のなかで、常にトップクラスの子が最下位(落第生)に転落したことを意味します。統計的な検定をするまでもなく、他の国と比較して有意差があります。これは、単なるバラツキの問題ではなく、品質管理という視点からみれば、不良品が出たことを意味します。何故不良品が発生したか検証するべきですが、政治家もエコノミストも誰も検証していません。
蛇足:
内閣府に設置されている、経済財政諮問会議は、アメリカ型の市場原理主義、規制緩和とグローバリゼーションなどを基本理念とする愚策を推進しています。それが現在の日本の惨状を招いています。彼らの考え方の主流は、供給サイドの充実です、今必要なことは需要サイドの充実です。
現状の経済財政諮問会議のリストラが必要です、正統派のケインズ主義者を重用すべきです。アメリカに従属する経済政策は、もう止めるべきです。
また財政出動による景気浮揚策を効果ならしめるためには、日銀の協力が不可欠です。日銀は表向きは、景気浮揚にみせかけて、見えないところで足をひっぱっているのと違いますか。
日銀の基本的役割は、景気が過熱する際に、金利と金の流量調節をするだけでいいのです。日銀はもっと透明性を高め、開かれた存在であるべきです。
投稿: いかりや爆 | 2008年9月 5日 (金) 18時22分
米国の第二四半期の成長率は3%を超えたそうですね。
これもFRBが資金を供給し続けたのとブッシュの16兆円ばら撒きが大いに効いているんでしょう。
たぶん米国は小渕政権の時の日本を参考にしたんじゃないでしょうか?
あの時は残念な事に小渕氏は病に倒れ、日銀総裁速水氏の拙速な利上げがあって景気回復も長続きしませんでしたが。
あの時小渕氏が倒れず、その後の森派政権による日本経済の破壊が無ければと悔やまれます。
あそこが85年のプラザ合意やバブル崩壊、94年の小選挙区導入・年次改革書受け入れ等と
並ぶ大きなターニングポイントだったように思われます。
投稿: ななし | 2008年9月 1日 (月) 01時45分