麻生総理からの2回目の答弁書(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第126弾です)
我々の質問主意書(滝実衆議院議員提出)に対する第一回目の麻生総理の質問主意書に対する答弁書は第122弾にて紹介した。詳しくは
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/10/post-68d1.html
を参照して頂きたい。その後すぐに、第2回目の質問主意書を提出し、その答弁書が昨日(10月17日)に届いたので紹介したい。第122弾で述べたように、麻生内閣ではそれまでの内閣と違い、マクロ計量モデルを軽視せず、前向きの対応が見られ我々としては希望を抱かせる内容であった。麻生内閣が国の経済のこと、国民のことを真剣に考えている証拠であった。第2回目の質問主意書は次の通りである。
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平成20年10月8日提出
赤字国債発行に関する再質問主意書
提出者 滝 実 (無所属 比例近畿)
今回の政府の緊急経済対策は予算規模が1.8兆円で、これでは小さすぎるというのが多くの人の意見である。実効ある景気対策の実現のためには、財源問題は避けて通れないのであり、赤字国債を発行するのが本当に将来にツケを回すことになるのかということに関して、国民的な議論が必要な時であると考える。九月十二日に掲載された朝日新聞の調査だと73%の国民が財政よりも景気対策を優先して欲しいと言っているそうだし、政府もこの問題に対し恐れず議論をすべきである。
赤字国債発行に関する質問主意書に対する平成二十年十月三日の答弁書(内閣衆質一七○第一二号)には、公共投資を増額する政策について、国の債務のGDP比は、当初の一年目及び二年目は低下するが、三年目以降上昇するという内閣府の試算に言及してある。これが、「赤字国債を発行すれば、将来世代にツケを残す」という唯一の理論的な根拠とされている。しかしながら、この試算における三年目以降の試算結果を導いた経済モデルには、極めて深刻な欠陥が内在しており、これを政府が鵜呑みにするのは余りにも危険であるから、再度質問する。
一 例えば、平成十八年一月十八日に経済財政諮問会議により提出された「構造改革と経済財政の中期展望」には、「試算は誤差を伴っており、相当の幅をもってみるべきである。また、先の期間になるほど、不確実な要素が多くなることに留意が必要である。」と書いてある。このことは、今年の政府試算(進路と戦略)でも同様だと考えられる。当然のことではあるが、一年目や二年目の試算結果より三年目以降の試算結果は信頼性を欠くと考えるがどうか。
二 図は宍戸駿太郞氏が集めた各シンクタンクの乗数の比較である。これを見ると内閣府のモデルは、極めて特殊と言わざるをえない。つまり、景気対策を行っても、長期的には景気浮揚効果は他のシンクタンク(参議院も含む)の予測する効果の数分の一の効果しかないとみなしている。これでは、いくら景気対策をしてもほとんど長期的な効果はなく、国の借金が増えるだけということになる。景気悪化に対応するために、政府が景気対策を急いでいるのに、景気対策は効果がないとする内閣府の不自然な試算結果を政府はどのように考えるか。
三 内閣府のモデルでは景気対策は効かないという不自然な前提から、GDPが増えないから、政府債務の蓄積により、3年以降は債務のGDP比が増えるという結果になる。しかしながら、実際は他のシンクタンクの結果で示されているように、景気対策は有効で、GDPは上昇し、その結果3年目以降も債務のGDP比は下落するという内閣府以外の試算結果のほうが、現実をより正しく記述していると考えるがどうか。
四 過去の内閣における十数回の景気対策においては、必ずそれによってどの程度の景気浮揚効果があるかが示されていた。もちろん、他の予算を削って景気対策をするのであれば、削った分はマイナスの効果だから、それを差し引きしてトータルの効果を示さねば意味がない。トータルでマイナスになる可能性もある。これから打ち出す景気対策のすべてに対して、トータルのGDP押し上げ効果を国民に示すべきだと考えるがどうか。
五 内閣府の試算(予測)は、はずれてばかりだと言われている。例えば2008年度の名目成長率はどうかと言えば、2007年度1月の予想では2.8%であったが、2008年1月には2.1%に、2008年の7月には0.3%に下方修正された。僅か1年半の間になんと十分の一近くにまで下がったわけで最終的には更に下がるのではないか。そのような下方修正は今年だけでなく、毎年年中行事のように行なわれている。そのように大きくはずれるようでは、3年後の債務の名目GDPに対する比など、全く信用できないというのが現実であり、内閣府の試算結果を基に、「赤字国債発行により将来にツケを回すことになる」という結論を出すことなど論外と言わざるを得ないと思うがどうか。
右質問する。
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答弁書
内閣衆質170第87号
平成20年10月17日
内閣総理大臣 麻生太郎
衆議院議長 河野洋平 殿
衆議院議員滝実君提出
赤字国債発行に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員滝実君提出赤字国債発行に関する再質問に対する答弁書
一から三まで及び五について
公共投資につき実質国内総生産の1%相当を継続的に増額するような政策について、一定の仮定の下、経済財政モデル(第二次再改訂版)(平成20年3月内閣府公表)における乗数表を用いて計算すると、当該政策を行わない場合に比べて、実質国内総生産は、1年目に1.12%程度、2年目に0.78%程度、3年目に0.39%程度増加する結果になっている。
計量経済モデルによる計算結果は、誤差を伴うため、相当の幅をもって解釈すべきものである。また、様々な計量経済モデルによる計算結果を比較する際には、前提等が異なる場合があることから、単純な比較は困難な点に留意が必要である。現実の経済政策を行うに当たっては、計量経済モデルによる計算結果を参考にしつつも、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要である。
我が国の財政状況は、極めて厳しい状況にあり、経済や社会保障に悪い影響を与えないため、財政再建は当然の課題である。政府としては、我が国経済の持続的で安定した繁栄を目的とし、財政再建に取り組んでまいりたい。
四について
過去の景気対策においては、予算等の内容を踏まえ、試算可能な範囲において、公共投資や減税等について、国内総生産の押し上げ効果を示してきているところであり、今後も同様に行っていっていく考えである。
「様々な計量経済モデルによる計算結果を比較する際には、前提等が異なる場合があることから、単純な比較は困難な点に留意が必要である。」とある点は評価すべきかどうか。内閣府の試算が絶対的な意味を持っていないと言っているのなら、4年目以降に債務のGDP比が必ずしも上昇するとは限らないと言っていることになる。この点は以後の質問主意書で更に議論を深めて行きたい。
※お詫び:2兆円の定率減税のGDP押し上げ効果に関して、若干の記述の間違いがありましたので、取り敢えず削除し、次回修正し、もっと詳しく説明いたします。
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コメント
800兆円の0.1%は0.8兆円。
投稿: piroko | 2008年10月19日 (日) 06時10分