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2008年10月29日 (水)

日銀は大規模な買いオペを実施せよ(小野盛司)

  (※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第130弾です)

 政府内で利下げ期待が高まっている。市場はすでに利下げを織り込んでいて、もし利下げを行わないなら、円高・株安になるとも言われる。世界中の中央銀行は今回の金融危機で一斉に金利引き下げを行っている。日本だけが、利下げをやらないと、金利差が縮まり、円キャリートレードによって流れ出た資金が逆流する結果、円高となり、そうでなくても悪い日本経済に更に追い打ちをかけて深刻な経済危機を招く。

 与謝野大臣も利下げに肯定的だが、どうせ効果はないだろうと発言している。経済相としては無責任極まる発言だ。なぜなら、こういったものは、実質的な効果以上に心理的な効果が大きいからだ。政府やマスコミがこれは効くと言えば市場はそれに反応するが、経済相が、どうせ効かないが、気休めにやればよいなどと言っていれば、効くわけがない。

 効くのか効かないのかは、大臣がどんぶり勘定で発言すべきではない。しっかりした経済モデルで効果を確かめるのが経済相のやるべきことだ。残念ながら与謝野氏は計量経済学に関しては白痴 同然だ。内閣府でどういう試算がでているかぐらいは知っておいてほしいものだ。そうでないと、国が税金を使って内閣府でマクロ経済モデルをつくり試算を行っても、猫に小判ではないか。利下げをしたらどうなるかについては、内閣府でも、民間のシンクタンクでもやっていて、すべて同じ結果がでている。以下にその効果をまとめる。

①景気をよくし、GDPを押し上げる
②税収を増やす
③物価を上げデフレ脱却を助ける
④国の借金を減らす
⑤円安になる。

 今の日本経済にとって悪いことは何一つない。もちろん、貯金の利子が下がるという欠点はあるが、それより融資を受けた中小企業の利息が減ることと、融資が受けやすくなることのほうがはるかに影響が大きい。デフレなのに金利を引き上げた日銀の暴挙には全く納得できないし、直ちにゼロ金利に戻せというのが、我々の主張だ。現在の日本の不況の一因は、日銀の金利引き上げだとも言える。

 日銀は金利引き下げ以外に、もっとやれることがある。正攻法でやるなら、市中から国債を大規模に買い入れることだ。その効果は、利下げと全く同じだ。ただし、利下げの場合はゼロ金利にしてしまったら、それ以上は下げられないのだが、国債買い入れの場合はもっとずっと大きな効果が期待できる。買い入れの額に上限がないからだ。もちろん、日銀が国債を買い入れれば、その代わりにお金が出ていく。これは刷ったお金であり、将来返さなくてもよいお金が国民に流れるわけである。

 心配性の人は、それにより、円の信頼が落ちるのではないかと言う。しかし、よく考えてみて頂きたい。今は、世界中で円だけが急騰している。それは、他の通貨が信頼が落ちて、資金が日本に逃げ込んでいると言われている。その資金が日本国民の手に渡り、日本人が自由に使えるお金になるならそれもよい。しかし、それは全くないのだ。円の急騰で日本経済が大打撃を受けるとして、日本株は、世界の先進国の中で最大の下落をした。つまり「相対的に円の信頼が高まりすぎる」ことは、経済に大打撃を及ぼすのだ。そのような時には、円の信頼を適度に下げるのがよい。そのための最良の手段は日銀が国債を買うことだ。適度な円安が進むまで買えばよい。それは為替介入よりはるかによい。

 もし円安にさせるため、ドル買いの介入をやったとする。それは財務省が国債を発行し、日銀に買ってもらう形で資金を手に入れ、それでドルを買う。そうすると形の上では、国の借金を増やし、アメリカに金を貸すこととなる。その金はアメリカを豊かにするが、日本政府の借金を増やすという意味で、日本人は国の借金が増えて貧乏になった気分になるだろう。

 円安誘導という意味で、同じ効果があるなら日銀に国債を買わせる、つまり買いオペをやらせるほうがはるかによいことは明らかだろう。日銀が国債を買い、それと入れ替わりにお金が市中に流れたら、そのお金はどこに行くのか。まさか遊ばせておく、あるいは、タンス預金にしておくとはいかないだろう。株を買うなら株が上がる、企業に融資するなら、企業の設備投資が増える。外国に流れるなら、円安に向かい、企業には恵みの雨となる。社債を買う場合も企業を助ける。また、政府の国債の追加発行が容易となり、財政拡大がずっとやりやすくなる。しかも国の借金に対し国が利子を払うときでも、日銀に払ったものは国庫に返ってくるのだ。そう言う意味で国の金利負担が減る。今の日本にとって悪いことは何もない。

 ノーベル経済学賞を受賞したサミュエルソン、クライン、クルーグマン等やFRB議長のバーナンキ氏など世界を代表するエコノミストが異口同音に主張していることであり、今の日本経済を救うための王道である。

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2008年10月28日 (火)

「年次改革要望書」をまともに報道したフジテレビ「サキヨミLIVE」VTRの起こし文、全文

○「年次改革要望書」は欲望資本主義のアメリカが、自分の国益だけを考えた、日本に対する朝貢命令書である

 前エントリーでは、10月26日のフジテレビの「サキヨミLIVE」が「年次改革要望書」をまともに取り上げたことを、感想を交えて素人速記風に報告した。テレビがこの重要な外交文書を取り上げるということは実に画期的だ。『灰色のベンチから』さんというブログに、この番組の内容をVTRから詳細に起こした文書が載っていた。この送り主さんは、なるべく多くの人に読んでもらいたいということなので、あとで全文を転載する。文書化に費やした労力に敬意を表する。

 フジテレビというテレビの大手局が、わが国の属国事情、植民地事情を端的に示す文書である「年次改革要望書」を取り上げることは、異例どころか驚愕すべきことなのだ。なぜなら、権力の走狗と化した日本の大手マスメディアは、1994年以来続く、この百パーセント内政干渉の指令書(命令書)の存在を徹底してタブー視してきたからだ。

 この命令書を国民レベルに通達しないと言うのは、属国日本を牛耳るエスタブリッシュメントの総意であり、マスコミは忠実にそれを守ってきた。日本がアメリカの属国統治になっている現状、これを国民に知らせず、洗脳状態にしておいて、恒久的に属国状態を継続するというのが、日米双方の暗黙の了解である。

 アメリカが日本を属国状態にしておきたい理由だが、終戦後しばらくは、日本という国からいっさいの武力を剥ぎ取って無抵抗にしておくということが第一の目的だった。刀狩りである。その後、日本が高度経済成長を遂げ、日本人が憲法を改正して日本国軍を創設するつもりがないことを知ったアメリカは、今度は日本を第一の経済的敵性国家と定め、対日戦略を日本の国力を脆弱化することと、日本の芳醇な富を収奪することに目標をセットした。アングロサクソンの性状は、昔も今も狩猟本能に基づく徹底収奪である。

 日本を弱め、日本の国富を効率よく収奪するためには、プラザ合意以前のように、日米経済摩擦を喧々囂々とまくし立てることよりも、奴隷化した日本人をつかって内部から国政を変革する方が都合が良いと判断した。そこで、祖国愛と民族利益を喪失したアメリカ帰りの日本人を使役して、日本の市場構造を根底から作り変えたのである。このマニュアルの役割を果たしたのが「年次改革要望書」であった。この「市場造り替え」はまだ継続中である。こういう動きを最も先鋭的に扇動した売国日本人の旗頭として、竹中平蔵氏の名が上げられるだろう。

 日本人は気が付かなければならない。アメリカによる日本改造プログラムの指針的計画書こそ、かの「年次改革要望書」なのである。

 わが国のマスコミは基本的に、国益や国民の幸福原理に沿った報道をしない。それはマスコミの体質が反日だからだ。従って、年次改革要望書という国益毀損の外交文書をマスコミが隠蔽することはあっても、自らその性格を検証して報道するなどということは考えられないものだった。

 ところが、今回、フジテレビはそのタブーを破って年次改革要望書を“報道”として真面目に取り上げたのだ。これが戦後マスコミ史において画期的なできごとであることは言うまでもない。売国権力の走狗であるテレビが、おのれの反日の姿勢に反するこういう報道をあえて行なったことには、何か政治的な裏があるのだろうか。それとも、この現象は、マスメディア界に雌伏していた少数の良心派・国益派が臥薪嘗胆の時期を脱し、捲土重来の蜂起を行ったのだろうか?

 管理人としてはマスメディア界の良心派が動き始めたと思いたい。植草さんを嵌めた官憲、つまり、警察や検察、あるいは裁判所も、すべての構成員が売国権力に盲従する輩ではないだろう。中には、国を憂い、日本の状況を良くして、自分の家族や子孫、同胞の未来をより明るいものにするために頑張りたいと切実に考えている連中がきっといるはずだ。そういう良心的な人々が勇気を出して行動して欲しいと思う。

 個人も、国家も、生きていくためには外の圧力に屈しない尊厳性を保持する必要がある。人間なら誰でも、普遍的に家族の安全や幸福を願う。しかし、少し考えればわかるが、家に帰属しているだけではだめである。家が国家に帰属している以上、国家が毀損されると家の安全や幸福が駄目になる。もっとはっきり言えば、日本人個々はダイレクトに国家に帰属しているのだ。したがって、自分や家族の幸福を願うならば、国家がしっかりとしていることを同時に願う必要がある。家族の幸福は国家の安泰と不可分である。

 年次改革要望書は欲望資本主義のアメリカが、自分の国益だけを考えた、日本に対する朝貢命令書である。これを自分とは関係ない外交文書だと思わずに、日本が唯々諾々と受け入れていると国家が毀損されることを痛感してほしい。もうかなりガタガタにされている。郵政事業に関わっている人々は、すでに小泉氏の行った民営化のひどさに気付いている。郵政民営化こそ、あの要望書の中心的要求である。大切な国民資産を守らねばならない。あの要望書はアングロサクソンの奸佞邪智(かんねいじゃち)が集約したものである。

 日本はこれに翻弄されず、決然とこういうものは外交的に拒否していけばいい。とは言っても、日本の国政を預かる重要な部署が、この要望書の存在を国民にひた隠しにしている事実こそ、内なる日本の宿痾(しゅくあ)そのものである。アメリカが世界や日本に幸福を与えたか?記憶する限り、かの国がもたらしているものは資源収奪や戦禍、無用な国際緊張、地球環境無視、挙句の果ては世界金融危機を招来、おまけに人類初の原爆投下をした。この国は人類の災厄生産国家と言うしかない。だからと言って、アメリカ以外の他国が紳士的だと言っているのではない。国際社会とは血も涙もない冷徹な世界なのだ。日本人は馬鹿すぎるほどお人よしなのだ。

 いい加減に日本人はアメリカが奪う国であることに気付いた方がいい。小泉・竹中構造改革路線とは、アメリカの腹黒い欲望が凝集した「年次改革要望書」をスペックとして断行された悪政だった。この「悪魔の構造改革」をきっちりと総括し、日本がどういう風に破壊されたかを冷静に把握することだ。それをしないと、ぼろぼろに傷ついた日本が、破壊から新たな創造に向かうことはできない。

                         神州の泉・管理人 高橋博彦
___________________________________________________
  (転載開始)

  読者(VTRを起こしていただいたご本人)のメールより。

 フジテレビ「サキヨミ」での「年次改革要望書」特集、およびそのメモです。テレビでは聞くことのない言葉だと思っていましたが、こんなに早く聞くことになるとは…。

 天木直人さんがVTR出演していたのには驚きました。本来なら絶対に出さないはずなのに…。関岡英之氏まで出てきましたし。政治系ブロガーは驚愕したんじゃないでしょうか。マスコミの中で何かが変わってきたのか??

  新聞のテレビ欄には「▽日本の"予言書"か?アメリカからの"指令書"か…年次改革要望書をあなたは知っていますか▽」と書いてあったそうです。

   かなり正確にVTRのナレーションまで書き起こしたので、これはぜひみなさんに見てもらいたいです。KENさんのブログが無理なら他の人でもいいです。

よろしくお願いします。

      

      

10月26日放送 フジテレビ「サキヨミ」

「▽日本の"予言書"か?アメリカからの"指令書"か…年次改革要望書をあなたは知っていますか▽」

(VTR開始)

「年次改革要望書」は、1994年からアメリカの通商代表部によってまとめられ、日本に送られてきた。

2000年の要望書 : 携帯電話のナンバーポータビリティ制度の導入を求める。

2006年に実施  : 携帯電話の「ナンバーポータビリティ制度」を導入。

1996年の要望書 : 外国産馬の出走を規制している残存規制を廃止を求める今では日本競馬界には多くの外国産馬が出走できることになっている。

  いったい「年次改革要望書」とは何なのか?

○ここでノンフィクション作家・関岡英之氏がインタビューに登場

「ここに書かれていることは、基本的にはアメリカの企業、アメリカの業界が要望したことなんですね」

         
1997年 建築基準法改正
1998年 保険業法改正
1999年 労働法改正
2000年 時価会計制度導入
2001年 確定拠出金年金制度導入、医療制度改革
2002年 司法制度改革
2003年 公正取引委員会移管
2004年 ロースクール制導入
2005年 独占禁止法改正、郵政民営化法案成立

            
 数え上げてみればキリがない。コンビニでお酒が買えるのも、高速道路でオートバイの2人乗りも、「年次改革要望書」に書かれて数年後にその通りになった事例は10や20ではない。

 つまり、これらはアメリカからの外圧ではないか。「サキヨミ」はアメリカから「要望書」を受け取る外務省に聞いてみた。

○外務省北米第二課・四方敬之課長

「日本経済の成長を確保するということのためにやっているということですので、それがたまたまアメリカが要望していたものと一致するものもあるということだと思うんです」

 アメリカの要望と日本の国益がたまたま一致しただけと言う外務省。たしかにアメリカから来た書類を見ると、「日本の消費者にとってより魅力的」「日本の消費者が恩恵を受ける」とある。本当にそれが狙いなのだろうか。要望書の中にはその細かさに驚かされるものもある。

 例えば、「一年を通してポテトチップス用のジャガイモの安定した供給をはかり、日本の製造者と消費者が恩恵を受けることとなるポテトチップス用のジャガイモの輸入に関する特区提案」、なんと「日本人が安定してポテトチップスを食べるための提案」の一文まであった。これまで病害虫の侵入の防止のため輸入が禁止されていた生のジャガイモだが、港に工場を作りそこでポテトチップスにしてしまえば問題ないと記されている。

 さすがにそのリクエストには応えていないだろうと調べてみると、ある菓子メーカーが広島で生のジャガイモを輸入しているらしい。本当に港に工場が存在するのか?半信半疑で尋ねてみると、驚いたことに本当に港には工場が立っていた。

 やはり「年次改革要望書」の賜物なのか?直接工場を訪ねて聞いてみた。すると、日本でジャガイモの収穫のない期間だけ、この工場で輸入ジャガイモからポテトチップスを作っているという。

 では、生のジャガイモの輸入はアメリカの要望で決定したものなのか?

○農林水産省食物防疫課・岡辰男専門官

「もちろん輸入を解禁する場合には、相手国の政府が関与せずに輸入解禁ということはできないものですから、相手国の政府が要請してくるということは条件になります」

 農水省はアメリカからの要請であったことをあっさり認めた。

      
○ノンフィクション作家・関岡英之氏

「アメリカの国益、あるいはアメリカの企業の利益が要求のもとになっているわけですから、どうしても日本の利益にあわない部分とか、日本の実情に合致しない部分があるわけですね」

 では、なぜアメリカの要望に日本はいとも簡単に応えてしまうのか?34年に渡り外務省の実態を内部から見つめてきた天木直人氏に聞いた。

○外交評論家(元外務官僚)・天木直人氏

「日本の外交の9割9分が対米関係ですよね。その対米関係を損なうような仕事をすると(その人に)マイナス点がつくわけですよ。象徴的なのは、北米担当をしている幹部が、もうアメリカの言うことはまともじゃないと、誰も本気でこんな無理な要求を聞くようなやつは外務省ではいないと、こう言いながら、へき易しながら、それでもアメリカに譲歩せざるを得ないっていう」

 実は要望書の中で、アメリカが絶賛している政治家がいる。そう、小泉純一郎元総理。
アメリカからの要望の多くはこの人が総理の時に実現している。記憶にあるものといえばもちろん「郵政民営化」だ。それは確かに悲願だったに違いない。

 しかしその願いはアメリカも同じだった。ただしアメリカの望む郵政民営化はこんなかたちで書いてある。

「簡易保険制度の削除または廃止を検討することを強く求める」

 つまり、アメリカの狙いは日本の郵便局が持つ巨額の簡易保険だった。

○天木直人氏

「(目的は)郵便局にある貯金であり簡易保険である百数十兆円という莫大な国民のなけなしのお金を民営化という形にしてアメリカの金融資本に使えるようにしたと。ここが一番大きくアメリカが期待していたところです」

 外務省風に言えば、それは日本の国益とアメリカの国益がまたしても一致する瞬間だった。一方でアメリカの要望には信じがたい狙いが隠されていることがあると指摘する専門家がいる。8年間アメリカ議会の調査局に勤めていた浜田和幸氏は言う。

○国際経済政治学者・浜田和幸氏

「日本人がとにかく1つの会社に縛られない、もっと自由に才能をフルに発揮できるには派遣法を改正しましょう、それが世界の流れですよと。こういう口車にうまく乗せられた」

  1999年・労働派遣法の改正、これにより日本はほとんどの職種において派遣労働が原則自由化された。実はその影にアメリカのある狙いがあったというのだ。かつて日本経済に脅威を感じたアメリカは徹底的にわが国を研究。高名なアメリカの社会学者は日本の強さは終身雇用と年功序列にあると分析した。

○浜田和幸氏

「アメリカにそれをすぐマネしろといってもそんなことはできない。日本の強いところ、終身雇用、年功序列、こういったものを壊せという報告書がまとまる。それにしたがって労働者派遣の改正をしつこく要求してきて…」

 そして現在。

 年々増加する非正規雇用者。この日もまた、彼らはメールで知らされた場所に集い静かに現場へと向かっていく。(画面は長い列を作って待っていた派遣労働者が、バスに乗り込んで目的地へ向かう姿が映し出されていた)

 だが、1996年の要望書を見ると、そこには「人々に適職に就く機会を与える」とある。まさに派遣労働者のための改革案だったはずだ。終身雇用崩壊のための派遣法改正要求、それが真実であろうとなかろうと、その後の日本がどのような道を歩んできたかは誰もが知っている。

 では、かつて政権の中枢にいた野中広務氏はどう報じていたのか?

○元官房長官・野中広務氏

「私たちも不勉強でね、それを知ったのは、郵政問題が少し問題になってきたころに。一部の優秀な政治家は知っていたんでしょうけど、私たちは全く報告されたわけでもなければ見せられたこともない」

 与党の幹部でさえ、郵政民営化が盛り上がるまでは、そんな文書があったことすら知らなかったという。そもそも、日本の規制改革はアメリカからの「年次改革要望書」で行われているわけではないと主張する学者もいる。

○経済財政諮問会議議員・八代尚弘

「アメリカは我々経済学者が言っていることを当たり前のように要求しているわけで、ニューヨークと東京がいわば東京と大阪のような関係になっているわけで…。お互いに制度を統一化していくのは、お互いのビジネス、消費者の利益にとってプラスになる」

 今月15日、今年もまた新たな「年次改革要望書」がやってきた。泥沼の金融不安でガタガタのはずのアメリカ、今年はいったいどんな要望が書かれているのだろうか?

(VTR終了)

    
(以下、スタジオの光景)

2008年「年次改革要望書」ニッポンはこうなる?

    
2008年版 年次改革要望書

金融       →  確定拠出型年金制度の拡大
農業に関する慣行 →  最大残留農薬レベルの緩和
医療       →  医療機器や新薬認証までの時間短縮

      
○森永卓郎氏

(フリップ)
確定拠出年金
公的年金崩壊
年金も自分で運用する時代

「私は確定拠出年金制度の拡大が注目点だと思うんですけど、今回アメリカは日本の消費者にターゲットを絞ってきたと思う。今、公的年金が崩壊に向かっているのはほとんどの国民は分かっているわけで。日本でも確定拠出年金という、自分で、あるいは企業にお金を出してもらって、積み立てるタイプの年金が導入されているが、そんなに普及してないんですよ。確定拠出年金は自分がどこで運用するか選べるわけですから、そこにアメリカの金融機関のビジネスチャンスがあるとみているということだと思う。確定拠出なので、給付は全く保障されてないというところが特徴」

(メモ終了)

      

 正面から「年次改革要望書」を扱っていましたね。その後のスタジオでも「女性の品格」の坂東さんも田崎史郎氏もまっとうなことを言ってました。

 アメリカの言いなりになるのではなく、日本の国益に叶うことをやっていけばいいと。「アメリカの要望と日本の国益がたまたま一致しただけ」なわけないですからね。あんな細かいポテトチップスのことまであるということは、いったいどれだけ数多くの要望に応えてきたんでしょうか?

 たまたまで片付けられる数ではないです。アメリカは自国の利益の確保のために書いているんですから。

 外交は国益の確保のための争いということ。野中が知らなかったはずはないと思いましたよ。あれはとぼけているだけでしょう。八代は相変わらずなこと言ってますね。日本の消費者の利益にプラスになったことってどれ?って聞きたかったですね。民間議員ってこんなのばっかりですね。

   派遣労働法の改正について踏み込んでいたことは大きいですね。日本の強さは終身雇用と年功序列にあったのに、それを日本はアメリカの言いなりに自ら破壊してしまいました。なかなか元には戻らないでしょうね。

  とにかく、今回の放送は大きな反響になるでしょう。画期的でした。

(転載終了) 

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2008年10月27日 (月)

フジテレビが『年次改革要望書』を真面目に取り上げた!!

Photo_2   昨日、フジテレビの「サキヨミLIVE」というニュース報道番組を見ていて、実に驚いた。なんと、「拒否できない日本」を書いて、「年次改革要望書」の存在を世に知らしめた関岡英之さん(左の写真)がインタビューを受けており、例の年次改革要望書について意見を述べていた。

 新聞のテレビ欄を見たら、「▽日本の“予言書”か?アメリカからの“指令書”か…年次改革要望書をあなたは知っていますか▽」と書いてあった。目を丸くしてその報道番組を見ていたが、実に重大な内容であった。関岡さんの「拒否できない日本」初版本が発行されたのは、平成16年4月20日、つまり、あの郵政民営化解散総選挙があった2005年9月の一年五ヶ月前である。小泉純一郎氏とマスコミが結託し、参院で否決されていた郵政民営化法案が、違憲の疑いが濃厚であるあの衆院解散総選挙で無理やり成立してしまった。この選挙の直前、マスメディアは郵政民営化法案の反対意見を報道することも、それについての、まともな討論を徹底的に封じる方向で通していた。

 この時、郵政民営化に反対の議員、たとえば小林興起氏や城内実氏の意見はほとんどマスコミには反映されなかった。日本の憲政史上、郵政民営化法案の成立過程ほど異常なものはなかったと言ってよい。これは郵便局にある百数十兆円もの国民資産を奪取するために、年次改革要望書を背景に、小泉氏、竹中氏という売国扇動者を使って米国が仕掛けたものである。小泉売国構造改革の最大目標が郵政民営化であった。しかし、日本は1993年の宮沢ークリントン会談の翌年、すなわち、1994年からアメリカと「年次改革要望書」を取り交わし続けている。ところが非常に奇妙なことに、日本の重要な為政者達はこの“双務的”な経済政策要望書の存在をまったく知らなかったそうである。双務的という二国間協調の建前であるにも関わらず、日本の要人たちは知らなかったと言う。この事実だけでも、この要望書の胡散臭い性格が浮かび上がる。

 政界人が知らなかったということは野中広務氏がインタビューで断言していた。なんと、あの2005年当時の段階で、それを知っていた政治家はほんのわずかだったそうである。不思議な話である。一歩間違えれば内政干渉的内容になっているかもしれない二国間要望書を政治のプロの連中は知らなかった。政策を立案決定し、実行するプロの連中が知らなかったということは普通にはありえないことだ。年次改革要望書を緻密に分析すれば、そこに書かれている内容が、数年後にほとんどそのまま実行されていることに気が付く。このような重大な書類はすでに要望の相互交換などというものではなく、アメリカからの一方的な内政干渉的な取り決め文書であることを示している。

 友好的な二国間で取り交わされる単なる推奨的経済政策案であるなら、参照、参考するという意味合い以外になく無害なものであろう。しかし、年次改革要望書は明らかに強圧を伴った一方的な命令書である。その理由は関岡さんの「拒否できない日本」を参考にすると、年毎に出される要望書は、各部門の担当部署に振り分けられ、それが内部で検討されてから審議会にかけられ、最終的には日本の法律や制度の改正という形で圧倒的な内政出力になっている。この要望書が単なる外交文書ではないことは、要望の内容が日本の国政に実現されたかどうかをチェックする仕組みが存在していることでわかる。それを管轄しているのが、アメリカ通商代表部(USTR)であり、彼らは毎年3月に連邦議会に提出する『外国貿易障壁提出書』で報告するようになっているのだ。

 今述べたように、年次改革要望書の概括的な仕組みを見ただけで、これが双務的親善的な外交文書ではないということがよくわかるだろう。政策出力に決定的な影響力を持つ文書を為政者が知らなかったということは、これを実行しているごく一部の日本人勢力がいることを示す。彼らはアメリカの犬であり、紛うことなき国賊連中である。日本国益を害し、アメリカや米系外資を利することをやる売国連中がいる。

 しかし、昨日のフジテレビを見た人は私以外に大勢いて、年次改革要望書の実態を知る人たちは、関岡さんが出たことと言い、テレビが年次改革要望書をまともに取り上げたことと言い、少なからず驚いているはずだ。この現象はマスコミが良心化していると言うよりも、時の政権の動向で左右される節操のなさがもたらしているものだろう。植草事件の報道や、その他の報道を判断する限り、テレビの連中は信用ならない。一つだけ言えることは年次改革要望書を最も先鋭的にかつ忠実に具現化した、小泉構造改革路線が今、存亡の岐路に立たされているからだろう。世界金融危機と相まって、今人々はネオリベ路線へ熾烈な疑念を向けているというところだろう。

 テレビでは年次改革要望書が国内政治に反映された実例として、携帯電話の番号継承制度、すなわち『ナンバーポータビリティ制度』が実行されたことや、日本競馬界で外国馬の参入が許可されたことなどをあげていた。また、初めて知ったことだが、日本のポテトチップスを安定的に供給するために、外国からのジャガイモの安定的輸入が欠かせないということも年次改革要望書には書かれていたそうである。調べたら、これも実現しているという。年次改革要望書の要求事項が日本の内政に具現化された項目は十や二十などというものではなく、そうとうの数に上っている。

 ここまで内政干渉のレベルが上昇したら、すでに占領政策と同等であろう。これに気が付かず、怒りもしない日本人は愚鈍な家畜である。フジテレビは元外務省外交官であった天木直人さんのインタビューもあり、彼は年次改革要望書は小泉総理の時に多く実現していることと、郵政民営化の目的は簡易保険が所蔵する百十数兆円の資金が狙われたと言っていた。外務省北米第一課(?)の某人物はあの要望書は日米双方の利害が一致することを前提にしているから、問題ないのだというようなことを言っていた。外務省は売国奴が多い。浜田和幸氏は年次改革要望書は日本の雇用形態も大きく変えたといっている。つまり、誰でも知っているように、日本の労働形態は正規雇用者が激減し、非正規雇用者が圧倒的に増大した現実がある。

 この背景にはアメリカが日本をよく研究して、どうしたら国力を殺ぐことができるか、その方法を研究した結果、日本特有の終身雇用と年功序列を破壊するのが最も効果的だという結論を得たと言っている。結果は「労働者派遣法」の改悪によってまったくその通りになり、日本は今青息吐息である。日本の終身雇用という、世界に比類ないこの良い制度は1996年の年次改革要望書によって、その解消を求められている。(なぜアメ公さんに、日本固有の美しい就業形態を変えられなければいけないのか?怒!!)

 とにかく、テレビが年次改革要望書を正面から取り上げたことは画期的である。遅すぎる感も強いが、国民は小泉政権が米国隷従の最悪の政策を行ったことをしっかりと振り返り、これからは日本人のための国政を望んで欲しいと思う。年間三万人を超える自殺者の中には経済苦で無念の死を遂げた人々も数多く存在する。それを思えば小泉・竹中政権は殺人政権と呼ぶにふさわしい。今、日本では小泉構造改革路線に疑念を呈するムードが高まっているようだ。

 こういう大きな政策トレンドの変遷を考えれば、植草一秀さんが、小泉政権発足の当時から、正当な見解であの悪徳政権を糾弾していたことがよくわかる。彼の名誉は回復されるばかりではなく、その存在はこれからの日本再建に絶対に必要である。植草一秀という人物は誰も面と向かって小泉政権を批判できなかった時に、たった一人で立ち向かって行った。有識者でほかに誰がこの行動を示したのか?この人は弱者に向ける優しい眼差しとは別に、悪徳強者に対しては熾烈な戦闘意欲を発揮する。そのエネルギーは自己保身や名利をものともしないのだ。こういう人物は明らかに歴史的な存在であり、いたって稀有である。

 植草さんは良心に従い、微塵も妥協せずに、孤軍奮闘で小泉政権を糾弾した。彼の信用失墜を目論んだ悪徳政権は二度も彼を嵌めた。今こそ、彼を歴史的な救国者として評価しなおすことをお勧めする。副島隆彦氏が言ったように植草さんは日本の宝物である。

(※訂正:記事中で「外務省北米第一課(?)の某人物」というのは、外務省北米第二課の四方敬之課長)

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2008年10月25日 (土)

サミュエルソンがお金を刷りなさいと朝日新聞で提言(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第129弾です)

 本日(10月25日)の朝日新聞の朝刊で、ノーベル経済学賞受賞者のサミュエルソンが、極めて重要な提言を行っているので、是非皆さんに読んで頂きたい。彼の主張は一貫している。お金を刷りなさいということだ。一部をここに引用するので、全文は朝日新聞を読んで頂きたい。

___________________________________________________
赤字いとわぬ財政支出 不可欠   2008年10月25日付朝日新聞朝刊

ポール・サミュエルソン ノーベル経済学賞受賞者

 この危機を終わらせるためには何が有効なのか。それは、大恐慌を克服した「赤字をいとわない財政支出」だろう。極端にいえば、経済学者が「ヘリコプターマネー」と呼んでいる、紙幣を増刷してばらまくような大胆さで財政支出をすることだ。

 大恐慌を克服したのは戦争のおかげだという人がいるが、そうではない。大恐慌当時、私はシカゴ大学の学生だったが、自分が学んでいる経済学と、社会で現実に起きていることとの大きなギャップについて、深刻に悩んでいた。周囲では、3人に1人以上が失業していた。

 それほど高かった失業率をひとケタまでに減らしたのは、33年に就任したルーズベルト大統領の政策だ。それは戦争前のことで、戦争の脅威も切迫してない時点で着手されたのだ。

 (第1次大戦で敗れたドイツの)ヒットラーは報復戦争の準備をするために、際限もなく金を使った。しかし、ルーズベルトがとった政策は、同じ赤字財政であっても、公共事業や農業支援計画を通じた巨額の支出だった。それが資本主義を救った。

 国のお金を何に使うかは、その国民が選ぶべき事だ。しかし、無駄な事業でなく善い目的に使うのが、賢明な国民の選択であることは言うまでもない。

 今回の危機の克服に当たっても、時間はかかったとしても結局、財政支出が拡大されるだろう。ルーズベルト大統領の雇用政策も、目標実現に7年かかった。前任のフーバー大統領は、ケインズをマルクス主義者呼ばわりするような人物で、恐慌克服になんら有効な手を打っていなかったことが響いた。本来は(株価暴落直後の)30年から32年までに恐慌対策を打つべきだったのだ。

__________________________________________________

 これは、日本だけでなく全世界に対してアピールしている。彼は平成13年6月1日の静岡新聞でも当時の小泉首相に対して次のように呼びかけている。「私は小泉氏に、3年間の全面的な税率引き下げ政策を実施するよう提言する。そして、今後も計画して行われる公共支出政策は、日銀が新たに増刷する円によってまかなわれるべきだ。」

 もし、彼の提案に従っていたら、日本の今の経済的な苦境はなかった。今からでも遅くない。お金を刷って、大規模な財政拡大を始めていただきたい。

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2008年10月24日 (金)

株価暴落、いまこそ大規模財政出動の時(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第128弾です) 

 本日(10月24日)、日経平均がとうとう7600円台にまで下がってしまった。昨年は株式時価総額が580兆円あったものが、今や250兆円にまで下がってしまった。日本は株だけで、1年余りで330兆円も失った。日本からお金がどんどん消えていくのが分かるだろうか。日本はこの十数年間で随分貧乏になっていたのだが、更に貧乏になっているのだ。それだけではない。為替も1ドル93円台までの円高で輸出企業は大打撃だ。そうでなくても、世界的不況で輸出減少が予想される時に、この急激な円高は厳しい。銀行の貸し渋りも不況に追い打ちをかける。物価高と言うが、需要が増えて物価高になったのではなく、原油や原材料等の一時的な値上がりで一時的な物価高になっただけで、間もなくその反動でデフレがやってくる。

 世界大恐慌・昭和恐慌での失敗を繰り返したくないなら、今こそ大規模な財政出動の時だ。昭和恐慌の時にも大蔵大臣高橋是清が日銀総裁深井英五と組んでお金を刷って日本経済を救った。政府を説得するために我々に何ができるかと言えば、やはり質問主意書ということになり、本日も再度質問主意書を提出した。何を政府に質問したかと言えば、政府の景気対策だ。前回もお話ししたが、定額減税の効果はどうなのかということ。10月21日の朝日新聞には、2兆円の定額減税のGDP押し上げ効果が書いてあった。それによると内閣府の試算では、2兆円の景気対策の実質GDP押し上げ効果は以下のとおり。

Gdpno

 この試算について私は内閣府に問い合わせてみたら、内閣府のほうで調べてくれた。どうやら、朝日新聞は内閣府の短期モデルのほうを引用したようだ。私が通常引用する内閣府のモデルでは定額減税の効果はこの2倍程度になる。朝日新聞が通常使わない短期モデルの結果を引用したのは、彼らが政府批判をするのに都合がよかったということなのだろう。どうして効果が半分になるかと言えば、次のような説明をすれば理解できるかもしれない。例えば、減税を年度の最初にすれば、減税効果はフルに出る。もし年度の最後にやればその年は全くでない。お金を使う時間が無いからだ。短期モデルでは、毎月同額ずつ減税する。ということは、年度始めに減税をやった場合と年度末に減税をやった場合の平均のようなものだから、効果は半分ということになり、0.1%ということになる。このようなインチキな数字を見せて、朝日は「景気対策望み薄」という政府批判をして、衆議院選挙に与党の足を引っ張ろうという意図なのだろう。偏向したマスコミのやることだ。

 しかし、そういった数字を出すのなら、公共投資を増やせばよいと主張すればよいではないか。定率減税の4.1倍もの効果があるというのなら、当然公共投資をやれと言うべきだ。赤字国債発行には反対だが、建設国債発行には賛成するのだから。しかし朝日はそれも言わない。要するに朝日は政府の悪口は何でも言うし、政府を後押しするようなことは隠す。

 従来型の公共投資は反対という意見が強い。しかし、我々はやるならエネルギー対策をやれと主張する。来週の木曜日(10月30日)には、日本経済復活の会の定例会でジャーナリストの曽戸正明氏に洋上風力発電構想の現状について講演していただく。3年位前から、洋上風力発電に関し専門家を招いて検討を重ねている。洋上風力発電により、日本の全エネルギー需要を満たすことができるし、発電コストが安い。必要なのは巨額の初期投資だが、日本の将来を考えれば安いものだ。お金は刷った金でよい。洋上でつくった電力は電気分解で水素をつくり、それをタンカーで陸まで運べばよい。

 そのように主張していたら、反論が出た。「そんなものうまくいくはずがない。今でも夜間の電力は余るから、それで電気分解して水素を作りそれを、昼に燃やして電力にするなんてことはやっていない。夜間の電力はすべて揚水発電所の水をくみ上げるために使われている。水素でよいなら揚水発電所などを金をかけてつくる必要はないではないか。」

 もっともらしい反論なので、このことについて東京電力に聞いてみた。さすがに、東京電力だ。丁寧に教えてくれた。

 電気分解による水素発生の件ですが、一般的に電気分解による水素生成効率は大型のもので90%、火力の熱効率は最新のものでも53%であるため、電気分解で生成した水素を燃料とする火力発電所の総合熱効率は、最大でも48%程度となります。

 一方、揚水発電所の総合効率(発電電力/揚水電力)は、65~75%と非常に高い数字であるため、揚水発電所のほうが高効率といえます。また、仮に50万kW火力発電所において、昼間ピーク電力の2時間を電気分解により生成した水素でまかなうとした場合、必要熱量は、50万kW×2h/0.53=188万kWh=1,616,424,000kcal となります。一方、水素の熱量は、3,053kcal/Nm3であるため、水素体積としては、529,500Nm3必要となります。これを常圧で保存した場合、半径50mもの球形タンクが必要となってしまいます。(液化保存、加圧保存も動力が必要となるため、この場合はあまり考えにくいです。)したがって、揚水式発電所のほうが、効率の点からも、ハンドリングの点からも優れていると考えます。

 ということだ。要するに、揚水発電所のほうが効率がよい。しかし、洋上風力発電所では、揚水発電所が使えない。電力をそのような遠方まで運べないのだ。だから少々効率が悪くても水素にする。しかし、風力はタダだし、無尽蔵にある。しかも二酸化炭素を出さない。初期投資は必要だ。しかし、刷った金ならタダみたいなものだ。無駄にしている労働力を活かすのだから。政府による大規模投資が現在の日本を救うだけでなく、未来の日本も救うのだ。

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2008年10月23日 (木)

「小泉政権点描」(3) (kenkensya)

「小泉政権点描」(3)

 2005年夏、東京市場は奇妙な様相を呈していた。とにかく動かないのである。ひどい日には先物の上下値幅が70円しかないという異常な保合い(モチアイ)相場であった。先物をやろうにも、その日の寄付値の前後には2,000枚、3,000枚という厚い板が何重にも積み重なっていて、蟻の子一匹通る隙もないという状態であった。これが連日続くのだから如何ともし難い。

 ちょうどその頃、国会は「郵政民営化法案」の審議の真っ最中である。このあたりまで来ると、さすがに情報に疎い私も「郵政民営化法案」が米国の強い要求に従った郵政資金の米国横流し法案であることを知っていた。たしか森田実先生のサイトで見たのが最初だったと思う。そして小泉内閣成立からの流れから、何となく全容が見えてきたように思った。

 私は考えた。「この保合いは、郵政民営化法案が通れば上に行き、否決されれば下に放れるわけだな。それまでは静観しておこう」―このくらいの知恵はある。

 同時に、「せっかく日本人が汗水たらして貯めた金を、強盗みたいなアメ公にむざむざカッさらわれて堪るか!」という、強い反米感情を抱くようにもなっていた。

 やがて衆議院で採決が行われた。城内実先生が安倍晋三氏の説得を最後まで受けながら青票を投じ、小林興起先生が青票を壇上で振りかざした、あの採決である。

 結果は僅差の可決と出た。落胆した方もおられようが、オメデタイ私は逆に「しめた!」と思った。「これで噂になっている衆議院の解散は憲法上不可能だ。あとは参議院で否決されれば両院協議会、どうせこれも上手く行くはずもない。残るのは衆議院による再可決だが、自公政権では衆議員の2/3の議席数はない。そうなれば廃案だ。さすがのアメリカも一年間は待たなければなるまい。ククククッ、アメリカ人も抜けたところがあるなあ」私は笑いをかみ殺した。

 こうなると問題は参議院における採決である。報道では中曽根弘文氏のグループが否決に回るという話で、数読みをしてみると否決の可能性が高いという。私は中曽根弘文氏に喝采を送った。「よっ、さすがは大勲位の息子さんだ。筋が通っていらっしゃる」

 私はあの日の午後一時から、PCとTVを両睨みしながら固唾をのんで見守った。勿論、参議院の否決が決定された瞬間に売りを入れようとしていたのだ。

 やがて「郵政民営化法案」は参議院では否決となった。当然、成り行きで売りを入れる。
先物は約一分間は下に向かったものの、そこから湧くような買いが次から次へと入り、急上昇を始めた。この勢いがどれだけ凄まじかったかというと大証のコンピューターが注文をこなしきれなくなって注文が入ったかどうかさえ分からず、またモニター上の数字もバラバラであったほどである。慌てて入れたストップロス注文(成り行き)は、何と、注文していた値段よりも150円近くも上で約定したとの連絡が、しばらくしてからやっと入った。

「こんな、馬鹿な・・・」私は何遍も呟く始末だった。まだ信じられなかったのである。
夕方7時、テレビが小泉首相の衆議院解散を告げていた。唖然としながら、私は再び独り言ちていた。

「そうか、こいつは憲法なんて知らないんだ。だから米国も憲法違反を承知のうえで、こいつに横紙破りをやらせたのかぁ。そして外資はどう抵抗しようともこの法案を通すことを知っていたんだ」

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「小泉政権点描」(2) (kenkensya)

  「小泉政権点描」(2)

 きわめて残念であるが、2003年の「りそなインサイダー疑惑」から株式市場の急騰につながる、この期間の出来事に関しては今回だけは見送らせていただく。紙数を相当費やすうえに、私自身まだ確かめおかねばならない事柄がいくつかあるためである。
 しかし、これを厭うているわけではない。

「りそなインサイダー疑惑事件」からの二回にわたる「植草一秀デッチ上げ事件」、それに続く植草先生の不死鳥の如き戦いぶりは、我々が是非とも後世に残したい「同時代史」であると考えるからである。

 先を急いで2004年について書く。米国は、せっかく立ち上げた「小泉傀儡政権」維持のために、もう一汗かかねばならなくなった。小泉内閣の支持率が、度重なる失言と無策により急落したため、選挙に負ける心配が出てきたからである。国民は小泉政権を倒すような甲斐性は持ち合わせていないとしても、自民党内部から小泉首相を引き摺り下ろす動きが出てくるのを警戒していたのだろう、と思う。

 それではと曽我ひとみさんの夫君である「ジェンキンス氏の北朝鮮解放」という非常に国民受けのする吉事を演出して選挙にむかっての支持率アップを狙ったのである。

 このジェンキンス氏解放は、米国の助力がなければ絶対に実現しないものだったと思うが、呑気な国民は、これを小泉政権の得点としてカウントした。そしてこれを背景にして小泉首相は何の選挙であったかは忘れたが、とにかくこれに辛勝した。米国の目論見は何とか達成されたわけである。

 あまり口幅ったいことは言いたくない。しかし皆さん、よく考えてほしい。その後の米朝関係をみるにつけ、北朝鮮が日本からの外交や圧力だけでジェンキンス氏解放など行うわけがないではないか。ましてジェンキンス氏には日本に行けば米国の軍法会議が待っている身の上なのだから。

 正直に白状すると、私はこの時点では米国の「郵政資金強奪5ヵ年計画」が着々と進行していようとはまったく知らなかった。

「あれれ、米国は、なぜ小泉政権にここまで肩入れするのかな。不思議なことがあるものだ」と、いぶかしんでいた程度である。大きな謀略事件は間近にいても全貌が明らかになるまでは、気付くかないものだ、とは思うものの所詮、愚人である私に他人様に何かいう資格はないか。

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「小泉政権点描」(1) (kenkensya)

(※ kenkensyaさんの小泉政権批判です)

  「小泉政権点描」(1)

 2002年であったと思うが今は、もうはっきりしない。私は国会中継を視ていて久しぶりにアングリと口を開いたまま何もできないという場面に出くわした。自民党議員の質問に小泉首相が答弁していた際に次のような内容を喋ったのである。

自民党議員「首相は道州制を推し進める、と所信表明で述べておられましたが、どのような構想をお持ちなのでしょうか?」

小泉首相「道州制を推し進めることによって健全な地方分権を実現すべく鋭意努力している最中だ。皆さんも良いアイデア(道州制についての)があれば、どんどん出してもらいたい。特に北海道の方々はもともと道なのだから適したモノが出しやすいのではないか。それらの意見をまとめて、良いモノをこちらから提出したい」

自民党議員「首相の地方分権に対してのご立派な考え、しかと理解いたしました」

こんな質疑のあとも、国会からシワブキ一つ聞こえなかったのにも驚いたが、やはり私の関心は小泉首相に向いた。-おいおい、大丈夫かよ、この男の頭の中は-

 第一に小泉首相のいう北海道の「道」は道州制の「道」とは全く異なった概念である。第二に地方自治を定める憲法第92条は「制度的保障規定」であるからその解釈・運用については現状維持(ステイタス・クオ)の要請が働くはずだ。さすれば道州制を採用するためには憲法改正が必要なのではないか。

 高橋先生からはご批判もあろうと思うが、「日本国憲法」の中には、なかなか良く出来ていると感心する部分もある。憲法92条の立法趣旨は「特徴ある地域をたくさん存在させて、その多様性を確保せしむることが、独裁制を防止する有効な手段となりうる」というものだったろう。ところが、残念なことに戦後、地方が一貫して中央省庁による画一的な支配の下に置かれてしまった、という運用上の誤りがあったと思う。

 憲法9条についても意見があるが、これを言うと話が厄介になるので今回は省略する。

 そこでさきほどの小泉首相の答弁を思い出していただきたい。かの首相は、無法学部出身のミジンコ予想屋でも知っている憲法条文や解釈を知らないのみならず、北海道の「道」が道州制の「道」と同じものだと思い、それを顔色一つ変えずに国会でトンチンカンな意見を述べているのだ!国会議事録に残るのによく平気で言えたものだ!

 これ以来、私は小泉内閣に対して、相当、注意深く且つ懐疑的にその発言を受け止めることになった。

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2008年10月22日 (水)

「ちょっと、良さげでとりあえず身銭を切る必要がないもの」(3)(4) (kenkensya)

(※kenkensyaさんの記事の続きです)

「ちょっと、良さげでとりあえず身銭を切る必要がないもの」(3)

 ITバブルが崩壊した2000年の中頃であったと記憶するが、私は奇妙な文章(インタビュー記事だったかもしれない)を目にする機会があった。並の政治家なり評論家のものであれば見向きもしないのだが、それが為替予約を最安値(ドル)で入れて、ハンバーガー業界で一人勝ちを演じている日本マクドナルド会長、藤田田氏のものであったので、まあ注目してみたわけである。

 内容はおよそ次のようなものであった。「世の中に金が回らなくなって、どの会社も大変だ。郵貯に資金が滞留しているのが最大の原因だ。景気を回復するためにはコイズミ君の言うように郵政を民営化して資金が民間に渡るようにせねばいかん。彼あたりが総理大臣になってくれればいいのだがね」

 何とも、しっくり来ない文章だったが一応、頭に入れると同時に、私は小泉純一郎なる政治家が郵政民営化を主張していることを初めて知った。

 小泉純一郎?たしかYKKというグループの一員である、影の薄い男がいたな、当時の感想はそんなものだった。他の方の受け止め方も同じようなものではなかったか。

 なにしろYKKとなれば、一番手は衆目の一致するところ加藤絋一氏、二番手が議員宿舎にデリヘル嬢を引っ張りこんだとスクープされた精力絶倫の山崎拓氏、小泉純一郎といえば「小泉又次郎という横須賀の親分がいたが、あの孫かな」程度だったと思う。

 そして今となれば、どなたも信じてくださらないだろうが、藤田田氏の雑誌記事を読んだその日の夜、私はテレビ東京のワールド・ビジネス・サテライトで「タケナカ ヘーゾー」という耳慣れない名前を聞き、ベビーフェイスの地獄からの使者を初めて視ることになった。

 この年の年末に向けて、東京市場は急落を続けていた。世の中の景況観は目に見えて悪化していった。ハワイ沖の米国潜水艦と日本の水産高校の練習船の接触事故から森喜郎内閣の支持率が1ケタとなり、いわゆる「加藤の乱」を経て翌年には自民党総裁選を迎えることになる。

「ちょっと、良さげでとりあえず身銭を切る必要がないもの」(4)

 2001年の自民党総裁選で印象的だったのは、総裁選の最中に行われた候補者たちによる意見表明会であった。このとき橋本龍太郎元首相は、自らの過ちを素直に認めて「とりあえず財政再建は棚上げする」ことと「自分に六ヵ月の時間をもらえれば銀行の不良債権問題に必ず区切りをつける」という今から思えば至極、まっとうな政策を丁寧に述べていた。

 一方、小泉氏は「構造改革」または「構造改革なければ景気回復なし」という言葉だけを蒼白な顔で繰り返す。長からぬ小泉氏の演説の中に「構造改革」だけで20回は出てきたように思う。すると横にいた橋本龍太郎氏(服装は紺の背広に暗色のネクタイ)が「杉さま」ゆずりの流し目で、憑かれたごとく絶叫する小泉氏(グレイのスーツにブルーのネクタイ。ワイシャツは両者とも白)に「こいつ、気が狂っているんじゃないか」とでも言いたげな様子で数回、目を走らせたことである。どうも橋本氏は、露骨に軽蔑を表に出すのが悪い癖だったようである。

 最初から結論を言ってしまうと見も蓋もないが、米国は「郵政資金強奪5ヵ年計画」の総予算のうち1割か2割をこの総裁選で投入したのではないか。意外に少ないのは小泉純一郎という男が本当に総理大臣になれるかどうかを米国側が五分五分と踏んでいたからだろうと勝手に思っている。小泉氏が敗れた場合の保険も必要だし、郵政民営化を確実にするのが最大のヤマなのだから資金はできるだけ温存しておきたいからだ。

 ところが、この程度の資金でも米国のサイの目は吉と出た。何と橋本龍太郎を圧倒して小泉氏が自民党総裁となったのである。米国は相当な安堵を覚えたはずだ、否、澎湃と湧き起こる「純ちゃんフィーバー」と「構造改革ブーム」にクスリの利きすぎを感じて苦笑せざるを得なかったかもしれない。我々は「構造改革」という「ちょっと良さげで、とりあえず身銭を切る必要がないもの」にマンマと乗せられてしまったわけだ。

 ところで私は「金、プロパガンダ、扇動者」が揃えば、必ず民衆に熱狂を呼び起こすことができる、と書いた。逆もまた真なりであって、「金、プロパガンダ、扇動者」のどれか一つでも欠けると、国民を「散水機の水に興奮するカツオの群れ状態」にすることは、なかなか難しいのではないだろうか。

 あくまで個人的な意見を述べるならば「小泉純一郎」よりも「麻生太郎」の方がキャラクター的には、かなり上だと思う。しかるに「純ちゃんブーム」は起きても「太郎ちゃんフィーバー」は起こらない。ここから導かれる結論は一つ。私たちの感情は簡単に「プロの扇動者」に支配され、決して自分の好みを優先させるものではない、という苦い事実である。

              -つづく-

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「ちょっと、良さげでとりあえず身銭を切る必要がないもの」(1)(2) (kenkensya)

  (本稿は、いつも鋭い社会時評を書き込んでいただいているkenkensyaさんの貴重な記事です。是非お読みになっていただきたい)

「ちょっと、良さげでとりあえず身銭を切る必要がないもの」(1)

 ロッキード事件のことを再度、持ち出して恐縮だが、あの事件の中で内定していた全日空の「エアバス用機種」をダグラス社のDC10からロッキード社のトライスターに変更させる必要がロッキード社秘密代理人であるK氏に生じていた。

 K氏は、様々な人脈を通して全日空に働きかける一方で、なかなか手のこんだ工作を仕掛けている。大阪・伊丹空港における騒音防止に住民デモを起こさせるというものである。(DC10よりトライスターの方が少し音が小さい)おそらく彼は「金(カネ)、プロパガンダ(大義)、扇動者」の三つを同時に投入すれば騒動を起こすのは、わけのないことだと踏んでいたのであろう。

 誰でも「ちょっと、良さげ」なものに反対するのは難しい。その上、自分の腹が痛まないのならば(それどころか昼食の弁当くらいは出ただろうし、プラカードなども用意されていたはず)、時間さえあれば、ホイホイと参加してしまうのは人情というものであろう。
「あら、空港騒音に反対するわけね」「そうそう住環境は自分たちの手で守らなくちゃ」「えっ、お弁当も出るの?」―こんな会話が交わされた後、彼女ら(彼ら)が何も知らずにこのデモに参加し、一時の連帯感や高揚感を得ただろうことは想像に難くない。

 ここまで書くとK氏というのは、とんでもない深謀遠慮の持ち主だったと考える方もおられるだろうが、私はそうは思っていない。この「金、プロパガンダ、扇動者」の三点セットを同時に注入してデモ(または熱狂)を民衆に無意識的に起こさせる、やり方というのはK氏の親玉であった米国情報機関の得意技であるから、入れ知恵があったか、K氏がそっくり真似たか、であったろう。

 このような人間の弱みを衝く手段・方法というのは、米国情報機関一人が得意とするところではない。わずかにロシア革命史を紐解いてみると、これとソックリの「金、プロパガンダ、扇動者」投入をヴォルシェビキが盛んに行っているのを発見して我々は瞠目することになる。「米国とソ連(ロシア)というのは、まるで背中合わせの双子の兄弟みたいだな」私は詰まらない感想を抱くことになった。この二大国が冷戦を繰り広げたのは近親的憎悪からくる歴史の必然だったのかもしれない。(しかも両者は、ヨーロッパ階級社会が産み出した鬼っこである、という共通性もある)

「ちょっと、良さげでとりあえず身銭を切る必要がないもの」(2)

 さて、いつなんどきネットに対する規制がかかってくるとも限らないから、先を急いで小泉政権の5年間とは何であったのかを自分なりに検証してみたい。私は「いかりや爆」氏の小泉政権が米国情報機関の完全掌握下に置かれていた政権である、という意見に全面的に賛同する。私は小泉氏というのは米国によって周到に仕組まれた「郵政資金強奪5ヵ年計画」を忠実に実行したパペットであると信じている。

 もっとも私がこれに気付いたのは、「郵政解散」の際に、小林興起氏が、氏の憲法常識に反する「違憲」解散を知ったときの呆然とした表情、および小池百合子氏を刺客に差し向けられたことによって落選確実となり、ドス黒い皮膚のまま田中康夫氏との政見放送に出演したときの放心状態をテレビで視たときからなのであるから随分と遅い。

 ちなみに言っておくと、小泉氏や米国側が一番恐れていた政治家は小林興起氏であると思う。何故なら、まず小池百合子氏という誰もが第一等と認める刺客を小林氏にあててきたこと、第二に、小林氏の選挙運動のアルバイトが他人の投票用紙を使って、身代わり投票を行ったという報道があったからである。こちらも「植草教授デッチ上げ事件」とおなじく、非常に不自然な事件で、20歳代のアルバイト運動員が60歳代の男性の投票用紙を持ち込んで逮捕されるというものであった。多分、万一、小林氏が当選しても公職選挙法で引っ掛けるための予備ではなかったろうか。実際に票が欲しいのなら、ここまで見え透いたことはしない。

 ここで話を戻す。米国側は日本の政治家の詳細なプロファイルを間違いなく手元においている。性格、頭の良し悪し、来歴、癖、女性関係に至るもので政治家は丸裸にされているといっても過言ではないと想像する。

 米国は、将来、少しでも米国の国益に資する可能性をもつ政治家は、ある程度は泳がせておき、危険だと感じる者は容赦なくスキャンダルを暴露して失脚させるという政策を戦後一貫してとってきているのではないかと感じる節が、そこかしこにうかがわれる。勿論、アメとムチが基本であるから、自由にさせてある議員についてもスキャンダル収集には万般怠りなきことだとは思うが。

 米国は、小泉純一郎という頭の悪い(おそらく所信表明演説でつかった「米百表」という言葉が小林虎三郎のものであることを元から知らない)、愛国心もなければ、国益を考えるだけの知能もなく、物覚えも最低、しかし猜疑心、残忍性と権力欲だけは一人前以上で、なぜか郵便局に対する私怨を深く抱いているという不思議な政治家をとりあえず飼っておいたに違いない。

              -つづく-

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三浦和義元社長の不審死に対し、日米両政府の不審な消極性

  今月10日、ロス疑惑で名を知られた三浦和義元会社社長の自殺報道があってから、9日後の19日、ロスで三浦氏の弁護人を務めるマーク・ゲラゴス弁護士は、弁護側が独自に病理学者に検視させた結果、死因が自殺ではなく、他殺によるものだと発表した。理由は、背中に殴打されてできたと思われる細胞組織の損傷があること、首を絞められてできたと思われる血腫がのどに見つかったこと(縊死と言うより絞殺死?)、首に付いた痕跡がシャツで首吊りを図った状況に一致しないという結論を得たことである。

 27年前の事件を、それも日本国内における裁判で決着の付いた事件の対象者を、アメリカ当局がいきなり逮捕勾留したことも異常なら、サイパンからロスの拘置所に移送してまもなく自殺させてしまうという米国当局側の管理体制も異常である。日本政府は米国の拘置所内で自殺を防げなかったことだけでも、邦人保護の立場から米国に強く抗議して、自殺の真相究明をしなければならないはずである。特に三浦氏のケースの場合は「一事不再理」であるから、米国は逮捕した以上、彼の扱いについては、慎重にも慎重を帰すべき事例であったはずである。

 ところが、そういう状況下でとんでもない情報がもたらされた。弁護側の病理学者が三浦氏の死を他殺と断定したのだ。他殺の疑いが出た以上、日米双方は徹底的に真相を究明する急務がある。しかし、今のところ、米国当局筋は他殺説を否定し、日本政府はまったく静観の構えである。この状況自体が三浦氏の不自然な死の真相を物語っていないだろうか。そう、これは米国当局の意図による謀殺の可能性を示唆しているのだ。しかも、日本政府もそれを了解している可能性が高い。三浦氏の死因が米国公機関関係者による謀殺だったとすれば、これは重大な国際問題だ。他殺の疑いが出た以上、日本政府は国の威信にかけて、三浦氏の死の真相を米国に問いただす必要がある。

 ところが、日本政府は不気味に沈黙を守っている。我々はこの進展をどう解釈すればいいのだろうか。しかし、その前に誰が考えても、米国が事件発生から27年目に三浦氏を逮捕したことは時間的にもかなり奇妙なことに気が付く。米国が三浦氏への逮捕状を出したのが1988年5月。米国は殺人罪については時効が存在しないために捜査は継続していることになっている。それに加えて、一美さん殴打事件から銃撃にいたる一連の殺害計画に共謀罪適用が有効であるという、米国ならではの理由があるようだ。この共謀罪容疑が日本における「一事不再理」原則を超越しているという解釈なのだろうか。それにしても腑に落ちないことは、なぜ2008年2月の逮捕だったのだろうか。米国捜査当局がロス銃弾事件に捜査の強い情熱を持つなら、もっと早く三浦氏に対して、というか日本政府に対してアクションが取れたのではないだろうか。

 殴打事件は2001年3月に刑期満了になり、銃撃事件では2003年3月に最高裁で無罪が確定されている。私が腑に落ちないのは、アメリカが三浦氏の捜査に熱情を持って虎視眈々とその身柄を狙っていたのであれば、少なくとも03年の3月には日本に身柄要求をするのが普通ではないだろうか。日本とアメリカの二国間には「犯罪人引渡し条約」がある。それを履行させ、アメリカはもっと早期に日本に三浦氏の引渡しを要求してもいいわけである。ところが実際に身柄を拘束したのは約五年後の2008年である。日本とアメリカの司法制度の関係がどうなっているかわからないが、少なくとも三浦氏は2001年3月には刑期満了で拘束は解かれ、2003年の無罪確定で完全に自由な一市民となっている。その後には身柄引き渡しを阻害する要素はないはずだ。なぜ五年も放置していたのだろうか。法曹関係に詳しい人にこの辺りのことを伺いたいものだ。

 さて、日本の外務省というか、政府筋は腰抜けだと思う。ロスの拘置所内で三浦氏の自殺が起きたことは米国当局の管理責任であるから、これを猛烈に抗議して自殺の状況を問いただすべきだ。アメリカは、これから審議を行おうとする邦人容疑者を拘置所内でむざむざ自殺させ、謝罪もせずに「三浦氏は自殺した」だけのコメントはあまりにも日本を軽視している。ましてや、他殺疑惑が出てきた以上、アメリカの公権力機関が関与した可能性は濃厚だろう。この状況は充分に国際問題だと思う。公機関による他殺が事実だとすれば、これは明らかに主権侵害である。しかし、民主主義と人権を国是にしている国が、裁判の権利を有する外国人を保護するどころか、不審死を起こしておいて「自殺である」はないだろう。さらに奇妙なことは日本政府がまったくアクションを起こしていないことだ。

 三浦氏が唐突に逮捕されたこと、そして謀殺の疑いがあること。ではなぜ、彼が向こうで殺害されなければならなかったのか、その背景を考えることは重要である。私はかなりの確率で三浦氏の逮捕はイージス艦の衝突問題から日本国民の目をそらすためにやったと思っているが、謀殺の件に対しても米国政府の思惑があると思う。それを知るためにも、日本政府は真相究明の働きかけをするべきである。もし、日本政府が沈黙を通したとすれば、これには日本政府も一枚咬んでいる可能性がある。とすれば、やはりこの問題の背景にはイージス艦の衝突事故が関係している可能性が高く、それについては「三浦和義氏の不可解な死」に少し言及した。

 はっきり言えることは、この事件に関して今、日本政府が取っている及び腰は、日米関係において完全な対米隷従意識を持つことを自ら示している。これは国際的な恥以外の何ものでもない。

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2008年10月20日 (月)

小野寺光一氏の重大警告(ネット言論規制の動きを厳戒せよ!!)

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管理人

 植草一秀先生の冤罪、国策捜査の疑惑をいち早くメルマガで人々に伝達し、小泉政権の悪政を精力的に糾弾してきた小野寺光一氏が、現政権がブロガーにとって非常に危険な動きをしていることを知らせてきたので、メルマガの内容をここに転載する。

 小野寺氏が語るように、表の大手メディアは権力の犬に成り下がっているのでその報道は国民のためにならないものばかりだ。昨今は本物の情報、つまり国民に役立つ情報はほとんどネットから出ている。この事実を最も恐れる売国為政者や財界人、日本の金融占領を企む連中はネット言論に統制をかけて、真実が言えないようにしようと何年も前から虎視眈々である。そういう言論弾圧の意図を含んだ危険な法案が小泉自公政権以降に何度も提出されている。たとえば人権擁護法案や児童ポルノ禁止法等である。

 国民に仇なす政権は、一見国民のためになるかのような理由を掲げながらさまざまな法案を策定する。しかし、そのどこかに効果的な言論弾圧を行う猛毒を仕込んだり、結果的に国民を毀損する要素を含ませている。そのことは後期高齢者医療制度の本質を見ればよくわかる。小野寺氏によれば、その邪悪な意図は現在も継続しており、野田聖子氏がヘッドを勤める「消費者庁」が非常に危ないと言っている。野田聖子氏は郵政民営化に反対して離党処分に遭ったが、寝返って政治家の魂を捨てた人物だ。自民党に巣食う売国権力中枢は、戦前の内務省特別高等警察(特高)のような言論統制・権力弾圧機構の実現を強く希求していることは、もはや疑いようのない事実だ。

 日本で最も良心的で国民のために悪いものを悪いと糾弾し続ける、エコノミストの植草一秀先生は国家や国民を毀損する悪辣な売国連中の顎(あぎと)に噛まれ、不遇の時間を過ごした。また、鹿砦社の松岡利康氏は警察官僚の天下りがある巨大アミューズメント企業を告発して官憲に嵌められた。神州の泉・管理人はこういう事実を冷静に見て、小泉政権と、それを踏襲するあこぎな権力を許せない思いがある。

 小泉純一郎氏や竹中平蔵氏は政界を退いて過去の人になったとは言っても、彼らはメディアによく出てくる。竹中氏は昨日のテレ朝の昼の「サンデースクランブル」にも出ていた。この人物は頻繁にメディアに登場している。彼は構造改革を緩めたから良くないと、自分達の悪政を糊塗する言論に徹している。メディアはこのような人物を積極的に登場させ、国民の目を欺こうとしている。

 今、本当の情報が発信されるネットが、社会的良心の最後の砦である。これを潰そうとしている動きを小野寺氏は敏感に感じ取っているようだ。彼が配信するメルマガの各号すべてに賛同するわけではないが、概して彼の政権批判眼は的を射ていると思う。小野寺氏の並外れた先見性や洞察力は植草先生も評価するところである。日本国民はネットを規制されたら、正しい情報を読むことが出来なくなる。だから、ネットに言論統制するようなあらゆる動きに厳重な注意を向けねばならない。
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2008年 10月 20日配信の小野寺光一氏のメルマガより転載

<メルマガ発行者やブロガーを冤罪で逮捕して言論弾圧する法案>

やはり予想通りである。
<メルマガ発行者を冤罪で逮捕するための法案が12月から実施>
ついに、12月からメルマガ発行者を半ば冤罪で逮捕できる言論弾圧法が施行されることになっているという。(ブロガー弾圧については、国民弾圧庁(消費者庁)が対応する予定らしい)

 しかもあと2ヶ月を切っているというこの時期にようやく明るみに出てきたのである。私はその予兆<オーメン>は感じていた。

<小泉政権の悪事を暴く人間に対しての政権の態度>

 私は、前々から、この小泉政権の「亡国のイージ○」の悪事を暴いてきたが、これは、現行の法律の下では「暴かれた場合でも、それが真実であり、かつ公共のことに関することであれば、名誉きそんに該当しない」ので、私に対して様々な「言論弾圧」を行おうとしても今までは失敗してきた。

<米国での言論弾圧>

 しかし、米国では真実を暴こうとするものは、でっちあげで逮捕され、殺されてきた歴史がある。飛行機にのっていたらその飛行機が墜落するなどという例は、非常に多い。

 また、政府に都合の悪いことを発言する人物は、行方不明になったり殺されてきているか、逮捕されてきたのが米国の歴史である。他の国でも似たような事例は多い。

<植草氏の痴漢冤罪事件は、政権のりそな銀行インサイダー取引をかくすため>

 まさに米国化した日本が小泉政権以降、始まったが、植草一秀氏が、痴漢冤罪事件にはめられたのも「日本でも政府に都合の悪いことを発言する人間は、悪いことをしていなくても、冤罪をでっちあげてでも有罪にしたてあげて逮捕する」という先例となってしまった。

 植草氏は、小泉政権のりそなインサイダー事件を追及する姿勢を自らの危険をかえりみずに貫いていたからである。

 そのために亡国のイージ○が、植草氏を冤罪にはめこんだのである。植草氏は、1度痴漢冤罪にはめられて、その後、徐々に復活をしてきた。それを危険に感じた亡国のイージ○にもう一度痴漢冤罪にはめられた。そしてなんと150日以上の拘留をされた。もちろん言論弾圧のためである。週刊誌が総動員されて、「私は教授に抱かれました」と証拠も何もない何者かが週刊誌をにぎわした。

 様々な週刊誌が、亡国の人物が警察幹部に流したと思われるでたらめ情報を、「警察幹部からのソース」だとして書き散らした。

 そして今、植草氏との間で裁判になっているが、ことごとく週刊誌側が敗訴している。外務省のエースだった佐藤優氏は、これも「外務省のラスプーチン」として逮捕されたが、これも大宅賞作家に転進してこのひどい政府と戦ってきた。

 とにかくいえることは、小泉政権の悪事を暴こうとするものはなんらかの冤罪かでっちあげによって逮捕されるのである。

<ネット上のブログや、メルマガを言論弾圧する>

 そして、ネット上の言論弾圧に使おうとしているのが、今話題の国民弾圧庁である。(別名消費者庁)これは、おそらくブログ製作者を軒並み逮捕する結果になるか、ブログの停止となるだろう。また、メルマガも対象になっている。

 そして、その動きとともに、実はすでに、何とかしてメルマガ発行者を逮捕してしまい、「小泉政権以降の犯罪行為を隠ぺいするための」「メルマガ言論弾圧法案(特定電子メール法案)」が出来上がっている。

 つまり今までは、スパムメールだけを規制していたのが、やはり予想通り、メルマガ発行者を冤罪で逮捕するための法案にすり替わっているのである。目的は、メルマガ発行者を冤罪にはめこんで逮捕してしまい、言論弾圧をするためである。

 一斉配信メールを規制する法律「特定電子メール法」

 これまでの特定電子メール法はいわゆるスパムメールを規制する内容だった。<逮捕、逮捕、逮捕>、しかし、言論弾圧に乗り出していた政権は、
「すべてのビジネス系メルマガ」を規制対象にする。

 今回の一番すごい点は、「迷惑メールをすぐに通報できるようにしてメール配信者をすぐに逮捕できるようにすること」である。そのため名前、住所の公開を義務付ける。逮捕された際の罰金、懲役刑は法人で3千万円。個人で100万円である。

 つまりちょっとでもすきがあればメルマガ発行者を逮捕できるという法律である。

 特に小泉政権以降、真相を知られると関係者が逮捕されるような犯罪ばかり政府関係者がやってしまっているため彼ら犯罪者にとって「真実を暴かれる」などもってのほかである。小渕政権までの日本のように、実際の政治には金がかかりますよ、とか、どこかから、寄付金をもらいましたとかいう「マスコミがたたくけど、実際には現実には容認されている」レベルのスキャンダルではないのである。

 「暴かれる側」にとっては、暴かれて多くの人がそれを知り、真相究明を要請されると、実はその政府関係者が逮捕されてしまうような内容なのである。

 しかし、マスコミも、電通も、検察も政治にはさからえない一面をもつため暴ききれなかった。

<メルマガやブログだけが自由の最後のとりで>

 しかしメルマガやブログというものは、「完全に自由な言論」を行っているし、「自分の頭でものを考えて発信する鋭敏な人たち」が数多くいるので、真相に肉薄したことを発信している。

 これは虚飾で一般市民をあざむいてきた小泉政権関係者には都合が悪い。そのために今回のメルマガ発行者を冤罪で逮捕して言論弾圧するための電子メール処罰100万円法ができたのである。

 つまり、まぐまぐなどで同意して、メール登録しているにもかかわらず、

「メルマガ読者さんが、「そんなのは知らん。許可してない!」と言い切ったとしたら、「許可をとったと認識できていないのは発行者の責任」としてメルマガ発行者が処罰される。まさにでっちあげの冤罪を得意とする小泉政権関係者の大活躍することが目に浮かぶ。

 私のメルマガや、他のメルマガブログでもきっこのブログ、植草一秀氏のブログ、またきうち実氏のブログやきくちゆみさんのブログなどがあるが、こういったメルマガ、ブログを12月以降も読みたかったら、ここで、ちょっと皆さんにご協力いただきたい。

 それは、この「めちゃくちゃなメルマガ発行者を冤罪で逮捕するための言論弾圧電子メール法案と国民弾圧庁(消費者庁)に反対してほしい」ということだ。

 マスコミにはたらきかけるか、ご自分のブログ、メルマガなどでこの恐ろしい言論弾圧法案の危険性を広めてほしい。

 たとえば、名刺を誰かからもらって、その名刺に書いてあるアドレスにあなたが、携帯メールを送信しただけで、「勝手に送った」としてあなたも逮捕されるような法案になっていく内容なのである。100万円払いなさいといわれる可能性もある。

 大体、小泉政権以降,一生懸命「庶民のためです」といってやってきた法案が本当に国民のためであったためしがない。
http://seiji.yahoo.co.jp/gian/0169016903049/

郵政解散
http://jp.youtube.com/watch?v=tsEzsLFUPfo
再生回数: 43,546
小泉首相 05年8月21日 街頭演説1
http://jp.youtube.com/watch?v=bPZ6l5a8maQ&feature=related
再生回数: 21,466
小泉首相 05年8月21日 街頭演説2

http://jp.youtube.com/watch?v=CWW8F7j7Xe8&feature=related
再生回数: 11,081

 まず、これでもし政府が言論弾圧に成功してしまったら、次にやってくるのは、「戦争にあなたが徴兵されることにつながる」という最悪の未来がすぐそこまで来ているのである。

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2兆円の定率減税でどれだけのGDP押し上げ効果があるのか(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第127弾です)

 前回「麻生総理からの2回目の答弁書」で、少しだけ定率減税のGDP押し上げ効果について触れたが、正直なんだかおかしいと思いながら、つい簡単に書いてしまった。ネタにしたのは、10月17日の朝日新聞の記事である。内閣府の試算によれば、2兆円の定率減税(所得税減税)で実質GDPを押し上げる効果は年0.1%にすぎず、「経費対効果」をめぐって議論をよびそうだとある。しかし、内閣府の乗数表を見ても0.1%という低い数字は出てこない。本日(10月20日)内閣府に電話して聞いてみたが、やはり内閣府の計量分析室でも同様な意見のようである。

 実際計算してみると、押し上げ効果は最低でも0.2%にはなるし、国の借金のGDP比は下がる。内閣府計量分析室でもこれはおかしいとして短期モデルの方まで調べてくれたのだが、やはり0.2%以上になるから、朝日新聞が短期モデルを引用したことでもなさそうだ。こういったとき困るのは、新聞社は情報源を絶対に示さないことだ。それを隠れ蓑にして、新聞社は嘘の情報でも平気で流せるという弊害を生んでいる。間違えた報道に対し、何かストップを掛ける仕組み作りが必要だと思う。

 景気対策がどれだけ効果があるのかは、今後の経済政策の決定に大きく影響を及ぼす可能性があり、この問題に関し、我々としては議論を深めていきたいと思う。取り敢えずご報告まで。


小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2008年10月19日 (日)

奈良のマスコット・キャラ「せんとくん」について

奈良のマスコット・キャラクター「せんとくん」の不人気について考察する

Photo_2  時事ネタにしては少し古いが、平城遷都1300年祭りにちなみ、奈良県が「せんとくん」というマスコット・キャラクターを決めた。お子さま坊主の頭に鹿のツノを凝らして、一躍有名になった、あの「せんとくん」である。これについては「可愛くない」など、賛否両論のほとんどは「否」ばかりが多かったようだが、神州の泉は今回、この「せんとくん」について少しだけ考察しようと思う。最近、ネットを見ていて、せんとくんの出自について初めて知ったのだが、実に興味をそそられたことがある。

 それはせんとくんのモデル(せんとくんプロトタイプ!?)になったお兄さんキャラクターがいたことだ。名前は鹿坊(ろくぼう)と言うらしい。最初、この風貌を見たとき、さすがの私も唾を飲み込む思いで、しばし唖然と見つめてしまった。好悪感情や美醜評価に持っていく前に、正直、このキャラを前にして、かなり引き気味のインパクトを受けたことを言っておく。このキャラクターは、全国の老若男女に一様に愛好されるところの、いわゆる誰が見てもかわいいマスコット・キャラというものとは、明らかに発想の源を異にしている。なんというか、俗的なマスコットのイメージを打破し、リアルに強烈な存在感を醸し出している。何度も見ているうちに、面白いとか、可愛くないとか、不気味だとか、黒いなぁなどという感想を飛び越え、何とも言えない一種独特の個性を主張していることに気がついた。私はこのキャラに魅力を感じ始めている。子供にも大人にも媚びていないし、他人の評価われ気にせずで、自分をしっかりと保っているような風貌には惹かれる。

 鹿坊(ろくぼう)の着ぐるみ 
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 (この写真は、痛いニュース 「せんとくん」原型の着ぐるみさんからお借りした)

  このお兄さんキャラに対して、ある掲示板では、微妙ではあるが面罵的感想が書き込まれていた。「不気味だ」、「怖い」、「子供を泣かせる」、「自分はおっさんなのだが、これに追いかけられたら絶対に泣く」、「どう見ても変質者」、「内臓をやられているとしか思えない」、「アメリカならすぐに発砲されてしまう」、「この生き物が近所を徘徊するのか・・」、「これが猛ダッシュしてきたらどうする?」、「魔よけになりそうだ」、「夜道で会ったら思わず金を払う」等々、吹き出してしまうコメントが羅列していた。一見、否定的なのだが、こういう感想に共通しているのは、ある強烈なインパクトとは別に、このキャラからユーモラスな印象も受けているということを示している。

  その中でも傑出したコメントを紹介しておこう。

あの土地に封印された
古代の力がほんの少し
現れただけでこの騒ぎ

この国にアートマンは存在するが
勿論この小さな童子が
そうだというわけではない

童子はただの先触れなのだが
それでも呼び起こせるだろう

我らの血に秘染ませた
遠い遠い原初の記憶を

Sento5_2  ぷぷぷ、これを西洋風にとらえれば、あの有名な怪奇小説家・H・P・ラヴクラフトのクトゥルフ神話(宇宙的邪神伝説)を想起させる感想だ。私も若い時はラヴクラフト作品の翻訳物をよく読んだものだった。奈良は日本を代表する古(いにしえ)の土地柄。魔神伝説があってもおかしくはない風土だが、いくら何でも、せんとくんのお兄さんは、ラヴクラフトなどが描いた「旧支配者」に属する古代邪神の系譜ではないだろう。そこまで邪悪なるものの系譜に繋がる存在と見たら、奈良県の人が可哀相である。これを生み出した奈良県のセンスや民度が疑われるわけだから。(笑) (右の画像は自遊zineさんからお借りした)

 話をせんとくんに戻すが、この愛すべきお兄さんに比べると、肝心の主役である二次元の「せんとくん」はまったくいただけない。その理由を考現学と生物学の両側面から説明したい。とは言っても、私の言うことだからはなはだ非学問的であるが。おそらくせんとくんの評判が悪かったのは、そのツノが問題だと思う。奈良県のイメージとして、神の使いである鹿のツノがシンボライズすることはわかるが、ツノはリアルにツノである。ツノそのものを戯画化させるのは困難かもしれない。せんとくんのツノはリアルすぎていただけない。やるとしたら思いっきりデフォルメして、小さくするべきだろう。純真無垢な小坊主に見えるが、彼が怒って頭突き作戦に出たら、狙われた人は大怪我をする。そんなマスコットはいない。(笑)

 せんとくんは、お釈迦さんをイメージさせるお坊さんの幼体(笑)に鹿のツノ、たしかにこれは、僧侶の世界から見て、畜類の攻撃性をあらわすツノと、釈迦に仕える僧侶を一体化することであり、宗教的な冒涜と言えないこともない。シンボライズされた釈迦牟尼(しゃかむに)童子にツノを着けたら、釈迦の教義体系を獣(けもの)の次元と合体させることになる。だから仏教界から強い不興を買うことはわかるような気がする。もっとも、生きとし生けるものすべてに慈愛の眼差しを向ける大覚醒者であれば、人間もケモノも大きな自然に包摂される生き物であり、象徴として、同時存在に表すことは、広い意味で仏性(ぶっしょう)顕現と言えないこともない。だから坊主頭にツノに目くじらを立てることもないかもしれない。そうは言っても、街を歩くお坊さんに実際にツノが生えていたら、見た人は間違いなく引いてしまうだろう。やっぱり俗世間的にはお坊さんにツノの取り合わせはご法度だろう。それにしても・・、宗教的に考えると、せんとくんの出自はいったい何なのだろうか?奈良・春日大社の鹿は神様のお使い、つまり神道系統、せんとくんの本体は仏教僧の幼体(笑)を連想させる。これって神仏習合のマスコットなのか。とすると、せんとくんは平安以降に神仏習合的性格を帯びた春日大社を象徴するマスコットなのだろうか。

 かつて小泉純一郎前宰相は国会質疑の年金問題に際し、「人生いろいろ、会社もいろいろ」と、年金問題を島倉千代子の持ち歌に織り交ぜて答弁した。年金問題を歌謡曲の次元に引きずり込んだのである。(笑)年金と歌謡曲の世界を合体させる最高為政者が出るくらいだから、平安遷都マスコット・キャラに、坊さんと鹿のツノを合体させる発想が出ても何の不思議もない、・・か。しかし、なぜか笑いがこみ上げてくるのは私だけだろうか。
              
Trd0806022019015p5_3  最後の考察として生物学的なことを少し言う。私はせんとくんのこのツノに生物学的な意味で不安感、違和感を強く覚えるのである。牡鹿のツノは自然の造形であるから、それなりに不自然さは感じない。鹿のツノやライオンのタテガミは、ダーウィン説では性選択(雌雄選択)の一種で環境適応とは別個の説明をしているみたいだ。天然に生えるマスタケというキノコのようなヘラ鹿のツノを見るかぎり、攻撃や防御用の役目はない。自然が何の目的で牡鹿にツノを生やしたのかわからないが、こういう四足歩行の哺乳類は休息や睡眠時は横になるよりも伏せの形で睡眠を取る。だから頭に大きなツノがあっても、睡眠阻害にはならない。しかし、せんとくんのようなヒューマノイド型(笑)は頭部に横に張り出したツノがあると、実用的にやばいのだ。横になって眠れないし、急に横倒れした時はツノが根元から折れてしまうことを予想させる。上の絵を見ていただければ一目瞭然である。せんとくんの体型を見る限り、彼は典型的な二頭身小僧である。当然、頭が重くて安定しないから横倒れのリスクは高い。つまり幼児体型のせんとくんが、横に張り出しているツノを持っていることが、見る者の不安心理を痛々しく掻き立てるのだ。これがせんとくん不人気の最大の理由であろう。

 つまり、せんとくんのツノ形状は生物進化的にあり得ない形態を示しているのだ。それが直感的に見えるから、せんとくんを見た人たちは「かわいくない」という感想を持ったのではないだろうか。ツノがないものとしてせんとくんを眺めれば幼児体型で目がぱっちりとして、比較的可愛い部類に入るだろう。しかし横に張り出した異様なツノが幼児的可愛らしさをすべてぶち壊しているのではないだろうか。

 神州の泉・管理人は個人的にはせんとくんのお兄さんである「鹿坊(ろくぼう」がお勧めである。なぜなら、鹿坊兄さんは生まれながらに自分が異形の僧の自覚を有しているように見えるからだ。(笑) 目がぱっちりと大きく、似たり寄ったりのデフォルメで、何でもかんでもワンパターンの可愛らしさだけを強調した昨今のマスコット・キャラは偽善臭紛々である。時には、よい子たちのトラウマにならない程度のブラックなマスコット・キャラがあってもいいのではないだろうか。

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2008年10月18日 (土)

麻生総理からの2回目の答弁書(小野盛司)

  (※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第126弾です)

 我々の質問主意書(滝実衆議院議員提出)に対する第一回目の麻生総理の質問主意書に対する答弁書は第122弾にて紹介した。詳しくは
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/10/post-68d1.html
を参照して頂きたい。その後すぐに、第2回目の質問主意書を提出し、その答弁書が昨日(10月17日)に届いたので紹介したい。第122弾で述べたように、麻生内閣ではそれまでの内閣と違い、マクロ計量モデルを軽視せず、前向きの対応が見られ我々としては希望を抱かせる内容であった。麻生内閣が国の経済のこと、国民のことを真剣に考えている証拠であった。第2回目の質問主意書は次の通りである。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――
平成20年10月8日提出
赤字国債発行に関する再質問主意書
             提出者   滝    実 (無所属 比例近畿)
 
 今回の政府の緊急経済対策は予算規模が1.8兆円で、これでは小さすぎるというのが多くの人の意見である。実効ある景気対策の実現のためには、財源問題は避けて通れないのであり、赤字国債を発行するのが本当に将来にツケを回すことになるのかということに関して、国民的な議論が必要な時であると考える。九月十二日に掲載された朝日新聞の調査だと73%の国民が財政よりも景気対策を優先して欲しいと言っているそうだし、政府もこの問題に対し恐れず議論をすべきである。

 赤字国債発行に関する質問主意書に対する平成二十年十月三日の答弁書(内閣衆質一七○第一二号)には、公共投資を増額する政策について、国の債務のGDP比は、当初の一年目及び二年目は低下するが、三年目以降上昇するという内閣府の試算に言及してある。これが、「赤字国債を発行すれば、将来世代にツケを残す」という唯一の理論的な根拠とされている。しかしながら、この試算における三年目以降の試算結果を導いた経済モデルには、極めて深刻な欠陥が内在しており、これを政府が鵜呑みにするのは余りにも危険であるから、再度質問する。

一 例えば、平成十八年一月十八日に経済財政諮問会議により提出された「構造改革と経済財政の中期展望」には、「試算は誤差を伴っており、相当の幅をもってみるべきである。また、先の期間になるほど、不確実な要素が多くなることに留意が必要である。」と書いてある。このことは、今年の政府試算(進路と戦略)でも同様だと考えられる。当然のことではあるが、一年目や二年目の試算結果より三年目以降の試算結果は信頼性を欠くと考えるがどうか。

二 図は宍戸駿太郞氏が集めた各シンクタンクの乗数の比較である。これを見ると内閣府のモデルは、極めて特殊と言わざるをえない。つまり、景気対策を行っても、長期的には景気浮揚効果は他のシンクタンク(参議院も含む)の予測する効果の数分の一の効果しかないとみなしている。これでは、いくら景気対策をしてもほとんど長期的な効果はなく、国の借金が増えるだけということになる。景気悪化に対応するために、政府が景気対策を急いでいるのに、景気対策は効果がないとする内閣府の不自然な試算結果を政府はどのように考えるか。

三 内閣府のモデルでは景気対策は効かないという不自然な前提から、GDPが増えないから、政府債務の蓄積により、3年以降は債務のGDP比が増えるという結果になる。しかしながら、実際は他のシンクタンクの結果で示されているように、景気対策は有効で、GDPは上昇し、その結果3年目以降も債務のGDP比は下落するという内閣府以外の試算結果のほうが、現実をより正しく記述していると考えるがどうか。

四 過去の内閣における十数回の景気対策においては、必ずそれによってどの程度の景気浮揚効果があるかが示されていた。もちろん、他の予算を削って景気対策をするのであれば、削った分はマイナスの効果だから、それを差し引きしてトータルの効果を示さねば意味がない。トータルでマイナスになる可能性もある。これから打ち出す景気対策のすべてに対して、トータルのGDP押し上げ効果を国民に示すべきだと考えるがどうか。

五 内閣府の試算(予測)は、はずれてばかりだと言われている。例えば2008年度の名目成長率はどうかと言えば、2007年度1月の予想では2.8%であったが、2008年1月には2.1%に、2008年の7月には0.3%に下方修正された。僅か1年半の間になんと十分の一近くにまで下がったわけで最終的には更に下がるのではないか。そのような下方修正は今年だけでなく、毎年年中行事のように行なわれている。そのように大きくはずれるようでは、3年後の債務の名目GDPに対する比など、全く信用できないというのが現実であり、内閣府の試算結果を基に、「赤字国債発行により将来にツケを回すことになる」という結論を出すことなど論外と言わざるを得ないと思うがどうか。

 右質問する。


Photo_2

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


答弁書

内閣衆質170第87号
  平成20年10月17日
                  内閣総理大臣 麻生太郎
衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員滝実君提出
 赤字国債発行に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。

  衆議院議員滝実君提出赤字国債発行に関する再質問に対する答弁書

一から三まで及び五について

 公共投資につき実質国内総生産の1%相当を継続的に増額するような政策について、一定の仮定の下、経済財政モデル(第二次再改訂版)(平成20年3月内閣府公表)における乗数表を用いて計算すると、当該政策を行わない場合に比べて、実質国内総生産は、1年目に1.12%程度、2年目に0.78%程度、3年目に0.39%程度増加する結果になっている。

 計量経済モデルによる計算結果は、誤差を伴うため、相当の幅をもって解釈すべきものである。また、様々な計量経済モデルによる計算結果を比較する際には、前提等が異なる場合があることから、単純な比較は困難な点に留意が必要である。現実の経済政策を行うに当たっては、計量経済モデルによる計算結果を参考にしつつも、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要である。

 我が国の財政状況は、極めて厳しい状況にあり、経済や社会保障に悪い影響を与えないため、財政再建は当然の課題である。政府としては、我が国経済の持続的で安定した繁栄を目的とし、財政再建に取り組んでまいりたい。

四について

 過去の景気対策においては、予算等の内容を踏まえ、試算可能な範囲において、公共投資や減税等について、国内総生産の押し上げ効果を示してきているところであり、今後も同様に行っていっていく考えである。

 「様々な計量経済モデルによる計算結果を比較する際には、前提等が異なる場合があることから、単純な比較は困難な点に留意が必要である。」とある点は評価すべきかどうか。内閣府の試算が絶対的な意味を持っていないと言っているのなら、4年目以降に債務のGDP比が必ずしも上昇するとは限らないと言っていることになる。この点は以後の質問主意書で更に議論を深めて行きたい。

 ※お詫び:2兆円の定率減税のGDP押し上げ効果に関して、若干の記述の間違いがありましたので、取り敢えず削除し、次回修正し、もっと詳しく説明いたします。



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2008年10月16日 (木)

小泉・竹中構造改革は、額の汗よりも金融賭博者を優遇した!!

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  (日本経済復活の会、某会員さん記)

○証券優遇を延長

  現在の日本の法律では額に汗して働いた場合、年収が1,800万円を超えると税率は40%。それに地方税が加わるから人によって違いはあっても約半分が税金。ところが証券売買なら如何かというと、これがなんと、わずか10%。国税7%に地方税3%で合計10%というわけ。

 ライブドアで誰かが800億円儲けたなんて話が伝わったがもし本当ならその人は80億円の税金で済んだはずです。それが大きな会社社長で心身を刷り減らしながら重責を担って800億円を得たなら多分、半分以上が税金。証券売買仲介業者は数億円規模の人しかまともには相手にしないから多くの人にはハイリスク・ローリターンの金融商品を紹介し、巨額の資金を運用する顧客にはローリスク・ハイリターンの金融商品を紹介する。その際、インサイダー取引も当然の如く予想されます。

 金賭博は努力しないで巨額の収入を得たい人にはもってこいの稼業。インサイダー取引や不公正取引はバレ難いし、税金は安い。おまけに不動産には固定資産税がかかるが金融には金融資産税はゼロ%。不動産は隠すのが難しく脱税には向かないが金融賭博ならバレ難いし、海外を廻せば、まずバレない。人々が金融賭博業に夢中になるのも当然のように思えるが、政治の責任も重いと思います。

 金融賭博稼業にとっての商売の種はおカネ。
現在の日本は年間の国民所得が約515兆円。そして個人金融資産が約1,500兆円と言われているし、法人はその倍と言われている。更に、日本銀行が発表しているマネタリーベースでは88兆円とかなり過剰気味。半分以下で良いのではないでしょうか。

 どうしてそうなったかと言えば、政府が経済成長させようとして財政政策を行うと、連れて上がる物価を見て日銀がすぐに引き締める。物価抑制は簡単で何もかもが売れなくすればよい。早い話が金融政策で引き締めて、消費抑制をすれば良い。物価が下がって喜ぶ人もいる反面、売り上げ金額が下がって困る人も多い。喜ぶのは金融資産家と金融賭博稼業の人。

 政府の財政政策で市中におカネがばら撒かれ、日銀の引き締め政策によってモノが売れないから、実物に向かわないおカネは行き場を失ってカネ転がしの市場に流れ込む。
金融賭博業界にとっては商材が潤沢となることを意味します。

 今は、そんな状態です。そして金融賭博家を優遇する為の10%税率を延長しようという勢力が自民党内部にいます。日本を額に汗して働くよりも金融賭博の方が豊かになれる国にしたいらしいようです。しかし廻りまわって最後は外国の金融博徒に巻き上げられるのだと思うのですが?

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(管理人)

 このお人が語るように、実直に、真面目に、努力して頑張って働く人たちの税率は異常に高く、証券を相手にして金融賭博(金融バクチ)をゲーム感覚でやっている者達への税率は異常に低くなったのは、明らかに小泉政権が、アメリカの『隠れ主導』による「年次改革要望書」に沿って税制改革を断行したからだ。

 日本は長い間デフレに固定されていることはおかしいし、いざなぎ景気を超える景気高揚で企業成績が上がっているにも拘らず、労働分配率は下がる一方だ。経済や金融に明るい人が、小泉・竹中政権が敷いた構造改革のカラクリを学問的に暴いて、簡明な内容にして国民に知らせるべきだ。日本型資本主義という日本固有の自生的経済市場を、まったく国民のコンセンサスを得ないで拙速に市場原理至上主義に変換した、と、簡単に言うことは出来るが、学者やエコノミストがこの急進的な政策変換をしっかりと分析し、小泉政権が本音では反国益政策を志向していたこと、結果的にそれは国家犯罪的な政策出力をもたらしたことを、一般国民にわかるように説明して欲しいと私は思う。そのカラクリが、悪徳政権のみならず、日銀や財務省とどう関わっていたかも知りたいものだ。

 日本の優良資産を外資が買い叩くために、そして一部の富裕日本人の丸儲けのために、小泉政権は国内市場構造を日本人に不利益な形で改変した。この政権の犯罪的(売国)性格を陽に当ててもらいたいと思う。本来の日本は、二宮尊徳ではないが、基本的に勤勉実直型の経済志向であり、これによって堅実な社会のモラルを築いてきた。しかし、米国の意を汲んだ政府が主導して、日本市場を金融バクチ経済に変革したことは、日本人のDNAに刻まれた勤勉実直性が崩壊することであり、日本人らしさを失うことでもある。小泉政権は日本という国家の文明論的連続性から言っても、許しがたい犯罪性を有した政権だ。

 米国が泡を食っているように、詐欺性に満ちた金融バクチ経済は必ず破綻する。世界は元の日本のような真面目なやり方の実体経済中心に移行するべきだ。

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2008年10月15日 (水)

左から右へ変わったことによって、日本人は精神の深部にあった防衛装置を消失した

 日本の思想論壇は、ここ15年くらいで、ほぼ完全に論調が左から右に急速に傾斜した感がある。その端的な例を上げれば、たとえば、小林よしのり氏の漫画思想書・「戦争論」などは、思想論調が左から右へ針が触れるエポック的な作品と言っていいだろう。

 kenkensyaさんがコメントで書かれていた、「かつて日本を覆っていた社会主義幻想のユーフォリア」という表現が示すように、70年代、80年代は知識人を筆頭に、丸山真男的な左翼的思潮が主軸となっていて、一般人の論調も、それに追随するように左翼論調が常識だという空気が醸成されていた。それはマルクスやレーニンを読んでいなくても同じであり、一億総左翼ならぬ一億総社会主義ユーフォリアである。この政治的表明の頂点として、旧社会党の石橋政嗣委員長(当時)が表明した「非武装中立論」が有名である。

 これは形態的にはマハトマ・ガンジーの無抵抗主義と似ているが、その思想的哲学的確信は話にならないほど薄いものだった。なぜなら、その根拠は日本国憲法第九条に依拠していたからだ。非武装中立論は煎じ詰めて言えば、国境なき無国籍社会への希求である。しかし、自衛隊と在日米軍を違憲とし永久的武装放擲を理想とした、石橋氏のこの論拠は憲法的には至極当然の帰結なのである。この考え方は、日本国憲法の前文、すなわち『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。云々』を誠実に踏襲しており、形式的には何の不自然さもない。

 問題は日本人総体が、国際社会を公正と信義の国だけで構成されていると本気で信じているか否かなのだが、幼稚園児でもこれが嘘だということはわかる。ところが国是として60年以上もこれを大前提として堅持したことは、日本人の自己欺瞞を責められても抗弁のしようがない。旧社会党が唱えた『非武装中立論』は、SF的であるのだが、本当はもっと非現実的でSF 的なのは、憲法の前文と第九条を、天から与えられた至高の文章だと思い込んできた自家撞着的戦後パシフィズム、つまり戦後教育における平和ユーフォリアである。わかりやすく言うなら、これは水槽の中の金魚が水槽の中だけの世界観で、水槽以外の世界の論理に対抗しようとしている滑稽極まる思想である。

 アメリカの核の傘下に守られていながら、温室の中の日本は憲法第九条の美的な理想論を吹聴し、周辺諸国の敵意に対して、これを努めて見て見ぬふりをした。アメリカを誰よりも大事な庇護者だと思い込むことによって現実の脅威や矛盾から目を逸らし続けた。占領期、占領後、そしてそのあとの世界は東西冷戦に突入し、イデオロギー的には共産主義の驚異から西側を防ぐために日本は極東の防塁になっていた。アメリカは最初から日本を保護しようという考えはなく、常に冷徹なプラグマティズムで対日関係を持続している。冷戦が終結した後、アメリカは軍事的戦略を経済戦略にシフトし、同盟国の日本が最も驚異のある敵国となっていた。これに気が付かない日本は、東京裁判史観を基底にして、アメリカを慈愛深き父親だと思い続けた。アメリカは着々と第二の日本占領計画を実行していた。その手始めがプラザ合意であった。その次が1993年、宮沢・クリントン合意における『年次改革要望書』の始動であった。だが、これは一般国民の目から覆い隠されたところで着々と進行しており、小泉政権に至って、この対日内政干渉、すなわちアメリカの経済占領政策の完全な具現化が実行された。

 大雑把に語ったが、こういう戦後の推移の中、左翼ユーフォリアに浸っていた連中は、一旦はイデオロギー的には無彩色な道程をたどったが、平成のある時期を境にして、急速に右傾化した様相が見える。無彩色というのは、しばらくは左右に拘泥しない、ある種の無機的、無思想的な言論思潮に支配された時期という意味である。こういう中にあって、90年代の後半、小林よしのり氏のゴーマニズム宣言や「戦争論」などがメディアに表れて、その主張が示すように、世の中の思想的な空気は急速に保守論調に傾斜した。しかし、私はこの保守化が擬似保守化であり、本来の真正保守や右翼が求めるものとはまったく異質なものであることを痛感している。断っておくが、私は小林氏の業績は高く評価している。特に『戦争論』は日本人の情緒に訴えるやり方で東京裁判史観に疑念を持たせるという意味では画期的な作品である。多くの若者に読んでもらいたい。私が問題としている擬似保守は小林氏のことではなく、彼に影響されたであろう空気的な左翼感性の連中が、哲学的洞察も得ず、存在論的な思考過程も経ず、いきなり保守へ転向したことだ。

 実は急速に保守化を唱え始めた連中も、ほとんどは空気的左翼ユーフォリアであり、それが空気的右翼ユーフォリアに鞍替えしただけの話である。彼らには深い歴史の考察も、思想的洞察力もない。保守愛国とは言うが、日本人の文明論的位置づけの発想がそこにはなく、非常に軽薄な排外主義的ナショナリズムに拘泥している。この貧弱な精神を端的に示しているのが、ネット右翼と呼ばれる存在である。これについては文藝評論家の山崎行太郎氏の見解によく賛同できる。こういうことをきちんと言うには、個々に思想界の代表的言論人の名を上げて、思想論調の変遷を言うべきなのだろうが、今は省略する。私が大きな問題意識を持つのは、日本が左から右へ移行した時、国民には無自覚ではあったが、ある重要なものが失われたということである。左翼的ユーフォリアが、いつの間にか右翼的ユーフォリアに転調した時、日本の深層に横たわっていたある種の精神的な防衛装置が決壊したのだ。国民意識において、それが如何に重要な変質であるかを私は指摘したい。

 その前に、私は最近、左側の人たちとも親しくお付き合いさせていただき、左側の書物もつとめて読むようになっている。自分の年齢のせいだろうか、今は左側の考え方にも、なるほどなあと思うことが多々ある。これは思想転向などというスタンスとはまるで違っていて、私自身が右も左も同じ日本人であることを強く意識し始めたからにほかならない。右の人が左の人を揶揄して、「非国民め!」とか、左の人が右の人を指して「天皇カルトめ!」などと罵倒しあう構図に、私はなぜか笑えてくる。多分、罵倒し合い、排斥し合う左右バトルの構図は排外主義の隘路に陥り、両者ともに存在論的、文明論的な視野狭窄を招いてしまうからだろう。

 そう言う私はけっして高みから物を言っているわけではなく、自分の思想史を眺めた場合、左翼罵倒の恥ずかしい経験を持つからだ。最近は右にしても、左にしても、物の考え方、見方にある批判を感じたとき、最初に結論ありきではなく、つとめて鳥瞰的に、かつ文明論的史観から物を考えるようにしている。私は一人の日本人である。日本人であるから日本固有の文明を大事にしたいし、今の日本に生まれた日本人として、次代へ引き渡す文明の一翼を担っていきたいと願っている。同時代に生まれ合わせた他の人々とも、力を合わせて日本文明の継承をしていきたい。こう言うと大掛かりで大上段に振りかぶっているように聴こえるかもしれないが、何のことはない。爺さん、婆さん、父母、お隣の爺さん、婆さんから聞いたこと教わったこと、あるいは昔の書物を目にして感動したことなどを自分の経験で咀嚼し、自分にできる何らかの形で表現することが大事だと思う。現代人として生き、何か感じたことを次世代に語り継ぎ、次世代に考えさせていくことが、文明を継承するということだと思っている。地味ではあるが、親から子へ、子から孫へである。

 話が少し逸れてしまったが、思想風潮が左から右に転調した時、私は日本人総体が、先祖から受け継ぎ、心の内に宿していたある種の自己防衛装置が崩れてしまったと書いた。誤解なきように言っておくが、右や保守がいいとか悪いとか言うのではない。日本は左右イデオロギーの対立・交雑混交などを経ているうちに、外来の悪しきイデオロギーにすっかり侵食され、東京裁判史観とはまったく別個に精神の深部を侵されている。つまり、今の日本人は東京裁判史観とともに、精神の深部をもう一つの危険なイデオロギーに蚕食されているのだ。これを端的に示す人物こそ、小泉純一郎氏であり、竹中平蔵氏である。左右思想の位置づけから見た場合、人々は小泉純一郎という人物をどう捉えているだろうか。靖国神社に参拝し、特攻隊の遺書に涙したことを見れば、彼は紛うことなき真正の保守に見えるかもしれない。しかし、彼は村山談話を踏襲し、大東亜戦争をカール・マルクスの典型的な階級闘争史観で捉えている。右の要素も左の要素も強く持つ宰相、われわれはこれをどう把握するべきだろう。

 小泉純一郎氏の思想的内面に併存し、彼の行動原理をつかさどる強烈な左右の背理、彼が背負うその自己矛盾にこそ、戦後日本がたどった日米関係の哀しい歴史がある。日本人は左から右へ転向したのではなく、極論すれば、左から文明論的な意味における極左に転向しているのである。私が今言っている極左とは、フランス革命以前の全否定、つまりアンシャン・レジームを政治体制的に体現した国家、すなわちアメリカ合衆国の国是に日本人が取り込まれつつあるという話なのだ。

 さて、長くなったのでこれ以降はまた日を改めて書こうと思う。実は左から右へ向かった過程で日本人が喪失したものを認識することは、すこぶる重要である。最も肝心なそのことはまだ書いていない。

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2008年10月14日 (火)

今年ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンの主張(小野盛司)

  (※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第125弾です) 

 ノーベル経済学賞を受賞した経済学者達は、大変日本経済を心配してくれていて、様々な提案をしてくれているが、日本の政治家は彼らの提案を受け入れない。お金を刷って日本国民のために使いなさいと口を揃えて提案している。サミュエルソン、クライン、スティグリッツなど異口同音にそのように述べている。今年のノーベル経済学賞受賞者であるクルーグマンも全く同様の提案をしているのだ。

 彼も日本について、詳しく研究している。筆者も彼となんとか接触を取ろうとしたこともあり、彼の研究室に電話したこともあったが、秘書と話しができただけで、本人とは話はできなかった。クルーグマンの主張は1999年頃からテレビでも取り上げられた。調整インフレをやれというものだ。デフレから脱却しインフレになれば、人もお金を使うようになって景気がよくなる。彼の著書『世界大不況への警告』には、お金を刷ってインフレを起こしなさいと書いてある。

 『グローバル経済を動かす愚かな人々』によると、日本は1930年代のアメリカに似て需要不足――極度の消費や投資の手控えに陥っているという。そこで彼が提唱しているのは、日本は金融システムの改革、非効率なサービス部門の再編、貯蓄過剰などの問題などの克服はもちろんだが、まずは需要を増やすことである。そのためには信用拡大のための通貨供給の大幅増大だけでなく、公共事業の拡大、減税の実施などが肝要であるという。さらに日本の経済再生の劇薬として、彼は調整インフレの断行を説いている。

 日本の政治家は、お金を刷ると後で何か悪いことが起きるのではないかと恐れ、決断ができない。まるで神のたたりでも恐れているようだ。しかし、お金を刷らないことによって、日本経済を衰退に導き、国民生活に極めて深刻な問題を引き起こしていることに気付かない。

 ところで、現在株価の乱高下が続いている。発足したばかりの麻生内閣にとっては、これは災難と言えるかもしれない。なぜなら、この乱高下が麻生内閣の失策とは言い難いからである。衆議院選が間近であるのならなおさらだ。世界中が第二次世界大恐慌を引き起こさないよう必死だ。世界各国が公的資金による不良債権処理、銀行への資本注入を積極的に行っている。米国は25兆円の資本注入、ドイツ・フランスは計20兆円の資本注入、イギリスは6.7兆円、その他も合計すると200兆円を超えるそう。公的資金を私企業に使うのは問題だと言って少しでも躊躇しようものなら、第二次世界大恐慌に陥ることは皆さんよく知っているから、躊躇しない。この1年で世界の株式総額が2800兆円も減ったことを考えれば、この程度の公的資金による下支えは驚くに値しない。

 1996年の住専国会の事を思い出す。あのときは、住宅金融専門会社の不良債権処理、(それもたった0.7兆円だ)を政府がやろうとしたのを民主党が猛反対し、国会の議場にピケをはり国会をマヒさせた。お金を刷って、迅速に不良債権処理を済ませ、速やかに景気を回復させていたら、日本経済はここまでひどいことにはならなかった。現在の世界の動きを見れば、当時の民主党の行動が間違えていたことは明らかだ。たった0,7兆円でガタガタ言っている間に、日本は土地の資産価値だけで、1200兆円も失った。見るところを間違えていませんかと言いたい。

 日本経済復活の会は民主党の衆議院議員(当時)である牧野聖修氏と私が組んで始めたものであり、民主党の中の素晴らしい議員達が、日本経済を深く理解していて、数多く日本経済復活の会に入って助けて下さっているのだが、しかし、残念ながら民主党の執行部は、お金を刷る政策に猛反対する。

 民主党のマニフェストを読んでも、結局のところ、どこかの予算を減らし、その分を別の所に回すというだけであり、全く景気対策にはならないのではないかという懸念を抱く。増やしてもらった人は嬉しいが、減らされたほうは、憤るだろう。デフレを克服しよう、経済をよくして生活を改善しようとする意欲が感じられない。マクロモデルでしっかり計算をすれば、あのマニフェストでは駄目だと分かると思う。とはいえ、自民党の政策もまだ似たり寄ったりのところがある。赤字国債を出すことを決断しなければ一歩も前進しない。国民を赤字国債で思い切った減税や歳出拡大を望んでいる。国民の望みをかなえる政党が衆議院選に勝つに違いない。

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2003年、日本底値買いの環境について

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(kenkensyaさんの投稿)

    「重心移動を明らかにすること」

 先日、戦後に行われた文化人の左から右への重心移動について詰まらない雑文を投稿させていただいた。多くの言論人が、ひっそりと目立たぬようにこれを行ったが、自らの過ちを素直に認め之を公言した「はずかし」き(古語=相手が余りに立派なので、こちらが恥ずかしくなる)言論人を私は狭い読書範囲の中で二人だけ知っている。

 林達夫氏と現代コリアの佐藤勝巳氏である。そしてこのお二人は、かつて日本を覆っていた社会主義幻想のユーフォリアの中で、その間違いを私のような凡人のおよそ二十年以上前から指摘し、その本質を見抜いておられたのである。

 現在、手元に置く本は10冊までと決めて、読み終わった本は片っ端から売ってしまうので全て記憶で書くが、林達夫氏については中公文庫の「共産主義的人間」の解説で福田章二氏(庄司薫氏)が「私たちは、その書かれた内容と、その書かれた日付を見比べるとき驚きを禁ぜずにはいられない」と賞賛しておられたが私もまったく同感だった。

 佐藤勝巳氏については「わが体験的朝鮮問題」の中で、当時の社会主義熱に染まってしまった自分が「北朝鮮帰還運動」に協力してしまったことを「斧をもて身を穿つ」筆致で悔やんでいることを記してあるページを読んで胸を打ち抜かれる思いがしたものだった。私は、その部分を何遍も読み返し、その透明度の高い率直さに涙が滲むのを禁じえなかった。

 しつこく2003年のことを蒸し返して恐縮だが、あのとき東京市場を暴落させ、底値買いを仕上げるのに一役買ったのは北朝鮮によるミサイル発射事件であった。私はあのときからアメリカと北朝鮮が裏で繋がっているのではないかと、確信に近いものを抱いている。同時に、拉致問題で名前を売った小泉、安倍両氏は所詮アメリカの言いなりで、その解決を図ろうという言動はすべてポーズに過ぎないと考えてきた。無論、「六カ国協議」など茶番劇に過ぎないとハナから軽くみていた。僭越な推測で失礼極まりないとは思うが佐藤勝巳先生も同様な思いであったのではないか。

 「拉致問題」は純然たる日本の問題である。もうアメリカが当てにならないことは、いくら物分りの悪い新米保守の人間にも理解できただろう。あとは我々がこれを解決してゆくしか方法はないのだ。

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(管理人の感想)
  kenkensyaさんには、いつも深いご知見を示していただき、それは私や読者さんに大いに知的な刺激をもたらします。ほんとうにありがたいことです。今回の貴重な意見の中で、私なりに重要なご指摘と感じたのは、左から右への思想遍歴の問題でした。それはとても興味深いテーマなので、次回エントリーに題材として取り上げ、思ったことを少しばかり書いてみたいと思います。

  さて、後半部に書かれた2003年の日本株式底値買いの状況は、植草さんが指摘された、りそなインサイダー疑惑とも大いに関わるものですから、2003年前半部、日本国内や周囲で起こった重大なニュースなどを検証してみることは、興味深いことを浮き上がらせてくれるかもしれません。当時の日本国民の耳目を引き付け、不安心理を醸成していたニュースは確かにいくつかありました。その中で、kenkensyaさんが指摘した北朝鮮による地対艦ミサイルの唐突な発射実験はアメリカの思惑を疑ってかかる必要があろうかと思います。

>2003年のことを蒸し返して恐縮だが、あのとき東京市場を暴落させ、
>底値買いを仕上げるのに一役買ったのは北朝鮮によるミサイル発射事件
>であった。私はあのときからアメリカと北朝鮮が裏で繋がっているので
>はないかと、確信に近いものを抱いている。

 なるほど、まったくおっしゃるとおりだと思われます。2003年という年は、新型肺炎SARSが香港を中心に猛威をふるっていて、日本人はいつそれが日本国内に波及するのかと戦々恐々としていました。3月にはアメリカがイラク開戦を宣言して世界に衝撃を与えています。それに加えて、kenkensyaさんがご指摘のように、2月25日には、いきなり北朝鮮の地対艦ミサイル発射実験がありました。この実験が日本人に与える心理的なダメージは大きく、当然、東証株価のダウンに影響を与えたと思います。

 日本人はアメリカに騙されているかもしれません。この当時、北朝鮮から発射された地対艦ミサイル「シルクワーム?」は、アメリカの対北朝鮮軍事行動を想定して、北朝鮮が示威行為として打ち上げたと言われているようですが、実はアメリカが北朝鮮と通じていて、日本を怯えさせる目的で三文芝居を演出した可能性がありますね。植草さんが指摘したとおり、りそなにかかわる金融疑惑が進行していたとすれば、底値買いを狙う者たちはなるべく日本株価を叩き落したいと思っていたことでしょう。その環境をバックアップするために、アメリカが北朝鮮と睨み合いを演出してシルクワームを発射させ、日本を脅した。こう考えるとタイミングと言い、合理性といい、つじつまが合うんですね。

 りそなが公的資金を注入されるまでの間、株価は7607円まで下落しています。メインは竹中氏などが恣意的に金融不安を煽り立てたためですが、周囲では日本人の気持ちを萎縮させる工作が北朝鮮を通じて行われていたとすれば、合点がいきますね。昨日のテロ支援国家指定解除をみると、アメリカと北朝鮮が敵対関係にないことは明白です。国際政治というものは怜悧冷徹ですね。日本には軍事力の自縄自縛憲法があり、反撃ができないことをよく知っているアメリカは、日本の資産を奪うためには、小泉氏や竹中氏を使って内部工作し、バックアップで北朝鮮を使って脅す。結果的に日本株価は効果的に下がり、米系外資は砂糖に群がる蟻のように日本の資産果実を収奪する。金融庁の不穏な動きと符牒を合わせ、米国は世界戦略に絡めて、同時に対日戦略を実行していた。そういうシーケンスが見えてきますね。この状況、内憂外患のきわみです。これも、日本に自主独立の気概が存在しないからです。

 kenkenshaさん、もしかしたら・・・。
2003年3月20日はブッシュがイラク開戦を発表した日です。まさか、このタイミングも日本の株価下落を狙って計画したのでしょうか?イラク開戦が日本の金を目当てにして起こしたことは既述しました。しかし、その開戦タイミングは日本人の不安心理醸成も兼ねていた・・。まさに二重の仕組みです。そう考えると、これは郵政民営化作戦に次ぐ「日本国富」収奪作戦の外野的バックアップの最高潮になるのですが。どうでしょうか。そうなると、米国はイラクの石油資源収奪作戦、中東の地政学的橋頭堡確保、そして日本の株価下落狙いという三本締め作戦を実行したのかもしれませんね。

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2008年10月13日 (月)

国家ぐるみの拉致はテロではないのか?

 米国務省は北朝鮮にかけていた、テロ支援国家指定を解除すると発表し、北朝鮮はこれを歓迎する旨の声明を出した。同時にブッシュ大統領は麻生首相に電話をかけ、この指定解除の経緯を説明、「日本国民が強い懸念と不安を持たれていることを理解している。被害者家族への深い同情と、この問題を解決するための誠実な気持ちをお伝えしたい」とリップサービスをした。

 このアメリカの態度を素直に見れば、日本人の拉致問題がまったく解決されていない中、国家ぐるみで日本人を拉致拐取(かいしゅ)した北朝鮮を、アメリカの都合でテロ支援国家指定解除をするのは、同盟国日本の主権侵害に対し何の配慮もしていないことと同じことである。この事実にアメリカが日本という国をどう考えているか、そのスタンスがよく見えてくる。日米安全保障条約とは、幕末の「日米修好通商条約」と同質の完全なる不平等、不均衡条約であり、ありていに言うなら、宗主国と植民地の形式上の条約みたいなものである。こういう情けない二国間関係の中、小泉・竹中氏を中心とした小泉売国政権は、同胞を裏切って、アメリカに利益供与する政策に奔走した。これだけ、アメリカのポチ勢力がアメリカに国富を貢いでやっても、アメリカは日本を何とでもできる属国弱小国家としか考えていない。

 ブッシュ大統領は、テロ支援国家指定解除の声明を出す30分前に麻生首相に電話をかけたそうだ。麻生首相はそのことで、個人的な体面は保てたのかもしれないが、国家としてみた場合、同盟国によるあからさまな主権無視である。以下、13日の中日新聞朝刊のWeb記事から抜粋する。

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超党派の拉致議連会長の平沼赳夫元経産相(無所属)も埼玉県本庄市で記者団に「ブッシュ大統領は(拉致被害者家族の)横田早紀江さんと会い、拉致問題は忘れられないと言っていただけに、(解除は)理解できない」と不快感をあらわにした。

 閣僚や自民党からも異論が出ている。中川昭一財務相は訪問先の米国で記者団に「同盟国である日本と事前によく相談をした上でやったのかどうか。多分違うんだろうと思う」と述べた。自民党の石原伸晃幹事長代理もテレビ番組で「日本に相談なくやったのは唐突な印象だ」と述べた。どちらの発言にも、米国は日本を軽視しているという不満がにじむ。

 拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんは指定解除までの日米の連携に疑問を投げかけ「日本の重要問題として『解除はダメだ』と米国に徹底してくれたのだろうか」と政府不信を強めた。
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  平沼さんや中川昭一氏が不満を示すように、米国のテロ支援国家指定解除声明は日本の主権無視である。北朝鮮が核兵器やミサイルを造り、他の国へ輸出することは明らかにテロ支援である。だが、多数の日本人が北朝鮮に国家ぐるみで拐取された事実はテロではないと言うのだろうか。米国の態度は明らかに矛盾している。核問題における六カ国協議で日本人や韓国人、その他の国の拉致問題を棚上げして核問題のみに絞る行為自体が国際平和の観点から言ってあり得ないものだと思う。拉致問題も核問題と同等に平和への重大な侵害であり、被害国家への主権侵害である。

 米国はサブプライムローン問題という金融詐欺証券の世界拡大で、世界全体に著しい迷惑をかけているばかりか、本国自体が危うい状況に至っている。正直、北朝鮮を相手にしている余裕が失われたことが、今回の声明に及んだのだろう。しかし、世界の警察として地球の正義を担ったと自負していた大国が、北朝鮮のような無法国家も睥睨できなくなった今日、なりふり構わず自国防衛に的を絞っている。金融問題と言い、北朝鮮をコントロールできなくなった国力の低落といい、米国は没落の一途をたどっている。

 日本は今こそ、米国の桎梏から逃れて自尊自立の方向性を模索するべきだ。他国の脅しに屈しない正常な軍事力を持ち、自国発意による憲法を樹立してアジアの健全な立国を目指して進む道を作るべきである。アメリカに精神的に頼っていた日本人は、アメリカのこの体たらくを見て、かの国が他国のことなどはまったく省みない自己中心の国であることを銘肝し、心構えを変えるべきである。しかし、これは中国に頼れということでは決してない。日本人は通州事件をけっして忘れるべきではない。毒餃子事件は通州事件に比べればまだ優しいほうである。中国に気を許したとたんに、日本は完全消滅するだろう。

 日本は固有の文明圏にある。中国に対しては、千年以上も前に聖徳太子が示した気概を忘れない方がいい。すなわち日の昇る国の自負心である。アメリカに着くか、中国に着くかという発想自体が東京裁判史観に囲繞された克服すべき戦後の宿痾(しゅくあ)なのだ。この宿痾から脱却するタイミングが今である。アメリカは事実上、拉致問題を無視した。これは同盟国日本が属国であることを充分に証明することにほかならない。

 以上の文脈から、日本は自尊自衛の国家を志向する時期にさしかかっている。経済ももちろん自尊自衛の方向性を持つ必要があるが、他国の干渉を避けるにはきれいごとでは無理だ。日本という国を正当に守るための軍事力が必須なのである。日本人は大東亜戦争悪玉史観を捨て去るべきだ。これが持続している限り、いつまでたってもアメリカや中国のような狡猾な国から利用される傀儡(くぐつ)国家の位置から抜け出せないのだ。日本人が軍事力を持つと、すぐに他国侵略という短絡的なイメージが醸成されているが、これこそが東京裁判史観である。これを超克しない限り、日本人は永久に尊厳も日本人らしさも持つことはできない。

  言いにくいことなのだが、日本人は拉致問題への対応について基本的な考え方が間違っている。それは拉致は犯罪だからアメリカや他の国が何とかしてくれるだろうと底意では考えていることだ。国家は国民を保護するから国家である。したがって国民を拉致された場合は国家の威厳にかけてこれに対応する必要がある。北朝鮮の拉致は国家による主権侵害行為であり戦争行為なのだ。日本が北朝鮮にまともな対応をするには、拉致被害者を即刻全員帰国させよと命令し、賠償金を出させ、金・正日に正式に謝罪させることである。これを受け入れなかった場合は、宣戦布告して武力攻撃をすることが日本の正常な対応である。

 この当たり前のことが日本は憲法上の制約で出来ないことになっている。これはまともな国家の姿ではない。なぜ主権侵害を受けても武力行使できないのか。この理不尽な状態は子供でもわかる。他国に同胞を拉致されて、手も足も出ない国は異常である。この異常さを平和国家の国是だと信じて疑わない日本人が多すぎる。やられっぱなしのパシフィズムは国家規模のサディズムである。本当の平和を確保するためには、然るべき力の裏づけが必要だ。この道理を忘れてアメリカ頼みでは国は衰亡する以外にない。

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2008年10月12日 (日)

三浦和義氏の不可解な死

  ロス疑惑で有名なあの三浦和義氏が、8ヶ月勾留されていたサイパンからロサンゼルスに移送された。移送の理由は、ロス郡地裁が殺人については「一事不再理」で逮捕状の無効を判断したが、日本にはない殺人の共謀罪では追訴が有効とされたためだ。ところが、三浦氏はロスに到着してから、あまり時間が経たないうちに拘置所施設内で自殺した。

 私はこの自殺に大きな違和感を覚える。第一、二十数年も前の事件を、それも日本では裁判的に決着の付いていることを、アメリカがいきなり蒸し返して強引に逮捕したこと自体が奇妙である。共謀罪の嫌疑とは言うが、三浦氏と共謀したという人物の存在をアメリカ当局ははっきりと確定しているとは一度も言っておらず、そのことを匂わしてもいない。その肝心のことを曖昧にして、いきなりの逮捕劇は、日本の法治体系を嘲笑ったかのような印象を受けているが、これは日本の司法に対する主権侵害ではないだろうか。もしそうでなければ、三浦氏の逮捕劇には何らかの国際政治的な裏事情があると考えるべきだろう。

 ロスの拘置所で三浦氏が自殺。昨晩、テレビで知らされたこのニュースが世間に衝撃を与えている。このブログの読者さんには言うまでもないが、テレビや大手新聞のニュースにおける解説には、眉に唾をつけて聴く必要がある。時にはニュースそのものの選択性にも恣意的な意図を感じるときがある。それくらい、今のマスメディアは権力に都合のよい報道姿勢しか示さないからだ。したがって、ニュースやワイドショーで、ゲストや解説員等コメンテーターたちの言うことにはある種の政治的なバイアスが働いていると見たほうがいい。「三浦氏は共謀罪という、日本にはない法律で裁かれることに惧れをなし絶望したのでしょう」とか、「これから長くなる裁判に無力感を感じたのだろう」などと、三浦氏の心理的な方向にスポットを当てているが、その前に「拘置所内で自殺した」という事実の不自然さに疑いの目を向けたほうがいいだろう。これは本当に自殺なのだろうか?

 ロス疑惑がメディアで騒がれる直前、1982年1月当時、三浦氏の元奥さんであり、ロスで銃撃された一美さんが伊勢原市の東海大付属病院に運ばれた。この当時のメディアの論調は三浦氏を、悲劇に巻き込まれ、悲しみに沈む不幸な被害者という見方であった。私事になるが、この時私は体調を崩し、同じ東海大付属病院で検査入院をしていた。ある日、病院の屋上にヘリが下りてきたのを病室の窓から見ていたが、詳しいことはまったくわからなかった。その当時、喫煙していた私は、入院していた階の喫煙所で時々タバコをふかしていた。深夜の零時ごろ、眠れなくて病室から抜け出し、一人で静かにタバコを吸っていた。そこへもう一人喫煙にやってきた男がいた。私服であったから、誰かの付き添いだろうと思った。成り行き上、彼とは入院生活のことや、その他の取り留めのないことを話した記憶がある。内容はほとんど覚えていないが、物腰が柔らかく、人当たりがよくて饒舌なお人だという印象があった。覚えていたことは、家族の付き添いをしている、最近までアメリカにいたということだけだった。あとでテレビの映像を見てわかったのだが、彼は三浦和義氏その人だった。顔と言い、話し方と言い、紛れもなくその人物だった。

 当時はロス疑惑がセンセーショナルに報道される直前でもあり、私自身は悲劇の当事者として報道されていた三浦夫妻のことはほとんど知らなかったし興味もなかった。もちろん、あの時、何気なく会話を交わした人物が世を騒がせたロス保険金殺人疑惑の当事者であったことなど知る由もなかった。わずかな時間、袖がすり合っただけの機縁ではあるが、人生には不思議な出会いがあるものだ。

 さて、今年の2月19日、海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故があった。漁船側で蒙った二名の痛ましい死を見て、国民はイージス艦の操船関係者の怠慢を疑うとともに、最新鋭の索敵システムを装備する護衛艦が、むざむざ接近する漁船に気付かずに衝突してしまったことに大きな疑念を抱いた。このニュースが世間を騒がせているうちに、何と、サイパンにいた三浦和義氏が突然アメリカ司法当局に逮捕されたというニュースが舞い込んだ。「あたご」と漁船の衝突があった日から3日後の2月22日であった。

 三浦氏逮捕については、いろいろな人がブログ等で、イージス艦衝突問題を逸らすために、日米の政府が共同して仕組んだものではないのかという疑問が提起されている。私自身も、この三浦氏逮捕報道に、あまりにも不自然なタイミングを感じたので、これにはアメリカ絡みの何か大きな裏があるだろうと思った。イージス艦の衝突問題には、海上自衛隊の規律の緩みとか、長い航海のあとの疲労の蓄積とか、海上自衛隊に起因する事故の原因はあったと思う。したがって、防衛省とか関係者が慌ててその実態を糊塗しようとしたことはあったと思う。しかし、そういうことが世論の俎上にあげられる前に、この事故に対してアメリカが非常に慌てたことは間違いない。植草さんはブログで、この問題に関し、テロ特措法としての給油新法成立、すなわちインド洋上で米軍の軍艦に給油する給油法の実効的継続をアメリカが強く望んだからだと書かれているが、それも可能性として考えられるだろう。

 私は世論をイージス艦問題から三浦氏逮捕に向けたアメリカの意図は、自衛隊が使用する軍備、武器の問題だと感じた。軍用機やミサイル、その他、軍需産業国アメリカは日本を大きな市場としてみている。自衛隊は最も大きなマーケットである。海上自衛隊が保有するイージス護衛艦は、その索敵システムや攻撃能力など、米軍事技術の最先端に位置する高度な護衛艦ということになっている。その米国の科学軍事技術を象徴する最新鋭護衛艦が、一介の漁船に衝突してしまったという事実は、軍需兵器の売り手市場である米国の軍産コングロマリットを慌てさせた。日本国民の世論が、イージス艦というのは謳い文句とは異なって、目前にいて接近する得体の知れない物体さえも感知できない欠陥があるんだなという疑念である。もし、漁船が爆弾を搭載したテロ船だったら、イージス艦は、でくの坊と同じで、あっさりと爆沈していたのだ。この疑念が拡大すると、一番困るのがアメリカである。もし、日本人が、アメリカの武器や軍事兵器を、高価な税金を払って買うに値するものだろうかという根本的な疑いを持ったとすれば、一番困るのがアメリカなのだ。

 これは世界を相手に武器商売をしているアメリカの武器商人には致命的な信用失墜になる。なぜなら、国際的に品物に対する日本人の目の確かさは行き渡っており、無意識にしろ、日本人がイージス艦を、大金ばかりかかって、大して役に立たないシロモノだと言う評価を出してしまえば、アメリカの武器輸出に大きな痛手を与えてしまうからだ。つまり、イージス艦衝突問題がこじれた場合、アメリカは日本への武器供与の道を閉ざされるだけではなく、世界市場への輸出にも大きなダメージをもたらすからである。武器輸出マーケットをロシア、中国、フランスなどに奪われかねないのだ。

 もう一つの問題は日本を大きな武器買い手市場にするために、安倍政権が特に真剣だった憲法九条の改正も視野に入れているのだろう。憲法を改正し、自衛隊を自由に戦闘行動に向けることが出来るようになれば、アメリカは日米安保条約という属国的不均衡軍事同盟を利用して、自衛隊員をアメリカ軍の傭兵にする意図がある。その実現とともに、日本の自衛隊がアメリカの意向に沿って戦力の発動を行使するようになれば、アメリカは日本に大量の武器を購入させることができるからだ。日本人傭兵化と武器輸出、これはアメリカにとって一石二鳥であるが、こういう対日戦略が組まれている可能性は大きい。イージス艦の衝突事故は、この対日戦略の大きな阻害要因としてアメリカは受け取ったのだろう。

 つまり、あのイージス艦衝突で真底泡を食ったのは、自衛隊というよりもアメリカだったということは考えられないだろうか。あの事件によって、世論に火がつき、日本人がイージス艦そのものを無用の長物だと捉えはじめる事を米国は極度に恐れたのかもしれない。そこでニュース報道によって国民世論をイージス艦から逸らす必要を感じ、ロス事件で一世を風靡した疑惑の主人公に焦点を当てたのではないだろうか。同時に、一部の人が言うように、日本国内で共謀罪を早く成立させよという、米国側の暗黙のメッセージも込められているかもしれない。

 ともかく、あの衝突事件から効果的に世論の標的を逸らすニュースを捏造するために、三浦氏の強引な逮捕劇が演出されたのではないだろうか。結果的には、イージス艦問題は曖昧なままにされ、艦の索敵機能上の問題も、海上自衛官の士気の低下も、あれ以上問題視されることもなかった。これは、三浦氏の逮捕劇が奏効したというよりも、小泉政権の悪政に疲弊した日本人の追求エネルギーが枯渇したという方が当たっているだろう。今の日本人は悪を追求するエネルギーが弱まっている。小泉政権が敷いた拝金思想や弱肉強食の風潮で日本人は退嬰的になったのだろうか。

 私はロス疑惑の真犯人が三浦氏であるかどうかはわからないが、ロスでの三浦氏の不審死は究明される必要があると思う。何やら他殺の匂いがする。

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メディアはアフラトキシン汚染米の真の恐怖を報道しない

11_2   7日に発売された「紙の爆弾」11月号は、ハードな社会問題が羅列されていて、とても充実した内容である。一読をお勧めする。私が特に興味を持ち、戦慄しながら読んだ記事は、翻訳家・ジャーナリストである佐藤雅彦氏が書いたものだ。題名は「発癌カビ毒『アフラトキシン』は“毒素兵器”として認定されるシロモノだった!」であり、文字通り衝撃的な内容である。

 事故米、汚染米と名づけられ、毎日のようにマスコミに報道されている毒物含有米は、内政、外政ともに、多岐にわたる日本の問題点を露呈している。わかっている部分だけでも、農水省の杜撰さや業者との癒着、また、GATTウルグアイ・ラウンドで米国から強圧的にコメ市場の門戸開放を迫られ、95年以来、米国、オーストラリア、中国、タイ、ベトナムなどからミニマム・アクセス米(MA米)をいやいやながら輸入している、本邦の国際的立場の問題もある。生ものを遠路はるばる時間をかけて運んでくるのだから、虫が湧いたりカビが発生する。これを防止するために強力な殺虫剤や殺菌剤を使用するのは必然の成り行きだ。つまり外米はカビや農薬で汚染されるのだ。

 佐藤氏の記事によれば、平成の事故米騒動の勃発は、9月5日に農水省が三笠フーズの「事故米」偽装転売を発表したことだった。農水省ははじめ買い入れたミニマムアクセス外米を倉庫保管していたが、会計検査院によって、これが公費無駄遣いだと厳しく指摘されるに及び、霞ヶ関は保管MA米を早急に放出せざるを得なくなった。厄介物を買い取ってくれる三笠フーズのような会社は渡りに舟だった。辞任のきっかけとなった太田誠一前農水相の「中国毒餃子の濃度に比べれば60万分の1の低濃度」発言は、世間の猛反発を招き、慌てた自民党官邸サイドは、農水省が発表を渋っていた流通先の公表を急がせた。その結果、発表された業者は汚染米偽装詐欺を知らずにつかまされた末端の企業であった。事業者の権利も守らねばならないと直前まで言っていた太田農相が、末端流通先事業者をいきなり奈落の底に突き落とした。

 汚染米騒動には、このようにいろいろな問題が噴出しているが、詳しくは佐藤氏の記事を一読してもらいたい。この問題の背景に付随する行政の姿勢や国際的背景など、今の日本が抱えている深刻な状況がよく書かれている。しかし、この汚染米には、国民の生命の安全に関する重大かつ深刻な問題が出ており、実は政府もマスコミも故意にそのことに触れていない実態がある。それはカビ毒アフラトキシンB1の恐怖である。三笠フーズの例をみれば、過去五年分の事故米の総量は1779トン、その内訳はカビ汚染米647トン、アフラトキシンB1汚染米9.5トン、残留農薬メタミドホス汚染米800トン、汚損異臭、熱損、水漏れなどの事故米322トン。

 皆さんは汚染米問題の報道の中に、ある種の違和感をお持ちでないだろうか。それはメタミドホス汚染米の報道だけが多くて、アフラトキシンに関する報道がいかに少ないかということである。新聞も、テレビも、農水省も、アフラトキシンに関する詳細な説明を避けているような気がしているのは私だけなのだろうか。メタミドホス汚染の報道量が圧倒的に多いのである。もうお分かりかと思うが、この問題の最も恐ろしい真実は実はアフラトキシンを含むカビ汚染米なのである。カビ汚染米は米国やオーストラリアからも入っているし、アフラトキシン汚染米の輸入先は米国、ベトナム、中国である。私も佐藤氏の指摘するように、アフラトキシンのマスコミ報道がほとんど出ないのはアメリカを刺激しないためだと思う。

 アフラトキシンの毒性は群を抜いている。そのカビ毒は、急性毒性もさることながら、慢性毒性として発癌性がダイオキシンの10倍以上も強い危険極まりない天然物質なのだ。アフラトキシンB1の代謝産物がヒト体内の細胞DNAと結びつき、DNAの化学的性質を変えてしまう。アフラトキシンは「ゲノムの守り神」の異名を持つ《p53遺伝子》そのものを変異させてしまう。p53遺伝子とはDNA変異による細胞の癌化を抑制する遺伝子だという。

 このようにアフラトキシンはDNAに直接作用して発癌性を発揮するから、ごく微量だから毒性はゼロになるという見方は当てはまらない。ごく微量でも発癌作用を起こし、ほかにもそれに慢性的にさらされると免疫機能が損傷を受ける。アメリカではアフラトキシンは生物化学兵器として認定されているくらいだ。佐藤氏はアフラトキシンの詳細な病理学も調べ、アフラトキシンとB型肝炎ウィルス相互作用として、肝臓癌の発生リスクが異常に高いということについても記述している。読んでいて背筋が寒くなった。想像だが、毎日消費するおコメの銘柄を決めていた場合、その銘柄に微量でもアフラトキシン汚染米が混入していた場合、その家庭は慢性的にこの毒にさらされていることになる。DNA変異が起きた細胞が増殖して行き、やがては・・・と考えるとまったく恐ろしい話だ。

 佐藤氏が詳述した、アフラトキシンの毒性(発癌性)、病理学的見地を読むと、政府やマスメディアは、この問題が世論化しないように極力注意深く国民の関心を逸らしていることがわかってくる。理由は簡単だ。生物化学兵器としても使われるくらい恐ろしいカビ毒が、農水省主導で民間に安全性を無視して流され続けた事実を国民に悟らせたくないのだ。猛毒米問題の本質は国家防衛問題である。農水省という国家の頂点に位置する霞ヶ関の頭脳には国民の安全を守るという基本の観念が存在しないと断言してもいいだろう。国防の基本概念を持たない農水省に、口に入る物の管理権を任せていいのだろうか。

 国民の常食にきわめて危険な発癌性物質アフラトキシンが出回っている現実を、内閣府はメタミドホス問題に すり替えて問題の深刻さを薄めている。また、2004年に小泉政権が食糧法の規制緩和を行って、届出だけで新規業者の参入が可能になり悪徳業者を野放しにした。これも巷間に猛毒米が拡大流通した大きな原因になっている。小泉政権は経済的には再分配構造を破壊して国民を塗炭の苦しみに追いやり、コメ流通業界の規制緩和によって、強力な発癌作用を有する毒物を日本国内に撒き散らした。まさに国民を犠牲にする方向性しか持たなかった悪魔の政権であった。

 ※この記事は「紙の爆弾」11月号に書かれた佐藤雅彦氏の記事を主に参照して書いた。

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2008年10月11日 (土)

株価暴落には日銀のETF購入で対抗せよ(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第124弾です)

 本日(10月11日)の日経には、世界の株の時価総額が1年で2800兆円減少し、日本人の富が一人当たり平均で200万円失われたとある。そうでなくても、生活が苦しくなっていた矢先、ここでこれだけ失ったことは大きい。しかも物価の値上がり、円高と世界的な不況による輸出の減少でトリプルパンチだ。このような未曾有の経済危機における政府・日銀の役割は大きい。世界中の政府・中央銀行が次々と対策を打ち出す中、日本の動きは極めて遅いのは残念である。

 株価暴落に対抗する手段はある。慶應大学教授(日経センター理事長を兼任)深尾光洋氏の案は日銀にETF(株価指数連動型の上場投資信託)を買わせるというものである。元MIT教授のドーンブッシュ氏も同様な提案を行っている。深尾氏の提案は毎年5兆円から10兆円ずつ買っていく。その際、総額で300兆円買い続けることをあらかじめコミットメントしておくというもの。

 この案について少し説明する。日銀が株を買うということは、株を買う代金は刷ったお金なのだから、市中に新しく作られたお金が流れていくということだ。借金ではないので、将来返す必要はない。しかし、特定の会社の株を日銀が買うと、なぜその会社だけを優遇するのかということになるので、ETFを買う。これなら、株価指数の計算に入っている銘柄のすべての株を少しづつ買うということになる。これなら、株価をどこまでも引き上げることができる。失われた一人200万円の富を取り返すだけでなく、更に富を上積みすることも可能だ。

 株式市場が活性化すれば、景気がよくなり、税収も増えてくる。賃金も上がり、失業者も減ってくる。企業も資金を調達しやすくなり設備投資が増え、生産性も上がってきて国際的競争力も向上する。デフレ脱却も可能で、国の借金は増えず、GDPが増えるから、国の借金のGDP比も減って、財政も健全化する。

 株式市場に政府・日銀が介入すべきでないという馬鹿な意見が出てくるだろう。しかし、国民をこれだけ苦しめ、莫大な損害を与えている状態を放置するのは無責任と言わざるを得ない。政府・日銀は国民の幸福を第一に考えるべきだ。経済が病気のときは積極的に健康体に戻るまで支援すべきだ。現在の株式市場崩壊の状況を放置すべきではない。日本経済を正常に戻すことによって、毎年経済苦で自殺している数千人の人を救うことができる。240兆円の損失と言えば、阪神淡路大震災の24倍の損失だ。自力で立ち直れる規模を超えている。

 今の白川日銀総裁がそれをするわけがないというかもしれない。それなら、日銀法を変え、日銀総裁を解任し、日本経済を本当に考えてくれる人を新総裁に選べばよい。日銀法改正に民主党が反対するのなら、日銀法改正し日銀のETF購入に賛成か反対かで衆議院選を闘えばよい。誰が真に日本経済のことを考えているかは、きっと日本国民は分かってくれる。具体的な日本経済復活のシナリオを示せば、国民は必ず理解してくれる。

 もう一つの方法は、赤字国債発行だ。日銀のETF購入に並行して行うべきことだ。これに関しては我々は、すでに25回も政府に対し質問主意書を出している。麻生内閣になってからだけでもすでに2回質問主意書を出した。赤字国債は将来のツケを残すものではなく、逆にツケを実質的に減らすものだということを計量経済学の結論として示し政府の説得に努めてきた。遂に、最近自民党の中で赤字国債容認論が出てきた。これは喜ばしいことであり、これが大規模景気対策へとつながっていくことを期待する。そうなれば、日本経済復活が見えてくる。

 赤字国債発行で、2011年の基礎的財政収支黒字化の目標はそれにより遠ざかるかと言えば、それは逆だ。今、思い切って財政出動をすれば、景気がよくなり、税収が増え、2011年基礎的財政収支の黒字化も見えてくる可能性はある。今、財政出動をしなければ、景気はどんどん落ち込み、税収は減る一方で、基礎的財政収支は悪化する一方だ。この点でマスコミや多くの政治家は全く誤解している。景気回復なくして財政健全化なしというのが、麻生総理の主張であり、まず景気を回復させることが第一だ。赤字国債を財源とした大規模景気対策を国民に示し、与野党の対立軸を明確化してから、衆議院選に入っていただきたい。

小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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2008年10月 8日 (水)

株式大暴落とノーベル賞(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第123弾です)

 連日、すさまじいニュースが入っている。株の暴落を見ると、まさに第二次世界大恐慌が始まったように思える。そこに日本人のノーベル賞受賞のニュースが入ってきた。それも物理で3人、化学で1人の計4人も同時に受賞だ。これが日本人が自信を取り戻すきっかけになって欲しいと思う。物理の受賞者は素粒子の理論だ。何を隠そう、筆者もこの分野で長い間研究を行っていたから、この3人はもちろんよく知っている。

 1975年、シシリー島のエリチェという所で国際会議があったとき、日本人参加者は私と南部氏の2人だった。レストランでイタリア語が分からず、何を注文してよいか困っていたとき、南部氏に助けていただいたことを覚えている。南部氏は素粒子の研究者は誰もが尊敬する大先生だ。

 益川氏は天才であると同時に変人だ。いつも、自分が英語ができないことを自慢していた。あの論文もそうだけど、彼は日本語で論文を書き、共同研究者に英訳させて発表していた。大学院の入試もドイツ語の試験は白紙で出したといつも自慢する。米国の研究所から来て欲しいと言ってきても、自分は英語ができませんからと言って断っていた。英語ができないというハンディーがありながら、あれだけの研究業績を残せたというのはやはり天才なのだろう。それに比べ小林氏は性格的にはごく普通の人で、取っつきやすい。

 4人の日本人のノーベル賞受賞のニュースと共に、株式の大暴落のニュースも入ってきた。米国の株の暴落が世界の株式市場に影響している。リーマン・ブラザーズを潰したのと、米国の金融安定化法が一度下院で否決されたのが、投資家心理に不安を与えた。

 米国はお金を刷りまくっている。
所得税減税            16兆円
ベアー・スターンズ救済      3兆円
米住宅金融救済         22兆円
AIG救済                9兆円
不良債権買い取り機構      90兆円
減税                    12兆円
FRBによる社債買い取り     ?

 中央銀行であるFRBが社債を買い取るということは、もちろん、その代わりにお金が市中に流れていくということだ。それでも足りないということで、欧米の主要中央銀行も一斉に金利を下げて、更にお金が市中に出て行きやすいようにするようだ。

 それに比べ、日本は何をやっているのか。日銀はただぼう然と見ているだけ。政府は僅か1.8兆円の景気対策だ。民主党は20兆円ということで威勢はよいのだが、公務員に払う金を削ったりして、こちらに回そうというだけで、それは経済全体で見ればプラスマイナスゼロで、景気対策にはならないのだと思う。「お金を刷る政策=財政と金融の協調」に猛反対している民主党だから、マクロ経済への配慮がまるでない。なかなかお金を刷る政策を言い出せないのは、与党も野党も同じようなものだ。

 与野党共、財源はどこにあるのかはっきりさせていないというのが、最近のテレビの解説者の口癖だ。そのくせ、解説者自身も財源については決して言わない。財源は赤字国債しかないことを誰もが知っている。だけど、誰も言い出せない。ノーベル賞を受賞した南部氏を見るとよい。対称性の自発的破れという当時だれも言わなかったことを、勇気を持って言った。それが歴史を変える。

 私は、滝実衆議院議員と共に本日質問主意書を提出した。赤字国債で良いではないか。それは将来にツケを回すのでなく、将来へのツケを実質的に減らすことができる。そのことをマクロ計量モデルでしっかりと示して説明した。来週あたりに麻生総理からの答弁書が返ってくると思う。

 前回の答弁書には、真面目な説明があった。最初の2年は債務のGDP比は減るが、3年目以降は増えることの説明だ。しかし、そんなことを言っているのは内閣府だけだ。それ以外のシンクタンクのモデルでは、3年目以降も減っていく。その理由は簡単だ。あの内閣府のモデルは、竹中・小泉コンビが「景気対策は効果がない」ということを証明できるモデルを内閣府に作らせたのだから、当然、景気対策をやってもGDPは伸びないようになっている。小泉政権にとってはあのモデルは都合がよかった。改革なくして景気回復なしと主張するには都合がよかったのだ。景気対策を求める自民党を黙らせるためにつくらせた。しかし、景気対策をやりたい麻生内閣では、このモデルでは駄目だ。

 私は質問主意書で「景気対策は効果はないのですか」と質問しておいた。どういう答弁が返ってくるか楽しみだ。景気対策をやろうと意気込んでいる政府が、まさか効果はないとは言えないだろう。いくら小泉氏が目を光らせていたとしても。

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2008年10月 7日 (火)

アメリカの桎梏をはずすなら今!(ななしさん)

○日本国民がアメリカの奴婢状態から脱却する時!!

小泉政権下では税収が低迷していましたからね。
03年には43兆円を切ってたんじゃないでしょうか。
就任前には50兆円あったんですけどね。
なぜかその事に関してはマスコミは触れたがらないですけど。
橋本政権下で米国の圧力に屈して金融ビッグバンとやらを強硬した時も税収は50兆円を切りましたが、小渕政権が積極財政をやったおかげで直ぐに50兆円を回復しました。
そもそも今日の財政危機を招いたのは無駄使いでは無くて第二次中曽根内閣以降、段階的にやった所得税の累進課税引き下げ、法人税や不労所得の優遇税制にあると思うんです。
その穴埋めとして消費税の導入や引き上げをやりましたから余計に内需は萎みますね。
それに円高でも外需が不調でも内需が堅調ならばどうって事はありません。
新車市場だけを見ても90年代半ばには700万台ありましたが、今は500万台切るところまで来ています。
しかも今は利益率の低い軽自動車しか売れておりませんし。
その軽も昨年度あたりから売れなくなりました。
あの超円高期を乗り越えられたのも豊かな内需があってこそだと思っております。
外需が期待出来なくなった今こそ内需拡大政策に切り替える時期だと思いますね。
外需の減少分を内需で補えばあの頃のように乗り切れると思います。
財界も国内軽視、労働者軽視、家計軽視を改めるかも知れませんし。

それから外貨準備金ですが資源や食糧の輸入に必要な分+α以上のものを稼ぐ必要は無いと考えます。
食料も安保を考えてコスト度外視で自給率を高めるべきだと思います。
どうせ外貨を稼いでも米国への上納金として還流するだけですからね。
汗水垂らして過労死するまで働いてもそれじゃあ意味無いですから。
文字通り、米資本の奴隷、植民地ですね。
例の03年から04年に掛けて小泉政権下でやった35兆円の為替介入に伴う33兆円の米国債購入なんて上納金の最たるものですからね。
結局ブッシュ減税やイラク侵攻の原資となりました。
私は当時からそんな金があるんなら不況で苦しんでる国内に使えと言って来ました。

ところで今度の米国の金融救済法案の75兆円に関してですが、これも日本に奉加帳が回って来そうな気がしますね。
既に中国は2000億㌦の米国債購入を表明しましたから、日本に催促が来るのは目に見えてます。
要するに人の金で金融資本家どもを救済しようとしてるんですね
いつもの事ですけどね。
日本と違って中国はまだ景気が良いから余裕もあるんでしょうが、マクロ経済=名目成長率で見れば日本は欧米と比べても悪いです。
そんな状態でも上納金を差し出すんでしょうかね?
私ならいっそ100兆円丸々国内に再分配しちまえと思っちまうんですがね。
または国債の償還に使えと。
何で日本を叩きまくった米国を助けなきゃならんのだと。
出すのなら条件を付けなさいと。

○2度と対日年次改革要望書や日米投資イニシアチブは出すな。
○日本の財政・金融政策に口を出すな。
○直ぐにS301条をちらつかせるのはやめろと。
○日本をプラザ合意以前に戻すが文句は言うな。
○在日米軍を引き揚げろ、その代りに日本が自立できる装備を寄越せ
○未だに続いてるWGIPをやめろ
○敵国条項の撤廃と常任理事国入り

どうです?
これくらい要求しても罰は当たらんと思うんですが。
何しろ向こうも瀬戸際に追い詰められてますから。
相手に弱みを利用し、こちらの強みを最大限に利用するのが外交だと思います。
今までの日本のお人好し外交じゃあ骨の髄までしゃぶられてしまいます。
しかもそのシワ寄せは必ず私たち庶民に来ますからね。
おそらく中国は2000億㌦を出す代わりに色々と条件を付けているように思います。
日本の売国政治家とメディアだけでしょう、何の条件も無しにホイホイと金だけ貢ぎたがるのは。
彼らの本質が見て取れます。
私は今回の危機は対米追従と植民地化から逃れる絶好のチャンスが来たと思います。
このチャンスを逃せば後は衰退の一途をたどるだけでしょう。

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小泉政権下での借金増と外貨準備高(いかりや爆さん)

 

 前記事「日本の外貨準備高」については、日本経済復活の会の「ある会員さん」のおっしゃる通りですが、若干補足させていただきます。

 小泉政権下での借金は空前絶後の巨額借金です。おそらく今後もこれ以上の巨額借金はありえないと思います。そういう意味では小泉元首相は、歴史的偉業をなされた偉大なる人物です(誤解しないでちょうだい、皮肉ですぞ)。

更に、外貨準備高についても、全く同じことが言えます。また外貨準備高の85%以上が外貨証券です、その殆どは米国債と思われるが、財務省はその詳細を明らかにしていない(不都合な真実は隠蔽?)。
 米国債は「ある会員さん」の指摘通り、返還されざるマネー、はっきり言えば、史上空前の米国への貢ぎ物です。

 上記を要約すれば、小泉政権下では、日本国内では空前絶後の借金を重ねながら、これまた空前絶後の貢ぎ物を献上したことになります。

 こういう政治家だからこそ、国民の超優良資産である郵便郵貯を民営化の名のもとにぬけぬけと郵政民営化してしまった。
 これ以上国民の資産を毀損してはならない。国民新党が「郵政民営化凍結法案」を提案しています。是非とも実現して欲しいと願う。

 郵政民営化選挙では、マスコミは大政翼賛会のごとく小泉氏を「改革」の旗手の如くもちあげた。
 上述した不条理を指摘する政治家も、ジャーナリストもエコノミストもいない。一般人がこのような事実を指摘することは、嫌がらせもありますので大変勇気の要ることです。しかし、事態がここまでくるとそんなことも言っておられない。皆で声をあげましょう。

 我田引水するわけではありませんが、先日掲示板阿修羅に『小泉氏の引退表明は、「ごまかしの美学」横須賀市の皆さんよーく考えてみてください』と題して投稿しました。
 こんな売国的政治家とそれを継承する政治家の出現を許してはならないと思う。

 アメリカは金融危機、世界がそれに巻き込まれようとしています。いまこそ日本は、やくざ国家から離れするチャンス、グローバリゼーションなどと幻想に踊らされてはなりません。日本独自の経済政策と自立した外交を展開するときだと思う。

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2008年10月 6日 (月)

日本の外貨準備高

   (日本経済復活の会のある会員さん)

 日本の外貨準備は平成20年8月末時点で9,967億4,100万ドル。1ドル103円なら約103兆円。

 そのうち外国証券は8,622億8,700万ドル。これを巡って様々な思惑があり、アメリカ国債をハイリターンを期待できるサブプライムローン振り向けろ、とか政治屋達がいろいろ言ってきた。しかしそれは非現実的。そもそもアメリカは返すつもりは無い様にしか見えない。証券を預かったまま日本に渡さないと聞いている。彼等の感覚なら体面よりも損か得かで考えて、あっさりデフォルト宣言だってするのではないだろうか。そうなったらアメリカ国債は紙屑。

 ではどうしたら良いか。日本はちょっと頭を使えば良い。話は簡単で日本は経常収支を赤字にしてしまえば良い。昨年は24兆8千億円の黒字を計上したが今迄の黒字でたまった外貨が溜まりに溜まって100兆円以上になっている。

 だから日本全体で徹底的に消費を増やす。ケインズは需要不足の社会では、穴を掘って埋めても経済は拡大すると言ったが、それは譬えであって、やらなければならない公共工事はいくらでもあるのだし、国民に税金を還付しても良いし、あるいは生活補助金を出しても良い。日本政府は財源は国債発行で賄えば良い。国債の売り先は日銀に買わせれば良い。日銀は日銀法で政府の政策と整合性がなければならないのだから買わせればよい。言うことを聞かなければ日銀法を改正して法令違反に対しては厳罰を科すようにすれば良い。禿鷹ファンドは反対するだろうが、それは簡単なこと。国債を日銀が保有すると政府が支払う金利の90%以上は日本政府に献上しなけらばならないように定款で定められている。だから国債残高が増えても大して問題ではない。

 しばしば「国債を発行して子孫に付けを残す!」と騒ぐ人が沢山いるが、アメリカに貸し込んでいる日本政府の金が100兆円以上もあり、さらに毎年20兆円くらいのお金が入って来る日本は消費を大いに増やした方が日本の為、世界のためになる。日本もここらで財政政策による国際貢献を考えるべき。

 国債発行抑制といえばコリアン・小泉を思い浮かべるが、彼は実は莫大な国債発行を実行した。財務省のデータがそれを証明している。

小泉政権 : 2001年4月26日 ~ 2006年9月26日

小泉政権下の借金増加額の実態

2001年6月末 396兆3,493億円   
2006年9月末 674兆9,506億円   
 5年間でその差額278兆円 余り。驚愕の借金増額。小泉はとんでもないことをやってくれた。

2008年6月末 685兆2,128億円
 その後の2年間ではその差額わずか10兆円余り。  

 小泉政権下では5年間で278兆円も国の借金を増やしてしまったが、その後の政権では2年間では10兆円くらいしか増えていない。それでいて小泉政権下ではGDPはほとんど増えず、家計の消費もほとんど増えていない。2001年から2007年までの家計消費の伸びはぞれぞれ
0%、-0.1%、-0.3%、0.5%、1.1%、1.4%、1.1%。

 理由は簡単で日本政府がせっかく国債発行でおカネを調達しても、増額分はそれをそっくりアメリカにプレゼントしてしまったから。

 こんな馬鹿馬鹿しい仕組みを変えて、日本人自身が消費を謳歌する方向へ世論を誘導したいもの。

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2008年10月 5日 (日)

鹿砦社の松岡利康さんが、明朝のテレ朝「スーパーモーニングに」出演する!!

 本日夕方に情報が入った。鹿砦社の社長さんである松岡利康さんが、明日6日(月曜日)午前8時からのテレビ朝日系列の『スーパーモーニング』で、今世間を賑わしている大相撲スキャンダルについて少し語るそうである。そのインタビューは、昨日、わざわざ東京からテレビ局が松岡さんの住む西宮市まで取材に来たそうである。

 松岡さん率いる鹿砦社(ろくさいしゃ)は、権力に迎合しない精神を断固として貫き、他社がタブー視するような社会問題を好んで取り上げて来ている。そのためにターゲットにされた斯界より熾烈な攻撃や弾圧を受け、多くの裁判案件を抱えた。加えて、松岡さんご本人は2005年の7月に、警察官僚が天下りする巨大パチスロ・メーカー「アルゼ」を書籍等で糾弾したために官憲に睨まれて逮捕され、実に192日間も不当拘束を受けている。132日間も不当拘束された植草さんと同様に、松岡さんも「人質司法」の重大な被害者なのである。

 松岡さんは、さる7月30日に、応援している「西宮冷蔵」の食品偽装告発ドラマ「たったひとりの反乱」に、惣菜屋のオヤジとしてチョイ役で出演している。このNHKドラマはほんの一瞬の“友情出演”だったが、明朝のテレ朝のインタビューは、もう少し長く出ると思う。私は読んでいないのだが、聞いたところによれば、鹿砦社では1996年に『八百長』という題名で本を出している。今から12年も前に、(この時の告発舞台は週刊ポストであり、この顛末を鹿砦社は単行本として世に出した)財団法人日本相撲協会のスキャンダルを取り上げて問題提起しているのだ。鹿砦社の大相撲スキャンダル暴露でも、日本相撲協会が東京地検特捜部に刑事告訴を行っている。この一事を持ってしても、鹿砦社が単なる暴露本出版社とは異なる、明快な社会性と強い問題意識を内包する先見性を持つことがわかるだろう。昨年07年の「紙の爆弾」4月号でも松岡さんは『八百長はなくならない!?』というタイトルで相撲協会のこの問題を書いている。

 96年のこの騒動では、告発者の中心人物である、元大鳴戸親方(元関脇高鉄山)と、後援者の橋本成一郎氏が同じ日に、同じ病院で急逝しているのだ。偶然と言うにはあまりにも恐ろしい背景があると考える方が妥当であろう。相撲協会のタニマチに暴力団がいることや、八百長問題の背景には根深いものがあるのかもしれない。故大鳴戸親方の愛弟子である板井圭介氏が2000年の1月に告発の声を上げたことは何となく覚えてはいたが、今回、また板井氏が法廷で証言したことを見れば、この問題が何も解決されずにいて、瘴気を発する古沼がメタンガスの泡を湧き上げるように、時を置いて度々繰り返していることがわかる。わが国の相撲はプロレスと違い、伝統ある国技である。しかも、もとをただせば神前で行われた神聖な儀式性も内包しているので、相撲協会はいかがわしい噂が出ないように体質を厳しく保つべきであると思う。相撲は神道と深い係わり合いがある国技であるから、八百長問題の噴出はご法度である。

 鹿砦社が迫害されるのは本物のジャーナリズム魂を持つからである。明日のスーパーモーニングでは、鹿砦社の権力に妥協しない不撓不屈の出版精神を作り上げた松岡さんの、大相撲八百長問題についての見解を見ていただきたいと思う。植草事件をご覧になってもおわかりのように、現今マスメディアは軒並み権力に迎合して、良心的な告発をする人間に報道被害を浴びせているていたらくである。このようなメディアのひどい現状にあって、鹿砦社の権力を恐れぬ不撓不屈の精神は日本の言論界の健全性の最後の砦となっている。   

 参考: 「紙の爆弾」2007年4月号、松岡利康さんの記事『八百長はなくならない!?』参照    

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10月度、 『 丹羽経済塾 例会 』 ご案内

 
 さて、現在数少ないケインズ主義学派の経済学者・丹羽春喜博士による、『丹羽塾10月度例会』を下記の通りご案内申し上げます。今の日本社会は、すっかり新古典主義(新自由主義)に傾倒した挙句、青息吐息になってしまいました。丹羽博士は新自由主義の悪魔的な本質を最も学問的にとらえ、そこから脱却する正しい方向を示唆できる数少ない学者さんです。是非、皆さんもご来場してお話を聴いてみてください。

                
   ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

                               記

日 時  : 10月17日(金) 19:45~ 21:45(受付19:15)

テーマ  : 「 金融恐慌、大不況の危機に対処する政策 」

参加費 : 2千円
             
場 所  : 四谷区民センター 11F 「料理工作室」
http://shinjuku-kuminhall.com/pc/event_yotsuya.html(ホームページは区民ホール)

東京都新宿区内藤町 87  電話 03-3351-3314  
http://www.mapion.co.jp/c/f?el=139/42/23.584&scl=70000&uc=1&grp=all&nl=35/41/25.732

地図上で真ん中あたりの新宿駅から右方向の「四谷特別出張所」に「四谷区民センター」があります。

地下鉄・丸の内線「新宿御苑」駅をでて四谷に向かって歩いて5分。
JR新宿駅をご利用の場合 : 伊勢丹を通り越し、四谷方面に向かうと当該建物があります。

出席を希望される方は下記にお知らせください。

FAX  : 03-3714-3622 

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質問主意書に対する麻生総理からの答弁書「全文」(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第122弾です)

 先日、お知らせした通り、滝実衆議院議員と共同で作成した質問主意書で質問したことに関する麻生総理からの答弁書が届いた。質問の内容はこのシリーズの118弾でお知らせした内容である。詳しくは
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/09/post-61a8.html
を読み直して頂きたい。それに対する麻生総理からの回答は、安倍総理や福田総理からの回答に比べ、はるかに真摯に答えているのが分かる。日本経済復活への麻生総理の意気込みが感じられる。麻生総理に対しては第2弾、第3弾と続けていきたいと思う。きっと赤字国債発行の必要性(お金を刷る政策の必要性)が理解して頂けるものと期待している。

赤字国債発行に関する質問主意書 

右の質問主意書を提出する。
平成二十年九月二十五日
提出者     滝     実

衆議院議長 河 野 洋 平 殿

赤字国債発行に関する質問主意書

 政府は八月二十九日物価高や原料高への対応を柱として総合経済対策を決定した。しかし、赤字国債を発行しない方針だと報じられている。このことに関し質問する。

一 赤字国債を発行しない理由は何か。将来へのツケを残したくないということか。

二 平成二十年一月十八日に発表された内閣府の経済モデル「日本経済の進路と戦略」による試算では緊縮財政(ケースA)よりも積極財政(ケースB)の方が国の債務のGDP比は下がると結論づけられている。つまり赤字国債を発行しても将来へのツケは減らすことができるということではないか。

三 赤字国債を増発し続けると国の債務のGDP比は増え続け、1,000%とか、10,000%になると政府は考えているのではないであろうか。図1において、二〇〇七年の国の財政赤字のGDP比を示す。これを見れば、日本より財政赤字が大きい国はいくらでもあるのに、図2で明らかなように、諸外国の債務のGDP比は日本よりずっと小さく、180%以上に達した国はどこにもない。
 歴史的に見ても、国の債務のGDP比が際限無く増え続けた例はない。このことからも、債務のGDP比は赤字国債を出せば増大するというものではなく、赤字国債によって経済が拡大できれば債務のGDP比は縮小するということではないのか。

四 日本の債務のGDP比がこのように異常に大きくなった理由は、財政赤字というよりも、異常に低い名目成長率が原因していると考えるがどうか。

五 今回の総合経済対策では赤字国債を発行しない方針とされているが、今年度の国税収入は予算を大幅に下回る虞があり、この結果本年十二月には多額の赤字国債を発行せざるを得ない事態が懸念される。このような税収不足の穴埋めとして発行せざるを得ない赤字国債は債務のGDP比率を引き上げるだけであるが、このような事態を少しでも避けることを目指す経済拡大のための赤字国債であれば、債務のGDP比率を下げる方向に寄与することが期待できるのではないか。
右質問する。

(なお、ここで示した図1,図2は第118弾で示したものと全く同じなので割愛させていただく。図に関しては以下を参照して頂きたい。)

http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2008/09/post-61a8.html

以下が10月3日に届いた答弁書である。

内閣衆質170第12号

内閣総理大臣 麻生太郎

赤字国債発行に関する質問に対する答弁書

一について

 先般、政府・与党会議で決定した「安心実現のための緊急総合対策」(平成20年8月29日「安心実現のための緊急総合対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定。以下「総合対策」という。)においては、財政健全化路線の下、真に必要な対策に財源を集中するなど旧来型の経済対策とは一線を画することとし、できる限り新規国債発行額を抑制し、財政規律を堅持するとの基本的な考え方が示されている。
 平成20年度補正予算については、こうしたこと等も踏まえ、既存の歳出を見直す中で最大限の財源捻出の努力を行うことなどにより、赤字国債を発行しないとしたところであり、財政規律を維持したものとなっている。

二について

 ご指摘の「日本経済の進路と戦略―開かれた国、全員参加の成長、環境との共生―」(平成20年1月18日閣議決定)の参考試算の作成に当たって用いた「経済財政モデル(第二次再改訂版)」(平成20年3月内閣府公表)における乗数票を用いて、一定の仮定の下で計算すると、公共投資につき国内総生産の1%相当を継続的に増額するような政策について、公債残高の対国内総生産比率(以下、「比率」という。)は、当初の一年目及び二年目は低下するが、三年目以降上昇する結果となっている。三年目以降上昇するのは、公共投資の継続的な増額により、比率の分子である公債残高は拡大し続ける一方、分母である国内総生産の拡大は一定程度に抑えられるためであると考えられる。
 これを踏まえると、当該参考試算において、試算期間中、歳出削減ケースBの比率が歳出削減幅により大きい歳出削減ケースAの比率を下回るのは、右で述べた性質が現れるほど試算期間が十分に長くないためであると考えられる。
 なお、歳出削減ケースBでは、歳出削減ケースAに比べ、国・地方の基礎的財政収支の対国内総生産比率の赤字については大きくなっている。

三から五までについて

 我が国の財政状況は、これまでの赤字国債の発行等によって、国・地方を合わせた長期債務残高が先進国中最悪の水準にあるなど極めて厳しい状況にある。「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」(平成18年7月7日閣議決定)に示されているとおり、これを放置すれば、将来世代への負担の先送りという世代間格差の問題を深刻化させ、また、財政の持続可能性に対する懸念の高まりが経済成長自体を阻害するおそれもある。
 政府としては、財政再建は当然の課題ではるが、経済成長なくして財政再建はないと考えている。我が国経済の持続的で安定した繁栄を目的とし、財政再建に取り組んでまいりたい。
 今回の総合対策を実施するに当たっては、こうしたこと等も踏まえ、その財源については、平成20年度補正予算では赤字国債を発行しないことを前提に、既定経費の削減等により確保することとしている。

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2008年10月 4日 (土)

第56回 日本経済復活の会 定例会のご案内

  日本経済復活の会 会長 小野盛司

○ 日時 平成20年10月30日(木)午後6:00時~午後9:00時

○ 場所 東京都千代田区九段北4-2-25 アルカディア市ヶ谷(私学会館) 
       TEL 03-3261-9921

○ 会費 3500円(資料代や食事・飲み物の費用を含みます)
   当会合に関する一切の問い合わせと、御来会の可否は小野(03-3823-5233)宛にお願いします。
   メール(sono@tek.jp)でも結構です。弁当の注文や配布物の準備等ありますので、申し込みはできるだけ早めに行って下さるよう、ご協力お願いします。

○ 講師

① 曽戸正明先生 ジャーナリスト
   『大型洋上ハイブリッド発電』


 待ったなしの地球温暖化対策に、CO2削減ばかりが強調されて、日本政府はこの機会にエネルギーの原発依存度を高めようとしています。地震列島・日本に50数基もの原発が建設され、放射能漏れ事故も後を絶たない。 建設コストやいやがる周辺対策にもどんどん金がかかる。

 もっと、クリーンでエコな技術で原発並みの電力を生み出そうと研究された洋上風力発電。今回は風力と太陽光発電のハイブリッド洋上発電の研究開発段階をリポートします。

② 小野 盛司 日本経済復活の会会長 
     会の活動報告、『日本経済復活への道 -お金がなければ刷りなさい-』  

アルカディア市ヶ谷(私学会館) TEL 3261-9921
326

●地下鉄有楽町線・南北線    市ヶ谷駅A1-1出口
●地下鉄新宿線              
市ヶ谷駅A1-1またはA4出口
●JR中央線(各駅停車)市ヶ谷駅
上記各出口から徒歩2分

日本経済復活の会のホームページと連絡先
http://tek.jp/p/
TEL:03-3823-5233
FAX:03-3823-5231
担当 小野盛司

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2008年10月 3日 (金)

麻生政権も間違いなく亡国政権だ!!

 ○麻生太郎氏の本心を見抜いた

 神州の泉は日本経済復活の会の積極財政論を支持し、小野盛司会長の考え方を世間に広めたいと考えている。また、私は、わが国で最も傑出したエコノミストである植草一秀さんを強く応援している。小野さんも、植草さんも、これからの日本になくてはならない偉大な頭脳であるから、私はこれからも、この御両者を強く応援していくつもりだ。しかし、応援していくことに微塵の揺るぎはないが、百パーセント彼らの考え方、見方に同調するということももちろんあり得ない。人間であるから、必ず食い違う考え方は出てくるものだ。枝(えだ)的な部分で考え方が違うからと言って、その人物の全体的な考え方まで否定するのは愚かなことだ。だから、必要だと思ったら、個々に指摘したり反論すればいいことだ。植草さんは国民の幸福原理を基点にする考え方を持つ得がたい有識者である。彼は小泉政権の非道性に最も初期から気が付いて警告を発していたから、国策捜査に嵌められた。このように植草さんは偉大な憂国者でもあるから、これからの日本再建に絶対に必要である。時代が国難に瀕する時、歴史は必ず救国意志を示してくるが、植草さんは間違いなくその筆頭的人物である。

 しかし、今回は麻生首相に対する見方で、小野さんと植草さんの考え方に食い違いが出ている。小野会長は積極財政論を実現してくれるなら、超党派で誰でも応援する姿勢であるから麻生氏に期待している。だがこれに関して言えば、私は植草さんを全面支持したい。麻生首相が政策理念の一貫性のなさでまったく信用が置けないことが、今日の自見庄三郎氏の国会代表質問で明らかになった。麻生氏がなぜ駄目か、その理由を説明してみたい。

  今朝、NHKの国会中継で国民新党副代表・自見庄三郎氏が代表質問に立っていたので聞いていた。相変わらず舌鋒鋭く自公政権、特に小泉政権の政策本質に切り込み、痛快きわまる質問を放っていた。最初はアメリカ発の金融問題に関して質問したようだが、これは残念ながら聞き逃した。私が聞いたのは自見氏が「郵政民営化」について質問していた途中からだったが、彼が小泉・竹中両氏が強硬主導した郵政民営化の社会的失敗と、その国難的危険性を見事に衝いていた。自見氏は凄い。実に簡潔明瞭な質問であった。

 自見氏は、当時の竹中平蔵郵政民営化担当大臣が、郵便局のユニバーサル・サービスが低下しないということと、地方郵便局が消滅しないことを確約したにも関わらず、民営化発動から一年経過した今日、郵便局の窓口業務が煩雑になったことや、地方郵便局が400近く消えたことを指摘して民営化の是非を問いかけた。同時に国民新党の党是でもあるが、郵政民営化の真の思惑が、郵便貯金銀行(JPゆうちょ銀行)、郵便保険会社(JPかんぽ生命)にある300兆円あまりの国民資産が外国資本に委ねられる危険性をどう思っているのかと質問した。そうなのである。郵政民営化の真の危険は、国民に不利益な社会インフラの変化をはるかに凌ぐ、国難的事態を招いているのである。三角合併が解禁され、わが国にアメリカのような国益を保護する金融的防御壁、エクソン・フロリオ条項に該当する保護規定がない以上、ゆうちょ銀行とかんぽ生命が保有する莫大な郵政資金を外資の収奪計画から防衛することが喫緊の課題なのだ。だからこの法案の株式上場に向けての動きは即時凍結する必要がある。しかし、マスコミは一度もその真の危険を報道しない。それは国内マスメディアが国民の幸福とは対極的立場に立っているからだ。

 自見氏の郵政民営化に対する質問に対し、麻生首相と野田聖子消費者行政担当大臣が答えた。自見氏も質問していたが、郵政公社の分社化は郵政事業体の脆弱化を招き、この分離が国際金融資本の参入に完全な道を拓(ひら)いたことは、何度も強調する必要がある。しかし、麻生氏、野田聖子氏の回答は実に短く素っ気なく、質問の本質から逃げているものだった。麻生氏の答弁は、民営化が国民のためになるように配慮する所存であるとか、まったく曖昧で意味不明であったし、野田氏の言い方も取るに足らない内容のないものだった。大体、野田聖子氏や外務大臣の中曽根弘文氏は、私から言わせれば、政治家の本分を捨てた最低な人種である。彼らは安倍内閣の時、自民党復党を行ったが、この時、中川秀直元幹事長の踏み絵を踏んだ瞬間に、政治家として、また日本人として終わっているのだ。中川氏の踏み絵とは、復党条件は2005年の郵政解散における反党的な行為を自己批判し、郵政民営化を含む安倍政権の方針を順守することという内容を記載した誓約書に同意させることだった。

 これに敢然と反対したのが平沼赳夫さんだった。彼こそ本物の政治家である。私は平沼さんが復党の意志を示した時、かなりの批判が出たのは知っていたが、この人物が敵地に入り込むのは、保身目的ではなく、安倍氏を翻意させるために、自らトロイの木馬として内部から自民党を変革する目的だと見抜き、それをブログに書いた。この平沼さんの動きを懸念した中川氏は苦肉の策として踏み絵を作り、これを阻止したのである。この一事を持ってしても、中川秀直氏が典型的な売国議員であることがわかる。彼が日本経済復活の会に賛同するポーズを見せたが、私は当初からまったく信用していなかった。小野さんにも彼に気を許さないように何度か忠告した。

  野田氏も、中曽根氏も、この踏み絵を踏むことによって人生を捨てたのである。馬鹿な人たちである。人生においては絶対に捨ててはならない良心というものがあるのだ。一生後悔するくらいなら議員生命を捨てるべきだ。郵政民営化こそが祖国日本を危うくする国難的売国法案なのだ。これに敢然と反旗を翻した議員さんたちこそが輝かしい未来に進める資格を持つ。しかし、これに魂を売った議員にはすでに一点も浮かぶ瀬はない。これは怜悧な現実だ。さて、野田氏や中曽根氏のようなヘタレは忘れて、麻生氏の話に戻そう。

 今から一年前に、麻生氏と福田氏の総裁レースで、読売新聞や日本テレビが麻生氏のネガティブ・キャンペーンを行ない、福田氏の当選に持っていくように誘導報道した。その理由を私は本ブログ「マスコミが麻生氏劣勢の誘導報道を行なった理由(わけ)」に書いた。それをここに再掲する。

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  これは私個人の見解なので、必ずしも確定的に断定することはできないが、私の推測はほぼ的を射ていると確信している。この総裁レースで読売を主体として、福田氏圧倒的有利と印象付け報道したことは、やはり麻生氏を選出させないためであった。その理由を言おう。今から三年前の2004年9月、小泉純一郎首相は郵政公社の民営化に向けて二年半後の2007年4月に「四分社化」するという大枠を定めた。当時は自民党も総務省も郵政公社もこの案に反対していたのだ。小泉氏は郵政公社の生田総裁を呼びつけ、その案を提起したら、生田総裁は難色を示し、「経営者としてできないことはできない」と言った。小泉氏は必死で生田氏を説得し、分社時期が遅れてもいいという含みで彼を納得させた。(現実には半年遅れて今年の10月になった)。そして、経済財政諮問会議の学者ら民間人議員が四分社化を主張した。

 ところがこの時、麻生太郎総務相、生田総裁は、民営化当初の経営形態を、最初単一会社にしておいて、徐々に(段階的に)分社化していくということを主張していたのである。そして、麻生氏は28万人の常勤職員を各社に振り分ける際に、納得を得るまで時間がかかると言っていた。ここまで言ったら、マスコミが今、麻生氏劣勢を故意に報道し、彼を総裁レースから外す意図を持った理由がよくわかると思う。

 つまり、麻生氏の考えであった「郵政の単一会社から段階的に分社化していく」という方針、そして常勤職員の各社振り分けへの手続きに時間がかかるという彼の考え方を、アメリカがナーバスに嫌っているからだ。要点は、郵政民営化に対する麻生氏の考え方が、小泉・竹中氏本流の四分社化案と著しい差異があり、麻生氏の案だと分社化に時間がかかりすぎるということなのだ。だから、麻生氏が総裁になった場合、再び彼の持論が頭をもたげて、郵政民営化のスタートを混乱させる懸念があったからだろう。そうなった場合、密かに計画し、国民には見えない郵政資金の動きが計画通りに行かないからであり、もたついている間に、この法案のいかがわしさが露見する危険があるからだ。

 和製エクソンフロリオ条項がないことや、資金運用の危険性が国民に見えてくる可能性があるからだろう。麻生氏の考える段階的四分社化は、アメリカエージェントにとってかなり都合の悪いものだと思う。麻生氏が総理権限でこの方策を取った時、郵政民営化の裏の目的が露見する可能性がある。つまり、民営化のブラックボックスが国民の疑惑を招いてしまうからだ。年次改革要望書を推進したエージェントたちは、分社化にわずかでも時間を掛けたくないのである。

 以上が、今日気が付いたマスコミの誘導操作報道の理由である。
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 麻生氏は郵政民営化法案が成立する一年前に、この売国法案を中心になって推し進めた竹中平蔵氏と、郵政公社の分社化について熾烈な論争を繰り返していたのだ。この当時の麻生氏は、郵政公社の分社化がハゲタカ系の外資にとって収奪作戦の必須条件であることに気が付いていた節がある。しかし、福田氏が総理になってある時間が経過した時、この政権の人気がないことを知った読売の主幹である渡辺恒雄氏は、あれほど嫌っていた麻生氏に今度は秋波を送って会っている。この時、アメリカの意向を汲んだナベツネと何らかの話がついた可能性がある。おそらく郵政民営化に手をつけないことを条件にして、総理の座を約束されたのだろう。今度は自公政権の犬であるマスコミは、麻生氏のネガティブ・キャンペーンをせずに、彼の人気を盛り上げて政権存続に力を貸している。

 この推測はもちろん私個人のものだが、今日の自見議員に対する麻生首相の答弁に、郵政民営化に批判的だった昔の彼の面影は微塵もなかった。寝返ったのだ。というか、アメリカの圧力に屈したと考えるのが妥当だろう。したがって、麻生政権が地獄の小泉構造改革路線を踏襲することはほぼ確定的だと考える。郵政民営化は小泉氏が言ったように、構造改革路線の本丸である。つまり、表面で小泉政権の路線とは異なる路線を行くように見えても、それが嘘であることがよくわかるのだ。これから想起されることは、彼が行おうとしている積極財政政策も選挙対策としての一時的なものだろう。

 彼は自公政権が存続したら間違いなく、小泉構造改革路線に突っ走る。今の段階では、小泉構造改革と逆ベクトルの方向性を志向するべきだ。しかしその際、気をつけなければならないことは、逆ベクトルを持つことは、以前の利権跋扈の政治に逆戻りすることだから、それも良くないことだというとらえ方だ。しかしやるべきことは以前の政治を修正していくことが重要なのであって戻ることではない。認識しなければならないことは、小泉政権が日本人の発意で作った自生的政権ではなくアメリカの傀儡政権であったという事実なのだ。だから、これが悪いとか良いとか言う次元ではなく、小泉構造改革路線は完全否定する必要がある。小泉政権が志向した国造りとは、日本人がけっして選んではならないアメリカのインセンティブによる国策パラダイムにほかならない。だから早急にやるべきことは、これを元の日本人の国政に戻すことだ。何度も言うが小泉政権はただの政策政権ではなく、アメリカを宗主国とする植民地的傀儡政権だったのだ。構造改革路線を継承するということはその路線が修正されないということと同義である。

 自公政権は何としても否定されなければ国民に明日はない。この政権は嘘で塗り固められた反国益的な政権だ。だから、政権交代にしろ、政界再編成にしろ、小泉構造改革路線を踏襲する姿勢を持つ考え方が日本破壊の勢力になることは間違いない。これを見抜く試金石は郵政民営化に反対か賛成かである。民主党は国民新党の考え方を充分に取り入れて、二度と小泉的な悪政に戻らないように国政の刷新を図って欲しい。今の日本は国難的状況にあり、これを打開する宰相は坊ちゃん育ちの世襲議員であってはならないと思う。職人の場合と違い、政治家の世襲傾向は良くない。彼らは庶民の苦吟を感じるセンサーを持ち合わせず、基本的に国家のために命を賭ける度量を持たないような気がする。特に国家存亡時には世襲で占められている内閣は危ない。旧弊を打破すると華々しく登場して、国家をぼろぼろに傷つけた小泉氏の降壇が世襲継続だったとは、泣くことも笑うこともできない。

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2008年10月 1日 (水)

現実は左右の桎梏を超えている

  ブログ世界の碩学である喜八ログの喜八さんは、左・右の区分けについては興味がないと言っている。左一色の社会(国家)、右一色の社会(国家)、またその他のある一色に染まったイデオロギー社会(国家)というように、百パーセントある種の考え方で統一された世界は地獄だという見解である。従って、ある社会(国家)にイデオロギーが発生するとすれば、そこには右派、左派、中間派、その他のさまざまな考え方が混在しているのが一番いいあり方なのだという。その理由を喜八さんは下記のように言っているが至極明言だ。
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結局のところ、意見の違いは社会にとっては「リスク分散」となっている。それは人類が存続するための安全装置なのだ。このように強く主張したいと思います。
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 私も強く同感である。この地球に存在する多種多様な人種・国家は、その個々の差異が争いの種になっている場合が多い。もちろん戦争の原因は一筋縄では行かず、ヘゲモニー(主導権)争いや資源争奪戦、宗教戦争、その他のさまざまな要因がある。理想的には互いの差異を認め合って、同じ地球の存在空間を共有するものとして共生共存をするしかないわけだが、どういうわけか、人類は優生主義や覇権主義がまかり通っている。だからこそ、私は日本人が古来から受け継いできた、自然を崇拝し、平和を祈る、わが国の神道的共生観念が世界平和に寄与すると思っている。

 もう少し、観点を小さくして、日本国内の右と左の思想に的を絞って考えてみる。純粋な意味における右翼思想と左翼思想は、わかりやすく言うなら国家観の違いであろう。右翼は天皇を中心とした国家の伝統的連続性を重視する。一方左翼はマルクス・レーニン主義を標榜し、労働者を搾取する悪徳資本家が存在せず、国境の垣根も存在しない世界を理想とする。この二つの対極的なイデオロギーには、両翼ともに、より良い人間社会のあり方を希求するという共通の目的がある。一昔前は互いに不倶戴天の敵としていがみ合い、憎みあって衝突を繰り返していた。しかし、昨今は言論界から左翼勢力が鳴りを潜め(駆逐されたわけではなく潜在しているだけなのだが)、自称保守や右派が優勢を誇っているように見える。この状況は社会の画一化を招来し、はなはだ良くない傾向となっている。

 私のような思慮の浅い人間が言うのも気が引けるが、言論界を席巻した感じの自称保守勢力の問題点は、ずばり言って、そのアメリカ観にある。日本は大東亜戦争に敗北し、ニュールンベルグ裁判を模倣した東京裁判という、アメリカに都合のいい私設裁判で裁かれた。戦後、日本は経済復興を通じてアメリカの言いなりに進んできた。反共を唱えていたアメリカは、日本と日米同盟を締結し、当時のソ連や中国等から共産主義の進出を食い止める盾として日本を使った。刀狩り(軍隊消滅)をされ、無力になった日本は米軍を各地に駐留させ、フィリピン憲法を草案としたGHQ製日本国憲法を国是とした。戦後日本の左右イデオロギーは、反米にしろ、親米にしろ、アメリカを抜きにしては成立しなかったという経緯がある。面白いことに、そして悲しいことに、今の与党連中も野党連中も判で押したように現行日本国憲法を遵守するという方針では一致しているのだ。現行憲法の淵源を冷静にたどると、これが自生的憲法でないことは明白である。

 憲法が民族の精神性を集約する重要な国家の精神的支柱であることを考えれば、この現状は正すべきものだと思う。だからと言って私はけっして改憲論者ではない。単純に、日本人の憲法は日本人の手で作るべきだという立場である。日本は戦争に敗北し戦勝国のアメリカに価値観を押し付けられた面は否定できない。そうではなく、先祖から連綿と受け継がれているわが国固有の精神性が反映されている憲法を作るべきだと思う。それが結果的に現行憲法と大差ないものになったとしても、それは構わない。重要なことは憲法に民族自決の精神が生きているかどうかなのである。他国の思惑だけで成立した憲法に遵法精神が永遠に続くとは思われない。

 これ以上、憲法成立論に入るときりがないので左右思想の話に戻るが、小林よしのり氏などが「戦争論」を描いた辺りから、左翼撃退の気運が起こり、結果的に言論界から左派思想が消滅してしまったかのように見える。ここに深刻な問題が派生してきた。それは中曽根政権当時から顕著になってきた新自由主義が日本の政財界を支配し始めたことだった。新自由主義については、あらためて考えてみるつもりであるが、年次改革要望書の存在を世間に出した関岡英之氏はその画期的な著書「拒否できない日本」で、新自由主義開祖であるミルトン・フリードマンの思想について、イデオロギー的に言えば、それは極左急進的な無政府主義であると語っている。(P209)

 つまり、1980年ごろから為政者や財界に侵食していた考え方はネオリベ思想、すなわち極左急進的無政府主義の考え方なのである。これを市場経済的にわかりやすく言うと、日本の経済構造を市場原理至上主義に構造換えし、なるべく小さな政府を樹立して、世の中を市場経済に委ねるべきだという考え方だ。この思想は経済だけに限らず、日本人の思想構造にも徐々に強い影響を与えてきた。つまり拝金主義の台頭である。こういう思潮の流れができあがり、それが2001年からの地獄の小泉政権に結実したのだ。日本人は左右の対立軸を離れて、いつしかマモン(金銭、富だけが唯一の価値だという考え方)の神に心を奪われてしまったのだ。金銭至上主義は弱肉強食を容認する風潮を生む。

 つまり、昨今の日本は現実のネオリベ思想の台頭の裏で、いわゆる純粋な意味での左右思想の対立桎梏は無意味化されてきたのである。日本の言論界にアメリカ化がすっかり浸透してしまったということだ。アメリカという国を近代民主主義国家の理想の国であるかのような幻想が日本にあるが、それは大間違いである。アメリカこそ、フリードマンが理想とした極左急進的無政府主義国家の典型である。この話は長くなるからはしょるが、いわゆるフランス革命の理想を体現した国としてアメリカが生まれた。そう言うと、いや、アメリカが無政府主義だということはあり得ないし、かの国には上院下院議院があり、大統領は民主的に選ばれている。確固とした政府組織があるじゃないかと反論があると思う。しかし、イデオロギー的にはこの国はフランス革命以前の伝統的社会を全否定するところに建国理念を持った国家であり、民族の寄せ集め所帯に一貫した伝統性は存在しない。いわゆるアンシャン・レジームの全否定国家なのだ。アメリカはずばり言って、フェルデナンド・ラッサールが指摘した夜警国家そのものである。アメリカが有する軍事力の強大さは夜警国家の警察が肥大化した最終形なのである。従って、人類の地球共生理念から言ってこれほど脅威になる国家はない。

 ここまで言うと、保守や右派にして親米ということが、いかに自己矛盾するイデオロギーであるかということがおわかりだろう。従って、アメリカの傀儡政治を断行した小泉政権を支持する保守や右派が、いかに思想的に破綻しているかお分かりだと思う。理論的には左翼思想とネオリベ思想には無政府主義を理想とする志向性において強い親和性がある。しかし、今の日本の党派的思想においては、野党が小泉政権を弾劾していることで、奇妙な逆転現象が起きている。国民生活の立場から見て小泉政権糾弾における、もっとも正しい指摘をしているのは日本共産党である。この事実を鑑みれば、今の日本を浸襲するイデオロギーが従来の左右対立を超えたところに起きている地獄のネオリベ思想にあることは明らかだ。

 誤解なきように言っておくが、私は共産党シンパではない。皇室を殲滅する思想を持つ限り、共産党は最大の敵である。しかし、国民生活保護の観点から言う限り、共産党の指摘は正しいと思えることが多々あることは認めたいと思う。大きく眺めて共産主義の対極はアメリカではない。アメリカは夜警国家の体裁を取ってはいるが、国家の内実は極左無政府主義社会である。従って極左社会を理想とするという意味では、アメリカも共産主義の行き着く社会とほとんど同じ世界を夢見る人工国家である。ここには先祖の威徳も伝統の血も通わない無機的な世界だけがある。日本人のアメリカへの憧れは間違っている。いつの間にか、わが国にも浸透していたネオリベ思想の弊害を打ち破る有効な手立ては、伝統の良さに回帰することである。ほんの少しの具体例を上げれば、日本人特有の相互扶助感覚の復帰であり、弱者をいたわる気持ちが社会に広がることだ。草木一草、弱小動物に慈愛の眼差しを向け、自然を無神経に破壊しない感性を呼び戻すことだ。昔はごく身近に溢れていた共生感覚が日本人の特徴であった。そういう日本人の感性の基底には「もののあはれ」がある。それを大事に考える規範感覚を社会に醸成することが肝要だと思う。

 アメリカが唱える自由は欺瞞であり、その内実は無秩序と自堕落である。強いて言うなら、アメリカという国家は旧約聖書に出てくる背徳の街、ソドムとゴモラの再現国家である。人種の坩堝からくる無秩序と金銭至上主義を最高の価値に置く強欲(ごうよく)性が瀰漫した社会、それがアメリカという国である。これを睥睨し、律する唯一の方法は規範感覚ではなく、銃やミサイルに象徴される徹底した武力鎮圧である。この形態こそが夜警国家そのものだ。夜警国家とはネオリベ社会の最終形態なのである。今の日本がたどろうとしているのは、そのアメリカが歩んだ道筋である。小泉政権をただの政策政権の一種だという捉え方は危険であり、伝統ある日本のベクトルを夜警国家へ向かわせた大罪政権であるという見方を突き詰める必要がある。

 今の日本人は左右の桎梏を超えてネオリベ潮流と戦うべきである。そしてネオリベが日本から消滅した暁には、また堂々と論戦すればいい。今の状況で右派と左派が戦うことは、日本にネオリベを注入した悪質な勢力が高笑いするだけだろう。

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