三浦和義氏の不可解な死
ロス疑惑で有名なあの三浦和義氏が、8ヶ月勾留されていたサイパンからロサンゼルスに移送された。移送の理由は、ロス郡地裁が殺人については「一事不再理」で逮捕状の無効を判断したが、日本にはない殺人の共謀罪では追訴が有効とされたためだ。ところが、三浦氏はロスに到着してから、あまり時間が経たないうちに拘置所施設内で自殺した。
私はこの自殺に大きな違和感を覚える。第一、二十数年も前の事件を、それも日本では裁判的に決着の付いていることを、アメリカがいきなり蒸し返して強引に逮捕したこと自体が奇妙である。共謀罪の嫌疑とは言うが、三浦氏と共謀したという人物の存在をアメリカ当局ははっきりと確定しているとは一度も言っておらず、そのことを匂わしてもいない。その肝心のことを曖昧にして、いきなりの逮捕劇は、日本の法治体系を嘲笑ったかのような印象を受けているが、これは日本の司法に対する主権侵害ではないだろうか。もしそうでなければ、三浦氏の逮捕劇には何らかの国際政治的な裏事情があると考えるべきだろう。
ロスの拘置所で三浦氏が自殺。昨晩、テレビで知らされたこのニュースが世間に衝撃を与えている。このブログの読者さんには言うまでもないが、テレビや大手新聞のニュースにおける解説には、眉に唾をつけて聴く必要がある。時にはニュースそのものの選択性にも恣意的な意図を感じるときがある。それくらい、今のマスメディアは権力に都合のよい報道姿勢しか示さないからだ。したがって、ニュースやワイドショーで、ゲストや解説員等コメンテーターたちの言うことにはある種の政治的なバイアスが働いていると見たほうがいい。「三浦氏は共謀罪という、日本にはない法律で裁かれることに惧れをなし絶望したのでしょう」とか、「これから長くなる裁判に無力感を感じたのだろう」などと、三浦氏の心理的な方向にスポットを当てているが、その前に「拘置所内で自殺した」という事実の不自然さに疑いの目を向けたほうがいいだろう。これは本当に自殺なのだろうか?
ロス疑惑がメディアで騒がれる直前、1982年1月当時、三浦氏の元奥さんであり、ロスで銃撃された一美さんが伊勢原市の東海大付属病院に運ばれた。この当時のメディアの論調は三浦氏を、悲劇に巻き込まれ、悲しみに沈む不幸な被害者という見方であった。私事になるが、この時私は体調を崩し、同じ東海大付属病院で検査入院をしていた。ある日、病院の屋上にヘリが下りてきたのを病室の窓から見ていたが、詳しいことはまったくわからなかった。その当時、喫煙していた私は、入院していた階の喫煙所で時々タバコをふかしていた。深夜の零時ごろ、眠れなくて病室から抜け出し、一人で静かにタバコを吸っていた。そこへもう一人喫煙にやってきた男がいた。私服であったから、誰かの付き添いだろうと思った。成り行き上、彼とは入院生活のことや、その他の取り留めのないことを話した記憶がある。内容はほとんど覚えていないが、物腰が柔らかく、人当たりがよくて饒舌なお人だという印象があった。覚えていたことは、家族の付き添いをしている、最近までアメリカにいたということだけだった。あとでテレビの映像を見てわかったのだが、彼は三浦和義氏その人だった。顔と言い、話し方と言い、紛れもなくその人物だった。
当時はロス疑惑がセンセーショナルに報道される直前でもあり、私自身は悲劇の当事者として報道されていた三浦夫妻のことはほとんど知らなかったし興味もなかった。もちろん、あの時、何気なく会話を交わした人物が世を騒がせたロス保険金殺人疑惑の当事者であったことなど知る由もなかった。わずかな時間、袖がすり合っただけの機縁ではあるが、人生には不思議な出会いがあるものだ。
さて、今年の2月19日、海上自衛隊のイージス護衛艦「あたご」とマグロはえ縄漁船「清徳丸」の衝突事故があった。漁船側で蒙った二名の痛ましい死を見て、国民はイージス艦の操船関係者の怠慢を疑うとともに、最新鋭の索敵システムを装備する護衛艦が、むざむざ接近する漁船に気付かずに衝突してしまったことに大きな疑念を抱いた。このニュースが世間を騒がせているうちに、何と、サイパンにいた三浦和義氏が突然アメリカ司法当局に逮捕されたというニュースが舞い込んだ。「あたご」と漁船の衝突があった日から3日後の2月22日であった。
三浦氏逮捕については、いろいろな人がブログ等で、イージス艦衝突問題を逸らすために、日米の政府が共同して仕組んだものではないのかという疑問が提起されている。私自身も、この三浦氏逮捕報道に、あまりにも不自然なタイミングを感じたので、これにはアメリカ絡みの何か大きな裏があるだろうと思った。イージス艦の衝突問題には、海上自衛隊の規律の緩みとか、長い航海のあとの疲労の蓄積とか、海上自衛隊に起因する事故の原因はあったと思う。したがって、防衛省とか関係者が慌ててその実態を糊塗しようとしたことはあったと思う。しかし、そういうことが世論の俎上にあげられる前に、この事故に対してアメリカが非常に慌てたことは間違いない。植草さんはブログで、この問題に関し、テロ特措法としての給油新法成立、すなわちインド洋上で米軍の軍艦に給油する給油法の実効的継続をアメリカが強く望んだからだと書かれているが、それも可能性として考えられるだろう。
私は世論をイージス艦問題から三浦氏逮捕に向けたアメリカの意図は、自衛隊が使用する軍備、武器の問題だと感じた。軍用機やミサイル、その他、軍需産業国アメリカは日本を大きな市場としてみている。自衛隊は最も大きなマーケットである。海上自衛隊が保有するイージス護衛艦は、その索敵システムや攻撃能力など、米軍事技術の最先端に位置する高度な護衛艦ということになっている。その米国の科学軍事技術を象徴する最新鋭護衛艦が、一介の漁船に衝突してしまったという事実は、軍需兵器の売り手市場である米国の軍産コングロマリットを慌てさせた。日本国民の世論が、イージス艦というのは謳い文句とは異なって、目前にいて接近する得体の知れない物体さえも感知できない欠陥があるんだなという疑念である。もし、漁船が爆弾を搭載したテロ船だったら、イージス艦は、でくの坊と同じで、あっさりと爆沈していたのだ。この疑念が拡大すると、一番困るのがアメリカである。もし、日本人が、アメリカの武器や軍事兵器を、高価な税金を払って買うに値するものだろうかという根本的な疑いを持ったとすれば、一番困るのがアメリカなのだ。
これは世界を相手に武器商売をしているアメリカの武器商人には致命的な信用失墜になる。なぜなら、国際的に品物に対する日本人の目の確かさは行き渡っており、無意識にしろ、日本人がイージス艦を、大金ばかりかかって、大して役に立たないシロモノだと言う評価を出してしまえば、アメリカの武器輸出に大きな痛手を与えてしまうからだ。つまり、イージス艦衝突問題がこじれた場合、アメリカは日本への武器供与の道を閉ざされるだけではなく、世界市場への輸出にも大きなダメージをもたらすからである。武器輸出マーケットをロシア、中国、フランスなどに奪われかねないのだ。
もう一つの問題は日本を大きな武器買い手市場にするために、安倍政権が特に真剣だった憲法九条の改正も視野に入れているのだろう。憲法を改正し、自衛隊を自由に戦闘行動に向けることが出来るようになれば、アメリカは日米安保条約という属国的不均衡軍事同盟を利用して、自衛隊員をアメリカ軍の傭兵にする意図がある。その実現とともに、日本の自衛隊がアメリカの意向に沿って戦力の発動を行使するようになれば、アメリカは日本に大量の武器を購入させることができるからだ。日本人傭兵化と武器輸出、これはアメリカにとって一石二鳥であるが、こういう対日戦略が組まれている可能性は大きい。イージス艦の衝突事故は、この対日戦略の大きな阻害要因としてアメリカは受け取ったのだろう。
つまり、あのイージス艦衝突で真底泡を食ったのは、自衛隊というよりもアメリカだったということは考えられないだろうか。あの事件によって、世論に火がつき、日本人がイージス艦そのものを無用の長物だと捉えはじめる事を米国は極度に恐れたのかもしれない。そこでニュース報道によって国民世論をイージス艦から逸らす必要を感じ、ロス事件で一世を風靡した疑惑の主人公に焦点を当てたのではないだろうか。同時に、一部の人が言うように、日本国内で共謀罪を早く成立させよという、米国側の暗黙のメッセージも込められているかもしれない。
ともかく、あの衝突事件から効果的に世論の標的を逸らすニュースを捏造するために、三浦氏の強引な逮捕劇が演出されたのではないだろうか。結果的には、イージス艦問題は曖昧なままにされ、艦の索敵機能上の問題も、海上自衛官の士気の低下も、あれ以上問題視されることもなかった。これは、三浦氏の逮捕劇が奏効したというよりも、小泉政権の悪政に疲弊した日本人の追求エネルギーが枯渇したという方が当たっているだろう。今の日本人は悪を追求するエネルギーが弱まっている。小泉政権が敷いた拝金思想や弱肉強食の風潮で日本人は退嬰的になったのだろうか。
私はロス疑惑の真犯人が三浦氏であるかどうかはわからないが、ロスでの三浦氏の不審死は究明される必要があると思う。何やら他殺の匂いがする。
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日本に希望を与える信念の男、城内実
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コメント
俺は、三浦がロス疑惑の犯人だと思っています、
今回の死が偽装自殺・自殺・殺人・等どれだとしても自業自得だとしか思えません。
投稿: ゆずりは | 2008年10月14日 (火) 08時31分