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2008年10月29日 (水)

日銀は大規模な買いオペを実施せよ(小野盛司)

  (※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第130弾です)

 政府内で利下げ期待が高まっている。市場はすでに利下げを織り込んでいて、もし利下げを行わないなら、円高・株安になるとも言われる。世界中の中央銀行は今回の金融危機で一斉に金利引き下げを行っている。日本だけが、利下げをやらないと、金利差が縮まり、円キャリートレードによって流れ出た資金が逆流する結果、円高となり、そうでなくても悪い日本経済に更に追い打ちをかけて深刻な経済危機を招く。

 与謝野大臣も利下げに肯定的だが、どうせ効果はないだろうと発言している。経済相としては無責任極まる発言だ。なぜなら、こういったものは、実質的な効果以上に心理的な効果が大きいからだ。政府やマスコミがこれは効くと言えば市場はそれに反応するが、経済相が、どうせ効かないが、気休めにやればよいなどと言っていれば、効くわけがない。

 効くのか効かないのかは、大臣がどんぶり勘定で発言すべきではない。しっかりした経済モデルで効果を確かめるのが経済相のやるべきことだ。残念ながら与謝野氏は計量経済学に関しては白痴 同然だ。内閣府でどういう試算がでているかぐらいは知っておいてほしいものだ。そうでないと、国が税金を使って内閣府でマクロ経済モデルをつくり試算を行っても、猫に小判ではないか。利下げをしたらどうなるかについては、内閣府でも、民間のシンクタンクでもやっていて、すべて同じ結果がでている。以下にその効果をまとめる。

①景気をよくし、GDPを押し上げる
②税収を増やす
③物価を上げデフレ脱却を助ける
④国の借金を減らす
⑤円安になる。

 今の日本経済にとって悪いことは何一つない。もちろん、貯金の利子が下がるという欠点はあるが、それより融資を受けた中小企業の利息が減ることと、融資が受けやすくなることのほうがはるかに影響が大きい。デフレなのに金利を引き上げた日銀の暴挙には全く納得できないし、直ちにゼロ金利に戻せというのが、我々の主張だ。現在の日本の不況の一因は、日銀の金利引き上げだとも言える。

 日銀は金利引き下げ以外に、もっとやれることがある。正攻法でやるなら、市中から国債を大規模に買い入れることだ。その効果は、利下げと全く同じだ。ただし、利下げの場合はゼロ金利にしてしまったら、それ以上は下げられないのだが、国債買い入れの場合はもっとずっと大きな効果が期待できる。買い入れの額に上限がないからだ。もちろん、日銀が国債を買い入れれば、その代わりにお金が出ていく。これは刷ったお金であり、将来返さなくてもよいお金が国民に流れるわけである。

 心配性の人は、それにより、円の信頼が落ちるのではないかと言う。しかし、よく考えてみて頂きたい。今は、世界中で円だけが急騰している。それは、他の通貨が信頼が落ちて、資金が日本に逃げ込んでいると言われている。その資金が日本国民の手に渡り、日本人が自由に使えるお金になるならそれもよい。しかし、それは全くないのだ。円の急騰で日本経済が大打撃を受けるとして、日本株は、世界の先進国の中で最大の下落をした。つまり「相対的に円の信頼が高まりすぎる」ことは、経済に大打撃を及ぼすのだ。そのような時には、円の信頼を適度に下げるのがよい。そのための最良の手段は日銀が国債を買うことだ。適度な円安が進むまで買えばよい。それは為替介入よりはるかによい。

 もし円安にさせるため、ドル買いの介入をやったとする。それは財務省が国債を発行し、日銀に買ってもらう形で資金を手に入れ、それでドルを買う。そうすると形の上では、国の借金を増やし、アメリカに金を貸すこととなる。その金はアメリカを豊かにするが、日本政府の借金を増やすという意味で、日本人は国の借金が増えて貧乏になった気分になるだろう。

 円安誘導という意味で、同じ効果があるなら日銀に国債を買わせる、つまり買いオペをやらせるほうがはるかによいことは明らかだろう。日銀が国債を買い、それと入れ替わりにお金が市中に流れたら、そのお金はどこに行くのか。まさか遊ばせておく、あるいは、タンス預金にしておくとはいかないだろう。株を買うなら株が上がる、企業に融資するなら、企業の設備投資が増える。外国に流れるなら、円安に向かい、企業には恵みの雨となる。社債を買う場合も企業を助ける。また、政府の国債の追加発行が容易となり、財政拡大がずっとやりやすくなる。しかも国の借金に対し国が利子を払うときでも、日銀に払ったものは国庫に返ってくるのだ。そう言う意味で国の金利負担が減る。今の日本にとって悪いことは何もない。

 ノーベル経済学賞を受賞したサミュエルソン、クライン、クルーグマン等やFRB議長のバーナンキ氏など世界を代表するエコノミストが異口同音に主張していることであり、今の日本経済を救うための王道である。

小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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コメント

>いかりや爆さんへ

お元気な様子で安心いたしました。しばらく投稿をなさらなかったので、麻生内閣の、あまりに「朝三暮四」的な景気対策に立腹して血圧が上昇し、ジョンイルさま状態になってしまったかと不安を覚えました。

投稿: kenkensya | 2008年11月 1日 (土) 20時10分

kenkensyaさん、こんにちわ。

 わて、元気にしとります。元気なとろを少しだけ・・・偶にはくだらん話で如何でしょうか。

 田母神(たもがみ)航空幕僚長が「我が国が侵略国家だったなどというのは濡(ぬ)れ衣(ぎぬ)だ」などと主張する論文を発表していたことが分かって更迭された。

 人それぞれに、異なる意見を持つことは、非難されるべきではないと思う。だがどうせなら退職して、一個人となってから言えばいいものを、幕僚長という身分をわきまえなかった発言だべなあ。

 航空自衛隊のトップじゃから、墜落したつーことだべか、たんぼに落ちて濡れ衣になってしもーた。

 それにしても、田母神とは、先祖は田んぼの神様じゃったのかも?
 神さまにも不肖の子孫つーこともあるんだべなあ。

もうひとつ、

 サカーJリーグのナビスコ杯は1日、東京・国立競技場で大分トリニータ-清水エスパルスの決勝が行なわれ、大分が2-0で清水を下し初優勝した。

大分トリニータのシャムスカ監督の談話、優勝杯は必ず、「取りにいーった」満足です。

敗れた清水エスパルスの長谷川監督は、「うちも優勝杯、とりにーたけれど取れんかった、おー痛!」

みなさま、ごめんなさい。

投稿: いかりや爆 | 2008年11月 1日 (土) 16時51分

あっ、いかりや爆さんだ。

よかった、よかった。

投稿: kenkensya | 2008年10月31日 (金) 12時34分

 植草さんのブログに、「ブログ復旧のお知ら
せ」が掲載されました。

 既にご存知と思いますが、要点部分を紹介すれば、次の通りですが、毎日新聞社からのクレームは釈然としません。毎日新聞が、その筋からクレームがきたからびびっているのでしょうか。植草さんは、これにめげずに頑張ってほしい。

””この記事について、ココログ様より以下の連絡をいただきました。
「毎日新聞社より「毎日新聞の記事が全文転載されている。当該記事の全文掲載であるうえ、前後の脈絡から掲載する必然性もなく、著作権法上認められた引用にあたらない。」とのご連絡が弊社宛にございました。」””

尚、問題の毎日新聞の記事のURLは、

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081023ddm005010076000c.html

投稿: いかりや爆 | 2008年10月31日 (金) 12時08分

量的緩和再びってことでしょうか?

あの時の問題点はお金が投資に回らず金融機関による国債買いが発生したのですよ。

魅力的な事業が少ないから投資には金がまわりませんね。

投稿: | 2008年10月31日 (金) 09時22分

植草さんのブログ:植草一秀の「知られざる真実」は、アクセスが禁止されています。

情報お持ちのかたお知らせください。

投稿: いかりや爆 | 2008年10月31日 (金) 06時39分

>残念ながら与謝野氏は計量経済学に関しては
>白痴 同然だ。

 小野会長、憤激してますね。coldsweats01

 内閣を代表する与謝野経財相が「どうせ効果は
ないだろう」はない。経済のプロだとか自認して
いるが、こんなことを言えば市場心理を冷やすこ
とは自明なのに。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月29日 (水) 23時38分

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» 植草さん「ブログ復旧のお知らせ」が出ました。なお昨日30日、麻生の豪邸見学コースを歩いて撮った写真をご紹介しておきます。 [雑談日記(徒然なるままに、。)]
※植草さんの「ブログ復旧のお知らせ 」が出ました。毎日新聞からのクレームがココログにあったようです。(この毎日のクレームも言論弾圧の疑いが濃厚で、かなり問題ありだと思う。植草さんへのクレームが通るなら雑談日記だけでなく、他の多くのブログもやられる可能性が大です。)  最初知った時、本当にビックリしました。これって場合によるとかなりの確率で近未来かも知れませんよ。一応ビックリした以下の部分も残しておきますね。  植草さんの、blog植草一秀の『知られざる真実』が現在アクセスできません。クリックすると、... [続きを読む]

受信: 2008年10月31日 (金) 13時14分

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