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2008年10月13日 (月)

国家ぐるみの拉致はテロではないのか?

 米国務省は北朝鮮にかけていた、テロ支援国家指定を解除すると発表し、北朝鮮はこれを歓迎する旨の声明を出した。同時にブッシュ大統領は麻生首相に電話をかけ、この指定解除の経緯を説明、「日本国民が強い懸念と不安を持たれていることを理解している。被害者家族への深い同情と、この問題を解決するための誠実な気持ちをお伝えしたい」とリップサービスをした。

 このアメリカの態度を素直に見れば、日本人の拉致問題がまったく解決されていない中、国家ぐるみで日本人を拉致拐取(かいしゅ)した北朝鮮を、アメリカの都合でテロ支援国家指定解除をするのは、同盟国日本の主権侵害に対し何の配慮もしていないことと同じことである。この事実にアメリカが日本という国をどう考えているか、そのスタンスがよく見えてくる。日米安全保障条約とは、幕末の「日米修好通商条約」と同質の完全なる不平等、不均衡条約であり、ありていに言うなら、宗主国と植民地の形式上の条約みたいなものである。こういう情けない二国間関係の中、小泉・竹中氏を中心とした小泉売国政権は、同胞を裏切って、アメリカに利益供与する政策に奔走した。これだけ、アメリカのポチ勢力がアメリカに国富を貢いでやっても、アメリカは日本を何とでもできる属国弱小国家としか考えていない。

 ブッシュ大統領は、テロ支援国家指定解除の声明を出す30分前に麻生首相に電話をかけたそうだ。麻生首相はそのことで、個人的な体面は保てたのかもしれないが、国家としてみた場合、同盟国によるあからさまな主権無視である。以下、13日の中日新聞朝刊のWeb記事から抜粋する。

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超党派の拉致議連会長の平沼赳夫元経産相(無所属)も埼玉県本庄市で記者団に「ブッシュ大統領は(拉致被害者家族の)横田早紀江さんと会い、拉致問題は忘れられないと言っていただけに、(解除は)理解できない」と不快感をあらわにした。

 閣僚や自民党からも異論が出ている。中川昭一財務相は訪問先の米国で記者団に「同盟国である日本と事前によく相談をした上でやったのかどうか。多分違うんだろうと思う」と述べた。自民党の石原伸晃幹事長代理もテレビ番組で「日本に相談なくやったのは唐突な印象だ」と述べた。どちらの発言にも、米国は日本を軽視しているという不満がにじむ。

 拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さんは指定解除までの日米の連携に疑問を投げかけ「日本の重要問題として『解除はダメだ』と米国に徹底してくれたのだろうか」と政府不信を強めた。
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  平沼さんや中川昭一氏が不満を示すように、米国のテロ支援国家指定解除声明は日本の主権無視である。北朝鮮が核兵器やミサイルを造り、他の国へ輸出することは明らかにテロ支援である。だが、多数の日本人が北朝鮮に国家ぐるみで拐取された事実はテロではないと言うのだろうか。米国の態度は明らかに矛盾している。核問題における六カ国協議で日本人や韓国人、その他の国の拉致問題を棚上げして核問題のみに絞る行為自体が国際平和の観点から言ってあり得ないものだと思う。拉致問題も核問題と同等に平和への重大な侵害であり、被害国家への主権侵害である。

 米国はサブプライムローン問題という金融詐欺証券の世界拡大で、世界全体に著しい迷惑をかけているばかりか、本国自体が危うい状況に至っている。正直、北朝鮮を相手にしている余裕が失われたことが、今回の声明に及んだのだろう。しかし、世界の警察として地球の正義を担ったと自負していた大国が、北朝鮮のような無法国家も睥睨できなくなった今日、なりふり構わず自国防衛に的を絞っている。金融問題と言い、北朝鮮をコントロールできなくなった国力の低落といい、米国は没落の一途をたどっている。

 日本は今こそ、米国の桎梏から逃れて自尊自立の方向性を模索するべきだ。他国の脅しに屈しない正常な軍事力を持ち、自国発意による憲法を樹立してアジアの健全な立国を目指して進む道を作るべきである。アメリカに精神的に頼っていた日本人は、アメリカのこの体たらくを見て、かの国が他国のことなどはまったく省みない自己中心の国であることを銘肝し、心構えを変えるべきである。しかし、これは中国に頼れということでは決してない。日本人は通州事件をけっして忘れるべきではない。毒餃子事件は通州事件に比べればまだ優しいほうである。中国に気を許したとたんに、日本は完全消滅するだろう。

 日本は固有の文明圏にある。中国に対しては、千年以上も前に聖徳太子が示した気概を忘れない方がいい。すなわち日の昇る国の自負心である。アメリカに着くか、中国に着くかという発想自体が東京裁判史観に囲繞された克服すべき戦後の宿痾(しゅくあ)なのだ。この宿痾から脱却するタイミングが今である。アメリカは事実上、拉致問題を無視した。これは同盟国日本が属国であることを充分に証明することにほかならない。

 以上の文脈から、日本は自尊自衛の国家を志向する時期にさしかかっている。経済ももちろん自尊自衛の方向性を持つ必要があるが、他国の干渉を避けるにはきれいごとでは無理だ。日本という国を正当に守るための軍事力が必須なのである。日本人は大東亜戦争悪玉史観を捨て去るべきだ。これが持続している限り、いつまでたってもアメリカや中国のような狡猾な国から利用される傀儡(くぐつ)国家の位置から抜け出せないのだ。日本人が軍事力を持つと、すぐに他国侵略という短絡的なイメージが醸成されているが、これこそが東京裁判史観である。これを超克しない限り、日本人は永久に尊厳も日本人らしさも持つことはできない。

  言いにくいことなのだが、日本人は拉致問題への対応について基本的な考え方が間違っている。それは拉致は犯罪だからアメリカや他の国が何とかしてくれるだろうと底意では考えていることだ。国家は国民を保護するから国家である。したがって国民を拉致された場合は国家の威厳にかけてこれに対応する必要がある。北朝鮮の拉致は国家による主権侵害行為であり戦争行為なのだ。日本が北朝鮮にまともな対応をするには、拉致被害者を即刻全員帰国させよと命令し、賠償金を出させ、金・正日に正式に謝罪させることである。これを受け入れなかった場合は、宣戦布告して武力攻撃をすることが日本の正常な対応である。

 この当たり前のことが日本は憲法上の制約で出来ないことになっている。これはまともな国家の姿ではない。なぜ主権侵害を受けても武力行使できないのか。この理不尽な状態は子供でもわかる。他国に同胞を拉致されて、手も足も出ない国は異常である。この異常さを平和国家の国是だと信じて疑わない日本人が多すぎる。やられっぱなしのパシフィズムは国家規模のサディズムである。本当の平和を確保するためには、然るべき力の裏づけが必要だ。この道理を忘れてアメリカ頼みでは国は衰亡する以外にない。

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受信: 2008年10月13日 (月) 11時04分

コメント

「個人の犯罪は裁かれるが国家の犯罪は肯定される」のまさに好例であろう。
北鮮と言う国家(?)が犯し続けた拉致と言う蛮行に対して「世界の警察」を自認する米国が被害者(日本)無視同然の釈放宣言である。あまつさえ北鮮は事あるごとに恫喝をもって世界諸国から支援と言う名の強奪を行ってきた国家と言うに値しない犯罪集団である。米国ブッシュ政権のボタンの掛け違いを狡猾に利用し、(イラク戦争)、我が国に対しては拉致を認め一部被害者を帰国させるという手法で全てを水に流そうとした。未だ北鮮に残されている被害者に対しての問いには「解決済」の一点張りで仕舞いには我が国に対して戦後補償を求めて来る厚顔無恥ぶり。盗っ人猛々しいにも程があろう。
このような国家をテロ支援国家から外す事自体我が国以外にとっても災いを齎すだけである。そもそも目先の利益ばかり追い続けた米国の政策上での失態であり、もはや「世界の警察」と言う資格などないのである。

投稿: 中村主水 | 2008年11月11日 (火) 05時34分

「重心移動を明らかにすること」

先日、戦後に行われた文化人の左から右への重心移動について詰まらない雑文を投稿させていただいた。
多くの言論人が、ひっそりと目立たぬようにこれを行ったが、自らの過ちを素直に認め之を公言した「はずかし」き(古語=相手が余りに立派なので、こちらが恥ずかしくなる)言論人を私は狭い読書範囲の中で二人だけ知っている。
林達夫氏と現代コリアの佐藤勝巳氏である。そしてこのお二人は、かつて日本を覆っていた社会主義幻想のユーフォリアの中で、その間違いを私のような凡人のおよそ二十年以上前から指摘し、その本質を見抜いておられたのである。
現在、手元に置く本は10冊までと決めて、読み終わった本は片っ端から売ってしまうので全て記憶で書くが、林達夫氏については中公文庫の「共産主義的人間」の解説で福田章二氏(庄司薫氏)が「私たちは、その書かれた内容と、その書かれた日付を見比べるとき驚きを禁ぜずにはいられない」と賞賛しておられたが私もまったく同感だった。
佐藤勝巳氏については「わが体験的朝鮮問題」の中で、当時の社会主義熱に染まってしまった自分が「北朝鮮帰還運動」に協力してしまったことを「斧をもて身を穿つ」筆致で悔やんでいることを記してあるページを読んで胸を打ち抜かれる思いがしたものだった。私は、その部分を何遍も読み返し、その透明度の高い率直さに涙が滲むのを禁じえなかった。

しつこく2003年のことを蒸し返して恐縮だが、あのとき東京市場を暴落させ、底値買いを仕上げるのに一役買ったのは北朝鮮によるミサイル発射事件であった。私はあのときからアメリカと北朝鮮が裏で繋がっているのではないかと、確信に近いものを抱いている。同時に、拉致問題で名前を売った小泉、安倍両氏は所詮アメリカの言いなりで、その解決を図ろうという言動はすべてポーズに過ぎないと考えてきた。無論、「六カ国協議」など茶番劇に過ぎないとハナから軽くみていた。僭越な推測で失礼極まりないとは思うが佐藤勝巳先生も同様な思いであったのではないか。
「拉致問題」は純然たる日本の問題である。もうアメリカが当てにならないことは、いくら物分りの悪い新米保守の人間にも理解できただろう。あとは我々がこれを解決してゆくしか方法はないのだ。

# 高橋先生、下らない内容の雑文ですので、お気にめされない場合には遠慮なく削除なさってください。

投稿: kenkensya | 2008年10月14日 (火) 06時11分

はじめまして、harepandaと申します。

ロゴが好きな方と見えますので、よろしければ当方の麻生ロゴも貼っていただけますと、うれしく存じます。

http://harepanda.blog.so-net.ne.jp/2008-10-04-1

よろしくお願いします。

投稿: harepanda | 2008年10月14日 (火) 04時22分

スカブVR様

 コメントありがとうございました。

>週刊誌が問題にした当時、日本の警察も政府
>も、まともに北朝鮮に対し外交的に働き掛け
>をしたのでしょうか?
>私的には、この事こそ問題と思っています。

 確かにそのことは言えると思います。当時の趨
勢は左翼的要素がつよく、北朝鮮や韓国に気を使
いすぎた面はあると思います。日本の教育は戦後
一貫して国家観の溶解を促進する教育でした。別
の言い方をすれば主権国家の意識剥奪の教育で
す。

>終戦時、一般人で満州に暮らしていた人々は、
>日本国から守られてのでしょうか?

 終戦当時の関東軍を擁護するわけではありませ
んが、すでに満州の邦人を守る力は失せていたと
思われます。ソ連軍の満州侵攻時に北にいた邦人
は守られずに多くの犠牲を出し、虜囚にされまし
た。しかし、南下逃避行をした邦人を関東軍が先
導して守ったという事実も忘れてはならないこと
です。北を犠牲にして南を守ったという面もあ
り、歴史の残酷さ悲しさを覚えます。関東軍が満州
邦人を一概に見捨てたという単純な見方もできない
と思います。史実に位相は単線的にいかないことが
あり、むずかしい話ですね。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月13日 (月) 15時39分

日本人の北朝鮮による拉致ですが、私の認識不足かも知れませんが、今でこそ大騒ぎをしていますが、拉致されたと週刊誌が問題にした当時、日本の警察も政府も、まともに北朝鮮に対し外交的に働き掛けをしたのでしょうか?
私的には、この事こそ問題と思っています。
今になって北朝鮮が云々と報道するTVメディアは、当時はどうであったのでしょう?

小泉首相の時、イラクで人質になった日本人に、首相は自己責任と発言しました。TVメディアも同様であったように記憶しています。
他国に拉致や誘拐されて人が、時の政府を支持する立場であるか否かに関わらず、政府もTVメディアも邦人を救出する立場に立てないような国は、
北朝鮮の拉致を根本的に避難することができうるのか。
都合の良いときには国民の生命と財産を守のが国の仕事と言われても…。

終戦時、一般人で満州に暮らしていた人々は、日本国から守られてのでしょうか?

投稿: スカブVR | 2008年10月13日 (月) 15時12分

miyaho様

 コメントありがとうございました。米国と北朝
鮮は国家史的な観点からみれば、おっしゃるよう
にチンピラ同士で親和性があります。裏では通じ
ているのでしょう。イラクには権益があるから侵
略しました。北朝鮮を受容しているのは極東に不
安定要因を置くことによって米国に地政学的な有
利さや他の目算があってのことでしょう。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月13日 (月) 15時05分

いうも貴重なご意見ありがとうございます。内容に全面的に賛成いたします。米国と北朝鮮は類は友を呼ぶようにチンピラ同士で仲が良いのでしょう。根本の問題は「なりすまし」議員や「カルト」議員による国民への欺瞞に満ちた扇動によります。この連中を排除し、日本の真の姿を取り戻さねばなりません。日本テレビ・読売新聞などが初期にCIAの予算が入っていたとも聞きます。メディアを変える事ができるのか?ただの奴隷に満足し、米国のおこぼれを頂戴しありがたく思うのか?私は絶対にいやです!この好機に日本人は自立し、あたりまえの国家を築くべきです。

投稿: miyaho | 2008年10月13日 (月) 14時13分

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