« 国家ぐるみの拉致はテロではないのか? | トップページ | 今年ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンの主張(小野盛司) »

2008年10月14日 (火)

2003年、日本底値買いの環境について

_______________________________________________________
(kenkensyaさんの投稿)

    「重心移動を明らかにすること」

 先日、戦後に行われた文化人の左から右への重心移動について詰まらない雑文を投稿させていただいた。多くの言論人が、ひっそりと目立たぬようにこれを行ったが、自らの過ちを素直に認め之を公言した「はずかし」き(古語=相手が余りに立派なので、こちらが恥ずかしくなる)言論人を私は狭い読書範囲の中で二人だけ知っている。

 林達夫氏と現代コリアの佐藤勝巳氏である。そしてこのお二人は、かつて日本を覆っていた社会主義幻想のユーフォリアの中で、その間違いを私のような凡人のおよそ二十年以上前から指摘し、その本質を見抜いておられたのである。

 現在、手元に置く本は10冊までと決めて、読み終わった本は片っ端から売ってしまうので全て記憶で書くが、林達夫氏については中公文庫の「共産主義的人間」の解説で福田章二氏(庄司薫氏)が「私たちは、その書かれた内容と、その書かれた日付を見比べるとき驚きを禁ぜずにはいられない」と賞賛しておられたが私もまったく同感だった。

 佐藤勝巳氏については「わが体験的朝鮮問題」の中で、当時の社会主義熱に染まってしまった自分が「北朝鮮帰還運動」に協力してしまったことを「斧をもて身を穿つ」筆致で悔やんでいることを記してあるページを読んで胸を打ち抜かれる思いがしたものだった。私は、その部分を何遍も読み返し、その透明度の高い率直さに涙が滲むのを禁じえなかった。

 しつこく2003年のことを蒸し返して恐縮だが、あのとき東京市場を暴落させ、底値買いを仕上げるのに一役買ったのは北朝鮮によるミサイル発射事件であった。私はあのときからアメリカと北朝鮮が裏で繋がっているのではないかと、確信に近いものを抱いている。同時に、拉致問題で名前を売った小泉、安倍両氏は所詮アメリカの言いなりで、その解決を図ろうという言動はすべてポーズに過ぎないと考えてきた。無論、「六カ国協議」など茶番劇に過ぎないとハナから軽くみていた。僭越な推測で失礼極まりないとは思うが佐藤勝巳先生も同様な思いであったのではないか。

 「拉致問題」は純然たる日本の問題である。もうアメリカが当てにならないことは、いくら物分りの悪い新米保守の人間にも理解できただろう。あとは我々がこれを解決してゆくしか方法はないのだ。

__________________________________________________________

(管理人の感想)
  kenkensyaさんには、いつも深いご知見を示していただき、それは私や読者さんに大いに知的な刺激をもたらします。ほんとうにありがたいことです。今回の貴重な意見の中で、私なりに重要なご指摘と感じたのは、左から右への思想遍歴の問題でした。それはとても興味深いテーマなので、次回エントリーに題材として取り上げ、思ったことを少しばかり書いてみたいと思います。

  さて、後半部に書かれた2003年の日本株式底値買いの状況は、植草さんが指摘された、りそなインサイダー疑惑とも大いに関わるものですから、2003年前半部、日本国内や周囲で起こった重大なニュースなどを検証してみることは、興味深いことを浮き上がらせてくれるかもしれません。当時の日本国民の耳目を引き付け、不安心理を醸成していたニュースは確かにいくつかありました。その中で、kenkensyaさんが指摘した北朝鮮による地対艦ミサイルの唐突な発射実験はアメリカの思惑を疑ってかかる必要があろうかと思います。

>2003年のことを蒸し返して恐縮だが、あのとき東京市場を暴落させ、
>底値買いを仕上げるのに一役買ったのは北朝鮮によるミサイル発射事件
>であった。私はあのときからアメリカと北朝鮮が裏で繋がっているので
>はないかと、確信に近いものを抱いている。

 なるほど、まったくおっしゃるとおりだと思われます。2003年という年は、新型肺炎SARSが香港を中心に猛威をふるっていて、日本人はいつそれが日本国内に波及するのかと戦々恐々としていました。3月にはアメリカがイラク開戦を宣言して世界に衝撃を与えています。それに加えて、kenkensyaさんがご指摘のように、2月25日には、いきなり北朝鮮の地対艦ミサイル発射実験がありました。この実験が日本人に与える心理的なダメージは大きく、当然、東証株価のダウンに影響を与えたと思います。

 日本人はアメリカに騙されているかもしれません。この当時、北朝鮮から発射された地対艦ミサイル「シルクワーム?」は、アメリカの対北朝鮮軍事行動を想定して、北朝鮮が示威行為として打ち上げたと言われているようですが、実はアメリカが北朝鮮と通じていて、日本を怯えさせる目的で三文芝居を演出した可能性がありますね。植草さんが指摘したとおり、りそなにかかわる金融疑惑が進行していたとすれば、底値買いを狙う者たちはなるべく日本株価を叩き落したいと思っていたことでしょう。その環境をバックアップするために、アメリカが北朝鮮と睨み合いを演出してシルクワームを発射させ、日本を脅した。こう考えるとタイミングと言い、合理性といい、つじつまが合うんですね。

 りそなが公的資金を注入されるまでの間、株価は7607円まで下落しています。メインは竹中氏などが恣意的に金融不安を煽り立てたためですが、周囲では日本人の気持ちを萎縮させる工作が北朝鮮を通じて行われていたとすれば、合点がいきますね。昨日のテロ支援国家指定解除をみると、アメリカと北朝鮮が敵対関係にないことは明白です。国際政治というものは怜悧冷徹ですね。日本には軍事力の自縄自縛憲法があり、反撃ができないことをよく知っているアメリカは、日本の資産を奪うためには、小泉氏や竹中氏を使って内部工作し、バックアップで北朝鮮を使って脅す。結果的に日本株価は効果的に下がり、米系外資は砂糖に群がる蟻のように日本の資産果実を収奪する。金融庁の不穏な動きと符牒を合わせ、米国は世界戦略に絡めて、同時に対日戦略を実行していた。そういうシーケンスが見えてきますね。この状況、内憂外患のきわみです。これも、日本に自主独立の気概が存在しないからです。

 kenkenshaさん、もしかしたら・・・。
2003年3月20日はブッシュがイラク開戦を発表した日です。まさか、このタイミングも日本の株価下落を狙って計画したのでしょうか?イラク開戦が日本の金を目当てにして起こしたことは既述しました。しかし、その開戦タイミングは日本人の不安心理醸成も兼ねていた・・。まさに二重の仕組みです。そう考えると、これは郵政民営化作戦に次ぐ「日本国富」収奪作戦の外野的バックアップの最高潮になるのですが。どうでしょうか。そうなると、米国はイラクの石油資源収奪作戦、中東の地政学的橋頭堡確保、そして日本の株価下落狙いという三本締め作戦を実行したのかもしれませんね。

人気ブログランキング ← この記事に興味を持たれた方はクリックお願いします!!

植草一秀応援バナー

城内みのるさん応援サイトへ日本に希望を与える信念の男、城内実

|

« 国家ぐるみの拉致はテロではないのか? | トップページ | 今年ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンの主張(小野盛司) »

コメント

>その環境をバックアップするために、アメリカが北朝鮮と睨み合いを演出してシルクワームを発射させ、日本を脅した。

こういう馴れ合いのプロレスごっこを見抜けなかったのか、国内の「対北朝鮮強硬論」を煽って支持率を上げたかったのか、はたまた拉致被害者への体面を考えたのかは知りませんが、時の小泉内閣が「りそな銀行」を救済した後(これで、どの銀行も全部安心だと国民は思ったはずです)、北朝鮮へ直接送金可能な数少ない銀行の一つである栃木県の「オットセイ銀行」(仮名)を無理やり潰したのは、まさに暴挙と言えるのではないでしょうか。
北朝鮮への送金をストップさせるのには大賛成ですが、これによって栃木県の事業経営者や地域経済が地獄の憂き目を見ることになるのを全く考慮していなかったのですから恐るべきものです。

投稿: kenkensya | 2008年10月17日 (金) 01時39分

愛読者です様へ

>貧しき者(ヤクザ≒アメリカ)に施しをするのも必要でしょう。単に経済援助するだけではアメリカのプライドが許さないでしょうから、連中には「バカな日本人を騙して金を巻き上げてやった」と思わせておいてあげるのが思いやりというもの。この方が世の中円滑に回ります。

うわぁ、素晴らしい!大人の意見ですね(しかもユーモアがある)。こんな内容を書けるなんて正直に羨ましいです。皮肉でも何でもありませんから間違えないでくださいね。
小生にはインパッシブルです。精神がチャイルドなうえに、アスホール(ケツの穴)が、とびきりナローですから。(こんな言い方をする芸人がいたような気が・・・)

投稿: kenkensya | 2008年10月16日 (木) 15時23分

恥ずかしながら、コメント書かせていただきます。
2003年からの外資による日本の富の略奪ですが、日本の経済的な能力があらゆる点で高すぎて、よその国はとても太刀打ちできないというのが根本原因ではないでしょうか。
私は日本の潤沢な儲けのうちからアメリカに少々恵んでやった、ぐらいに思うようにしてます。日本国内で物理的なテロを起こされても嫌なので、貧しき者(ヤクザ≒アメリカ)に施しをするのも必要でしょう。単に経済援助するだけではアメリカのプライドが許さないでしょうから、連中には「バカな日本人を騙して金を巻き上げてやった」と思わせておいてあげるのが思いやりというもの。この方が世の中円滑に回ります。
ただし、アメリカに施しをするために日本人の中に不幸な人が出るのはいただけません。これだけは是正しないと。
今回の金融危機で外資は日本からあらかたいなくなるでしょうから、今はただ2003年からの日本の富の略奪が手切れ金となってくれることを祈るばかりです。
が、今の日本には無理でしょう。手を切るには軍事力が必要ですね。日本が軍事力をもったら覇権国とならざるを得ないでしょうから、それは真っ平ゴメンです。
今の世界で国家の生活水準を上げるには、資源を持つか、軍事力を持つか、経済力(あるいは技術力)を持つかのいずれかで、日本に資源はないから後者二つとなりますが、(軍事力を持つ国=ヤクザ)、(経済力を持つ国=カタギ)の図式が成り立つでしょうから、私としては(多分多くの日本人のメンタリティとしても)経済力で立国せざるを得ない。だから日本人はまっとうに働いて、これからもヤクザ国家(覇権国)に施しをしていく道を歩むんでしょうね。
最後に、日本から覇権国への富の移動ですが、私はこれを“施し”と思ってますが、これを“貢物”と思うと腹が立ちますね。この捉え方如何で国の行く末が大きく変わることでしょう。

投稿: 愛読者です | 2008年10月16日 (木) 12時26分

kenkensyaさん、こんにちは。

>今回の事について、ネットで盛んに北朝鮮を攻
>撃してきた「親米ウヨク」の方々の感想なりコ
>メントを読んでみたいものです。

 次回の私のエントリーでも言うつもりですが、
親米右翼という偽装右翼ほど国民の目を曇らせた
ものはいないと考えます。結論的に言えば左翼
ユーフォリアにトチ狂って、先祖達の気持ちを踏
みにじっていた時代よりも日本毀損度が桁違いに
大きいものだったという話です。

 北の問題を長く担当している米国のヒル国務長
官の日本に対する態度を見ていましても、やる気
がないことは明白でした。北朝鮮は極東の不安定
要因として米国が存続させていることは確かです
が、同盟国である米国による日本への武力脅迫も
兼ねていたという認識ができますね。西側民主主
義国家への脅威という位置づけは偽装であり、実
は極東の地政学的な意味における代理機関みたい
なものです。

kenkensyaさんのご指摘によって、日本への睥睨
も兼ねていることが見えたのは新鮮な認識でし
た。米・ロ・中・韓にとって、かの国が都合のい
い状況は日本がつんぼ桟敷に置かれることも当然
なことです。さて、米国の北朝鮮に対する落とし
どころは、日本から莫大な朝鮮総督府への賠償金
を踏んだくり、米中露が北朝鮮を中立な場所とし
て創り変える魂胆でしょうか。まあ、わかりませ
んが日本が蚊帳の外に置かれることは変わりない
でしょう。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月15日 (水) 11時33分

高橋博彦先生へ

過分のお言葉まことにありがとうございます。最近ピントのずれたようなものばかり書いておりましたので(多少、故意の部分もありました)、呆れておられるかもしれないと思っておりました。

北朝鮮に関しては、あのような出鱈目な国でも存在させておくことが、地政学的に米・中・ロ・韓の四カ国にとって都合がいい(国益に適う)、ということだけが全てだと思います。
従って、この点を無視しての北朝鮮崩壊論も、更にこの反対の北朝鮮脅威論も的外れに終るのではないでしょうか。少なくとも米・中・ロのパワーバランスが大きく崩れない限り、誰がどう騒ごうが北朝鮮という国は、このまま騒動の種として存在し続けると思います。

話は変わりますが、昭和14年の平沼騏一郎内閣のときに、三国同盟を締結するか否かで、締結反対派には時の右翼勢力から猛烈な圧力と脅迫がかかりました。ところが意外にもドイツがソ連と独ソ不可侵条約を結んでしまったため、推進派(白鳥大使等)はドイツに大きく裏切られた形になって、さすがにキマリが悪かったらしく、それでも未練たらしく口をモゴモゴさせていました。また平沼内閣は「欧州新情勢、複雑怪奇也」として総辞職しました。

今回の事について、ネットで盛んに北朝鮮を攻撃してきた「親米ウヨク」の方々の感想なりコメントを読んでみたいものです。別に先見の明を誇りたいわけではないですが、少し考えてみれば、こうなる結末は見えたような気もするのですが。

投稿: kenkensya | 2008年10月15日 (水) 10時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/141377/42787159

この記事へのトラックバック一覧です: 2003年、日本底値買いの環境について:

» SAFETY FIRST [無名天地]
英政府、銀行救済策で公的資金8兆8000億円注入へ 写真3枚 国際ニュース : AFPBB News 【10月8日 AFP】(写真追加)英政府は8日、世界的な金融危機にさらされている国内銀行への救済措置として、主要8行の一部国有化を含む、総額最大500億ポンド(約8兆8000億円)の公的...... [続きを読む]

受信: 2008年10月14日 (火) 23時10分

» 再開94回目 はい、儲けました [ネトウヨの呟き 〜気ままにつれづれ〜]
 折角の情報を活かすことが出来なかった俺ですが、それでも利益を出すことが出来てちょっと嬉しい今日この頃です。  話が見えない方が大半だと思いますが、情報についてはこちらを↓ 【チベット】株安と親中売国企業への制裁 http://tafu.iza.ne.jp/blog/entry/749850/  日産、買えませんでした。すごく残念です。  ていうか、何今日の上げ幅。東証一部の、しかも日本の顔とも言える日産が一日で70円以上の値上がりって何!?  そりゃあバカみたいに安い値段だったけど・・・・... [続きを読む]

受信: 2008年10月14日 (火) 23時50分

» 株は騰がったが!? [新三ログ]
株が、歴史的高騰をしたと報道されている。あれだけ下がれば、少しでもいい条件が出れば高騰するだろう。2000円下がって1000円程度上がったとこ... [続きを読む]

受信: 2008年10月15日 (水) 07時24分

« 国家ぐるみの拉致はテロではないのか? | トップページ | 今年ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンの主張(小野盛司) »