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2008年10月12日 (日)

メディアはアフラトキシン汚染米の真の恐怖を報道しない

11_2   7日に発売された「紙の爆弾」11月号は、ハードな社会問題が羅列されていて、とても充実した内容である。一読をお勧めする。私が特に興味を持ち、戦慄しながら読んだ記事は、翻訳家・ジャーナリストである佐藤雅彦氏が書いたものだ。題名は「発癌カビ毒『アフラトキシン』は“毒素兵器”として認定されるシロモノだった!」であり、文字通り衝撃的な内容である。

 事故米、汚染米と名づけられ、毎日のようにマスコミに報道されている毒物含有米は、内政、外政ともに、多岐にわたる日本の問題点を露呈している。わかっている部分だけでも、農水省の杜撰さや業者との癒着、また、GATTウルグアイ・ラウンドで米国から強圧的にコメ市場の門戸開放を迫られ、95年以来、米国、オーストラリア、中国、タイ、ベトナムなどからミニマム・アクセス米(MA米)をいやいやながら輸入している、本邦の国際的立場の問題もある。生ものを遠路はるばる時間をかけて運んでくるのだから、虫が湧いたりカビが発生する。これを防止するために強力な殺虫剤や殺菌剤を使用するのは必然の成り行きだ。つまり外米はカビや農薬で汚染されるのだ。

 佐藤氏の記事によれば、平成の事故米騒動の勃発は、9月5日に農水省が三笠フーズの「事故米」偽装転売を発表したことだった。農水省ははじめ買い入れたミニマムアクセス外米を倉庫保管していたが、会計検査院によって、これが公費無駄遣いだと厳しく指摘されるに及び、霞ヶ関は保管MA米を早急に放出せざるを得なくなった。厄介物を買い取ってくれる三笠フーズのような会社は渡りに舟だった。辞任のきっかけとなった太田誠一前農水相の「中国毒餃子の濃度に比べれば60万分の1の低濃度」発言は、世間の猛反発を招き、慌てた自民党官邸サイドは、農水省が発表を渋っていた流通先の公表を急がせた。その結果、発表された業者は汚染米偽装詐欺を知らずにつかまされた末端の企業であった。事業者の権利も守らねばならないと直前まで言っていた太田農相が、末端流通先事業者をいきなり奈落の底に突き落とした。

 汚染米騒動には、このようにいろいろな問題が噴出しているが、詳しくは佐藤氏の記事を一読してもらいたい。この問題の背景に付随する行政の姿勢や国際的背景など、今の日本が抱えている深刻な状況がよく書かれている。しかし、この汚染米には、国民の生命の安全に関する重大かつ深刻な問題が出ており、実は政府もマスコミも故意にそのことに触れていない実態がある。それはカビ毒アフラトキシンB1の恐怖である。三笠フーズの例をみれば、過去五年分の事故米の総量は1779トン、その内訳はカビ汚染米647トン、アフラトキシンB1汚染米9.5トン、残留農薬メタミドホス汚染米800トン、汚損異臭、熱損、水漏れなどの事故米322トン。

 皆さんは汚染米問題の報道の中に、ある種の違和感をお持ちでないだろうか。それはメタミドホス汚染米の報道だけが多くて、アフラトキシンに関する報道がいかに少ないかということである。新聞も、テレビも、農水省も、アフラトキシンに関する詳細な説明を避けているような気がしているのは私だけなのだろうか。メタミドホス汚染の報道量が圧倒的に多いのである。もうお分かりかと思うが、この問題の最も恐ろしい真実は実はアフラトキシンを含むカビ汚染米なのである。カビ汚染米は米国やオーストラリアからも入っているし、アフラトキシン汚染米の輸入先は米国、ベトナム、中国である。私も佐藤氏の指摘するように、アフラトキシンのマスコミ報道がほとんど出ないのはアメリカを刺激しないためだと思う。

 アフラトキシンの毒性は群を抜いている。そのカビ毒は、急性毒性もさることながら、慢性毒性として発癌性がダイオキシンの10倍以上も強い危険極まりない天然物質なのだ。アフラトキシンB1の代謝産物がヒト体内の細胞DNAと結びつき、DNAの化学的性質を変えてしまう。アフラトキシンは「ゲノムの守り神」の異名を持つ《p53遺伝子》そのものを変異させてしまう。p53遺伝子とはDNA変異による細胞の癌化を抑制する遺伝子だという。

 このようにアフラトキシンはDNAに直接作用して発癌性を発揮するから、ごく微量だから毒性はゼロになるという見方は当てはまらない。ごく微量でも発癌作用を起こし、ほかにもそれに慢性的にさらされると免疫機能が損傷を受ける。アメリカではアフラトキシンは生物化学兵器として認定されているくらいだ。佐藤氏はアフラトキシンの詳細な病理学も調べ、アフラトキシンとB型肝炎ウィルス相互作用として、肝臓癌の発生リスクが異常に高いということについても記述している。読んでいて背筋が寒くなった。想像だが、毎日消費するおコメの銘柄を決めていた場合、その銘柄に微量でもアフラトキシン汚染米が混入していた場合、その家庭は慢性的にこの毒にさらされていることになる。DNA変異が起きた細胞が増殖して行き、やがては・・・と考えるとまったく恐ろしい話だ。

 佐藤氏が詳述した、アフラトキシンの毒性(発癌性)、病理学的見地を読むと、政府やマスメディアは、この問題が世論化しないように極力注意深く国民の関心を逸らしていることがわかってくる。理由は簡単だ。生物化学兵器としても使われるくらい恐ろしいカビ毒が、農水省主導で民間に安全性を無視して流され続けた事実を国民に悟らせたくないのだ。猛毒米問題の本質は国家防衛問題である。農水省という国家の頂点に位置する霞ヶ関の頭脳には国民の安全を守るという基本の観念が存在しないと断言してもいいだろう。国防の基本概念を持たない農水省に、口に入る物の管理権を任せていいのだろうか。

 国民の常食にきわめて危険な発癌性物質アフラトキシンが出回っている現実を、内閣府はメタミドホス問題に すり替えて問題の深刻さを薄めている。また、2004年に小泉政権が食糧法の規制緩和を行って、届出だけで新規業者の参入が可能になり悪徳業者を野放しにした。これも巷間に猛毒米が拡大流通した大きな原因になっている。小泉政権は経済的には再分配構造を破壊して国民を塗炭の苦しみに追いやり、コメ流通業界の規制緩和によって、強力な発癌作用を有する毒物を日本国内に撒き散らした。まさに国民を犠牲にする方向性しか持たなかった悪魔の政権であった。

 ※この記事は「紙の爆弾」11月号に書かれた佐藤雅彦氏の記事を主に参照して書いた。

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コメント

輸入先?輸入元?
輸入先って誤解を受けやすいわかりにくい言葉だなぁ。

投稿: ん? | 2008年10月12日 (日) 23時47分

「変態的TV観賞法」

本日、毎日放送の朝のトークショーを久しぶりに見物した。番組のタイトルは知らないが日本ハムの元の大沢監督や張本氏が出演して「あっぱ!」とか「喝っ!」とか言う番組である。
経済学者の金子勝氏やジャーナリストの江川紹子氏がコメンテーターとして招かれており、番組全体が何となく新自由主義や小泉・竹中路線を否定する方向に流れていたのは予想の範囲なので取り立てて興味を覚えることはなかったが、私が注目したのは、以前はうるさいくらい「小泉路線礼賛」のコメントを出していたのに、今日はやけに静かだった岸井成格氏という論説委員の肌の色であった。
この御仁、前は明らかにゴルフ焼けと思われる真っ黒な顔色で、その白髪と相俟って私にひどくガラの悪い印象を与えていたものだ。ところが今日しっかりと視ていると岸井氏の肌の色が、格段に白くなっているのが分かった。
「はは~ん、接待ゴルフの回数が激減しているのだな」と私は直感し、その原因をあれこれ想像して一人、ニヤニヤするのである。
TVも視方によってはそれなりに楽しめるという好例であると確信しているが友人や知人は、「お前は変なところばかり視ている」と私を「変態」呼ばわりするのは、まことに心外と言わねばならない。

投稿: kenkensya | 2008年10月12日 (日) 21時48分

さてはてさん、貴重な関連投稿をありがとうござ
います。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月12日 (日) 21時24分

関連投稿貼らせて下さい

カビ毒アフラトキシンと汚染米 メモ
http://satehate.exblog.jp/9710289/

投稿: さてはて | 2008年10月12日 (日) 20時55分

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