株価暴落には日銀のETF購入で対抗せよ(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第124弾です)
本日(10月11日)の日経には、世界の株の時価総額が1年で2800兆円減少し、日本人の富が一人当たり平均で200万円失われたとある。そうでなくても、生活が苦しくなっていた矢先、ここでこれだけ失ったことは大きい。しかも物価の値上がり、円高と世界的な不況による輸出の減少でトリプルパンチだ。このような未曾有の経済危機における政府・日銀の役割は大きい。世界中の政府・中央銀行が次々と対策を打ち出す中、日本の動きは極めて遅いのは残念である。
株価暴落に対抗する手段はある。慶應大学教授(日経センター理事長を兼任)深尾光洋氏の案は日銀にETF(株価指数連動型の上場投資信託)を買わせるというものである。元MIT教授のドーンブッシュ氏も同様な提案を行っている。深尾氏の提案は毎年5兆円から10兆円ずつ買っていく。その際、総額で300兆円買い続けることをあらかじめコミットメントしておくというもの。
この案について少し説明する。日銀が株を買うということは、株を買う代金は刷ったお金なのだから、市中に新しく作られたお金が流れていくということだ。借金ではないので、将来返す必要はない。しかし、特定の会社の株を日銀が買うと、なぜその会社だけを優遇するのかということになるので、ETFを買う。これなら、株価指数の計算に入っている銘柄のすべての株を少しづつ買うということになる。これなら、株価をどこまでも引き上げることができる。失われた一人200万円の富を取り返すだけでなく、更に富を上積みすることも可能だ。
株式市場が活性化すれば、景気がよくなり、税収も増えてくる。賃金も上がり、失業者も減ってくる。企業も資金を調達しやすくなり設備投資が増え、生産性も上がってきて国際的競争力も向上する。デフレ脱却も可能で、国の借金は増えず、GDPが増えるから、国の借金のGDP比も減って、財政も健全化する。
株式市場に政府・日銀が介入すべきでないという馬鹿な意見が出てくるだろう。しかし、国民をこれだけ苦しめ、莫大な損害を与えている状態を放置するのは無責任と言わざるを得ない。政府・日銀は国民の幸福を第一に考えるべきだ。経済が病気のときは積極的に健康体に戻るまで支援すべきだ。現在の株式市場崩壊の状況を放置すべきではない。日本経済を正常に戻すことによって、毎年経済苦で自殺している数千人の人を救うことができる。240兆円の損失と言えば、阪神淡路大震災の24倍の損失だ。自力で立ち直れる規模を超えている。
今の白川日銀総裁がそれをするわけがないというかもしれない。それなら、日銀法を変え、日銀総裁を解任し、日本経済を本当に考えてくれる人を新総裁に選べばよい。日銀法改正に民主党が反対するのなら、日銀法改正し日銀のETF購入に賛成か反対かで衆議院選を闘えばよい。誰が真に日本経済のことを考えているかは、きっと日本国民は分かってくれる。具体的な日本経済復活のシナリオを示せば、国民は必ず理解してくれる。
もう一つの方法は、赤字国債発行だ。日銀のETF購入に並行して行うべきことだ。これに関しては我々は、すでに25回も政府に対し質問主意書を出している。麻生内閣になってからだけでもすでに2回質問主意書を出した。赤字国債は将来のツケを残すものではなく、逆にツケを実質的に減らすものだということを計量経済学の結論として示し政府の説得に努めてきた。遂に、最近自民党の中で赤字国債容認論が出てきた。これは喜ばしいことであり、これが大規模景気対策へとつながっていくことを期待する。そうなれば、日本経済復活が見えてくる。
赤字国債発行で、2011年の基礎的財政収支黒字化の目標はそれにより遠ざかるかと言えば、それは逆だ。今、思い切って財政出動をすれば、景気がよくなり、税収が増え、2011年基礎的財政収支の黒字化も見えてくる可能性はある。今、財政出動をしなければ、景気はどんどん落ち込み、税収は減る一方で、基礎的財政収支は悪化する一方だ。この点でマスコミや多くの政治家は全く誤解している。景気回復なくして財政健全化なしというのが、麻生総理の主張であり、まず景気を回復させることが第一だ。赤字国債を財源とした大規模景気対策を国民に示し、与野党の対立軸を明確化してから、衆議院選に入っていただきたい。
小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス
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コメント
日銀はどうも邦銀から資金を回収して、それを外資系金融に供給してるようですね。
その額はこれまでに30兆円以上にのぼるとか。
その資金で外資系金融が日本の地銀を買収しまくってるらしいです。
何で余裕のあるはずの邦銀には買収させないんでしょうかね?
一部では日銀はFRBの下請けに過ぎないと言われてますね。
私も小野先生の仰るように日銀法を改正して再び政府のコントロール下に置くべきだと思いますね。
それから日本株に関してここまで下がるのは少し変ですね。
企業内貯蓄が多い日本企業の株式は他の国に比べて優位にあるとあのゴールドマンサックスでさえ言っております。
だけど他の先進国に比べても下落率が大きいですから。
日米の新自由主義者が何か企んでる気がします。
http://www.teamrenzan.com/archives/writer/omnibus/nichiginhou.html
邦銀などが潤沢にため込んでいる資金は海外金融機関に流れていない。貸し倒れリスクのない日銀から利息をもらえるとなれば、日銀に資金を預ける邦銀などが増え、こうした無駄な金を吸い上げることができる。そうすれば、日銀も金余りを懸念することなく、海外金融機関が取得しやすい
「生き金」を市場に供給することが可能になるという判断だ。 銀行は、企業や他の銀行にお金を貸す際、融資先が貸し倒れるリスクを取るのと引き換えに利子を得ている。貸し倒れの危険がない日銀に預けて利子をもらえるなら、銀行は労せずして収益を得ることになる。(日銀、当座預金に利子を検討 余った金集め外資に供給)
日本株は相対的優位、投資家はディフェンシブ株に逃避=ゴールドマン
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-34239220081010?feedType=RSS&feedName=businessNews
[東京 10日 ロイター] ゴールドマン・サックス証券(GS証券)は、10日付のリポートで、GS>証券が今週、訪問した米国投資家のうち数社は、日本株について(他の市場との比較で)依然として魅力的と判断していることを明らかにした。
バリュエーションは過去最低水準にあり、一部の銘柄には強い割安感が出てきている。ただ、足元の国際優良株売りと更なるリスク圧縮への懸念から、投資家らはディフェンシブ株とキャッシュに避難している、という。
リポートによると、日本株を依然として魅力的と判断する背景には、今後、資本を「持てる企業」と「持たざる企業」への二極化が進むなか、日本企業は前者に属し、世界の信用危機への耐性が高いと見られていることや、米ドル、ユーロ、新興国通貨との比較で円の選好度が強まっており、世界的なリスク回避が続く限り、米ドルベースの日経平均が大幅に悪化する可能性は低いとみていることなどがある。
投稿: ななし | 2008年10月11日 (土) 17時35分