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2008年10月 8日 (水)

株式大暴落とノーベル賞(小野盛司)

(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第123弾です)

 連日、すさまじいニュースが入っている。株の暴落を見ると、まさに第二次世界大恐慌が始まったように思える。そこに日本人のノーベル賞受賞のニュースが入ってきた。それも物理で3人、化学で1人の計4人も同時に受賞だ。これが日本人が自信を取り戻すきっかけになって欲しいと思う。物理の受賞者は素粒子の理論だ。何を隠そう、筆者もこの分野で長い間研究を行っていたから、この3人はもちろんよく知っている。

 1975年、シシリー島のエリチェという所で国際会議があったとき、日本人参加者は私と南部氏の2人だった。レストランでイタリア語が分からず、何を注文してよいか困っていたとき、南部氏に助けていただいたことを覚えている。南部氏は素粒子の研究者は誰もが尊敬する大先生だ。

 益川氏は天才であると同時に変人だ。いつも、自分が英語ができないことを自慢していた。あの論文もそうだけど、彼は日本語で論文を書き、共同研究者に英訳させて発表していた。大学院の入試もドイツ語の試験は白紙で出したといつも自慢する。米国の研究所から来て欲しいと言ってきても、自分は英語ができませんからと言って断っていた。英語ができないというハンディーがありながら、あれだけの研究業績を残せたというのはやはり天才なのだろう。それに比べ小林氏は性格的にはごく普通の人で、取っつきやすい。

 4人の日本人のノーベル賞受賞のニュースと共に、株式の大暴落のニュースも入ってきた。米国の株の暴落が世界の株式市場に影響している。リーマン・ブラザーズを潰したのと、米国の金融安定化法が一度下院で否決されたのが、投資家心理に不安を与えた。

 米国はお金を刷りまくっている。
所得税減税            16兆円
ベアー・スターンズ救済      3兆円
米住宅金融救済         22兆円
AIG救済                9兆円
不良債権買い取り機構      90兆円
減税                    12兆円
FRBによる社債買い取り     ?

 中央銀行であるFRBが社債を買い取るということは、もちろん、その代わりにお金が市中に流れていくということだ。それでも足りないということで、欧米の主要中央銀行も一斉に金利を下げて、更にお金が市中に出て行きやすいようにするようだ。

 それに比べ、日本は何をやっているのか。日銀はただぼう然と見ているだけ。政府は僅か1.8兆円の景気対策だ。民主党は20兆円ということで威勢はよいのだが、公務員に払う金を削ったりして、こちらに回そうというだけで、それは経済全体で見ればプラスマイナスゼロで、景気対策にはならないのだと思う。「お金を刷る政策=財政と金融の協調」に猛反対している民主党だから、マクロ経済への配慮がまるでない。なかなかお金を刷る政策を言い出せないのは、与党も野党も同じようなものだ。

 与野党共、財源はどこにあるのかはっきりさせていないというのが、最近のテレビの解説者の口癖だ。そのくせ、解説者自身も財源については決して言わない。財源は赤字国債しかないことを誰もが知っている。だけど、誰も言い出せない。ノーベル賞を受賞した南部氏を見るとよい。対称性の自発的破れという当時だれも言わなかったことを、勇気を持って言った。それが歴史を変える。

 私は、滝実衆議院議員と共に本日質問主意書を提出した。赤字国債で良いではないか。それは将来にツケを回すのでなく、将来へのツケを実質的に減らすことができる。そのことをマクロ計量モデルでしっかりと示して説明した。来週あたりに麻生総理からの答弁書が返ってくると思う。

 前回の答弁書には、真面目な説明があった。最初の2年は債務のGDP比は減るが、3年目以降は増えることの説明だ。しかし、そんなことを言っているのは内閣府だけだ。それ以外のシンクタンクのモデルでは、3年目以降も減っていく。その理由は簡単だ。あの内閣府のモデルは、竹中・小泉コンビが「景気対策は効果がない」ということを証明できるモデルを内閣府に作らせたのだから、当然、景気対策をやってもGDPは伸びないようになっている。小泉政権にとってはあのモデルは都合がよかった。改革なくして景気回復なしと主張するには都合がよかったのだ。景気対策を求める自民党を黙らせるためにつくらせた。しかし、景気対策をやりたい麻生内閣では、このモデルでは駄目だ。

 私は質問主意書で「景気対策は効果はないのですか」と質問しておいた。どういう答弁が返ってくるか楽しみだ。景気対策をやろうと意気込んでいる政府が、まさか効果はないとは言えないだろう。いくら小泉氏が目を光らせていたとしても。

小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス

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コメント

「たまには、しんみりと・・・」


高校生のときに暗誦して今でも憶えている漢詩の中で、本日の心境にぴったりなものを書いてみたいと思います。37年も前に覚えたものなので間違いがあったらお許しを。

秦時の名月、漢時の関  万里、長征して人未だ還らず

但(た)だ龍城の飛将を以って在らしめば 胡馬をして陰山を渡らしめざらん

たしか王維の「出塞」という七言絶句だったような。『龍城の飛将』の部分を植草一秀先生に置き換えてみたいものです。

投稿: kenkensya | 2008年10月10日 (金) 12時37分

「背広について」

背広は、紺とグレーのものだけだと今でも思っている。
理由は父親が成人した私に、「背広の色は紺とグレーに決まっている」と言ったからである。父親の言に対して「何故?」と訊き返すと「そう、決まっているからだ!」という怒声とともに鉄拳が飛んでくるのは小さいころから嫌になるほど経験してきたので黙っていると
「黒い背広を着るのは、ヤクザ者と葬式のときだけで十分だ」という意味不明なことを言っていた。それ以来、訳も分からぬまま30年以上、紺とグレーのスーツしか身に着けたことはない。
ところが近頃、街ゆく若者が、黒または黒に近い服地に細い縦縞の背広を誰も彼もが着用しているのでキツネにつままれたような思いをすることが、しばしばである。

私がテレビに出演している真っ当な評論家などで、最近流行の黒地にストライプの入った背広を着ているのを初めて視たのは、いつぞや書いた2003年のテレビ東京のワールド・ビジネス・サテライトにおける植草先生と木村剛氏との言い争いの場面であった。
このときの植草先生は濃紺の背広に薄いブルーのワイシャツ、それに赤いネクタイという服装、対する木村剛氏は黒地に白っぽい細縞の入った背広に白いワイシャツでペイズリー柄のネクタイという、いでたちで、これがオールバックの髪型と凶悪な人相に極めて良く似合っていたものだ。
その後、木村剛氏の行動やハゲタカ・ファンドの隆盛をみるにつけ、私は理解不能だった亡父の言葉を思い出し「ふむ、ふむ、なるほど、なるほど」と深く頷くのである。たしか「オヤジの説教と冷酒は後で利く」と昔の人も言っていた。

投稿: kenkensya | 2008年10月 9日 (木) 20時49分

信用収縮でお金が消えてしまったのなら、誰かがお金を創り出せばよい。1京円が「消えて」困っているなら、1京円作ればよい。責任ある「中央銀行」なら、世界の実質的な富に合わせ物品の価格があまり変動しないように調節するはずである。

いまの「中央銀行連合」は世界支配への最後のステップとして、「肩をすくめるアトラス」作戦を実行しているのだろう。信用収縮を徹底的にすすめて、「借金」を返せないようにして、「返せ」なくなった者たちから、実質資産をみな取り上げようとしている。

かくして、何百兆円、何千兆円と消す一方で、数十兆円供給だの、日本に至っては2兆円足らずの景気対策(その中身もかなりアホらしい)「救済策」でお茶を濁した八百長「救済」のフリ騒動をしながら、影では嘲笑っているのである。

投稿: さてはて | 2008年10月 9日 (木) 20時00分

 憂国の士信州の泉殿・参考でかまい、ませんから、宇野正美さん・動画講演の、観想・出来ればの話ですが、モーゼの十戒きになったので、お願い、出来れば、幸いです。こちらの欄で。

投稿:  経済の微生物 | 2008年10月 9日 (木) 17時56分

 年次改革要望書や日米投資イニシャティブに忠実に沿った構造改革をして、
米国に国富を朝貢し続けたのは小泉・竹中両氏であった。管理人には基本の
部分で不可解なことがいまだにある。それは米国に効率よく日本の資産を貢ぐ
ことに躍起となった小泉政権が、小野会長の言うごとく、何ゆえに効果のない
偽りのモデルまで作ってデフレ路線に固定し続けたのかということだ。少し
考えれば、収奪側の米国も、日本を富ませたほうが悧巧というものである。な
ぜその方向にいかなかったのか。日本を全体的に富ませると階級分化社会
の実現が阻まれるからだろうか。

 同胞を裏切って、山賊に宝物を流す買弁国賊なら、国内総需要を刺激して
景気を浮揚させた方が効率よく、恒久的に国富を垂れ流し、その分け前を頂
戴できると思うのだが。原田武夫氏は言った。米国は日本に対して収奪と育成
(肥やす)の周期を持っていて、収奪の後は日本の経済力をアップさせて太っ
た頃合を見計らって、また収奪期に突入すると。

 つまり、日本人の潜在能力を上手く引き出して国を富ませ、貯まった資本を
分捕る。まるで『日本アニマル、ファーム論』である。原田氏の言うサイクルを
考えると、あたかも電気の交流(交番電流)みたいなサインカーブを連想する。
だとすれば収奪から育成へ変化する過程におけるゼロ地点はどこなのだろう?

 戦後、そういうわかりやすい動きはあったのだろうか?あったとすれば、プラザ
合意辺りが大きな変節点に思えるのだが、そんな大きなスパンで収奪期が続いてい
るなら、これから日本が肥えて行く期間も長くなければおかしい。しかし、サブプ
ライムなどという姑息な詐欺をやって青息吐息になるような米国が、悠長に日本が
富むまで待てると考えるほうがおかしい。

 従って私は原田氏の動物農場的収奪論には若干の疑念を持つ。むしろ、米国は
背に腹は変えられないでなりふり構わず日本を当てにしてくるだろうと思う。ハリ
ウッドのSF映画「インデペンデンス・デイ」という宇宙生物侵略物があった。そ
の宇宙生物は惑星から惑星をめぐってイナゴの大群のように収奪し、あとには何も
残らない荒野に変えてしまうのだとか、大統領役が言っていた。

 私はそれを聞いたとき、すんなりとアメリカを連想した。アメリカという国は
異常発生したイナゴの大群みたいなイメージがある。狩りつくす獰猛さがある。
アングロサクソン・イナゴ説!?そういえばモーゼの十戒にもイナゴの災厄があ
った。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月 8日 (水) 23時46分

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