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2008年10月22日 (水)

三浦和義元社長の不審死に対し、日米両政府の不審な消極性

  今月10日、ロス疑惑で名を知られた三浦和義元会社社長の自殺報道があってから、9日後の19日、ロスで三浦氏の弁護人を務めるマーク・ゲラゴス弁護士は、弁護側が独自に病理学者に検視させた結果、死因が自殺ではなく、他殺によるものだと発表した。理由は、背中に殴打されてできたと思われる細胞組織の損傷があること、首を絞められてできたと思われる血腫がのどに見つかったこと(縊死と言うより絞殺死?)、首に付いた痕跡がシャツで首吊りを図った状況に一致しないという結論を得たことである。

 27年前の事件を、それも日本国内における裁判で決着の付いた事件の対象者を、アメリカ当局がいきなり逮捕勾留したことも異常なら、サイパンからロスの拘置所に移送してまもなく自殺させてしまうという米国当局側の管理体制も異常である。日本政府は米国の拘置所内で自殺を防げなかったことだけでも、邦人保護の立場から米国に強く抗議して、自殺の真相究明をしなければならないはずである。特に三浦氏のケースの場合は「一事不再理」であるから、米国は逮捕した以上、彼の扱いについては、慎重にも慎重を帰すべき事例であったはずである。

 ところが、そういう状況下でとんでもない情報がもたらされた。弁護側の病理学者が三浦氏の死を他殺と断定したのだ。他殺の疑いが出た以上、日米双方は徹底的に真相を究明する急務がある。しかし、今のところ、米国当局筋は他殺説を否定し、日本政府はまったく静観の構えである。この状況自体が三浦氏の不自然な死の真相を物語っていないだろうか。そう、これは米国当局の意図による謀殺の可能性を示唆しているのだ。しかも、日本政府もそれを了解している可能性が高い。三浦氏の死因が米国公機関関係者による謀殺だったとすれば、これは重大な国際問題だ。他殺の疑いが出た以上、日本政府は国の威信にかけて、三浦氏の死の真相を米国に問いただす必要がある。

 ところが、日本政府は不気味に沈黙を守っている。我々はこの進展をどう解釈すればいいのだろうか。しかし、その前に誰が考えても、米国が事件発生から27年目に三浦氏を逮捕したことは時間的にもかなり奇妙なことに気が付く。米国が三浦氏への逮捕状を出したのが1988年5月。米国は殺人罪については時効が存在しないために捜査は継続していることになっている。それに加えて、一美さん殴打事件から銃撃にいたる一連の殺害計画に共謀罪適用が有効であるという、米国ならではの理由があるようだ。この共謀罪容疑が日本における「一事不再理」原則を超越しているという解釈なのだろうか。それにしても腑に落ちないことは、なぜ2008年2月の逮捕だったのだろうか。米国捜査当局がロス銃弾事件に捜査の強い情熱を持つなら、もっと早く三浦氏に対して、というか日本政府に対してアクションが取れたのではないだろうか。

 殴打事件は2001年3月に刑期満了になり、銃撃事件では2003年3月に最高裁で無罪が確定されている。私が腑に落ちないのは、アメリカが三浦氏の捜査に熱情を持って虎視眈々とその身柄を狙っていたのであれば、少なくとも03年の3月には日本に身柄要求をするのが普通ではないだろうか。日本とアメリカの二国間には「犯罪人引渡し条約」がある。それを履行させ、アメリカはもっと早期に日本に三浦氏の引渡しを要求してもいいわけである。ところが実際に身柄を拘束したのは約五年後の2008年である。日本とアメリカの司法制度の関係がどうなっているかわからないが、少なくとも三浦氏は2001年3月には刑期満了で拘束は解かれ、2003年の無罪確定で完全に自由な一市民となっている。その後には身柄引き渡しを阻害する要素はないはずだ。なぜ五年も放置していたのだろうか。法曹関係に詳しい人にこの辺りのことを伺いたいものだ。

 さて、日本の外務省というか、政府筋は腰抜けだと思う。ロスの拘置所内で三浦氏の自殺が起きたことは米国当局の管理責任であるから、これを猛烈に抗議して自殺の状況を問いただすべきだ。アメリカは、これから審議を行おうとする邦人容疑者を拘置所内でむざむざ自殺させ、謝罪もせずに「三浦氏は自殺した」だけのコメントはあまりにも日本を軽視している。ましてや、他殺疑惑が出てきた以上、アメリカの公権力機関が関与した可能性は濃厚だろう。この状況は充分に国際問題だと思う。公機関による他殺が事実だとすれば、これは明らかに主権侵害である。しかし、民主主義と人権を国是にしている国が、裁判の権利を有する外国人を保護するどころか、不審死を起こしておいて「自殺である」はないだろう。さらに奇妙なことは日本政府がまったくアクションを起こしていないことだ。

 三浦氏が唐突に逮捕されたこと、そして謀殺の疑いがあること。ではなぜ、彼が向こうで殺害されなければならなかったのか、その背景を考えることは重要である。私はかなりの確率で三浦氏の逮捕はイージス艦の衝突問題から日本国民の目をそらすためにやったと思っているが、謀殺の件に対しても米国政府の思惑があると思う。それを知るためにも、日本政府は真相究明の働きかけをするべきである。もし、日本政府が沈黙を通したとすれば、これには日本政府も一枚咬んでいる可能性がある。とすれば、やはりこの問題の背景にはイージス艦の衝突事故が関係している可能性が高く、それについては「三浦和義氏の不可解な死」に少し言及した。

 はっきり言えることは、この事件に関して今、日本政府が取っている及び腰は、日米関係において完全な対米隷従意識を持つことを自ら示している。これは国際的な恥以外の何ものでもない。

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コメント

高橋様
こんばんは。
そうですね、累進課税の効果的な使い方ということが、現在の日本にとって一番いい処方箋かもしれませんね。
これからもこちらのブログで学ばさせていただきつづけたく思います。
ありがとうございました。
鍵英之拝

投稿: 鍵英之 | 2008年10月24日 (金) 18時30分

鍵さん、こんにちは。

 新党フリーウェイクラブですが、今の私には正
直、明快な判断ができません。ネットで少し和合
氏の考え方を読んで見ました。

 道路は生活道路、有料道路問わず、国家インフ
ラの重大要素です。造った以上、メンテナンスに
は恒久的に金がかかるわけで、その財源は税金が
必要だと基本的には思います。有料道路の民営化
自体には私自身も抵抗があります。造ってから償
還期日が過ぎた道路を民営化すること自体には抵
抗がありますが、維持費をどう捻出するのでしょ
う。これをすべて公費でまかなうこととして、全
国でどれくらいの金がかかるのでしょうか。

 理想的には私も無料化して、維持費は公費でや
るべきだと思います。道路は生活にも必要ですが
産業道路の役割りも強く、企業活動の必須インフ
ラです。したがって、より原則的な考え方として
は、企業利益から還元するという方が、一般国民
から負担するよりも割合的には大きくていいよう
に思います。私の浅い考えでは儲かった企業から
より多く税金を負担してもらい、社会の役にたっ
てもらう方向性が望ましいと。累進課税ですね。

 道路というのは産業国家の動脈であり、静脈な
んです。これをバラバラにして民営化するという
考えは変だと思いますね。国が管轄するべきで
す。ただ、和合氏の理念はわかりますが、それを
政治運動にするとなれば、穏やかな方法論もある
のではないでしょうか。

 鍵さんがこの団体に関わっていいのかどうかは
鍵さんご自身が判断されることです。私自身はフ
リーウェイクラブに賛同か否かというよりも、道
路行政の本質を他の政治問題問とともに正攻法で
じっくり考えてみたいですね。すっきりした回答
が出せなくて恐縮ですが。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月24日 (金) 11時57分

昨夜のコメントの件ですが、新党フリーウェイクラブです。クラブが抜けておりました。
高橋様、ここの和合会長の、信念や行動(高速道路は無料でなけえればおかしい、よって料金所で文書を置いてすりぬけていく)についてはどんなご感想お持ちになりますか?
新党フリーウェイクラブ等については、ウィキペディアなどにもでております。2ちゃんねるなどでは、悪右翼(としか思えません)からさんざんバッシングを受けているのが現状です。
今僕は、この新党フリーウェイに関わっていくべきかどうかで悩んでおります。
高橋様のその聡明な判断力で、鍵英之を導いてやってください。
それでは、よろしくお願いします。
鍵英之拝
追伸、高橋様がお好きだとの「矢沢栄吉」バラード聴いてみることにしますね(( ..)φメモメモ

投稿: 鍵英之 | 2008年10月24日 (金) 08時29分

高橋様
つきることのない透徹した論理、話題の現代性、どれをとっても現代一流のブログですね。
じつは高橋様僕のブログの熱心な読者のかた、シティハンターさんというのですが、新党フリーウェイの会長の秘書をされているそうです。僕はこの団体に、これからもかかわっていくべきでしょうか?
ご指導ご鞭撻お願い申しあげます。
鍵英之拝

投稿: 鍵英之 | 2008年10月24日 (金) 00時00分

日本側の態度は本当におかしいです。
ロスの日本領事も、やけに人相が悪く、信用できません。
多分、「(アメリカの)言う通りに、金を出さないとこうなるぞ!」という日本へのオドシかも?

イージス艦事故の海難審判も、いつの間にか、おかしくなってます。
「清徳丸に主因」とあたご側は主張しています。
「あたご」の乗り組み員は艦長以下、皆、酒飲んで寝ていたのに、ちゃんと見張っていたかのような主張ですね。
「お上の言うことを聞かないと、こうなるぞ!」という国民へのオドシかな?

投稿: デカルト | 2008年10月22日 (水) 19時07分

喜八さん、こんにちは。

 まったく日本政府も自称愛国者どもも、なぜ
奇妙な沈黙を押し通しているのでしょうかね?
かなり不可解なんですが、この問題に対しては、
主権国家としての体面と人権擁護の両側面から
政府レベルの抗議があって然るべきなんですね。

 腹が立ちますね、ほんとうに。

 ところで、私も今、赤木智弘さんや雨宮さんを
熟読中ですが、この方々は現代というやくざな時
代の視点を素直な若者の感性で表現しています
ね。彼らの根底的な視点や感性を深く見つめるこ
とは、現代社会のおぞましいトレンドのかなり正
確な一面を浮かび上がらせるでしょうね。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年10月22日 (水) 15時54分

高橋さん、こんにちは。

日本国民である三浦和義さんが、米国政府により不当拘束され、不審死に至らしめられた。
このような明らかな国家主権侵害・人権侵害について、何の抗議も行なわない日本「政府」。
「お前ら(政治家・官僚)は何のためにいるのか?」と問いただしたいですね。

> アメリカは、これから審議を行おうとする邦人容疑者を拘置所内でむざむざ自殺させ、謝罪もせずに「三浦氏は自殺した」だけのコメントはあまりにも日本を軽視している。

ベロベロに舐められていますね。
外国によって、これ以上ないほど、舐められきっている。
こういうとき、沈黙する「自称:愛国者」「自称:ナショナリスト」の皆様は、いったいどういう「思想」をお持ちなのでしょうね(笑)。

投稿: 喜八 | 2008年10月22日 (水) 13時16分

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