「日本国憲法と田母神論文についての手前勝手な考察」(4) (kenkensya)
「日本国憲法と田母神論文についての手前勝手な考察」(4)
これに続いて、田母神論文は、盧溝橋事件の真の実行犯は誰か、「東京裁判」について、真珠湾攻撃から始まる日米戦争は果たして米国の謀略であったのか、日本軍の残虐行為の存否などと多様な論点を連ねていくが、一つ一つこれらについての私見を書いていくのは余りに長ったらしいし、読んでくださる方が、うんざりするのは、失礼であると思われるので簡潔に記す。また私がよく知らない部分も多いし、少々、齧ってはいるものの結論を迷っているものもある。
①「盧溝橋事件勃発」についての田母神氏のコミンテルン、または中共軍が真の仕掛け人であるとする見解は、かなりの説得力を持つ。しかしこのような謀略に易々と引っ掛かってしまったのは日本軍の方にも騙されるに十分な内的な原因があったのではないか。また中国によって戦争に引きずり込まれたとするのは、当時の「朝鮮兵站基地論」に基づいて進められていた朝鮮半島の工業化という国策と著しい矛盾を生じさせてしまう。
②「東京裁判」については、恥ずかしながら、何かを述べるに値するような知識をもっていない。ただその不当性を証明するかもしれない傍証は存在する。
1933年、イギリス・フランスが「ブロック経済政策」を開始した際、経済学者の高橋亀吉は東洋経済新報に「英国がこのような政策を採るならば必ず第二次世界大戦につながる」という旨の論文を発表した。しかし高橋が私学出身であったため日本の学界では全く無視された。読みもしなかった人が大部分であったと思われる。しかし敗戦後、日本を占領したGHQは、真っ先に高橋亀吉を捜し出し、どういうわけか公職追放とした。おそらく図星だったので、「東京裁判」への影響を恐れて、大慌てで、やったものだと考えられる。
③米国側が「真珠湾攻撃」を事前に知っていたことは間違いない。また「ハル覚書」は明らかに「真珠湾攻撃中止」を阻止するためのものであったことは、まず疑いないものと思う。しかし日本側が「ハル覚書」を受け入れたとしてもアメリカが第二、第三の「ハル覚書」を出してきただろうとするのは「歴史にifはない」に属するものだと思う。
④日本軍の日中戦争時の残虐行為の有無については、別の機会にゆずりたい。この論点を最初に言い出したのは、記憶するところでは山本七平氏ではなかったかと思う。その後、鈴木なんとかという御仁の「南京大虐殺の幻」という論文で広く知られることになったことだけを記すにとどめる。
さて、ここで私が「田母神論文」の中で注目した部分を引用する。
(1)自衛隊は領域の警備も出来ない、集団的自衛権も行使出来ない、武器の使用も極めて制約が多い、また攻撃的兵器の保有も禁止されている。諸外国の軍と比べれば自衛隊は雁字搦めで身動きできないようになっている。
「集団的自衛権も行使出来ない」という部分を除いて(これについても、またの機会に譲る)、極めて由々しい問題提起である。自衛権が憲法上当然、認められ、自衛隊が合憲であるとするのであれば、その任務を全うしえないような立法上の規制は、憲法上の疑義を引き起こすものと考えられるからである。
そして、この責任は、国民からの反発(具体的には選挙で落とされること)を恐れて敢えて、これを議題にすることを避けてきた政府自民党、また珍妙な論理から「自衛隊違憲論」を唱えてきた野党・社会党、またこれに与してきた新聞をはじめとする報道機関、そして、斯様な議員を選出し、やや左寄りの新聞の論調に喝采を送ってきた国民(新聞は読者受けする論調のものしか掲載しないものだから)の全員が等しく負わねばならないものだと考えるである。
次に、継ぎはぎであるか再び、「田母神論文」を引用する。
(2)このマインドコントロールから解放されない限り我が国を自らの力で守る体制がいつになっても完成しない
アメリカに守ってもらうしかない。アメリカに守ってもらえば日本のアメリカ化が加速する。日本の経済も、金融も、商慣行も、雇用も、司法もアメリカのシステムに近づいていく。改革のオンパレードで我が国の伝統文化が壊されていく。
上記見解には同意を表する。しかし取り立てて目新しいものでもないと、極めてゴーマンである私は、はっとする感銘を受けることはなかった。何しろ私は、自分の書いた文章に、ひどく評価が甘く、他人のものに対しての評点がきわめて辛い。
忌憚なく言わせていただくのであれば、今回の「田母神論文」は適当な引用を組み合わせた凡庸な中程度の論文であろうと思う。高橋先生がこの論文を賞賛しているのに違和感を覚えたのは、これによる部分も大きい。(高橋先生、こういう身の程知らずの馬鹿もいるのだ、これ程の馬鹿にサイトへの出入りを許してしまった不運を嘆きつつ、お諦めになって何卒、お許しください。)
更に私が「田母神論文」に不満を感じるのは、勇ましく大上段に構えて正論を主張しながら、その解決策が何も述べられていないことであった。
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コメント
田母神論文は、大筋では正しいと思う。
田母神さんの書いたことは、アメリカ側でも「リベラルたちの背信」(アン・コールター)や「アメリカの鏡の国・日本」(ヘレン・ミアーズ)でも認めていること。
そして、アジアの指導者たちも。
「日本のおかげでアジア諸国はすべて独立した。日本というお母さんは、難産して母胎をそこなったが、生まれた子供はすくすくと育っている。
今日東南アジア諸国民が、米英と対等に話ができるのは一体誰のお陰であるのか。それは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったためである。
12月8日は、我々にこの重大な思想を示してくれたお母さんが、一身を賭して重大決心をされた日である。われわれはこの日を忘れてはならない。」
(タイ元首相 ククリット・プラモート)
投稿: | 2008年11月16日 (日) 23時10分
ちょっとお邪魔します。
高橋先生、kenkensya様はじめ投稿者の皆様方のご論考に、いつも勉強させていただいております。
「田母神論文」に関し意見をしたくなりましたので、恥ずかしながら投稿させていただきます。
私は、「ルーズベルト(正確には彼を代理人とする勢力)に嵌められて日米戦争を日本側から開戦させられた」という、どうみても明らかな事実ぐらいは、日本人の絶対的な共通認識であって欲しいと願っています。
いま現在は政府見解として持つことまで望みません。日本の国益にそぐわないでしょう。国益を損なうことなく政府見解として持てれば理想ですが、今は100%無理です。
逆に言えば将来それが可能となるように努力するのが本来の政治であり、外交だろうと思います。
それはともかく、日本国民が各自の信条の自由のレベルにおいて連合国側に不都合な歴史の真実を認識する分には全く問題がなく、どの国も文句が言えないはず。旧連合国諸国を過度に刺激しないよう注意しつつ、“歴史の真実”を日本人の常識レベルまで引き上げなければならないと思っています。
田母神論文はそのための問題提起として、将来その意義が見出される可能性は無きにしも非ずでしょうか。
高橋先生のご論考はこの点を強調するものと、私は受け取っております。
私は専門家でないので論文細部の真偽に関しての判断は致しかねますが、確たる証拠、論拠が足りず推測の域をでないものと取られかねないのでは、という感想です。
仮にも自衛隊航空幕僚長の論文ならもっと厳密さ緻密さを期待したい。かの懸賞論文ではそこまでのレベルは求められてないとするならば、自衛隊航空幕僚長という立場の人が安易にそんなものに投稿すべきではなかったと思わざるを得ません。
この立場での投稿が大反響を呼び、結果として上記の問題提起に資するというところまで予測しての投稿であればまだ救いはありますが。
> 更に私が「田母神論文」に不満を感じるのは、勇ましく大上段に構えて正論を主張しながら、その解決策が何も述べられていないことであった。
まったくもって同感です。
一言でいって反省がない。それは侵略戦争に対する反省ではなく、アメリカに嵌められたとはいえ、当時の日本政府は結果として日本を滅亡の淵に追い込んだことは事実で、そのことに対する反省です。
あの結果が当時の日本政府が取りうる最善の結果だったなどということはありますまい。
たとえ難しくても政府は国が破滅しないような政治・外交運営を行う義務があり、それが当時の日本にはできなかったという大失敗を素直に認め、反省をすることから始めなければなりません。
そして今後はそうならないよう努力するのです。あの時は相手の方が一枚も二枚も上だったということです。
歴史にifはないといいますが、こと政府(自衛隊を含む)に限っては過去の失敗を繰り返さないため、あらゆるifを検討しなければなりません。
先の大戦においては、どの時点まで遡りどのような手を打っていれば日本にとって最善であったかを綿密にシミュレートする、それが先の大戦の総括であり、歴史に学ぶという態度だと思います。
極端な話、それを行った結果「日米戦争を戦い敗戦することが最善であった」という結論が出たっていいと思いますよ。
冷徹さ、緻密さを持って過去を総括し、そして現在を分析し着実に国家を運営する、そういう政府や自衛隊の態度を一国民として求めたい。そして中心には“日本人の誠”がある、そういう日本政府、日本国民でありたい。
敗者の歴史は勝者によって作られるのは当たり前で、それを覆すのは並大抵のことではありません。そこにも相当な戦略が必要です。
政府は何事にも十分に戦略的であって欲しいと思う今日この頃です。
投稿: 愛読者です | 2008年11月16日 (日) 15時32分
2ちゃんのスレです!
ドンドン書き込んでください!!
【小泉】新聞テレビの世論操作を監視するスレ【58】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/seiji/1226761193/
投稿: 匿名有志 | 2008年11月16日 (日) 00時15分
こんにちは。
この田母神論文が、「中国では蒋介石の国民党に誘い出された。対米戦はルーズベルトの罠にかかった。」という事を書いている事について、三宅久之氏がテレビ番組で「『蒋介石に騙された。ルーズベルトに騙された』って言っているが、それは当時の日本が騙さっぱなしの愚か者だったっていう事じゃないか。これこそ自虐史観じゃないか」と言い、田嶋陽子氏が「そうだそうだ」と合いの手を入れていました。しかし、それを言うなら三宅氏や田嶋氏は中国や韓国にも同じ事を言わなければなりません。「『全て日本が悪い』というなら、その日本に好きなようにやられた当時のあなたがたはなんて情けなかったのか。」と。また、米国にも言わなければなりません。「まんまと真珠湾まで討ち入られてしまったルーズベルト政権は、なんて間抜けなのか。」と。それを言わないなら、三宅氏や田嶋氏はやはり「悪かったのは日本だけ」と考えている事になります。私は今回の田母神論文は、そのような見方ばかりされる事にはもはや耐えられない、という大勢の自衛隊員の叫びを田母神氏が代弁した、という部分もあるのではないかと思います。物議をかもした「そんなの関係ねえ」発言についても、「インド洋やイラクに行っている隊員達の気持ちを代弁するなら」という前段がありました。この論文にいろいろ舌足らずな部分があるのは、例えば「政府の政策転換を促す」というような冷静な状況判断よりも、「もうこれ以上黙ってはいられない」という感情があったからではないでしょうか。
投稿: JAXVN | 2008年11月15日 (土) 16時04分