第26回の質問主意書とその答弁書(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第132弾です)
滝実衆議院議員を通じての第26回目の質問主意書とその答弁書が返ってきたので紹介したい。質問の要旨は次の通り。
赤字国債の発行を拒んでいたのでは、不十分な景気対策しかできず、それでは景気回復はおぼつかない。諸外国はもっと大胆に赤字国債を発行している。赤字国債を発行すれば、一見将来世代へのツケを増やすように見えるが実際はGDPを増やし、債務のGDP比で見ればツケは減っていく。4年目以降に債務のGDP比が増えると内閣府は主張するが、それはモデルがおかしいからである。今年のノーベル経済学賞受賞のクルーグマンがお金を刷れと言っているというコメントも書いておいた。
答弁では、核心に触れる部分は避けている。以前に比べ「内閣府のモデルは誤差が大きい」という記述は無くなった。確かにそんなみっともない答弁はやめたほうがよいのは明らかだ。クルーグマンのコメントは不況が厳しかった頃のコメントだと主張する。麻生総理は100年に一度の暴風雨が吹き荒れていると言ったのだが。クルーグマンの発言は100年以上前だったとでも言うのだろうか。
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平成20年10月24日提出
赤字国債発行に関する再々質問主意書
提出者 滝 実(無所属 比例近畿)
アメリカの経済危機対策は最大265兆円、欧州は総額212兆円だと言われている。一方、わが国では、1.8兆円の総合経済対策を盛り込んだ補正予算が10月16日に成立した。この対策をつくった8月末と、それ以降の状況は大きく変わっているとして、政府は追加的な経済対策を検討していると報道されている。しかしながら、財源が明確でない。景気後退で今年度は予算に対して数兆円の税収減が見通されるのであるから、追加的経済対策には赤字国債の増発が不可避であるのは明らかである。追加的な経済対策において、赤字国債の発行を躊躇しているのは、それが将来世代へのツケになるのではないかという配慮からだと認識している。しかし計量経済モデルによる試算結果を見れば、実は赤字国債を発行して経済対策を行えば、逆に将来世代へのツケを減らすことができるのだと前回と前々回の質問主意書で指摘した。それに対し、平成二十年十月三日と十七日の答弁書(内閣衆質百七○第十二号と八七号)においてコメントをいただいた。これらの答弁書に関し確認したいことがあるので、質問する。
一 内閣府の試算(平成20年1月17日発表)によれば、赤字国債を発行して経済対策を行った場合、当初の3年間は、債務のGDP比は減るという意味で将来世代へのツケは減ると結論してよいか。
二 4年目以降は、債務のGDP比は増える可能性があるが、しかし、この原因が内閣府のモデルによれば景気対策によるGDPの押し上げ効果が、他のシンクタンクのモデルよりはるかに小さくなっていることに関係していると思われる。モデルによる違いは、前提条件等の違いからくる場合もあると答弁書でご指摘いただいた。つまり、4年目以降は、債務のGDP比は増えるか減るか分からないという意味で、将来世代へのツケは増えるか減るかは経済モデルでは結論できないということか。
三 以上の議論から計量経済モデルからは、「赤字国債を財源として景気対策を行ったとしても、単純にそれが将来世代へのツケを増やすことになると言うのは間違い」と結論すべきだと思うがどうか。
四 最近の急激な景気悪化で、国民は効果のある景気対策を求めている。どうやれば、景気対策が大きな効果をもたらし、債務のGDP比を減らすことができるのかを、内閣府で計量モデルを作り直して、真剣に検討すべき時に来ているのではないか。
五 十月二十一日の朝日新聞の記事には、内閣府の試算によれば、二兆円の定率減税(所得税減税)で実質GDPを押し上げる効果は年0.10%にすぎず、経済効果は望み薄で、同じ2兆円を公共投資に使う場合の0.41%増、法人税減税の0.27%増という引き上げ効果を下回るとある。これは内閣府の短期モデルの乗数表から求めた数字と思われるが、政府は景気対策でどれだけのGDP押し上げが必要と考えているか。
六 今年ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマンは、『グローバル経済を動かす愚かな人々』の中で日本経済に関して「まずは需要を増やすことである。そのためには信用拡大のための通貨供給の大幅増大だけでなく、公共事業の拡大、減税の実施などが肝要である。」と述べている。これについてどのように考えるか。
右質問する。
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内閣衆質170第159号
平成20年11月4日
内閣総理大臣 麻生太郎
衆議院議長 河野洋平殿
衆議院議員滝実君提出
赤字国債発行に関する第三回質問に対し、別紙答弁書を送付する。
衆議院議員滝実君提出赤字国債発行に関する第三回質問に対する答弁書
一から五までについて
財政の持続可能性等を評価する観点からは、公債等残高の対国内総生産比率(以下「比率」という。)については、中長期的な動向をみる必要があると考えられる。
ご指摘の「日本経済の進路と戦略-開かれた国、全員参加の成長、環境との共生-」(平成20年1月18日閣議決定)の参考試算の作成に当たって用いた「経済財政モデル(第二次再改訂版)」(平成20年3月内閣府公表)における乗数表を用いて、一定の仮定の下で計算すると、公共投資につき国債総生産の1%相当を継続的に増額するような政策について、比率は、当該政策を行わなかった場合に比べて、当初の1年目及び2年目は低下するが、3年目以降上昇し続ける結果となっている。3年目以降上昇するのは、公共投資の継続的な増額により、比率の分子である公債残高は拡大し続ける一方、分母である国内総生産の拡大は一定程度に抑えられるためであると考えられる。
現実の経済政策を行うにあっ立っては、計量経済モデルによる計算結果を参考にとしつつも、その時々の経済状況等を十分に踏まえて総合的に判断することが必要である。
なお、内閣府の計量モデルについては、それぞれの時点で入手可能な情報等を元に、随時必要な改訂を行っているところである。
政府としては、「安心実現のための緊急総合対策」(平成20年8月29日「安心実現のための緊急総合対策」に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)決定後の内外の金融・経済情勢の変化に対応するため、先般・政府・与党会議において「生活対策」(平成20年10圧30日新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定)を決定したところであり、「生活者の暮らしの安心」。「金融・経済の安定強化」、「地方の底力の発揮」を重点分野とし、我が国経済の立て直しに取り組んでまいりたい。
六について
ご指摘の見解は、我が国経済が、バブル経済の崩壊により、極めて厳しい不況を経験し、ある時期には危機的な様相さえ呈していた平成10年当時において、極度の消費や投資の手控えから需要不足に陥っているという認識の下、通貨供給量の増加等の対応策について述べられたものと認識している。
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コメント
純債務は300兆円
GDP以下である。
投稿: 通りすがり | 2008年11月 6日 (木) 02時06分