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2008年11月18日 (火)

第二次補正と3年後の景気回復の意味についての質問主意書と答弁書(小野盛司)

    (※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第136弾です)

 11月7日に提出した質問主意書の答弁書が返ってきたので紹介する。安倍内閣や福田内閣に比べ、ずっと真面目に答えている。少なくとも聞く耳を持っていることだけは確かだ。重要なのは次の事が確認されたことである。

4について
  税収減については赤字国債を使うが、今回の景気対策には赤字国債を使わない。

5、6について
  今回の景気対策の発表「生活対策」で述べた将来へつけを回さないという意味は債務のGDP比を増やさないという意味であり債務そのものを増やさないという意味ではない。

7について
  内閣府のモデルを使った試算結果では赤字国債を発行して景気対策をしたとき債務のGDP比は減るという結果が出ていることに関し、これで一概に将来への負担が減るかどうか断言できない。

8について
  10年前に比べどちらが厳しいかは一概には答えられないが景気後退に入ったと言える。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
平成20年11月7日提出
三年後の景気回復の可能性に関する質問主意書

                 提出者  滝 実 (無所属 比例近畿)

 麻生首相は十月三十日の記者会見で、事業規模二十七兆円の新総合経済対策を発表し、同時に行政改革や景気回復を前提に、三年後に消費税率を引き上げる考えを明言された。麻生首相は「日本経済は全治三年」と言っておられる。このことに関して質問する。

一 首相の言う「景気回復」とは、どういう状態なのか、どういう経済指標になればそう言えるのかを数字で定義していただきたい。

二 今回の新総合経済対策に関して、十月三十一日の朝日新聞に野村證券金融経済研究所による試算が載っている。それによると、5兆円の財政支出によるGDP押し上げ効果は計0.5%程度。一方金融危機が深刻化した9月以降の円高と株安、世界経済の悪化は計1.4%もの押し下げ要因になる。ということは、この経済対策では景気を良くするどころか、景気悪化さえも抑えられないということではないか。もし、野村證券金融経済研究所の試算が政府の試算とは異なるのであれば、政府の試算を示していただきたい。

三 平成二十年八月内閣府発表の資料(第三十五回ESRI経済フォーラム「経済対策とマクロ計量モデルの活用」)によれば二○○八年度のGDPデフレーターはマイナス1.0%となっており、デフレは脱却できていない。民間シンクタンクがまとめた7~9月期のGDPは年率換算で実質がマイナス3.0%、名目がマイナス3.3%となっている。円高・株安・海外の景気後退など、日本の景気にとってマイナスの要因は多い。これから景気は更に悪化するのを政府が放置するのであれば、三年後の景気回復は望めないのではないか。

四 政府は、赤字国債を使って景気対策を行わないと言っているが、それであれば、今年で埋蔵金は使い果たし、今後は景気対策をできない、つまり景気が悪化しデフレスパイラルに陥っても放置するということか。また、今年度の国税収入は予算計上額を5兆円も下回るのではないかと言われるほど憂慮すべき状況にあり、金額はともかくとして、そのような事態が確実視される今回の景気対策は、実質的に赤字国債を財源としていることになるのではないか。

五 内閣府(新たな経済対策に関する政府・与党会議・経済対策閣僚会議合同会議)が平成二十年十月三十日に発表した「生活対策」の三頁~四頁には「安易に将来世代に負担をつけまわすことは行わない」とある。将来世代への負担とは、国の債務そのもののことか、それとも債務のGDP比のことか。

六 もし、将来世代への負担の意味が債務そのものであるなら、百分の一のデノミを行えば簡単に負担は百分の一に減らせるが、それで十分なのか。

七 もし、将来世代への負担の意味が債務のGDP比という意味なら、内閣府の短期モデルの乗数表が参考になる。下の表は短期金利を固定したまま、公共投資を毎年GDPの1%(5.2兆円程度か?)増やし続けたらどうなるかのシミュレーションを示したものである。これによれば、全ての経済指標は大きく改善されている。それだけでなく、国の債務のGDP比は初年度マイナス1.53%、2年後マイナス1.99%、3年目マイナス2.35%と減り続けている。3年目から増加ということはない。つまり赤字国債を発行して景気対策をすれば、将来世代への負担を減らすことが出来るということではないか。

八 平成二十年十一月四日の答弁書(内閣衆質一七○第一五九号)の六についてで、「ご指摘の見解は、我が国経済が、バブル経済の崩壊により、極めて厳しい不況を経験し、ある時期には危機的な様相さえ呈していた平成十年当時において」とある。その一方で麻生首相は十月三十日の記者会見で百年に一度の暴風雨が吹き荒れていると述べられた。平成十年当時と今とでどちらの経済情勢が厳しいと考えているのか。

 右質問する。

Gdp_2

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

内閣衆質一七○ 第二一三号
平成二十年十一月十八日
内閣総理大臣 麻 生 太 郎

衆議院議長 河 野 洋 平 殿
衆議院議員滝実君提出
三年後の景気回復の可能性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員滝実君提出三年後の景気回復の可能性に関する質問に対する答弁書

一から三までについて
 今回の「生活対策」(平成二十年十月三十日新たな経済対策に関する政府・与党会議、経済対策閣僚会議合同会議決定。以下「本対策」という。) においては、「生活者の暮らしの安心」、「金融・経済の安定強化」、「地方の底力の発揮」を重点分野とし、我が国経済の立て直しに取り組んでいくこととしている。
 お尋ねの「景気回復」については、経済社会の動向等を総合的にみて判断する必要があり、個々の経済指標で一概に定義することは困難である。いずれにせよ、政府としては、現在の金融経済情勢を踏まえ、「日本経済は全治三年」という基本認識の下、当面は本対策等に基づき、景気回復を 最優先で図っていくこととしている。
なお、本対策の効果等の試算については、本対策には様々な施策が盛り込まれていること、それらについての予算や税制等の具体的内容が決定されていないこと等から、御指摘の野村讃券金融経済研究所による試算と同様の試算を行うことは困難である。

四について
 経済財政運営に当たっては、経済成長と財政健全化の両立を図つていくとの考え方を基本とし、時々の経済状況に応じて、適切な対応に努めてまいりたい。
 本対策の財源については、税収減を補うための財源とは別のものとして、赤字国債に依存しないこととしている。

五及び六について
「日本経済の進路と戦略―開かれた国、全員参加の成長、環境との共生―」(平成二十年一月十八日閣議決定) においては、我が国の財政について、「政府債務残高GDP比は二OO八年度(平成二十年度)百四十・ニパーセント程度と引き続き極めて高い水準にあると見込まれる。このように、我が国財政は主要先進国の中でひときわ厳しい状況にあり、将来世代へ負担を先送りする構造となっている。(中略)人口減少や少子高齢化が進めば、将来の世代に一層重い負担がかかることから、財政健全化は喫緊の課題である」としており、政府としては、将来世代に責任をもった財政運営を行い、持続可能な財政構造を構築する観点から、債務残高GDP比を安定的に引き下げること等を目指しているところである。

七について
「短期日本経済マクロ計量モデル(二〇〇六年版) の構造と乗数分析」(内閣府経済社会総合研究所ディスカツション・ベーパー一七三号)付属資料におけるシミュレーションは、モデルの構造について理解を助けるため、短期金利を機械的に固定するなど一定の前提を置いて推計した結果であるが、一般に、計量モデルによる計算結果は、相当の幅をもって解釈すべきものであることから、この結果をもって、赤字国債を発行して景気対策をすれば、将来世代への負担を減らすことが出来るか否かは一概には言えない。

八について
平成十年当時と現在の経済情勢のどちらが厳しいかについては、内外の経済社会状況等の違いもあり、一概にお答えすることは困難であるが、現在の我が国経済については、世界経済の減速に伴い既に景気後退局面に入ったとみられ、当面、厳しい状況が続いていくものと認識している。
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コメント

生きた化石 様

 コクセキ法、ほんとうにやばいですよね。
まったく、立て続けに妙なものを出してきま
すね。日本人だったら、国籍法はつぶさないと。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2008年11月19日 (水) 15時53分

高橋様

マンガ脳の麻生では、日本の舵取りは不可能です。
ですから、質問や公約は「一過性」のように感じます。

話しは変りますが、産経に出ていた記事が心配です。
国籍法「審議不十分」 改正案衆院通過

このような重要な法案が通過されても、TVのニュースにはなりません。
おそらく、通ってから事件が起き、TVはその時点で政治批判をするのでしょう・・・・・・。
参院はこれからなので、一部の望みを見守りたいと思いますが・・。

投稿: 生きた化石 | 2008年11月19日 (水) 15時24分

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