「お金を刷りなさい」という仲間が増えつつある(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第146弾です)
世界的な金融危機で日本経済も急激に悪化する中、お金を刷りなさいと主張する仲間がどんどん増えつつある。2009/1.2/9号の週刊ポストには「これが「平成の救国札25兆円」日本再生計画だ!」という記事が載っている。高橋洋一氏の意見のようだ。
「政府紙幣発行の財政金融上の位置づけ-実務的観点からの考察-」という論文が財務省のホームページに載っている。
www.mof.go.jp/jouhou/soken/kenkyu/ron086.pdf
この頃(2004年4月)、財務省は政府貨幣の発行の検討をしていたという話を財務省の人から聞いたことがある。その頃財務省の検討内容をまとめたのがこの論文のようだ。ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツが日本にやってきて政府貨幣を発行せよと主張し話題になった。財務省もその前にスティグリッツを講演に招いており、そんな手があるのかということで、財務省もそれならとやる気になっていたようだ。2004年がやるべきか、やるべきでないかの微妙な年だったようだ。
日本経済復活の会はこの頃、スティグリッツと連絡を取り、もう一度やってきて、あと一押ししてくれと頼んでいた。スティグリッツも乗り気で、具体的な日程まで出ていた。しかし、土壇場のところでキャンセルとなった。早稲田大学での名誉博士号授与の行事とぶつかり、結局そちらに取られてしまった。政府貨幣発行を財務省に受け入れさせるほうが名誉博士号より、余程重要だったと思うのだが・・・。いずれにせよ、政府貨幣発行を高橋洋一が支持しているということは、お金を刷れという主張をする仲間が一人増えたということだ。
最近の産経新聞で中谷巌というマクロ経済学で有名な経済学者が「大規模財政出動をせよ」と主張している。経済学者はなかなかこういった主張をしていても、公には発表しない人が多い中、彼も大切な仲間の一人になった。
ところで、12月18日の朝日新聞に分かりやすい記事が載っている。日米の量的緩和策の違いを絵で説明している。量的緩和策とは、中央銀行がお金を刷る政策だ。刷ったお金が実体経済に十分流れれば、間違いなく景気は良くなる。しかし、日本は福井日銀総裁が2001~2006年の間量的緩和策を実行したが、余り効果がなかったと言われている。なぜだろう。絵の上半分を見ていただきたい。 まず言えることは、ジョロで流していることだ。つまり流す量が全然少ない。しかも金融機関に流しているだけで、そこから市中に流れることを期待した。しかし、流れるわけがない。これは日銀から銀行にプレゼントしたお金ではなく、銀行の持つ国債を買っただけだ。当時銀行は巨額の不良債権を抱えており、借金と資産のバランスを考えなければならぬ状況にあって、自己資産比率の低下に悩んでいた。つまり貸出を増やすと自己資本比率が低下し営業ができなくなる仕組みになっており、貸し出す余力がなかった。ましてや新たな不良債権を発生させるかもしれないような企業には貸せなかった。
企業側からすれば、売り上げ不振で、銀行がら多額の融資を受けてどんどん設備投資をする状況にはなかった。すべてが、デフレ経済で名目GDPの伸びが世界最低の日本ならではの現象であった。つまり、日銀は銀行に刷ったお金を少しだけ流したが、それが市中に流れることはなかったから、効果はなかった。
絵の下の部分を見て頂きたい。これは現在のアメリカの量的緩和だ。お金を刷る額が桁違いだ。しかも銀行に流すのでなく、直接市中にばらまいているのだ。これなら効く。いや、効くまでバラマキを増やし、一気に景気を回復させる。「お金を刷る」政策のお手本だ。麻生氏は世界最速で景気を回復させると言っているが、やり方は余りにもお粗末だ。これで景気が回復すると本気で思っているとしたらお笑いだ。まず第一に規模が小さすぎてとても景気回復など夢の又夢だ。それでなお3年後に増税など言っているのだから、わずかの景気の芽までもつぶしている。
お金の使い方も間違えている。給付金などという大部分の国民が反対するような政策をなぜ強行するのか。定率減税ならほとんどの国民が賛成しただろう。雇用対策も問題だ。無理に雇用確保するということは、必要としない雇用にまで助成金を出すと言うこと。これぞ究極の無駄だ。非正規従業員を正規にしたら100万円をやるのだそうだが、非正規の中にも優秀な人はいる。そういった人は助成金なくても正規になっただろう。そのような昇進は、どの時期でもどの会社でも一定の割合で発生する。助成金なしでもいずれにせよ正規になれたのに、わざわざ税金で助成するのか。
緊急融資もどうだろう。自分の会社は巨額の赤字を抱えていて、そろそろ潰そうと考えていたオーナーは喜んで借りるだろう。どうせ潰すなら、たっぷり借りて潰したほうが得だ。新銀行東京を見よ。やたらに誰でも金を貸したら、そういう無駄な所に金をばらまくことになる。
金を使うならもっと国民の将来を考えろと言いたい。太陽光、風力、地熱などの新エネルギー開発に使うべきだ。教育にも、あるいは公共施設の耐震化にも、医療、介護、などにも使いたい。電信柱を取り払い地中に埋めるのもよい。花粉症対策で杉の木を花粉の出ないものに植え替えたらどうだ。首都圏の環状道路の整備はどうか。母子家庭や重度障害者への支援を復活したらどうか。小泉氏が診療報酬を引き下げたため公立病院がばたばた倒れている。元に戻したらどうだ。
本当に使わなければならぬ所は山ほどある。場当たり的な景気対策を止め、本当に国民の将来を考えてお金を使って欲しい。それが景気回復への近道だ。
小野盛司氏の日本経済復活シリーズ・インデックス
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日本に希望を与える信念の男、城内実
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