我々の長年の主張が次々と実行される(小野盛司)
(※日本経済復活の会 小野盛司会長の記事、第153弾です)
世界金融危機で急激に経済が悪化している日本だが、政府・日銀は次々と我々が長年主張していたことを実施している。私が最初に「お金を刷りなさい」という主張を始めたのは1995年だった。需要不足でデフレに陥った経済を立て直すには「お金を刷る」しかない。それはこの十数年間変わっていない。
政府もマスコミも、「国の借金」が心配で、なかなか大規模な財政出動に踏み切れなかった。しかし、ここに至って政府も野党もマスコミも大規模財政出動の必要性は理解したようだ。政府紙幣発行も検討し始めたし、日銀も国債を月1.4兆円(年16.8兆円)、社債を1兆円、CP・ABCPを3兆円など、次々買うことによって「お金を刷り」始めた。これは2008年度の実質GDPが3%程度減りそうだということで、あわてて対応した動きだ。
もしも十分な規模で実行されれば、これらの動きは大変良いことである。気がかりなのは、この不況一般に余りにも軽く見られていることである。その現れが麻生総理による再来年からの消費税増税という軽率な発言だろう。今まで、景気対策は何回も行われたが、少し景気が上向いただけで政府は直ぐに引き締めに動いたために、デフレ脱却に失敗している。このことに関して、FRBの元理事であるフレドリック・ミシュキンは「日本は大馬鹿やろう(God damn stupid)」と言ったと本日(2月28日)の日経夕刊に書いてある。オバマ大統領も「日本のてつを踏むな」と言って巨額の財政出動に踏み切る。
大規模財政出動が必要となったのは実質GDPが3%下がったからだけではない。世界のGDPの中の日本の割合は1994年には17.9%だったが、2007年には8.1%にまで下がった。何と55%も減ったのだ。人口が減ったからという馬鹿なことを言う人もいるが、一人当たりの名目GDPも1993年には世界で2位だったのに、2007年には19位までに落ちた。一人当たりのGDPだから、人口減少は全く影響ない。象徴的なのは1989年には世界の長者番付の上位10位の中に、日本人が何と6名もいた。それに対して2007年には100位以内に日本人は一人もいなくなった。これが人口減少のためだと説明するには、人口が100分の1にならなければならないが、それどころか、この間人口は僅かながら増えている。デフレでお金が消え日本から金持ちがいなくなったのだ。世界の企業の時価総額ランキングでは1989年には20位以内に14社もいたのに、2007年には20位以内に入っている日本企業は0である。
これだけ没落し、貧乏になりつつあった日本を政府・日銀は全く放置していた。今回、実質GDPが僅か3%減っただけで、政府・日銀は大あわてで対策を打ち出した。全く経済が分かっていないことがよく分かるのだが、対策を打ち出さないより遙かによい。この際、過去の発言が全部間違いだったと政府・日銀・マスコミ等は全員自己批判すべきだろう。
政府は「景気を支えるために政府が需要を積み増す政策はとらないこととしている」と主張し、景気対策のための財政出動は行わないとしてきたが、これが誤りであったと認めるべきだ。
デフレであるのにも拘わらず、歳出を最大限削減するという馬鹿な政策を続けてきた。これも誤りであったと認めるべきだ。
政府も野党もマスコミも公共投資を悪玉にして、もう公共投資はいらないと主張してきた。不況脱出にも雇用対策にも最も有効な公共投資に世界各国が力を入れる中で、日本は公共投資を減らし続けてきたことが、世界最悪の経済の落ち込みを招いている。それが日本にハブ空港、ハブ港湾の建設の遅れを招き、日本経済の没落の一因となっている。また、日銀は円の失なう恐れがあるという理由で国債の買い取りを拒否してきた。しかし、やっと国債を買い始めた。過去の金融政策が間違いであったことを認め、今後は大規模に国債を買うべきである。
政府・日銀は、実質GDPが3%だけ落ち込んだのを取り戻せばよいのではなく、世界におけるGDPのシェアが55%も減ってしまったのを、少しでも挽回する努力をしなければならないのだということと、それは1年や2年の景気対策などではとうてい無理なのだということを、肝に銘じておくべきである。
平成20年11月20日の質問主意書で我々は政府に対し「自然エネルギーの利用に関する質問主意書」というタイトルで質問をした。その中で
二 自然エネルギーの利用促進という面で大きな障害になっているのが、電力の買い取り価格である。自然エネルギーの利用が進んでいるドイツなどと比べて買い取り価格が低いために、自然エネルギー発電は採算に合わず、いつまでも開発が進まない。しかし、買い取り価格を上げると、電力会社の負担が大きくなる。そうであれば、負担は政府が助成金として電力会社に支給するという可能性は考えられないか。
と提案した。それに対する平成20年12月2日付けの麻生総理の答弁書の中で
二について
政府としては、新エネルギー技術の普及の促進に向けて、新エネルギー技術を導入する者に対する補助事業等を既に実施しているところである。なお、御指摘の、新エネルギー技術により発電された電力を買い取る電力会社に助成金を支給する可能性については、施策の有効性や効率性についての現行の導入補助事業等との比較を含め、十分な検討が必要であると考えている。
とあった。2月24日の日経では「太陽光発電普及へ新制度」とあり、太陽光発電普及へ新制度として仮定からの電力の購入価格を2倍にするという方針が示された。我々の要求したのが、功を奏したのか。ただし、その分は電気代の値上げでまかなうそうなので、それでは景気を冷やす。当然、電力購入費は景気対策として政府が出すべきものである。
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