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2009年2月 1日 (日)

今、マスコミが忌避する「郵政民営化」の是非論

 現在、鳩山総務相が、オリックス・グループに「かんぽの宿」を一括譲渡する話しに待ったをかけてクローズ・アップされている。しかし、なぜか、テレビ朝日などはこの問題に消極的だ。おざなりには鳩山総務相の一括譲渡論制止を報道しているが、いっこうにその背景を語ろうとしない。他のテレビ局も、新聞全国紙も似たように消極的だ。ここから何が見えてくるか、非常に明快につかむことができる。

 つまり、「かんぽの宿一括譲渡問題」の歴史的背景には、わずか四年前の「郵政民営化」があるのだ。おかしいとは思わないだろうか。官僚の天下りや箱物行政には、あれほど執拗に取材して、問題意識を煽っているテレ朝が、当然飛びついていいはずの「かんぽの宿」問題に対しては、努めて及び腰なのだ。これは日本のマスメディアが郵政民営化の是非論を国民に問いかけることを強く忌避している証左である。それには大きな理由がある。当時のマスメディアは郵政民営化法案の成立過程、そして事前の選挙報道に重大な偏向報道を行っているのだ。今になって、郵政民営化は国益に寄与していない悪法ではないかという国民の理解が強くなり始めている。そこで、なぜこのような国益毀損の法案が成立してしまったのかを、たどって行くと、マスコミの誘導報道に突き当たるのだ。今のマスコミが郵政民営化の是非論を報道の題材にした場合、自分達が米系保険業界のカネで、郵政民営化を理想の法案であるかのように国民を詐術したことが暴かれてしまうからだ。

 今から四年前、郵政民営化の是非を問う小泉政権による、衆院の歴史的な暴虐選挙が行われた。その際、マスコミは徹底的に小泉氏のワンフレーズ・ポリティクスを延々と繰り返し、民放のコマーシャルは米系保険会社のコマーシャルで占有されていた。私はこの当時のテレ朝の姿勢を良く覚えているが、ニュース・ステーションの古舘一郎氏は、郵政民営化には外資の思惑があるという最も至当な意見が出そうになると、それを徹底的に封じ込めていたことを思い出す。その古館氏は昨夜のニュースステーションでも、「かんぽの宿」一括譲渡問題にからみ、国民が郵政民営化を見直すとか、逆戻りさせるなんてことはとんでもないことだと言っていた。(本音が出ていた。彼の本音はテレ朝の本音でもある)

 古舘氏のこの言葉に、テレ朝が四年前と同様に、今も郵政民営化を徹底遂行させる腹積もりであることが窺える。つまり、テレ朝にとって、「かんぽの宿」問題は触れてはならない強い禁忌なのだ。そうは思っていても、問題がここまで表面化、深化してしまった以上、国民が郵政民営化をスルーしてしまう方が難しいだろう。2007年の夏期参院総選挙では国民の自公政権に対する「ノー」が突きつけられたが、それには当然、小泉構造改革の中心として行われた郵政民営化に対する深い疑念も含まれている。当然、今度の衆院選挙ではそれが選挙の争点になる。

 2005年の9月の衆院解散総選挙前は、米系保険業界の莫大な戦略的CM資金が日本のメディアに投入されたという噂がある。その額は数千億円。一説では兆を超えているという話もある。この莫大な広告宣伝費を、電通などの広告業界のガリバーを使ってふんだんにマスコミにばら撒きながら、自民党(主に清和政策研究会)は、小泉純一郎氏を旗印にして「郵政民営化必要論」の一大キャンペーンをやった。はっきり言えば、このプロパガンダは、米系国際金融資本が日本人の売国勢力を巻き込んで、日本国民全体に仕掛けた巨大な洗脳戦略だった。これに踊らされた国民も、今ではすっかり洗脳から醒めかかっている。次期総理大臣の待望度(人気度)では、麻生総理をはるかに引き離して小沢一郎氏が圧倒的に支持を得ている。

 これは麻生氏に対する幻滅というよりも、自公政権が行ってきた政策出力の痛みを国民が如実に感じているからだ。この痛みが、あの郵政選挙の洗脳を解く効果をもたらしている。国民は構造改革に不審の目を向け始めた。ところで、小泉構造改革を鳴り物入りで囃(はや)し立てていた政治家連中や評論家連中が、最近は一転して、金融資本主義は人間性に反するなどと言い始めている。彼らは卑怯者だから信用できない恥ずべき人間だ。自己保身をいかにしてやろうかと必死になっている。彼らはそのうち言い始めるだろう。構造改革も郵政民営化も本音では反対だったが、あの時点では趨勢に逆らえなかったとか。いつの時代にも卑怯者の屁理屈は出てくる。これについて喜八ログさんも同じようなことを書いているので一部抜粋しておく。
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   いまや買弁勢力の戦線は全崩壊しつつあります。
最近になって某著名経済学者N氏が公然と「転向」を表明しました(より良い方向への路線転換は、やはり良いことだと思います)。
かつて「小泉・竹中改革バンザイ!」をなりふり構わず唱《とな》えていた知識人(?)・テレビ文化人(?)・タレント(?)たちがいました。
彼ら彼女らの多くは、たった数年前の自らの言動を完全に棚上げして、「金融資本主義の弊害」なんて言い出しています。
「小泉カイカク」を熱狂的に支持していたブロガーさんたちの多くも、にわかに健忘症になったようです(笑)。
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 喜八ログさんも指摘しているように、小泉構造改革マンセー派だった各界著名人たちは、宗旨替えするためには、著名経済学者の中谷巌氏のように、国民に向かって自分の過去の過ちを大きく表明することが大事だ。そのことを抜かして、自分の立ち位置を非ネオリベ主義にソフトランディングしようなんて小狡(こずる)いことを考えている連中は二度と信用しなくていい。小泉構造改革を強く支持していた連中には、経済苦で自殺した多くの人たちの血塗られた怨念がかかっている。国民はこの連中が間接的な殺人に関与していたという事実を忘れてはならない。日本人はすぐに水に流す寛容性を持っているが、小泉政権を支えた重要な連中だけはけっして許してはならない。二度と表の舞台に登場できないように見張るべきだ。もちろん、重要な連中は法的な裁きの対象となるべきだ。

 さて、国民もそろそろ真実に目を投じるべきだと思う。今、政治家にしても、有識者にしても、日本再建のために最も信用できる人たちとはどういう人たちだろうか?簡単である。小泉政権時代に、この詐術的政権に対して、敢然と反対の態度表明をしていた有識者たちである。小泉政権批判を行って最もひどい目にあったのは誰か?それは他ならぬ植草一秀さんである。彼が二度の国策捜査に遭遇してひどい目に遭った分、彼の功績は大きいのだ。この観点から彼の小泉政権、及びその踏襲政権への批判の正しかったことは、今ではよく見えてきたと思う。

 幸い、今では彼の考え方はブログで読むことができる。彼のブログを見て気付くことがあると思う。彼は自己正当化よりも、国民を不幸に導く政権政策を徹底して批判し続けている。この姿勢こそ、植草さんが小泉政権初期から一貫して変わっていないことを示している。かなり多くの人たちはわかってきたようだが、小泉氏や竹中氏がやってきたような邪悪で不正な政権をけっして許さない植草さんの良心こそ、これからの日本に必要なことだと思う。

 さて、憂国者として名前を挙げたい人物はたくさんいるが、竹中平蔵氏に国会で敢然と咬みついた城内実さんも絶対に国政の壇上に上がらせる人物だ。また、「主権在米経済」を書いた小林興起さんにも頑張ってもらいたい。祖国防衛の観点から言えば、西村真悟さんにもなるべく上に立ってもらいたい。西村真悟さんは“マネーゲームの世界に国民をなだれ込ませているのが小泉なんです。あれは狙撃してもいい男なんです”と言われた。今となっては、この表現が如何に正鵠を射ていたかよくわかる。小泉政権は殺人政権に等しいからだ。ネオリベを強引に導入して国民を死の病に置き、国民財産を多く米国に貢いだとんでもない国賊政権だった。

 冒頭の話に強引に引き戻すが、郵政民営化は国民全体が総括するべき時期に至っている。

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コメント

「呆然とするような隔絶」(1)

高校1年生の夏休みであったか、西園寺一晃著「青春の北京」を読んだ。覚えておく必要のない細部だけは妙に記憶に残る性質(タチ)なので、西園寺氏が北京の中学校に通うことになった日、担任が黒板に「日本同学 西園寺一晃」と書くとシーユアンスー・イーホァンとクラスの同級生が囁いたこと、「起立」をチーリー、「着席」をツォーシャーバと言うのだと著者が自分に言い聞かせるところ、写真では「同級生の馬君と」と題して、おっとり顔の西園寺氏とは対称的なキツネのような少年が写っていたのを覚えている。

ここで話題をコロリと変える。私が中学生の頃(昭和40年代後半)には朝日新聞系統の出版物が相当、世にはびこっていた。
「青春の北京」を読む約1年前、中学3年生の夏休みに姉の本棚にあったものを拝借して私は本多勝一氏の著作を何冊か読んでいる。「ニューギニア高地人」「カナダ・エスキモー」「アラビア遊牧民」「戦場の村」などであったと思う。
一番印象が強かったのが「アラビア遊牧民」の後半で「シュクラン」というアラビア語(ありがとう、という意味)を連発する本多氏たちがベドウィンの子供たちから「シュクラン」という綽名を付けられてしまったことをマクラに振って、どうやら日本と違って世界では、お礼などは言わず、更に自分が間違ったことをしても絶対に謝罪しない文化が普遍的であるかの如き内容が書いてあったことである(例としてホテルのクロークに違った部屋の鍵を渡された本多氏が、やんわりと文句を言うとアラビア人のクロークは「あなたが間違えた部屋番号を私に伝えたのだ」と言い返されたこと、また皿を割ってしまった使用人が「この皿は今日、割れる運命にあったのだ」と主張することなどが書かれていた)。

しかしこの本多氏の記述は、いくら何でもおかしい。田舎の中学生でも常識から考えて世界の大部分がこのような文化を持っていると言われて「ほう、そうのか」と鵜呑みにするほど馬鹿ではない。お礼を言われて悪い気のする人間はいないし、どこの国にも「お詫び」という言葉は存在するはずだからである。

高校生活も終わりの頃になって、私は本多氏のこの主張の基になっているのは、
第一に「日本および日本人」が西洋社会に較べて遅れているという認識と劣等感。
第二に、この劣等感を払拭するために、現実にはありえない仮想の「国際水準」を自分の頭の中に設定した挙句、それこそが真の「国際水準」であると信じ込み、自分を含めた日本人をこれに近づけようと考えていること、の二つではないかという幼稚な見解を持つようになった。

それから幾星霜、「神州の泉」に出入りさせていただくようになり、高橋先生の「旧左翼陣営、そしてグローバルだ何だと主張している新自由主義者は両者ともに『無国籍化』を志向している」という文章を読んだとき、私はハタと膝を打った。「そうか、本多氏のあの主張は左側から行く『空想的グローバリズム』への道について書いたものだったのだ!」

投稿: kenkensya | 2009年2月 3日 (火) 16時21分

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投稿: サップリン | 2009年2月 3日 (火) 01時01分

JAXVNさん、こんにちは。

 コメントありがとうございます。なるほど、米
国自体が金融危機と大統領の交代で、日本への
手綱が緩みきっているということですね。納得で
す。まあ、テレビ局にも、良心派がいて、彼らの
企画が今までは潰されていたが、フジの年次改革
要望書報道のように出てくることも今はあるとい
うことですね。しかし、郵政民営化に関して言い
ますと、押しなべてマスコミは国民を欺く犯罪的
な報道に終始していまいた。

投稿: 高橋博彦(管理人) | 2009年2月 1日 (日) 12時10分

こんにちは。
この所特に、メディアの報道姿勢に混乱があるような気がします。例えばフジ・サンケイグループにしても、産経新聞では日本郵政側の正当性を強弁するな記事が掲載されましたが、フジテレビでおそらく地上波では初めて年次改革要望書をまともに取り上げた「サキヨミLIVE」では、本日(2/1)「かんぽの宿譲渡問題」に批判的に報道を行うようです。
「22:00
サキヨミLIVE
かんぽの宿関連施設…全売却リスト入手1000円物件も▽遺族制作のビデオ上映で論争…アメリカ劇場型裁判の実態」
http://wwwz.fujitv.co.jp/bangumi/index.html
これは、これまで「米国のからの指示」通りに動いていた政治家やメディアに対して「指示」がとどかなくなってきているから、という一面もあるように思います。米国から見れば、今は自国の事で手一杯でとても他国に指示を出している余裕はないという事かもしれませんが、今まで「指示」に忠実に従い続けていた人々は、「指示」無しでは何をしたらいいのかわからず右往左往している、ということなのかもしれません。

投稿: JAXVN | 2009年2月 1日 (日) 11時01分

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